JP2992770B2 - 凍結チャック式機械加工法及び凍結チャック式機械加工法用ワーク固定装置 - Google Patents

凍結チャック式機械加工法及び凍結チャック式機械加工法用ワーク固定装置

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JP2992770B2 JP9507480A JP50748097A JP2992770B2 JP 2992770 B2 JP2992770 B2 JP 2992770B2 JP 9507480 A JP9507480 A JP 9507480A JP 50748097 A JP50748097 A JP 50748097A JP 2992770 B2 JP2992770 B2 JP 2992770B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は凍結チャック式機械加工法、さらに詳細には
ワークを媒体を凍結することにより位置固定して機械加
工する方法とこの方法のためのワーク固定装置に関す
る。
背景技術 ワークに対してフライス加工、研削加工、旋削加工、
研磨加工、切断加工、ダイシング加工、穴明け加工、彫
刻加工などの機械加工を行う場合には、ワークを加工機
械テーブル上にしっかりと固定(チャッキング)するこ
とが必要である。
このワークの固定方法として、従来ではマグネットチ
ャック、真空チャック、バイスなどが用いられていた
が、ワークの材質、形状などの制限がつきまとい、ワー
クが薄かったり、こわれやすかったり、複雑な形状であ
ったりした場合にワークを確実、安定的に固定すること
ができないという問題があった。
この対策として、氷を接着媒体とする凍結チャック法
と装置が提案されている。この先行技術は、銅など熱伝
導性の良好な材質からなる冷凍用プレートを用い、この
冷凍用プレート上に水を霧状に塗布し、その上にワーク
を載せ、この状態で冷凍用プレートより下方に設けられ
ている熱電素子に通電することにより冷凍用プレートの
上面温度を0℃以下に冷し、それにより水を結氷させ、
氷膜によりワークを固定する方法である。
しかし、かかる先行技術は、いまだ次のような問題が
あった。
(1)加工液を使用して加工することが不可能ないし困
難である。
機械加工中にワークと工具との間に発生する加工熱は
加工面を著しく損傷し、また工具の寿命を短くする。そ
こでこのワークを凍結方式により固定する方法において
も、汎用の機械加工法と同じように加工液ないしクーラ
ント液(以下、加工液と称す)を使用することが適切で
ある。しかしながら、加工液の温度は、一般にワークを
固定している氷の温度よりも高い。このため、加工液を
加工面に供給すると氷膜が溶解され、加工中にワークが
固定用面から外れて加工不能となるばかりでなく、テー
ブルから外れて飛び出すためきわめて危険であった。
この対策として、不凍液を含む水溶性の加工液を用
い、これを氷点以下に冷却して使用しても、氷は水と親
和性が強いため、やはり加工液がワークを固定している
氷を溶解しやすく、ワークの固定解除が起りやすい。こ
うしたことから、先行技術の方法は、事実上、加工液を
使用しない乾式加工にしか適用することができなかっ
た。
(2)加工中に氷がワークに積層することにより工具の
動きが阻害されやすい。
たとえばワークの切断加工やダイシング加工を行った
場合に、加工中、水溶性加工液や空気中の水分がワーク
上に結氷して積層する。この氷が工具のフランジやマン
ドレル等に接触し、工具の動きに障害を与えるため、精
密な加工が困難となったり、工具や主軸を損傷するとい
ったトラブルが生じやすかった。
(3)慣用のチャック手段に比べてワークの着脱能率が
悪く、またコストアップにつながる。
先行技術は水を凍結させて氷膜でワークを固定する
が、実際上は、冷凍用プレートの上面温度を−5℃より
も低い温度たとえば−10℃程度にしなければ十分な固定
力を得ることができず、また、加工後には0℃以上に温
度上昇させなければワークを取り出すことができない。
このため、冷凍用プレート上でのワークの固定と離脱に
それぞれ1〜3分という長い時間を要する。
この打開策として、従来では次のような方法を取って
いた。すなわち、真空チャック機能を付加した冷凍チャ
ック装置と、真空チャック機能を有しない冷凍チャック
装置とを用い、前者を加工機械のテーブル上に配置し、
後者を加工機械の外部(機外)に配置する。そして、そ
れら2セットの冷凍チャック装置に加えて、アルミニウ
ムからなる複数枚のアダプタープレートを準備してお
き、機上の冷凍チャック装置を使用してワークを固定し
て機械加工している間に、次の加工分のワークをアダプ
タフレートに固定しておくサイクルを採用している。
すなわち、まず、機外の冷凍チャック装置における冷
凍用プレートの上面に不凍液の膜を形成しておき、これ
に載せられるアダプタープレートの上にワークを載置す
るとともに水を塗布し、この状態で冷凍チャック装置を
作動して予めワークをアダプタープレートに凍結固定さ
せた状態とし、この状態で待機する。そして、機上での
機械加工が完了したときに、機上の冷凍チャック装置の
真空チャックを作動解除して冷凍用プレートに対するア
ダプタープレートの固定を解き、前記のように待機して
いたアダプタープレートを機上の冷凍チャック装置の冷
凍用プレート(この上面には不凍液の膜が敷かれてい
る)に載置して、真空チャックを作動させるのである。
しかし、この手法では、冷凍用プレートと、冷凍用プ
レートの上面温度を−5℃よりも低い温度まで降温させ
るための熱電素子と、熱電素子による冷却水通路を設け
たプラスチック台(ボデイ)および該プラスチック台を
固定する固定台とを構成要素とする高価な装置が機上用
と機外用として2台必要となる。このためコストが2倍
となり、電力消費量などのランニングコストも高価にな
るという問題があった。さらに、機外の冷凍チャック装
置で0℃以下の温度まで冷却しないとワークがアダプタ
ープレート上で位置ずれしてしまい、自動制御による加
工が困難となる。
本発明は前記のような問題点を解消するために研究し
て創案されたもので、その基本的目的は、0℃よりも高
い温度条件においてもまた加工液を使用する湿式加工方
式においても、ワークを加工中しっかりと固定して高精
度に加工することができ、それでいながらワークの着脱
も簡単に能率よく行うことができる実用的な凍結チャッ
ク方式による機械加工法を提供することにある。
また本発明の他の目的は、多数のワークの逐次加工を
より能率的にしかも安価な装置で行うことができる冷凍
チャック方式による機械加工法を提供することにある。
また本発明の他の目的は、前記凍結チャック方式によ
る機械加工法に好適なワーク固定装置を提供することに
ある。
発明の開示 上記目的を達成するため本発明は、固定用面と該固定
用面を温度制御する手段を備えた凍結式チャック装置に
よりワークを固定して機械加工する方法において、シリ
コーンオイル又はこれを主成分とする高分子系凝固剤を
すくなくともワークと固定用面の間に介在させ、固定用
面を冷却することにより前記高分子系凝固剤を接着媒体
としてワークを固定することを特徴としている。
また、本発明の冷凍チャック方式による機械加工法
は、ワークを支持するパレットと、固定用面と該固定用
面を温度制御する手段を備えた凍結式チャック装置とを
使用し、ワークをパレットに固定しそのパレットを凍結
用チャック装置に固定してワークを機械加工する方法で
あって、シリコーンオイル又はこれを主成分とする高分
子系凝固剤を少なくともワークとパレットの間に介在さ
せ、パレットを冷却することにより前記高分子系凝固剤
を接着媒体としてワークを固定することを特徴としてい
る。
本発明におけるワーク固定要素としての高分子系凝固
剤はシリコーンオイル又はこれを主成分としており、凝
固点が水のそれよりも高いことに加え、水と親和性が乏
しく良好な撥水性を備えている。
この高分子系凝固剤は、液状物からクリーム状(バタ
ー状)ないしペースト状のものをすべて含んでいる。後
者のクリーム状ないしペースト状物は簡便にはシリコー
ンオイルに固体粒子からなる粘度調整剤(増ちょう剤)
配合することで得られたものである。粘度調整剤として
は、各種材質の粉末好ましくは微粉末を用いることがで
きる。
本発明は液状の高分子系凝固剤とクリーム状ないしペ
ースト状の高分子系凝固剤を単体で使用する場合のほ
か、両者を併用する場合を含んでいる。クリーム状ない
しペースト状の高分子系凝固剤はワークの周囲と固定用
面をつなぐように塗着すると非常に効果的にワークを固
定することができる。
本発明を適用して加工されるワークは、鉄系、銅系、
アルミニウム系、チタン系、シリコン系、ゲルマニウム
系などで代表される金属、プラスチック系、ガラス系、
カーボン系、セラミック系、木質系、あるいはこれらの
2種以上の複合材、水晶、ダイヤモンド、CBN、ルビ
ー、サファイヤなど材質を問わず、また形状、寸法も問
わない。
加工方法も、平面研削、成形研削、クリープ研削、円
筒研削などの各種研削加工、旋削加工、研磨加工、切断
加工、スライス加工、ダイシング加工、ミーリング加
工、溝加工、穴明け加工、彫刻など態様を問わない。
前記ワークはこれに対する加工が表面である場合に
