JPH10226585A - 生態系の共生を目的とした多孔質セラミックス - Google Patents

生態系の共生を目的とした多孔質セラミックス

Info

Publication number
JPH10226585A
JPH10226585A JP2784597A JP2784597A JPH10226585A JP H10226585 A JPH10226585 A JP H10226585A JP 2784597 A JP2784597 A JP 2784597A JP 2784597 A JP2784597 A JP 2784597A JP H10226585 A JPH10226585 A JP H10226585A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clay
small
volcanic rock
cavities
porous ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2784597A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Sakamoto
伸之 坂本
Kunio Shindo
邦雄 進藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOUYOKO KIKAKU KK
Kyowa Concrete Industry Co Ltd
Original Assignee
TOUYOKO KIKAKU KK
Kyowa Concrete Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOUYOKO KIKAKU KK, Kyowa Concrete Industry Co Ltd filed Critical TOUYOKO KIKAKU KK
Priority to JP2784597A priority Critical patent/JPH10226585A/ja
Publication of JPH10226585A publication Critical patent/JPH10226585A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00474Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00758Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 for agri-, sylvi- or piscicultural or cattle-breeding applications

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Retaining Walls (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 擁壁や護岸用の陶磁器製等のパネルを、空隙
率の多い火山岩小片を多数含むようにし、あるいは小さ
な多数の空洞を含むように構成して、周囲の生態系を壊
さない自然発生的な植生ができるようにする。 【解決手段】 粘土2に空隙率の高い火山岩小片3を混
合してパネル状に成形後、焼成して空隙率30〜40%
を有する多孔質セラミックス製品を形成する。また、火
山岩小片3の代わりに、木屑小片、発泡プラスチック小
片を、粘土2に混入し、焼成により木屑小片や発泡プラ
スチック小片を燃焼させて体積を減少させその跡に空洞
3aを形成させてもよい。その空洞3aに雨水などが溜
り、風で運ばれてきた種子がその水で発芽し、その根を
空洞3aに伸長して周囲の生態系と共生可能な植物が自
然発生的に繁茂する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川の護岸や山留
めの擁壁等に適用して人工的な植生でなくて自然発生的
に植物が成育できるようにしたセラミックスに関し、特
に多数の小さな空洞、あるいは空隙の多い火山岩小片を
含む生態系の共生を目的とした多孔質セラミックスに適
用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より山止め等の法面緑化では、法面
に格子状コンクリートフレームを形成し、そのフレーム
の枠内を植栽して緑化法面としたものが知られている。
