JPH10230429A - 凍結式ワーク固定法 - Google Patents
凍結式ワーク固定法Info
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- JPH10230429A JPH10230429A JP9048496A JP4849697A JPH10230429A JP H10230429 A JPH10230429 A JP H10230429A JP 9048496 A JP9048496 A JP 9048496A JP 4849697 A JP4849697 A JP 4849697A JP H10230429 A JPH10230429 A JP H10230429A
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Abstract
を加工中しっかりと固定して高精度に加工することがで
き、それでいながらワークの着脱も簡単に能率よく行う
ことができる安価で実用的なワーク固定法を提供する。 【解決手段】シリコーンオイルで代表される凝固点が水
のそれよりも高い高分子系凝固剤をすくなくともワーク
と固定用治具表面の間に介在させ、この状態で高分子系
凝固剤の凝固温度よりも低い温度の流体をワーク加工中
に前記固定用治具に作用させることにより高分子系凝固
剤を冷却しワークを凍結固定する。
Description
りわけワークを機械加工するための凍結式固定法の改良
に関する。
工、旋削加工、研摩加工、切断加工、ダイシング加工、
穴明け加工、彫刻加工などの機械加工を行う場合には、
ワークを加工機械テーブル上にしっかりと固定すること
が必要である。このワークの固定方法として、従来一般
にマグネットチャック、真空チャック、バイスなどが用
いられていたが、ワークの材質、形状などの制限がつき
まとい、ワークが薄かったり、こわれやすかったり、複
雑な形状であったりした場合にワークを確実、安定的に
固定することができないという問題があった。この対策
として、氷を接着媒体とする凍結チャック法と装置が提
案されている。この先行技術は、銅など熱伝導性の良好
な材質からなる冷凍用プレートと凍結チャック装置を用
い、冷凍用プレート上に水を霧状に塗布し、その上にワ
ークを載せ、この状態で凍結チャック装置の上に冷凍用
プレートを配し、凍結チャック装置の熱電素子に通電す
ることにより冷凍用プレートの上面温度を0℃以下に冷
し、それにより水を結氷させ、氷膜によりワークを固定
する方法である。
があった。 (1)慣用のワーク固定方法に比べて装置コストが高く、
またワークの着脱能率が悪い。先行技術は水を凍結させ
て氷膜でワークを固定するが、実際上は、冷凍用プレー
トの上面温度を−5℃よりも低い温度たとえば−10℃
程度にしなければ十分な固定力を得ることができず、ま
た、加工後には0℃以上に温度上昇させなければワーク
を取り出すことができない。このため、装置として高価
で複雑なものが必要になり、加工コストが高くなるとと
もに、冷凍用プレート上でのワークの固定と離脱に長い
時間を要し、作業効率が悪かった。 (2)加工液を使用して加工することが極めて困難で、加
工中にワークが固定用面から外れたり、テーブルから外
れたりし、またたとえ加工ができてもバリや傷が発生し
たりして精度の高い加工が不可能であった。すなわち、
機械加工中にワークと工具との間に発生する加工熱の除
去、工具の潤滑、切粉の排除などのために加工液を使用
することが適切である。しかしながら、加工液の温度
は、一般にワークを固定している氷の温度よりも高い。
このため、加工液を加工面に供給すると氷膜が溶解さ
れ、加工中にワークが固定用面から外れて加工不能とな
るばかりでなく、テーブルから外れて飛び出すためきわ
めて危険であった。この対策として、不凍液を含む水溶
性の加工液を用い、これを氷点以下に冷却して使用して
も、氷は水と親和性が強いため、やはり加工液がワーク
を固定している氷を溶解しやすく、ワークの固定解除が
起りやすい。こうしたことから、先行技術の方法は、事
実上、加工液を使用しない乾式加工にしか適用すること
ができなかった。 (3)加工中に氷がワークに積層することにより工具の動
きが阻害されやすく、寸法、形状の精度の良い加工を行
うことが困難であった。たとえばワークの切断加工やダ
イシング加工を行った場合に、加工中に、水溶性加工液
や空気中の水分がワーク上に結氷して積層する。この氷
が工具のフランジやマンドレル等に接触し、工具の動き
に障害を与えるため、精密な加工が困難となったり、工
具や主軸を損傷するといったトラブルが生じやすかっ
た。このようなことから、薄層物の加工やダイジング、
スラスシング加工を行う場合には、凍結法でなく、ワッ
クス類を使用してワークを固定していたが、この方法は
接着に30分以上の長時間を要し、また加工後のワック
スの除去もワックス洗浄装置を使用して30分以上を必
要とし、作業能率、作業性が非常に悪く、しかも、固定
力が弱く不確実であるため、加工精度が悪く、また、加
工液をかけることができないため、発熱により変形が生
ずるという問題もあった。ことにファインセラミック
系、ボロン系、コバルト系などの難削材の切断等の加工
は固定の確実性が乏しいためほとんど不可能であった。 (4)ワークの形状に制約を受け、たとえば、円筒状のワ
ークから厚さが0.5mm以下というようなドーナツ状
の製品をスライス加工する場合にはワークの固定力が不
足しまたチッピングを防止できないため、精度のよい加
工が不可能であった。
問題点を解消するために研究して創案されたもので、そ
の基本的目的は、特別な冷凍チャック装置を用いる要な
くワークを加工中しっかりと固定して高精度に加工する
ことができ、それでいながらワークの着脱も簡単に能率
よく行うことができる安価で実用的なワーク固定法を提
供することにある。 また本発明の他の目的は、筒状ワ
ークからの薄層なドーナツ状製品スライシング加工、筒
内外面研削又は切削加工、筒端面研削または切削加工な
どを高精度にしかも簡単に行なえるワーク固定法を提供
することにある。
本発明は発想を転換し、特殊な固定要媒体を使用し、か
つ加工液や加工用気体などの流体を積極的に活用してワ
ークを安定的に固定し得るようにしたものである。すな
わち本発明は、凝固点が水のそれよりも高い高分子系凝
固剤をすくなくともワークと固定用治具表面の間に介在
させ、この状態で高分子系凝固剤の凝固温度よりも低い
温度の流体をワーク加工中に前記固定用治具に作用させ
ることにより高分子系凝固剤を冷却しワークを凍結固定
することを基本的特徴としている。
うな態様が採用される。 1)固定用治具として、表面を固定用面とした熱伝導性
の良好な本体と断熱材からなる台座を有するものを使用
し、該固定用治具を加工機械側の治具固定用装置に固定
し、すくなくとも固定用治具の固定用面とワークの間に
高分子系凝固剤を介在させ、すくなくともワーク加工領
域に加工液または冷却気体を供給することにより同時に
固定用治具表面を冷却する方法。 2)固定用治具として、表面を固定用面とした熱伝導性
の良好な本体と断熱材からなる台座を有するものを使用
し、すくなくとも固定用面とワークの間に高分子系凝固
剤を介在させた固定用治具を加工機械外であらかじめ冷
却して高分子系凝固剤を凝固させてワークを固定し、こ
の固定用治具を加工機械側の治具固定用装置に固定し、
すくなくともワーク加工領域に加工液または冷却気体を
供給することにより固定用治具表面を冷却する方法。 3)上記2)において、固定用治具を加工機械外であら
かじめ冷却する方法としては、プリクーラを使用する場
合のほか、固定用治具そのもの本体内部に冷却媒体の通
路を形成しておき、該通路に冷却媒体を流通させること
により冷却する場合を含む。 4)固定用治具として熱伝導性の良好なパレットを使用
し、加工機械側には、パレットを着脱自在に固定する固
定手段を有する熱伝導性の良好な本体と該本体の回りを
囲む槽を有するパレット固定用治具を設けておき、パレ
ットを本体に固定するとともにすくなくともパレットと
ワークの間に高分子系凝固剤を介在させ、前記槽内に高
分子系凝固剤の凝固温度よりも低い温度の流体を供給す
ることによりパレット固定用治具を冷却してパレットを
冷却する方法。 5)固定用治具として熱伝導性の良好なパレットを使用
し、加工機械側には、パレットを着脱自在に固定する固
定手段を有する熱伝導性の良好な本体と該本体の回りを
囲む槽を有するパレット固定用治具を設けておき、すく
なくともワークとの間に高分子系凝固剤を介在させたパ
レットを加工機械外であらかじめ冷却して高分子系凝固
剤を凝固させてワークを固定し、このパレットをパレッ
ト固定用治具に固定する一方、前記槽内に高分子系凝固
剤の凝固温度よりも低い温度の流体を供給することによ
りパレット固定用治具を冷却してパレットを冷却する方
法。 6)4)および5)の高分子系凝固剤の凝固温度よりも
低い温度の流体は、水でもよいし加工液でもよいし冷却
気体であってもよい。またかかる流体の槽内への供給方
法は、パレット固定用治具の本体内部を通して行われる
場合を含む。
固定用治具として熱伝導性の良好な材質からなる本体と
これから外方に伸びる軸部を有するものを使用し、この
軸部に高分子系凝固剤を介してワークを取付け、ワーク
加工中に連続して軸部内又は/及び軸部外に高分子系凝
固剤の凝固温度よりも低い温度の流体を供給することで
高分子系凝固剤を凝固させてワークを凍結固定する構成
としている。この場合、高分子系凝固剤の凝固温度より
も低い温度の流体は液体でもよいし気体であつてもよ
い。軸部は中実な場合のほか中空状である場合を含む。
分子系凝固剤は、凝固点が水のそれよりも高いことに加
え、表面張力が水よりも小さく、良好な撥水性を備え、