は、固定用面やパレットに直接固定されてもよいが、切
断加工や穴明け加工のように加工が肉厚を貫通するよう
な場合には、ワーク固定用面に対する工具の接触を防止
するため抜き代材が本来のワークと固定用面の間に介装
される。本発明はこの場合を含んでおり、したがって、
本発明において「ワーク」とは加工対象物としての本来
のワークはもちろん、抜き代材を層着したものの双方を
含む概念である。
本発明は、さらに多数のワークを逐次機械加工するた
めに好適な方法を含んでいる。
その第1の手法は、固定用面と該固定用面を温度制御
するための冷却用流体の通路を備えた少なくとも第1と
第2の凍結式チャック装置を用意する一方、加工機械の
近傍と加工機械外の位置には冷却用流体を供給する第1
と第2の循環式冷却装置を配し、次の工程を逐次繰り返
す方法である。
a.第1の凍結式チャック装置の固定用面上に高分子系凝
固剤を介してワークを配し、第1の凍結式チャック装置
を加工機械外位置にある第2の循環式冷却装置と接続し
て高分子系凝固剤を凝固点以下の温度に冷却することに
より高分子系凝固剤を接着媒体としてワークを第1の凍
結式チャック装置に固定する。
b.ワークを固定した前記第1の凍結式チャック装置を第
2の循環式冷却装置と切離し、加工機械のテーブル上に
移して機械的に固定するとともに、第1の循環式冷却装
置と接続して高分子系凝固剤を凝固点以下の温度に維持
しながら機械加工を行う。
c.前記機械加工を行っている間に、次に加工すべきワー
クを第2の凍結式チャック装置の固定用面上に高分子系
凝固剤を介して配置し、該第2の凍結式チャック装置を
加工機械外位置にある第2の循環式冷却装置と接続して
高分子系凝固剤を凝固点以下の温度に冷却することによ
り高分子系凝固剤を接着媒体としてワークを第2の凍結
式チャック装置に固定しておく。
d.前記機械加工後、第1の凍結式チャック装置を第1の
循環式冷却装置と切離して加工機械のテーブル上から除
去する一方、第2の凍結式チャック装置を第2の循環式
冷却給装置と切離して加工機械のテーブル上に移して機
械的に固定し、第1の循環式冷却装置と接続することで
高分子系凝固剤を凝固点以下の温度に維持しながら次の
機械加工を行う。
また、第2の手法は、加工機械上に固定用面と該固定
用面を温度制御する手段を備えた凍結式チャック装置を
配し、加工機械から外れた位置にはプリクーラーを配
し、さらに複数枚のパレットを使用し、次の工程を逐次
繰り返す方法である。
a.第1のパレット上に高分子系凝固剤を介してワークを
配し、前記第1のパレットを高分子系凝固剤の凝固点以
下の温度に保持した前記プリクーラーに載せ、それによ
り高分子系凝固剤を接着媒体としてワークを第1のパレ
ットに固定する。
b.ワークを固定した前記第1のパレットをプリクーラー
から取外し、凍結式チャック装置の固定用面に載せて固
定して機械加工を行う。
c.前記機械加工を行っている間に、次に加工すべきワー
クを高分子系凝固剤を介して第2のパレットに載せ、該
第2のパレットをプリクーラーに載せて冷却し高分子系
凝固剤を接着媒体としてワークを固定しておく。
d.前記機械加工後、凍結式チャック装置上の第1のパレ
ットの固定を解除する一方、第2のパレットをプリクー
ラーから凍結式チャック装置の固定用面に載せて固定す
る。
さらに前記他の目的を達成するための本発明のワーク
固定装置は、固定用面と該固定用面を温度制御する手段
と、少なくともワークと固定用面の間に介在され、固定
用面を冷却することによりワークを固定するシリコーン
オイル又はこれを主成分とする高分子系凝固剤からなる
ことを特徴としている。
また、本発明のワーク固定装置は、ワークを支持する
パレットと、固定用面と該固定用面を温度制御する手段
と、少なくともワークとパレットの間に介在され、パレ
ットを冷却することによりワークを固定するシリコーン
オイル又はこれを主成分とする高分子系凝固剤からなる
ことを特徴としている。
前記いずれのワーク固定装置においても、高分子系凝
固剤は、液状物又は/及び粘度調整剤を混入したクリー
ム状物ないしペースト状物である。
本発明による利点を挙げると次の通りである。
シリコーンオイル又はこれを主成分とする高分子系凝
固剤(以下単に高分子系凝固剤と称す)は凝固点が水の
それよりも高く、この高分子系凝固剤をワークと固定用
面またはこれに載せられるパレットとワークの間に配
し、高分子系凝固剤を接着媒体としてワークの固定を得
るようにしている。
このため、固定用面が0℃未満の場合はもちろん0℃
を越える温度であっても強い機械加工力に十分耐えうる
固定力が得られる。また、ワークを凍結固定させるのに
要する時間もきわめて削減されるため、ワーク固定作業
の能率化を図ることができる。
また、高分子系凝固剤は凝固点が水のそれよりも高く
かつ水との親和性がきわめて乏しい。このため、不凍液
などを含有する水溶性あるいは油性の加工液を工具とワ
ークに噴射したり吹き付けたりしても、高分子系凝固剤
が溶解される危険性は全くなく、したがって、加工中に
ワークの固定が解除されてしまうという心配がなく、安
全に加工を行うことができる。さらに、0℃以上の温度
の加工液を加工局部に集中的に供給してもワークを固定
する媒体が溶解することはないから、加工熱の除去、潤
滑、切粉や砥粒類の排除といった加工液の特性を十分に
発揮させることができ、安全確実に精度のよい加工を行
うことができる。
また、加工液の使用温度を比較的高くすることができ
るから、加工液の冷却装置も小さな能力のもので足り
る。さらに、慣用のチャック法の場合に比べてワークの
温度が低いため、加工液の使用量も少なくすることがで
き、これにより加工液をろ過循環させない方式の採用が
可能となり、ろ過循環供給設備を省略する事もできる。
このため装置コストを下げることができる。
さらに、高分子系凝固剤は水との親和性がきわめて乏
しく、撥水性があるため、シリコンウエハーや金属板な
どに対して切断加工やダイシング加工、スリット加工な
どを行った場合にも、氷の膜でワークを固定した場合に
問題となっていたワークの表面に加工液や空気中の水が
凍結し積層し、それが刃先の直上の工具フランジや主軸
に接触するといった現象が全く生じない。このため、工
具の動きが常に円滑に保たれ、スムーズに精度のよい加
工を行うことができる。
また、上記のように加工液の使用が可能になり、加工
部に常に新鮮な加工液を供給して切粉や脱落砥粒の排出
を促進することができるから、加工面の仕上がりもきれ
いにすることができる。
高分子系凝固剤として、主成分に個体粒子を混合分散
したクリーム状ないしペースト状のものを使用した場合
には、主成分の凝固により薄い膜でなくボリュームの大
きな塊りとなり、かつ固体粒子が一種の骨剤として働
く。このためワークの接着固定力が非常に強くなり、ワ
ークに対する加工力が強大であっても安定的な固定状態
を保つことができる。
ことにクリーム状ないしペースト状の高分子系凝固剤
を下部が固定用面に接するようにワークの周囲に塗着
し、この状態で高分子系凝固剤を凝固させた場合には、
ワークは下面だけでなく周囲もがっちりと剛体により保
持固定されるため、ワークをスライス加工した場合にも
固定用面から剥がれたりしなくなる。さらにクリーム状
ないしペースト状の高分子系凝固剤を固定用面に接する
ようにワークの周囲に塗着するだけでなくワークの上面
を覆うように塗着した場合には、スライス片はボリュー
ムの大きな両端接着層とこれをブリッジ状につなぐ上面
層とによって強固に固定されるため、スライス片の厚み
が薄くても固定面から剥離せず、安定した状態に保たれ
る。なお、この状況は図13−B,図13−Cを参照された
い。
さらに、従来の氷の凍結方式では、実際上は−10℃以
下にしないと十分な固定力が発揮されないため、ワーク
の着脱に長時間を要したが、高分子系凝固剤は水の凝固
点よりも凝固点が高く、0℃以上の温度でもワークを固
定用面またはパレットに固定化しておくことができ、ワ
ーク着脱のための温度勾配は5〜6℃といった小さな範
囲で足りる。
このことから凍結式チャック装置としては0〜3℃程
度までの冷却能力のものを使用することが可能となり、
固定用面を降温させる手段として熱電素子に限られず、
水で代表される流体でもよいことになる。この場合には
凍結式チャック装置は冷却用流体の通路を設けるだけで
よくなるため、薄く軽いプレート状のものにすることが
でき、加工機械のテーブル上に配置したときに工具の移
動の妨げならなくなる。
それゆえ、多数のワークを逐次加工する場合に、第1
の手法を採用すれば、パレットを要さず、凍結式チャッ
ク装置そのものを交換式の治具として加工機械のテーブ
ル上で取替え、凍結式チャック装置を機上と機外の循環
式冷却装置に迅速流体継手を利用して瞬間着脱するだけ
で簡単且つ能率的にワークの取替えを行うことができ
る。加工後のワークは凍結式チャック装置の固定用面に
固定したままで取り出すことができるため、後の処理も
容易である。
また、第2の手法を採用した場合もワークの凍結チャ
ック装置に対する着脱時間を大幅に短縮することができ
る。また、凍結式チャック装置は機上に1台で足り、機
外にはせいぜい2〜3℃程度までの冷却能力を持つプリ
クーラーを使用するだけで足り、このプリクーラーとし
ては流体循環式の簡易なものを使用することができる。
