JPH10234332A - 淡色醤油の製造方法及び醤油色沢の調整方法 - Google Patents

淡色醤油の製造方法及び醤油色沢の調整方法

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JPH10234332A
JPH10234332A JP9366154A JP36615497A JPH10234332A JP H10234332 A JPH10234332 A JP H10234332A JP 9366154 A JP9366154 A JP 9366154A JP 36615497 A JP36615497 A JP 36615497A JP H10234332 A JPH10234332 A JP H10234332A
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JP
Japan
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soy sauce
primary
liquid
permeate
membrane
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JP9366154A
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English (en)
Inventor
Toshio Furukawa
俊夫 古川
Masao Nakayama
正男 中山
Yoshiharu Okamoto
義晴 岡本
Tomio Kakinuma
富男 柿沼
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Kikkoman Corp
Original Assignee
Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】醤油から有用成分をムダなく回収し淡色醤油を
製造する。 【解決手段】火入れ濃口醤油を循環ポンプ1により循環
させながら濾過処理する。透過液を熱交換機11により
一定温度に保持し、濃縮液が一定の濃度になった時点で
第1工程を終了させ、一次透過液と一次濃縮液を得る。
次に一次透過液をそのまま製品タンク9に残しておき、
一次濃縮液に調整水を加え第1工程と同じ装置で濾過処
理する。濃縮液が一定の濃度になった時点で第2工程を
終了させ、二次透過液と二次濃縮液を得、一次透過液と
二次透過液を混合して製品を得る。二次濃縮液は、醤油
の色沢調整として利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、醤油をNF膜により
処理して淡色な醤油を製造する方法及び得られた濃縮液
で醤油の色沢を調整する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に食塩阻止率50%以上
の逆浸透膜で醤油を濾過処理することにより淡色な醤油
を得るとともに、金属イオンあるいは還元糖も除去し色
沢の安定した淡色醤油を得る「淡色醤油の製造方法」
(特開平5−123133)を出願した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の方
法においては、醤油を逆浸透膜で濾過するのみであった
ため淡色化された醤油は得られるものの、特に濃縮液の
成分がアンバランスなものとなり、その用途に苦慮して
いた。そして、その濃縮液を更に濾過処理するにしても
濃縮度が既に2〜3倍になっていると、一応濾過処理は
可能であるが、効率の面で問題点があった。そこで前記
従来例において透過液を製品化するに際して、最終工程
で食塩水あるいは水(以下調整水という)で調整してい
たことに注目し、濃縮液をこの調整水で希釈して濾過し
得られた濾過液と第1回目に得られた透過液を混合する
ことにより、例えば窒素分等の有用成分の回収率を向上
させることができ、しかもそのまま目的とする成分の淡
色醤油を得ることも可能であること、並びに第2回目に
得られる濃縮液は、原液に対して高濃度なものになって
おり、かつ窒素あるいは塩分も残留しており醤油色沢の
調整に利用できることを知見し、本願発明を完成させ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本願発明は、醤
油をNF膜で濾過し一次の透過液と濃縮液に分離した
後、一次濃縮液に調整水を加えてからさらにNF膜で濾
過し二次の透過液と濃縮液に分離し、次いで一次透過液
と二次透過液を混合して成ることを特徴とする淡色醤油
の製造方法、並びに醤油をNF膜で濾過し一次の透過液
と濃縮液に分離した後、一次濃縮液に調整水を加えてか
らさらにNF膜で濾過し二次の透過液と濃縮液に分離
し、得られた二次濃縮液を用いて醤油の色沢を調整する
ことを特徴とする醤油色沢の調整方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】まず本願発明が適用できる醤油と
しては、濃口醤油、淡口醤油、溜り醤油、白醤油、低塩
醤油、酵素分解による化学的醤油等を挙げることがで
き、またそれらの生醤油、火入れ醤油を問わず利用でき
る。次に本願発明において、濾過膜としてNF膜(Nano
