JPH10225676A - プラスチック系廃棄物の炉原料化方法及び設備 - Google Patents

プラスチック系廃棄物の炉原料化方法及び設備

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JPH10225676A
JPH10225676A JP4728197A JP4728197A JPH10225676A JP H10225676 A JPH10225676 A JP H10225676A JP 4728197 A JP4728197 A JP 4728197A JP 4728197 A JP4728197 A JP 4728197A JP H10225676 A JPH10225676 A JP H10225676A
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granular
chlorine
furnace
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陽二 大垣
Shigeki Yamazaki
茂樹 山崎
Yoichi Yoshinaga
陽一 吉永
Mikiyuki Asano
幹之 浅野
Minoru Asanuma
稔 浅沼
Yasushi Akiyasu
慶志 秋保
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  • Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物たるプラスチック類を、その形態等に
拘りなく且つ塩素含有プラスチック類による問題を生じ
ることなく高炉用等の炉原料化すること 【解決手段】 プラスチック系廃棄物をフィルム系プラ
スチック類をを含む軽量の廃棄物[x]と、固形物系プ
ラスチック類を含む中重量の廃棄物[y]と、実質的に
プラスチック類を含まない重量のある廃棄物[z]とに
自動分別する工程aと、前記廃棄物[x]から塩素含有
プラスチック類を分離除去した後、粒状の炉原料に加工
処理する工程bと、前記廃棄物[y]から塩素含有プラ
スチック類を分離除去した後、粒状または小片状の炉原
料に加工処理する工程cと、前記工程b及び工程cで分
離除去された塩素含有プラスチック類を脱塩素処理した
後、粒状または小片状の炉原料に加工処理する工程d
と、前記工程dの脱塩素処理により生じた塩化水素を処
理する工程eとからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック類
(特に、一般廃棄物としてのプラスチック類)を主体と
する廃棄物を高炉やスクラップ溶解炉等の炉原料(特
に、鉄源の還元剤)に加工・処理するための原料化方法
及びその実施に供される設備に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業廃棄物や一般廃棄物としてプ
ラスチック等の合成樹脂類が急増しており、その処理が
大きな問題となっている。なかでも高分子系の炭化水素
化合物であるプラスチックは燃焼時に発生する熱量が高
く、焼却処理した場合に焼却炉を傷めるために大量処理
が困難であり、その多くがごみ埋立地等に投棄されてい
るのが現状である。しかし、プラスチック類の投棄は環
境対策上好ましくなく、その大量処理方法の開発が切望
されている。
【0003】このような背景の下、プラスチック類を高
炉等の原料や補助燃料として用いる方法が、欧州特許公
開公報第0622465A1号及び特公昭51−334
93号公報に示されている。これらの方法は、プラスチ
ック類の粉砕物を羽口等から高炉内に燃料として吹き込
むもので、例えば前者においては、炉内に吹き込まれる
プラスチック粉砕物の実質的な条件として、粒径1〜1
0mm、嵩密度0.35以上という条件が示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らが実験と検討を重ねた結果、プラスチック類を高炉
の吹込み原料として使用する場合、次のような解決すべ
き問題点があることが明らかとなった。産業廃棄物や一
般廃棄物として廃棄されるプラスチック類を形態別に見
た場合、概ねプラスチック容器(例えば、プラスチック
ボトル)等の固形物系プラスチック類とフィルム系プラ
スチック類とに大別され、このうち後者のフィルム系プ
ラスチック類も廃棄プラスチック類全体の中で相当量を
占めている。
【0005】しかし、フィルム系プラスチック類の粉砕
物は搬送性や流動性が極めて悪く、炉原料として用いる
際の取扱い性に大きな問題があることが判明した。すな
わち、プラスチック類を鉄源の還元剤として高炉に吹き
込む場合、通常、貯留サイロ等に貯留されたプラスチッ
ク類の粉砕物を切り出して高炉に気送供給する方法が採
られるが、フィルム系プラスチック類は流動性が極めて
悪いため、これを相当量含んだプラスチックの粉砕物は
貯留サイロでブリッジ(棚つり)を生じやすく、このた
め貯留サイロからのプラスチック粉砕物の定量切り出し
ができなくなるトラブルが多発し、さらにフィルム系プ
ラスチック類が貯留サイロの切出部や気送管内(特に、
曲管部やバルブ周辺)で詰まりを生じ、高炉への気送供
給が不能になるなどのトラブルも多発する、という重大
な問題があることが判明した。
【0006】したがって、このような問題を解決しない
限りフィルム系プラスチック類を高炉等の吹込み原料と
して使用することは事実上不可能であり、加えてフィル
ム系プラスチック類が廃棄プラスチック類全体の中で相
当の割合を占める状況を考えると、フィルム系プラスチ
ック類の利用を可能としない限り、廃棄物たるプラスチ
ック類の大量処理と有効利用というメリットは失われる
ことになる。
【0007】また、一般廃棄物や産業廃棄物としてのプ
ラスチック類に含まれるポリ塩化ビニル等の塩素含有プ
ラスチック類の割合は平均的に15%前後にも達すると
言われているが、このようなプラスチック類を高炉等に
原料として吹き込んだ場合、塩素含有プラスチック類の
熱分解によって多量の塩化水素が発生し、環境汚染の問
題を生じさせる。一方、廃棄プラスチック類中の割合が
15%にも達する塩素含有プラスチック類を単に他のプ
ラスチック類から分別し、これを廃却(埋立て処理等)
したのでは、上述したフィルム系プラスチック類の場合
と同様、廃棄プラスチック類の大量処理と有効利用とい
うメリットが失われてしまう。したがって廃棄プラスチ
ック類の炉原料化を実現するためには、塩化水素ガスの
発生という問題を生じさせることなく塩素含有プラスチ
ック類の炉原料化を達成することが不可欠であると考え
られる。
【0008】また、高炉に原料としてプラスチック類を
吹き込むためには、燃焼性等を確保するため粉砕処理し
たプラスチックを用いる必要があるが、処理コストの面
から粉砕できる粒径には限度があり、このため従来技術
に示されるように粒径1〜10mm程度が細粒化の限界
となる。しかし、固形物系のプラスチック類をこの程度
の粒径に粉砕したものは高炉内での燃焼性が十分に得ら
れない場合があり、このため未燃焼のプラスチックがベ
ットコークス内で融着して炉内の通気性を著しく阻害
し、高炉の操業に支障をきたすおそれがある。
【0009】さらに、固形物系のプラスチック類を粉砕
処理したものは不規則で角ばった形状をしているため、
1〜10mm程度の粒径のものでは貯留サイロから切り
出す際の排出性や高炉に気送する際の流動性、搬送性が
悪く、サイロの切出部や気送管系の途中で詰りを生じ易
いという問題もあることが判明した。したがって、従来
技術で提案されているように単にプラスチックを1〜1
0mm程度の粒径に粉砕して崇密度の高い粒状体に加工
し、これを高炉に吹き込むということだけでは、廃棄物
たるプラスチックを工業規模で高炉等の吹込み原料とし
て利用することは極めて難しい。
【0010】したがって本発明の目的は、このような従
来技術の問題を解決し、廃棄物たるプラスチック類をそ
の形態等に拘りなく、しかも塩素含有プラスチック類に
