JPH10226197A - 艶消しインサートフィルムと艶消しインサート成形品の製造方法 - Google Patents

艶消しインサートフィルムと艶消しインサート成形品の製造方法

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JPH10226197A
JPH10226197A JP9044625A JP4462597A JPH10226197A JP H10226197 A JPH10226197 A JP H10226197A JP 9044625 A JP9044625 A JP 9044625A JP 4462597 A JP4462597 A JP 4462597A JP H10226197 A JPH10226197 A JP H10226197A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インサート成形品の絵柄を保護し、成形加工
時における艶消しや絵柄の劣化や、射出成形時における
絵柄の位置ズレや歪みを防止する艶消しインサートフィ
ルムと艶消しインサート成形品の製造方法を提供する。 【解決手段】 厚さ0.1mm〜0.4mmのポリカーボ
ネートフィルム3の片面に艶消しインキ層2が形成さ
れ、もう一方の面に少なくとも絵柄インキ層4が形成さ
れたことを特徴とする艶消しインサートフィルム1を、
150℃〜250℃の温度で三次元形状に成形した後、
0.5mm〜4mmの隙間の基部用空間23とゲート部
14の口部に設けた肉盛部用凹部16とからなるキャビ
ティ13を有する金型内に挿入し、次いでポリカーボネ
ート樹脂を射出成形し、艶消しインサートフィルム3の
絵柄インキ層4側に0.5mm〜4mm厚の基部と肉盛
部とを有するポリカーボネート樹脂成形品を接着させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車部品の計
器(例えばスピードメーター、ヒーターコントロールパ
ネルなど)などの艶消し表面を有する成形品を製造する
ための艶消しインサートフィルムおよび艶消しインサー
ト成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車部品の計器などの艶消し表
面を有する成形品の製造方法としては、まず、所望の三
次元形状に真空成形加工した下記(1)(2)のいずれ
かの艶消しインサートフィルムを射出成形用の金型内に
挿入して、ポリカーボネート樹脂を射出成形し、(1)
のインサートフィルムにおいてはポリカーボネートフィ
ルム側、(2)のインサートフィルムにおいては艶消し
インサートフィルムの絵柄インキ層側に、厚さ0.5m
m〜4mmの薄肉のポリカーボネート樹脂成形品を接着
させるものがある。
【0003】前記、艶消しインサートフィルムとして
は、(1)ポリカーボネートフィルムの片面に絵柄イン
キ層、艶消しインキ層が順次印刷により積層したものが
ある。あるいは、(2)型押しなどにより艶消しシボ加
工処理をした厚さ約0.5mm前後のポリカーボネート
フィルムの裏面に絵柄インキ層を印刷したものがある。
【0004】なお、ポリカーボネートフィルム及びポリ
カーボネート樹脂を用いる理由は、自動車の計器類に要
求される耐衝撃性、耐熱性及び透明性に優れた材質であ
るからである。成形品を薄肉にする理由は、軟質化、省
スペース、コストダウンなどの要求を充たすためであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(1)のイン
サートフィルムを用いた製造方法では、摩耗やひっかき
から絵柄インキ層を保護するのは艶消しインキ層だけで
あり、絵柄の耐性が悪いインサート成形品しか得られな
い。また、立ち上がりが大きく表面の凹凸が激しいイン
サート成形品を製造する場合は、真空成形加工時におい
て艶消しインキ層や絵柄インキ層が過度に引き伸ばされ
たりつぶされたりするため、インサート成形品において
はコーナー部や凹凸部などに接着した艶消しインキ層や
絵柄インキ層にクラックや透けが生じてしまう。このた
め、艶消しや絵柄が劣化したインサート成形品しか得ら
れない。
【0006】また、真空成形加工にかかる時間を短縮す
るとともに、立ち上がりが大きく表面の凹凸が激しいイ
ンサート成形品を製造可能とするためには、150℃〜
250℃の温度に保ってインサートフィルムを真空成形
加工するのが好ましいが、(2)のインサートフィルム
を用いた製造方法では、前記150℃〜250℃の温度
に保ってインサートフィルムを真空成形加工すると、ポ
リカーボネートフィルムが過度に軟化しすぎるため、艶
消しシボ加工の凹凸が溶けて消失したインサート成形品
しか得られない。また、厚さ0.5mm〜4mmの薄肉
のポリカーボネート樹脂成形品を射出成形する場合に
は、インサートフィルムと金型表面との隙間が狭いた
め、キャビティ内を流れる成形樹脂とインサートフィル
ムとの摩擦力が大きくなり、インサートフィルムの絵柄
インキ層が成形樹脂によって流されてしまう。このた
め、絵柄の位置ずれや歪みのあるインサート成形品しか
得られない。
【0007】この発明は上記の欠点を解決し、インサー
ト成形品の絵柄を十分に保護でき、成形加工時における
艶消しや絵柄の劣化や、射出成形時における絵柄の位置
ズレや歪みが防止できる艶消しインサートフィルムと艶
消しインサート成形品の製造方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、この発明の艶消しインサートフィルムは、
厚さ0.1mm〜0.4mmのポリカーボネートフィルム
の片面に艶消しインキ層が形成され、もう一方の面に少
なくとも絵柄インキ層が形成されたものとした。
【0009】以上のような目的を達成するために、この
発明の艶消しインサート成形品の製造方法は、厚さ0.
