JPH09168958A - 中空多孔体の切断加工方法 - Google Patents

中空多孔体の切断加工方法

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JPH09168958A
JPH09168958A JP34886995A JP34886995A JPH09168958A JP H09168958 A JPH09168958 A JP H09168958A JP 34886995 A JP34886995 A JP 34886995A JP 34886995 A JP34886995 A JP 34886995A JP H09168958 A JPH09168958 A JP H09168958A
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cutting
porous body
hollow porous
blade
abrasive grains
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JP34886995A
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English (en)
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Kazutaka Okura
和孝 大庫
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中空柱状のセルの集合体である中空多孔体か
らなる被加工材を、精度よく、かつ切断時の歩留りよ
く、高能率に切断する中空多孔体の切断加工方法を提供
する。 【構成】 中空柱状のセルの集合体である中空多孔体か
らなる被加工材を切断する方法であって、該中空多孔体
被加工材の加工部の空洞部に、硬質発泡プラスチック材
または低温で溶融可能な固形材料を充填し、次いで、中
空多孔体の加工部に比べて硬く,大きさが0.1 〜0.5 μ
mで、ダイヤモンド砥粒,アルミナ砥粒,炭化珪素砥
粒,CBN砥粒の少なくとも一種以上からなる砥粒を固
着した刃部を有する切断手段により切断してなることを
特徴とする中空多孔体の切断加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の属する技術分野】本発明は、中空柱状のセル
の集合体である中空多孔体からなる被加工材を切断する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハニカムコアなどの中空多孔体は、軽合
金、繊維強化複合材、ステンレス鋼、段ボール紙または
塩化ビニールなどからなる薄い箔状の基材によりセル壁
が形成された中空柱状のセルを集合体としたものであ
る。この中空多孔体の切断加工は、従来より被加工材を
作業台等に取り付け、その加工対象部分をカッターにて
切断する方法により行われていた。しかしながら、この
従来法では、切断面精度が極めて悪いという問題を有し
ていた。
【0003】そこで、これら問題を解決するため、中空
柱状のセルの平面的集合体であるハニカムコアに対して
その切削加工対象部分の各セル内に硬質発泡プラスチッ
ク材を充填し(切削準備工程)、次いで、該ハニカムコ
アの切削加工対象部分を充填された該硬質発泡プラスチ
ックとともにフラットエンドミルよりなるカッターを用
いて所定のごとく切削し(切削加工工程)、次いで、充
填されかつ切削後も残存していた該硬質発泡プラスチッ
ク材を該ハニカムコアから除去する(除去工程)「ハニ
カムコアの切削加工方法」(特開平3−251329号公報)
が提案されている。この方法により、予め切削加工対象
部分の各セル内に硬質発泡プラスチック材を充填してか
ら切削加工を行うことにより、ハニカムコアの切削面の
セル壁において倒れ,バリ,潰れ,その他の不良変形は
発生せず、切削面がシャープに仕上がり、加工性が向上
し、スムーズで高精度な切削加工が実現できる、として
いる。
【0004】また、他の方法として、中空柱状のセルの
平面的集合体であるハニカムコアに対し、その切断加工