よる問題を生じることなく、高炉やスクラップ溶解炉等
の炉原料に加工処理することができる原料化方法を提供
することにある。また本発明の他の目的は、炉に供給さ
れるプラスチック類の搬送性や燃焼性を効果的に高める
ことができる原料化方法を提供することにある。さらに
本発明の他の目的は、そのような廃棄プラスチック類の
原料化に好適な設備を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような課題を達成す
るための本願発明の構成は以下の通りである。 [1] プラスチック類を主体とした廃棄物を受け入れ、こ
れをフィルム状プラスチック類を主体としたプラスチッ
ク類を含む軽量物からなる廃棄物[x]と、固形状プラ
スチック類を主体としたプラスチック類を含む中重量物
からなる廃棄物[y]と、実質的にプラスチック類を含
まない重量物からなる廃棄物[z]とに自動分別する工
程aと、分別された前記廃棄物[x]から少なくとも主
要な塩素含有プラスチック類を分離除去した後、粒状の
炉原料に加工処理する工程bと、分別された前記廃棄物
[y]から少なくとも主要な塩素含有プラスチック類を
分離除去した後、粒状または小片状の炉原料に加工処理
する工程cと、前記工程b及び工程cで分離除去された
塩素含有プラスチック類を脱塩素処理した後、粒状また
は小片状の炉原料に加工処理する工程dと、前記工程d
の脱塩素処理により生じた塩化水素を処理する工程eと
からなり、前記工程bは少なくとも、前記廃棄物[x]
を破砕処理する工程と、該工程を経たプラスチック類か
ら少なくとも主要な塩素含有プラスチック類を分離除去
する工程と、該工程を経たプラスチック類を溶融または
半溶融化させた後固化させることにより減容固化された
粒状の炉原料を得る工程とからなり、前記工程cは少な
くとも、廃棄物[y]から少なくとも主要な塩素含有プ
ラスチック類を分離除去する工程と、該工程を経たプラ
スチック類を破砕処理し、粒状または小片状の炉原料を
得る工程とからなり、前記工程dは少なくとも、工程b
及び工程cで分離除去された塩素含有プラスチック類を
脱塩素処理する工程と、該工程を経たプラスチック類を
粒状または小片状の炉原料に加工処理する工程とからな
ることを特徴とするプラスチック系廃棄物の炉原料化方
法。
【0012】[2] プラスチック類を主体とした廃棄物を
受け入れ、これをフィルム状プラスチック類を主体とし
たプラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]
と、固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類
を含む中重量物からなる廃棄物[y]と、実質的にプラ
スチック類を含まない重量物からなる廃棄物[z]とに
自動分別する工程aと、分別された前記廃棄物[x]を
脱塩素処理した後、粒状または小片状の炉原料に加工処
理する工程bと、分別された前記廃棄物[y]から少な
くとも主要な塩素含有プラスチック類を分離除去し、粒
状または小片状の炉原料に加工処理する工程cと、前記
工程cで分離除去された塩素含有プラスチック類を脱塩
素処理した後、粒状または小片状の炉原料に加工処理す
る工程dと、前記工程b及び工程dの脱塩素処理により
生じた塩化水素を処理する工程eとからなり、前記工程
bは少なくとも、前記廃棄物[x]を破砕処理する工程
と、該工程を経たプラスチック類を脱塩素処理する工程
と、該工程を経たプラスチック類を粒状または小片状の
炉原料に加工処理する工程とからなり、前記工程cは少
なくとも、廃棄物[y]から少なくとも主要な塩素含有
プラスチック類を分離除去する工程と、該工程を経たプ
ラスチック類を破砕処理し、粒状または小片状の炉原料
を得る工程とからなり、前記工程dは少なくとも、前記
工程cで分離除去された塩素含有プラスチック類を脱塩
素処理する工程と、該工程を経たプラスチック類を粒状
または小片状の炉原料に加工処理する工程とからなるこ
とを特徴とするプラスチック系廃棄物の炉原料化方法。
【0013】[3] プラスチック類を主体とした廃棄物を
受け入れ、これをフィルム状プラスチック類を主体とし
たプラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]
と、固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類
を含む中重量物からなる廃棄物[y]と、実質的にプラ
スチック類を含まない重量物からなる廃棄物[z]とに
自動分別する工程aと、分別された前記廃棄物[x]を
粒状の炉原料に加工処理する工程bと、分別された前記
廃棄物[y]から少なくとも主要な塩素含有プラスチッ
ク類を分離除去した後、粒状または小片状の炉原料に加
工処理する工程cと、前記工程cで分離除去された塩素
含有プラスチック類を脱塩素処理した後、粒状または小
片状の炉原料に加工処理する工程dと、前記工程dの脱
塩素処理により生じた塩化水素を処理する工程eとから
なり、前記工程bは少なくとも、前記廃棄物[x]を破
砕処理する工程と、該工程を経たプラスチック類を溶融
または半溶融化させた後固化させることにより減容固化
された粒状の炉原料を得る工程とからなり、前記工程c
は少なくとも、廃棄物[y]から少なくとも主要な塩素
含有プラスチック類を分離除去する工程と、該工程を経
たプラスチック類を破砕処理し、粒状または小片状の炉
原料を得る工程とからなり、前記工程dは少なくとも、
前記工程cで分離除去された塩素含有プラスチック類を
脱塩素処理する工程と、該工程を経たプラスチック類を
粒状または小片状の炉原料に加工処理する工程とからな
ることを特徴とするプラスチック系廃棄物の炉原料化方
法。
【0014】[4] プラスチック類を主体とした廃棄物を
受け入れ、これをフィルム状プラスチック類を主体とし
たプラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]
と、固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類
を含む中重量物からなる廃棄物[y]と、実質的にプラ
スチック類を含まない重量物からなる廃棄物[z]とに
自動分別する工程aと、分別された前記廃棄物[x]か
ら少なくとも主要な塩素含有プラスチック類を分離除去
した後、粒状の炉原料に加工処理する工程bと、分別さ
れた前記廃棄物[y]を粒状または小片状の炉原料に加
工処理する工程cと、前記工程bで分離除去された塩素
含有プラスチック類を脱塩素処理した後、粒状または小
片状の炉原料に加工処理する工程dと、前記工程dの脱
塩素処理により生じた塩化水素を処理する工程eとから
なり、前記工程bは少なくとも、前記廃棄物[x]を破
砕処理する工程と、該工程を経たプラスチック類から少
なくとも主要な塩素含有プラスチック類を分離除去する
工程と、該工程を経たプラスチック類を溶融または半溶
融化させた後固化させることにより減容固化された粒状
の炉原料を得る工程とからなり、前記工程cは少なくと
も、廃棄物[y]を破砕処理し、粒状または小片状の炉
原料を得る工程からなり、前記工程dは少なくとも、前
記工程bで分離除去された塩素含有プラスチック類を脱
塩素処理する工程と、該工程を経たプラスチック類を粒
状または小片状の炉原料に加工処理する工程とからなる
ことを特徴とするプラスチック系廃棄物の炉原料化方
法。
【0015】[5] プラスチック類を主体とした廃棄物を
受け入れ、これをフィルム状プラスチック類を主体とし
たプラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]
と、固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類
を含む中重量物からなる廃棄物[y]と、実質的にプラ
スチック類を含まない重量物からなる廃棄物[z]とに
自動分別する工程aと、分別された前記廃棄物[x]を
脱塩素処理した後、粒状または小片状の炉原料に加工処