1mm〜0.4mmのポリカーボネートフィルムの片面
に艶消しインキ層が形成され、もう一方の面に少なくと
も絵柄インキ層が形成された艶消しインサートフィルム
を、150℃〜250℃の温度で三次元形状に成形した
後、0.5mm〜4mmの隙間の基部用空間とゲート部
の口部に設けた肉盛部用凹部とからなるキャビティを有
する金型内に挿入して、ポリカーボネート樹脂を射出成
形し、艶消しインサートフィルムの絵柄インキ層側に
0.5mm〜4mm厚の基部と肉盛部とを有するポリカ
ーボネート樹脂成形品を接着させるものとした。
【0010】この発明の艶消しインサート成形品の製造
方法では、肉盛部用凹部の面積が3〜100平方mm、
深さが0.5〜3mmである金型を用いてもよい。
【0011】この発明の艶消しインサート成形品の製造
方法では、三次元形状に成形した艶消しインサートフィ
ルムの外周および/または穴部の不要部を打ち抜き加工
により取り去った後に、金型内に挿入してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明についてさらに詳
しく説明する。この発明の艶消しインサートフィルム1
は、厚さ0.1mm〜0.4mmのポリカーボネートフィ
ルム3の片面に艶消しインキ層2が形成され、もう一方
の面に少なくとも絵柄インキ層4が形成されたことを基
本構成とする(図1)。
【0013】ポリカーボネートフィルム3は、透光性を
有し成形加工に適している。また、艶消しインキ層2や
絵柄インキ層4などの印刷適性も良好である。また、ポ
リカーボネートフィルム3は、剛性と弾性とを兼ね備え
ており、ゲート部15を有する固定型12と可動型11
などからなる金型内に挿入しキャビティ13内に嵌め込
めるため最適である。
【0014】ポリカーボネートフィルム3は、厚みが
0.1mm〜0.4mmのものがあるが、0.25mmが
最適である。厚みが約0.4mmより大きいと、厚さ0.
5mm〜4mmの薄肉のポリカーボネート樹脂成形品2
0を射出成形する場合には、キャビティ13内を流れる
成形樹脂15との摩擦力が大きくなり絵柄インキ層4が
流されてしまう。また、約0.1mmより薄いと、艶消
しインサートフィルム1に腰がなくなり取り扱いが困難
になるだけでなく、キャビティ13内を流れる成形樹脂
15とインサートフィルムとの摩擦力により、艶消しイ
ンサートフィルム1に簡単にシワが発生してしまうから
である。
【0015】艶消しインキ層2は、インサート成形品の
表面全体や一部に艶消し状態を表現するための層であ
る。艶消しインキ層2は、樹脂ビーズ入りの樹脂インキ
やマットインキなどを用いて形成するとよい。艶消しイ
ンキ層2は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スク
リーン印刷法などの通常の印刷法や、ロールコート法、
スプレーコート法などのコート法などにより形成する。
【0016】絵柄インキ層4は、文字や図形、記号など
を形成したり、インサート成形品表面を全体着色するた
めの層である。絵柄インキ層4は、墨色のインキを用い
て形成したベース隠蔽部6、透光性の白色、赤色、青色
などの各種インキを用いて形成した照光部7とを組み合
わせたものなどがある。絵柄インキ層4は、オフセット
印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常
の印刷法や、ロールコート法、スプレーコート法などの
コート法などにより形成する。絵柄インキ層4は、後述
するポリカーボネート樹脂からなる成形樹脂15と接着
するものであってもよい。このとき、絵柄インキ層4に
は、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ウレタン系樹脂などを混ぜ合わせるとよい。
【0017】絵柄インキ層4の上にさらに接着インキ層
5を形成してもよい。接着インキ層5は、ポリ塩化ビニ
ル酢酸ビニル共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタ
ン系樹脂からなる層である。接着インキ層5は、オフセ
ット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの
