JP2002153119A - 緑化用基盤及び植栽方法 - Google Patents

緑化用基盤及び植栽方法

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JP2002153119A
JP2002153119A JP2000354386A JP2000354386A JP2002153119A JP 2002153119 A JP2002153119 A JP 2002153119A JP 2000354386 A JP2000354386 A JP 2000354386A JP 2000354386 A JP2000354386 A JP 2000354386A JP 2002153119 A JP2002153119 A JP 2002153119A
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greening
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plant
glass
ceramic body
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JP2000354386A
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English (en)
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Satoru Honda
哲 本田
Takashi Wakamiya
隆 若宮
Hideaki Takigawa
英昭 滝川
Takehisa Okamoto
健久 岡本
Seiji Matsumoto
誠司 松本
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SEIKATSU KACHI SOZO JUTAKU KAI
SEIKATSU KACHI SOZO JUTAKU KAIHATSU GIJUTSU KENKYU KUMIAI
Original Assignee
SEIKATSU KACHI SOZO JUTAKU KAI
SEIKATSU KACHI SOZO JUTAKU KAIHATSU GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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Publication date
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌を使用することなく、任意の緑化対象に
植物を生育させることができ、軽量で自己形状保持性、
耐久性、取り扱い性、現場施工性等に優れた緑化用基盤
と、この緑化用基盤を用いた植栽方法を提供する。 【解決手段】 SiO、Al及びCaOを主成
分とする原料を、700〜1200℃の温度で焼成して
発泡させることにより、連続気孔を形成してなるセラミ
ック多孔体3よりなる緑化用基盤1。この緑化用基盤1
の表層に直接植物4を生育させる植栽方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続気孔が形成され
たセラミック多孔体よりなる緑化用基盤と、この緑化用
基盤を用いた植栽方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物の屋上や屋根面を植物で緑化
するために、軽量土壌又は人工土壌が使用されている
が、土壌は粒状であるため、風雨等により飛散ないし流
出する可能性がある;自己形状保持性がないため、ケー
スに入れたり囲いで覆ったりする必要がある;ケース等
で保持した場合であっても傾斜面や鉛直面で使用するこ
とはできない;などといった欠点がある。
【0003】また、壁面等の鉛直面や傾斜面を緑化する
ために、壁面にネット状のものを取り付け、それにツル
状の植物をはわせることや屋上からツル状の植物を降ろ
したり、壁面直下の土壌に植栽を行って人為的にはわせ
ることが行われているが、このような方法では、植物の
種類が限定され、様々な植物に対応ができないという欠
点がある。
【0004】屋根面や法面を緑化するときには、客土を
敷き、それをネットなどで保護する方法が取られている
が、客土が風雨による侵食作用で流出、飛散する可能性
があり、使用上問題がある。その他、コンクリートをポ
ーラスにしたものに土壌を充填したものがあるが、コン
