JPH06299152A - 人工土壌成形体 - Google Patents

人工土壌成形体

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JPH06299152A
JPH06299152A JP5121846A JP12184693A JPH06299152A JP H06299152 A JPH06299152 A JP H06299152A JP 5121846 A JP5121846 A JP 5121846A JP 12184693 A JP12184693 A JP 12184693A JP H06299152 A JPH06299152 A JP H06299152A
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JP
Japan
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water
pulp
artificial soil
perlite
silica
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Pending
Application number
JP5121846A
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English (en)
Inventor
Shoichi Ogawa
彰一 小川
Kazuo Chikabayashi
和生 親林
Hirofumi Mori
浩文 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Onoda Cement Co Ltd
Original Assignee
Onoda Cement Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06299152A publication Critical patent/JPH06299152A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05DINORGANIC FERTILISERS NOT COVERED BY SUBCLASSES C05B, C05C; FERTILISERS PRODUCING CARBON DIOXIDE
    • C05D9/00Other inorganic fertilisers

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 植物栽培用の人工土壌成形体を提供するこ
と。 【構成】 パーライトイトと、パルプ、水硬性石膏、シ
リカゾル又はシリカ−アルミナ複合ゾルと、水との混合
物を脱水成形し乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は植物栽培用の人工土壌成
形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、植物栽培用の土壌としては、土や
砂の天然土壌、頁岩、真珠岩、黒耀石、ひる石、雲母等
を焼成した人工軽量土壌が使用され、植物の成育に必要
な水分保持、養分供給、通気性確保などの機能を持たせ
ている。
【0003】人工構造物に対する植物導入のための土壌
としては、例えばコンクリートで安定化した法面など
は、土のう袋に現場で土壌を詰めコンクリート枠内に入
れて土壌流出を防ぎながら植栽を行っている。しかし土
のう袋への土壌の詰め込みに手間がかかり、建設残土を
使用する場合には植物の成育が悪かったり、また重量が
大きく施工性に問題があった。
【0004】一方、屋上、ベランダ等への植物導入には
土壌の軽量化が必要なため、パーライト等の人工軽量土
壌が使用されているが、軽いため施工時に粉塵を生じ作
業者の健康を害するばかりでなく、施工後にも風による
飛散が起こるのでマルチング等の飛散防止策が必要であ