【0003】また、河川堤防の護岸として植栽可能にす
るために、コンクリートに含まれるアルカリ性を炭酸に
より中和するとともに、植物の根張りのための空隙を有
するように形成したコンクリート製護岸が知られている
(特開平8−143382号公報)。この場合、コンク
リート中に空隙を形成するためには、コンクリート中に
気泡剤を混入し、発生したガスが一部炭酸ガスに置換さ
れて、空隙が形成されている。そして、かかるコンクリ
ートを使用したPCコンクリート板上に肥料を施し、種
子を吹き付けて、さらに土壌を塗り込めることにより植
生ができるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術のよう
に、法面に設けた格子状コンクリートフレーム内の土壌
面に直接植栽する構造は、土壌内の水分を植物に使用で
きるので植栽面の維持管理の点では好ましい。しかしな
がら、土圧に抗して法面を押えて土砂崩壊を防ぐという
治山目的の点では、法面をコンクリート壁面で押えつけ
る等のいわゆる擁壁構造の方が強度的に好ましい。
【0005】一方、護岸用のコンクリートは、アルカリ
を中和して植生ができるようにしているが、その場合、
人工的にコンクリートに肥料を施し、種子を吹き付け、
さらに土壌を塗り込めており、育成する植物が自然発生
的ではないので景観が不自然である。また、護岸形成の
ために新たに持ち込んだ異種植物を生やすことは、従来
よりその周囲に自生していた植物の生態系を脅かす場合
もある。
【0006】そこで、本発明の目的は、セラミックス製
品に空隙の多い火山岩小片を多数含ませ、あるいは小さ
な多数の空洞を含むように構成して、それを擁壁や護岸
用に適用することで、人工的に植物を植えたり、種をま
いたりするのではなく、植物の自然発生がなされるよう
にしたものであり、究極的には生態系の共生を目的とし
た多孔質セラミックスを提供することにある。
【0007】すなわち、本発明の目的は、コンクリート
面等に着色したり、客土を施して種子をまいたり、植物
を植えたりする人工的なものではなく、周囲の植物から
飛んできた種子がセラミックスの表面あるいは内部に付
着し、その状態でセラミックス製品の空隙の多い火山岩
小片、あるいは空洞から水を与えられて発芽し、空隙あ
るいは空洞の中に根を張らせて、植物が自然繁茂できる
ようにすることにある。
【0008】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0010】本発明の生態系の共生を目的とした多孔質
セラミックスは、粘土に空隙の多い火山岩小片を混合し
て賦形した後に焼成することによって火山岩小片の空隙
を増加させ、その空隙に水や植物の根が入り込めるよう
にしていることを特徴とする。すなわち、粘土に空隙の
多い火山岩小片を混合して形成した母材を焼成すること
によって空隙の多い多孔質セラミックスを形成してい
る。
【0011】また、前記の火山岩小片の代わりに粘土焼
成工程中の高温雰囲気で体積が減少する物質の小塊を混
入し、焼成により小塊の体積を減少させて空洞に形成
し、この空洞に水や植物の根が入り込めるようにした。
かかる物質の小塊としては、例えば、木屑小片、発泡プ
ラスチック小片等を使用することができる。なお、前記
小塊は、完全に焼失してしまうもののみならず、燃焼に
より体積が減少して所望の空洞を実質的に形成し得るも
のであれば、粘土焼成工程後に若干の燃えかすが残るも
のであっても良い。
【0012】さらに、前記の多孔質セラミックス製品
に、空隙を増加させた火山岩小片と、木屑等の前記物質
小塊の体積減少によって形成される空洞とをともに有す
るようにしてもよい。粘土の賦形に際しては、成形型を
使用してもよいし、或いは押し出し成形により形成し
て、その後に適宜長さに切断するようにしても構わな
い。また、火山岩と粘土の混合物を焼成後適当な厚みに
スライスして使用してもよい。
【0013】さらにまた、多孔質セラミックス中の空隙
や空洞による空隙率は30〜40%にされている。30
〜40%としたのは、従来の粘土焼成物の空隙率24%
よりも大きなものにして、水や植物の根が空洞や空隙に
十分入り込めるようにするためである。
【0014】また、多孔質セラミックス製品をパネルや
ブロック状に成形し、併せて内部にこれらを緊結するた
めの連結孔を設けておけば、連結孔に連結筋等を通して
これらを強固に一体化することができる。
【0015】前記の多孔質セラミックスは、粘土に混入
されている火山岩小片が焼成時に一部燃焼あるいは反応