クリートが基材となるため非常に重く、また、土壌を使
用しているので、やはり飛散、流出の問題点が残る。ま
た、植物の根が入る(根が活着する)材質として、椰子
のみマット等があるが、自立するほど強固ではなく、ま
た腐敗するため、長期耐久性の面で問題がある。
【0005】河川の緑化の場合には、コンクリートに土
等が入る隙間を設けたり、或いは、石などを金属製の網
で囲み、隙間に土を入れるか、自然に入り込むのを待
ち、その部分に植物を生育させるようにしているが、や
はり、コンクリートや石に直接植栽させるものではな
く、土を利用するものであり、多大な時間と手間を要
し、合理的ではない。
【0006】また、道路の法面の緑化では、コンクリー
トや客土を吹き付け、バインダー等で流出や飛散を防ぐ
措置をとり、固定化させたものに植物を植栽させている
が、流出、飛散防止のための処理に多大な時間と手間を
要するという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の緑
化方法では、鉛直面や傾斜面に適用することができな
い、植物の種類に制約を受ける、多大な手間と時間を要
する、長期耐久性、或いは重量、形状保持性の面で問題
があるなどといった欠点があり、これらの欠点を解消す
る緑化方法の開発が望まれている。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決し、土壌
を使用することなく、任意の緑化対象に植物を生育させ
ることができ、軽量で自己形状保持性、耐久性、取り扱
い性、現場施工性等に優れた緑化用基盤と、この緑化用
基盤を用いた植栽方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の緑化用基盤は、
SiO、Al及びCaOを主成分とする原料
を、700〜1200℃で焼成し発泡させて、連続気孔
を形成したセラミック多孔体よりなる。
【0010】本発明の緑化用基盤では、セラミック多孔
体に連続気孔があるため、透水性、保水性に優れ、植物
の生育に必要な水分を十分に供給することができる。そ
して、この連続気孔に植物の根が入り込んで活着するこ
とができ、土壌を使用することなく、土壌と同様の生育
作用を奏する。また、セラミック多孔体であるため、腐
敗の問題はなく、長期耐久性に優れる上に軽量である上
に、自己形状保持性があり、土壌のように飛散、流出の
問題はなく、パネルとして容易に移動、移設、施工を行
うことができる。そして、水平面はもとより、鉛直面、
傾斜面にも容易に適用可能である。
【0011】本発明において、緑化用基盤を構成するセ
ラミック多孔体の比重は0.4〜0.8、気孔率は50
%以上であることが好ましく、また、気孔のうちの開気
孔の割合は50%以上であることが好ましい。
【0012】このセラミック多孔体には、リン、カリウ
ム等の植物の生育に必要な栄養分を含有させておくこと
により、植物の生育を良くすることができる。
【0013】本発明の植栽方法は、このような本発明の
緑化用基盤の表層に直接植物を生育させるものであり、
土壌を使用することなく、あらゆる緑化対象に短期間で
効率的に、様々な植物を生育させることができる。
【0014】本発明の植栽方法では、緑化用基盤の下面
に保水性のマット又はシートを設けておくことにより、
保水性を高め、植物の枯渇を防止することができる。
【0015】本発明の方法により、緑化用基盤を道路又
は線路沿いの法面に設けて法面の緑化を行った場合に
は、緑化用基盤のセラミック多孔体による吸音作用で、
騒音の低減効果を得ることもできる。
【0016】なお、本発明において、植物とはキノコ等
の菌類を含む広義のものであり、また、「緑化」とは、
これらの植物を植栽することを指し、必ずしも緑色の植
物を植栽することに限定されるものではない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0018】図1は実施の形態に係る緑化用基盤を示す
斜視図、図2は同断面の拡大図である。
【0019】図示の如く、本発明の緑化用基盤1は連続
気孔2を有するセラミック多孔体3よりなり、このセラ
ミック多孔体3の連続気孔2内に植物4の根4Aが入り
込んで活着するため、土壌は不要である。そして、この
連続気孔2の微細な気孔内に水分を保持することができ
るため、植物4にその生育に必要な水分を供給すること
ができる。
【0020】なお、緑化用基盤1の使用に当っては、緑
化用基盤1の下面側に、不織布、ロックウール、綿等の
保水性のある保水シート又はマット5を敷設し、水分を
保持すると共に、その下の基材に対して遮水し、また、