化学的に安定で毒性のないものである必要であるが、高
分子系凝固剤の性状としては、液状のものからクリーム
状(バター状)ないしペースト状のものをすべて含んで
いる。その例としては、オクタメチルシクロテトラシロ
キサン、すなわち、低分子シリコーンオイルないし4量
体の環状シリコーンオイル、環状ポリジメチルシロキサ
ン、環状ジメチルシリコーンオイルなどと称されるシリ
コーンオイルあるいはこれを主成分とするものなど挙げ
られる。以下本発明でシリコーンオイルとはかかるもの
を指す。環状の5量体主成分とするシリコーンオイルや
環状の5量体主成分とするシリコーンオイルは凝固点が
水の凝固点よりも低いため不適当である。 クリーム状
(バター状)ないしペースト状物は、簡便にはシリコー
ンオイルに粘度調整剤(増ちょう剤)配合することで得ら
れたものである。粘度調整剤としては、各種材質の粉末
好ましくは微粉末を用いることができる。本発明は液状
の高分子系凝固剤とクリーム状ないしペースト状の高分
子系凝固剤を単体で使用する場合のほか、両者を併用す
る場合を含んでいる。クリーム状ないしペースト状の高
分子系凝固剤はワークの周囲と固定用面をつなぐように
塗着すると非常に効果的にワークを固定することができ
る。
流体はワーク加工のために供給されたものを同時に固定
用治具に作用させる場合だけでなく、加工のためとは別
に固定用治具に供給して冷却する場合を含んでいる。本
発明で適用される高分子系凝固剤凝固用の流体は液体だ
けでなく、冷却空気で代表される気体など任意である。
液体としては水でもよいしワーク加工のために使用され
ている加工液を利用し得る。「加工液」はクーラント
液、研削液、切削液などと称されるものを含んでおり、
加工による熱を除去する冷却作用、潤滑作用、切粉や砥
粒を洗い流す作用、防錆作用の少なくとも一つを有し、
水および水溶性のもの(マルジョンタイプ、ソリュブル
タイプおよびソリューションタイプ)及び非水溶性のも
ののいずれでもよく、液体だけで構成されている場合だ
けでなく、液体と気体の混合されたものを含む。これら
は加工液の種類は加工作業の内容とワーク材料によって
選択される。 気体は冷却エアや冷却不活性ガスが代表
的なものであり、その温度はワークの材料や加工熱によ
りたとえば−5〜40℃から選択される。ただし、いず
れにしても加工液は、高分子系凝固剤を溶解する成分
(芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素)
を含まないこと、かつ高分子系凝固剤の凝固温度よりも
低い温度、これはすくなくとも3℃、好ましくは5℃以
上低い温度を有していることが必要である。この加工液
による高分子系凝固剤の冷却は、ワークと工具との接触
部位に注がれて流れることを利用してもよいし、ワーク
と工具との接触部位に供給されるものとは別に供給され
てもよい。後者の場合は、固定用治具の外部からだけに
限られず内部からであってもよい。
系、銅系、アルミニウム系、チタン系、シリコン系、ゲ
ルマニウム系、コバルト系などで代表される金属、プラ
スチック系、ガラス系、カーボン系、セラミック系、木
質系、あるいはこれらの2種以上の複合材、水晶、ダイ
ヤモンド、CBN、ルビー、サファイヤなど材質を問わ
ず、また形状、寸法も問わない。加工方法も、平面研
削、成形研削、クリープ研削、円筒研削などの各種研削
加工、旋削加工、研摩加工、切断加工、スライス加工、
ダイシング加工、ミーリング加工、溝加工、穴明け加
工、彫刻など態様を問わない。前記ワークはこれに対す
る加工が表面である場合には、固定用治具に直接固定さ
れてもよいが、切断加工や穴明け加工のように加工が肉
厚を貫通するような場合には、固定用治具の固定用面へ
の工具の接触を防止するため抜き代材が本来のワークと
固定用面の間に介装される。本発明はこの場合を含んで
おり、したがって、本発明において「ワーク」とは加工対
象物としての本来のワークおよび抜き代材を層着したも
のを含む概念である。
凝固剤をワークと固定用治具の固定用面の間に配し、高
分子系凝固剤を接着媒体としてワークの固定を得るよう
にしている。このため、固定用面が0℃を越える温度で
あっても強い機械加工力に十分耐えうる固定力が得られ
る。また、高分子系凝固剤の凍結に要する時間は瞬間的
であって安定しているため、ワーク固定作業の著しい簡
易化と能率化を図ることができる。しかも、ワークを固
定する媒体として凝固点が水のそれよりも高い高分子系
凝固剤は撥水性を持っている。このため、水溶性の加工
液を使用しても高分子系凝固剤が溶解される危険性は全
くなく、高分子系凝固剤の凝固温度以下の温度の流体
(たとえば加工液)をワークの加工時にワーク及び/又
は固定用治具に注いだり、噴射したり、吹付けたり、固
定用治具を液体中に浸漬させたり、あるいは固定用治具
内を通過させたりすることにより、高分子系凝固剤によ
る凍結固定を安定させることができ、安全確実に精度の
よい加工を行うことができる。さらに、高分子系凝固剤
は撥水性があるため、シリコンウエハーセラミックスや
金属板などに対して切断加工やダイシング加工、スリッ
ト加工などを行った場合にも、ワークの表面に加工液や
空気中の水が凍結し積層してそれが刃先の直上の工具フ
ランジや主軸に接触するといった現象が全く生じない。
このため、工具の動きが常に円滑に保たれ、スムーズに
精度のよい加工を行うことができる。
剤を混合したクリーム状ないしペースト状のものを使用
した場合には、主成分の凝固により薄い膜でなくボリュ
ームの大きな塊りとなり、かつ粘度調整剤が一種の骨材
として働く。このためワークの接着固定力が非常に強く
なり、ワークに対する加工力が強大であっても安定的な
固定状態を保つことができる。ことにクリーム状ないし
ペースト状の高分子系凝固剤を下部が固定用面に接する
ようにワークの周囲に塗着し、この状態で高分子系凝固
剤を凝固させた場合には、ワークは下面だけでなく周囲
もがっちりと剛体により保持固定されるため、ワークを
スライス加工した場合にも固定用面から剥がれたりしな
くなる。さらにクリーム状ないしペースト状の高分子系
凝固剤を固定用面に接するようにワークの周囲に塗着す
るだけでなくワークの上面を覆うように塗着した場合に
は、スライス片はボリュームの大きな両端接着層とこれ
をブリッジ状につなぐ上面層とによって強固に固定され
るため、スライス片の厚みが薄くても固定面から剥離せ
ず、安定した状態に保たれる。
は−10℃以下にしないと十分な固定力が発揮されない
ため、装置的に−10℃以下の冷凍能力のある装置を必
要とするばかりか、ワークの着脱に長時間を要したが、
高分子系凝固剤は水の凝固点よりも凝固点が高く、0℃
以上の温度でもワークを固定用面に安定的に固定化して
おくことができ、前記のように加工液で代表される流体
による冷却作用で十分に固定を維持することができる。
このことから、特別な冷却装置は不要となり装置コスト
が極めて安価となり、逐次加工のために外部で予め高分
子系凝固剤を凍結させてワークを固定用治具に固定させ
ておく場合にも、その冷却のための手段としては、高分
子系凝固剤の凍結温度から適度に低い温度たとえば2℃
程度までの冷却能力のものを使用することができるた
め、水で代表される流体による通水方式のものあるいは
浸漬槽でよいことになる。したがって、この場合も装置
コストも安くて済む。さらにまた、本発明は加工機械に
固定用治具をテーブルに固定する手段として、ボルト式
や爪式などの機械的なチャック、真空チャック、マグネ
ットチャックで代表される汎用のチャックを使用できる
ため、装置を極めて単純で安価なものとすることができ
る。また、加工後のワークの固定用治具からの脱離も極
めて簡単で、能率よく行うことができる。
比重の大きいものを配合しないクリーム状ないしペース
ト状のもの含む)が水よりも比重が小さい性質を有して
いる場合、使用後の処理も容易である。すなわち、使用
済みの高分子系凝固剤だけをあるいはこれとワークを高
分子系凝固剤の凝固点よりも高い温度の水(不凍液など
を配合しているものを含む)に装入すれば、高分子系凝
固剤は水面上に分離浮上し、その浮上した高分子系凝固
剤をこれの凝固範囲内の温度の水を満たした槽に注入す
れば簡単に回収することができる。この方法によれば、
ワークに付着した切粉などの洗浄と高分子系凝固剤の回
収とを簡単、安価な手段で行うことができる。
を1mm以下のドーナツ状にスライシングする場合に
も、固定用治具として熱伝導性の良好な材質からなる本
体とこれから外方に伸びる軸部を有するものを使用し、
この軸部に高分子系凝固剤を介してワークを装着し、ワ
ーク加工中に連続して軸部内または軸部外あるいは軸部
内と軸部外から高分子系凝固剤の凝固温度よりも低い温
度の流体を供給すれば、軸部が冷却されることにより高
分子系凝固剤が凝固してワークを凍結固定するため、ワ
ークは確実に固定される。スライスされたドーナツ状の
製品は高分子系凝固剤で内径側がマンドレルの外周に接
合されているため、飛び散ったりせずしつかりと保持さ
れる。したがつて、精度よく仕上がり面の面粗度もよい
製品を能率的に加工することができる。
に基いて説明する。図1は本発明によるワーク固定法を
適用して機械加工を行なっている第1態様を示してい
る。1は加工機械のテーブル、2は所望の工具この例で
は砥石、3は固定用治具(ワークホルダ)、4はテーブ
ル1に搭載され、固定用治具を着脱可能に固定するため
の治具固定用装置、5はワーク、6はワーク5と固定用
治具3に介在された高分子系凝固剤、7は加工液または
冷却気体供給手段であり、加工液または冷却気体を加工
領域に注入、噴射あるいは噴霧するノズル70と、これ
に加工液または冷却気体を供給する供給装置71とを有
