JP2001139705A - 寸法安定性の優れたインサート成形用ポリカーボネート樹脂フィルム - Google Patents

寸法安定性の優れたインサート成形用ポリカーボネート樹脂フィルム

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JP2001139705A
JP2001139705A JP32858199A JP32858199A JP2001139705A JP 2001139705 A JP2001139705 A JP 2001139705A JP 32858199 A JP32858199 A JP 32858199A JP 32858199 A JP32858199 A JP 32858199A JP 2001139705 A JP2001139705 A JP 2001139705A
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roll
film
resin film
insert molding
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Koji Maeda
幸治 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インサート成形等の用途に好適でかつ高温時
に低伸縮性である寸法安定性に優れたインサート成形用
ポリカーボネート樹脂フィルムとその成形品を提供す
る。 【解決手段】 加熱温度が160℃の時、巾方向の加熱
伸縮率と押出方向の加熱伸縮率が特定条件範囲にある寸
法安定性の優れたインサート成形用ポリカーボネート樹
脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は寸法安定性に優れた
インサート成形用ポリカーボネート樹脂フィルムに関す
る。さらに詳しくはインサート成形用途に好適でかつ高
温時に低伸縮性である寸法安定性に優れたインサート成
形用ポリカーボネート樹脂フィルムとその成形品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は安価で軽量かつ
透明性、成形性、光学特性、耐熱性加工性、機械的強度
に優れている等の特長を生かして種々の分野で幅広く使
用されかつポリカーボネート樹脂フィルムとしても使用
されており該フィルムに印刷や熱成形、真空成形、イン
サート成形、金属蒸着、スパッタリング等に幅広く利用
されているが近年、印刷や熱成形等の加工技術の進歩に
伴い生産速度が速く、かつ加工条件も厳しくなってい
る。
【0003】従来、ポリカーボネート樹脂フィルムは印
刷等の銘板用途では該ポリカーボネート樹脂のガラス転
移点以下での加熱伸縮率は問題にされないでいたが、熱
成形やインサート成形等の如く高温の樹脂と接触する用
途では一時的に該ポリカーボネート樹脂フィルムがガラ
ス転移点近傍以上の高温に加熱されるため約−35%〜
+15%の伸縮が生じまた押出方向と巾方向で伸縮率が
異なるので該ポリカーボネート樹脂フィルムが歪んで波
打ちやたるみによる皺又は成形品に反りが生じるなどし
て成形後の製品外観が著しく損なわれて歩留まりが大幅
に低下するという問題が発生していた。
【0004】一方、熱可塑性樹脂成形物を均質化する方
法としては熱処理する方法が一般的に知られている。即
ち、従来の製造方法で得られたポリカーボネート樹脂フ
ィルムを枚葉に切断しガラス転移点以上の温度で熱処理
することで加熱伸縮率の小さい該フィルムを得ることは
既に知られているがこの方法はフィルム製造装置以外に
大掛かりな熱処理設備が必要である点とバッチ式になる
為生産性が低く経済性にも難があり工業的に有用とはい
えなかった。
【0005】それに伴って、二次成形時の再加熱によっ
ても熱収縮が少なく、成形品の寸法精度を向上させるポ
リカーボネートシートの製造方法についても提案がなさ
れている。例えば、特開平6−344417号公報には
複数個の鏡面冷却ロール(ポリシングロール)において
各ロールの温度制御および該ロール間へ導入する際シー
トを加熱する方法が提案されている。しかしながら、こ
の方法ではロール温度が高くシートがロールに取られる
などシーティングの制御が難しく冷却したシートを再度
高温加熱するため経済的に難があり、またこの方法で得
られたシートは板厚が0.1〜0.5mmの場合加熱伸
縮率が大きいため、熱成形やインサート成形等に使用す
る場合収縮分を見込んで材料シートを切断することさら
に最終的に目的寸法が得られるようにしても、収縮分が
一定しないために製品の歩留まりが悪いという問題点が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は連続生
産工程によりガラス転移点近傍以上の高温に加熱しても