通気性を確保するようにするのが好ましい。
【0021】本発明の緑化用基盤のセラミック多孔体は
その比重が0.4〜0.8であることが好ましい。この
比重が0.8を超えると植物の生育に必要な十分な気孔
率を確保し得ず、また、重量も重くなる。比重が0.4
未満のセラミック多孔体では強度が不足し、また、気孔
率が高すぎて、保水性が不足する場合があり好ましくな
い。
【0022】また、セラミック多孔体の気孔率が少な過
ぎると十分な保水性及び植物の根が入り込むための隙間
を確保し得ないため、セラミック多孔体の気孔率は50
%以上であることが好ましい。ただし、この気孔率が高
過ぎると強度が不足し、衝撃により破損し易くなり、ま
た、透水性が高くなりすぎ、保水性が不足することか
ら、気孔率は90%以下であることが好ましい。
【0023】また、セラミック多孔体の気孔のうち、開
気孔の割合(以下「開気孔率」と称す。)が少な過ぎる
と、十分な保水性及び植物の根が入り込むための隙間を
確保し得ないため、セラミック多孔体の開気孔率は50
%以上であることが好ましい。開気孔率はセラミック多
孔体の比重、その他の物性との関係から特に70〜10
0%であることが好ましい。
【0024】また、セラミック多孔体の連続気孔の気孔
径は、過度に小さいと植物の根が入り込み難く、大きい
と透水性が高くなり過ぎ、保水性が不足するため、連続
気孔の気孔径は10Å〜3mmであることが好ましい。
この気孔径は植物の根の入り易さの点からは0.1mm
以上とするのが好ましいが、吸湿や保水性の面からは1
0Å以上で良い。
【0025】以下に、このような比重0.4〜0.8、
気孔率50%以上、開気孔率50%以上で、連続気孔の
気孔径が10Å〜3mmのセラミック多孔体をSi
、Al及びCaOを主成分とする原料を70
0〜1200℃の温度で焼成、発泡させて製造する方法
の一例を説明する。
【0026】SiO、Al及びCaOを主成分
とする原料としては、SiO30〜50重量%、Al
10〜20重量%及びCaO20〜40重量%含
むもの、具体的には、ゴミ、下水汚泥、産業廃棄物など
の焼却灰を溶融してガラス化したスラグガラス、鋳鉄ス
ラグ、高炉スラグ、鋳物スラグ、非鉄金属スラグ、石炭
灰、真珠岩、黒曜石、頁岩などの加熱発泡性のある無定
形ガラス系材料や金属精錬あるいは金属溶融時に発生す
るガラス質のスラグ、または天然原料等を用いることが
できるが、本発明では、特に、廃棄物の有効利用の観点
から、下水汚泥や都市ゴミ、又は産業廃棄物の焼却で多
量に発生する焼却灰(以下「ゴミ焼却灰」と称す。)を
溶融ガラス化して得られたスラグガラスや金属精錬ある
いは金属溶融時に発生するガラス質のスラグの粉砕物と
粘土との混合物を用いるのが好ましい。
【0027】即ち、これらのスラグガラスの粉砕物と粘
土及び必要に応じて発泡を促進させる添加剤を混合し、
更に水を添加混練して得られた混練物を700〜120
0℃の温度域で焼成すると、焼成過程において、含有さ
れるガス物質や酸化還元反応に伴うガス成分の放出、更
にはガラス相の高温条件下での軟化の促進によって発泡
が始まり、温度の上昇に伴ってこの発泡量は急激に増加
し、連続気孔を有するセラミック多孔体が得られる。
【0028】このようにスラグガラスと粘土との混合物
を焼成することによる発泡反応機構の詳細は次の通りで
ある。
【0029】ゴミ焼却灰から製造されたスラグガラス
や、金属精錬、溶融時に発生するガラス質のスラグは、
基本的には還元状態での溶解のために、製造されたガラ
ス内部に酸化鉄(FeO)からなる微小な粒子が多く含
まれている。また、ゴミ焼却灰の溶解では、通常のガラ
ス溶解のような清澄過程を経ていないので、ガラス中に
は多量の溶存ガスが含まれている。
【0030】このように酸化鉄を多く含むスラグガラス
を加熱すると、高温状態では2FeO→2Fe+O
反応が促進され(Feは更に高温になるとガラス中に溶
け込んでしまう)、ガラス内部の微小な酸化鉄粒子の周
囲に酸素ガスからなる気泡が多く形成される。また、7
00℃以上の高温状態では、ガラス自身の粘度が軟化す
るために、スラグガラス中に多量に含まれる溶存ガスが
気泡として発生して、900℃以上ではそれらが泡とな
って大きく成長してくる。
【0031】さらに、特願2000−232738号に
述べられているように、還元条件下で形成された多くの
スラグガラスには炭化鉄(FeCやFeC)に代表
される鉄化合物が形成されている。即ち、これらの鉄化
合物は、スラグガラスを製造する際に還元条件下で溶融
を行うことによって、酸化鉄などを形成せず炭素との化