対象部位の各セル内に低温で溶融可能な固形充填材、す
なわちポリエチレングリコール,ろう,氷などを充填し
(切断準備工程)、次いで、該ハニカムコアの切断加工
対象部位を充填された該固形充填材とともに,相対移動
するノズルから研磨材が混入された高圧流体よりなるカ
ッターを用いて所定のごとく切断し(切断加工工程)、
次いで、充填されかつ切断後も残存していた該固形充填
材をハニカムコアから除去する「研磨材混入高圧流体噴
流によるハニカムコアの切断方法」( 特開平4-57675号
公報)が提案されている。また同様に、低温で溶融可能
な固形充填材に氷を、研磨材にガーネットを、高圧流体
としてウォータジェットを採用した「筒状部材の切断方
法」(特開平5−285899)が提案されている。これによ
り、予め切断加工対象部位の各セル内に固形充填材を充
填してから切断加工を行なうことより、ハニカムコアの
切断面のセル壁において倒れ、バリ、潰れ、その他の不
良変形は発生せず、切断面が精度良く仕上がり、加工性
が向上した切断加工が実現できるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−251329号公報に記載のハニカムコアの切削加工方法
は、カッターにフラットエンドミルを採用しているた
め、切粉として排出される切削部位の体積が増大して、
前もって大きな取り代量を設計時に準備しなければなら
ず、歩留まりの悪い低能率な加工方法であるという問題
を有している。
【0006】一方、特開平4-57675号公報および特開平
5−285899号公報に記載された方法では、ノズルから研
磨材およびガーネットが混入された高圧流体よりなるカ
ッターを採用しているため、切断後の該ハニカムコア内
に研磨材およびガーネットが残留して、切断後のハニカ
ムコアの使用目的に影響をおよぼす場合があり、その除
去に多大な努力を必要とするという問題を有している。
【0007】そこで、本発明者らは、上述の如き従来技
術の問題点を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験
を重ねた結果、本発明を成すに至ったものである。
【0008】(発明の目的)本発明の目的は、中空柱状
のセルの集合体である中空多孔体からなる被加工材を、
精度よく、かつ切断時の歩留りよく、高能率に切断する
方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の中空多孔体の切
断加工方法は、中空柱状のセルの集合体である中空多孔
体からなる被加工材を切断する方法であって、該中空多
孔体被加工材の加工部の空洞部に、硬質発泡プラスチッ
ク材または低温で溶融可能な固形材料を充填し、次い
で、中空多孔体の加工部に比べて硬い砥粒を固着した刃
部を有する切断手段により切断してなることを特徴とす
る。
【0010】
【作用】本発明の中空多孔体の切断加工方法は、中空柱
状のセルの集合体である中空多孔体からなる被加工材を
切断する方法であって、先ず、該中空多孔体の加工部の
空洞部に、硬質発泡プラスチック材または低温で溶融可
能な固形材料を充填する。これにより、該中空多孔体の
加工部の空洞部に充填材が挿入されることにより、切断
時にセル壁において倒れ、バリ、潰れ、その他の不良変
形が発生せず、切断面がシャープに仕上がる。次いで、
該被加工材を、CBN、アルミナ、ダイヤモンド、炭化
珪素などの中空多孔体の加工部に比べて硬い砥粒を固着
した刃部を有する切断手段により切断する。これによ
り、切断時に中空多孔体の加工部と該切断手段の砥粒と
の間に親和性が発生せず、さらに高精度な切断面を得る
ことができる。
【0011】
【発明の効果】本発明のハニカムコアの切断加工方法に
より、中空柱状のセルの集合体である中空多孔体からな
る被加工材を、精度よく、かつ切断時の歩留りよく、高
能率に切断することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、前記発明をさらに具体的
にした発明やこれら発明の実施の形態について説明す
る。
【0013】(被加工材)本発明の切断加工の対象であ
る被加工材は、中空柱状のセルの集合体からなる中空多
孔体である。中空柱状セルの断面形状は、円形,三角