理する工程bと、分別された前記廃棄物[y]を粒状ま
たは小片状の炉原料に加工処理する工程cと、前記工程
bの脱塩素処理により生じた塩化水素を処理する工程e
とからなり、前記工程bは少なくとも、前記廃棄物
[x]を破砕処理する工程と、該工程を経たプラスチッ
ク類を脱塩素処理する工程と、該工程を経たプラスチッ
ク類を粒状または小片状の炉原料に加工処理する工程と
からなり、前記工程cは少なくとも、廃棄物[y]を破
砕処理し、粒状または小片状の炉原料を得る工程からな
ることを特徴とするプラスチック系廃棄物の炉原料化方
法。
【0016】[6] プラスチック類を主体とした廃棄物を
受け入れ、これをフィルム状プラスチック類を主体とし
たプラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]
と、固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類
を含む中重量物からなる廃棄物[y]と、実質的にプラ
スチック類を含まない重量物からなる廃棄物[z]とに
自動分別する工程aと、分別された前記廃棄物[x]を
粒状の炉原料に加工処理する工程bと、分別された前記
廃棄物[y]を粒状または小片状の炉原料に加工処理す
る工程cとからなり、前記工程bは少なくとも、前記廃
棄物[x]を破砕処理する工程と、該工程を経たプラス
チック類を溶融または半溶融化させた後固化させること
により減容固化された粒状の炉原料を得る工程とからな
り、前記工程cは少なくとも、廃棄物[y]を破砕処理
し、粒状または小片状の炉原料を得る工程からなること
を特徴とするプラスチック系廃棄物の炉原料化方法。
【0017】[7] 上記[1]〜[6]の原料化方法において、
工程aにおいて、プラスチック類を主体とした廃棄物を
1回の分別処理により廃棄物[x]と廃棄物[y]と廃
棄物[z]とに自動分別することを特徴とするプラスチ
ック系廃棄物の炉原料化方法。 [8] 上記[1]〜[6]の原料化方法において、工程aにおい
て、プラスチック類を主体とした廃棄物を、フィルム状
プラスチック類を主体としたプラスチック類を含む軽量
物からなる廃棄物[x]と固形状プラスチック類を主体
としたプラスチック類を含む中重量物および重量物から
なる廃棄物[y+z]とに自動分別した後、該廃棄物
[y+z]を廃棄物[y]と廃棄物[z]とに自動分別
することを特徴とするプラスチック系廃棄物の炉原料化
方法。
【0018】[9] 上記[1]〜[8]の原料化方法において、
工程aが少なくとも、プラスチック類を主体とする廃棄
物が入れられた袋体を破袋する工程と、該工程を経た廃
棄物中から磁気選別により鉄系廃棄物を分離除去する工
程と、該工程を経た廃棄物を廃棄物[x]と廃棄物
[y]と廃棄物[z]とに自動分別する工程とからなる
ことを特徴とするプラスチック系廃棄物の炉原料化方
法。 [10] 上記[1]〜[9]の原料化方法において、工程aにお
ける廃棄物の自動分別を風力選別により行うことを特徴
とするプラスチック系廃棄物の炉原料化方法。 [11] 上記[1]〜[9]の原料化方法において、工程aにお
ける廃棄物の自動分別を揺動選別により行うことを特徴
とするプラスチック系廃棄物の炉原料化方法。
【0019】[12] 上記[8]の原料化方法において、工程
aにおいて、プラスチック類を主体とした廃棄物の廃棄
物[x]と廃棄物[y+z]への自動分別を揺動選別に
より行い、続く廃棄物[y+z]の廃棄物[y]と廃棄
物[z]への自動分別を風力選別または揺動選別により
行うことを特徴とするプラスチック系廃棄物の炉原料化
方法。 [13] 上記[1]〜[3]の原料化方法において、工程cが少
なくとも、廃棄物[y]から少なくとも主要な非プラス
チック系廃棄物を分離除去する工程と、該工程を経た廃
棄物から少なくとも主要な塩素含有プラスチック類を分
離除去する工程と、該工程を経たプラスチック類を破砕
処理し、粒状または小片状の炉原料に加工する工程とか
らなることを特徴とするプラスチック系廃棄物の炉原料
化方法。
【0020】[14] 上記[1]または[4]の原料化方法にお
いて、工程bにおける塩素含有プラスチック類の分離除
去工程では、塩素含有プラスチック類と他のプラスチッ
ク類との比重差を利用した湿式分離法により塩素含有プ
ラスチック類の分離除去を行うことを特徴とするプラス
チック系廃棄物の炉原料化方法。 [15] 上記[1]〜[3]の原料化方法において、工程cにお
ける塩素含有プラスチック類の分離除去工程では、プラ
スチック類に光を照射し、該照射光のうちの特定波長の
赤外線または近赤外線の吸収により塩素含有プラスチッ
ク類を他のプラスチック類から判別し、塩素含有プラス
チック類を分離除去することを特徴とするプラスチック
系廃棄物の炉原料化方法。
【0021】[16] 上記[1]〜[6]の原料化方法におい
て、少なくとも、工程bで得られた粒状の炉原料と工程
cで得られた粒状または小片状の炉原料とを混合し、こ
の混合物を炉の吹き込み原料として用いることを特徴と
するプラスチック系廃棄物の炉原料化方法。 [17] 上記[1]〜[6]の原料化方法において、工程b、工
程cおよび工程dで得られる粒状または小片状の炉原料
が、嵩密度0.30以上、安息角40°以下であること
を特徴とするプラスチック系廃棄物の炉原料化方法。 [18] 上記[16]の炉原料の混合物を炉に気送供給し、炉
内に吹き込むことを特徴とする炉への原料供給方法。
【0022】[19] プラスチック類を主体とした廃棄物
を受け入れ、これをフィルム状プラスチック類を主体と
したプラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]
と、固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類
を含む中重量物からなる廃棄物[y]と、実質的にプラ
スチック類を含まない重量物からなる廃棄物[z]とに
自動分別するための選別設備Aと、分別された前記廃棄
物[x]から少なくとも主要な塩素含有プラスチック類
を分離除去した後、粒状の炉原料に加工処理するための
処理ラインBと、分別された前記廃棄物[y]から少な
くとも主要な塩素含有プラスチック類を分離除去した
後、粒状または小片状の炉原料に加工処理するための処
理ラインCと、前記処理ラインB及び処理ラインCで分
離除去された塩素含有プラスチック類を脱塩素処理した
後、粒状または小片状の炉原料に加工処理するための処
理ラインDと、前記処理ラインDの脱塩素処理により生
じた塩化水素を処理するための塩化水素処理設備Eとか
らなり、前記処理ラインBは、前記廃棄物[x]を破砕
するための破砕装置と、該破砕装置で破砕されたプラス
チック類から塩素含有プラスチック類を分離除去するた
めの分離除去装置と、該分離除去装置を経たプラスチッ
ク類を溶融または半溶融化させた後固化させることによ
り減容固化された粒状の炉原料に加工処理するための粒
状固化装置と有し、前記処理ラインCは、廃棄物[y]
から塩素含有プラスチック類を分離除去するための分離
除去装置と、該分離除去装置を経たプラスチック類を破
砕処理し、粒状または小片状の炉原料とするための加工
装置とを有し、前記処理ラインDは、前記処理ラインB
及び処理ラインCで分離除去された塩素含有プラスチッ
ク類を脱塩素処理するための塩素除去装置と、該塩素除
去装置を経たプラスチック類を粒状または小片状の炉原
料に加工処理するための加工装置とを有することを特徴
とするプラスチック系廃棄物の炉原料化設備。
【0023】[20] 上記[19]の炉原料化設備において、
廃棄物[x]を脱塩素処理した後、粒状または小片状の
炉原料に加工処理するための処理ラインB´を備え、該
処理ラインB´は少なくとも、プラスチック類を脱塩素
処理するための塩素除去装置と、該塩素除去装置を経た
プラスチック類を粒状または小片状の炉原料に加工処理
するための加工装置とを有することを特徴とするプラス
チック系廃棄物の炉原料化設備。
【0024】[21] 上記[19]または[20]の炉原料化設備
