JP2004160635A - 機械加工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】凝固剤を用いて固定用面に固定されたワークにクーラントをかけながら機械加工する機械加工法において、大型で高価な冷却装置を不要とする。
【解決手段】ワーク13を固定用面としてのワーク固定台14に固定する凝固剤12として、硝酸カルシウム四水和物、ポリエチレングリコールおよびパラフィンのうちのいずれかからなり且つ常温以上の融点を有するものを用い、凝固剤12を凝固させることでワーク13をワーク固定台14に固定し、クーラント19として常温状態のものを用いる。
【選択図】 図2
【解決手段】ワーク13を固定用面としてのワーク固定台14に固定する凝固剤12として、硝酸カルシウム四水和物、ポリエチレングリコールおよびパラフィンのうちのいずれかからなり且つ常温以上の融点を有するものを用い、凝固剤12を凝固させることでワーク13をワーク固定台14に固定し、クーラント19として常温状態のものを用いる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定用面に固定されたワークにクーラントをかけながら機械加工する機械加工法に関し、特に、磁石式ワーク固定法が使えないステンレス、非鉄金属、セラミックスなどの材料でできたワーク、その場合でも特に薄板や強度が弱くて壊れやすいものを固定して、切削加工等の機械加工を行う場合などに用いて有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来の薄板や壊れやすい形状のワークを機械加工する際のワーク固定法のひとつとして、冷凍チャックがある(例えば、特許文献1参照)。このものは、融点17℃程度のシリコンオイル系凝固剤を用いている。
【0003】
【特許文献1】
特許第2992770号(第6−8頁、第1−2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のシリコンオイルを凝固剤に用いた場合、シリコンオイルは高価であり、また、シリコンオイルは環境負荷物質であって、公害の点で難点があるという問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に鑑み、凝固剤を用いて固定用面に固定されたワークにクーラントをかけながら機械加工する機械加工法において、従来に比べて安価で、環境汚染のない方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加工に使用するクーラント(加工液)の温度が常温である場合と、常温以下である場合とに分けて、凝固剤について鋭意検討を行った結果、抄出されたものである。ここで、常温とはこの種の機械加工が行われる通常の環境温度であり、例えば20〜30℃程度である。
【0007】
請求項1に記載の発明では、固定用面(14)に固定されたワーク(13)にクーラント(19)をかけながら機械加工する方法において、ワークを固定用面に固定する固定材(12)として、硝酸カルシウム四水和物、ポリエチレングリコールおよびパラフィンのうちのいずれかからなり且つ常温以上の融点を有するものを用い、固定材を凝固させることでワークを固定用面に固定し、クーラントとして常温状態のものを用いることを特徴とする。
【0008】
本発明では、固定用面を固定材の融点以上に加熱し、その上に固定材を配置し、固定材を融解状態としたところでワークを配置した後、常温に戻して固定材を凝固させることにより、ワークの固定がなされる。その後は、常温のクーラントを用いて問題なく機械加工が実施可能となる。つまり、本発明では、固定用面やクーラントを冷却する必要がない。
【0009】
また、常温で加工するので、製品のそりや寸法誤差が少ないというメリットがある。また、常温以上の融点を有する硝酸カルシウム四水和物、ポリエチレングリコールおよびパラフィンは、安価且つ公害の心配がなく環境にやさしい固定材として、本発明者らが鋭意検討した結果、見出したものである。
【0010】
したがって、本発明によれば、凝固剤を用いて固定用面に固定されたワークにクーラントをかけながら機械加工する機械加工法において、従来に比べて安価で、環境汚染のない方法を提供することができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明では、固定用面(14)に固定されたワーク(13)にクーラント(19)をかけながら機械加工する方法において、ワークを固定用面に固定する固定材(12)として、ポリエチレングリコールおよびパラフィンのうちのいずれかからなり且つ0℃以上常温以下の融点を有するものを用い、固定用面上にワークおよび液体状態の凝固剤を配置した後、常温状態以下のクーラントを用いて固定材を凝固させることにより、ワークを固定用面に固定することを特徴とする。
【0012】
0℃以上常温以下の融点を有する固定材は常温では液体状態であるので、常温で液体状態の固定材およびワークを固定用面の上に配置した後、実際に機械加工する前に常温以下のクーラントを用いて、固定材を冷却・凝固させることによりワークの固定を実現できる。その後は、常温以下のクーラントを用いて問題なく機械加工が実施可能となる。
【0013】
本発明では、固定材を凝固させるために、クーラントを冷却して常温以下のものにする必要があるが、固定材の凝固温度は常温以下ではあっても0℃以上であるため、クーラントの冷却においてはさほど大がかりな冷却を必要としない。具体的には、投げ込みクーラ等の汎用の冷却装置で事足りる。
【0014】
また、0℃以上常温以下の融点を有するポリエチレングリコールおよびパラフィンは、安価且つ公害の心配がなく環境にやさしい固定材として、上記請求項1の発明と同様、本発明者らが鋭意検討した結果、見出したものである。
【0015】
したがって、本発明によっても、凝固剤を用いて固定用面に固定されたワークにクーラントをかけながら機械加工する機械加工法において、従来に比べて安価で、環境汚染のない方法を提供することができる。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係る機械加工法に用いられる加工装置の全容を概略的に示す図である。また、図2は図1中のワーク固定台14の近傍部を示す拡大図である。
【0018】
図1に示す装置は、大きくは、クーラント19を貯蔵するクーラント貯蔵部A、ワーク13を固定し機械加工するワーク加工部Bからなり、これら両部A、Bの間をクーラント19が循環するようになっているものである。クーラント19の循環は、図示しない循環ポンプ等を用い、クーラント吸い込み口6およびクーラント戻り口7を有するクーラントホース8にて行われる。
【0019】