る。またパーライト等の人工軽量土壌は傾斜地での使用
が困難なものであった。
【0005】人工軽量土壌を圧縮成形やデンプン糊、ポ
リビニールアルコール等の水溶性接着剤によって成形し
植物育成用培土として利用する方法も提案されている
が、植物に必要な通気性を確保したまま成形することは
難しく、また乾燥時にはある程度の強度が保てるもの
の、植物に必要な水分を与えて吸水させると、極端に強
度が低下し形が保てず崩れてしまうという欠点があっ
た。また塩化ビニール系接着剤、酢酸ビニール系接着剤
等の水難溶性接着剤を使用した場合には、水をはじきや
すい成形体となるので植物を生育するには不適当である
といった問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】天然の土壌は重量が大
きく、また軽量土壌は傾斜面での利用ができず、また飛
散するばかりでなく取扱いも煩わしいものである。また
軽量土壌を成形したものは、植物に必要な通気性、保水
性に問題があり、水に濡れると極端に強度が低下すると
いった問題点があったのを、本発明は重量を軽減すると
ともに取扱いを容易にし、植物の導入を簡便にし、さら
に吸水しても強度の低下が少ない植物栽培用の人工土壌
成形体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
パーライトと、パルプと、水硬性石膏、シリカゾル又は
シリカ−アルミナ複合ゾルと水との混合物を脱水成形し
乾燥してなる人工土壌成形体であり、第2の発明は、パ
ーライトと、パルプと、水硬性石膏、シリカゾル又はシ
リカ−アルミナ複合ゾルと、緩効性肥料と、水との混合
物を脱水成形し乾燥してなる人工土壌成形体であり、第
3の発明は、パーライトと、パルプと、水硬性石膏、シ
リカゾル又はシリカ−アルミナ複合ゾルと、種子と、水
との混合物を脱水成形し乾燥してなる人工土壌成形体で
あり、第4の発明は、ポット苗を植栽できるように穴を
あけた成形体としたものであり、第5の発明は、コンク
リート製法枠、コンクリート製積みブロック擁壁、コン
クート製井桁等のコンクリート製品と、前記人工土壌成
形体とを組み合わせて用いることを特徴とする緑化方法
である。
【0008】以下に、本発明を更に詳細に説明する。 (パーライト)パーライトは、真珠岩を粉砕後焼成し、
あるいはさらに焼成後にも粉砕して得られる真珠岩パー
ライトや黒耀石パーライトである。このものの粒径は1
0mm以下、好ましくは5mm以下である。また嵩比重
は0.05〜0.3、好ましくは0.1〜0.2であ
る。粒径が10mmを超えると成形体の強度が得られ
ず、また粒径が小さく嵩比重が大きいものは、吸水時の
通気性が低下するので植物の生育にとって好ましくな
い。
【0009】また、このパーライトにひる石を焼成した
バーミキュライト、頁岩を粉砕または粉砕後造粒して焼
成した膨脹頁岩、軽石、造粒焼成した珪藻土等を嵩比で
1:1まで混入して使用することができ、これにより通
気性をより良くしたり植物に必要な微量成分が供給され
るため植物の生育にとって好ましいものとなる。
【0010】さらに、パーライトだけでは生育の悪い植
物品種については、黒土、腐葉土等の天然土壌をパーラ
イトに嵩比で1:1まで混入しても良いが、この混合物
を使用して作った成形体を屋上やベランダ等で使用する
と天然土壌の流出がおこり排水口を詰まらせる可能性が
あるので注意が必要である。
【0011】(パルプ)パルプとして、針葉樹、広葉樹
のパルプ、綿パルプ、藁パルプ等が例示でき、これらパ
ルプを解繊して用いる。パルプ解繊は、水とともに0.
5〜8重量%になるようパルプ解繊機で行うか、または
乾式で解繊する。また、新聞紙、古雑誌等の故紙を解繊
したものを用いればコストを低くでき、資源の有効活用
にもなる。パルプの使用割合は、パーライトに対して1
〜20重量%、好ましくは3〜10重量%とするのがよ
い。
【0012】(水硬性石膏)水硬性石膏としては、α型
半水石膏、β型半水石膏、さらにナトリウム等の刺激剤