において、処理ラインBにおいて、破砕装置を経たプラ
スチック類を分離除去装置を経ることなく粒状固化装置
に供給可能とした搬送経路を設けたことを特徴とするプ
ラスチック系廃棄物の炉原料化設備。 [22] 上記[19]〜[21]の原料化設備において、処理ライ
ンCにおいて、該ラインに受け入れられた廃棄物[y]
を分離除去装置を経ることなく破砕装置に供給可能とし
た搬送経路を設けたことを特徴とするプラスチック系廃
棄物の炉原料化設備。
【0025】ここで、本発明のプラスチック原料化工程
に対するフィルム状プラスチック類を主体とするプラス
チック類(以下、“フィルム系プラスチック類”とい
う)と固形状プラスチック類を主体とするプラスチック
類(以下、“固形物系プラスチック類”という)の供給
量は、廃棄物という性質上、経時的にある程度のバラツ
キを生じることがあり、比較的短時間に限った場合に
は、いずれか一方の種類のプラスチック類しか供給され
ない場合も考えられる。このような場合には、工程aで
分別され、且つ工程b、工程cで処理されるプラスチッ
ク類が一時的にフィルム系プラスチック類または固形物
系プラスチック類のいずれか一方になることもあり得る
が、本発明の原料化方法はこのような場合も含むもので
あることは言うまでもない。本発明法により原料化され
たプラスチックは、高炉やスクラップ溶解炉に限らず、
プラスチック類を原料として使用することができるあら
ゆる種類の炉(例えば、燃料炉等)に用いることができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の廃棄プラスチック類の原
料化方法は、廃棄プラスチック類中におけるフィルム系
プラスチック類の存在がプラスチックの炉原料としての
利用を事実上不可能にしているという上記知見に基づ
き、炉原料に供すべきプラスチック類を、フィルム系プ
ラスチック類と固形物系プラスチック類とに分別し、こ
れらをそれぞれ異なる工程で炉原料(特に、気送用固体
原料)に適した粒状物に加工処理することを基本的な特
徴としている。
【0027】また、特にフィルム系プラスチック類につ
いては、これを特定の方法で加工した場合に流動性、搬
送性及び燃焼性に極めて優れた粒状プラスチック材が得
られること、またこのような粒状プラスチック材を固形
物系プラスチック類等の粉砕物と混合することにより、
プラスチック材全体の流動性、搬送性及び燃焼性を著し
く高めることができることを知見し、これら知見に基づ
き構成された原料方法を他の特徴としている。さらに、
特に粒状プラスチック材の貯留サイロからの排出性や気
送管内での搬送性を高度に確保する観点からは、粒状プ
ラスチック材の安息角を特定の数値範囲にすることが不
可欠であることを見出し、かかる知見に基づき構成され
た原料化方法を他の特徴としている。
【0028】図1は本発明の第一の原料化方法の一実施
形態を示すフローチャートである。図1に示す原料化方
法は、プラスチック類を主体とした廃棄物(以下、“プ
ラスチック系廃棄物”という)を、フィルム系プラスチ
ック類を含む廃棄物、固形物系プラスチック類を含む廃
棄物及び重量のある非プラスチック系廃棄物にそれぞれ
分別するための工程aと、分別されたフィルム系プラス
チック類を加工処理するための工程bと、同じく分別さ
れた固形物体系プラスチック類を加工処理するための工
程cと、前記工程b及び工程cで分離除去された塩素含
有プラスチック類を処理するための工程dと、この工程
dで生じた塩化水素を処理するための工程eとからな
る。
【0029】前記工程aでは、分別(選別)工程a1
おいてプラスチック系廃棄物をフィルム系プラスチック
類を含む軽量物からなる廃棄物[x]と、固形物系プラ
スチック類を含む中重量物からなる廃棄物[y]と、実
質的にプラスチック類を含まない重量物からなる廃棄物
[z]とに自動分別する。ここで、軽量物からなる廃棄
物[x]中のフィルム系プラスチック類の中には、通
常、シート状または袋状等のプラスチックフィルム(例
えばこの中には、ゴミ収集袋等も含まれる)、比較的薄
肉のプラスチック固形物(例えば、プラスチック製容
器、トレー等)等が含まれる。また、これ以外にも発泡
スチロール等の発泡性プラスチックの一部または全部、
プラスチック以外としては紙、布、金属箔等も含まれる
可能性がある。
【0030】また、中重量物からなる廃棄物[y]中の
固形物系プラスチック類の中には、通常、プラスチック
ボトル(例えば、PETボトル)、プラスチックケース
や他のプラスチック製品(例えば、容器、玩具)等のプ
ラスチック固形物が含まれる。またこれ以外にも、前記
廃棄物[x]に分別されなかった発泡性プラスチック、
プラスチック以外として紙、布、金属箔、比較的軽量の
金属材(例えば、薄肉の金属板、アルミ缶)等も含まれ
る可能性がある。また、重量物からなる廃棄物[z]中
には、通常、ビン等のガラス製品、スチール缶等の比較
的重量のある金属材等が含まれる。
【0031】工程a1におけるプラスチック系廃棄物の
上記廃棄物[x]、廃棄物[y]及び廃棄物[z]への
自動分別は、1回の分別処理により行っても、また複数
回の分別処理により行ってよい。例えば後者の場合に
は、図2に示すようにプラスチック系廃棄物を、第一の
分別処理工程a1′で軽量物からなる廃棄物[x]と中
重量物および重量物からなる廃棄物[y+z]とに自動
分別した後、この廃棄物[y+z]を第二の分別処理工
程a1″で廃棄物[y]と廃棄物[z]とに自動分別す
る方法が採られる。
【0032】プラスチック系廃棄物を上記のように自動
分別する方法は特に限定されないが、代表的な方法とし
ては風力選別方式と揺動選別方式を挙げることができ
る。このうち風力選別方式は廃棄物に空気を吹付け、そ
の気流に随伴して飛行する廃棄物の飛行距離が廃棄物の
重量、重量/容積比、重量/面積比によって異なること
を利用して廃棄物の分別を行うもので、気流による飛行
距離が異なる軽量物(例えば、前記廃棄物[x])と中
重量物(例えば、前記廃棄物[y])と重量物(例え
ば、前記廃棄物[z])の別に、或いは軽量物(例え
ば、前記廃棄物[x])と中重量・重量物(例えば、前
記廃棄物[y+z])の別にそれぞれ専用の回収手段を
設け、各廃棄物を分別回収する方法であり、その具体例
については後に詳述する。
【0033】また、前記揺動選別方式は長手方向で傾斜
して設置され、且つ揺動可能な反発板を用い、この反発
板上に装入される廃棄物の重量差を利用して廃棄物の分
別を行うものである。この方式では、反発板をその傾斜
方向と上下方向(板厚方向)で揺動させつつ、反発板上
に廃棄物を装入すると、例えば、中重量・重量物(例え
ば、前記廃棄物[y+z])は傾斜した反発板に沿って
下側方向に落下して反発板の一端側から排出され、一
方、軽量物(例えば、前記廃棄物[x])は傾斜した反
発板の上方向に徐々に移動し、反発板の他端側から排出
される。また、同様の原理で、例えば、軽・中重量物
(例えば、前記廃棄物[x+y])と重量物(例えば、
前記廃棄物[z])との分別、中重量物(例えば、前記
廃棄物[y])と重量物(例えば、前記廃棄物[z])
との分別も可能である。この揺動選別方式の具体例につ
いても後に詳述する。
【0034】また、この揺動選別方式と風力選別方式を
組み合わせることにより、軽量物、中重量物および重量
物の分別が可能である。この方式では、反発板上の廃棄
物に下方向から空気を吹き付けることにより軽量物(例
えば、前記廃棄物[x])のみを吹き飛ばして専用の回
収手段により回収し、一方、重量物(例えば、前記廃棄
物[z])については傾斜した反発板に沿って下側方向
に落下させて反発板の一端側から排出させ、また、中重
量物(例えば、前記廃棄物[y])については傾斜した
反発板の上方向に徐々に移動させ、反発板の他端側から
排出させるものである。この方式の具体例についても後
に詳述する。なお、上記のように反発板上の廃棄物に下
方向から空気を吹き付けるには、反発板に多数の貫通小
孔を設け、反発板の下側からこの貫通小孔を通じて空気