図1において、投げ込みクーラ本体1は冷却パイプ2を有する汎用のものでクーラント19を冷却するクーラント冷却装置として構成されている。冷却パイプ2はクーラント槽5に投げ込まれ、本体1により冷却パイプ2の温度を制御することで、クーラント槽5内のクーラント19を冷やすことができるようになっている。
【0020】
この投げ込みクーラ本体1には、水温センサ3が設けられている。この水温センサ3はクーラント槽5内のクーラント19の温度をモニタするものであり、水温センサ3と投げ込みクーラ本体1とが連動してクーラント19を設定温度に保持することができるようになっている。
【0021】
クーラント槽は、仕切壁で区画されたクーラント第1沈殿槽4とクーラント第2沈殿槽5とからなる。クーラント第1沈殿槽4は、加工後の削り屑を含んだクーラントがクーラント戻り口7から戻ってきて蓄えられるところであり、当該クーラントを図示しないフィルタなどでろ過したり、削り屑をクーラント第1沈殿槽4の底に沈殿させたりすることでクーラントをきれいにするようにしている。
【0022】
そして、クーラント第1沈殿槽4できれいになったクーラント19の上澄み液が、上記仕切壁を越えてクーラント第2沈殿槽5へ流れ込むようになっている。
そして、この第2沈殿槽5内のクーラント19は、常温のまま、場合によっては上記クーラント冷却装置1、2によって常温以下にされ、クーラント吸い込み口6から吸込まれ、再びワーク加工部Bに回される。
【0023】
このようにクーラント貯蔵部Aは、クーラント冷却装置としての投げ込みクーラ本体1および冷却パイプ2、水温センサ3、両沈殿槽4、5から構成されている。
【0024】
ワーク加工部Bは、加工機本体9を有する。加工機本体9の上には、危険防止用の砥石カバー10を有する回転砥石11が設けられ、固定材としての凝固剤12を介してワーク13が固定用面としてのワーク固定台14に固定されている。
ワーク13は特に限定するものではないが、ステンレス、非鉄金属、セラミックスなどの材料でできた薄板や強度が弱くて壊れやすいものを採用できる。
【0025】
このワーク固定台14は、テーブル15によってワーク加工時に前後左右に動かされるようになっている。
【0026】
ここで、ワーク固定台14に固定されたワーク13には、クーラント19をかけながら回転砥石11による切削加工が施され、クーラント19によって切り屑が除去されるが、ワーク固定台14およびテーブル15の下側には、当該加工中にクーラント19が流れ落ちるクーラント受け16が設けられている。
【0027】
また、クーラント貯蔵部Aからクーラントホース8を通ってワーク加工部Bへ供給されるクーラント19は、クーラントホース8に取り付けられたクーラント散布口17から散布され、ワーク13に振り掛けられるようになっている。このクーラント散布口17からのクーラント19の流出量はクーラント開閉コック18によってコントロールするようにしている。
【0028】
このように、ワーク加工部Bは、加工機本体9、砥石カバー10、回転砥石11、ワーク固定台14、テーブル15、クーラント受け16、クーラント散布口17、クーラント開閉コック18により実質的に構成されている。
【0029】
そして、上述したように、クーラント貯蔵部Aとワーク加工部Bの間をクーラント19が循環するようになっており、貯蔵部Aにてクーラント吸い込み口6から吸い込まれたクーラント19は、クーラントホース8を通ってクーラント散布口17からワーク加工部Bへ散布され、クーラント戻り口7から再び貯蔵部Aに戻るようになっている。
【0030】
ここにおいて、ワーク13を固定用面に固定する固定材としての凝固剤12は、機械加工に用いるクーラント19が常温である場合と常温以下である場合とで異なるものが用いられる。常温とは20〜30℃程度の室温であり例えば25℃である。次に、各場合における本実施形態の機械加工法について述べる。
【0031】
[常温状態のクーラントを用いる場合]
この場合、室温の水を主成分としたクーラント19で機械加工するため、クーラントを冷却する必要が無く、クーラント冷却装置としての投げ込みクーラ本体1および冷却パイプ2、水温センサ3は作動させなくて良い。
【0032】
つまり、この方法では、投げ込みクーラ本体1などの設備費と段取時間を節約できるメリットがある。また、この方法は、冷却装置が全く不要であって簡便なだけでなく、室温で加工するので、製品(ワーク)のそりや寸法誤差が少ないというメリットもある。
【0033】
クーラント19が室温なので凝固剤12は当然室温以上の融点を持つものから選択されるべきである。具体的には、30℃以上好ましくは40℃以上の融点のものを選択できる。また同時にワーク13に付着した凝固剤12を水で洗浄する便利さを考慮すると、その融点は100℃以下が望ましい。
【0034】
凝固剤12が持つべきその他の要件としては、まず第一にワーク13との接着強度が強いこと、金属への腐食性がないこと、公害の心配がなく環境にやさしいこと、そして当然安価なことがあげられる。
【0035】
種々検討した結果、水溶性物質では、多数ある塩水和物のうちで硝酸カルシウム四水和物(融点43℃)、ポリエチレングリコールでは分子量1540のもの(融点46℃)や分子量6000のもの(融点59℃)、さらには分子量400万のもの(融点66℃)などがあることがわかった。ポリエチレングリコールは分子量が大きいほど融点が高くなるので、多数ある市販品の中から用途に応じた融点のものを選択できる利点がある。
【0036】
これらの硝酸カルシウム四水和物とポリエチレングリコールは水溶性であるため、これらを凝固剤12として用いた場合、機械加工終了後、ワーク13に付着した凝固剤12を除去するのに室温の水を使い、水洗することができるので便利である。
【0037】
また、非水溶性の凝固剤12としてはパラフィンが適していることがわかった。この場合も融点が42℃ぐらいから100℃程度まで色々なものが市販品として入手できる。パラフィンの場合は非水溶性なので、クーラント19をかけながら長時間、機械加工を行なってもワーク13の接着強度の低下がないという利点がある。
【0038】
しかし、作業終了後の凝固剤12の除去において、ワーク13に付着したパラフィンを除去するために非水溶性の溶剤や融点以上の熱湯を使わなければならないという点が、水溶性のものに比べて手間を要する。
【0039】
このように、常温状態のクーラントを用いて機械加工する場合、上述した常温以上の融点を有する硝酸カルシウム四水和物、ポリエチレングリコールおよびパラフィンのうちのいずれかを凝固剤12として用い、この凝固剤12の凝固によってワーク13をワーク固定台(固定用面)14に固定する。
【0040】
当然これらの凝固剤12は室温で固体なので、ワーク13の固定は次のように行う。まず、ワーク固定台14にドライヤーの温風を当てる等により固定用面を凝固剤12の融点以上に加熱し、その上に固体状態の凝固剤12を配置して融解状態とし、この状態でワーク13を配置する。