形,四角形,五角形,六角形,その他の多角形,不定型
など、どのような形状でもよく、また、それぞれのセル
が異なる断面形状を有していてもよい。また、該断面形
状は、同一セルにおいて、同一断面形状であっても、部
位によって異なる断面形状であってもよい。さらに、セ
ルの空洞部は、長手方向に直線的であっても、非直線的
であっても、ランダムであってもよい。この中空多孔体
の具体的一例として、ハニカムコアの例で説明する。ハ
ニカムコアは、一例として、板厚が1mm前後のアルミニ
ウムの平板と波板を交互に重ね合わせて数十cmの層状板
を作成し、使用目的の大きさに切断して作製される。ま
たは、平板と波板を重ねて円柱状に巻き、その円柱を使
用目的に合った大きさに円柱の長手方向に切断して作製
される。このようなハニカムコアは、空洞部が平板と波
板の重ね合わせから作成され、使用目的によって各種吸
着材や吸臭材などの機能性付与物質が空洞部に充填され
て使用されたり、または、軽量化を目的とした構造体と
して使用される。
【0014】(充填材)本発明の切断加工に用いる充填
材は、硬質発泡プラスチック材または低温で溶融可能な
固形材料からなる。この充填材は、中空多孔体被加工材
の加工部の空洞部に充填され、該部を切断手段により切
断する。中空多孔体を使用目的に合致した形状に切断す
る場合、空洞部が変形し、精度不良が発生する。そこ
で、この空洞部に前もって充填材を充填し、切断時に空
洞部が変形しないことが必要となる。その充填材は切断
時に空洞部を変形させない程度の硬さが必要であり、ま
た切断用切刃の摩耗を促進させるほどの硬さでも困る。
この両者を満足させるほどほどの硬さが必要である。ま
た切断後、中空多孔体の使用目的によっては該充填材を
除去する必要があり、この場合は容易に除去できる充填
材でなければならない。具体的な事例として氷が考えら
れる。ハニカムコアの成形後、水を張った箱にハニカム
コアを沈め、冷凍機にて凍らせたあと、切断し、自然に
水に変えて、乾燥させる方法がある。氷は約−40°で最
も硬くなり、その温度までほぼ直線的に硬さが増加す
る。そのために冷凍時の温度制御から好都合の硬さを選
定することが可能であり、前記の切断時に空洞を変形せ
ず、さらに切刃の摩耗を増大せしめるほどの硬さでもな
い、好条件の硬さを選定可能となる。他の充填材として
硬質発泡プラスチック材があり、この場合には切断後に
残留プラスチック剤を除去するのに、圧縮空気などの吹
き付けによる充分な対策をする必要がある。また、低温
で溶融可能な固形材料の他の充填材として、パラフィン
を用いることができる。このパラフィンを充填材として
使用する場合には、切断後に脱脂処理の実施から充分に
パラフィンを除去しなければならない。
【0015】(切断手段)本発明の切断加工方法におい
て用いる切断手段は、被加工材としての中空多孔体の加
工部に比べて高い硬度を有する砥粒を固着した刃部を有
する切断手段である。本発明では、弓のこ、帯のこ、ま
たは丸のこなどののこ盤による加工方法を採用する。本
加工方法は、のこ刃の厚みが薄いために切断時に歩留ま
りが良いこと、のこ刃の刃部砥粒の材質を変えることに
より容易に最適加工条件を見いだすことが可能となる。
【0016】本発明の切断加工方法において用いる切断
手段の砥粒は、大きさが0.1〜0.5μmで、ダイヤモン
ド砥粒,アルミナ砥粒,炭化珪素砥粒,CBN砥粒の少
なくとも一種以上からなることが好ましい。
【0017】砥粒の大きさが、0.5μmを超える場
合、切断終了部の中空多孔体の加工部においてコバ欠け
が発生し、精度不良を起こす。また、砥粒の大きさが、
0.1μm未満の場合、砥粒が小さいために排出される
切粉サイズが微小となり、切粉の排出挙動の低下が原因
となり、のこ刃と中空多孔体の間に充填材または中空多
孔体の切粉が充満し、切断面のセル壁において潰れ、バ
リ、倒れなどの精度不良を引き起こす現象を示す。
【0018】本発明の切断手段に用いる砥粒は、中空多
孔体の材質がα−Feを含んでいない場合は、ダイヤモ
ンド砥粒が好適である。このダイヤモンド砥粒は、約8
00℃以上でダイヤモンドがα−Feの触媒作用により
グラファイト化するためである。また、中空多孔体の材