を吹き込むか、或いは傾斜した反発板の下方から反発板
の傾斜方向に沿って空気を吹き付ける方法等を採ること
ができる。
【0035】したがって、工程aではこれらの分別(選
別)方法を用い、1回または複数回の分別処理によりプ
ラスチック系廃棄物を上記廃棄物[x]、廃棄物[y]
及び廃棄物[z]に自動分別する。また、この自動分別
を2回の分別処理により行う場合には、まず、上記揺動
選別方式によりプラスチック系廃棄物を軽量物からなる
廃棄物[x]と中重量物および重量物からなる廃棄物
[y+z]とに自動分別した後、上記風力選別方式また
は揺動選別方式により廃棄物[y+z]を廃棄物[y]
と廃棄物[z]とに自動分別する等の方法を採ることが
できる。
【0036】また、燃えないゴミとして収集される一般
廃棄物は、通常、収集用のゴミ袋に入れられた形で本原
料化工程に搬入され、また、廃棄物の中にはスチール缶
等の鉄系廃棄物が比較的多く含まれていることことか
ら、図1の実施形態では、工程aは、プラスチック系廃
棄物が入れられた袋体(収集袋)を破袋する工程a
2と、この工程により袋体から取り出された廃棄物中か
ら磁気選別により鉄系廃棄物を分離除去する工程a
3と、この工程を経た廃棄物を自動分別する前記工程a1
とからなっている。前記工程a2の破袋処理では、例え
ばカッターにより袋体を切り裂くことで廃棄物を袋体か
ら取り出す。また、前記工程a3の磁気選別では磁石で
鉄系廃棄物を吸着し、これを廃棄物中から分離除去す
る。
【0037】前記工程bは、前記工程aで分別されたフ
ィルム系プラスチック類を含む廃棄物[x]から塩素含
有プラスチック類を分離除去した後、粒状の炉原料に加
工処理する工程であり、この工程bは少なくとも、廃棄
物[x]を破砕処理する工程b1と、この工程を経たプ
ラスチック類から少なくとも主要な塩素含有プラスチッ
ク類を分離除去する工程b2と、この工程を経たプラス
チック類を溶融または半溶融化させた後固化させること
により減容固化された粒状の炉原料を得る工程b3とか
らなっている。
【0038】前記工程b1では破砕装置により廃棄物
[x]が破砕処理されるが、この破砕処理は複数の破砕
工程で行ってもよい。前記工程b2では、フィルム系プ
ラスチック類からポリ塩化ビニル(PVC)やポリ塩化
ビニリデン(PVDC)等の塩素含有プラスチック類の
みが分離除去される。PVCやPVDC等の塩素含有プ
ラスチック類は他のプラスチックに較べて比重が大きい
ため(例えば、ポリエチレンの比重:0.91〜0.9
6、ポリプロピレンの比重:0.89〜0.91程度で
あるのに対し、PVCの比重:1.16〜1.55程
度)、通常、この工程では水等の媒体を利用した湿式分
離方式、例えば重力方式や遠心分離方式等によりプラス
チック類から塩素含有プラスチック類を分離除去する。
これら塩素含有プラスチック類の分離方式の具体例につ
いては後に詳述する。
【0039】前記工程b3では、例えば以下の〜の
何れかの方法でフィルム系プラスチック類の減容固化−
粒状化処理が行われ、プラスチックの粒状物が得られ
る。 フィルム系プラスチック類を加熱して溶融させた後
冷却して固化させ、この固化したプラスチック材を裁断
または粉砕処理することによりプラスチックの粒状物を
得る方法 フィルム系プラスチック類を加熱することにより半
溶融化させ、半溶融化したプラスチック材を急冷するこ
とにより収縮固化させ、この際、粒状に収縮固化させる
か若しくは収縮固化したプラスチック材を粉砕処理して
プラスチックの粒状物を得る方法 フィルム系プラスチック類を裁断または破砕すると
ともに、この裁断または破砕による摩擦熱により半溶融
化させ、半溶融化したプラスチック材を急冷することに
より収縮固化させ、この際、粒状に収縮固化させるか若
しくは収縮固化したプラスチック材を粉砕処理してプラ
スチックの粒状物を得る方法
【0040】 上記の方法の一態様として、フィル
ム系プラスチック類を高速回転する回転刃で裁断または
破砕するとともに、この裁断または破砕による摩擦熱に
よりプラスチック材を半溶融化させ、次いでこの半溶融
化したプラスチック材を水噴霧等によって急冷すること
により収縮固化させ、この際、粒状に収縮固化させるか
若しくは収縮固化と同時に前記回転刃により粉砕処理
し、プラスチックの粒状物を得る方法これらの方法のう
ちの方法の典型的な例は、フィルム系軽プラスチック
類を完全溶融させ、これを押出し機により線状等に押出
し成形した後、粒状に裁断することによりプラスチック
の粒状物を得る方法であるが、この他にも種々の加工方
法を採ることができる。
【0041】これに対して〜の方法はフィルム系プ
ラスチック類を完全には溶融させず、半溶融化させた状
態から水噴霧等によって急冷することにより収縮固化さ
せ、この際、粒状に収縮固化させるか若しくは収縮固化
したものを粒状に粉砕処理することによりプラスチック
の粒状物を得る方法である。本発明者らは特にこのよう
な〜の方法(とりわけの方法)で得られたプラス
チックの粒状物が、フィルム状プラスチック類の粉砕物
は言うに及ばず、固形物系プラスチック類の粉砕物に較
べてさえ非常に優れた流動性と搬送性を示し、しかも燃
焼性にも非常に優れていること、さらにはこれらを固形
物系プラスチック類の粉砕物と混合して用いることによ
り、プラスチック材全体の搬送性及び燃焼性を著しく向
上させ得ることを見出したものであり、したがって、本
発明の原料化方法においては、上記〜の方法でフィ
ルム系プラスチック類の粒状収縮固化若しくは収縮固化
−粒状化処理を行い、プラスチックの粒状物を得ること
が最も好ましい。
【0042】また、上記〜の方法においてフィルム
系プラスチック類を半溶融化する温度はプラスチックの
種類や形状等によってある程度異なり、例えば材質面だ
けからいうと低密度ポリエチレンの場合で105〜11
5℃程度、中低密度ポリエチレンの場合で128℃前後
である。したがって、プラスチック類に含まれるプラス
チック材の種類や割合、形態等に応じて、半溶融化させ
るための温度が適宜選択される。
【0043】以上のようにして得られたプラスチックの
粒状物は、破砕されたフィルム系プラスチック類を半溶
融状態から粒状に収縮固化させ若しくは収縮固化させた
後これを粉砕処理したものであるため、固形物系プラス
チック類の破砕物に較べて比較的ポーラスな性状であっ
て比表面積が大きく、しかも固形物系プラスチック類の
破砕物のように角ばった形状ではなく、全体的に見て丸
みを帯びた形状を有するため、優れた燃焼性と流動性を
示す。なお、この工程bでは、前記工程aでの磁気選別
とともに或いはこの磁気選別に代えて、前記工程b1
前の工程b4で磁気選別を実施してもよい。
【0044】前記工程cは、分別された前記廃棄物
[y]から塩素含有プラスチック類を分離除去した後、
粒状または小片状の炉原料に加工処理する工程であり、
この工程cは少なくとも、廃棄物[y]から少なくとも
主要な塩素含有プラスチック類を分離除去する工程c1
と、該工程を経たプラスチック類を破砕処理し、粒状ま
たは小片状の炉原料に加工する工程c2とからなり、ま
た、図1に示す実施形態では、前記工程c1の前で廃棄
物[y]から少なくとも主要な非プラスチック系廃棄物
を分離除去する工程、すなわち、廃棄物中から磁気選別
により鉄系廃棄物を分離除去するための工程c3とアル
ミ選別によりアルミニウム系廃棄物(アルミ缶等)を分
離除去するための工程c4が実施される。このうち工程
3の磁気選別は、前記工程aの磁気選別工程a3ととも
に或いはこの磁気選別工程a3に代えて実施することが
できる。
【0045】前記工程c1で行われる塩素含有プラスチ
ック類の分離除去では、通常、光学的な方法により塩素
含有プラスチック類を他のプラスチック類から判別し、
塩素含有プラスチック類を分離除去する方法が採られ
る。通常、塩素含有プラスチック類を他のプラスチック
類から分離除去する方法としては、上述した湿式の重力
方式や遠心分離方式があるが、工程cで処理すべき廃棄
物[y]中に含まれる固形物系プラスチック類の代表例
はプラスチックボトルであり、このプラスチックボトル