【0041】
その後、室温に戻して凝固剤12を凝固させることによりワーク13が固定される。このとき、室温に戻すために室温のクーラント19をワーク固定台14の周辺に振り掛けても良い。ただし、融解状態の凝固剤12が流れてしまわないように、クーラント19は、ワーク固定台14自身には振りかからないようにし、ワーク固定台14周辺のテーブル15に振り掛けるようにする。
【0042】
その後は、上記図1に示す加工装置において、室温のクーラント19を用いて問題なく機械加工が実施可能となる。つまり、本実施形態において常温状態のクーラント19を用いる場合には、ワーク固定台14やクーラント19を冷却する必要がない。
【0043】
また、ここで凝固剤12として用いる常温以上の融点を有する硝酸カルシウム四水和物、ポリエチレングリコールおよびパラフィンは、安価且つ公害の心配がなく環境にやさしいものである。したがって、この場合、従来に比べて安価で、環境汚染のない方法を提供することができる。また、大型で高価な冷却装置を不要とした機械加工法が実現できる。
【0044】
この常温状態のクーラント19を用いる場合について具体的に凝固剤12による接着強度を調べた例をいくつか挙げておく。図3は、この接着強度の測定方法を示す図である。
【0045】
図3に示すように、凝固剤12の接着強度を調べるために磁石につかないステンレス製のテストピース20を用いた。このテストピース20を凝固剤12を介して加工装置におけるワーク固定台14の上に固定する。このテストピース20の接着部面積は1cm2としてある。
【0046】
接着強度は、引っ張り強さプッシュプルゲージ21をフック22を介してテストピース20に引っかけ、当該ゲージ21を手で握って引っ張り強度を測定することにより、剪断強度として求める。
【0047】
(具体例1)
本例は、室温のクーラントと非水溶性の凝固剤を用いて機械加工する場合である。凝固剤12として融点が69℃のパラフィンを用いた。まず、ワーク固定台14をドライヤーでパラフィンの融点以上の110℃に熱してその上に固体のパラフィンを置き、完全に液体状になるまで放置した。
【0048】
この液体パラフィンの広がりの直径が約20mmになった時、テストピース20をこの液体状の凝固剤12の上に置き、その後、室温のクーラント19をテーブル15に振り掛けて凝固剤12が凝固して固まるのを待った。
【0049】
ワーク固定台14が室温になったことを確認した後、プッシュプルゲージ21でテストピース20が剥がれるまで引っ張り、その接着強度(剪断強度)を測定した。このように測定した3回の接着強度の平均値は22.4kg/cm2であった。
【0050】
さらに10分間、室温の水系クーラント(水溶性研削油剤 JIS A3種1号相当品の50倍希釈液)を接着面に振り掛けた後の接着強度を測定したところ、その3回の平均値は19.4kg/cm2であった。また接着面の凝固剤12が溶けることもなく、外観変化はまったくなかった。なお、本実施形態中では以下すべて、接着強度のデータは3回のテストの平均値であり、クーラント19の振り掛け時間は10分間である。
【0051】
接着強度の比較のために、従来の方法である、氷及び環状ポリジメチルシロキサンの低分子シリコンオイル(融点17℃)を凝固剤12として用いた場合の接着強度のデータを示す。
【0052】
クーラント19を振り掛ける前の接着強度は氷の場合が12.6kg/cm2、シリコンオイルの場合が1.7kg/cm2であった。クーラント19を振り掛けた後のシリコンオイルの強度は3.1kg/cm2であった。以上の結果から本例の固定方法は従来より優れた接着強度を持つことがわかる。
【0053】
(具体例2)
本例は、室温のクーラントと水溶性の凝固剤を用いて機械加工する場合である。凝固剤12としてポリエチレングリコール1540(融点46℃)を用いた。
上記具体例1と同様の方法にて、ポリエチレングリコール1540を融解、凝固させることによりテストピース20をワーク固定台14に固定した。
【0054】
この場合、クーラント19を振り掛ける前の接着強度は4.8kg/cm2であった。そして10分間クーラント19を振り掛けると、接着面周辺の凝固剤12は徐々に溶け始めたものの、クーラント振り掛け後の接着強度は3.1kg/cm2であり、従来品のシリコンオイルと同等の接着強度が確保できている。
【0055】
(具体例3)
本例も、室温のクーラントと水溶性の凝固剤を用いて機械加工する場合である。凝固剤12として硝酸カルシウム四水和物(融点43℃)を用いた。
【0056】
本例の場合も、上記具体例1と同様の方法にて、硝酸カルシウム四水和物を融解、凝固させることによりテストピース20をワーク固定台14に固定できる。
ただし、この塩水和物は過冷却を起こすため、融点以下に冷えても凝固しない。
そのため、接着面周辺に固体の種結晶を添加することにより徐々に凝固させた。
【0057】
そしてその接着強度を測定したところ8.1kg/cm2であった。また、10分間クーラント19を振り掛けると、この場合も接着面周辺の凝固剤12は徐々に溶け始めたものの、クーラント振り掛け後の接着強度は3.1kg/cm2であり、従来のシリコンオイルを用いた場合と同等の接着強度を確保できた。
【0058】
(具体例4)
本例は、室温のクーラントと融点が75℃のパラフィンを凝固剤に用いて、機械加工する場合であるが、テストピース20は、ステンレス製ではなく、フッ素樹脂製のものを採用した。
【0059】
まず、鋼鉄S45Cでできたワーク固定台14をドライヤーで約90℃に加熱した後、ブロック状のパラフィンをワーク固定台14の上に塗りつけた。ワーク固定台14はパラフィンの融点以上の温度になっているので、塗り付けると同時にパラフィンは液体状に融解する。
【0060】
そして、この液体状のパラフィンの上にフッ素樹脂でできたテストピース20を置き、室温空気中に放置して、パラフィンが凝固するのを待った。フッ素樹脂でできたテストピース20がワーク固定台14の上に固定されたことを、確認した後、クーラントを振りかけて接着部を室温にした。
【0061】
この時の接着強度をプッシュプルゲージで測定したところ、3回の平均値は9.7kg/cm2であった。このように最も接着しにくいフッ素樹脂に対しても、本実施形態を適用できることがわかった。
【0062】
(具体例5)
上記具体例4のテストピース20の材質をベークライトに換えて、上記具体例4とまったく同様に、その接着強度を測定したところ、3回の平均値は13.4kg/cm2であった。
【0063】
なお、テストピース20を構成する樹脂材の材質は、具体例4、5に示したフッ素樹脂、ベークライトに限ることなく、ポリプロピレン等、その他の樹脂でも良い。また、フッ素樹脂も含めて特別の前処理や表面処理は不必要である。
【0064】