したがって、このパレット循環使用形式の場合にも、装
置コストを大幅に低減することができる。
本発明の高分子系凝固剤(粘度調整剤としてとくに比
重の大きいものを配合しないクリーム状ないしペースト
状のものを含む)が水よりも比重が小さい性質を有して
いる場合、使用後の処理も容易である。
すなわち、使用済みの高分子系凝固剤だけをあるいは
これとワークを高分子系凝固剤の凝固点よりも高い温度
の水(不凍液などを配合しているものを含む)に装入す
れば、高分子系凝固剤は水面上に分離浮上し、その浮上
した高分子系凝固剤をこれの凝固範囲内の温度の水を満
たした槽に注入すれば簡単に回収することができる。こ
の方法によれば、ワークに付着した切粉などの洗浄と高
分子系凝固剤の回収とを簡単、安価な手段で行うことが
できる。
図面の簡単な説明 図1は本発明による凍結チャック式機械加工法及びワ
ーク固定装置の第1例を示す説明図である。
図2は第1例における凍結用チャック装置の他の例を
示す縦断側面図である。
図3は本発明による凍結チャック式機械加工法及び及
びワーク固定装置の第2例を示す説明図である。
図4−Aは第2例の別の態様を示す縦断側面図であ
る。
図4−Bは図4の装置の平面図である。
図5−Aは高分子系凝固剤として液状のものを使用し
た場合におけるワークの装着段階を示す断面図である。
図5−Bはワーク機械加工中の状態を示す断面図であ
る。
図5−Cはワーク機械加工終了時の状態と高分子系凝
固剤の回収状態を示す説明図である。
図6−Aは高分子系凝固剤によるワークの固定態様の
別の例を示す断面図である。
図6−Bは高分子系凝固剤によるワークの固定態様の
別の例を示す断面図である。
図6−Cは高分子系凝固剤によるワークの固定態様の
別の例を示す断面図である。
図6−Dは高分子系凝固剤によるワークの固定態様の
別の例を示す断面図である。
図7−Aは抜き代材を使用した場合の高分子系凝固剤
によるワークの固定態様の別の例を示す断面図である。
図7−Bは抜き代材を使用した場合の高分子系凝固剤
によるワークの固定態様の別の例を示す断面図である。
図7−Cは抜き代材を使用した場合の高分子系凝固剤
によるワークの固定態様の別の例を示す断面図である。
図8−Aは本発明法を第2の手法による逐次加工に適
用した場合の先行ワークの加工初期段階を示す説明図で
ある。
図8−Bは先行ワークの加工中期段階を示す説明図で
ある。
図8−Cは後行ワーク交換段階を示す説明図である。
図8−Dは高分子系凝固剤の回収とワーク洗浄法の一
例を示す説明図である。
図9は本発明法を第1の手法による逐次加工に適用し
た例を先行ワークの加工段階の状態で示す説明図であ
る。
図10−Aは本発明の実施例におけるワークの形状と寸
法を示す斜視図である。
図10−Bは本発明の実施例におけるワークの形状と寸
法を示す斜視図である。
図11−Aは本発明の実施例におけるワークの加工前の
形状を示す斜視図である。
図11−Bは図11−Aのワークの寸法を示す正面図であ
る。
図11−Cは図11−Aのワークの寸法を示す正面図であ
る。
図11−Dは図11−Aのワークの加工完了状態を示す斜
視図である。
図11−Eは図11−Dのワークの正面図である。
図12−Aは図11−Aのワークの加工状態を示す縦断側
面図である。
図12−Bは図11−Aのワークの加工状態を示す正面図
である。
図13−Aは本発明の実施例におけるワーク加工状態を
示す縦断側面図である。
図13−Bは図13−Aのワークの加工された状態を拡大
して示す部分的断面図である。
図13−Cは図13−BのX−X線に沿う断面図である。
発明の詳細な説明 図1は本発明による凍結チャック式機械加工法とワー
ク固定装置の第1例を示している。この例では、ワーク
を固定用面に直接固定して機械加工を行なっており、1
は加工機械のワークテーブル、2は砥石、バイト、リー
マ、ドリル、タップなど所望の工具、3は加工液供給手
段、5はワークである。
4は凍結式チャック装置であり、ワークテーブル1に
据付け固定される基台4aと、これの上部に固定された支
台4bと、該支台4bに固定され上面に固定用面40を有する
固定用面板4cと、固定用面板4cの下面側に配され、固定
用面板4cを降温および昇温する手段4dとを有している。
6はワーク5の下面と固定用面40の間に介在されたシ
リコーンオイル又はこれを主成分とする高分子系凝固剤
である。
基台4aは強度の高い材料たとえばステンレスなどによ
り作られ、支台4bは熱絶縁性、電気絶縁性の良好な材料
たとえばプラスチックで作られている。固定用面板4cで
は熱伝導性の良好な材料例えば銅、アルミニウム、窒化
アルミウムなどによって作られている。
固定用面板4cを温度制御する手段4dは任意である。こ
の例では複数個の熱電素子41が用いられており、それら
熱電素子41は固定用面板4cに密着して取り付けられてい
る。熱電素子41はプラス電流を通電したときに上面側か
ら熱を吸収して下面から放出し、マイナス電流を通電し
たときに下面側から熱を吸収して上面側に放出する特性
を有している。
各熱電素子41の給電線42は導出され、外部のコントロ
ーラ7に接続されている。コントローラ7は、DC電源回
路と制御回路とを有しており、制御回路には加工内容に
応じて準備温度と加工温度(冷却温度)および固定解除
温度(昇温温度)を任意に設定し、それに対応する極性
と電流値の電流を供給する手段が含まれている。
上記のように熱電素子41を用いているため加工時に熱
電素子41の下面側から熱が発生し、これが基台4aを介し
てワーク据付け部1に伝熱される。そこで、熱電素子41
の近傍には排熱冷却機構4eが設けられている。この排熱
冷却機構4eは冷却水を循環使用したもので、図1ではコ
アとして構成され、その排熱冷却機構4eの供給管43と戻
り管44は外部の冷却水供給装置8に接続されている。
加工液供給手段3は、加工液を加工部に供給するノズ
ル30と、これに加工液を供給する加工液供給装置31とを
有しており、さらに好ましくは、加工液供給装置31の系
に調整バルブ320を介して冷却加圧空気供給装置32が接
続される。
9は高分子系凝固剤6の回収手段であり、固定用面板
4cの周囲を囲む溝状ないし樋状の受け90と、この受け90
とホース等の通路要素93で連結された第1水槽91と、第
1水槽91の上部域と連絡する第2水槽92を有している。
第1水槽91には高分子系凝固剤6の凝固点よりも高い温
度の水(これは工業用水などのほか、不凍液や溶剤を配
合している水を含む。以下同じ)910が満たされてお
り、第2水槽92には高分子系凝固剤6の凝固点よりも温
度の低い水920が満たされている。
図2は凍結式チャック装置4の別の例を示しており、
冷却水を循環する形式の排熱冷却機構4cがコアでなく通
路となつているほかは図1のものと同じである。
図3は本発明による凍結チャック式機械加工法及びワ
ーク固定装置の第2例を示している。この例において
も、ワーク5は固定用面40に直接固定され、機械加工さ
れるようになっている。
この第2例においては、凍結式チャック装置4の固定
用面板4cを温度制御する媒体として電気・熱変換要素で
なく流体が用いられている。これは水よりも凝固点の高
い高分子系凝固剤6を凍結させることに基づくもので、
装置を簡単かつ安価にすることができる利点がある。
したがって凍結式チャック装置4の固定用面板4cの温
度制御手段4dは、内部に流体の通路450を有し上部が固
定用面板4cの下面に密接するコア45で構成されている。
もちろんコアでなくクネクネとした通路であってもよ
い。
前記コア45に接続した導入管456と排出管457は基台4a
または支台4bから外部に突出し、継手を介して供給管45
0と戻り管451にそれぞれ接続されており、それら供給管
450と戻り管451は高分子系凝固剤凍結用の循環式冷却装
置10に接続されている。
循環式冷却装置10は冷凍コイルを有するタンク100と
吐出ポンプ101を有しており、供給管450と戻り管451に
は電磁式などの開閉弁452,453が介在されており、これ
よりも上流の部位の供給管450と戻り管451はリリーフ弁
454を介して接続されている。
また、供給管450と戻り管451は、前記開閉弁452,453
よりも下流の部位でそれぞれ分岐され、その分岐供給管
450′と分岐戻り管451′は高分子系凝固剤凍結解除用の
循環式温水供給装置11に接続されている。
この循環式温水供給装置11はヒータを有する温水タン
ク110と、温水吐出ポンプ111を有しており、その分岐供
給管450′と分岐戻り管451′には電磁式などの開閉弁45
2′,453′が設けられ、これよりも上流の部位がリリー
フ弁454′を介して接続されている。
なお、この例では開閉弁452と453,452′と453′がそ
れぞれ別個になっているが、もちろん3位置切換え弁な
どによって構成される。
その他の構成は第1例と同じであるから、同じ部分に
同じ符号を付し、説明は省略する。
図3の例では温度制御手段4dの一要素として循環式温
水供給装置11を使用しているが、この装置は必ずしも必
要としない。すなわち、図4−Aと図4−Bは第2例を
簡便にし、凍結式チャック装置4そのものを移動性に富
む治具として使用できるようにしたものである。
導入管456と排出管457は基台4aまたは支台4bから外部