の原料としてほとんどを占めるPET(ポリエチレンテ
レフタレート)はPVCやPVDCと比重がほぼ同じで
あるため、塩素含有プラスチック類の分離除去に上記重
力方式や遠心分離方式を用いることはできない。このた
め工程c1で行われる塩素含有プラスチック類の分離除
去では、上述した光学的な方法で塩素含有プラスチック
類の判別を行うことが好ましい。
【0046】この方法を利用した塩素含有プラスチック
類の分離除去工程では、各プラスチック材に光を照射し
て反射光を検出し、照射光の特定の波長の赤外線または
近赤外線がプラスチック材に吸収された場合に、これを
塩素含有プラスチック類であると判定し、当該プラスチ
ック材を廃棄物[y]から分離除去する。このような方
法については、特開平6−210632号公報等に示さ
れた公知の判定方法を利用できる。この塩素含有プラス
チック類の分離除去工程の具体例については後に詳述す
る。前記工程c2では破砕装置により廃棄物[y]が破
砕処理され、粒状または小片状の炉原料に加工処理され
るが、この破砕処理は複数の破砕工程で行ってもよい。
【0047】また、前記工程c3の磁気選別は先に述べ
た工程aの磁気選別と同様の方法で行われる。また、工
程c4のアルミ選別は非鉄金属を選別分離することがで
きる公知の方法、例えば誘導渦電流方式による選別方法
を用いることができる。この方式は、不均一磁界内で非
鉄金属(導体)を相対的に動かすと、これに渦電流が発
生し、この電流と磁界との相互作用で導体に電磁力が発
生するという原理を利用し、廃棄物のなかからアルミニ
ウムなどの非鉄金属を自動分別(分離除去)する選別方
式であり、磁気制動力、進行磁界推力または電磁反発力
を利用する方法が知られ、また装置的には滑り台式、ベ
ルトコンベア式、振動フィーダ式、回転円筒式等が知ら
れている。これら工程c3の磁気選別と工程c4のアルミ
選別とにより、廃棄物[y]に含まれる少なくとも主要
な非プラスチック系廃棄物が分離除去される。
【0048】前記工程dは、前記工程b及び工程cで分
離除去された塩素含有プラスチック類を脱塩素処理した
後、粒状または小片状の炉原料に加工処理する工程であ
り、この工程dは少なくとも、工程b及び工程cから送
られてきた塩素含有プラスチック類を脱塩素処理する工
程d1と、この工程を経たプラスチック類を粒状または
小片状の炉原料に加工処理する工程d2とからなる。前
記工程d1における脱塩素処理は、塩素含有プラスチッ
ク類を加熱して熱分解によりプラスチックから塩素(塩
化水素)を脱離させるものであり、これにより塩素分を
実質的に含まないプラスチックが得られる。
【0049】一般にPVC等の塩素含有プラスチック類
を加熱した場合、プラスチックからの塩素(塩化水素)
の脱離は約250℃前後から始って約350℃程度で終
了し、さらに高温に加熱すると今度は炭化水素の熱分解
が始まる。したがって、上記の加熱処理は250〜35
0℃、好ましくは300〜350℃程度の温度で行うこ
と好ましい。脱塩素処理の方式に特に制約はなく、例え
ば、外部加熱によるスクリュー押し出し方式、熱分解炉
方式、流動床方式、ロータリーキルン方式等を用いるこ
とができる。これらの具体例については後に詳述する。
また前記工程d2では、脱塩素処理されたプラスチック
類を破砕装置等により粒状または小片状の炉原料に加工
処理する。この工程d2では、フィルム系プラスチック
類を脱塩素処理したものも加工処理の対象となるため、
被処理プラスチック類中に占めるフィルム系プラスチッ
ク類の割合が比較的多く、且つこれらが脱塩素処理を経
た後も十分に減容固化していない場合には、図1の工程
3のように、例えば上述した〜の何れかの方法で
プラスチック類の減容固化−粒状化処理を行うこともで
きる。
【0050】工程eは、前記工程dの脱塩素処理により
生じた塩化水素を処理するための工程であり、この工程
では吸収塔等において塩酸として回収するか、若しくは
塩化水素をアルカリにより中和処理する。また、工程a
で分別された廃棄物[z]は不可避的に含まれるプラス
チック類を除き実質的にプラスチック類を含まない廃棄
物であり、通常、鉄系等の金属製廃棄物(例えば、スチ
ール缶)やガラス系廃棄物(例えば、ビン類)等からな
る。これら廃棄物は工程fに送られ、例えば工程f1
磁気選別により鉄系廃棄物が回収された後、適当な分別
工程に送られ、素材やビン種類、色等に応じて分別処理
がなされ、可能な限度で再利用のための次なる工程に送
られる。なお、上述した各工程間での廃棄物やプラスチ
ック類の搬送は、搬送コンベア、気送手段、切り出し手
段を用いた自由落下等の適宜な手段で行われる。なお、
先に述べたようにフィルム系プラスチック類と固形物系
プラスチック類の各工程a,b,cに対する供給量は、
廃棄物という性質上、経時的にある程度のバラツキを生
じることがあり、比較的短時間に限った場合にはいずれ
か一方の種類のプラスチック類しか供給されず、したが
って選別され或いは処理されるプラスチック類が一時的
にフィルム系プラスチック類または固形物系プラスチッ
ク類のいずれか一方だけになることもあり得る。
【0051】図3は本発明の第二の原料化方法の一実施
形態を示すフローチャートである。図3に示す原料化方
法は、フィルム系プラスチック類を含む軽量物からなる
廃棄物[x]を処理する工程bにおいては塩素含有プラ
スチック類の分離除去を行わず、廃棄物[x]をそのま
ま脱塩素処理することを特徴としている。この原料化方
法は、フィルム系プラスチック類に含まれる塩素含有プ
ラスチックの割合が比較的少ない場合に好適な方法であ
る。前記工程bは、分別された前記廃棄物(x)を脱塩
素処理した後、粒状の炉原料に加工処理する工程であ
り、この工程bは少なくとも、前記廃棄物(x)を破砕
処理する工程b11と、この工程を経たプラスチック類を
脱塩素処理する工程b12と、この工程を経たプラスチッ
ク類を粒状または小片状に加工処理する工程b13とから
なる。
【0052】この工程bにおいて、工程b11では図1の
工程b1と同様の破砕処理が行われる。また工程b12
は、図1の工程dと同様の方法で脱塩素処理が実施され
る。また工程b13では、脱塩素処理されたプラスチック
類を粒状または小片状に加工処理するが、この加工処理
は脱塩素処理後のフィルム系プラスチック類の性状や形
態により、単純に破砕処理する場合と図1の工程b3
ように減容固化−粒状化処理する場合とがあり得る。す
なわち、フィルム系プラスチック類が脱塩素処理時の加
熱により溶融または半溶融化して減容固化している場合
には、工程b13では破砕処理だけでよく、これにより粒
状または小片状のプラスチックを得ることができる。一
方、フィルム系プラスチック類が脱塩素処理を経た後も
十分に減容固化していない場合には、図1の工程b3
ように、例えば上述した〜の何れかの方法でフィル
ム系プラスチック類の減容固化−粒状化処理が行われ、
これによりプラスチックの粒状物を得る。
【0053】なお、この工程bでも、工程aでの磁気選
別とともに或いはこの磁気選別に代えて、工程b14で磁
気選別を実施してもよい。上記のように図3の原料化方
法では工程bにおいて塩素含有プラスチック類の分離除
去は行われず、したがって、工程dの塩素含有プラスチ
ック類を脱塩素処理するための工程d1には、工程c1
おいて分離除去された塩素含有プラスチック類のみが送
られることになる。一方、脱塩素処理により生じた塩化
水素を塩酸として回収するための工程eには、前記工程
1の脱塩素処理工程と前記工程b12の脱塩素処理工程
とからそれぞれ塩化水素が供給される。図3の他の構成
は図1と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説
明は省略する。
【0054】図4は本発明の第三の原料化方法の一実施
形態を示すフローチャートである。図4に示す原料化方
法は、フィルム系プラスチック類を含む軽量物からなる
廃棄物[x]を処理する工程bにおいて塩素含有プラス
チック類の分離除去や脱塩素処理を実施することなく、