通常の印刷法や、ロールコート法、スプレーコート法な
どのコート法などにより形成する。
【0018】この発明の艶消しインサート成形品の製造
方法は、前記した艶消しインサートフィルム1を、15
0℃〜250℃の温度で三次元形状に成形加工した後、
0.5mm〜4mmの隙間の基部用空間とゲート部の口
部に設けた肉盛部用凹部16とからなるキャビティ13
を有する金型内に挿入し、次いでポリカーボネート樹脂
を射出成形し、艶消しインサートフィルム1の絵柄イン
キ層4側に0.5mm〜4mm厚の基部21と肉盛部2
2とを有するポリカーボネート樹脂成形品20を接着さ
せるものである。
【0019】まず、艶消しインサートフィルム1を、1
50℃〜250℃の温度で三次元形状に成形加工する
(図2)。成形加工とは、熱可塑性樹脂のフィルムを軟
化点以上に加熱して軟化させ、艶消しインサートフィル
ム1と真空成形型との間の空気を排気して減圧にし、艶
消しインサートフィルム1を真空成形用型に密着させて
希望の三次元形状に成形する方法やその他の熱成形など
をいう。三次元形状としては、後述する射出成形用の金
型のキャビティ13に嵌まり込む形状や合致する形状な
どがある。
【0020】加熱温度は、150℃より低いと、ポリカ
ーボネートフィルム3および艶消しインサートフィルム
1を成形可能な程度に軟化させるための時間がかかり過
ぎ、生産性が悪くなる上に、立ち上がりが大きく表面の
凹凸が激しい三次元形状に成形しにくくなる。また、2
50℃より高いと、ポリカーボネートフィルム3の厚み
が0.1mm〜0.4mmと薄いものであるため、必要以
上に軟化してシワが発生してしまう。成形加工時間の短
縮と、立ち上がりが大きく表面の凹凸が激しい三次元形
状の製品に対応するためには、220℃〜250℃の温
度に保って真空成形するのが最も好ましい。また、成形
する前に、艶消しインサートフィルム1をクランプ部材
などにより、キャビティ13の周囲で艶消しインサート
フィルム1を固定して、艶消しインサートフィルム1と
キャビティ13との間を密閉してもよい。
【0021】次に、必要により、三次元形状に成形加工
した艶消しインサートフィルム1の穴部9および/また
は外周部10等の不要部を打ち抜き加工により取り去る
(図2)。打ち抜き部分としては、例えば自動車の計器
類として組み込んだときに他の部品に隠れてしまい人目
にはつかない部分や、射出成形用の金型に挿入するとき
や型閉めするときに邪魔になる得る部分、あるいは、成
形樹脂成形品が接着した後では成形品のリブが邪魔をし
て切り取りにくい部分などがある。また、艶消しインサ
ートフィルムの打ち抜き部分は、金型内への挿入時に金
型の凸部などに打ち抜き部分を引っ掛けることにより位
置合わせが容易となる。打ち抜きは、通常金属板などを
打ち抜く場合に用いる油圧プレスや機械プレスなどのプ
レス成形金型で行うと、立ち上がりが大きく表面の凹凸
が激しい三次元など形状の艶消しインサートフィルムで
も容易に打ち抜きができる。打ち抜きの機構は、真空成
形用の金型の雄型と雌型とのクリアランスを艶消しイン
サートフィルム1の厚みより薄くして、真空成形用の金
型の雄型と雌型との型閉め時の型締め力により打ち抜く
機構がある。
【0022】次に、ゲート部14の口部に設けた肉盛部
用凹部16と0.5mm〜4mmの隙間の基部用空間2
3とからなるキャビティ13を有する金型内に挿入する
(図3)。金型は、樹脂を射出するゲート部14を有す
る固定型12と可動型11などからなり、固定型12と
可動型11とが型閉めされることによってキャビティ1
3が形成されるものである。キャビティ13は、0.5
mm〜4mm厚の基部21と肉盛部22とを有する成形
品を成形できる空間である。肉盛部用凹部16は、その
正面から見たときの面積が3〜100平方mm、深さが
0.5〜3mmであるものが好ましい。肉盛部用凹部1
6を正面から見た形状は、円形や四角形などがある。
【0023】次に、金型を型閉めして、ゲート部14か
らキャビティ13にポリカーボネート樹脂からなる成形
樹脂15を射出成形し、艶消しインサートフィルム1の
絵柄インキ層4側に、厚さ0.5mm〜4mmの基部2