-filtration 膜)を用い、濃度0.2%(w/v)の食
塩水を温度25℃、圧力10kg/cm2・Gで処理し
たときの食塩阻止率(以下単に食塩阻止率と表現する)
が10%以上のものであればどのようなものでもよい。
具体的には、日東電工(株)のNTR−7410,NT
R−7430、東レ(株)のSU−200等を挙げるこ
とができる。また形式としては管状、中空繊維状、スパ
イラル状、平板状を問わず利用することができる。
【0006】次に本願発明においては、最初の第1工程
で得られる透過液(以下一次透過液という)と2回目の
第2工程で得られる透過液(以下二次透過液という)を
ブレンドして目的とする成分の淡色醤油を得るわけであ
るが、このとき第1工程で得られる濃縮液(以下一次濃
縮液という)に加える調整液の量を調整することによ
り、製品の成分を目的とするものに調整するのである。
すなわち、成分調整のため従来最終工程で加えられてい
た調整水を一次濃縮液に加えることにより、該濃縮液を
効率的に濾過することが可能となり、一次濃縮液からさ
らに窒素分等の有用成分を回収することができるのであ
る。このとき一次濃縮液には、醤油の成分の多くは一次
透過液で回収されていて残っておらず、一次濃縮液を調
整水で希釈して濾過すれば、該濃縮液は10〜30倍程
度までは濾過可能で、本願発明により醤油の大部分を淡
色醤油とすることができる。
【0007】そして次に本願発明においては、二次濃縮
液を醤油の色沢調整に用いるわけであるが、この濃縮液
は調整水の量を考慮した場合原液に対して10〜20倍
程度濃縮されており窒素分2.3〜2.8%(W/
V)、塩分10〜18%(W/V)を含有しており、一
方色沢は、100倍量の水希釈でJAS30〜40番で
ある(二次濃縮液は色沢が濃くそのままでは測定不可能
なため)。一応成分、香り等醤油としての条件を備えて
おり、天然あるいは自然を旨とする醸造製品の色沢調整
物質として有効である。色沢を調整される醤油として
は、さしみ醤油、たまり醤油、あるいは濃色醤油等を挙
げることができる。なお、色沢を調整された醤油は、せ
んべいのたれ、ラーメンのつゆ等濃い色沢を必要とする
ものに利用される。
【0008】次に工程順に説明するに、まず第1工程に
おいて濾過するための膜としては、食塩阻止率10%以
上のNF膜を利用するわけであるが、この食塩阻止率が
小さすぎると製品自体を淡色化することができず、時間
の経過と共に色沢が増加する傾向になる。そして濾過圧
力としては10〜50kg/cm2・G程度で、好まし
くは20〜50kg/cm2・Gが適当である。濾過温
度としては20〜40℃が適当で、濃縮の程度としては
1.5〜3.0で、色沢JAS50〜58番程度の淡色
醤油を得ることできる。ここで濃縮し過ぎるとオリ成分
が発生したり、透過液流束(Flux)の低下が著しく
なるため、濃縮度は2〜3倍が好ましい。膜による濾過
処理における濃縮度は、濾過の効率の点からこれが低す
ぎると成分の回収が十分でなく、また高すぎると濾過効
率が落ちるため一般的に1.5〜3倍程度が好適であ
る。これがため濾過工程では、自ずと濃縮度は限定され
ることとなり、この原則に則ると濃縮液の醤油としての
成分がアンバランスなものとなり、用途が限定されてい
た。また濾過温度としてあまり低温であると濾過効率が
悪く、50℃以上の高温であると香気成分の飛散等で製
品が劣化し好ましくない。
【0009】本願発明方法を実施するに際しては、図1
に示す装置が好適に利用できる。図1において1は濾過
液を循環させる循環ポンプで、2はNF膜ユニットであ
り、内部にNF膜が内蔵されている。該膜としてはスパ
イラル状に成形されたものが濾過面積が大きく有効であ
る。循環ポンプ1の吐出口3とNF膜ユニット2の処理
液入口4、また該ユニット2の濃縮液出口5と原液タン
ク6、さらには原液タンク6と循環ポンプ1の吸引口7
をそれぞれ連通連結して循環回路8を形成する。そして
9はNF膜を通過した濾過液の製品タンクで、NF膜ユ
ニット2の濾過液出口10に連通される。11は原液タ
ンク6と循環ポンプ1の間に介装されている熱交換器
で、NF膜濾過すべき液をある一定温度に保持する作用
をする。
【0010】この図1の装置において、原液タンク6に
収納された原液すなわち醤油は、循環ポンプ1により循
環回路8を繰返し流通しながら、NF膜ユニット2で処
理され、原液タンク6に一次濃縮液として収納され、濃
度がある一定値になるまで続けられる。透過液は製品タ
ンク9に送出され、一次透過液として回収される。
【0011】そして次に第2工程は、第1工程で得られ
た一次透過液はそのまま製品タンク9に残しておき、原
液タンク6に残された一次濃縮液にライン12より調整
水を加えてから、前述の第1工程と同様に濾過処理を行
う。このとき一次透過液、ならびに原液タンク6、NF
膜ユニット2、及び配管中に残された一次濾過液の各成
分及び量を分析あるいは測定し、加える調整水の量を決
める。かくして製品タンク9に製品としての淡色醤油が
回収される。
【0012】
【実施例】
実施例1 火入れ濃口醤油50lを図1に示す装置(NF膜ユニッ
ト;NTR−7430、日東電工株式会社製、SU−4
型、濾過面積6.8m2)で濾過処理した。透過液を熱
交換機により35℃に保持し、循環ポンプにより30.