質がアルミニウムまたはシリカなどの酸化物を含んでい
ない場合は、アルミナ砥粒が好適である。また、中空多
孔体の材質が珪素系のセラミックスを含んでいない場合
は、炭化珪素が好適である。これらの組合せは、砥粒と
中空多孔体との親和性が無く、切断時にセル壁が倒れ、
バリ、潰れなどの現象が発生しない条件である。また、
水溶性切断油剤を使用しない場合は、CBN砥粒を使用
するすることが好ましい。これは、CBNが水分によっ
て約900℃において加水分解するためである。ただ
し、充填剤に氷を採用した場合には、切断時に切断温度
は900℃まで上昇することは無く、CBN砥粒は充分
に高能率な、また高精度な切断を実現できる。
【0019】本発明の切断手段に用いる刃部は、刃部先
端の半径Rが、0.1〜0.5mmであることが好ましい。刃
部の具体的一例として、のこ刃の形状の断面形状を図1
に示す。こののこ刃は、刃部先端の半径Rは0.1〜0.5
mmであることが好適である。刃部先端の半径Rが0.1mm
未満の場合、刃部の剛性不足から切断中にのこ刃先端部
が欠損を起こして刃具寿命が低下する。また、刃部先端
の半径Rが0.5mmを超える場合、刃先形状の鋭利性が低
下して切れ味が低下し、切り始めにおいて刃部が接触す
る中空多孔体の加工部域が凹形状を示し、精度不良を起
こす。なお、刃部先端の半径Rは、0.15〜0.3mmであ
ることがより好適である。これにより、精度よく、かつ
切断時の歩留りよく、高能率に切断することができる。
さらに、刃部先端の半径Rは、0.17〜0.25mmである
ことがさらに好適である。
【0020】本発明の切断手段に用いる刃部は、先端角
が、15〜45度であることが好ましい。該刃部の先端
角が15度未満の場合は、刃先形状が鋭利しすぎて剛性
が低下して切断中に刃先が欠損しやすく、刃具寿命は短
い。また、刃部の先端角が45度を超える場合は、刃部
の鋭利性が低下して切れ味が低下し、切り始めにおける
刃部が接触する中空多孔体の加工部域が凹形状を、また
切り終わり部でバリが発生して精度が低下する。なお、
刃部先端角は、25〜35度であることがより好適であ
る。これにより、精度よく、かつ切断時の歩留りよく、
高能率に切断することができる。さらに、刃部先端角は
30度前後であることがさらに好適である。
【0021】本発明の切断手段に用いる刃部は、すくい
角が、0〜10度であることが好ましい。該刃部のすく
い角が10度を超える場合は、刃先強度の低下から切刃
が欠損を起こす場合があり、刃具寿命が低下する場合が
ある。また、該刃部のすくい角が0度より小さい場合
(負の角度の場合)は、チップポケットの体積が減少し
切粉の捕獲が充分でないことから、切断面が切粉によっ
て擦過されてセル壁において潰れ、バリ、倒れなどが生
じて精度不良を起こす場合がある。
【0022】刃部の具体的一例として、のこ刃のすくい
角の説明図を、図2に示す。図2では、正の角度
(α)、ゼロの角度、負の角度(β)と三種類記載した
が、正の角度が大きい場合にはチップポケットの体積が
増大することから切粉の捕獲が充分であり、切粉による
切断面の擦過が防止されて良好な切断面を得るが、刃先
強度の低下から切刃が欠損を起こす場合があり、刃具寿
命が低下する。その両者を満足させる最適角度は、0〜
10度である。一方、負の角度βでは刃先強度は充分で
あり、切断中に欠損の現象は発生しないが、チップポケ
ットの体積が減少することから切粉の捕獲が充分でない
ことから、切断面が切粉によって擦過されてセル壁にお
いて潰れ、バリ、倒れなどが生じて精度不良を起こす。
【0023】本発明の切断手段は、前記砥粒の大きさお
よび種類,前記刃部先端の半径,前記刃部の先端角,前
記刃部のすくい角を具備した切断手段が、前記切断手段
の刃部の刃部長さ(l1 )と切粉捕獲用チップポケット
部の長さ(l2 )において、2l2 ≦l1 ≦4l2 の関
係を持つ刃部を有していることが好ましい。前記切断手
段の刃部の刃部長さ(l1 )が切粉捕獲用チップポケッ
ト部の長さ(l2 )の2倍より小さい場合には、切断用
のこ刃の切刃部域の減少から切れ味が低下することがあ
る。また、前記切断手段の刃部の刃部長さ(l1 )が切
粉捕獲用チップポケット部の長さ(l2 )の4倍を超え