また、凝固剤としてパラフィンにアルミナ粉末、珪藻土粉末などを適量添加して粘度や、強度を調節したものを用いても良い。ちなみに、従来品のシリコンオイルを凝固剤に用いてフッ素樹脂を固定した時の接着強度は1.1kg/cm2、同じくベークライトを固定した時の接着強度は1.3kg/cm2であり、実用に供し得ないことがわかった。
【0065】
[常温以下のクーラントを用いる場合]
この場合、室温以下のクーラント19で機械加工するため、クーラントを冷却する必要があり、上記加工装置においてクーラント冷却装置としての投げ込みクーラ本体1および冷却パイプ2、水温センサ3を作動させた状態で機械加工を行う。
【0066】
この場合に適した凝固剤12としては、融点が0℃以上室温以下の間にあるポリエチレングリコールとパラフィンがある。具体的には、0℃以上20℃以下の融点のものを選択できる。
【0067】
上述したようにポリエチレン系は水溶性であり、パラフィン系は非水溶性である。そして、これらポリエチレン系、パラフィン系とも分子量が小さくなれば融点は低下するので、凝固剤12に用いるポリエチレングリコール、パラフィンとしては、市販の試薬の中から用途に応じたものを選択できる。
【0068】
例えばポリエチレングリコール400(融点8℃)、炭素数14のn−パラフィン(融点5℃)、炭素数15のn−パラフィン(融点10℃)、炭素数16のn−パラフィン(融点18℃)がある。
【0069】
当然これらの凝固剤は室温で液体である。そして、このとき用いる水系クーラント19の温度は0℃と凝固剤12の融点の中間にあるので、クーラント19の冷却作用により凝固剤12を凝固させることができるとともに、ワーク13ヘのクーラント散布を停止すると凝固剤12は溶ける。そのため、凝固剤12の除去は、クーラント19とともに流すことで容易に行える。
【0070】
なお、以上述べた融点が0℃以上且つ室温以下のポリエチレングリコールおよびパラフィンもすべて安価で、金属への腐食性もなく、且つ公害や人体への悪影響もない環境にやさしい物質である。また、本凝固剤12においては、液体時の粘度を調節して作業性を向上させるために、凝固剤中にアルミナや珪藻土などの粉末を添加しても良い。
【0071】
このように、常温以下のクーラントを用いて機械加工する場合、上述した0℃以上常温以下の融点を有するポリエチレングリコールおよびパラフィンのうちのいずれかを凝固剤12として用い、ワーク固定台(固定用面)14の上にワーク13および液体状態の凝固剤12を配置した後、常温以下のクーラント19を用いて固定材を凝固させることにより、ワーク13を固定する。
【0072】
これらの凝固剤12は室温で液体であるので、ワーク固定台14の上に液体状態の凝固剤12を介してワーク13を配置した後、実際に機械加工する前に常温以下のクーラント19を用いて、凝固剤12を冷却・凝固させる。
【0073】
具体的には、液体状態の凝固剤12が流れてしまわないように、室温以下のクーラント19をワーク固定台14の周辺に振り掛けることで、ワーク固定台14および凝固剤12を凝固剤12の融点以下に冷却する。それによりワークの固定を実現でき、その後は、室温以下のクーラント19を用いて問題なく機械加工が実施できる。
【0074】
この方法では、凝固剤12を凝固させるために、クーラント19を冷却して室温以下のものにする必要があるが、凝固剤12の凝固温度は室温以下ではあっても0℃以上である。そのため、クーラント19の冷却においてはさほど大がかりな冷却を必要とせず、上記加工装置における汎用の投げ込みクーラ1で事足りる。
【0075】
このように、常温以下のクーラントを用いる場合にも、0℃以上常温以下の融点を有するポリエチレングリコールおよびパラフィンのいずれかを凝固剤12として用いることで、従来に比べて安価で、環境汚染のない方法を提供することができる。
【0076】
この常温以下のクーラント19を用いる場合について具体的に凝固剤12による接着強度を調べた例をいくつか挙げておく。接着強度は上記図3に示したものと同様の方法で測定した。
【0077】
(具体例6)
本例は、室温以下のクーラントと非水溶性の凝固剤を用いて機械加工する場合である。凝固剤12として室温で液体状の炭素数16のn−パラフィン(融点18℃)を用いた。
【0078】
まず、投げ込みクーラ本体1を作動させ、クーラント温度を10℃にした。そして、液体の広がりの直径が約20mmになる量のパラフィンをワーク固定台14の上に垂らし、テストピース20をこの液体状の凝固剤12の上に置いた。その後、10℃のクーラント19をテーブル15に振り掛けて凝固剤12が固まるのを待った。
【0079】
ワーク固定台14が10℃になったことを確認した後、プッシュプルゲージ21でテストピース20が剥がれるまで引っ張り、その接着強度(剪断強度)を測定した。このときの接着強度は2.4kg/cm2であった。
【0080】
さらに、10分間、10℃のクーラント19を接着面に振り掛けた後の接着強度を測定したところ、その値は4.4kg/cm2であった。また接着面の凝固剤12が溶けることもなく、外観変化はまったくなかった。このように、パラフィンの場合はクーラント振り掛け前後の接着強度の差はほとんどなく、従来品のシリコンオイルと同等以上の接着強度が確保できている。
【0081】
なお、作業終了後、このパラフィンをワーク13から除去するためには室温の水で洗浄すれば良い。そして、その水を10℃に冷却すれば、固体状パラフィンだけが水面上に浮いているので、それをすくい取って処分すれば環境汚染の心配もない。また環境にやさしい同じパラフィン系の専用洗浄剤があるので、それでワーク12に付着している凝固剤を除去することもできる。
【0082】
(具体例7)
本例は、室温以下のクーラントと水溶性の凝固剤を用いて機械加工する場合である。凝固剤12としてポリエチレングリコール400(融点8℃)を用いた。
その他の方法は上記具体例6と同じである。ただし、クーラント19の温度は4℃に設定した。
【0083】
この場合、クーラント19を振り掛ける前の接着強度は5.2kg/cm2であった。そして10分間クーラント19を振り掛けると、接着面周辺の凝固剤12は徐々に溶け始めたものの、クーラント振り掛け後の接着強度は3.4kg/cm2であり、従来レベルと同等以上の接着強度を確保できている。なお、この凝固剤を作業終了後、ワーク13から除去するためには単に水洗するだけで十分である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る機械加工法に用いられる加工装置を示す概略構成図である。
【図2】図1中のワーク固定台の近傍部を示す拡大図である。
【図3】凝固剤による接着強度の測定方法を示す図である。
【符号の説明】
12…凝固剤、13…ワーク、14…ワーク固定台、19…クーラント。