して体積減量することによりその分空隙が増加される。
そして空隙が増加すれば、その空隙に雨水などが溜りや
すく、あるいは植物の根が入り込み易い構造を形成する
ことになる。このため、多孔質セラミックス製品の表面
や内部に風等で飛ばされて自然付着した種子は、火山岩
小片の空隙に溜った水により発芽し、植物の根が伸長し
て空隙に入り込んで植物の自然発生が可能となる。護岸
形成に際して周囲の植物体系を大きく変えずにすみ、生
態系の破壊の心配もない。併せて、周囲の景観等に違和
感なく十分溶け込むことができ、護岸形成等による景観
破壊も生じない。
【0016】また粘土に混入されている多数の木屑小
片、発泡プラスチック小片等の物質の小塊が焼成中に燃
焼、溶解等によりその体積が減少すればその跡も多数の
空洞となるので、その空洞に水や根が入り込める。この
ため前記同様に、多孔質セラミックス製品の上に自然に
付着した種子は、空洞から水を得ることができ、かつ植
物の根が空洞に入り込めるので、植物の自然発生が可能
になる。
【0017】また、多孔質セラミックス製品は、焼成さ
れた後では溶け出すものはなく水中にいれても中性であ
る。よってパネル状あるいはブロック状にした多孔質セ
ラミックス製品を川底におくと、内包する空隙に微生物
が付着し水質の浄化機能を発揮し、魚のためにも生態系
のためにもよい結果となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0019】(実施の形態1)本発明の生態系の共生を
目的とした多孔質セラミックスは、客土して種子や植物
を植えたりするような人工的な植生をするためのもので
はなく、周囲から風等で種子が飛んで来る等して周囲の
生態系に沿った形で植物の自然発生ができるようにした
材料を提供するものである。
【0020】本発明の多孔質セラミックスは、粘土に火
山岩小片、または粘土の焼成工程中に燃焼して体積が減
少する物質の小塊を混合させて母材を形成し、この母材
を所望形状、サイズに成形後これを焼成することにより
多孔質のセラミックスに作成されている。すなわち、火
山岩小片は、焼成時に一部燃焼しあるいは反応して空隙
が生じることにより、空隙率が大きくなる。また、前記
物質の小塊は、粘土の焼成時に燃焼して体積が減少し、
その跡が空洞となってセラミックス全体が多孔質となっ
ている。そして火山岩小片の空隙や空洞に水が入り込み
貯水され、あるいは植物の根が入り込み易いような大き
さになっている。なお、前記小塊は、燃焼することによ
って体積が減少しその跡に所望の空洞ができれば、前記
小塊の燃えかすや燃え残りが若干残存しても構わない。
【0021】本実施の形態1では、粘土の焼成中に体積
が減少する物質の小塊として、木屑小片あるいは発泡プ
ラスチックの小片が使用されている。木屑や発泡プラス
チック以外にも、焼成中の高温雰囲気で燃焼(若干の燃
えかすが残っても良い)し、その体積を減ずることによ
り粘土内に空洞形成ができる物質であれば良く、例え
ば、紙や布等を適当な大きさに丸めたものや、プラスチ
ックの小塊等でも構わない。また、小塊の形状は、小片
以外に、球形でも、周囲に凹凸のある不定形でも、ある
いは棒状でも構わず、特段一定形状に揃える必要はな
い。さらに、これらの物質は、前記機能を有する物質で
あれば、複数種混在させても一向に構わない。
【0022】本実施の形態1では、火山岩小片の空隙
と、木屑小片などの焼成中に体積が減少する物質の小塊
により形成された燃焼跡の空洞との合計で、多孔質セラ
ミックスの空隙率が30〜40%にされ、火山岩小片の
空隙に水や根が入り易くなる。なお、粘土に混合する小
片は、火山岩小片、または木屑小片または発泡プラスチ
ック小片のうちの少なくとも1つであればよく、いずれ
の場合も空隙率が30〜40%となるようにする。これ
は従来の粘土焼成体(陶器)単独では、空隙率が24%
であるのに対し、30〜40%にすることで水や植物の
根が入り易くなり、植生に適したものとなり、しかも多
孔質セラミックス製品として破損しにくい強度が得られ
るからである。
【0023】なお、空隙率は、空隙を有した状態での多
孔質セラミックスの容積と、その多孔質セラミックスを
微粉砕して空隙を排除した状態での容積との差し引きを
基に算出できる。粉砕要領は、JIS規格の骨材の実績
率の試験方法に準じて行えばよい。
【0024】このようにして形成されたセラミックスは
多孔質であり、これらの空洞や空隙は、大きさに大小が
あるので、草や小木の根はその太さに応じて、空洞や空