る場合(l1 >4l2 の場合)は、チップポケット設置
の効果が薄れてそれぞれ切断面のセル壁において潰れ、
バリ、倒れが発生することがある。
【0024】例えば、図3に示した切刃部の長さ
(l1 )と切粉捕獲用チップポケット部の長さ(l2
において、切断用のこ刃とハニカムコアの切断面との接
触時間の短縮化、および瞬間的な切粉の排除が必要とな
る。この両者によって切断面において不必要な擦過現象
が防止でき、良好な切断面を得る。そのために、最適な
1とl2 の関係式を求めた。その結果、l1 <2l2
の場合には切断用のこ刃の切刃部域の減少から切れ味が
低下し、一方、l1 >4 l2 の場合にはチップポケット
設置の効果が薄れてそれぞれ切断面のセル壁において潰
れ、バリ、倒れが発生する。以上の事実からl1 とl2
との関係式においては2l2 ≦l1 ≦4l2 が最適式と
なる。
【0025】本発明の切断手段は、前記切断手段の刃部
の厚みと刃部保持部の厚みと切断深さが、{(刃部の厚
み)/(刃部保持部の厚み)}/{切断深さ}≧0.03
の関係を有するものであることが好ましい。この関係外
の場合には、中空多孔体の上層部を擦過して、セル壁部
に潰れ、バリ、倒れが発生する場合がある。
【0026】例えば、以上の刃先形状を具備した刃部を
用いて、のこ盤使用の切断加工において、CBN、アル
ミナ、ダイヤモンド、または炭化珪素などの該ハニカム
コア材にくらべて硬い砥粒を電着した弓のこ、帯のこ、
または丸のこに使用される切断刃の最適形状を見いだ
す。刃部の厚みと刃部保持部の板厚との関係において、
直径200mmの丸のこを用いて、刃部の厚みが刃部保
持部の厚み1.5倍の場合には、切断深さ50mmの場合
には精度良く切断され、1.4倍の場合には切断時に丸
のこの横振れにより、刃部保持部が切り始め、すなわち
ハニカムコアの上層部を擦過して、セル壁部に潰れ、バ
リ、倒れが発生する。また、切断深さが10mmの場合
には、刃部の厚みが刃部保持部の厚みの0.3倍で切断
上層部に精度不良が発生せず、高精度な切断面を得る。
切断深さが5mmの場合には、刃部の厚みが刃部保持部
の厚みの0.15倍であれば、セル壁部に潰れ、バリ、
倒れが発生せず、高精度な切断面を得ることができる。
以上の結果より、{(刃部の厚み)/(刃部保持部の厚
み)}/{切断深さ}≧0.03であれば、刃部保持部
が切断面と擦過すること無く、高精度の切断面を得るこ
とができる。
【0027】本発明の切断手段は、刃部の切断速度と送
り速度または被加工材の送り速度が、(切断速度)/
(刃部の送り速度、または被加工材送り速度)≧200
00であることが好ましい。この範囲内の場合には、充
分に切断刃がハニカムコアを切断し、セル壁において潰
れ、バリ、倒れなどを起こさず、良好な切断面を得るこ
とができる。
【0028】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0029】(第1実施例)建材用として使用されるJI
S SA3003の板厚35μmのアルミニウム合金の平板と波板
を数μmのアルミナ粒を含有する水ガラスで両者を接着
し、両者を巻くことより得る円柱状ハニカムコアを作成
した。なお、接着剤にアルミナ粒含有水ガラスを使用す
るために絶縁状となり、放電加工による切断方法は不可
能である。
【0030】次に、使用目的の長さに円柱を輪切りする
ために、銅板より作成された箱のなかに該円柱状ハニカ
ムコアを挿入し、水を張る。該銅箱を冷凍機に入れて−
10℃近傍で冷凍し、約15分後に該銅箱を取出し、約50℃
近傍のお湯に数分つけて該円柱状ハニカムコア含有の氷
を取り出す。それを該円柱状ハニカムコアの輪切り方向
にのこ刃をあてて切断するが、その際の砥粒の材質は該
ハニカムコアの材質がアルミニウムより、それと親和性
の無いダイヤモンド、炭化珪素、CBN などが良い。
【0031】平均粒径0.3μmのダイヤモンド砥粒を電
着し、切断手段の刃部先端の半径Rが0.2mm であり、先
端角が30度、すくい角は10度、刃部の長さl1 とチップ
ポケットの長さl2 において3l2 =l1 とした刃部を
採用し、さらに刃部の厚み1.5mm 、刃部保持部の厚み1.