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定用面に固定されたワークにクーラントをかけながら機械加工する機械加工法に関し、特に、磁石式ワーク固定法が使えないステンレス、非鉄金属、セラミックスなどの材料でできたワーク、その場合でも特に薄板や強度が弱くて壊れやすいものを固定して、切削加工等の機械加工を行う場合などに用いて有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来の薄板や壊れやすい形状のワークを機械加工する際のワーク固定法のひとつとして、冷凍チャックがある(例えば、特許文献1参照)。このものは、融点17℃程度のシリコンオイル系凝固剤を用いている。
【0003】
【特許文献1】
特許第2992770号(第6−8頁、第1−2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のシリコンオイルを凝固剤に用いた場合、シリコンオイルは高価であり、また、シリコンオイルは環境負荷物質であって、公害の点で難点があるという問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に鑑み、凝固剤を用いて固定用面に固定されたワークにクーラントをかけながら機械加工する機械加工法において、従来に比べて安価で、環境汚染のない方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加工に使用するクーラント(加工液)の温度が常温である場合と、常温以下である場合とに分けて、凝固剤について鋭意検討を行った結果、抄出されたものである。ここで、常温とはこの種の機械加工が行われる通常の環境温度であり、例えば20〜30℃程度である。
【0007】
請求項1に記載の発明では、固定用面(14)に固定されたワーク(13)にクーラント(19)をかけながら機械加工する方法において、ワークを固定用面に固定する固定材(12)として、硝酸カルシウム四水和物、ポリエチレングリコールおよびパラフィンのうちのいずれかからなり且つ常温以上の融点を有するものを用い、固定材を凝固させることでワークを固定用面に固定し、クーラントとして常温状態のものを用いることを特徴とする。
【0008】
本発明では、固定用面を固定材の融点以上に加熱し、その上に固定材を配置し、固定材を融解状態としたところでワークを配置した後、常温に戻して固定材を凝固させることにより、ワークの固定がなされる。その後は、常温のクーラントを用いて問題なく機械加工が実施可能となる。つまり、本発明では、固定用面やクーラントを冷却する必要がない。
【0009】
また、常温で加工するので、製品のそりや寸法誤差が少ないというメリットがある。また、常温以上の融点を有する硝酸カルシウム四水和物、ポリエチレングリコールおよびパラフィンは、安価且つ公害の心配がなく環境にやさしい固定材として、本発明者らが鋭意検討した結果、見出したものである。
【0010】
したがって、本発明によれば、凝固剤を用いて固定用面に固定されたワークにクーラントをかけながら機械加工する機械加工法において、従来に比べて安価で、環境汚染のない方法を提供することができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明では、固定用面(14)に固定されたワーク(13)にクーラント(19)をかけながら機械加工する方法において、ワークを固定用面に固定する固定材(12)として、ポリエチレングリコールおよびパラフィンのうちのいずれかからなり且つ0℃以上常温以下の融点を有するものを用い、固定用面上にワークおよび液体状態の凝固剤を配置した後、常温状態以下のクーラントを用いて固定材を凝固させることにより、ワークを固定用面に固定することを特徴とする。
【0012】
0℃以上常温以下の融点を有する固定材は常温では液体状態であるので、常温で液体状態の固定材およびワークを固定用面の上に配置した後、実際に機械加工する前に常温以下のクーラントを用いて、固定材を冷却・凝固させることによりワークの固定を実現できる。その後は、常温以下のクーラントを用いて問題なく機械加工が実施可能となる。
【0013】
本発明では、固定材を凝固させるために、クーラントを冷却して常温以下のものにする必要があるが、固定材の凝固温度は常温以下ではあっても0℃以上であるため、クーラントの冷却においてはさほど大がかりな冷却を必要としない。具体的には、投げ込みクーラ等の汎用の冷却装置で事足りる。
【0014】
また、0℃以上常温以下の融点を有するポリエチレングリコールおよびパラフィンは、安価且つ公害の心配がなく環境にやさしい固定材として、上記請求項1の発明と同様、本発明者らが鋭意検討した結果、見出したものである。
【0015】
したがって、本発明によっても、凝固剤を用いて固定用面に固定されたワークにクーラントをかけながら機械加工する機械加工法において、従来に比べて安価で、環境汚染のない方法を提供することができる。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係る機械加工法に用いられる加工装置の全容を概略的に示す図である。また、図2は図1中のワーク固定台14の近傍部を示す拡大図である。
【0018】
図1に示す装置は、大きくは、クーラント19を貯蔵するクーラント貯蔵部A、ワーク13を固定し機械加工するワーク加工部Bからなり、これら両部A、Bの間をクーラント19が循環するようになっているものである。クーラント19の循環は、図示しない循環ポンプ等を用い、クーラント吸い込み口6およびクーラント戻り口7を有するクーラントホース8にて行われる。
【0019】
図1において、投げ込みクーラ本体1は冷却パイプ2を有する汎用のものでクーラント19を冷却するクーラント冷却装置として構成されている。冷却パイプ2はクーラント槽5に投げ込まれ、本体1により冷却パイプ2の温度を制御することで、クーラント槽5内のクーラント19を冷やすことができるようになっている。
【0020】
この投げ込みクーラ本体1には、水温センサ3が設けられている。この水温センサ3はクーラント槽5内のクーラント19の温度をモニタするものであり、水温センサ3と投げ込みクーラ本体1とが連動してクーラント19を設定温度に保持することができるようになっている。
【0021】
クーラント槽は、仕切壁で区画されたクーラント第1沈殿槽4とクーラント第2沈殿槽5とからなる。クーラント第1沈殿槽4は、加工後の削り屑を含んだクーラントがクーラント戻り口7から戻ってきて蓄えられるところであり、当該クーラントを図示しないフィルタなどでろ過したり、削り屑をクーラント第1沈殿槽4の底に沈殿させたりすることでクーラントをきれいにするようにしている。
【0022】
そして、クーラント第1沈殿槽4できれいになったクーラント19の上澄み液が、上記仕切壁を越えてクーラント第2沈殿槽5へ流れ込むようになっている。