を添加することにより無水石膏の利用も可能である。α
型またはβ型半水石膏の使用量は、その量が少ないと成
形時にある程度の強度が得られても乾燥によって成形体
の靭性が低下するため所望の曲げ強度が得られず、また
使用量が多いと植物の生育に必要な通気性を損なうばか
りでなく成形物の重量も増加するから、パーライトに対
し10〜500重量%、好ましくは50〜200重量%
使用するのが良い。
【0013】水硬性石膏の硬化時間は、クエン酸等の硬
化調節剤により硬化時間を自由に設定でき、製造工程に
合わせることができる。また、液性が中性付近にあるた
め植物への影響は少なく、成形直後に短時間で強度が発
現するので、乾燥工程までの取扱いが容易であり、また
吸水時も強度を保ち、型崩れすることはない。
【0014】(シリカゾル、シリカ−アルミナ複合ゾ
ル)シリカゾルは、粒径3〜100nmの微小シリカを
水に分散させたコロイド液で、粒子表面のOH基がマイ
ナスに荷電し、電気二重層を形成させて粒子相互の結合
を防いで安定化しており、通常SiOとして5〜50
重量%含有するものである。シリカゾルにはアルカリ性
領域で安定化しているもの、酸性領域で安定化している
ものがあり、いずれも使用することができる。
【0015】シリカ−アルミナ複合ゾルは、シリカとア
ルミナとからなるゼオライト構造を有する微小粒子を水
に分散させたコロイド液である。
【0016】これらのゾルの使用量は、パーライトに対
してSiOとして1〜100重量%、好ましくは10
〜50重量%である。使用量が少ないと成形体の強度が
得られず、また使用量が多いと植物生育に好ましくな
い。
【0017】また、ゾルの硬化剤として硫酸、塩酸、硝
酸、リン酸、炭酸、スルファミン酸等の酸と、カリウ
ム、リチウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウ
ム等のカチオンとの塩類を添加して、電気二重層を破壊
してゲル化を促進させると、より強度のある人工土壌成
形体となる。これら硬化剤のうち、植物の肥料成分とな
るリン酸とカリウムとの塩類やカルシウム、マグネシウ
ムの塩類を添加するのが好ましい。
【0018】(製造方法)本発明の人工土壌成形物を製
造するには下記のようにするのが良いが、この方法に限
られるものではない。まずパルプを水に分散させてパル
プ液となし、そこにパーライトを添加、攪拌して水性混
合物とする。パーライトは、パルプ液に対して少しずつ
添加すればパルプ液にパーライトがよく分散し、またパ
ルプが凝集することがなく、成形体の強度が向上するの
でパルプ液に少しづつ添加するのが好ましい。
【0019】水硬性石膏、シリカゾル、シリカ−アルミ
ナ複合ゾルの添加は、パルプを水に分散させた後、ある
いはパーライトを添加した後のいずれでも良いが、パー
ライトとパルプの分散性を良くするためには、水硬性石
膏はパーライトを添加攪拌後に、シリカゾル、シリカ−
アルミナ複合ゾルはパルプを水に分散した後に添加する
のが好ましい。
【0020】水性混合物中の水の量は、パーライト容積
に対して0.2〜3倍量、好ましくは0.5〜1倍量が
良い。水性混合物中の水の量が少ないとパルプの分散が
悪くなり成形体の強度が得られず、また水の量が多いと
水性混合物中でパーライトが浮くことによる分離が起こ
るので好ましくない。
【0021】混合物は、底面又は側面に水が透過するが
水以外の原料が透過しないような孔径を有するメッシュ
を張った型枠に流し込み脱水成形する。この場合、パー
ライトが潰れない程度の圧力で加圧すると脱水成形が促
進される。水硬性石膏添加のものは100〜1000g
/cm、ゾル添加のものは10〜200g/cm
加圧するのが好ましい。また、成形時にメッシュを敷い
た底部を減圧にしたり、また遠心力により脱水を行って
もよい。
【0022】得られた成形体は脱型後乾燥する。乾燥は
40〜200℃の雰囲気下で行う。水硬性石膏添加のも
のは乾燥時に成形体の水分がなくなり、さらに長い時間