している。供給装置71は加工液を供給するものである
場合には、系に調整バルブを介して冷却加圧空気供給装
置が接続されていてミストの形態で加工液を供給するよ
うになっていてもよい。図1(a)では治具固定用装置
4として真空チャックが用いられており、吸引パイプが
外部の真空ポンプ400に接続されている。前記固定用
治具3は、図2(a)のように、ワーク5と接触する固
定用面30を含めて熱伝導性のよい材料たとえば銅、ア
ルミニウム、窒化アルミナなどで作られた本体3aの下
面側に断熱材からなる台座3bを有している。断熱材と
してはプラスチックやセラミックあるいはこれらの複合
体などが選択使用される。プラスチックはソリッドなも
のだけでなく発泡樹脂を含む。また、セラミックも通気
性を有するものを含む。固定用治具3の台座3bは図2
(a)のように本体3aの下側を全部覆っていてもよい
し、図2(b)のように本体3aの下面が所要範囲露出
するように窓孔31を有していてもよい。
具3を台座3bにより治具固定用装置4に載置して該治
具固定用装置4を作動して固定用治具3を固定し、本体
3aの固定用面30に高分子系凝固剤6を介してワーク
5を載せ、加工液又は冷却気体供給手段7から高分子系
凝固剤6の凝固温度よりも低い温度の加工液または冷却
気体をワーク5と固定用治具3に供給し、その状態で工
具2によりワーク5を加工するものである。高分子系凝
固剤6は加工液又は冷却気体により冷却されることによ
り瞬時に凍結し、これによりワーク5が固定用面30に
強固に接着された状態となり、加工のあいだ加工液又は
冷却気体が連続して供給されることによりその接着状態
が維持される。
ネットチャックが用いられており、この場合には固定用
治具3として、図2(c)のように断熱および電気絶縁
性の良好な材料からなる台座3bの下面に強磁性板3c
を有するものが使用される。この場合には、手順とし
て、固定用治具3を強磁性板3cを介して治具固定用装
置4に載置して該治具固定用装置4を作動して磁力によ
り固定用治具3を吸着固定し、本体3aの固定用面30
に高分子系凝固剤6を介してワーク5を載せる。そし
て、加工液又は冷却気体供給手段7から高分子系凝固剤
6の凝固温度よりも低い温度の加工液又は冷却気体をワ
ーク5と固定用治具3に供給し、その状態で工具2によ
りワーク5を加工するものである。高分子系凝固剤6は
加工液又は冷却気体により冷却されることにより瞬時に
凍結し、これによりワーク5が固定用面30に強固に接
着された状態となり、加工のあいだ加工液又は冷却気体
が連続して供給されることによりその接着状態が維持さ
れる。
詳細に説明すると、高分子系凝固剤6は、水の凝固点よ
りも凝固点ができるだけ高く、常温またはそれ以上の温
度で凝固することが必須の物性である。これに加えて、
表面張力が水より小さく良好な撥水性を示している。ま
た好適には水よりも比重が軽く、加工後のワークから一
般家庭で使用されている類いの洗剤で洗い落せる物性を
有している。かかる高分子系凝固剤6の代表的なものと
しては、前記したようなシリコーンオイルあるいはこれ
を主成分とするものが挙げられる。かかるシリコーンオ
イルは常温に近い温度で凝固する性質を有しており、ま
た熱安定性もよく、耐薬品性、耐酸化性、電気絶縁性の
各特性ししかも人体に無害である点でも有利である。
これに近い性状となっている。この性状の場合には、加
工に先立って、高分子系凝固剤6は固定用面30または
ワーク5に塗布されるか、あるいは固定用面30とワー
ク5の双方に塗布される。膜厚は任意であり、数ミクロ
ンでも十分に固定効果があげられる。高分子系凝固剤6
として液状のものを用いた場合には、固定用面30を高
分子系凝固剤の凝固温度よりも高い温度に保っておく。
この状態で液状の高分子系凝固剤6を刷毛、ローラ、噴
霧など任意の方法により塗布し、固定用面30に高分子
系凝固剤膜を形成する。そして次に、ワーク5を高分子
系凝固剤膜の上に置き、適宜位置決め、配向の調整など
を行ったのち、加工液又は冷却気体Wをワーク5又は/
及び固定用治具3に注ぎ、固定用面30の温度を高分子
系凝固剤の凝固点よりも低い温度にする。
固により固相へと変化し、凍結高分子系凝固剤の凝固分
子によりワーク5は固定用面30と強固に接着する。な
お、「凝固点よりも低い温度」とは、高分子系凝固剤の
凝固分子が緻密に結合し、固定用面30とワーク5との
接着による固定力(保持力)が機械加工による負荷荷重
に十分耐えられるまでになる温度を意味し、通常の場
合、高分子系凝固剤6の凝固点よりも少なくとも3℃好
ましくは5℃以上低い温度である。以上でワーク5の固
定状態が得られるので、加工機械を作動し、工具2によ
りワーク5に所望の加工を加える。このときに、工具2
とワーク5の接触部域に加工液又は冷却気体供給手段7
から加工液又は冷却気体を供給する。加工液としては、
高分子系凝固剤6の凝固点よりも低い任意温度に冷却し
た液体だけでなく、液体と気体の混合したものがあげら
れる。この例としては、液体分に冷却加圧空気供給手段
から、たとえば温度が0℃以下、圧力が5〜7kg/cm2の
冷却加圧空気を添加混合したミストがあげられる。これ
をノズル70から噴霧すればよく、液分が霧化される際
に気化熱を奪われるためより冷却効果が高く、例えば2
l/分以下といった少ない液量で慣用の機械的チャック
法の場合に使用される約10l/分以上の量の加工液に
よる冷却効果に匹敵する効果を得ることができる。凍結
高分子系凝固剤は撥水性を有するため0℃を越えた加工
液を使用しても加工液により凍結高分子系凝固剤は溶解
せず、凝固状態が維持され、ワーク5はしっかりと固定
状態に保たれる。したがって、加工液による機能(加工
熱の冷却、加工屑や脱落砥粒の除去、防錆、ワーク5と
工具2間の潤滑)を十分に発揮させ、良好な加工面性状
と精度を得ることができる。また、上記のような冷却加
圧空気混合加工液が加工中に凝固して氷となっても、凍
結高分子系凝固剤6が撥水性を有するためワーク5の表
面に氷が凍結したり、積層したりすることがなく、工具
2および工具2のフランジまたはマンドレルは損傷する
ことなくきれいな状態に保たれる。
ならば、加工液又は冷却気体供給手段7からの加工液又
は冷却気体の供給を停止する。こうすれば、固定用面3
0の温度が高分子系凝固剤の凝固点よりも高い温度に戻
り、それにより高分子系凝固剤6が固相から液相に戻る
ためワークに対する固定力が解除され、加工済みのワー
クを固定用面30から取り外すことができる。したがっ
て加工済みワークの固定解除、取り出しがきわめて簡単
かつ短時間に行なうことができる。上記のようにして液
相に戻った高分子系凝固剤6は、適宜スクレーパなどに
より固定用面30をさらって、切粉や離脱砥粒などとも
に流下させればよい。加工済みのワークはたとえば、高
分子系凝固剤6の凝固点よりも高い温度の水あるいは家
庭用の洗剤の類いを満たした水槽に入れれば、高分子系
凝固剤6は水よりも比重が軽く、また水と親和性がない
ため、水と分離して水面上に浮上し、切粉や離脱砥粒は
水槽の底に沈降するため、簡単に分離することができ
る。水に洗剤類を配合していれば高分子系凝固剤6はさ
らに急速にワークから分離する。そして、水槽から高分
子系凝固剤6をこれの凝固点よりも低い温度の水を収容
した回収水槽に入れれば、高分子系凝固剤6は水の上で
凝固する。したがって、網などにより救い取ることで簡
単に回収することができ、再使用に供することができ
る。したがって、ワーク固定手段のワークからの除去も
きわめて作業性よく、能率的に行なうことができる。
液状ないしこれに近い性状であることに限定されない。
すなわち、クリーム状ないしペースト状であってもよ
い。この場合には凝固時に膜でなく大きなボリュームの
支持ブロックとなり、ワーク5をしっかりと接着固定す
ることができる。こうしたクリーム状ないしペースト状
の高分子系凝固剤は主剤(たとえばシリコーンオイル)
に粘度調整剤を添加し混練したものが好適である。粘度
調整剤としては固体粒子が一般的であり、これは粉末こ
とに平均粒径が10μm以下のもの、より好適には平均
粒径1μm以下さらに好適には平均粒径0.5μm以下と
いった微粉末が用いられる。固体粒子の材料は限定はな
いが、一般には、珪藻土で代表される土類の粉、米や小
麦などの粉、でんぷん類、サンゴの粉、木灰、紙や繊維
を燃焼した灰、ホワイトカーボン、ゼオライト、フライ
アッシュなどが好ましい例として挙げられる。そのほ
か、セラミック、シリコン、フェライト、カーボン、グ
ラファイト、ガラス、石、石膏、プラスチック、木綿、
木、パルプ、紙、鉄、銅、アルミニウムなどの金属やそ
の酸化物などを粉末にしたものも用いることができる。
んぷん類は微粒子でかつ比重が軽いため主成分(たとえ
ばシリコーンオイル)に均一に分散混合することができ
分離が起こりにくいこと、しかも安価であることから推
奨される。しかし他のものも混合してすぐに塗着するな
らば十分に使用可能である。前記固体粒子はいくつかの
種類のものを混合して使用することもできる。また、機
械加工後のワーク洗浄時にこれからの分離を促進するた
めの液状物質、たとえば界面活性剤を固体粒子のほか微
量添加してもよい。固体粒子は粘度を増加するととも
に、凝固時にモルタルやコンクリートの場合と同じよう
に骨材として機能し、添加量にほぼ比例して高分子系凝
固剤は凝固時の強度が増す。したがつて、固体粒子は前
記主成分としてのシリコーンオイルに少なくとも5wt
%程度添加することが好ましい。しかしあまり添加量が
多いと凝固時の強度は高いものの凝固前の流動性が悪く
なるため、塗着しにくくなる。そこで、上限は50wt
%未満とすることが好ましい。一般的には、シリコーン
オイルと固体粒子(粉末)の比を(9:1)〜(5.