に突出し、先端に迅速流体継手(クイック コネクティ
ング カップリング)に対するプラグを有している。循
環式冷却装置10の供給管450と戻り管451はそれぞれ先端
に迅速流体継手458,459を有し、前記導入管456と排出管
457に瞬時着脱されるようになっている。その他の構成
は第2例と同様であるから、同じ部分に同じ符号を付
し、説明は省略する。
本発明において、高分子系凝固剤6は、水の凝固点よ
りも凝固点ができるだけ高く、常温またはそれ以上の温
度で凝固することが必須の物性である。これに加えて、
水と親和性が乏しく(撥水性を示す)、水よりも比重が
軽い物性を有していることが好ましい。
かかる高分子系凝固剤6として、本発明は、シリコー
ン樹脂、たとえば低分子シリコーンオイルないし環状シ
リコーンオイルで代表されるシリコーンオイルあるいは
これを主成分とするものを用いる。
このシリコーンオイルは、珪素と酸素が交互に並んだ
シロキサン結合を骨組とし、分子が連鎖状にならんでい
るものであり、有機基としてメチル基やフェニル基を含
むメチル系(メチルポリキロキサン、フェニルポリシロ
キサン)、メチルフェニル系(メチルフェニルポリシロ
キサン)などがある。
低分子シリコーンオイルないし環状シリコーンオイル
は常温に近い温度で凝固する性質を有しており、また熱
安定性もよく、耐薬品性、耐酸化性、電気絶縁性の各特
性も有する点でも有利である。
この高分子系凝固剤6は通常、液状ないしこれに近い
性状となっている。この性状の場合には、加工に先立っ
て、高分子系凝固剤6は固定用面40またはワーク5の下
面に塗布されるか、あるいは固定用面40とワーク5の双
方に塗布される。膜厚は任意であり、数ミクロンでも十
分に固定効果があげられる。
図5−Aないし図5−Cは高分子系凝固剤6として液
状のものを用い、ワーク5を固定用面板4cに固定して機
械加工を行う方法を段階的に示している。
加工に際しては、固定用面板4cの固定用面40を高分子
系凝固剤の凝固温度よりも高い温度に保っておく。この
状態で図5−Aのように固定用面40に液状の高分子系凝
固剤6を刷毛、ローラ、噴霧など任意の方法により塗布
し、固定用面40に高分子系凝固剤膜を形成する。高分子
系凝固剤6はもちろんワーク5の下面に塗布してもよ
い。
そして次に、ワーク5を高分子系凝固剤膜の上に置
き、適宜位置決め、配向の調整などを行ったのち、温度
制御手段4dを作動して固定用面40の温度を高分子系凝固
剤の凝固点よりも低い温度にする。
これは、第1例の場合には、コントローラ7から各熱
電素子41にプラス電流を通電し、同時に排熱冷却機構4e
を作動することにより行われ、第2例の場合には開閉弁
452′,453′を閉じ、開閉弁452,453を開いて循環式冷却
装置10から供給管450を介してコア45に流体を送り、戻
り管451から循環式冷却装置10に戻すことを反復するこ
とによって行われる。第3例では循環式冷却装置10の供
給管450と戻り管451を迅速流体継手458,459により導入
管456と排出管457と接続することによって行われる。
これにより高分子系凝固剤6は液相から凝固により固
相へと変化し、凍結高分子系凝固剤6′の凝固分子によ
りワーク5は固定用面40と強固に接着する。
なお、「凝固点よりも低い温度」とは、高分子系凝固
剤の凝固分子が緻密に結合し、固定用面40とワーク5と
の接着による固定力(保持力)が機械加工による負荷荷
重に十分耐えられるまでになる温度を意味し、通常の場
合、高分子系凝固剤6の凝固点よりも約10℃以上低い温
度である。
以上でワーク5の固定状態が得られるので、加工機械
を作動し、図5−Bのように、工具2によりワーク5に
所望の加工を加える。このときに、工具2とワーク5の
接触部域に加工液供給手段3から加工液を供給する。
これは、高分子系凝固剤6の凝固点よりも低い任意温
度に冷却した加工液をノズル30から噴射してもよいし、
あるいは加工液に冷却加圧空気供給手段32から、たとえ
ば温度が0℃以下、圧力が5〜7kg/cm2の冷却加圧空気
を添加混合し、ノズル30からミストとして噴霧してもよ
い。
後者の方法は、水が霧化される際に気化熱を奪われる
ためより冷却効果が高く、例えば2/分以下といった
少ない加工液量で慣用の機械的チャック法の場合に使用
される約10/分以上の量の加工液による冷却効果に匹
敵する効果を得ることができる。
0℃を越える加工液を使用しても、凍結高分子系凝固
剤6′は撥水性を有するため、加工液により凍結高分子
系凝固剤6′は溶解せず、凝固状態が維持され、ワーク
5はしっかりと固定状態に保たれる。したがって、加工
液により加工熱が冷却され、加工屑や脱落砥粒が円滑に
加工部位から除去され、ワーク5と工具2間の潤滑も良
好になり、良好な加工面性状と精度を得ることができ
る。
また、上記のような冷却加圧空気混合加工液が加工中
に凝固して氷となっても、凍結高分子系凝固剤6′が撥
水性を有するためワーク5の表面に氷が凍結したり、積
層したりすることがなく、工具2および工具2のフラン
ジまたはマンドレルは損傷することなくきれいな状態に
保たれる。
このようにして目的とする加工が終了したならば、温
度制御手段4dを作動して固定用面40の温度を高分子系凝
固剤の凝固点よりも高い温度に戻す。
これは、第1例の場合には、コントローラ7から各熱
電素子41にマイナス電流を通電することにより行われ、
第2例の場合には、開閉弁452,453を閉じ、開閉弁45
2′,453′を開いて循環式温水供給装置11から高分子系
凝固剤の凝固点よりも高い温度の温水を分岐液体供給管
450′と液体供給管450を介してコア45に送り、戻り管45
1と分岐戻り管451′から循環式温水供給装置11に戻すこ
とを反復することによって行われる。第3例の場合に
は、循環式冷却装置10の作動を止め、迅速流体継手458,
459により導入管456と排出管457との接続を解き、凍結
式チャック装置4の固定用面板4cを常温の雰囲気にさら
すことによって行われる。
いずれにしても上記操作により高分子系凝固剤6は固
相から液相に戻るためワークに対する固定力が解除さ
れ、図5−Cの白抜き矢印のように加工済みのワーク
5′を固定用面40から取り外すことができる。
上記のようにして液相に戻った高分子系凝固剤6は、
適宜スクレーパなどにより固定用面40をさらって、切粉
や離脱砥粒などとともに流下させる。
実施例においては、固定用面板4cの周囲には受け90が
あるため、高分子系凝固剤6は第1水槽91に送りこまれ
る。この第1水槽91には高分子系凝固剤6の凝固点より
も高い温度の水910が満たされている。高分子系凝固剤
6は水よりも比重が軽く、また水と親和性がないため、
図5−Cのように水910と分離して水面上に浮上し、切
粉や離脱砥粒Zは第1水槽91の底に沈降するため、簡単
に分離することができる。
そして、第1水槽91から高分子系凝固剤6を第2水槽
92に移せば、第2水槽92では高分子系凝固剤6の凝固点
よりも低い温度の水920が収容されているため、高分子
系凝固剤6は水920の上で凝固する。したがって、網な
どにより救い取ることで簡単に回収することができ、再
使用に供することができる。
しかし、本発明による高分子系凝固剤6は液状ないし
これに近い性状であることに限定されない。すなわち、
クリーム状ないしペースト状であってもよい。この場合
には凝固時に膜でなく大きなボリュームの支持ブロック
となり、ワーク5をしっかりと接着固定することができ
る。
こうしたクリーム状ないしペースト状の高分子系凝固
剤は主剤(たとえばシリコーンオイル)に固体粒子から
なる粘度調整剤を添加し混練したものが好適である。そ
の固体粒子は粉末ことに平面粒径が最大でも10μmのも
の、より好適には平均粒径1μm以下さらに好適には平
均粒径0.5μm以下といった微粉末が好適である。
固体粒子の材料は限定はないが、一般には、珪藻土で
代表される土類の粉、米や小麦などの粉、でんぷん類、
サンゴの粉、木灰、紙や繊維を燃焼した灰、ホワイトカ
ーボン、ゼオライト、フライアッシュなどが好ましい例
として挙げられる。そのほか次のものを粉末状にしたも
のも使用できる。セラミック、シリコン、フェライト、
カーボン、グラファイト、ガラス、石、石膏、プラスチ
ック、木綿、木、パルプ、紙、鉄、銅、アルミニウムな
どの金属やその酸化物など。
たとえば、珪藻土や米や小麦などの粉、でんぷん類は
微粒子でかつ比重が軽いため主成分(たとえばシリコー
ンオイル)に均一に分散混合することができ分離が起こ
りにくいこと、しかも安価であることから推奨される。
しかし他のものも混合してすぐに塗着するならば十分に
使用可能である。前記固体粒子はいくつかの種類のもの
を混合して使用することもできる。また、機械加工後の
ワーク洗浄時にこれからの分離を促進するための液状物
質、たとえば界面活性剤を固体粒子のほか微量添加して
もよい。
固体粒子は粘度を増加するとともに、凝固時にモルタ
ルやコンクリートの場合と同じように骨材として機能
し、添加量にほぼ比例して高分子系凝固剤は凝固時の強
度が増す。したがって、固体粒子は前記主成分としての
シリコーンオイルに少なくとも5wt%程度添加すること
が好ましい。しかしあまり添加量が多いと凝固時の強度
は高いものの凝固前の流動性が悪くなるため、塗着しに