乾燥すると成形時に二水石膏となっていたものが、元の
原料である半水石膏等の水硬性石膏に戻り強度が低下す
るので含水率が2〜3%程度まで乾燥した時点ですみや
かに温度を90℃以下に下げるのが好ましい。
【0023】(緩効性肥料)限られた土壌で植物を生
育、維持させるには追肥による養分の補給が必要となる
が、本発明の人工土壌成形体製造時に、水性混合物に緩
効性肥料を添加することができる。
【0024】窒素、リン酸、カリウムの三要素のほか、
マグネシウム、マンガン、鉄、硼素、モリブデン、銅、
亜鉛などの微量成分を含有した肥料を造粒し、樹脂や生
分解性の物質でコーティングした緩効性肥料が開発され
ており、この緩効性肥料を添加しておくことによって、
植物の長期間生育、維持が可能となり、施肥の手間を省
くことができる。緩効性肥料は、水性混合物との混合性
から粒径が15mm以下、好ましくは10mm以下のも
のが良い。緩効性肥料の添加量は、肥料効果の持続時間
や各栄養素の含有比率は導入する植物の種類によって適
宜選択すべきである。
【0025】(繊維)本発明の人工土壌成形体は、各種
繊維を添加することにより、曲げ強度を向上させ、取扱
い時の破損を防ぎ、また成形体に微細な空隙を確保して
植物の生育に必要な通気性を向上させることができる。
繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフ
ィン、アラミド繊維、酢酸セルロース繊維、ガラス繊
維、ロックウール、アスベスト、セラミックス繊維、炭
素繊維などを挙げることができる。これら繊維は長さが
5〜50mmものが好ましい。繊維の添加量はパーライ
トに対して1〜10重量%とするのが好ましく、パーラ
イトを添加した後に加えて攪拌するのが良い。また、植
物生育をより良くするためにピートモスをパーライトに
対して5〜15重量%添加すると良い。
【0026】(種子)本発明の人工土壌成形体は、設置
後その表面に種子を播き発芽育成することができる。ま
たあらかじめ植物の種子を混入しておくことにより、公
園や庭といった土壌のあるところばかりでなく、建築物
の屋上、ベランダ、アトリウムあるいはコンクリート法
面、道路の側道等の緑化が簡便に行えるようになる。ま
た、育苗や農作物の栽培といった分野でも播種の手間を
省くことができるようになる。
【0027】種子を混入した人工土壌成形体の製造方法
としては、例えば厚さ20〜50mmの層厚が薄い成形
物とする場合、水性混合物中に種子を混合して成形する
のが良い。一方、ブロック状のように層厚が厚い成形体
の場合には、種子を上部に埋設することが好ましいた
め、あらかじめ種子を混入しない水性混合物を型枠に入
れた後、種子を播き、さらにその上に水性混合物を入れ
て成形するか、上部のみ種子を混入した水性混合物を流
し込んで成形するか、あるいは成形後その表面に種子を
貼り付けるのが良い。上記いずれの場合も、種子の位置
は成形体表面から20mm以内にすることが望ましい。
また、成形体の乾燥は、種子の損傷を少なくするため8
0℃以下で行うのが好ましく、減圧下で乾燥を行うこと
により、より効果的に乾燥することができる。
【0028】(ポット苗)ポット苗が丁度入る大きさの
穴があくように型枠を工夫しておけば、得られた人工土
壌成形体にポット苗の植栽を簡単に行うことができる。
しかも成形体外形を各種のコンクリート製品や緑化用プ
ランター等に合わせるようにしておけば植物の導入が容
易にできる。
【0029】(コンクリート製品との組み合わせ)本発
明の人工土壌成形体は、成形時に圧縮せずとも成形でき
強度が得られることから、植物の根の伸長に必要なブロ
ック中の通気性を損なうことなく、複雑な形の成形も可
能である。従って、植物プランターに合わせた成形やコ
ンクリート製法枠、コンクリート製井桁、コンクリート
製積みブロック擁壁、中央分離帯用コンクリートブロッ
クなどのコンクリート製品の隙間を利用して緑化する場
合に、それにあった形に簡単に成形でき、さらに植物苗
を直接植栽できるような成形が容易である。