1:4.9)の範囲から選択すればよく、この固体粒子
の配合比率により液に近いもの〜クリーム状〜ペースト
状に変化する。
分子系凝固剤は単独で、また前記した液状の高分子系凝
固剤と併用して使用する。図3(a)ないし(d)はそ
の例を示している。わかりやすくするため、これら図で
は液状の高分子系凝固剤を符号60で表し、クリーム状
ないしペースト状の高分子系凝固剤を符号600で表し
ている。図3(a)はワーク5の下面と固定用面30間
に液状の高分子系凝固剤60を膜状に介在させ、ワーク
5の側面51とこれから所定の距離離れた固定用面30
との間をつなぐようにクリーム状ないしペースト状の高
分子系凝固剤600を塗着しており、クリーム状ないし
ペースト状の高分子系凝固剤600は断面が三角状に類
する形状となっている。この態様はワークを研削した
り、研摩したりする加工に適している。図3(b)はク
リーム状ないしペースト状の高分子系凝固剤600をワ
ーク5の側面51とこれから所定の距離離れた固定用面
30との間をつなぐだけでなく、ワーク5の上面52を
覆うように塗着している。この態様はワークを薄くスラ
イス切断加工したりするのに適している。すなわち、ス
ライス切断加工したときに薄いワーク片は単に下端面の
面積分が固定用面30に接着されるだけでなく、両端面
と上面とがブリッジ状につながった凝固高分子系凝固剤
によって保持されることになるからである。図3(c)
ではクリーム状ないしペースト状の高分子系凝固剤60
0をワーク5の下面と固定用面30間に塗着し、さらに
ワーク5の側面51とこれから所定の距離離れた固定用
面30との間をつなぐように塗着している。この態様は
切断加工や穴開け加工など貫通系の加工を行なう場合に
も、ワーク5の下面と固定用面30間の高分子系凝固剤
600が抜き代として機能するため、後述する抜き代材
を省略できる利点がある。図3(d)ではクリーム状な
いしペースト状の高分子系凝固剤600をワーク5の下
面と固定用面30間と、ワーク5の側面51と固定用面
30との間に塗着し、さらにワーク5の上面52を覆う
ように塗着することでワーク5全体を包んでいる。この
態様は図6(d)の効果と図6(b)の効果が得られる
利点がある。 クリーム状ないしペースト状の高分子系
凝固剤600はまた、後述するE型フェライトに対する
加工で代表されるようなワーク5の一部を加工する場合
に、その加工部位の回りの空隙を埋めて加工力による破
損を防止するのにも役立つ。クリーム状ないしペースト
状の高分子系凝固剤600は刷毛塗り、へら塗り、押出
しガンによる押出しなど任意である。
は抜き代材を層着しているものを含んでいる。図4
(a)ないし(c)はこの詳細を示している。抜き代材
は符号5bとして示しており、工具2による加工の障害
とならない硬度のもの、一般にカーボンやグラファイト
の板が用いられる。こうした抜き代材5bは高分子系凝
固剤を介して固定用面30に支持され、その抜き代材5
bの上に高分子系凝固剤を介して本来の加工対象物とし
てのワーク(ここでは符号5aとして示した)が支持さ
れる。抜き代材5bはワーク5aと同等以上の面積を有
している。図4(a)は液体の高分子系凝固剤60を用
いた例を示している。図4(b)は液体の高分子系凝固
剤60を抜き代材5bと固定用面30の間に介在させ、
ワーク5aを液体の高分子系凝固剤60の塗膜を介して
抜き代材5bに配し、さらにワーク5aの周囲51と抜
き代材5bまたは固定用面30をクリーム状ないしペー
スト状の高分子系凝固剤600で結んでいる。図4
(c)はさらにワーク5aの上面52をクリーム状ない
しペースト状の高分子系凝固剤600で覆い、それをワ
ーク周囲51のクリーム状ないしペースト状の高分子系
凝固剤600と連結している。
の加工開始時に高分子系凝固剤6に流体を作用させてワ
ーク5を凍結固定する方式に限られない。すなわち、ワ
ーク5を高分子系凝固剤6を介して固定用治具3に載
せ、あらかじめ加工機械1の外部で固定用治具3を冷却
して高分子系凝固剤6を凝固させ、ワークを凍結固定し
ておいてもよい。これは、ワークを逐次一つの加工機械
に付替て加工を行なう場合に好適である。この加工機外
凍結固定は、ワーク5を高分子系凝固剤6を介して固定
用治具3に載せたアッセンブリを高分子系凝固剤6の凝
固温度よりも低い温度の流体たとえば冷気を満たしたル
ームや槽に収容したり、トンネル状の通路を連続的に通
すことで実施してもよい。あるいは、図5のようにプリ
クーラ8を使用し、これに固定用治具3を載置して固定
用治具3を冷却してもよい。本発明は水よりも凝固点の
高い高分子系凝固剤6を接着媒体として利用しているた
め、プリクーラ8としては低能力のもので足り、たとえ
ば内部に流体の通路を有するコアタイプのものを使用
し、これを冷媒として水類又は冷却を使用した循環式冷
却装置8aに接続したものでも十分である。この場合、
固定用治具3としては図2(b)のような窓孔31を有
する台座3bを有しているものが好適であり、必要に応
じて本体3aの下面とプリクーラ8の冷却用面間に不凍
液を介在させてプリクーラ8に搭載し、この後かまたは
あらかじめワーク5を高分子系凝固剤6を介して固定用
治具3に載せ、循環式冷却装置8aから冷媒をプリクー
ラ8に循環供給しすればよい。こうすることにより加工
機械外でワーク5は固定用治具3に凍結固定された状態
にされるため、加工に際しては固定用治具3を治具固定
用装置4に載せて固定し、加工中に加工液又は冷却気体
を固定用治具3とワークに供給すれば、凍結固定状態が
維持される。
のをプリクーラとして活用するようにしてもよい。すな
わち、この場合には図2(c)のように固定用治具3の
本体3aの内部に冷却流体が循環できる通路33を形成
し、導入部330と排出部331の先端に継ぎ手好まし
くは迅速流体継手(クイック コネクティング カップリ
ング)330’,331’を取り付けたものを使用す
る。この場合には、循環式冷却装置8aも、供給管と戻
り管はそれぞれ先端に迅速流体継手80’,81’を有
し、前記導入部330と排出部331に瞬時着脱される
ようにしたものが用いられる。この場合には、迅速流体
継手330’,331’を循環式冷却装置8aの迅速流
体継手80’,81’と接続し、ワーク5を高分子系凝
固剤6を介して固定用治具3に載せ、循環式冷却装置8
aから冷媒を固定用治具3に循環供給すればよく、プリ
クーラを使用しないでワーク5は固定用治具3に凍結固
定された状態にされる。あとは、迅速流体継手33
0’,331’と循環式冷却装置8aの迅速流体継手8
0’,801’との接続を解除すれば、固定用治具3と
して機能するので、図1(c)のように固定用治具3を
治具固定用装置4に載せて固定し、加工中に加工液又は
冷却気体を固定用治具3とワークに供給すれば、凍結固
定状態が維持される。なお、この場合の高分子系凝固剤
6の作用や使用形態等は記述した例の場合と同じであ
る。
ワーク固定法を適用して機械加工を行なっている第2態
様を示している。これらの態様においては、固定用治具
3として図2(d)のように板状または周囲に囲壁のあ
るパレット3a’が使用される。そして、加工機械1の
テーブル側には、そのパレット3a’を加工機械側に固
定するためのパレット固定治具9が搭載される。固定治
具9は、図8(a)のように熱伝導性の良好な材料で作
られた本体9aと、この本体9aの下部に一体化された
断熱材からなる台座9bを有し、台座9bは加工機械1
のテーブル上に機械的、真空式あるいは磁力式などのク
ランプ手段で据え付けられるようになつている。そし
て、本体9aは固定用面90にパレット3a’を固定す
る手段9a’を有している。このパレット固定手段9
a’としては、真空式、機械式、磁力式など任意であ
る。図示するものでは真空式が採用され、吸引穴900
が固定用面90に開口し、吸引穴900の下流側は通路
を経て外部に至り、図示しない真空ポンプに接続される
ようになっている。
ット3a’を冷却するため、パレット固定治具9の本体
9aを囲繞するように所要深さの桶状の槽9cが設けら
れている。この槽9cはプラスチックなどの断熱材料で
作られており、少なくとも一側に排出部92を有し、他
側には冷却用の流体の供給部91が配され、供給部91
は図6のように循環式の流体供給装置71’に接続され
ている。排出部92は好ましくは戻しラインを介して流
体供給装置71’接続され、循環されるようになってい
る。この場合の流体としては高分子系凝固剤6の凝固温
度よりも低い温度であれば、水などの液体、冷却気体で
あってもよい。ワーク加工用の加工液又は冷却気体を利
用する場合には、流体供給装置71’はワーク加工用の
加工液又は冷却気体供給装置を利用することができる。
なお、本体9a、パレット3a’の材質の例としては、
銅、アルミニウムなどがあげられる。また、真空式の場
合には前記した材料の多孔質焼結体も使用することがで
き、この場合には冷却用の流体に接する側面を封孔ない
しマスキングしたものを使用すればよい。台座の断熱材
は前記第1態様に例示したようなものを使用すればよ
い。
部でパレット3a’に高分子系凝固剤6を介してワーク
5を載せておく。この場合の高分子系凝固剤6の使用形
態等は記述した第1態様の場合と同じである。そして、
そのパレット3a’をパレット固定用治具9に載せ、パ
レット固定手段9a’を作動してパレット3a’を固定
する。この状態で流体供給装置71’から冷却用の流体
を供給手段7に供給する。これにより冷却用の流体は供
給部91から槽9cに送りこまれ、槽9cに溜められな
がら排出部92から排出される。これによって槽9cに
囲まれているパレット固定用治具本体9aは冷却用の流
体で浸漬されるため急速に冷却される。しかもパレット
固定治具本体9aとパレット3a’がともに熱伝導性の
良好な材料から成っているためパレット3a’も冷却さ
れ、それにより高分子系凝固剤6が凝固してワーク6が
パレット3a’に凍結固定される。この状態で工具2に