そのまま粒状物に造粒することを特徴としている。この
原料化方法は、フィルム系プラスチック類に塩素含有プ
ラスチック類が殆ど含まれない場合に好適な方法であ
る。前記工程bは少なくとも、前記廃棄物[x]を破砕
処理する工程b21と、この工程を経たプラスチック類を
溶融または半溶融化させた後固化させることにより減容
固化された粒状の炉原料を得る工程b22とからなってい
る。この工程bにおいて、工程b21では図1の工程b1
と同様の破砕処理が行われる。また工程b12では、図1
の工程d1と同様の方法で脱塩素処理が実施される。
【0055】また工程b22では、図1の工程b3と同
様、例えば上述した〜の何れかの方法でフィルム系
プラスチック類の減容固化−粒状化処理が行われ、これ
によりプラスチックの粒状物を得る。なお、この工程b
でも、工程aでの磁気選別とともに或いはこの磁気選別
に代えて、工程b23で磁気選別を実施してもよい。上記
のように図4の原料化方法では工程bにおいて塩素含有
プラスチック類の分離除去は行われず、したがって、工
程dの塩素含有プラスチック類を脱塩素処理するための
工程d1には、工程c1において分離除去された塩素含有
プラスチック類のみが送られることになる。図4の他の
構成は図1と同様であるので、同一の符号を付し、詳細
な説明は省略する。
【0056】図5は本発明の第四の原料化方法の一実施
形態を示すフローチャートである。図5に示す原料化方
法は、固形物系プラスチック類を含む中重量物からなる
廃棄物[y]を処理する工程cにおいて、塩素含有プラ
スチック類の分離除去を実施することなく、そのまま粒
状物に加工処理することを特徴としている。この原料化
方法は、固形物系プラスチック類にPVCボトル等の塩
素含有プラスチックが殆ど含まれない場合に好適な方法
である。前記工程cでは少なくとも、固形物系プラスチ
ック類を主体とする廃棄物[y]を破砕処理し、粒状ま
たは小片状の炉原料に加工する工程c31が実施され、ま
た図1と同様に前記工程c31の前で廃棄物[y]から少
なくとも主要な非プラスチック系廃棄物を分離除去する
工程、すなわち、磁気選別により鉄系廃棄物を分離除去
するための工程c32とアルミ選別によりアルミニウム系
廃棄物(アルミ缶等)を分離除去するための工程c33
実施される。このうち工程c32の磁気選別は、前記工程
aの磁気選別とともに或いはこの磁気選別に代えて実施
することができる。
【0057】前記工程c31では、図1の工程c2と同様
の破砕処理が行われる。上記のように図5の原料化方法
では工程cにおいて塩素含有プラスチック類の分離除去
は行われず、したがって、工程dの塩素含有プラスチッ
ク類を脱塩素処理するための工程d1には、工程b2にお
いて分離除去された塩素含有プラスチック類のみが送ら
れることになる。図5の他の構成は図1と同様であるの
で、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0058】図6は本発明の第五の原料化方法の一実施
形態を示すフローチャートである。図6に示す原料化方
法は、フィルム系プラスチック類を含む軽量物からなる
廃棄物[x]を処理する工程bにおいて、塩素含有プラ
スチック類の分離除去を行うことなく廃棄物をそのまま
脱塩素処理し、且つ固形物系プラスチック類を含む中重
量物からなる廃棄物[y]を処理する工程cにおいて
も、塩素含有プラスチック類の分離除去を実施すること
なく、そのまま粒状または小片状の炉原料に加工処理す
ることを特徴としている。この原料化方法は、フィルム
系プラスチック類に含まれる塩素含有プラスチック類の
割合が比較的少なく、且つ固形物系プラスチック類にP
VCボトル等の塩素含有プラスチック類が殆ど含まれな
い場合に好適な方法である。
【0059】前記工程bは図3の構成と同様であり、こ
の工程bは少なくとも、前記廃棄物[x]を破砕処理す
る工程b11と、該工程を経たプラスチック類を脱塩素処
理する工程b12と、該工程を経たプラスチック類を粒状
または小片状に加工処理する工程b13とからなる。ま
た、前記工程cは図5の構成と同様であり、この工程c
では少なくとも固形物系プラスチック類を含む廃棄物
[y]を破砕処理し、粒状または小片状の炉原料に加工
する工程c31が実施され、また前記工程c31の前で磁気
選別により鉄系廃棄物を分離除去するための工程c32
アルミ選別によりアルミニウム系廃棄物(アルミ缶等)
を分離除去するための工程c33が実施される。このうち
工程c32の磁気選別は、前記工程aの磁気選別とともに
或いはこの磁気選別に代えて実施することができる。
【0060】この図6の原料化方法では、工程b、工程
cのいずれでも塩素含有プラスチック類の分離除去は実
施されないため、図1に示すような塩素含有プラスチッ
ク類を脱塩素処理するための工程dは実施されない。ま
た、脱塩素処理により生じた塩化水素を処理するための
工程eには、工程b12のみから塩化水素が送られる。図
6の他の構成は図1、図3及び図5と同様であるので、
同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0061】図7は本発明の第六の原料化方法の一実施
形態を示すフローチャートである。図7に示す原料化方
法は、フィルム系プラスチック類を含む軽量物からなる
廃棄物[x]および固形物系プラスチック類を含む中重
量物からなる廃棄物[y]のいずれについても、塩素含
有プラスチック類の分離除去や脱塩素処理を実施するこ
となくそのまま原料化を行うもので、フィルム系プラス
チック類と固形物系プラスチック類のいずれにも塩素含
有プラスチック類が殆ど含まれない場合に好適な方法で
ある。工程bは図4と同様であり、この工程bは少なく
とも、前記廃棄物[x]を破砕処理する工程b21と、こ
の工程を経たプラスチック類溶融または半溶融化させた
後固化させることにより減容固化された粒状の炉原料を
得る工程b22とからなっている。
【0062】この工程bにおいて、工程b21では図1の
工程b1と同様の破砕処理が行われる。また工程b22
は、図1の工程b3と同様に、例えば上述した〜の
何れかの方法でフィルム系プラスチック類の減容固化−
粒状化処理が行われ、これによりプラスチックの粒状物
を得る。なお、この工程bでも、工程aの磁気選別とと
もに或いはこの磁気選別に代えて、工程b23で磁気選別
を実施してもよい。
【0063】また、前記工程cは図5の構成と同様であ
り、この工程cでは少なくとも、固形物系プラスチック
類を含む廃棄物[y]を破砕処理し、粒状または小片状
の炉原料に加工する工程c31が実施され、また前記工程
31の前で磁気選別により鉄系廃棄物を分離除去するた
めの工程c32とアルミ選別によりアルミニウム系廃棄物
(アルミ缶等)を分離除去するための工程c33が実施さ
れる。このうち工程c32の磁気選別は、前記工程aの磁
気選別とともに或いはこの磁気選別に代えて実施するこ
とができる。この図7の原料化方法では、いずれの工程
でも塩素含有プラスチック類の分離除去及び脱塩素処理
は実施されないため、図1に示すような塩素含有プラス
チック類を脱塩素処理するための工程dおよび脱塩素処
理により生じた塩化水素を処理するための工程eは実施
されない。図7の他の構成は図1、図4及び図5と同様
であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略す
る。
【0064】次に、上述した原料化方法の実施に好適な
本発明の原料化設備について説明する。図8は本発明の
原料化設備の一実施形態を示すもので、原料化設備は、
プラスチック系廃棄物をフィルム系プラスチック類、固
形物系プラスチック類及び重量のある非プラスチック系
廃棄物にそれぞれ分別するための選別設備Aと、分別さ
れたフィルム系プラスチック類を加工処理するための処
理ラインBと、同じく分別された固形物系プラスチック
類を処理するための処理ラインCと、前記処理ラインB
及び処理ラインCで分離除去された塩素含有プラスチッ
ク類を処理するための処理ラインDと、この処理ライン