合物を形成しているものである。この鉄化合物を多く含
むスラグガラスを加熱すると、高温状態での酸化作用に
より、CO或いはCOガスが気泡として発生する。
【0032】実際のスラグガラスでは、前記の発泡のメ
カニズムにおいて、複合的な要因で発泡が起こっている
と考えられる。
【0033】前述の如く、スラグガラスは、700℃以
上の高温状態では軟化が始まり、温度の上昇に伴って粘
度は急速に低下するため、これらの気泡の大きさはガラ
スの粘度の低下に伴って急速に増大する。900〜10
50℃の温度範囲に達すると、ガラスの粘度が急激に低
下するので、気泡が拡大して成長し、更にそれらが連続
して連続気孔を形成して空間となる。
【0034】また、混合された粘土に含まれる含水鉱物
のカオリン(カオリナイト)が600℃付近で脱水反応
によって無水鉱物のメタカオリンを形成するが、更に9
00℃以上の高温条件下では、スラグガラス相と反応し
て珪灰石(CaSiO)や準長石(CaAlSi
)、或いはスラグガラスの組成がSiOに富む場合
には灰長石(CaAlSi)を形成する。
【0035】これらの結晶相は、連続した気泡の壁面に
集まり、更に3次元的なネットワーク構造を形成する
が、これらの骨格が最終的な焼成品の強度を保ち、製品
に機能を付加している。
【0036】そして、この段階に到って、連続した泡が
等しい粒径分布で存在するセラミック多孔体が形成され
る。
【0037】使用されるスラグガラスは、ゴミ焼却灰の
還元溶融で製造されたものであり、このスラグガラスは
粒径1.5mm以下に粉砕して使用される。スラグガラ
スの粉砕粒径が大き過ぎると混合作業性が悪く、発泡原
料の均一混合物を得ることが困難となる。用いるスラグ
ガラスの粒径は小さいほど好ましく、特に、粒径150
0μm以下、とりわけ500μm以下の微粉であること
が好ましい。
【0038】スラグガラスと混合する粘土には特に制限
はない。即ち、使用する粘土の組成や品質は、発泡性に
殆ど影響しないため、どのような粘土であっても同様の
条件で使用することができる。
【0039】粘土の混合割合は、スラグガラス及び粘土
を混合してなる原料混合物中の割合で10〜30重量%
程度とするのが好ましい。粘土の割合が上記範囲より少
いと、セラミック多孔体に必要な強度を得ることができ
ず、多いと発泡量の大きなセラミック多孔体は得られな
い。粘土の混合割合が上記範囲であれば、得られるセラ
ミック多孔体の特性に大差は生じない。
【0040】このスラグガラスと粘土との混合物には着
色材料を添加して、得られるセラミック多孔体に任意の
色を付与しても良い。例えば、土壌と同様に茶色に着色
することができ、また、植物の種類や色に応じて緑や褐
色等に着色しても良い。
【0041】用いる着色材料としては特に制限はなく、
市販の化粧土、練込用絵具、色化粧泥、その他の顔料な
ど、後述の温度条件の焼成の過程の後に得られるセラミ
ック多孔体ことが可能な全ての品種の着色材料が挙げら
れ、これらは1種を単独で、或いは2種以上を混合して
用いることができる。
【0042】このような着色材料の添加量は、多過ぎる
とコストの増加と発色性において鮮やかさが減少する。
また、相対的に粘土添加量を減らすこととなり発泡材料
に必要な強度を得ることが困難となる。逆に、着色材料
の添加量が少ないと、十分な着色効果が得られない。従
って、着色材料は、用いる着色材料の種類及び所望とす
る着色の程度によっても異なるが、スラグガラス、粘土
及び着色材料を混合してなる原料混合物中の割合で1〜
10重量%、特に3〜5重量%の範囲で添加するのが好
ましい。
【0043】また、必要に応じて発泡量の安定化を図る
ために、更に炭酸ナトリウム及び/又はボロン系添加剤
を原料混合物中に添加しても良い。
【0044】この場合、炭酸ナトリウムとしては、実用
的にはソーダ灰が挙げられる。また、ボロン系添加剤と
しては、硼酸、硼砂、コレマナイト等があるが、好まし
くは硼酸が挙げられる。
【0045】これらの炭酸ナトリウム及び/又はボロン
系添加剤の添加量は、多過ぎると焼成後にセラミック多
孔体の周囲に炭酸ナトリウム及び/又はボロン系添加剤
の析出を生じ、また、相対的に粘土添加量を減らすこと
となりセラミック多孔体に必要な強度を得ることが困難
となる。逆に、少ないと、発泡性の向上効果が得られな
い。従って、炭酸ナトリウム及び/又はボロン系添加剤
の添加量はスラグガラスに対して3.0〜5.0重量%
の範囲で添加するのが好ましい。
【0046】このように炭酸ナトリウム及び/又はボロ
ン系添加剤を添加することにより、スラグガラスの種類
即ち発泡性の良否にかかわらず、一律の原料配合で同等