よりワーク5を加工するもので、加工中も槽9cに供給
され溜められつつ排出される冷却用の流体によりパレッ
ト固定治具本体9aを通してハレット3a’が冷却され
るため高分子系凝固剤6の凍結固定が確実に維持され
る。したがって、この第2態様の場合には、加工液又は
冷却気体をワーク加工部に供給しない乾式加工も適用す
ることができるが、加工液又は冷却気体をワーク加工部
に供給すれば、パレット3a’が上方から冷却されるた
めさらに一層ワーク6の固定力を増強することができ
る。ワーク6に供給された加工液又は冷却気体は槽9c
に流下して冷却用の流体とともに排出される。
態様の場合と同じように、プリクーラ8によりパレット
3a’を冷却してあらかじめ高分子系凝固剤6を凝固さ
せ、ワーク5をパレット3a’に凍結固定しておいても
よい。これは、ワークに対する加工中に、次のパレット
にワークを固定しておくことができるため、逐次一つの
加工機械に付替て加工を行なう場合に好適である。すな
わち、あるワーク5に対する加工が完了したときにパレ
ット固定手段9a’の作動を解除すれば、当該パレット
はパレット固定治具9から瞬時に離脱され、次のワーク
5を凍結させたパレット3a’をパレット固定治具本体
9aに載せてパレット固定手段9a’を作動させれば、
すぐに次の加工に移ることができる。
定治具9の本体9aを内部からも冷却する方式としてい
る点で異なっている。このため、図8(b)のようにパ
レット固定治具9の本体9aには槽9c内に開口する通
路孔94を形成し、この通路孔94の端部を流体供給装
置71’に接続する。流体として加工液又は冷却気体を
使用する場合には、循環式の流体供給装置71’または
加工部への供給ラインの一部に接続すればよい。他の構
成は図6と同様であるから説明は省略し、同じ部分に同
じ符号を付すだけにとどめる。この図7の場合も、加工
機械1の外部でパレット3a’に高分子系凝固剤6を介
してワーク5を載せておく。この場合の高分子系凝固剤
6の使用形態等は記述した第1態様の場合と同じであ
る。そして、そのパレット3a’をパレット固定用治具
9に載せ、パレット固定手段9a’を作動してパレット
3a’を固定する。 この状態で流体供給装置71’か
ら冷却用の流体を供給する。これにより冷却用の流体は
パレット固定用治具本体9aの通路孔94を通り、開口
から槽9c内に流入され、ここで溜められながら排出部
92から排出される。これによってパレット固定用治具
本体9aとパレット3a’とが効果的に冷却され、それ
により高分子系凝固剤6が凝固してワーク5がパレット
3a’に凍結固定される。この状態で工具2によりワー
ク5を加工しつつ連続して流体供給装置71’から冷却
用の流体が供給されると、パレット3a’が冷却される
ため高分子系凝固剤6の凍結固定が確実に維持される。
また、加工液又は冷却気体をワーク加工部に供給すれ
ば、パレット3a’が上方からも冷却されるためさらに
一層ワーク6の固定力を増強することができる。なお、
この図7の場合も、加工機械1の外部で前記図6の場合
と同じように、プリクーラ8によりパレット3a’を冷
却してあらかじめ高分子系凝固剤6を凝固させ、ワーク
5をパレット3a’に凍結固定しておいてもよい。
加工する場合のワーク固定に適用すると効果がある。図
9ないし図11はこの第1例を示しており、図9(a)
のようにワーク5は円筒状をなし、これからリング状の
製品5’を一定ピッチで切出し切断加工するものであ
る。この場合には、加工機械1は回転用の主軸1cを有
し、主軸1cの先端にコレット式などの治具固定用装置
4を有している。この治具固定用装置4に着脱固定され
る固定用治具3は、熱伝導性の良好な材質からなる本体
3aにワーク5の内径よりも小さな径の軸部3dを有し
ており、軸部3dの自由端側の領域には取付ナット3e
を螺合する雄ねじを有している。本体3aは治具固定用
装置に固定される部分に断熱材からなる被覆3b’が設
けられている。軸部3dはこの例では穴を有している。
の抜き代材5bを用意し、図9(b)のように軸部3d
又は/及び抜き代材5bに、液体またはクリーム状ない
しペースト状の高分子系凝固剤を塗布して軸部部3dに
外嵌し、その抜き代材5b又は及びワーク5に液体また
はクリーム状ないしペースト状の高分子系凝固剤6を塗
布してワーク5を外嵌する。このときに軸部3dのつけ
根の本体3a端面にも高分子系凝固剤6を塗布し、この
状態で軸部3dに取付ナット3eを螺合する。このと
き、取付ナット3eの端面とワーク5の端面には隙間を
設け、ここにクリーム状ないしペースト状の高分子系凝
固剤6を充填しておく。抜き代材5bとしては前記のよ
うに熱伝導性のよいカーボンなどが使用される。そし
て、この状態で軸部3dの開口側に冷却用の流体供給手
段7たとえばノズルを配し、これを通して軸部3dに冷
却用の流体を連続的に注入する。冷却用の流体はもちろ
ん高分子系凝固剤の凝固温度よりも低い温度のものであ
り、水でもよいしワーク加工のための加工液でもよい
し、ワーク加工用またはワーク加工用でない冷却気体で
あってもよい。これにより冷却用の流体で軸部3dとこ
れに近接している抜き代材5bおよびこれに近接してい
るワーク5が冷却されるため高分子系凝固剤は瞬時に凝
固し、それにより、抜き代材5bとワーク5と固定用治
具3は一体的に強固に接着される。
固定用治具3とワーク5は一体回転するので、工具2と
しての切断砥石に送りを与えてワーク5の半径方向から
切り込みつつ、その切込み領域に加工液又は冷却気体供
給手段7から加工液または冷却気体を供給する。これが
図10(a)の状態であり、前記のようにワーク5は高
分子系凝固剤の凍結により強固に接着されているため精
度よく切断される。こうして1枚目の製品5’が切断さ
れると図10(b)のように残りのワーク5との間に溝
が形成され、1枚目の製品5’は内径側が抜き代材5b
の高分子系凝固剤によって保持される。したがって、順
次工具2をワーク軸方向にずらせて切込みを行なうこと
によりワーク5がセラミックなどの難削材であっても能
率よくまた精度よく切断加工することができる。
て製品は軸方向では独立されるため、製品5’が薄い場
合には内径側の凍結高分子系凝固剤による固定力では不
足し、工具2の切込みにより倒れたり工具と接してチッ
ピングが生じ、破損や傷が発生したり最悪の場合には切
断されて飛散する。このような場合には、当該第1の製
品5’の切断が終わって工具2が溝Cから所定ピッチ隔
てた位置に移動している間に、加工で生じた溝Cに液体
またはクリーム状ないしペースト状の高分子系凝固剤6
を充填する。これは、図10のように工具2と異なる位
置に軸線方向移動自在な充填ノズルNを配し、これから
高分子系凝固剤6を加工で生じた溝Cに噴射、噴霧、ま
たは注入といった任意の方法で供給すればよい。これに
より高分子系凝固剤6は前記冷却用の流体の作用により
凝固し、製品の端面とワーク端面に接着した固体層とな
る。したがって、次の切断加工を行なっても、製品5’
はしっかりと固定された状態が保持される。すなわち切
断された各製品は高分子系凝固剤の固体層によってブロ
ック状に一体化したものとなる。したがって、きわめて
精度よく薄層の製品を加工することができる。
とワーク端面が水でぬれていると高分子系凝固剤6の接
着力が低下する。そこで、必要に応じて充填ノズルNと
一体または近傍にエアノズルMを設け、このエアノズル
Mで図11(a)のようにエアを溝Cに噴射して製品の
端面とワーク端面の水滴を払拭し、次いで充填ノズルN
で高分子系凝固剤6を充填すればよい。なお、本発明は
軸部3dの内側からでなく、軸部3dの外側から冷却用
の流体を供給して冷却してもよい。この場合には、本体
3aの端面に供給したり、軸部3dの長さを取付ナット
3eの取付位置よりも前方に適当に長くし、それに供給
したりすればよい。
場合のワーク固定の第2例を示している。この第2例に
おいては、固定用治具3の熱伝導性のよい本体3aには
冷却用のフィン3fを形成した軸部3dを有しており、
軸部3dの先端部にはワーク5を装着するための凹入状
の固定用面30が設けられている。そして、軸部3dの
外方には冷却用の流体の供給手段7としてのノズルが配
置されており、これからフィン3fに対して液体または
冷却気体が連続供給されるようになっている。その他の
構成は第1例と同じであるから、同じ部分に同じ符号を
付し、説明は省略する。
の固定用面30に液体またはクリーム状ないしペースト
状の高分子系凝固剤6を介してワーク5を装着し、冷却
用の流体の供給手段7から液体または冷却気体を供給す
る。この液体または冷却気体はワーク5に対する加工用
の液体または冷却気体と同じものであってもよいし、別
のものであってもよい。こうすれば、軸部3dからの冷
却を受けて高分子系凝固剤6は瞬時に凝固しそれにより
ワーク5は強固に固定される。そこであとは第1例と同
じように工具2たとえばバイトに送りを与えつつこれに
よる加工領域に流体(加工液または冷却気体)を供給
し、また連続的に冷却用の流体の供給手段7から軸部3
dの外周に液体または冷却気体を供給すればよい。 こ
れによりワーク5は高速でしかも良好な面粗度に加工さ
れる。なお、この第2例および第1例とも、固定用治具
3は直接加工機械1に取り付けた状態でワーク5を凍結
固定する場合だけでなく、固定用治具3を治具固定用装
置4から取外して、加工機械外においてあらかじめ前述
したようなプリクーラを使用し、これに固定用治具3を
装着し、固定用治具3に高分子系凝固剤6を介してワー
ク5を装着しプリクーラにより冷却して高分子系凝固剤
6を凝固させ、ワーク5を凍結固定しておいてもよい。
これに限定されるものではなく、たとえば、冷却用の流
体や加工液や冷却気体の供給はかならずしも工具と別の
手段で行われなくてもよく、工具内を通して供給されて
もよい。
低分子シリコーンオイルを使用した。この高分子系凝固
剤の特性は、無色透明の液体で、粘度(25℃)が2.