0mm の丸のこ刃を用いて、のこ刃の外周速度、すなわち
切断速度100 m/min 、のこ刃の送り速度5mm/min の
切断条件で、直径50mmの円柱状ハニカムコアを輪切りし
た。その結果、セル壁において潰れ、バリ、倒れなどが
発生しない良好な切断面を得た。
【0032】次に、この切断されたハニカムコアを約50
℃の温風が循環する乾燥機に入れて、氷を水に変えて、
乾燥させた。
【0033】上述の切断条件において、刃部の厚み、刃
部保持部の厚みおよび切断深さの関係式は、{(刃部の
厚み=1.5mm )/(刃部保持部の厚み=1.0mm )}/
{切断深さ=50mm}=0.03となり、刃部保持部の横振れ
によるハニカムコア上層部への擦過が防止できた。また
切断速度と刃部の送り速度との関係式は、(切断速度=
100 m/min )/(刃部の送り速度=5mm/min )=2
0,000となり、充分に切断行為が行なわれつつ、刃部が
送られる条件となって、ハニカムコアのセル壁において
潰れ、バリ、倒れなどが発生しない状態で切断が行うこ
とができた。得られた切断加工材の断面(アルミニウム
合金の平板と波板の接合部を含む)の金属組織を光学顕
微鏡(倍率:200倍)で観察した。その結果を、図4
に示す。同図より明らかなように、刃物の刃先部によっ
て正確に切断され、アルミニウム合金よりなる平板と波
板の切断面が、それらの板厚みに相当する切断幅が精度
良く得られていることが分かる。
【0034】(第2実施例)まず、板厚約30μmよりな
る段ボール紙を用いて、平板状と波板状の段ボール紙を
相互に積層させ、総合厚みが約10cmのハニカムコアを作
製した。この平板状と波板状の段ボール紙は20vol %の
天然ゴムと80vol %の有機溶剤、シクロヘキサン、ヘキ
サンよりなる接着剤で相互に積層されながら接着され、
厚み約10cm、横と縦が約50cmの立方体とした。
【0035】次に、この段ボール紙ハニカムコアに最大
粒径100 μmを含む硬質発泡プラスチック材をハニカム
コアの空隙部に充填する。充填時には、ハニカムコアを
5〜10Hz近傍の振動を加えながら、該空隙部に充分に硬
質発泡プラスチック材を充填した。この硬質発泡プラス
チック材は安価であり、切断時に粉状に近い切粉を発生
し、切断部近傍の空気を吸入することから、硬質発泡プ
ラスチック材および段ボール紙の切粉を回収する。
【0036】使用した切断用刃物はCBN 、アルミナ、ダ
イヤモンド、炭化珪素などの硬質発泡プラスチック材に
くらべて硬い砥粒を含むものであれば良く、安価で入手
しやすいアルミナ砥粒で充分である。この0.1 〜0.5 μ
mのアルミナ砥粒を電着した刃物を先端角が30度、先端
の半径R0.3mm 、すくい角10度である刃先形状にして、
刃部の長さl1 とチップポケット部の長さl2の関係にお
いてl1 =3l2 になるようなチップポケット部を設定
した。
【0037】以上の切断刃を用いて、刃部の厚み1.5mm
、刃部保持部の厚み1.0mm の帯のこ刃を用いて切断速
度500 m/min 、ハニカムコアの送り速度25mm/min の
条件で帯のこ盤を採用して切断した。なお、この切断時
には切断油剤を採用せず、段ボール紙の品質を保証し
た。
【0038】上述の切断条件において、刃部の厚み、刃
部保持部の厚みおよび切断深さの関係式は、{(刃部の
厚み=1.5mm )/(刃部保持部の厚み=1.0mm )}/
{切断深さ=50mm}=0.03となり、刃部保持部の横振れ
によるハニカムコア上層部への擦過が防止される。また
切断速度とハニカムコアの送り速度との関係式は、(切
断速度=500 m/min )/(ハニカムコアの送り速度=
25mm/min )となり、充分に切 断行為が行なわれつ
つ、ハニカムコアが送られる条件となり、ハニカムコア
のセル壁において潰れ、バリ、倒れなどが発生しない状
態で切断が行なわれる。
【0039】以上の切断刃の形状および切断条件の採用
から、ハニカムコアの切断面においてセル部の潰れ、バ
リおよび倒れなどが発生しない良好な面性状を得て、ハ
ニカムコアの使用性能を損傷するこのない結果を得た。
【0040】(比較例1)前記第1実施例と同様に、ア
ルミニウム合金のハニカムコアを作成し、充填材を用い
ずに、前記第1実施例と同様の切断手段を用いてそのま
ま切断した。得られた比較用切断加工材の断面の金属組
織を、光学顕微鏡(倍率:10倍)で観察した。その結
果を、図5に示す。同図より明らかなように、アルミニ
ウム合金の板断面が正確に切断されず、刃物の刃先部に