の発泡量を得ることができることが特徴であり、従っ
て、上記炭酸ナトリウム及び/又はボロン系添加剤の添
加量は用いるスラグガラスの種類にかかわらず、ほぼ一
定とすることができる。
【0047】スラグガラス及び粘土と、更に必要に応じ
て着色材料、炭酸ナトリウム及び/又はボロン系添加剤
を混合した後は、これに水を添加して混練する。この水
の添加量は、一般に、スラグガラス及び粘土等の原料混
合物に対して10.0〜20.0重量%程度とされる。
【0048】次いで、この混練物を適当な大きさの型枠
に打ち込んでプレス成形するか、押出し機で押し出し成
形するなどして成形した後、焼成炉に入れて焼成する。
この成形に当り、型枠の種類や材質、形状、成形時の圧
力等は発泡性には大きく影響しないため、任意の条件を
採用することができる。また、焼成条件としては、昇温
速度はガラスの軟化を進行させ、同時に起こる発泡を促
進させる観点から、遅い方が好ましく、用いたスラグガ
ラスの組成や生産効率を考慮して決定されるが、通常の
場合40℃/分以下、特に10〜20℃/分が好まし
い。また、最高焼成温度は用いたスラグガラスの組成に
よっても異なるが、700〜1200℃の範囲、好まし
くは900〜1100℃の範囲とする。この温度が70
0℃未満では十分に発泡が進行せず、1200℃を超え
ると高温酸化が起こり褐色に変化することと、セラミッ
ク多孔体自身の軟化が始まる。また、焼成後の冷却割れ
を防止するために急冷却とならないように降温速度5〜
50℃/分程度で焼成後の冷却を行うのが好ましい。な
お、使用する焼成炉は、上記のような焼成条件での焼成
が可能なものであれば良く、その型式には特に制限はな
い。また、加熱方式も電気、ガスのいずれでも良い。
【0049】なお、このセラミック多孔体の製造に当
り、植物の生育に必要なリン、カリウム、窒素などの栄
養分を含む原料を発泡原料に混合しておくことにより、
緑化用基盤の使用中に、これらの栄養分が植物に吸収さ
れ、植物の生育を良くすることができる。この場合、栄
養分としての原料としてはチッ素、リン酸、カリウム等
が挙げられ、これらの栄養分は全発泡原料中に1〜15
重量%の割合で配合するのが好ましい。
【0050】このような本発明の緑化用基盤で植物を栽
培するには、緑化用基盤を緑化対象現場に運び込んで、
必要に応じて保水シート又は保水マットを敷設した上に
この緑化用基盤を敷設し、緑化用基盤の表面に直接植物
の種を蒔けば良い。また、植物の苗等を植える場合に
は、緑化用基盤の表面に穴を開けるなどの加工を施して
植え付ければ良い。また、予め緑化用基盤に種や苗を植
え付けたものを現場に運び込んで敷設しても良い。
【0051】なお、このような本発明の緑化用基盤の連
続気孔に根が入り込んで活着する植物としては、芝生、
ヘデラ等のツタ類、マンネン草などの地草類、コケ類、
低花木類が挙げられる。
【0052】本発明の緑化用基盤は通常の場合、100
〜1000mm×100〜1000mm×10〜70m
m厚さの板状に成形され、建物の床面、ベランダ面、屋
根面、屋上面、壁面など、水平面に限らず、傾斜面や鉛
直面に配置して緑化を行うことができるが、本発明の緑
化用基盤は必ずしも板状とする必要はなく、図3(a)
に示す如く、立方体又は直方体形状の緑化用基盤1A
や、図3(b)に示す如く、半円柱状の緑化用基盤2B
として、緑化対象の装飾性、意匠性を高めることもでき
る。
【0053】また、本発明の緑化用基盤は、そのセラミ
ック多孔体の吸音性により、騒音低減効果も得ることが
でき、例えば、道路や線路の法面に適用した場合には、
緑化と共に、騒音防止効果を得ることができる。
【0054】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
【0055】実施例1 下記配合の発泡原料混合物に水11重量%を添加して混
練した。この混練物を型に入れて成形した後、焼成炉に
て900℃で20分保持して焼成し、比重0.55、気
孔率80%、開気孔率75%、気孔径0.1〜2mmの
気孔分布を有するセラミック多孔体を製造した。 [発泡原料混合物配合] スラグ:77重量部 粘土:23重量部 水 :13重量部
【0056】このセラミック多孔体に西洋芝の種を蒔い
て屋根に敷設したところ、セラミック多孔体の表面全体
に順調に生育した。
【0057】なお、このセラミック多孔体の残響室吸音
率を測定したところ、図4に示す如く、良好な吸音性を
示し、従って、騒音低減効果に優れることが確認され
た。
【0058】実施例2 実施例1において、発泡原料混合物に更に栄養分として