4cSt(m2/S)、凝固点17℃、屈折率(25℃)が1.
394、表面張力19.0{1.90}dyn/cm{MN/cm}、比重
0.95(25℃)である。そしてこの高分子系凝固剤
のチャック力は、固定用面上とワークの温度が5℃、固
定用治具本体材質:銅、ワーク材質:超硬合金の条件に
おいて、垂直方向11〜15kg/cm2、せん断方向
8〜12kg/cm2であった。したがって、この高分
子系凝固剤によるワーク固定温度は、5℃ないしそれよ
り適度に低い温度範囲に設定すればよいことがわかる。
用装置として図1(a)に示す真空チャックを使用して
マイクロ波誘電体セラミックス素子のスライス加工を行
った。 2)固定用治具としては図2(a)のものを使用した。固
定用面の寸法は300×150mmである。 3)ワークは、材質:PZTチタン酸バリウム、寸法は図13
(a)の表示に従うと50(w)×50(L)×2(t)mmであり、こ
れを5(w)×5(L)×2(t)mmに加工した。加工機械としては
スライシングマシンを使用し、加工条件は、工具:レジ
ノイドボンドダイヤモンド砥石(粒度#600)、工具寸法:
外径100mm、厚み0.4mm、工具送り速度:500mm/min、工具
回転数:5000rpm、加工方向:ダウンカットとした。 4)加工に先立つて、真空ポンプを作動して治具固定用装
置に固定用治具を吸着固定し、固定用治具の固定用面の
温度を20℃程度に保ち、この状態で固定用面に前記高分
子系凝固剤を約2μmの厚さに塗布し、その上に上記ワー
クを置いた。加工に際して、加工液供給手段として1mm
径のニードルノズルを用い、これから界面活性剤と鉱油
と水とを配合したエマルジョンタイプの加工液を約5℃
に冷却して約150cc/minでワークと工具の接触する加工
部位に工具進行方向の前方から直接噴射した。
し、ワークは固定用治具の固定用面に不動に固定され
た。加工液の供給を継続しつつ加工したところ高分子系
凝固剤は溶解せず、ワークは安定した固定状態に保た
れ、スライスされた切断面にはクラックやチッピングが
全く発生せず、きれいなせん断面が得られた。加工後、
加工液の供給を停止し、治具固定用装置の作動を解除し
て固定用治具を加工機械から離脱した。このときにも、
ワークは固定用治具の固定用面に不動に固定されてお
り、約1分経過して固定用面の温度が20℃に上昇する
と、高分子系凝固剤は液状に復帰して加工済みワークの
固定が解除された。固定用治具から高分子系凝固剤と切
粉や脱落砥粒を流下させ、水温を20℃に保った水槽に装
入した。これにより高分子系凝固剤は分離浮上し、水温
を10℃に保った隣接する水槽に注入したところ高分子系
凝固剤は凝固し、ほとんど全量が回収された。
行った。この場合は、凍結式チャック装置の固定用面に
水を噴霧し、その上に上記ワークを置き、凍結式チャッ
ク装置の電熱素子にプラス電流を通電して固定用面を-1
0℃にし、これを加工中保持した。これにより水は凍結
しワークは固定された。加工開始にあたって、上記条件
で研削液を噴射させたところ、氷が溶解して被加工物の
固定が解除されてしまい、加工はできなかった。そこ
で、約5%の水分を含むエアミストを圧力5kg/cm2で工具
(砥石)による切断加工部と180度変位した部位に噴射
し、切断加工部に約-10℃に冷却した空気を直接噴射し
た。これによれば、氷は溶解しなかったが、スライスさ
れたワークの切断面の下側に研削熱によるクラックが発
生し、指の爪で引掻くと剥落してしまい、不良品となっ
てしまった。
材を切断加工した。材質はアルミニウムA2011とエポキ
シ樹脂との複合材、寸法は上下のアルミニウムが300(W)
×200(L)×2(t)mm、中間のプラスチックが300(W)×200
(L)×0.1(t)mm、加工後の寸法は300(W)×6(L)×4.1(t)m
mである。加工機械は精密スライシングマシン、使用工
具は直径100mmの円盤に、長さ10mm、厚み1mmのダイヤモ
ンドツール3本を取り付けたもの、工具回転速度は6000r
pm、工具送り速度は120mm/min、加工方向ダウンカット
とした。高分子系凝固剤としては、粘度(25℃)が
2.5cSt(m2/S)、凝固点10℃、屈折率(25℃)が
1.394、表面張力19.0{1.90}dyn/cm{MN/cm}、
比重0.95(25℃)のものを使用し、固定用治具と
しては図2(b)に示すものを使用し、治具固定用装置
は真空チャックタイプを使用した。固定用治具に対する
ワークの固定は加工機械外で水の循環タイプのプリクー
ラを使用した。 2)加工に当って、循環式流体供給装置からプリクーラの
コアに20℃の温水を供給し、この状態で固定用治具の固
定用面に高分子系凝固剤を約2μmの厚さに塗布し、その
上に上記ワークを置き、液体回路を切換え、循環式冷却
装置からコアに冷水を供給して、固定用面を2℃に下降
し、この状態を保った。これにより高分子系凝固剤は凝
固し、ワークは不動に固定された。 3)こうしてワークをあらかじめ固定した固定用治具をチ
ャック装置に載置し、真空ポンプを作動して固定用治具
を固定した。冷却用の流体としては約−10℃に冷却さ
れた5l/分のクーラント液と約−10℃に冷却された
280l/分の冷却エアを混合したものを用い、約5kg/
cm2の圧力で工具進行方向の前方から加工ポイントに直
接噴射した。 4)この結果、高分子系凝固剤によるワーク固定状態は安
定して維持され、またワークの中間に挟まれているプラ
スチック材は全く溶け出さず、切断されたワークの切断
面は表面粗さが0.2s以下の鏡面であった。また、工
具の動きは円滑で、切断品の寸法精度は良好であった。
ップ研削加工を行った。該ワークは、図14(a)に示
すような形状で、寸法は、図14(b)の表示に従う
と、高さhが8mm、全幅Wが15mm、左右の足の幅W1
が2mm、厚さt1が3mm、中足の幅W2が7mm、厚さt2
が0.6mmである。このワークに中足を高さh:8mm
から0.4mm削り、ギャップgを形成する加工を行い図
14(d)と(e)に示す形状の製品とするのである。 2)加工機械はクリープ機能付きの平面研削盤を使用し、
工具としてはレジノイドボンドダイヤモンド研削砥石
(粒度#400)、200mmφを使用し、加工条件は、砥石回
転速度:2700rpm、砥石送り速度:600mm/min、加
工モード:クリープ加工、ダウンカットとした。 2)高分子系凝固剤は実施例1と同じものを使用し、固定
用治具として図2(b)に示すものを使用した。治具固
定用装置は真空チャックを使用した。 3)加工に当っては、固定用治具の固定用面の温度を20
℃程度に保ち、この状態で固定用面に実施例1の高分子
系凝固剤を約3μmの厚さに塗布し、その上に上記ワー
クを図14(a)のように相互に密接させて20枚並
べ、かつ、両側の足と中足の空隙にも高分子系凝固剤を
満たした。4)加工に際しては、加工液供給手段として1m
m径のニードルノズルを2本用い、これらから約3℃に冷
却した研削液を約150cc/minで砥石進行方向前方から
研削ポイントに直接噴射した。 5)この結果、これにより高分子系凝固剤は瞬時に凝固し
てワークは不動に固定され、また両側の足と中足の空隙
が凝固した高分子系凝固剤で埋められ、中足が補強され
た。加工中、ワークは安定した固定状態に保たれ、かつ
中足と両側足のギャップを埋めている高分子系凝固剤も
溶解せず、これにより薄い中足はしっかりと補強された
状態が保たれ、砥石による切込み時の加工抵抗にも十分
耐え、全枚数が破損されることなく精度よくギャップ加
工を行えた。 6)比較のため、実施例1,2と同じように氷の凍結によ
りワークを固定用面に固定し、両側の足と中足の空隙を
氷で埋め、上記条件でギャップ加工を行ったが、この場
合には、加工中に加工液によって氷が溶け、中足が折れ
てしまい、さらにワークそのものの固定が解除されてし
まい、加工不能となった。
た。高分子系凝固剤としては実施例1に記載したものを
使用した。パレットとしては、材質:アルミニウム合
金、寸法120(W)×130(L)×10(t)mmのものを
使用した。パレット固定用治具としては、図8(a)に
示す真空チャックと、プラスチック製の槽を有するもの
を使用し、下部のプラスチック製の台座により加工機械
テーブルにしっかりと据え付けた。プリクーラーとして
は、冷却板寸法100(W)×110(L)×50(t)mmを
有する冷却水循環式のものを使用した。ワークは材質:
PZTチタン酸バリウム、寸法50(W)×50(L)×1
(t)mmを使用した。 2)工程としては、プリクーラーの冷却板上面温度を4℃