そして、この第2沈殿槽5内のクーラント19は、常温のまま、場合によっては上記クーラント冷却装置1、2によって常温以下にされ、クーラント吸い込み口6から吸込まれ、再びワーク加工部Bに回される。
【0023】
このようにクーラント貯蔵部Aは、クーラント冷却装置としての投げ込みクーラ本体1および冷却パイプ2、水温センサ3、両沈殿槽4、5から構成されている。
【0024】
ワーク加工部Bは、加工機本体9を有する。加工機本体9の上には、危険防止用の砥石カバー10を有する回転砥石11が設けられ、固定材としての凝固剤12を介してワーク13が固定用面としてのワーク固定台14に固定されている。
ワーク13は特に限定するものではないが、ステンレス、非鉄金属、セラミックスなどの材料でできた薄板や強度が弱くて壊れやすいものを採用できる。
【0025】
このワーク固定台14は、テーブル15によってワーク加工時に前後左右に動かされるようになっている。
【0026】
ここで、ワーク固定台14に固定されたワーク13には、クーラント19をかけながら回転砥石11による切削加工が施され、クーラント19によって切り屑が除去されるが、ワーク固定台14およびテーブル15の下側には、当該加工中にクーラント19が流れ落ちるクーラント受け16が設けられている。
【0027】
また、クーラント貯蔵部Aからクーラントホース8を通ってワーク加工部Bへ供給されるクーラント19は、クーラントホース8に取り付けられたクーラント散布口17から散布され、ワーク13に振り掛けられるようになっている。このクーラント散布口17からのクーラント19の流出量はクーラント開閉コック18によってコントロールするようにしている。
【0028】
このように、ワーク加工部Bは、加工機本体9、砥石カバー10、回転砥石11、ワーク固定台14、テーブル15、クーラント受け16、クーラント散布口17、クーラント開閉コック18により実質的に構成されている。
【0029】
そして、上述したように、クーラント貯蔵部Aとワーク加工部Bの間をクーラント19が循環するようになっており、貯蔵部Aにてクーラント吸い込み口6から吸い込まれたクーラント19は、クーラントホース8を通ってクーラント散布口17からワーク加工部Bへ散布され、クーラント戻り口7から再び貯蔵部Aに戻るようになっている。
【0030】
ここにおいて、ワーク13を固定用面に固定する固定材としての凝固剤12は、機械加工に用いるクーラント19が常温である場合と常温以下である場合とで異なるものが用いられる。常温とは20〜30℃程度の室温であり例えば25℃である。次に、各場合における本実施形態の機械加工法について述べる。
【0031】
[常温状態のクーラントを用いる場合]
この場合、室温の水を主成分としたクーラント19で機械加工するため、クーラントを冷却する必要が無く、クーラント冷却装置としての投げ込みクーラ本体1および冷却パイプ2、水温センサ3は作動させなくて良い。
【0032】
つまり、この方法では、投げ込みクーラ本体1などの設備費と段取時間を節約できるメリットがある。また、この方法は、冷却装置が全く不要であって簡便なだけでなく、室温で加工するので、製品(ワーク)のそりや寸法誤差が少ないというメリットもある。
【0033】
クーラント19が室温なので凝固剤12は当然室温以上の融点を持つものから選択されるべきである。具体的には、30℃以上好ましくは40℃以上の融点のものを選択できる。また同時にワーク13に付着した凝固剤12を水で洗浄する便利さを考慮すると、その融点は100℃以下が望ましい。
【0034】
凝固剤12が持つべきその他の要件としては、まず第一にワーク13との接着強度が強いこと、金属への腐食性がないこと、公害の心配がなく環境にやさしいこと、そして当然安価なことがあげられる。
【0035】
種々検討した結果、水溶性物質では、多数ある塩水和物のうちで硝酸カルシウム四水和物(融点43℃)、ポリエチレングリコールでは分子量1540のもの(融点46℃)や分子量6000のもの(融点59℃)、さらには分子量400万のもの(融点66℃)などがあることがわかった。ポリエチレングリコールは分子量が大きいほど融点が高くなるので、多数ある市販品の中から用途に応じた融点のものを選択できる利点がある。
【0036】
これらの硝酸カルシウム四水和物とポリエチレングリコールは水溶性であるため、これらを凝固剤12として用いた場合、機械加工終了後、ワーク13に付着した凝固剤12を除去するのに室温の水を使い、水洗することができるので便利である。
【0037】
また、非水溶性の凝固剤12としてはパラフィンが適していることがわかった。この場合も融点が42℃ぐらいから100℃程度まで色々なものが市販品として入手できる。パラフィンの場合は非水溶性なので、クーラント19をかけながら長時間、機械加工を行なってもワーク13の接着強度の低下がないという利点がある。
【0038】
しかし、作業終了後の凝固剤12の除去において、ワーク13に付着したパラフィンを除去するために非水溶性の溶剤や融点以上の熱湯を使わなければならないという点が、水溶性のものに比べて手間を要する。
【0039】
このように、常温状態のクーラントを用いて機械加工する場合、上述した常温以上の融点を有する硝酸カルシウム四水和物、ポリエチレングリコールおよびパラフィンのうちのいずれかを凝固剤12として用い、この凝固剤12の凝固によってワーク13をワーク固定台(固定用面)14に固定する。
【0040】
当然これらの凝固剤12は室温で固体なので、ワーク13の固定は次のように行う。まず、ワーク固定台14にドライヤーの温風を当てる等により固定用面を凝固剤12の融点以上に加熱し、その上に固体状態の凝固剤12を配置して融解状態とし、この状態でワーク13を配置する。
【0041】
その後、室温に戻して凝固剤12を凝固させることによりワーク13が固定される。このとき、室温に戻すために室温のクーラント19をワーク固定台14の周辺に振り掛けても良い。ただし、融解状態の凝固剤12が流れてしまわないように、クーラント19は、ワーク固定台14自身には振りかからないようにし、ワーク固定台14周辺のテーブル15に振り掛けるようにする。
【0042】
その後は、上記図1に示す加工装置において、室温のクーラント19を用いて問題なく機械加工が実施可能となる。つまり、本実施形態において常温状態のクーラント19を用いる場合には、ワーク固定台14やクーラント19を冷却する必要がない。
【0043】
また、ここで凝固剤12として用いる常温以上の融点を有する硝酸カルシウム四水和物、ポリエチレングリコールおよびパラフィンは、安価且つ公害の心配がなく環境にやさしいものである。したがって、この場合、従来に比べて安価で、環境汚染のない方法を提供することができる。また、大型で高価な冷却装置を不要とした機械加工法が実現できる。
【0044】