よって押しつけられ、へたりまたは潰れた状態を示して
いることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の切断手段の一例を示す図で、切断刃の
断面図を示す。
【図2】本発明の切断手段の一例を示す図で、切断刃の
すくい角を示す説明図であり、図3(a)が正の角度α
の切断刃の場合、図3(b)が零度の切断刃の場合、図
3(c)が負の角度βの切断刃の場合、をそれぞれ示
す。
【図3】本発明の切断手段の一例を示す図で、切断刃の
切刃部の長さ(l1 )とチップポケット部の長さ
(l2 )の関係を示す説明図である。
【図4】本発明の第 実施例において得られた切断加工
材の断面の金属組織を示す光学顕微鏡写真図(倍率:2
00倍)である。
【図5】比較例1において得られた、比較用切断加工材
の金属組織を示す光学顕微鏡写真図(倍率:10倍)で
ある。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空柱状のセルの集合体である中空多孔
    体からなる被加工材を切断する方法であって、該中空多
    孔体被加工材の加工部の空洞部に、硬質発泡プラスチッ
    ク材または低温で溶融可能な固形材料を充填し、次い
    で、中空多孔体の加工部に比べて硬い砥粒を固着した刃
    部を有する切断手段により切断してなることを特徴とす
    る中空多孔体の切断加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の中空多孔体の切断加工
    方法であって、 前記切断手段の砥粒は、大きさが0.1 〜0.5 μmで、ダ
    イヤモンド砥粒,アルミナ砥粒,炭化珪素砥粒,CBN
    砥粒の少なくとも一種以上からなることを特徴とする中
    空多孔体の切断加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の中空多孔体の切断加工
    方法であって、 前記切断手段の刃部先端の半径Rが、0.1〜0.5mmであ
    ることを特徴とする中空多孔体の切断加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の中空多孔体の切断加工
    方法であって、 前記切断手段の刃部の先端角が、15〜45度であるこ
    とを特徴とする中空多孔体の切断加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の中空多孔体の切断加工
    方法であって、 前記切断手段の刃部のすくい角が、0〜10度であるこ
    とを特徴とする中空多孔体の切断加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の中空多孔体の切断加工
    方法であって、 前記切断手段の刃部の刃部長さ(l1 )と切粉捕獲用チ
    ップポケット部の長さ(l2 )において、2l2 ≦l1
    ≦4l2 であることを特徴とする中空多孔体の切断加工
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の中空多孔体の切断加工
    方法であって、 前記切断手段の刃部の厚みと刃部保持部の厚みと切断深
    さが、 {(刃部の厚み)/(刃部保持部の厚み)}/{切断深
    さ}≧0.03 であることを特徴とする中空多孔体の切断加工方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の中空多孔体の切断加工
    方法であって、前記切断手段の刃部の切断速度と送り速
    度または被加工材の送り速度が、 (切断速度)/(刃部の送り速度、または被加工材送り
    速度)≧20000 であることを特徴とする中空多孔体の切断加工方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100550441B1 (ko) * 1998-09-10 2006-02-08 아톡크 컴파니 리미티드 바깥둘레칼 블레이드, 안둘레칼 블레이드, 코어드릴 및 이들을 사용한 가공장치
JP2013086257A (ja) * 2011-10-22 2013-05-13 Junichi Kakumoto インナーイヤホン用遮音エレメントとその製造工程

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