に保ってスタンバイさせた。常温に保たれたパレットに
高分子系凝固剤を約2μm厚に塗布し、ワークを載せ
た。この状態で当該パレットをプリクーラーに載せた。
これにより高分子系凝固剤は凝固し、各ワークは強固に
固定された状態になった。このパレットを前記パレット
固定用治具に載せて真空ポンプを作動してパレットを固
定用面上に固定した。パレットの冷却用流体としては約
5℃に冷却した水溶性加工液(不凍液含有)を使用し、こ
れを循環式供給装置から槽内に1000cc/min供給して
パレット固定用治具を本体の高さレベルの約1/2に水
位があるように排水量を制御した。ワークの加工液とし
ては、約5℃に冷却した水溶性加工液(不凍液含有)を1
50cc/minを4mm径のニードルノズルを用いて工具前
方から加工ポイントに直接噴射した。 3)前記槽に対する水溶性加工液の供給によりワークは
パレットに強固に固定された状態に維持され、またパレ
ットがワークに注がれた加工液により上面から冷却され
たため、これらの相乗効果で、ワークは加工速度を50
mm/minにしても、しっかりと固定された状態を保ち、切
断面はチッピングはなく非常にきれいな切断面が得られ
た。 3)一方、前記加工中、次のロットのワークを前記条件に
よりパレットに配し、前記温度のプリクーラーに載せて
高分子系凝固剤の凝固により固定させておいた。そして
前記加工の完了と同時にパレット固定用治具による吸着
固定を解除し、加工済みワークを固定しているパレツト
を取り外し、プリクーラーに載せておいたパレットをパ
レット固定用治具に載せ、吸着固定を行なった。これに
より直ちに次の加工に移った。 4)この実施例では加工機械でのワークの着脱を10秒と
いったきわめて短時間にて行うことができた。そして、
パレット固定用治具からパレットを取り外しても、この
時には温度が高分子系凝固剤の凝固温度以下であるた
め、ワークはパレットと一体になっており、ハンドリン
グが容易であった。後処理として、パレットに固定され
たまま20℃の温水を収容した水槽に挿入し、これにより
ワークを洗浄するとともに高分子系凝固剤を分離浮上さ
せ、これを10℃の水を収容した水槽に移した。これによ
り高分子系凝固剤は凍結され円滑に回収できた。
ュームコバルト材をマルチ切断砥石で50×1.5(W)×
7(t)mmにスライス加工した。加工機械はスライシング
マシンを使用し、工具として電着ダイヤモンド砥石(粒
度#280)の10枚マルチ砥石、工具寸法は外径10
0mm、厚み0.4mm、砥石ピッチ2mmを使用し
た。加工条件は、砥石回転数:3000rpm、工具送
り速度20mm/min、加工方向:ダウンカットとした。 2)固定用治具としてはパレットを使用し、パレット固
定用装置としては実施例4と同じものを同一条件で使用
し、プリクーラーとその使用条件も実施例4と同じにし
た。ただ、この第5実施例では、図16(a)のよう
に、パレットに前記実施例1の液状高分子系凝固剤を塗
布して厚さ5mmのカーボンからなる抜き代材を配し、
この抜き代材の上にペースト状の高分子系凝固剤を約
0.1mm塗布し、その上にワークを置き、さらに前記
ペースト状の高分子系凝固剤をワークの側面と上面に塗
布した。ペースト状の高分子系凝固剤としては、実施例
1の低分子シリコーンオイルに平均粒径が0.01μm
の珪藻土を30wt%添加し、混練したもの(第1タイ
プ)と、実施例1の低分子シリコーンオイルに小麦粉を
35wt%添加して混練したもの(第2タイプ)を使用
した。 3)この状態でこの状態で当該パレットをプリクーラー
に載せ、これの固定用面を3℃に降下させ、この状態を
保った。これにより第1タイプと第2タイプの各高分子
系凝固剤は凝固し、ワークは高分子系凝固剤で包まれた
状態で不動に固定された。パレットの冷却用流体として
は約3℃に冷却した水溶性加工液(不凍液含有)を使用
し、これを循環式供給装置から槽内に1000cc/min供
給してパレット固定用治具を本体高さレベルの約1/2
に水位があるように排水量を制御した。ワークの加工液
としては、約3℃に冷却した研削液を約15l/min
の流量でワークと工具の接触する加工部位に直接噴射し
た。 4)この結果、スライス加工中にワークは1.5mmと
いう薄い厚さで切断されたにもかかわらず、固定用面か
ら一切剥がれて飛散することがなく、安定した固定状態
に保たれた。比較のため、第1実施例の液体高分子系凝
固剤だけを使用してワークを固定して加工を行なったと
ころ、ワーク数の約5%が加工中に固定用面から剥がれ
て飛散してしまつた。このように本実施例で好結果が得
られたのは、微粉末を配合したペースト状の高分子系凝
固剤のため、凝固高分子系凝固剤からなる接着層の強度
が高くなったこと、その凝固高分子系凝固剤からなるボ
リュームの大きな接着層が図16(b)と図16(c)
のようにスライス加工中ないし加工されたワークの長手
方向両端部を支えつつ固定用面に設着され、しかも長手
方向両端部の接着層がワークの上面の凝固高分子系凝固
剤上層と連結してブリッジを形成していることによると
考えられる。
0mm、内径45mmのセラミック筒から外径60m
m、内径45mm、厚さ0.5mmのドーナツ状製品を
切り出す加工を行なった。固定用治具としては、外部を
プラスチツクで覆ったアルミニウム製本体に外径40m
m、内径23mmの筒部を有するものを使用し、筒部の
外周に実施例1の液状高分子系凝固剤を塗布して厚さ
2.3mmのカーボンからなる筒状抜き代材を外挿し、
この抜き代材の外周に実施例5第2タイプのペースト状
の高分子系凝固剤を約0.1mm塗布し、ワークとして
のセラミック筒を外挿した。セラミック筒軸方向両端面
には前記ペースト状の高分子系凝固剤を塗布し、これを
本体の端面および取付ナット端面と密接させた。 2)加工機械はスライサーを使用し、主軸端のチャック
に固定用治具本体を固定した。工具として電着ダイヤモ
ンド砥石(粒度#280)、工具寸法は外径100m
m、厚み0.4mmを使用した。加工条件は、砥石回転
数:3000rpm、工具送り速度10mm/min,
ワークの回転数:20rpmとした。加工に当たって
は、固定用治具の筒部開口側からノズルを挿入し、これ
から3℃の水を1000cc/min連続的に注出し
た。それにより高分子系凝固剤は凝固し、セラミック筒
と抜き代材および固定用治具本体は完全に一体化した。 3)このノズルからの水の注水を持続しつつ、主軸を2
0rpmで回転し、前記工具と切断箇所に約3℃に冷却
した研削液を約15l/minの流量で供給して切断を
行った。そして、製品が切断されて工具が次のピツチに
移動する間に、セラミック筒の切断端面と製品間の溝中
にエアを巾広ノズルから噴射するとともに実施例1の液
状高分子系凝固剤を巾広ノズルから噴射した。それによ
りセラミック筒の切断端面と製品間の溝は高分子系凝固
剤で埋められ、それが固定用治具の筒部に注入されてい
る水により冷却されて瞬時に凝固し、ブロック化した。
この工程を繰り返すことにより、きれいな加工面の上記
製品がチッピンクなど何のトラブルもなしに能率よく加
工された。
m、厚さ2mmを旋削により曲面形成する加工に適用し
た。固定用治具としては、材質がアルミニエムからなる
本体径20mmφにフィン付きの20mmの軸部を設
け、これの先端に厚さ3mmの突台部部分を形成し、こ
れに深さ約1mmの凹入状固定用面を形成したものを使
用した。この固定用治具を加工機械外のプリクーラに装
着し、前記凹入状固定用面に実施例1の高分子系凝固剤
を塗布してプラスチックレンズ素材を装着し、循環式冷
却装置からコアに冷水を供給して、固定用面を2℃に下
降し、この状態を保った。これにより高分子系凝固剤は
凝固し、ワークは不動に固定された。 2)加工条件は高速旋盤を使用し、主軸回転数:800
0rpm、使用バイト:天然ダイヤモンドチップ、切込
み:1/100mm、バイト送り速度:10mm/mi
n、取り代:最大0.1mmとした。加工に際して、前
記あらかじめ冷却した固定用治具を主軸に取付け、これ
を回転させつつ固定用治具の軸部にノズルから−30℃
に冷却した冷却エアを連続的に噴射するとともに、バイ
トの先端に前記冷却エアを噴射して加工を行なった。そ
の結果、プラスチックレンズ素材は全く外れず、きわめ
て良好な面粗度に加工することができた。
きには、特別な冷凍チャック装置を用いる要なくワーク
を加工中しっかりと固定して高精度に加工することがで
き、それでいながらワークの着脱も簡単に能率よく行う