隙に入り込んで行くことになる。
【0025】このように形成された多孔質セラミックス
を、河川の護岸として使用し、あるいは山留めの擁壁と
して使用すれば、その多孔質セラミックスの表面に特別
に肥料を施したり種子をまいたり、土壌を塗り込むとい
う人工的な行為をしなくても植物の育成が可能となる。
このため、前記多孔質セラミックスは、飛来した種子に
よる植物の自然発生が期待できる。
【0026】例えば、多孔質セラミックスの上に周囲の
植物から種子が飛ばされて付着し、多孔質セラミックス
における火山岩小片の空隙あるいは多孔質セラミックス
中の空洞に溜っている水により、種子が発芽しさらに成
長する。また、植物の根は、多孔質セラミックス中の空
洞や火山岩小片の空隙に入り込むことができるので、そ
こで水を得て植物が自然育成される。このように育成さ
れる植物による緑化は、人工的ではなく、自然的な緑化
である。このように自然に植物を育成できれば、自然の
生態系を壊すことがない。
【0027】また、多孔質セラミックスを川などに置く
と、空洞や空隙内部に微生物が付着し、それらが有機物
を食べて水質の浄化を促進するなど魚のためにも生態系
によい結果をもたらすことができる。
【0028】次に本発明の実施の形態2〜4として、前
記多孔質セラミックスを、パネル状に形成したものを説
明する。
【0029】(実施の形態2)実施の形態2の多孔質セ
ラミックスは図1(a)に示される長方形のパネル1の
ように形成されている。そのパネル1は、粘土2に火山
岩小片3(例えば大島火山岩小片)を混入し、それをパ
ネル状に成形して乾燥させた後に1000℃以上の温度
で焼成して、火山岩小片3の一部を燃焼、反応させるこ
とで空隙を増加させている。そしてその空隙の増加で、
多孔質セラミックスの空隙率が30〜40%(空隙率の
1/2に相当する保水率は15〜20%)のパネル1に
形成され、火山岩小片の空隙に、水や植物の根が入り込
めるようになっている。なお、火山岩小片3の粒径は、
0.08〜40mmと大小さまざまであることから、その空
隙も大小さまざまであり、その空隙の大きさに合った植
物の根がその空隙に入ることになる。また火山岩小片3
の粒径を前記の大きさとすることで、パネルとしての強
度が低下しにくいものとしている。また多孔質セラミッ
クスに混入されている火山岩小片3の体積割合は、10
〜60%として、かつ植生を確保するのに必要な空隙率
を確保できるようにしている。
【0030】(実施の形態3)実施の形態3の多孔質セ
ラミックスは、図1(b)に示されるように長方形のパ
ネル1aに形成されている。そのパネル1aは、粘土2
に、木屑小片、発泡プラスチック小片の少なくとも1種
を混入して、パネル状に成形して乾燥させた後に100
0℃以上の温度で焼成されて形成されている。そして前
記粘土成形物の焼成時に、木屑小片、発泡プラスチック
ス小片が燃焼して体積が減少しその跡に空洞3aが形成
されている。そしてパネル1aに対する空洞3aの全体
での空隙率は、30〜40%にされている。よってパネ
ル1aは表面から内部にまで全体にわたって空洞3aが
含まれ、その空洞3aに水や植物の根が入ることにな
る。
【0031】前記の木屑小片、発泡プラスチック小片の
それぞれの粒径は、0.1〜40mmと大小さまざまであ
り、そのため空洞3aも大小さまざまであるので、植物
の根が空洞3aに入り易く、また植生のための水と肥料
が入り込むのに都合がよい。さらに粘土2に混入される
木屑小片などの体積割合は、パネル全体に対して10〜
60%とし、植生を確保するのに好ましい空洞総体積に
した。
【0032】(実施の形態4)実施の形態4の多孔質セ
ラミックスは図示を省略したが、粘土2に、火山岩小片
3を混入するとともに、木屑小片、発泡プラスチック小
片の少なくとも1種を混入し、パネル状に成形した粘土
成形物を1000℃以上の温度で焼成してパネルが作成
されている。そして焼成時に、火山岩小片3の一部を燃
焼、反応させることで空隙を増加させるとともに、木屑
小片、発泡プラスチックス小片が燃焼して体積が減少し
その跡に空洞3aが形成されている。またパネルに対す
る空洞3aと、火山岩小片の空隙との両方を含んだ空隙
率は、30〜40%にされている。
【0033】なお、空洞3aと火山岩小片の空隙は、前
記実施の形態2、3と同様に大小さまざまであるので、
火山岩小片の空隙や空洞3aに水や植物の根が入り易く
なっている。
【0034】前記各実施の形態のパネル1、1aは、例