加熱時および加熱処理後の伸縮が小さく耐熱性も兼ね備
え、インサート成形用に用いた時、皺の発生、成形物の
反りのない寸法安定性に優れたインサート成形用ポリカ
ーボネート樹脂フィルムを提供することにある。
【0007】本発明者は、従来の技術を解決すべく鋭意
検討した結果ポリカーボネート樹脂を溶融してフィルム
状に押出し複数個の冷却ロールを使用して該フィルムを
製造する際に、冷却時の温度及び引取による延伸で二次
成形時に収縮が起こることに着目し、溶融ポリカーボネ
ート樹脂を冷却ロールの第1ロールと中央の第2ロール
の間に供給しながら当該2本のロールで圧延または中央
の第2ロールに密着させてから他端の第3ロールの間隙
を通過させてから引き取るロールの回転速度と温度をあ
る範囲に制御すれば、上記課題を達成し得ることを見出
し、更に検討を重ねた結果本発明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、加熱温度が1
60℃の時の加熱伸縮率が下記式(1)〜(3) 0.3≦STD/SMD≦3 …(1) −5.0≦STD≦−0.2 …(2) −5.0≦SMD≦−0.2 …(3) [式中、STDは巾方向の加熱伸縮率(%)、SMDは押出
方向の加熱伸縮率(%)]を満足することを特徴とする
寸法安定性の優れたインサート成形用ポリカーボネート
樹脂フィルムに係るものである。
【0009】更に本発明は回転中心軸が平行で同一平面
上にある位置関係にありかつ接近して配置した3本の冷
却ロールを用いポリカーボネート樹脂フィルムを製造す
る方法において溶融ポリカーボネート樹脂を上記冷却ロ
ールの第1ロールと中央の第2ロールの間に供給しなが
ら当該2本のロールで圧延または中央の第2ロールに密
着させてから他端の第3ロールの間隙を通過させてから
引取るに際し第2ロールに対する第3ロールの回転速度
を1.001〜1.015倍にすることを特徴とする寸
法安定性に優れたポリカーボネート樹脂フィルムにも係
わる。
【0010】また本発明は前記3本の冷却ロールの温度
は第1ロールが130〜145℃、第2ロールが135
〜150℃、第3ロールが145〜155℃にすること
によって製造されることを特徴とする寸法安定性に優れ
たポリカーボネート樹脂フィルムにも係わる。
【0011】また本発明は前記のいずれかに記載したの
寸法安定性に優れたポリカーボネート樹脂フィルムで厚
みが0.1〜0.5mmであることを特徴とするインサ
ート成形用ポリカーボネート樹脂フィルムにも係わる。
【0012】また本発明はポリカーボネート樹脂をイン
サート成形する際に金型内に、インサートするフィルム
としては前記に記載したポリカーボネート樹脂フィルム
を使用することを特徴とするポリカーボネート樹脂のイ
ンサート成形品にも係わる。
【0013】本発明のインサート成形用ポリカーボネー
ト樹脂フィルムは、加熱温度が160℃での巾方向の加
熱伸縮率(%)STDと押出方向の加熱伸縮率(%)SMD
の比が下記式(1)を満足するものである。 0.3≦STD/SMD≦3 …(1) このSTD/SMDの比が上記比を満足することは、インサ
ート成形時に縦・横の加熱伸縮率の比がほぼバランス状
態に保たれ、収縮応力の偏りが起こらず、均一な応力が
フィルムにかかる。それ故、インサート成形時のフィル
ム皺の発生を抑止でき、インサート成形品の外観が良好
になる。一方、この範囲を逸脱すると収縮応力に偏りが
でき、得られるフィルムの押出方向または巾方向のうち
一方で縮みがさらに他方向は伸びが発生する等の伸縮バ
ランスが崩れ、インサート成形品の外観が不良(皺の発
生)になる。このSTD/SMDの比は0.4〜2が好まし
く、0.5〜1.1がより好ましい。
【0014】また、STDとSMDは各々下記式(2)また
は(3)を満足するものである。 −5.0≦STD≦−0.2 …(2) −5.0≦SMD≦−0.2 …(3) STDとSMDが適度な加熱伸縮率をもつことで、インサー
ト成形中に発生した収縮応力がフィルムを適度な緊張状
態に保持することができる。この加熱伸縮率が−5.0
%より小さくなると収縮が大きく、外観不良が発生す
る。また−0.2%を越えると、加熱によりフィルムが
伸びるため、外観不良が発生し実用に供し難くなり、本
発明の課題が達成されない。
【0015】本発明で使用されるポリカーボネート樹脂
は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮
合法または溶融法で反応させて得られるものである。二
価フェノールの代表的な例としては2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノール
A]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン等が挙げられ、なかでもビスフェノー