この常温状態のクーラント19を用いる場合について具体的に凝固剤12による接着強度を調べた例をいくつか挙げておく。図3は、この接着強度の測定方法を示す図である。
【0045】
図3に示すように、凝固剤12の接着強度を調べるために磁石につかないステンレス製のテストピース20を用いた。このテストピース20を凝固剤12を介して加工装置におけるワーク固定台14の上に固定する。このテストピース20の接着部面積は1cm2としてある。
【0046】
接着強度は、引っ張り強さプッシュプルゲージ21をフック22を介してテストピース20に引っかけ、当該ゲージ21を手で握って引っ張り強度を測定することにより、剪断強度として求める。
【0047】
(具体例1)
本例は、室温のクーラントと非水溶性の凝固剤を用いて機械加工する場合である。凝固剤12として融点が69℃のパラフィンを用いた。まず、ワーク固定台14をドライヤーでパラフィンの融点以上の110℃に熱してその上に固体のパラフィンを置き、完全に液体状になるまで放置した。
【0048】
この液体パラフィンの広がりの直径が約20mmになった時、テストピース20をこの液体状の凝固剤12の上に置き、その後、室温のクーラント19をテーブル15に振り掛けて凝固剤12が凝固して固まるのを待った。
【0049】
ワーク固定台14が室温になったことを確認した後、プッシュプルゲージ21でテストピース20が剥がれるまで引っ張り、その接着強度(剪断強度)を測定した。このように測定した3回の接着強度の平均値は22.4kg/cm2であった。
【0050】
さらに10分間、室温の水系クーラント(水溶性研削油剤 JIS A3種1号相当品の50倍希釈液)を接着面に振り掛けた後の接着強度を測定したところ、その3回の平均値は19.4kg/cm2であった。また接着面の凝固剤12が溶けることもなく、外観変化はまったくなかった。なお、本実施形態中では以下すべて、接着強度のデータは3回のテストの平均値であり、クーラント19の振り掛け時間は10分間である。
【0051】
接着強度の比較のために、従来の方法である、氷及び環状ポリジメチルシロキサンの低分子シリコンオイル(融点17℃)を凝固剤12として用いた場合の接着強度のデータを示す。
【0052】
クーラント19を振り掛ける前の接着強度は氷の場合が12.6kg/cm2、シリコンオイルの場合が1.7kg/cm2であった。クーラント19を振り掛けた後のシリコンオイルの強度は3.1kg/cm2であった。以上の結果から本例の固定方法は従来より優れた接着強度を持つことがわかる。
【0053】
(具体例2)
本例は、室温のクーラントと水溶性の凝固剤を用いて機械加工する場合である。凝固剤12としてポリエチレングリコール1540(融点46℃)を用いた。
上記具体例1と同様の方法にて、ポリエチレングリコール1540を融解、凝固させることによりテストピース20をワーク固定台14に固定した。
【0054】
この場合、クーラント19を振り掛ける前の接着強度は4.8kg/cm2であった。そして10分間クーラント19を振り掛けると、接着面周辺の凝固剤12は徐々に溶け始めたものの、クーラント振り掛け後の接着強度は3.1kg/cm2であり、従来品のシリコンオイルと同等の接着強度が確保できている。
【0055】
(具体例3)
本例も、室温のクーラントと水溶性の凝固剤を用いて機械加工する場合である。凝固剤12として硝酸カルシウム四水和物(融点43℃)を用いた。
【0056】
本例の場合も、上記具体例1と同様の方法にて、硝酸カルシウム四水和物を融解、凝固させることによりテストピース20をワーク固定台14に固定できる。
ただし、この塩水和物は過冷却を起こすため、融点以下に冷えても凝固しない。
そのため、接着面周辺に固体の種結晶を添加することにより徐々に凝固させた。
【0057】
そしてその接着強度を測定したところ8.1kg/cm2であった。また、10分間クーラント19を振り掛けると、この場合も接着面周辺の凝固剤12は徐々に溶け始めたものの、クーラント振り掛け後の接着強度は3.1kg/cm2であり、従来のシリコンオイルを用いた場合と同等の接着強度を確保できた。
【0058】
(具体例4)
本例は、室温のクーラントと融点が75℃のパラフィンを凝固剤に用いて、機械加工する場合であるが、テストピース20は、ステンレス製ではなく、フッ素樹脂製のものを採用した。
【0059】
まず、鋼鉄S45Cでできたワーク固定台14をドライヤーで約90℃に加熱した後、ブロック状のパラフィンをワーク固定台14の上に塗りつけた。ワーク固定台14はパラフィンの融点以上の温度になっているので、塗り付けると同時にパラフィンは液体状に融解する。
【0060】
そして、この液体状のパラフィンの上にフッ素樹脂でできたテストピース20を置き、室温空気中に放置して、パラフィンが凝固するのを待った。フッ素樹脂でできたテストピース20がワーク固定台14の上に固定されたことを、確認した後、クーラントを振りかけて接着部を室温にした。
【0061】
この時の接着強度をプッシュプルゲージで測定したところ、3回の平均値は9.7kg/cm2であった。このように最も接着しにくいフッ素樹脂に対しても、本実施形態を適用できることがわかった。
【0062】
(具体例5)
上記具体例4のテストピース20の材質をベークライトに換えて、上記具体例4とまったく同様に、その接着強度を測定したところ、3回の平均値は13.4kg/cm2であった。
【0063】
なお、テストピース20を構成する樹脂材の材質は、具体例4、5に示したフッ素樹脂、ベークライトに限ることなく、ポリプロピレン等、その他の樹脂でも良い。また、フッ素樹脂も含めて特別の前処理や表面処理は不必要である。
【0064】
また、凝固剤としてパラフィンにアルミナ粉末、珪藻土粉末などを適量添加して粘度や、強度を調節したものを用いても良い。ちなみに、従来品のシリコンオイルを凝固剤に用いてフッ素樹脂を固定した時の接着強度は1.1kg/cm2、同じくベークライトを固定した時の接着強度は1.3kg/cm2であり、実用に供し得ないことがわかった。
【0065】
[常温以下のクーラントを用いる場合]
この場合、室温以下のクーラント19で機械加工するため、クーラントを冷却する必要があり、上記加工装置においてクーラント冷却装置としての投げ込みクーラ本体1および冷却パイプ2、水温センサ3を作動させた状態で機械加工を行う。
【0066】
この場合に適した凝固剤12としては、融点が0℃以上室温以下の間にあるポリエチレングリコールとパラフィンがある。具体的には、0℃以上20℃以下の融点のものを選択できる。
【0067】
上述したようにポリエチレン系は水溶性であり、パラフィン系は非水溶性である。そして、これらポリエチレン系、パラフィン系とも分子量が小さくなれば融点は低下するので、凝固剤12に用いるポリエチレングリコール、パラフィンとしては、市販の試薬の中から用途に応じたものを選択できる。