【0030】
【作用】本発明の人工土壌成形体は、パルプがパーライ
トの間に分散して互いに絡み合い、水硬性石膏又はゾル
の作用によりパルプの絡み合いを植物に必要な通気性、
保水性を確保したまま強固にし、しかも水分吸収によっ
て型崩れもなく、かつ強度の低下を少なくする。
【0031】パーライト等の軽量土壌をパルプだけで保
形することもできるが、それだけでは強度が弱く、また
吸水によって極端に強度が低下する。乾燥時の強度維持
には水溶性接着剤の添加で解決するが、吸水によって接
着剤は溶解し強度維持は出来ない。これに比べ、水硬性
石膏は強度のある硬化体が得られるばかりでなく吸水性
もある。しかも液性が中性付近にあるため植物への影響
は少ない。成形体中の二水石膏は吸水により、それ自体
溶け出すことはなく、強度の低下も少ない。従って、水
硬性石膏を添加することにより成形体を長期間維持する
ことができる。
【0032】ゾルはパルプの間にその微小粒子が入り込
みパルプ同志の絡み付きを良くし、またパルプ間でゲル
化し、乾燥することにより微小粒子同士が強固に結合
し、接着効果を発現する。成形体はゾルの添加で吸水性
が向上し保水性を損なうことがない。さらに吸水によっ
ても水に再分散しないことから強度の低下は水溶性接着
剤使用と比較して少なく成形体を長期間維持することが
できる。
【0033】
【実施例】
実施例1 パルプとして広葉樹パルプを用い、水を加えてパルパー
で解繊してパルプ含有量4重量%のパルプ液を作った。
このパルプ液100gに水200gを加え分散させ、こ
れにパーライト(三井金属鉱業株式会社製、銘柄B)6
0gを攪拌しながら少しずつ加えた。次いでピートモス
6gとβ型半水石膏を添加して更に攪拌して水性混合物
を得た。この際のβ型半水石膏の添加量はそれぞれ30
g、60g、120g(パーライトに対し、50重量
%、100重量%、200重量%)とした。
【0034】水性混合物を、底部にメッシュ(株式会社
アスク製、商品名「ポリメッシュシート」)を敷いた型
枠(縦137mm×横100mm×高さ150mm)に
流し込み、上部から約20kg(約150g/cm
の圧力で圧縮し脱水成形した。脱型後、150℃で含水
率が3%程度まで乾燥し、80℃に降温してさらに約1
時間乾燥して嵩比重0.30〜0.54の本発明の3種
類の人工土壌成形体を得た。
【0035】これらの人工土壌成形体表面にケンタッキ
ーブルーグラスの種子をアラビアゴム5%水溶液を用い
て貼り付け、散水して成育を観察したところ、約一週間
で発芽し、その後の成育も順調であった。
【0036】一方、成形体から一定の大きさに切り出し
た試料で、曲げ強度(乾燥時曲げ強度)及び水100g
で吸水させ約1時間放置後の曲げ強度(吸水時曲げ強
度)を測定したところ、 石膏30g添加のものは、 乾燥時曲げ強度が1.30
kgf/cm 吸水時曲げ強度が0.74kgf/cm 石膏60g添加のものは、 乾燥時曲げ強度が2.82
kgf/cm 吸水時曲げ強度が1.32kgf/cm 石膏120g添加のものは、乾燥時曲げ強度が5.03
kgf/cm 吸水時曲げ強度が3.01kgf/cm と本発明の人工土壌成形体は濡れによる強度低下は少な
い。 なお石膏を添加しないものは、乾燥時曲げ強度が0.5
5kgf/cm 吸水時曲げ強度が0.09kgf/cm と濡れにより強度が極端に低下し、乾燥時の強度が本発
明品よりも劣っていた。また石膏の代わりに水溶性接着
剤としてコーンターチ2gを添加したものは、 乾燥時曲げ強度が0.78kgf/cm 吸水時曲げ強度が0.24kgf/cm であり、これまた石膏を添加した本発明品よりも乾燥
時、吸水時のいずれの強度も低かった。
【0037】実施例2 故紙30gを約0.5リットルの水でパルプ解繊機を用
いて解繊し、粒子径10〜14nm、SiO含有量約
30重量%のシリカゾル(触媒化成工業株式会社製、商
品名「SI−30」)0.3リットルとシリカゾルの硬
化剤として炭酸カリウム15g及び炭酸水素カリウム1
5gを溶解した水溶液0.7リットルとを加えて攪拌