えば、縦450〜600mm、横600〜900mm、厚さ
150〜300mmの平面長方形に形成されているが、平
面正方形や六角形に形成することも可能である。なお、
空洞3aを形成するための木屑小片、発泡プラスチック
小片などは、前記材料に限るものではなく、焼成時に燃
焼して体積が減少する他の小片を適用できる。
【0035】(実施の形態5)以下に実施の形態5とし
て、前記実施の形態2〜4の各パネルの連結構成を説明
するが、いずれも同一構成となるので、実施の形態2に
ついてのパネル1の連結構成を図1aにより説明する。
【0036】パネル1は、その厚み内に縦、横に連結棒
5を貫通させるための連結孔4がそれぞれ2個設けら
れ、その縦横の連結孔4は厚さの方向に図2(b)に示
すように離れていて、両連結孔4がぶつかり合うような
ことはない。そして、パネル1を図2(a)に示すよう
に縦横に連続配置して、各パネル1の対応する2つの連
結孔4に異形棒鋼などの連結棒5を縦横に通すことによ
り、多数のパネル1を大きな強度でかつがたつくことな
く一体に強固に連結することができる。
【0037】なお、パネル1が六角形に形成されている
場合は、図2(c)に示すように縦横の連結孔4が直交
状態ではなく、60度で交わるようになっていて、縦横
それぞれ1本ずつの連結孔4が形成されている。そし
て、前記のように多数連結されたパネル1が川岸に施工
されることにより、簡単に護岸を施工できる。
【0038】前記の連結棒5としての異形棒鋼は、棒状
の鉄棒の外周に適宜間隔で凸部を有し、その凸部が連結
孔4の内周に接してパネル1をがたつかせることなく一
体に強固に連結することができる。
【0039】前記説明では、多孔質セラミックスをパネ
ル状に形成して、パネル1内部に縦横に貫通させた連結
孔4に連結棒5を貫通させて護岸形成等ができるように
したが、多孔質セラミックスを、図3(a)、4(a)
に示すような平面長方形のブロック10、あるいは平面
六角形のブロック20に形成しておき、内部に連結鉄筋
40を通すことができる連結孔30を二本平行に貫通さ
せるようにしてもよい。
【0040】かかる構成に多孔質セラミックスのブロッ
クを形成しておけば、図3(b)、図4(b)に示すよ
うに、各ブロックの連結孔30が上下に真っ直ぐ通るよ
うに千鳥状にブロックを積み上げることができる。その
連結孔30に長い連結鉄筋40を略ループ状に通して、
ブロックの最上段側で連結鉄筋40の両端同士を溶接や
番線等で緊結するようにすればよい。
【0041】前記実施の形態2〜4のパネル1、1a
は、粘土を用いて作成するほか、高強度のファインセラ
ミックス(粘土を含んでいても含んでいなくてもどちら
でもよい)などを用いて成形するとともに成形物を焼成
させて形成するようにしてもよい。
【0042】そのほか、多孔質セラミックス製のパネル
1、1aは、押出し成形やプレス成形で成形した粘土成
形物を、釉薬を施さずに低温(例えは1000℃以下)
で焼成して素焼きのパネルとすることができる。その場
合、パネル1、1aの空洞3a以外の表面粘土部も吸水
性、空隙率を有するものとなるため、パネル1、1aの
表面が植物の繁殖に好ましい状態になる。このパネル
1、1aを表面に用いて護岸を構築すれば、護岸の表面
に植物を生やして、護岸や擁壁の表面を覆わせるなどし
て自然の風合いを醸し出すことができ、景観維持に好ま
しいものとなる。
【0043】前記の実施の形態2〜4のように構成した
多孔質セラミックスによるパネル1、1aを使用して護
岸を施工する場合は、その護岸法面に図2(a)に示す
ように多数のパネル1、1aを配列し、パネル1、1a
を連通する連結孔4にそれぞれ連結棒5を挿入して固定
することにより、多孔質セラミックス製の護岸となる。
【0044】また、多数の多孔質セラミックス製のパネ
ル1、1aは、連結棒5で連結されるので、連結状態で
パネル1、1aはがたつくことがなく、強度のしっかり
した護岸や擁壁を施工することができる。
【0045】そして、多孔質セラミックス製護岸の表面
に自然に飛んできた種子が定着し、多孔質セラミックス
製のパネル1、1aに含まれている火山岩小片3の空隙
や空洞3a内の水分により種子が発芽し、根が空洞3a
内や空隙に入り込んで成長し、しっかり根を張り、また
成長した植物は自然の風景を醸し出すことになる。この
ように多孔質セラミックスをパネルに成形すれば、種子
や根が入り込む面が広く、植物、コケ、小木が育ち易
い。