くくなる。そこで、上限は50wt%未満とすることが好ま
しい。一般的には、シリコーンオイルと固体粒子(粉
末)の比を(9:1)〜(5.1:4.9)の範囲から選択すれば
よく、この固体粒子の配合比率により液に近いもの〜ク
リーム状〜ペースト状に変化する。
こうしたクリーム状ないしペースト状の高分子系凝固
剤は単独で、また前記した液状の高分子系凝固剤と併用
して使用する。図6−Aないし図6−Dはその例を示し
ている。わかりやすくするため、これら図では液状の高
分子系凝固剤を符号60で表し、クリーム状ないしペース
ト状の高分子系凝固剤を符号600で表している。
図6−Aはワーク5の下面と固定用面40間に液状の高
分子系凝固剤60を膜状に介在させ、ワーク5の側面51と
これから所定の距離離れた固定用面40との間をつなぐよ
うにクリーム状ないしペースト状の高分子系凝固剤600
を塗着しており、クリーム状ないしペースト状の高分子
系凝固剤600は断面が三角状に類する形状となってい
る。この態様はワークを研削したり、研磨したりする加
工に適している。
図6−Bはクリーム状ないしペースト状の高分子系凝
固剤600をワーク5の側面51とこれから所定の距離離れ
た固定用面40との間をつなぐだけでなく、ワーク5の上
面52を覆うように塗着している。この態様はワークを薄
くスライス切断加工したりするのに適している。すなわ
ち、スライス切断加工したときに薄いワーク片は単に下
端面の面積分が固定用面40に接着されるだけでなく、両
端面と上面とがブリッジ状につながった凝固高分子系凝
固剤によって保持されることになるからである。
図6−Cではクリーム状ないしペースト状の高分子系
凝固剤600をワーク5の下面と固定用面40間に塗着し、
さらにワーク5の側面51とこれから所定の距離離れた固
定用面40との間をつなぐように塗着している。この態様
は切断加工や穴開け加工など貫通系の加工を行なう場合
にも、ワーク5の下面と固定用面40間の高分子系凝固剤
600が抜き代として機能するため、後述する抜き代材を
省略できる利点がある。
図6−Dではクリーム状ないしペースト状の高分子系
凝固剤600をワーク5の下面と固定用面40間と、ワーク
5の側面51と固定用面40との間に塗着し、さらにワーク
5の上面52を覆うように塗着することでワーク5全体を
包んでいる。この態様は図6−Dの効果と図6−Bの効
果が得られる利点がある。
クリーム状ないしペースト状の高分子系凝固剤600は
また、後述するE型フェライトに対する加工で代表され
るようなワーク5の一部を加工する場合に、その加工部
位の回りの空隙を埋めて加工力による破損を防止するの
にも役立つ。
クリーン状ないしペースト状の高分子系凝固剤600は
刷毛塗り、へら塗り、押出しガンによる押出しなど任意
である。
前に述べたように本発明におけるワーク5は抜き代材
を層着しているものを含んでいる。図7−Aないし図7
−Cはこの詳細を示している。抜き代材は符号5bとして
示しており、工具2による加工の障害とならない硬度の
もの、一般にカーボンやグラファイトの板が用いられ
る。こうした抜き代材5bは高分子系凝固剤を介して固定
用面40に支持され、その抜き代材5bの上に高分子系凝固
剤を介して本来の加工対象物としてのワーク(ここでは
符号5aとして示した)が支持される。抜き代材5bはワー
ク5aと同等以上の面積を有している。
図7−Aは液体の高分子系凝固剤60を用いた例を示し
ている。図7−Bは液体の高分子系凝固剤60を抜き代材
5bと固定用面40の間に介在させ、ワーク5aを液体の高分
子系凝固剤60の塗膜を介して抜き代材5bに配し、さらに
ワーク5aの周囲51と抜き代材5bまたは固定用面40をクリ
ーム状ないしペースト状の高分子系凝固剤600で結んで
いる。図7−Cはさらにワーク50の上面52をクリーム状
ないしペースト状の高分子系凝固剤600で覆い、それを
ワーク周囲51のクリーム状ないしペースト状の高分子系
凝固剤600と連結している。
図8−Aないし図8−Dは本発明の別の態様すなわち
ワーク5を逐次ひとつの加工機械に付替えて加工するの
に好適な例を示している。
この方法はワーク5を、直接、凍結式チャック装置4
の固定用面に固定するのでなく、別に治具としてパレッ
ト14aを使用してこれに高分子系凝固剤6によりワーク
5を固定し、そのパレット14aを固定用面40に定着させ
る方式であり、ワーク5の固定と固定解除をより能率的
に行えて利点がある。
詳しく説明すると、複数枚のパレット14a,14aを用
い、かつ前記第1例ないし第3例のいずれかの凍結式チ
ャック装置4を使用するとともに、これとは別に加工機
械外部にプリクーラー13を設置する。
パレット14a,14aは熱伝導性の良好な材料たとえばア
ルミニウムないしその合金などにより板状あるいは周縁
部に囲壁を持つ皿状ないしパン状に作られており、ワー
ク5を複数個配置できる面積を持っている。
プリクーラー13は熱絶縁性材料からなる基台130に冷
却板131を取付け、冷却板131の下側に水などの冷却用の
流体の通路を有するコア132を密接させた構造を有し、
流体の供給管133と戻り管134を第1例の冷却水供給装置
8あるいは第3例の循環式冷却装置10と同じような構造
の循環式冷却装置13aに接続している。
この態様による加工法を初期段階から説明すると、凍
結式チャック装置4において、パレット固定用媒体とし
て水を使用する場合には、温度制御手段4dにより固定用
面40の温度を氷の凝固温度よりも少し高い温度にしてお
く。一方、プリクーラー13においては、循環式冷却装置
13aを作動して冷却用流体を供給管133と戻り管134を介
してコア132に循環させ、冷却板131を高分子系凝固剤の
凝固点よりも低い温度たとえば1〜5℃に保つ。
この状態で図8−Aの右の図のように、高分子系凝固
剤の凝固点よりも高い温度を持つパレット14aの上面に
高分子系凝固剤6を塗布し、あるいは単数または複数の
ワーク5に高分子系凝固剤6を塗布し、ワーク5をパレ
ット14aの上面に載せる。
このようにセットされたパレット14aを前記プリクー
ラー13の冷却板131に載置する。これにより、パレット1
4aを介して高分子系凝固剤6がこれの凝固温度より低い
温度に冷却されるため、凍結高分子系凝固剤6′による
接着力でワーク5はパレット14a上に強固に固定され
る。
このようにしてワーク5を凍結高分子系凝固剤6′で
固定したパレット14aを前記凍結式チャック装置4の固
定用面板4c上に載置する。この時までに固定用面板4cの
固定用面40には水を噴霧等により塗布しておく。そして
コントローラ7により温度制御手段4dを作動し、固定用
面40温度を水の凝固点以下の所要温度たとえば−3℃程
度にし、これを保つ。これによりワーク5を凍結高分子
系凝固剤6′で固定したパレット14aは凍結した氷によ
り固定用面板4c上に固定される。
これで加工体制が整うので、前記のように加工液供給
手段3により加工液を工具2とワーク5の加工局部に供
給しつつ、工具2で所望の加工を行えばよい。
この場合、加工液の温度は−3℃以下が好ましいが、
本発明では加工液の使用量が少なくて済み、しかも、凍
結高分子系凝固剤6′そのものも断熱性が高いためパレ
ット14aの温度上昇を抑制できる。このことから、加工
液の温度が0℃以上であっても、加工液がワーク5とパ
レット14aを温める熱量に比べて凍結式チャック装置4
が固定用面40から吸収する熱量がはるかに大であるた
め、パレット14aが固定用面板4c上から離脱することは
ない。また、ワーク5がセラミックスやプラスチックの
場合にはそれ自体も断熱性があるため、ますますパレッ
ト14aの離脱が防止される。
この間、別のパレット14aには前記のように高分子系
凝固剤6が塗布され、次のサイクルに加工すべきワーク
5が載せられる。これが図8−Aの状態である。
そして、パレット14aは高分子系凝固剤6の凝固点よ
りも低い温度に保たれているプリクーラー13の冷却板13
1に載置され、これによりワーク5はパレット14aに固定
され、この状態で待機される。これが図8−Bの状態で
ある。
このようにして凍結式チャック装置4での加工が終了
したときには、コントローラ7により温度制御手段4dを
昇温側に作動し、前記した準備温度(1℃)ないしこれ
より1℃程度高い温度に復帰させる。これにより加工済
みのワーク5を保持しているパレット14aは凍結式チャ
ック装置4から離脱できる。この状態が図8−Cであ
る。
そこで、固定用面40に水を噴霧し、プリクーラー13の
冷却板131に載置されている次のロットのパレット14aを
固定用面40に載置し、コントローラ7により温度制御手
段4dを再び凍結用温度に下降させれば、直ちに次の加工
に移ることができ、また次のロットのワークを高分子系
凝固剤を介してパレットに載せ、プリクーラー13に載置
することでワークを固定状態としておくことができる。
この方法においては、ワーク5が凝固点の高い高分子
系凝固剤6によりパレット14aに固定されることから、
プリクーラー13は低能力のものでよく、したがって、装
置コストを大幅に安くすることができ、また、水を凍結
するのでないためパレットの下面に不凍液を塗布すると
いった作業も全く必要とせず、作業も容易である。