し、パルプ液を作った。この液に粒径2.5mm以下の
真珠岩パーライト(三井金属鉱業株式会社製、銘柄B)
300g、繊維長13mmのガラス繊維(日本電気硝子
株式会社製、商品名「ASC13S−750」)5gを
加え混合して水性混合物を得た。
【0038】この水性混合物を、底部にメッシュ(株式
会社アスク製、商品名「ポリメッシュシート」)を張っ
た200mm×200mm×高さ100mmのアクリル
製型枠に流し込み、上部を約5kg(約12.5g/c
)の圧力で圧縮により脱水成形した。脱型後、12
0℃で6時間乾燥し、本発明の人工土壌成形体を得た。
人工土壌成形体を屋上に設置し、種子(雪印種苗株式会
社製、商品名「スノーミックスフラワー」)を成形体表
面に播種し、種子が流出しないように散水したところ、
約1週間で発芽し、その後の生育も良好であった。
【0039】また、得られた人工土壌成形体(嵩比重
0.23)の乾燥時曲げ強度、吸水時曲げ強度は、それ
ぞれ1.93kgf/cm、0.91kgf/cm
で、吸水による強度低下は少ないものであった。
【0040】実施例3 故紙100gを約2リットルの水でパルプ解繊機を用い
て解繊し、さらに約6リットルの水、粒子径21〜30
nm、SiO含有量約50重量%のシリカゾル(触媒
化成工業株式会社製、商品名「SI−50」)0.8リ
ットルを加えてパルプを分散させてパルプ液を作った。
これに界面活性剤(花王株式会社製、商品名「エマルゲ
ン810」)5gを添加し、ピートモス150gおよび
粒径5mm以下の真珠岩パーライト(三井金属鉱業株式
会社製、銘柄C)1.5kgを加え、さらに緩硬性肥料
(ZIPP INDUSTRIES社製、商品名「マグ
アンプK中粒」)15gを加え攪拌して水性混合物を得
た。
【0041】この混合物を、メッシュ(株式会社アスク
製、商品名「ポリメッシュシート」)を底面に敷いた縦
300mm×横200mm×高さ300mmのアクリル
製の囲いを用い、さらに中央部底にポット苗植栽用の穴
を設けるため、発泡ウレタンを下部直径105mm、上
部直径75mmの円錐台状に成形したものをメッシュに
固定した。
【0042】この型枠に混合物を流し込み、上部から約
10kg(約17g/cm)の圧力で圧縮により脱水
成形した。脱型後、120℃で12時間乾燥して、嵩比
重0.27、曲げ強度1.66kgf/cmの人工土
壌成形体を得た。この人工土壌成形体をコンクリート法
面に設置し、ポット苗植栽用穴にヘデラカナリエンシス
を植栽したところ、雨水による型崩れをおこすことなく
良好に生育した。
【0043】実施例4 故紙15gを約0.4リットルの水でパルプ解繊機を用
いて解繊して、さらに水約1リットル及び酸性シリカゾ
ル(触媒化成工業株式会社製、商品名「SN])0.2
リットルを加えてパルプを分散させてパルプ液を作っ
た。これに真珠岩パーライト(三井金属鉱業株式会社
製、銘柄C)220g、繊維長25mmのガラス繊維
(日本電気硝子株式会社製、商品名「ASC25S−4
53」)4g及びレッドトップの種子1.2gを加え混
合して水性混合物を得た。
【0044】この混合物を、底部にメッシュ(株式会社
アスク製、商品名「ポリメッシュシート」)で張った縦
200mm×横200mm×高さ100mmのアクリル
製の囲いに流し込み、上部を約5kg(約12.5g/
cm)の圧力で圧縮により脱水成形した。脱型後、減
圧下80℃で6時間乾燥し、厚さ約30mm、嵩比重
0.22、曲げ強度1.38kgf/cmの人工土壌
成形体を得た。この人工土壌成形体を屋外の天然土壌の
上に設置し散水したところ、約1週間で発芽し、その後
の生育も良好であった。また、成形体は型崩れを起こさ
なかった。
【0045】実施例5 故紙30gを約0.5リットルの水で解繊機を用いて解
繊し、さらに水約0.7リットルと、平均粒子径30n
m、固形分20重量%、珪素とアルミニウムのモル比が
約3対1のシリカ−アルミナ複合ゾル0.3リットルを
加えて撹拌してパルプ液をつくった。この液に粒径2.