【0046】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実
施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0047】たとえば、前記では多孔質セラミックス製
品の例をパネルとしたが、その代わりにブロックとして
も同様に、自然の植生が可能な護岸や擁壁に使用するこ
とができる。
【0048】また、多孔質セラミックスは前記パネルや
ブロック形状以外にも、賦形に際して自然石等に模した
擬石状に形成しておき、植物の自然発生がみてとれる庭
石として、あるいは庭園内の池や、さらに川底などに違
和感なく散在させてその浄化機能を発揮させるようにし
ても構わない。
【0049】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその利用分野である河川の護岸や山留め
の擁壁等に適用した場合について説明したが、これに限
定されるものではなく、たとえば、舗道や公園の路面等
にも適用できる。
【0050】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0051】(1).本発明の生態系の共生を目的とし
た多孔質セラミックスは、粘土焼成物であって、空隙率
の多い火山岩小片を含み、あるいは大小の空洞が多数設
けられているので、護岸や擁壁に用いれば、火山岩小片
の空隙により、あるいは空洞に水や肥料や植物の根が入
り込める。
【0052】(2).このため本発明の多孔質セラミッ
クスを使用すれば、人工的ではなく自然の植生が可能で
あり、自然の生態系が壊されることがない自然かつ必然
的な緑化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態2である多孔質セ
ラミックス製パネルを複数連結配置した状態の斜視図で
あり、(b)は実施の形態3の多孔質セラミックス製パ
ネルの斜視図である。
【図2】(a)は長方形の多孔質セラミックス製パネル
を複数連結した状態の平面図であり、(b)はその側面
図、(c)は六角形の多孔質セラミックス製パネルを複
数連結した状態の平面図である。
【図3】(a)は平面長方形のブロックに形成した多孔
質セラミックスの斜視図であり、(b)はそのブロック
の組立平面図である。
【図4】(a)は平面六角形のブロックに形成した多孔
質セラミックスの斜視図であり、(b)はそのブロック
の組立平面図である。
【符号の説明】
1 パネル 2 粘土 3 火山岩小片 3a 空洞 4 連結孔 5 連結棒 10 ブロック 20 ブロック 30 連結孔 40 連結鉄筋

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘土に火山岩小片を混合して賦形した後
    に焼成することによって火山岩小片の空隙を増加させ
    て、前記火山岩小片の空隙に水や植物の根が入り込める
    ようにしたことを特徴とする生態系の共生を目的とした
    多孔質セラミックス。
  2. 【請求項2】 粘土に、焼成中に体積が減少する物質の
    小塊を混合して賦形した後に、前記粘土を焼成すること
    によって、前記小塊の体積減少により空洞が形成され
    て、前記空洞に水や植物の根が入り込めるようにしたこ
    とを特徴とする生態系の共生を目的とした多孔質セラミ
    ックス。
  3. 【請求項3】 粘土に、火山岩小片と、焼成中に体積が
    減少する物質の小塊とを混合して賦形した後に、前記粘
    土を焼成することによって、焼成後に火山岩小片の空隙
    を増加させ、前記小塊の体積減少により空洞が形成され
    て、前記空洞や前記火山岩小片の空隙に水や植物の根が
    入り込めるようにしたことを特徴とする生態系の共生を
    目的とした多孔質セラミックス。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれか1項に記載
    の生態系の共生を目的とした多孔質セラミックスであっ
    て、前記多孔質セラミックス中の空隙や空洞による空隙
    率が30〜40%であることを特徴とする生態系の共生
    を目的とした多孔質セラミックス。