ルAが好ましい。これらの二価フェノールは単独または
2種以上を混合して使用できる。
【0016】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等
が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げ
られる。
【0017】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を界面重縮合法または溶融法によって反応させてポリカ
ーボネート樹脂を製造するに当っては、分子量調整剤、
触媒等を必要に応じて使用することができる。更に、ポ
リカーボネート樹脂には、必要に応じて添加剤例えば多
価アルコールと脂肪酸のエステルまたは部分エステル等
の離型剤、亜リン酸エステル、リン酸エステル、ホスホ
ン酸エステル等の熱安定剤、ベンゾトリアゾール系、ア
セトフェノン系、サリチル酸エステル等の紫外線吸収
剤、帯電防止剤、着色剤、増白剤、難燃剤等を配合して
も良い。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官
能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹
脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン
酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であって
もよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以
上を混合した混合物であってもよい。
【0018】ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平
均分子量(M)で10,000〜100,000が好ま
しく、15,000〜35,000がより好ましい。か
かる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、
十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好
であり好ましい。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メ
チレン100mLにポリカーボネート樹脂0.7gを2
0℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に
挿入して求めたものである。 ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]
は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0019】本発明のポリカーボネート樹脂フィルムを
製造するには、Tダイから押出した溶融ポリカーボネー
ト樹脂を、挟持加圧若しくは片面タッチ方式の複数個の
鏡面冷却ロールで冷却してフィルムに成形する。その厚
さは0.05〜0.5mmのポリカーボネート樹脂フィ
ルムに対して使用される。この際使用する装置としては
特別な装置である必要はなく、製膜、フィルムまたはシ
ートの製造に使用される装置が任意に採用される。本発
明を図により説明する。図1は本発明の方法を実施する
に適したフィルムの製造装置の一例を示す概略図であ
る。図中の1はTダイス、2は第1冷却ロール、3は第
2冷却ロール、4は第3冷却ロール、5は一対の引取ロ
ールであり、第1〜第3冷却ロールはいずれもその表面
は鏡面仕上げになっており、その内部には熱媒体が循環
し、温度を制御できるようになっている。
【0020】まず溶融ポリカーボネート樹脂をTダイス
1からシート状に押出すこの際の溶融押出しには格別の
条件を必要とせず、通常のポリカーボネート樹脂のシー
トの溶融押出し条件が任意に採用される。次いで押出さ
れたシート状物は、そのままの状態で第1冷却ロール2
と第2冷却ロール3との間に供給しながら当該2本のロ
ールで圧延または中央の第2冷却ロール3に密着させて
から他端の第3ロール4に受け継がれた後、一対の引取
ロール5によって引取られる。
【0021】この際、第2冷却ロール3に対する第3冷
却ロール4の回転速度を1.001〜1.015倍にす
ることが必要である。第2冷却ロール3に対する第3冷
却ロール4の回転速度を1.001倍より小さくすると
冷却が緩やかに進行するが速度が遅いため良好なシーテ
ィングができなくなり、1.015倍より大きくすると
引取速度が速くなるのでシーティングは良好になるが該
ポリカーボネート樹脂フィルムは押出方向に延伸作用が
働くため、二次成形時押出方向の加熱伸縮が大きくな
り、巾方向の加熱伸縮とバランスが崩れ実用に供し難く