5mm以下の真珠岩パーライト(三井金属鉱業株式会社
製、銘柄B)300g、繊維長13mmのガラス繊維
(日本電気硝子株式会社製、商品名「ASC13S−7
50」)5gを加え混合して水性混合物を得た。
【0046】この混合物を、底部にメッシュ(株式会社
アスク製、商品名「ポリメッシュシート」)を張った縦
200mm×横200mm×高さ100mmのアクリル
製型枠に流し込み、上部を約5kg(約12.5g/c
)で圧縮して脱水成形した。脱型後、120℃で6
時間乾燥して嵩比重0.21の人工土壌成形体を得た。
冷却後、ノシバの種子を種子吹付用粘着剤(雪印種苗株
式会社、商品名「エスフィックス」)を用いて成形体表
面に固定した。屋外に設置し散水してその成育を観察し
たところ、約10日で発芽し始め、その後の成育も良好
であった。なお、成形体を一定の大きさに切り出した資
料の曲げ強度は1.67kg/cmと強度が大きいも
のであった。
【0047】
【発明の効果】本発明の人工土壌成形体は、植物生育に
必要な水分保持、養分保持が良く、通気性があり植物の
根も良く伸長するとともに、軽量で運搬その他取扱いが
容易である。また、種子をあらかじめ含有させたり、成
形性がよいためにポット苗の植栽が容易に行える穴をあ
らかじめ設けておくこともできる。さらに、吸水による
強度の低下が少なく型崩れしないため、傾斜地などに設
置でき長期間培土として機能する。また、本発明の人工
土壌成形体は、各種構造物の緑化用基盤として有用であ
るばかりでなく、農作物の栽培にも利用できる。また板
状、シート状に成形して天然土壌の上に設置すれば、施
肥や土壌改良の必要もなく、他の雑草を抑えるマルチン
グ効果もあり、簡便に植物栽培が可能な植生基盤とな
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーライトと、パルプと、水硬性石膏、
    シリカゾル又はシリカ−アルミナ複合ゾルと、水との混
    合物を脱水成形し乾燥してなる人工土壌成形体。
  2. 【請求項2】 パーライトと、パルプと、水硬性石膏、
    シリカゾル又はシリカ−アルミナ複合ゾルと、緩効性肥
    料と、水との混合物を脱水成形し乾燥してなる人工土壌
    成形体。
  3. 【請求項3】 パーライトと、パルプと、水硬性石膏、
    シリカゾル又はシリカ−アルミナ複合ゾルと、種子と、
    水との混合物を脱水成形し乾燥してなる人工土壌成形
    体。
  4. 【請求項4】 ポット苗を植栽できるように成形した請
    求項1又は請求項2記載の人工土壌成形体。
  5. 【請求項5】 コンクリート製法枠、コンクリート製積
    みブロック擁壁、コンクート製井桁等のコンクリート製
    品と、請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一項記
    載の人工土壌成形体とを組み合わせて用いることを特徴
    とする緑化方法。
JP5121846A 1993-04-13 1993-04-13 人工土壌成形体 Pending JPH06299152A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990054101A (ko) * 1997-12-15 1999-07-15 이은석 펄라이트 분말을 이용한 경량토양 재료의 제조
JP2002191231A (ja) * 2000-12-26 2002-07-09 Nitto Boseki Co Ltd 成形培地

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JP4635338B2 (ja) * 2000-12-26 2011-02-23 日東紡績株式会社 成形培地

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