【0068】
例えばポリエチレングリコール400(融点8℃)、炭素数14のn−パラフィン(融点5℃)、炭素数15のn−パラフィン(融点10℃)、炭素数16のn−パラフィン(融点18℃)がある。
【0069】
当然これらの凝固剤は室温で液体である。そして、このとき用いる水系クーラント19の温度は0℃と凝固剤12の融点の中間にあるので、クーラント19の冷却作用により凝固剤12を凝固させることができるとともに、ワーク13ヘのクーラント散布を停止すると凝固剤12は溶ける。そのため、凝固剤12の除去は、クーラント19とともに流すことで容易に行える。
【0070】
なお、以上述べた融点が0℃以上且つ室温以下のポリエチレングリコールおよびパラフィンもすべて安価で、金属への腐食性もなく、且つ公害や人体への悪影響もない環境にやさしい物質である。また、本凝固剤12においては、液体時の粘度を調節して作業性を向上させるために、凝固剤中にアルミナや珪藻土などの粉末を添加しても良い。
【0071】
このように、常温以下のクーラントを用いて機械加工する場合、上述した0℃以上常温以下の融点を有するポリエチレングリコールおよびパラフィンのうちのいずれかを凝固剤12として用い、ワーク固定台(固定用面)14の上にワーク13および液体状態の凝固剤12を配置した後、常温以下のクーラント19を用いて固定材を凝固させることにより、ワーク13を固定する。
【0072】
これらの凝固剤12は室温で液体であるので、ワーク固定台14の上に液体状態の凝固剤12を介してワーク13を配置した後、実際に機械加工する前に常温以下のクーラント19を用いて、凝固剤12を冷却・凝固させる。
【0073】
具体的には、液体状態の凝固剤12が流れてしまわないように、室温以下のクーラント19をワーク固定台14の周辺に振り掛けることで、ワーク固定台14および凝固剤12を凝固剤12の融点以下に冷却する。それによりワークの固定を実現でき、その後は、室温以下のクーラント19を用いて問題なく機械加工が実施できる。
【0074】
この方法では、凝固剤12を凝固させるために、クーラント19を冷却して室温以下のものにする必要があるが、凝固剤12の凝固温度は室温以下ではあっても0℃以上である。そのため、クーラント19の冷却においてはさほど大がかりな冷却を必要とせず、上記加工装置における汎用の投げ込みクーラ1で事足りる。
【0075】
このように、常温以下のクーラントを用いる場合にも、0℃以上常温以下の融点を有するポリエチレングリコールおよびパラフィンのいずれかを凝固剤12として用いることで、従来に比べて安価で、環境汚染のない方法を提供することができる。
【0076】
この常温以下のクーラント19を用いる場合について具体的に凝固剤12による接着強度を調べた例をいくつか挙げておく。接着強度は上記図3に示したものと同様の方法で測定した。
【0077】
(具体例6)
本例は、室温以下のクーラントと非水溶性の凝固剤を用いて機械加工する場合である。凝固剤12として室温で液体状の炭素数16のn−パラフィン(融点18℃)を用いた。
【0078】
まず、投げ込みクーラ本体1を作動させ、クーラント温度を10℃にした。そして、液体の広がりの直径が約20mmになる量のパラフィンをワーク固定台14の上に垂らし、テストピース20をこの液体状の凝固剤12の上に置いた。その後、10℃のクーラント19をテーブル15に振り掛けて凝固剤12が固まるのを待った。
【0079】
ワーク固定台14が10℃になったことを確認した後、プッシュプルゲージ21でテストピース20が剥がれるまで引っ張り、その接着強度(剪断強度)を測定した。このときの接着強度は2.4kg/cm2であった。
【0080】
さらに、10分間、10℃のクーラント19を接着面に振り掛けた後の接着強度を測定したところ、その値は4.4kg/cm2であった。また接着面の凝固剤12が溶けることもなく、外観変化はまったくなかった。このように、パラフィンの場合はクーラント振り掛け前後の接着強度の差はほとんどなく、従来品のシリコンオイルと同等以上の接着強度が確保できている。
【0081】
なお、作業終了後、このパラフィンをワーク13から除去するためには室温の水で洗浄すれば良い。そして、その水を10℃に冷却すれば、固体状パラフィンだけが水面上に浮いているので、それをすくい取って処分すれば環境汚染の心配もない。また環境にやさしい同じパラフィン系の専用洗浄剤があるので、それでワーク12に付着している凝固剤を除去することもできる。
【0082】
(具体例7)
本例は、室温以下のクーラントと水溶性の凝固剤を用いて機械加工する場合である。凝固剤12としてポリエチレングリコール400(融点8℃)を用いた。
その他の方法は上記具体例6と同じである。ただし、クーラント19の温度は4℃に設定した。
【0083】
この場合、クーラント19を振り掛ける前の接着強度は5.2kg/cm2であった。そして10分間クーラント19を振り掛けると、接着面周辺の凝固剤12は徐々に溶け始めたものの、クーラント振り掛け後の接着強度は3.4kg/cm2であり、従来レベルと同等以上の接着強度を確保できている。なお、この凝固剤を作業終了後、ワーク13から除去するためには単に水洗するだけで十分である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る機械加工法に用いられる加工装置を示す概略構成図である。
【図2】図1中のワーク固定台の近傍部を示す拡大図である。
【図3】凝固剤による接着強度の測定方法を示す図である。
【符号の説明】
12…凝固剤、13…ワーク、14…ワーク固定台、19…クーラント。
Claims (2)
- 固定用面(14)に固定されたワーク(13)にクーラント(19)をかけながら機械加工する方法において、
前記ワークを前記固定用面に固定する固定材(12)として、硝酸カルシウム四水和物、ポリエチレングリコールおよびパラフィンのうちのいずれかからなり且つ常温以上の融点を有するものを用い、
前記固定材を凝固させることで前記ワークを前記固定用面に固定し、
前記クーラントとして常温状態のものを用いることを特徴とする機械加工法。 - 固定用面(14)に固定されたワーク(13)にクーラント(19)をかけながら機械加工する方法において、
前記ワークを前記固定用面に固定する固定材(12)として、ポリエチレングリコールおよびパラフィンのうちのいずれかからなり且つ0℃以上常温以下の融点を有するものを用い、
前記固定用面上に前記ワークおよび液体状態の前記凝固剤を配置した後、常温状態以下の前記クーラントを用いて前記固定材を凝固させることにより、前記ワークを前記固定用面に固定することを特徴とする機械加工法。
Priority Applications (2)
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