なるためである。
【0022】さらに、前記第1冷却ロール2の温度は1
30〜145℃、第2冷却ロール3の温度は135〜1
50℃、第3冷却ロール4の温度は145〜155℃に
設定する必要がある。ポリカーボネート樹脂は260〜
280℃で押出されるのに対して、各冷却ロール2〜4
の温度がそれぞれ130℃、135℃、145℃未満で
は冷却が速すぎて熱収縮が大きくなり、また各冷却ロー
ルの温度が145℃を超えると十分に冷却されないため
冷却ロールに取られてシーティングできない。なお、こ
れら第1〜3冷却ロール2〜4の温度制御は、従来のロ
ール温度制御手段により容易に行える。
【0023】本発明の上記ポリカーボネート樹脂フィル
ムは、インサート成形する際に、金型内にインサートす
るフィルムとして好適に使用することができる。かかる
フィルムは、通常、少なくとも片面を表面加工して使用
される。この表面加工としては、例えばハードコート加
工、防曇加工、帯電防止加工、無反射加工、プライマー
加工、印刷、スタンピング、蒸着、スパッタリング等が
あげられ、加工層は単一であっても複層であってもよ
い。蒸着、スパッタリング以外のこれらの層の厚さは一
般に0.1〜20μmである。片面を加工されたフィル
ムの場合は加工された面(両面加工の場合は所望の面)
を金型表面側にし、フィルムをセッテングする。次いで
熱可塑性樹脂を射出して成形する。
【0024】かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポ
リアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、
ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステル樹脂、非晶性ポリアリレート樹
脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル/スチレン共
重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/
スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリレート
樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げら
れる。
【0025】更に本発明の上記ポリカーボネート樹脂フ
ィルムは、特に成形用のポリカーボネート樹脂をインサ
ート成形する際に、金型内にインサートするフィルムと
して好適に使用することができる。ポリカーボネート樹
脂は通常280℃以上の成形温度で射出成形されること
から、金型内にインサートするフィルムにおいても高度
な耐熱性が要求され、上記寸法安定性に優れたポリカー
ボネート樹脂フィルムは高温時の加熱伸縮率も小さく好
ましく採用され、また、該フィルムの厚みは0.1〜
0.5mmの範囲が好ましく、特に0.2〜0.4mm
の範囲であることが好ましい。
【0026】本発明で製造されるポリカーボネート樹脂
フィルムは、その特性を生かして電気部品、建材部品、
自動車部品等に広く利用され、具体的には各種窓材即ち
一般家屋、体育館、野球ドーム、車両(建設機械、自動
車、バス、新幹線、電車車両等)等の窓材のグレージン
グ製品、また各種側壁板(スカイドーム、トップライ
ト、アーケード、マンションの腰板、道路側壁板)、各
種銘板、写真カバー、水槽用ポリカーボネート樹脂積層
板、プロジェクションテレビやプラズマディスプレイの
前面板やフレンネルレンズ用途等に有用である。特に、
片面をハードコート加工されたフィルムの場合は、車両
(建設機械、自動車、バス、新幹線、電車車両等)等の
窓材のグレージング製品用途に有用である。また、表面
を印刷したフィルムの場合は、銘板用途に好適である。
【0027】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。なお、実施例中の評価は下記に示す方法で従った。 (1)加熱伸縮率 JIS K 6735の加熱伸縮率試験法を準用し、1
60℃×40分の加熱条件で行った。 (2)インサート成形後の外観 実施例で得られたインサート成形後の成形品の外観に変
化が無い場合を○、インサートフィルムが歪んで波打ち
やたるみによる皺又は成形品に反りが生じる等外観が損
なわれる場合を×で表示した。
【0028】[実施例1〜3及び比較例1]図1に示す
装置を設けた押出機によりポリカーボネート樹脂フィル
ムを製造した。図中1は幅1250mmのTダイス、
2,3及び4は直径300mmの第1〜第3冷却ロー
ル、5は引取ロールである。
【0029】ビスフェノールAとホスゲンから溶液法に
より製造した粘度平均分子量24、500のポリカーボ
ネート樹脂を図1に示した製造装置によりスクリュー径