リン酸、カリを合計で5重量部配合したこと以外は同様
にしてセラミック多孔体を製造し、同様に西洋芝の種を
播いたところ、実施例1の場合よりもより順調に生育す
ることが確認された。
【0059】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の緑化用基盤
及び植栽方法によれば、次のような優れた効果が奏され
る。 連続気孔に植物の根が入り易く、根が活着した植物
が緑化用基盤と一体となり、簡単に抜け落ちることがな
い。 連続気孔の保水性、透水性で植物の生育に必要な適
度な水分を植物に供給することができる。 土壌を使用せず、自己形状保持性のセラミック多孔
体よりなるため、土壌の飛散、流出の問題はなく、ケー
スに入れたり囲いを設けたりする必要がない。 水平面のみならず、傾斜面、鉛直面の緑化にも適用
でき、また、多品種の植物を植栽できる。 軽量であるため、設置場所への重量負荷が少なく、
運搬、設置も容易である。 予め種や苗を植え付けた緑化用基盤を現場に搬入す
ることで、現場での作業工数、工期を大幅に低減でき
る。 セラミック多孔体の吸音効果で騒音の低減を図るこ
とができる。 特に、夏期において、壁面、屋根面が直射日光等に
よって暖められ、屋内にその熱が放射され、建物の空調
負荷を増大させるが、本発明の緑化用基盤を設置するこ
とによって、建物の吸収する熱量を低減でき、空調負荷
を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る緑化用基盤を示す斜
視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る緑化用基盤を示す断
面の拡大図である。
【図3】本発明の緑化用基盤の他の実施の形態を示す斜
視図である。
【図4】実施例1のセラミック多孔体の残響室吸音率測
定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1,1A,1B 緑化用基盤 2 連続気孔 3 セラミック多孔体 4 植物 4A 根 5 保水シート又はマット
フロントページの続き (72)発明者 滝川 英昭 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 岡本 健久 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 松本 誠司 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 2B022 AB02 AB04 BA01 BB02 2D044 DA15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO、Al及びCaOを主成
    分とする原料を700〜1200℃で焼成し発泡させ
    て、連続気孔を形成したセラミック多孔体よりなる緑化
    用基盤。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該セラミック多孔体
    の比重が0.4〜0.8であることを特徴とする緑化用
    基盤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該セラミック
    多孔体の気孔率が50%以上であることを特徴とする緑
    化用基盤。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、該セラミック多孔体の気孔のうちの開気孔の割合が
    50%以上であることを特徴とする緑化用基盤。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、該セラミック多孔体が植物の生育に必要な栄養分を
    含むことを特徴とする緑化用基盤。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の緑化用基盤の表層に直接植物を生育させることを特徴
    とする植栽方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、該基盤の下面に保水
    性のマット又はシートを設けることを特徴とする植栽方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7において、該基盤を道路
    又は線路沿いの法面に設けることを特徴とする植栽方
    法。
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