1と肉盛部22とを有するポリカーボネート樹脂成形品
20を接着させる(図4)。ポリカーボネート樹脂成形
品20を冷却した後、型開きして、艶消しインサート成
形品20を取り出す。艶消しインサート成形品20とし
ては、例えば、上に突出した三次元形状で遮光部19と
照光部18とを有するボタン部を有し、ボタン部とボタ
ン部との間の一部ではインサートフィルムが打ち抜かれ
たものが接着したものがある(図5)。 この艶消しイ
ンサート成形品20は、艶消しインサート成形品20の
背後に位置させた光源からの光を照光部18では透過さ
せ、遮光部19では遮蔽させてもちいられる。ポリカー
ボネート樹脂を用いる理由は、自動車の計器類に要求さ
れる耐衝撃性、耐熱性及び透明性が優れた材質であるか
らである。
【0024】
【実施例】以下の条件でカーヒーターコントロールパネ
ルを製造した。ポリカーボネートフィルムは、0.25
mm厚(GEプラスチック(株)社製品名 レキサン)
を用いた。絵柄インキ層は、アクリル系市販インキ(東
洋インキ(株)社製 SS−NSA)を用い、墨色イン
キで膜厚7μmのベース隠蔽部、透光性の白色インキで
「社名」等の文字照光部(遮光性の青色インキ押さえ有
り)、透光性の赤色インキで「暖房」文字照光部(遮光
性の白色インキ押さえ有り)、透光性の青色インキで
「冷房」文字照光部(遮光性の白色インキ押さえ有り)
を形成した。艶消しインキ層は、アクリル系市販インキ
(東洋インキ(株)社製 SS−NSA)10部に粒径
20μmのウレタンビーズ1部の割合で配合したインキ
で形成した。フィルムの成形加工は、250℃のヒータ
ーでポリカーボネートフィルムを加熱しながら、1.5
気圧の真空吸引力でカーヒーターコントロールパネルの
表面形状に真空成形した。プレス金型により、真空成形
加工されたポリカーボネートフィルムの外周の部分を打
ち抜いた。この艶消しインサートフィルムを、ゲート部
の口部に設けた肉盛部用凹部と3mmの隙間の基部用空
間とを有するキャビティが形成可能な金型内に挿入し成
形温度255℃〜285℃、金型温度40℃〜70℃
で、ポリカーボネート樹脂(バイエル(株)社製FCR
−2405)を成形樹脂として成形した。金型のゲート
部の口部に設けた肉盛部用凹部は、直径1cmの円形で
2mmの深さに設定した。これにより、艶消しインサー
トフィルムの絵柄インキ層側に2.5mm厚の基部と2
mmの肉盛部とを有するポリカーボネート樹脂成形品を
接着させた製品であるカーヒーターコントロールパネル
を得た。
【0025】
【発明の効果】この発明では、ポリカーボネートフィル
ムの片面に艶消しインキ層が形成され、もう一方の面に
少なくとも絵柄インキ層が順次形成された艶消しインサ
ートフィルムを用いるので、製造される艶消しインサー
ト成形品は、絵柄インキ層が、艶消しインキ層とポリカ
ーボネートフィルムとの両方によって上から覆われたか
たちとなり、摩耗やひっかきから絵柄インキ層が保護さ
れ、絵柄の耐性が向上する。
【0026】また、立ち上がりが大きく表面の凹凸が激
しいインサート成形品を製造する場合でも、この発明で
は、絵柄インキ層はポリカーボネートフィルムの内側で
締めつけられることとなるため、絵柄インキ層は過度に
引き伸ばされることはなく、成形品のコーナー部などに
おいてクラックや透けが生じなくなる。また、この発明
では、ポリカーボネートフィルムの内側に絵柄インキ層
が存在するため、艶消しインキ層や絵柄インキ層の伸び
率が小さくなりクラックや透けが生じなくなる。また、
艶消しインキ層が劣化したとしても、ポリカーボネート
フィルムが緩衝材の役目を果たし、艶消しインキ層に生
じるクラックや透けなどの影響が、絵柄インキ層に及び
にくくしている。このため、艶消しも絵柄も劣化なしの
インサート成形品が得られる。
【0027】また、150℃〜250℃の温度に保って
インサートフィルムを成形加工した場合でも、この発明
ではインサートフィルムはシボではなく艶消しインキ層
を有するため、艶消し部に耐熱性があり、艶消し凹凸が
消失せず、成形加工にかかる時間を短縮できるととも
に、立ち上がりが大きく表面の凹凸が激しいインサート
成形品にも艶消しが十分に表現できる。
【0028】また、厚さ0.5mm〜4mmのポリカー