120mmのTダイリップの付いた押出機にて温度約2
80℃で押出し、幅1000mmで連続的に押出し、第
2冷却ロールに対する第3冷却ロールの速度比、第1〜
第3冷却ロールのそれぞれの温度を表1記載の通りに設
定して冷却させながらポリカーボネート樹脂フィルムを
成形し、引取ロールにより引取りフィルムを得た。得ら
れたフィルムに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサンとホスゲンとを通常の界面重縮合反
応させて得られたポリカーボネート樹脂(比粘度0.8
95、Tg175℃)30部、染料としてPlast
Red 8370(有本化学工業製)15部、溶剤とし
てジオキサン130部を混合した印刷用インキで印刷し
た。この印刷フィルムを射出成形金型内に装着し、ポリ
カーボネート樹脂ペレット(パンライトL−1225
帝人化成製)を用いて310℃の成形温度でインサート
成形し、銘板を得た。得られたフィルムの物性値、イン
サート成形後の成形品の外観を評価し、表1にその結果
を示した。
【0030】
【表1】
【0031】[実施例4]実施例3において、印刷され
たフィルムの代わりに、8μm厚さのハードコート層を
有するフィルムを用いた以外は、実施例3と同様に行
い、自動車用窓を成形した。この窓ガラスは、耐擦過性
もよく光線透過率も良好であった。
【0032】
【発明の効果】本発明の寸法安定性に優れたポリカーボ
ネート樹脂フィルムは、フィルムの縦・横の加熱伸縮率
とその比を特定範囲にすること、即ち、適度な加熱伸縮
率をもつことで、成形中に発生した収縮応力によりフィ
ルムを緊張状態に保持することができ、縦・横の加熱伸
縮率の比をほぼバランス状態に特定することで、応力の
偏りが起こらず、均一な応力がフィルムにかかるので適
度で均一な応力の発生により、インサート成形時のフィ
ルム皺の発生を抑止できるので、インサートフィルムと
して好適に用いられ、インサート成形による射出成形品
に極めて有用であり、その工業的効果は格別のものがあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルム製造装置の概念図。
【符号の説明】
1 Tダイス 2 第1冷却ロール 3 第2冷却ロール 4 第3ロール 5 一対の引取ロール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱温度が160℃の時の加熱伸縮率が
    下記式(1)〜(3)を満足する寸法安定性の優れたイ
    ンサート成形用ポリカーボネート樹脂フィルム。 0.3≦STD/SMD≦3 …(1) −5.0≦STD≦−0.2 …(2) −5.0≦SMD≦−0.2 …(3) [式中、STDは巾方向の加熱伸縮率(%)、SMDは押出
    方向の加熱伸縮率(%)]
  2. 【請求項2】 回転中心軸が平行で同一平面上にある位
    置関係にありかつ接近して配置した3本の冷却ロールを
    用いポリカーボネート樹脂フィルムを製造する方法にお
    いて溶融ポリカーボネート樹脂を上記冷却ロールの第1
    ロールと中央の第2ロールの間に供給しながら当該2本
    のロールで圧延または中央の第2ロールに密着させてか
    ら他端の第3ロールの間隙を通過させてから引取るに際
    し第2ロールに対する第3ロールの回転速度の1.00
    1〜1.015倍にすることによって製造された請求項
    1記載の寸法安定性の優れたインサート成形用ポリカー
    ボネート樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 前記3本の冷却ロールの温度は第1ロー
    ルが130〜145℃、第2ロールが135〜150
    ℃、第3ロールが145〜155℃にすることによって
    製造された請求項1記載の寸法安定性の優れたインサー
    ト成形用ポリカーボネート樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリカーボネート樹脂フィルムの厚みが
    0.1〜0.5mmである請求項1〜3記載のいずれか
    1項記載の寸法安定性の優れたインサート成形用ポリカ
    ーボネート樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート樹脂を用いてインサー
    ト成形品を製造する際に、金型内にインサートするフィ
    ルムが請求項1〜4のいずれか1項記載の寸法安定性の
    優れたインサート成形用ポリカーボネート樹脂フィルム
    であることを特徴とするポリカーボネート樹脂インサー
    ト成形品。
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