JP2784597A 1997-02-12 1997-02-12 生態系の共生を目的とした多孔質セラミックス Pending JPH10226585A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2784597A JPH10226585A (ja) 1997-02-12 1997-02-12 生態系の共生を目的とした多孔質セラミックス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2784597A JPH10226585A (ja) 1997-02-12 1997-02-12 生態系の共生を目的とした多孔質セラミックス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10226585A true JPH10226585A (ja) 1998-08-25

Family

ID=12232265

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2784597A Pending JPH10226585A (ja) 1997-02-12 1997-02-12 生態系の共生を目的とした多孔質セラミックス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10226585A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002153119A (ja) * 2000-09-11 2002-05-28 Seikatsu Kachi Sozo Jutaku Kaihatsu Gijutsu Kenkyu Kumiai 緑化用基盤及び植栽方法
JP2006096646A (ja) * 2004-09-02 2006-04-13 Fumitaka Fujiwara 来待石粉焼結体及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002153119A (ja) * 2000-09-11 2002-05-28 Seikatsu Kachi Sozo Jutaku Kaihatsu Gijutsu Kenkyu Kumiai 緑化用基盤及び植栽方法
JP2006096646A (ja) * 2004-09-02 2006-04-13 Fumitaka Fujiwara 来待石粉焼結体及びその製造方法
JP4756679B2 (ja) * 2004-09-02 2011-08-24 株式会社日本海技術コンサルタンツ 来待石粉焼結体及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2971868B1 (ja) 無土壌植栽用セラミックブロック及びその使用方法
JPH10226585A (ja) 生態系の共生を目的とした多孔質セラミックス
KR100671351B1 (ko) 식생재 기반재 및 사면녹화시공방법
JP3059318U (ja) 植生用壁面構造物
JP2775074B2 (ja) 植生基盤
JP2657978B2 (ja) 緑化用植生基盤の造成方法
JP2005120660A (ja) 植生擁壁及びその構築方法
JPH08218403A (ja) 植生用浄水用ブロック及び植生用浄水用基盤材並びに該植生用浄水用ブロックを用いた土木建築構造物等の緑化工法及び河川等の浄水工法
JP2000178057A (ja) 植生コンクリート及びその製造方法
CN215165690U (zh) 一种新型生态袋砖及边坡绿化结构
JPH05272142A (ja) 植栽用コンクリート製品及びその製造方法
JPH10323120A (ja) 緑化基盤材及びその製造方法
JPH0741349A (ja) コンクリートおよびこれを用いてなるコンクリート製品
JPH06228967A (ja) 緑化基盤コンクリートの製造方法
JPH1037199A (ja) 法面の緑化工法
JPH08260467A (ja) 法面等の土木構築物用の植生用基盤材及び法面等の土木構築物の植生床の造成法
JP2907067B2 (ja) 植生基盤
JPH06299152A (ja) 人工土壌成形体
JP2907065B2 (ja) 植生基盤用基材および同基盤の製造方法
JP3558305B2 (ja) 井桁擁壁の緑化方法
JP2775075B2 (ja) 植生基盤
JPH11217814A (ja) 緑化コンクリート
JP2006101857A (ja) 人工土壌マット
CN117211305A (zh) 生态护坡施工方法
JPH09316851A (ja) 植物栽培用ポーラスコンクリート成形体及びそれを用いた多自然型護岸の施工方法