ことができる安価で実用的なワーク固定法を提供するこ
とができるというすぐれた効果が得られる。請求項2に
よれば、ワーク加工のための液体または冷却気体を活用
してワークを固定できるためきわめて安価にかつ簡単に
ワークを固定して加工することができるというすぐれた
効果が得られる。請求項3によれば、加工機械へのワー
クの搭載が容易であるとともに、ワークの逐次加工を能
率的に行なえるというすぐれた効果が得られる。請求項
4によれば、プリクーラも使用せずにすむためより安価
に加工を行なえるというすぐれた効果が得られる。請求
項5によれば、固定用治具をより簡単なものとすること
ができるとともに、固定用治具を効果的に冷却すること
ができるというすぐれた効果が得られる。請求項6によ
れば、請求項5の特徴に加え、さらに加工機械へのワー
クの搭載が容易であるとともに、ワークの逐次加工を能
率的に行なえるというすぐれた効果が得られる。請求項
8によれば、ワークを回転しつつこれをスライシングし
たり、切削したり研削したりする場合に、きわめて簡単
かつかつ確実にワーク固定を行なえ、能率よく高精度な
加工を施すことができるというすぐれた効果が得られ
る。請求項11によれば、水の凝固点よりも高い凝固点
であることに加えて、安定性、撥水性、無毒性であるた
め加工液を使用してもしっかりと凝固状態が維持され、
ワークを安定して固定しておくことができ、また比重が
水よりも軽いため、回収も容易であるというすぐれた効
果が得られる。請求項12と14によれば、ワーク固定
力をさらに高いものとすることができるというすぐれた
効果が得られる。請求項15によれば、冷却用の流体の
使用温度を高くすることができるというすぐれた効果が
得られる。
態様の一例を模式的に示す断面図、(b)は同じくその第
2例を模式的に示す断面図、(c)は同じくその第3例を
模式的に示す断面図である。
用する固定用治具の第1の例を示す断面図、(b)は同
じくその第2例を示す断面図、(c)は同じくその第3例
を示す断面図、(d)は同じくその第4例を示す断面図で
ある。
ークの固定態様の第1例を示す断面図、(b)は同じくそ
の第2例を示す断面図、(c)は同じくその第3例を示
す断面図、(d)は同じくその第4例を示す断面図であ
る。
の高分子系凝固剤によるワークの固定態様の第1例を示
す断面図、(b)は同じくその第2例を示す断面図、
(c)は同じくその第3例を示す断面図である。
した場合の一例を示す斜視図、(b)は同じくその他例を
示す斜視図である。
態様の第1例を示す断面図、(b)は同じくその平面図で
ある。
態様の第2例を示す断面図、(b)は同じくその平面図で
ある。
例を示す断面図、(b)は図7に使用したパレット固定用
治具の一例を示す断面図である。
態様が適用されるワークの一例を示す部分切欠側面図、
(b)は第3態様におけるワークと固定用治具の取りあい
を示す断面図、(c)は第3態様の加工前の状態を示す部
分切欠側面図である。
示す断面図、(b)は最初の製品加工が完了し、次の加工
に移行するときの状態を示す断面図である。
面図、(b)は同じく第2段階を示す縦断正面図である。
3態様の別の例を示す側面図、(b)はこの例に使用す
る固定用治具の部分切欠側面図である。
工前の形状を示す斜視図、(b)は同じくそのワークの
寸法を示す正面図、(c)は同じくワークの寸法を示す
平面図、(d)は同じくワークの加工完了状態を示す斜
視図、(e)は製品の正面図である。
工状態を示す縦断側面図、(b)は同じくワークの加工状
態を示す正面図である。
す縦断側面図、(b)は同じくワークの加工された状態を
拡大して示す部分的断面図、(c)は(b)のX−X線に
沿う拡大断面図である。
Claims (15)
- 【請求項1】凝固点が水のそれよりも高い高分子系凝固
剤をすくなくともワークと固定用治具表面の間に介在さ
せ、この状態で高分子系凝固剤の凝固温度よりも低い温
度の流体をワーク加工中に前記固定用治具に作用させる
ことにより高分子系凝固剤を冷却しワークを凍結固定す
ることを特徴とする凍結式ワーク固定法。 - 【請求項2】固定用治具として、表面を固定用面とした
熱伝導性の良好な本体と断熱材からなる台座を有するも
のを使用し、該固定用治具を加工機械側の治具固定用装
置に固定し、すくなくとも固定用治具の固定用面とワー
クの間に高分子系凝固剤を介在させ、少なくともワーク
加工領域に加工液又は冷却気体を供給することにより同
時に固定用治具表面を冷却する請求項1に記載の凍結式
ワーク固定法。 - 【請求項3】固定用治具として、表面を固定用面とした
熱伝導性の良好な本体と断熱材からなる台座を有するも
のを使用し、すくなくとも固定用面とワークの間に高分
子系凝固剤を介在させた固定用治具を加工機械外であら
かじめ冷却して高分子系凝固剤を凝固させてワークを固
定し、この固定用治具を加工機械側の治具固定用装置に
固定し、少なくともワーク加工領域に加工液または冷却
気体を供給することにより固定用治具表面を冷却する請
求項1に記載の凍結式ワーク固定法。 - 【請求項4】固定用治具の本体が内部に冷却媒体の通路
を有し、該通路に冷却媒体を流通させることにより高分
子系凝固剤を凝固させてワークを固定することを含む請
求項3に記載の凍結式ワーク固定法。 - 【請求項5】固定用治具として熱伝導性の良好なパレッ
トを使用し、加工機械側には、パレットを着脱自在に固
定する固定手段を有する熱伝導性の良好な本体と該本体
の回りを囲む槽を有するパレット固定用治具を設けてお
き、パレットを本体に固定するとともにすくなくともパ
レットとワークの間に高分子系凝固剤を介在させ、前記
槽内に高分子系凝固剤の凝固温度よりも低い温度の流体
を供給することによりパレット固定用治具を冷却してパ
レットを冷却する請求項1に記載の凍結式ワーク固定
法。 - 【請求項6】固定用治具として熱伝導性の良好なパレッ
トを使用し、加工機械側には、パレットを着脱自在に固
定する固定手段を有する熱伝導性の良好な本体と該本体
の回りを囲む槽を有するパレット固定用治具を設けてお
き、すくなくともワークとの間に高分子系凝固剤を介在
させたパレットを加工機械外であらかじめ冷却して高分
子系凝固剤を凝固させてワークを固定し、このパレット
をパレット固定用治具に固定する一方、前記槽内に高分
子系凝固剤の凝固温度よりも低い温度の流体を供給する
ことによりパレット固定用治具を冷却してパレットを冷
却する請求項1に記載の凍結式ワーク固定法。 - 【請求項7】高分子系凝固剤の凝固温度よりも低い温度
の流体の槽内への供給がパレット固定用治具の本体内部
を通して行われる場合を含む請求項5または請求項6の
いずれかに記載の凍結式ワーク固定法。 - 【請求項8】固定用治具として熱伝導性の良好な材質か
らなる本体とこれから外方に伸びる軸部を有するものを
使用し、この軸部に高分子系凝固剤を介してワークを取
付け、ワーク加工中に連続して軸部内又は/及び軸部外
に高分子系凝固剤の凝固温度よりも低い温度の流体を供
給することで高分子系凝固剤の凝固によりワークを凍結
固定する請求項1に記載の凍結式ワーク固定法。 - 【請求項9】軸部が中空状となっているものを含む請求
項8に記載の凍結式ワーク固定法。 - 【請求項10】高分子系凝固剤の凝固温度よりも低い温
度の流体として加工液または冷却気体を使用する請求項
5ないし9のいずれかに記載の凍結式ワーク固定法。 - 【請求項11】高分子系凝固剤としてシリコーンオイル
又はこれを主成分とする液状物を用いる請求項1ないし
10のいずれかに記載の凍結式ワーク固定法。 - 【請求項12】高分子系凝固剤としてシリコーンオイル
に粘度調整剤を混入したクリーム状物ないしペースト状
物を用いる請求項1ないし10のいずれかに記載の凍結
式ワーク固定法。 - 【請求項13】高分子系凝固剤として、シリコーンオイ
ルまたはシリコーンオイルを主成分とする液状物とシリ
コーンオイルに粘度調整剤を混入したクリーム状物ない
しペースト状物とを併用する請求項1ないし10のいず
れかに記載の凍結式ワーク固定法。 - 【請求項14】シリコーンオイルに粘度調整剤を混入し
たクリーム状物ないしペースト状物をワークの周囲の一
部又は全体と固定用面をつなぐように塗着することを含
む請求項12または13に記載の凍結式ワーク固定法。 - 【請求項15】シリコーンオイルが常温に近い凝固点を
もつシリコーンオイルである請求項10ないし13のい
ずれかに記載の凍結式ワーク固定法。
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