ボネート樹脂成形品を射出成形する場合でも、この発明
では、厚さ0.1mm〜0.4mmのポリカーボネートフ
ィルムを用いた艶消しインサートフィルムを用いるた
め、基部用空間における成形樹脂が通る隙間が広くと
れ、キャビティ内を流れる成形樹脂とインサートフィル
ムとの摩擦力が小さくなり、インサートフィルムの絵柄
インキ層が成形樹脂によって流されてしまうことがな
い。このため、絵柄の位置ずれや歪みのない美麗なイン
サート成形品を得ることができる。
【0029】また、厚さ0.5mm〜4mmのポリカー
ボネート樹脂成形品を射出成形する場合でも、この発明
では、ゲート部の口部に設けた肉盛部用凹部を有する金
型を用いた場合は、ゲート部に対応したキャビティの空
間が広くとれ、この空間のためにキャビティ内を流れる
成形樹脂とインサートフィルムとの摩擦力が小さくな
り、インサートフィルムの絵柄インキ層が成形樹脂によ
って流されてしまうことがない。このため、絵柄の位置
ずれや歪みのない美麗なインサート成形品を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の艶消しインサートフィルムの一実
施例を示す断面図である。
【図2】 この発明の艶消しインサート成形品の製造工
程の一つを示す断面図である。
【図3】 この発明の艶消しインサート成形品の製造工
程の一つを示す断面図である。
【図4】 この発明の艶消しインサート成形品の製造工
程の一つを示す断面図である。
【図5】 この発明の製造方法によって得られる艶消し
インサート成形品を示す断面図である。
【符号の説明】
1 艶消しインサートフィルム 2 艶消しインキ層 3 ポリカーボネートフィルム 4 絵柄インキ層 5 接着インキ層 6 ベース隠蔽部 7 照光部 8 打ち抜き部 9 穴部 10 外周部 11 可動型 12 固定型 13 キャビティ 14 ゲート部 15 成形樹脂 16 肉盛り部用凹部 17 艶消しインサート成形品 18 照光部 19 遮光部 20 ポリカーボネート樹脂成形品 21 基部 22 肉盛部 23 基部用空間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ0.1mm〜0.4mmのポリカーボ
    ネートフィルムの片面に艶消しインキ層が形成され、も
    う一方の面に少なくとも絵柄インキ層が形成されたこと
    を特徴とする艶消しインサートフィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の艶消しインサートフィ
    ルムを、150℃〜250℃の温度で三次元形状に成形
    した後、0.5mm〜4mmの隙間の基部用空間とゲー
    ト部の口部に設けた肉盛部用凹部とからなるキャビティ
    を有する金型内に挿入し、次いでポリカーボネート樹脂
    を射出成形し、艶消しインサートフィルムの絵柄インキ
    層側に0.5mm〜4mm厚の基部と肉盛部とを有する
    ポリカーボネート樹脂成形品を接着させることを特徴と
    する艶消しインサート成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 肉盛部用凹部の面積が3〜100平方m
    m、深さが0.5〜3mmである金型を用いる請求項2
    に記載の艶消しインサート成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 三次元形状に成形した艶消しインサート
    フィルムの外周部および/または穴部の不要部を打ち抜
    き加工により取り去った後に、艶消しインサートフィル
    ムを金型内に挿入する請求項2または3に記載の艶消し
    インサート成形品の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001139705A (ja) * 1999-11-18 2001-05-22 Teijin Chem Ltd 寸法安定性の優れたインサート成形用ポリカーボネート樹脂フィルム
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