さらに、凍結式チャック装置4では水を凍結媒体とし
て使用していても制御温度勾配を5℃程度以内の狭い範
囲にすることができるため、凍結式チャック装置4に対
するワークの着脱時間を10〜15秒といったきわめて短時
間のものにすることができる。
さらに、ワーク5は凍結式チャック装置4から取り外
された状態でも凝固点の高い凍結高分子系凝固剤6′よ
りパレット14aに固定された状態を保つから、振動など
によってパレットから落下したりせず、搬送などの取扱
いが容易である。
そして、あとはワーク5の洗浄を行なえばよく、この
時に水の比重よりも軽く、水と親和性がなくかつ凝固点
が水のそれよりも高いという性質を利用して同時に高分
子系凝固剤6の回収も行うことができる。
すなわち、その洗浄・回収手段9′としては、たとえ
ば図8−Dのように、内部に水(溶剤含有しているもの
を含む)910を収容し、ヒータ等の加熱手段912により前
記水を高分子系凝固剤の凝固点よりも高い温度に保持す
るようにした第1水槽91と、内部に水920を収容し、こ
れを冷却機構922により常時高分子系凝固剤の凝固点よ
りも低い温度に保つようにした第2水槽92を備え、第1
水槽91の水面より上位に取出し部914を設けたものが挙
げられる。
この手段を用いた場合には、凍結式チャック装置4か
ら取り外したパレット14aを第1水槽91に挿入する。こ
うすれば、水910が高分子系凝固剤の凝固点よりも高い
温度であるため、ワーク5の固定が瞬時に解除され、ワ
ーク5は水910によって洗浄され、切粉や脱落砥粒など
は比重が大きいため槽底に沈降し、排出部915から取り
出される。そして洗浄後しばらく放置すると、水910と
高分子系凝固剤6は分離し、高分子系凝固剤6は水面上
に厚膜となって浮上する。
この時に取出し部914の弁を開放すれば、高分子系凝
固剤6は溶解していて流動性があるため第2水槽92に流
入するが、この第2水槽92の水920は高分子系凝固剤の
凝固点よりも低い温度となっているため、高分子系凝固
剤6は水920の上で瞬時に凍結する。そこで、あとはこ
の凍結した高分子系凝固剤6′を網や柄杓などの適宜の
取出し手段93により梳い取り、再使用のための容器類に
収容すればよい。
洗浄・回収手段は内部にコンベアなどの搬送手段を有
してもよいことはもちろんである。
なお、上記説明では高分子系凝固剤6として液体状の
ものを用いているが、これはあくまでも例であり、図6
−A〜図6−Dおよび図7−A〜図7−Cに示したよう
な液状のものとクリーム状ないしペースト状のものの併
用あるいはクリーム状ないしペースト状のもののみの使
用ももちろん含まれる。これらの場合、図6−A〜図6
−Dおよび図7−A〜図7−Cの固定用面40はパレット
14aと読み替えられる。
凍結式チャック装置4のパレット固定用媒体としては
水でなく高分子系凝固剤6を使用してもよい。この場合
には凍結式チャック装置4の固定用面板4cに高分子系凝
固剤6が塗布され、パレット14aはその上に配され、温
度制御手段4dにより高分子系凝固剤6の凝固温度よりも
低い温度に冷却され、それによる高分子系凝固剤6の凝
固によりパレット14aは固定される。
なお、パレットを使用する態様の場合、凍結式チャッ
ク装置4の固定用面板4cにさらに真空チャック機構を有
していてもよい。これによれば、より確実にパレット14
を固定用面板4cに固定し、また瞬時に固定解除すること
ができる。
図9は本発明においてワークを逐次加工するのに好適
な他の態様を示している。この態様は、パレットを使用
せず、凍結式チャック装置4そのものを付替式の治具と
して使用したもので、ワーク5の固定と固定解除をより
能率的にしかも安価に行なえる利点がある。
この場合には、凍結式チャック装置4として図4−A,
図4−Bに示すような流体循環式のものを少なくとも2
台以上使用し、加工装置Aの近傍と加工装置外方には、
図4−A,図4−Bに示すような構造を備えた第1の循環
式冷却装置10aと第2の循環式冷却装置10bをそれぞれ配
置する。
この方法の場合には、第1の凍結式チャック装置4を
機外に配し、固定用面40に単数または複数のワーク5を
高分子系凝固剤6を介して配置する。
この状態で第1の凍結式チャック装置4の導入管456
と排出管567は機外の第2の循環式冷却装置10bの供給管
450,戻り管451と迅速流体継手458,459と瞬時接続され
る。そして第2の循環式冷却装置10bを作動して冷却用
の流体を凍結式チャック装置4の通路に循環させること
により高分子系凝固剤6を凝固点以下の温度たとえば2
〜5℃の範囲内の温度に冷却する。これでワーク5は凝
固し、第1の凍結式チャック装置4の固定用面40にしつ
かりと接着される。
次に、第1の凍結式チャック装置4の第2の循環式冷
却装置10bに対する接続を切離し、加工機械Aのワーク
テーブル1上に移し、公知の機械的チャック機構により
固定する。それとともに導入管456と排出管567を第1の
循環式冷却装置10aの供給管450,戻り管451と迅速流体継
手458,459と瞬時接続させる。この作業は簡単で短時間
に行なえるため、ワーク5は固定が解除されない。
この状態で加工装置Aに備わっている図示しない工具
によりワークに対する所望の加工を行なう。そしてこの
加工の間に、次に加工すべきワーク5は、機外に準備さ
れている第2の凍結式チャック装置4の固定用面40に高
分子系凝固剤6を介して配置される。そしてその第2の
凍結式チャック装置4は機外の第2の循環式冷却装置10
bの供給管450,戻り管451と迅速流体継手458,459と瞬時
接続され、これによる高分子系凝固剤6の凝固でワーク
は固定用面40にしっかりと接着され、この状態で待機さ
れる。図9はこの状態を示している。
そうして加工機械Aでのワークに対する加工が終了し
たならば、ワークテーブル上の第1の凍結式チャック装
置4と第1の循環式冷却装置10aとの接続を解除し、第
1の凍結式チャック装置4を取出し・洗浄工程を行なう
場所に移送する一方、機外にある第2の凍結式チャック
装置4と第2の循環式冷却装置10bとの接続を解き、第
2の凍結式チャック装置4をワークテーブル1に配置し
て公知の機械的チャック機構により固定するとともに、
第2の凍結式チャック装置4を迅速流体継手458,459で
第1の循環式冷却装置10aと接続する。これで直ちに次
のワークに対する加工に移ることができる。
以下、上記操作を繰り返すことにより多数のワークを
凍結式固定方法の利点を生かしつつ能率よく逐次加工す
ることができる。この図9のワークの固定用面40に対す
る配置は、図5−A,図6−A〜図6−Dおよび図7−A
〜図7−Cに示される態様から適宜選択して行なえばよ
い。
実 施 例 次に本発明の実施例を示す。
実施例1 高分子系凝固剤として、主成分が環状ポリジメチルシ
ロキサンの低分子シリコーンオイルを使用した。
この高分子系凝固剤の特性は、無色透明の液体で、粘
度(25℃)が2.4cSt(m2/S)、凝固点17℃、屈折率(25
℃)が1.394、表面張力19.0{1.90}dyn/cm{MN/cm}、
比重0.95(25℃)である。
そしてこの高分子系凝固剤のチャック力は、固定用面
上とワークの温度が5℃、チャック材質:銅、ワーク材
質:超硬合金の条件において、垂直方向11〜15kg/cm2
せん断方向8〜12kg/cm2であった。したがって、この高
分子系凝固剤によるワーク固定温度は、5℃ないしそれ
より適度に低い温度範囲に設定すればよいことがわか
る。
1)上記高分子系凝固剤を使用し、凍結式チャック装置
として図1に示すものを使用してマイクロ波誘電体セラ
ミックス素子のスライス加工を行った。
2)凍結式チャック装置の固定用面板は銅製で、300×1
50mmである。
3)ワークは、材質:PZTチタン酸バリウム、寸法は図10
−Aの表示に従うと50(w)×50(L)×2(t)mmで
あり、これを5(w)×5(L)×2(t)mmにした。
加工機械としてはスライシングマシンを使用し、加工
条件は、工具:レジノイドボンドダイヤモンド砥石(粒
度#600)、工具寸法:外径100mm、厚み0.4mm、工具送
り速度:500mm/min、工具回転数:5000rpm、加工方向:ダ
ウンカットとした。
4)加工に先立って、固定用面板の固定用面の温度を20
℃程度に保ち、この状態で固定用面に前記高分子系凝固
剤を約2μmの厚さに塗布し、その上に上記ワークを置
き、凍結式チャック装置にプラス電流を通電してチャッ
ク用面を1℃に下降し、この状態を保った。これにより
高分子系凝固剤は凝固し、ワークは不動に固定された。
5)加工に際しては加工液供給手段として1mm径のニー
ドルノズルを用い、これから約3℃に冷却した研削液を
約150cc/minでワークと工具の接触する加工部位に工具
進行方向の前方から直接噴射した。
6)この結果、高分子系凝固剤は溶解せず、ワークは安
定した固定状態に保たれ、スライスされた切断面にはク
ラックやチッピングが全く発生せず、きれいなせん断面
が得られた。
加工後、固定用面の温度を20℃に上昇させてワークを
取出し、チャック用面上から高分子系凝固剤と切粉や脱
落砥粒を流下させ、水温を20℃に保った第1水槽に装入
した。これにより高分子系凝固剤は分離浮上し、水温を
10℃に保った隣接する第2水槽に注入したところ高分子