0kg/cm2・Gで、15l/minの割合で循環さ
せ、33分間かけて濃縮度が2.0倍になった時点で第
1工程を終了させ、まず一次透過液25lと一次濃縮液
25lを得た。平均Fluxは6.6l/m2・hrで
あった。
【0013】次に一次透過液25lをそのまま製品タン
ク9に残しておき、一次濃縮液に調整水すなわち食塩水
(濃度17.0%(w/v))25lを加え第2工程の
原液を50lとして、第1工程と同じ装置で濾過処理し
た。透過温度を熱交換機により35℃に保持し、循環ポ
ンプにより30kg/cm2・Gで15l/minの割
合で循環させ、50分間かけて第2工程を終了させ、二
次透過液40lと二次濃縮液10lを得、一次透過液と
二次透過液を合計して製品65lを得た。平均Flux
は平均7.1l/m2・hrであった。各時点での成分
は下記表1に示す。また、第1工程及び第2工程それぞ
れの処理時間と透過流量の関係を図2に示す。
【0014】
【0015】実施例2 生白醤油100lを図1に示す装置(NF膜ユニット;
NTR−7430、日東電工株式会社製、SU−4型,
濾過面積6.8m2)で濾過処理した。濾過温度を熱交
換機により35℃に保持し、循環ポンプにより30.0
kg/cm2・Gで、15l/minの割合で循環さ
せ、150分間かけて濃縮度が2.0倍になった時点で
第1工程を終了させ、まず一次透過液50lと一次濃縮
液50lを得た。平均Fluxは平均2.9l/m2
hrであった。
【0016】次に一次透過液50lをそのまま製品タン
ク9に残しておき、一次濃縮液に調整水すなわち食塩水
(濃度17.15%(w/w))50lを加え第2工程
の原液を100lとして第1工程と同じ装置で濾過処理
した。濾過温度を熱交換機により35℃に保持し、循環
ポンプにより30kg/cm2・Gで、15l/min
の割合で循環させ、150分間かけて前記実施例1と同
様に濃縮し第2工程を終了させ、二次透過液93lと二
次濃縮液7lを得、一次透過液と二次透過液を合計して
製品143lを得た。平均Fluxは平均5.5l/m
2・hrであった。各時点での成分は下記表2に示す。
また、第1工程及び第2工程それぞれの処理時間と透過
流量の関係を図3に示す。
【0017】
【0018】実施例3 実施例1で得られた二次濃縮液10lをさしみ醤油(窒
素:1.7%(W/V)、塩分16.0%(W/V)、
色沢:12番(JAS))1000lに加え、色沢が調
整されたさしみ醤油(窒素:1.71%(W/V)、塩
分16.1%(W/V)、色沢:8番(JAS))を得
た。この醤油をさしみ醤油として用いた。
【0019】
【発明の効果】本願発明は以上のように構成されてお
り、従来その処理に苦慮していた濃縮液を濾過可能にし
たので、有用成分の回収を向上させることができる。さ
らに二次濃縮液が色沢調整に利用できるため、廃棄する
ものがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる方法のフローシート図
【図2】一次濃縮液の希釈による濾過速度の向上を示す
グラフ
【図3】一次濃縮液の希釈による濾過速度の向上を示す
グラフ
【符号の説明】
1 循環ポンプ 2 NF膜ユニット 6 原液タンク 8 循環回路 9 製品タンク 11 熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柿沼 富男 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】醤油をNF膜で濾過し一次の透過液と濃縮
    液に分離した後、一次濃縮液に調整水を加えてからさら
    にNF膜で濾過し二次の透過液と濃縮液に分離し、次い
    で一次透過液と二次透過液を混合して成ることを特徴と
    する淡色醤油の製造方法。
  2. 【請求項2】醤油をNF膜で濾過し一次の透過液と濃縮
    液に分離した後、一次濃縮液に調整水を加えてからさら
    にNF膜で濾過し二次の透過液と濃縮液に分離し、得ら
    れた二次濃縮液を用いて醤油の色沢を調整することを特
    徴とする醤油色沢の調整方法。
JP9366154A 1996-12-26 1997-12-25 淡色醤油の製造方法及び醤油色沢の調整方法 Pending JPH10234332A (ja)

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JP35651396 1996-12-26
JP8-356513 1996-12-26
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011010580A1 (ja) * 2009-07-24 2011-01-27 キッコーマン株式会社 淡色醤油の製造法
JP2019047781A (ja) * 2017-09-07 2019-03-28 旭化成株式会社 多孔質膜を用いた醤油の製造方法

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WO2011010580A1 (ja) * 2009-07-24 2011-01-27 キッコーマン株式会社 淡色醤油の製造法
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Effective date: 20040316