系凝固剤は凝固し、ほとんど全量が回収された。
7)比較のため、従来法によって上記加工を行った。こ
の場合は、固定用面に水を噴霧し、その上に上記ワーク
を置き、凍結式チャック装置にプラス電流を通電して固
定用面を−10℃にし、これを加工中保持した。これによ
り水は凍結しワークは固定された。
加工開始にあたって、上記条件で研削液を噴射させた
ところ、氷が溶解して被加工物の固定が解除されてしま
い、加工はできなかった。そこで、約5%の水分を含む
エアミストを圧力5kg/cm2で工具(砥石)による切断加
工部と180度変位した部位に噴射し、切断加工部に約−1
0℃に冷却した空気を直接噴射した。これによれば氷は
溶解しなかったが、スライスされたワークの切断面の下
側に研削熱によるクラックが発生し、指の爪で引掻くと
剥落してしまい、不良品となってしまった。
実施例2 1)本発明によりアルミニウムとプラスチック材との複
合材を切断加工した。
材質はアルミニウムA2011とエポキシ樹脂との複合
材、寸法は、図10−Bの表示に従うと、上下のアルミニ
ウムが300(W)×200(L)×2(t)mm、中間のプラ
スチックが300(W)×200(L)×0.1(t)mm、加工
後の寸法は300(W)×6(L)×4.1(t)mmである。
加工機械は精密スライシングマシン、使用工具は直径
100mm円盤に、長さ10mm、厚み1mmのダイヤモンドツール
3本を取り付けたもの、工具回転速度は6000rpm、工具
送り速度は120mm/min、加工方向ダウンカットとした。
高分子系凝固剤は実施例1と同じものを使用し、凍結
式チャック装置は図3に示す流体による冷却/昇温タイ
プのものを使用した。
3)加工に当って、循環式温水供給装置から凍結式チャ
ック装置のコアに20℃の温水を供給し、この状態で固定
用面に高分子系凝固剤を約2μmの厚さに塗布し、その
上に上記ワークを置き、液体回路を切換え、循環式冷却
装置からコアに冷水を供給して、固定用面を2℃に下降
し、この状態を保った。これにより高分子系凝固剤は凝
固し、ワークは不動に固定された。
4)加工液としては約−5℃に冷却した水溶性加工液液
(不凍液含有)を150cc/minで圧送しつつこれにエアク
ーラーで約−10℃に冷却された280/minの冷却エアと
混合したものを用い、これを4mm径のニードルノズルを
用いて約5kg/cm2の圧力で工具進行方向の前方から加工
ポイントに直接噴射した。
5)この結果、高分子系凝固剤は溶解せず、ワークは安
定した固定状態に保たれ、またワークの中間に挟まれて
いるプラスチック材は全く溶け出さず、切断されたワー
クの切断面は表面粗さが0.2s以下の鏡面であった。ま
た、加工中に加工液がワークの上に凍結積層することも
なく、工具の動きは円滑で、切断品の寸法精度は良好で
あった。
6)比較のため、実施例1と同じ条件で水を凍結してワ
ークを固定し、上記加工条件と加工液条件で切断を行っ
たところ、加工中にワークがチャックから外れてしま
い、加工不可能となった。これは加工液が0℃以下の低
温であっても、水と親和性の高い不凍液を混合している
ため、ワークを固定用面に接着している氷が加工液によ
って溶かされてしまったからである。
また、加工可能時期においても、加工液と空気中の水
分が凍結してワークに積層し、これが工具のフランジに
接触し、それにより工具の回転運動が不安定となり、切
断精度が低下した。
実施例3 1)本発明により薄肉中足付きE型フェライトコアのギ
ャップ研削加工を行った。
該ワークは、図11−Aに示すような形状で、寸法は、
図11−Bの表示に従うと、高さhが8mm、全幅Wが15m
m、左右の足の幅W1が2mm、厚さt1が3mm、中足の幅W2が7
mm、厚さt2が0.6mmである。このワークに中足を高さh:
湯mmから0.4mm削り、ギャップgを形成する加工を行い
図11−Dと図11−Eに示す形状の製品とするのである。
2)加工機械はクリープ機能付きの平面研削盤を使用
し、工具としてはレジノイドボンドダイヤモンド研削砥
石(粒度#400)、200mmφを使用し、加工条件は、砥石
回転速度:2700rpm、砥石送り速度:600mm/min、加工モー
ド:クリープ加工、ダウンカットとした。
2)高分子系凝固剤は実施例1と同じものを使用し、凍
結式チャック装置は図3に示す流体による冷却/昇温タ
イプのものを使用した。
3)加工に当っては、固定用面板の固定用面の温度を20
℃程度に保ち、この状態で固定用面に高分子系凝固剤を
約3μmの厚さに塗布し、その上に上記ワークを図12−
Aのように相互に密接させて20枚並べ、かつ、両側の足
と中足の空隙にも高分子系凝固剤を満たし、凍結式チャ
ック装置を作動させてチャック用面を1℃に下降し、こ
の状態を保った。これにより高分子系凝固剤は凝固して
ワークは不動に固定され、また両側の足と中足の空隙が
凝固した高分子系凝固剤で埋められ、中足が補強され
た。
4)加工に際しては、加工液供給手段として1mm径のニ
ードルノズルを2本用い、これらから約3℃に冷却した
研削液を約150cc/minで砥石進行方向前方から研削ポイ
ントに直接噴射した。
5)この結果、高分子系凝固剤は溶解せず、ワークは安
定した固定状態に保たれ、かつ中足と両側足のギャップ
を埋めている高分子系凝固剤も凝固せず、これにより薄
い中足はしっかりと補強された状態が保たれ、砥石によ
る切込み時の加工抵抗にも十分耐え、全枚数が破損され
ることなく精度よくギャップ加工を行えた。
6)比較のため、実施例1,2と同じように氷の凍結によ
りワークを固定用面に固定し、両側の足と中足の空隙を
氷で埋め、上記条件でギャップ加工を行ったが、この場
合には、加工中に加工液によって氷が溶け、中足が折れ
てしまい、さらにワークそのものの固定が解除されてし
まい、加工不能となった。
実施例4 1)本発明のパレットを使用する態様を用いて切断加工
を行った。
高分子系凝固剤としては実施例1に記載したものを使
用した。パレットとしては、材質:アルミニウム合金、
寸法120(W)×130(L)×10(t)mmのものを2枚使
用した。
凍結式チャック装置としては、図1に示すものを使用
した。プリクーラーとしては、冷却板寸法100(W)×1
10(L)×50(t)mmを有する冷却水循環式のものを使
用した。ワークは材質:PZTチタン酸バリウム、寸法50
(W)×50(L)×1(t)mmを使用した。
2)加工に当っては、凍結式チャック装置のチヤック面
の準備温度を1℃に設定してスタンバイさせ、プリクー
ラーの冷却板上面温度を2〜3℃に保ってスタンバイさ
せた。
常温に保たれたパレットに高分子系凝固剤を約2μm
厚に塗布し、ワークを載せた。この状態で当該パレット
をプリクーラーに載せた。これにより高分子系凝固剤は
凝固し、各ワークは強固に固定された状態になった。
このパレットを前記準備温度の固定用面上に水を介し
て載せ、凍結式チャック装置を作動して固定用面を−3
℃に下降させ、この温度を維持させた。これによりパレ
ットは固定用面上に固定された。
加工液としては約−5℃に冷却した水溶性加工液液
(不凍液含有)を150cc/min圧送しつつこれにエアクー
ラーで約−10℃に冷却された280/minの冷却エアと混
合したものを用い、これを4mm径のニードルノズルを用
いて約5kg/cm2の圧力で工具前方から加工ポイントに直
接噴射した。
加工中、ワークはパレットに強固に固定された状態を
保ち、またパレットもチャック面上にしっかりと固定さ
れた状態を保ち、したがって、切断面はチッピングはな
くきれいな切断面が得られた。
3)一方、前記加工中、次のロットのワークを前記条件
によりパレットに配し、前記温度のプリクーラーに載せ
て高分子系凝固剤の凝固により固定させておいた。
そして前記加工の完了と同時に凍結式チャック装置の
チャック面の温度を2℃に上昇させ、氷を溶解してパレ
ットの固定を解除した。
この後チヤック面に水を噴霧し、再びプリクーラーに
載せておいたパレットを固定用面に載せ、固定用面を−
3℃に下降させ、この温度を維持させた。これによりパ
レットは固定用面上に固定され、次の加工に移った。
4)この実施例は、次のロットのワークが高分子系凝固
剤により0℃を越える温度でパレットに固定されてお
り、しかも凍結式チャック装置におけるパレット固定と
解除の温度差が5℃程度であるため、加工機械でのワー
クの着脱を10秒といったきわめて短時間にて行うことが
できた。
5)そして、凍結式チャック装置からパレットを取り外
しても、この時には温度が高分子系凝固剤の凝固温度以
下であるため、ワークはパレットと一体になっており、
ハンドリングが容易であった。後処理として、パレット
に固定されたまま20℃の温水を収容した第1水槽に挿入
し、これによりワークを洗浄するとともに高分子系凝固
剤を分離浮上させ、これを10℃の水を収容した第2水槽
に移した。これにより高分子系凝固剤は凍結され円滑に
回収できた。
実施例5 1)本発明によりサマリュームコバルト材をマルチ切断
砥石でスライス加工した。寸法は50(L)×25(W)×
7(t)mmであり、これを50×1.5(W)×7(t)mm
に切断した。加工機械はスライシングマシンを使用し、
工具として電着ダイヤモンド砥石(粒度#280)の10枚
マルチ砥石、工具寸法は外径100mm、厚み0.4mm、砥石ピ
ッチ2mmを使用した。加工条件は、砥石回転数:3000rp
m、工具送り速度20mm/min、加工法工:ダウンカットと
した。
2)凍結式チャック装置としては固定用面が240×50mm
の図1に示すものを使用した。
加工に当たっては、固定用面の温度を20℃程度に保
ち、この状態で図13−Aのように、固定用面に前記実施
例1の液状高分子系凝固剤を塗布して厚さ5mmのカーボ
ンからなる抜き代材を配し、この抜き代材の上にペース
ト状の高分子系凝固剤を約0.1mm塗布し、その上にワー
クを置き、さらに前記ペースト状の高分子系凝固剤をワ
ークの側面と上面に塗布した。
ペースト状の高分子系凝固剤としては、実施例1の低
分子シリコーンオイルに平均粒径が0.01μmの珪藻土を
30wt%添加し、混練したもの(第1タイプ)と、実施例
1の低分子シリコーンオイルに小麦粉を35wt%添加して
混練したもの(第2タイプ)を使用した。
3)この状態で凍結式チャック装置にプラス電流を通電
して固定用面を1℃に降下させ、この状態を保った。こ
れにより第1タイプと第2タイプの各高分子系凝固剤は
凝固し、ワークは高分子系凝固剤で包まれた状態で不動
に固定された。
加工に際しては、約3℃に冷却した研削液を約15/m
inの流量でワークと工具の接触する加工部位に直接噴射
した。
4)この結果、スライス加工中にワークは1.5mmという
薄い厚さで切断されたにもかかわらず、固定用面から一
切剥がれて飛散することがなく、安定した固定状態に保
たれた。
比較のため、第1実施例の液体高分子系凝固剤だけを
使用してワークを固定して加工を行なったところ、ワー
ク数の約5%が加工中に固定用面から剥がれて飛散して
しまった。
このように本実施例で好結果が得られたのは、微粉末
を配合したペースト状の高分子系凝固剤のため、凝固高
分子系凝固剤からなる接着層の強度が高くなったこと、
その凝固高分子系凝固剤からなるボリュームの大きな接
着層が図13−Bと図13−Cのようにスライス加工中ない
し加工されたワークの長手方向両端部を支えつつ固定用
面に設着され、しかも長手方向両端部の接着層がワーク
の上面の凝固高分子系凝固材上層と連結してブリッジを
形成していることによると考えられる。
産業上の利用可能性 本発明の凍結チャック式機械加工法は、形状、材質を
問わずあらゆるワークの機械加工を行なう場合に適用す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23Q 3/08 H01L 21/68 C09J 5/00 H01L 21/304

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定用面と該固定用面を温度制御する手段
    を備えた凍結式チャック装置によりワークを固定して機
    械加工する方法において、シリコーンオイル又はこれを
    主成分とする高分子系凝固剤をすくなくともワークと固
    定用面の間に介在させ、固定用面を冷却することにより
    前記高分子系凝固剤を接着媒体としてワークを固定する
    ことを特徴とする凍結チャック式機械加工法。
  2. 【請求項2】ワークを支持するパレットと、固定用面と
    該固定用面を温度制御する手段を備えた凍結式チャック
    装置とを使用し、ワークをパレットに固定しそのパレッ
    トを凍結用チャック装置に固定してワークを機械加工す
    る方法であって、シリコーンオイル又はこれを主成分と
    する高分子系凝固剤を少なくともワークとパレットの間
    に介在させ、パレットを冷却することにより前記高分子
    系凝固剤を接着媒体としてワークを固定するようにした
    ことを特徴とする凍結チャック式機械加工法。
  3. 【請求項3】高分子系凝固剤が、液状物である請求範囲
    1または2に記載の凍結チャック式機械加工法。
  4. 【請求項4】高分子系凝固剤が、粘度調整剤を混入した
    クリーム状物ないしペースト状物である請求範囲1また
    は2に記載の凍結チャック式機械加工法。
  5. 【請求項5】高分子系凝固剤として、液状物と粘度調整
    剤を混入したクリーム状物ないしペースト状物とを併用
    する請求範囲1または2に記載の凍結チャック式機械加
    工法。
  6. 【請求項6】シリコーンオイルが凝固点が常温に近い低
    分子シリコーンオイルである請求範囲1ないし5のいず
    れかに記載の凍結チャック式機械加工法。
  7. 【請求項7】固定用面と該固定用面を温度制御するため
    の冷却用流体の通路を備えた少なくとも第1と第2の凍
    結式チャック装置を用意する一方、加工機械の近傍と加
    工機械外の位置には冷却用流体を供給する第1と第2の
    循環式冷却装置を配し、次の工程を逐次繰り返すことを
    特徴とする請求範囲1、3ないし6のいずれかに記載の
    凍結チャック式機械加工法。 a.第1の凍結式チャック装置の固定用面上に高分子系凝
    固剤を介してワークを配し、第1の凍結式チャック装置
    を加工機械外位置にある第2の循環式冷却装置と接続し
    て高分子系凝固剤を凝固点以下の温度に冷却することに
    より高分子系凝固剤を接着媒体としてワークを第1の凍
    結式チャック装置に固定する。 b.ワークを固定した前記第1の凍結式チャック装置を第
    2の循環式冷却装置と切離し、加工機械のテーブル上に
    移して機械的に固定するとともに、第1の循環式冷却装
    置と接続して高分子系凝固剤を凝固点以下の温度に維持
    しながら機械加工を行う。 c.前記機械加工を行っている間に、次に加工すべきワー
    クを第2の凍結式チャック装置の固定用面上に高分子系
    凝固剤を介して配置し、該第2の凍結式チャック装置を
    加工機械外位置にある第2の循環式冷却装置と接続して
    高分子系凝固剤を凝固点以下の温度に冷却することによ
    り高分子系凝固剤を接着媒体としてワークを第2の凍結
    式チャック装置に固定しておく。 d.前記機械加工後、第1の凍結式チャック装置を第1の
    循環式冷却装置と切離して加工機械のテーブル上から除
    去する一方、第2の凍結式チャック装置を第2の循環式
    冷却給装置と切離して加工機械のテーブル上に移して機
    械的に固定し、第1の循環式冷却装置と接続することで
    高分子系凝固剤を凝固点以下の温度に維持しながら次の
    機械加工を行う。
  8. 【請求項8】加工機械上に固定用面と該固定用面を温度
    制御する手段を備えた凍結式チャック装置を配し、加工
    機械から外れた位置にはプリクーラーを配し、さらに複
    数枚のパレットを使用し、次の工程を逐次繰り返すこと
    を特徴とする請求範囲2ないし6のいずれかに記載の凍
    結チャック式機械加工法。 a.第1のパレット上に高分子系凝固剤を介してワークを
    配し、前記第1のパレットを高分子系凝固剤の凝固点以
    下の温度に保持した前記プリクーラーに載せ、それによ
    り高分子系凝固剤を接着媒体としてワークを第1のパレ
    ットに固定する。 b.ワークを固定した前記第1のパレットをプリクーラー
    から取外し、凍結式チャック装置の固定用面に載せて固
    定した機械加工を行う。 c.前記機械加工を行っている間に、次に加工すべきワー
    クを高分子系凝固剤を介して第2のパレットに載せ、該
    第2のパレットをプリクーラーに載せて冷却し高分子系
    凝固剤を接着媒体としてワークを固定しておく。 d.前記機械加工後、凍結式チャック装置上の第1のパレ
    ットの固定を解除して移動する一方、第2のパレットを
    プリクーラーから凍結式チャック装置の固定用面に載せ
    て固定する。
  9. 【請求項9】固定用面と該固定用面を温度制御する手段
    と、少なくともワークと固定用面の間に介在され、固定
    用面を冷却することによりワークを固定するシリコーン
    オイル又はこれを主成分とする高分子系凝固剤からなる
    ことを特徴とする凍結チャック式機械加工法用ワーク固
    定装置。
  10. 【請求項10】ワークを支持するパレットと、固定用面
    と該固定用面を温度制御する手段と、少なくともワーク
    とパレットの間に介在され、パレットを冷却することに
    よりワークを固定するシリコーンオイル又はこれを主成
    分とする高分子系凝固剤からなることを特徴とする凍結
    チャック式機械加工法用ワーク固定装置。
  11. 【請求項11】高分子系凝固剤が、液状物又は/及び粘
    度調整剤を混入したクリーム状物ないしペースト状物で
    ある請求範囲9または10に記載の凍結チャック式機械加
    工法用ワーク固定装置。
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CN111266921A (zh) * 2020-02-27 2020-06-12 东莞长盈精密技术有限公司 自动化加工机床及其加工方法

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