Dで生じた塩化水素を処理するための塩化水素処理設備
Eとからなっている。
【0065】前記選別設備Aは、プラスチック系廃棄物
を、フィルム系プラスチック類を含む軽量物からなる廃
棄物[x]と、固形物系プラスチック類を含む中重量物
からなる廃棄物[y]と、実質的にプラスチック類を含
まない重量物からなる廃棄物[z]とに自動分別する選
別機1を備えている。また、この選別機1の入側には、
プラスチック系廃棄物が入れられた袋体(収集袋)を破
袋するための破袋機2と、この破袋機2によりり袋体か
ら取り出された廃棄物中から磁気選別により鉄系廃棄物
を分離除去するための磁選機3aが設けられている。
【0066】前記選別機1の方式は特に限定されない
が、先に述べたように代表的な方式としては風力選別方
式と揺動選別方式とがある。図9は風力選別方式を利用
した選別機1の一例を示したもので、装置内に装入手段
16(搬送コンベア等)で廃棄物を装入するとともに、
この装入直後の廃棄物に空気噴射ノズル17から空気を
吹き付け、その気流に随伴して飛行する廃棄物の飛行距
離が廃棄物の重量、重量/容積比、重量/面積比によっ
て異なることを利用して廃棄物の分別を行う。すなわ
ち、気流による飛行距離が異なる軽量物である廃棄物
[x]と中重量物である廃棄物[y]と重量物である廃
棄物[z]の別に(或いは軽量物である廃棄物[x]と
中重量・重量物である廃棄物[y+z]の別に)それぞ
れ専用の回収手段18a,18b,18cを設け、これ
らを分別回収する。上記の原理で廃棄物の風力選別を行
う装置は図9の構造以外にも種々のものが知られてお
り、本発明ではこれらいずれの装置を用いることもでき
る。
【0067】また、図10は揺動選別式を利用した選別
機1の一例を示したもので、この選別機は長手方向で傾
斜して設置され、且つ揺動可能な反発板19を備え、こ
の反発板19上に装入される廃棄物の重量差を利用して
廃棄物の分別を行うものである。この選別機1は、反発
板19が偏心回転可能な回転軸20a,20b(例え
ば、クランク軸)に支持される(前記回転軸20a,2
0bが反発板下面の受部材の弧状面に摺動可能に接する
ことに支持される)ことにより、その傾斜方向と上下方
向(板厚方向)で揺動を繰り返し、この反発板19上に
廃棄物を装入することにより廃棄物の分別が行われる。
例えば、中重量・重量物である廃棄物[y+z]は傾斜
した反発板19に沿って下側方向に落下して反発板19
の一端側から排出され、一方、軽量物である廃棄物
[x]は傾斜した反発板19の上方向に徐々に移動し、
反発板19の他端側から排出される。また、同様の原理
で、例えば、軽・中重量物である廃棄物[x+y]と重
量物である廃棄物[z]との分別、中重量物である廃棄
物[y]と重量物である廃棄物[z]との分別も可能で
ある。また、図10の選別機1では反発板19に多数の
貫通小孔21(篩孔)が形成され、廃棄物中に含まれる
小径物(土砂等)がこの貫通小孔21から落下すること
により廃棄物中から除去される。
【0068】また、図11は図10の選別機に風力選別
方式を組み合わせることにより、軽量物、中重量物およ
び重量物の分別を可能とした装置である。この選別機1
では、反発板19上の廃棄物に下方向から空気を吹き付
けることにより軽量物である廃棄物[x]のみを吹き飛
ばして専用の回収手段により回収し、一方、重量物であ
る廃棄物[z]については傾斜した反発板19に沿って
下側方向に落下させて反発板19の一端側から排出さ
せ、また、中重量物である廃棄物[y]については傾斜
した反発板19の上方向に徐々に移動させ、反発板19
の他端側から排出させるものである。この選別機1で
は、反発板19に形成された多数の貫通小孔21を利用
し、反発板19の下側からこの貫通小孔21を通じて空
気を吹き込む。なお、空気は傾斜した反発板19の下方
から反発板の傾斜方向に沿って吹き付けてもよい。
【0069】前記処理ラインBは、分別された前記廃棄
物[x]から少なくとも主要な塩素含有プラスチック類
を分離除去した後、粒状の炉原料に加工処理するための
処理ラインであり、廃棄物[x]を破砕するための破砕
装置4と、この破砕装置4で破砕されたプラスチック類
から塩素含有プラスチック類を分離除去するための分離
除去装置5と、この分離除去装置5を経たプラスチック
類を溶融または半溶融化させた後固化させることにより
減容固化された粒状の炉原料に加工するための粒状固化
装置6を有している。また、この加工処理ラインBで
は、前記選別装置Aの磁選機3aとともに或いはこの磁
選機3aに代えて、前記破砕装置4の前に磁選機3bを
設けることができる。前記破砕装置4は直列した複数の
破砕装置により構成し、複数段階で破砕処理を行っても
よい。前記塩素含有プラスチック類の分離除去装置5
は、塩素含有プラスチック類と他のプラスチック類との
比重差を利用した重力方式または遠心分離方式のものを
用いることが好ましい。
【0070】図12は重力方式による分離除去装置5の
一構成例を示しており、プラスチック類は水が入れられ
た分離槽22に装入され、槽内で沈降するPVCやPV
DC等の塩素含有プラスチック類と浮上するそれ以外の
プラスチック類とに分離される。沈降分離した塩素含有
プラスチック類は適当な排出手段により槽外に排出さ
れ、スクリーン23aを経て水と分離された後、系外に
排出される。一方、槽内で浮上した塩素含有プラスチッ
ク類以外のプラスチック類は適当な排出手段で槽外に排
出され、スクリーン23bを経て水と分離された後、乾
燥機24で乾燥され、次工程へと送られる。なお、図1
2において、25はスクリーン23a,23bで分離さ
れた水を排出する排水タンクである。
【0071】また、図13は遠心分離方式による分離除
去装置5の一構成例を示している。この装置は、内部が
中空の筒状若しくは紡錘状の本体26と、この本体26
内部の長手方向に回転自在に配されるスクリュー付きの
内筒体27と、この内筒体回転駆動用のモータ28等か
ら構成される。この装置では、プラスチック類と水等の
媒体との混合物が、高速回転する内筒体27の一端から
その内部に供給される。混合物は内筒体27の長手方向
略中央に設けられた開口29から遠心力の作用により本
体26の内部空間に吐き出され、媒体の比重を境として
これよりも比重の大きい重質分(塩素含有プラスチック
類)と比重の小さい軽質分(塩素含有プラスチック類以
外のプラスチック類)とに分離される。つまり、遠心力
によってプラスチック類のうちの重質分のみが本体26
の内壁面側に集められる結果、軽質分と重質分が本体2
6の径方向において分離した状態となる。
【0072】ここで、内筒体27は、前記開口29を大
略の境とした長手方向半分に軽質分搬送用のスクリュー
30aが、他の長手方向半分に重質分搬送用のスクリュ
ー30bが設けられている。これらスクリュー30a、
30bはスクリューの螺旋方向が互いに逆向きであり、
内筒体27が回転することによりスクリュー30a、3
0bはそれぞれの側の本体端部方向にプラスチック類を
搬送する。すなわち、軽質分のプラスチック類(塩素含
有プラスチック類以外のプラスチック類)は羽根が比較
的短かいスクリュー30aによって本体26の一方の端
部まで搬送され、排出口31aから排出される。一方、
本体26の内壁面側に集められた重質分のプラスチック
類(塩素含有プラスチック類)は、羽根が本体26の内
壁面近傍まで延びたスクリュー30bによって本体26
の他方の端部まで搬送され、排出口31bから排出され
る。一方、水等の媒体は本体26の略中央部に設けられ
た排出口32から装置外に排出される。このような装置
によれば、装入されたプラスチック類を軽質分である塩
素含有プラスチック類以外のプラスチック類と重質分で
ある塩素含有プラスチック類とにそれぞれ分離し、それ
ぞれを水分が非常に少ない状態で装置外に排出させるこ
とができる。
【0073】前記粒状固化装置6は、上述した〜の
何れかの方法でプラスチック類の減容固化−粒状化処理
を行うものが好ましい。これらのうち、の方法のを実
施するための粒状固化装置6の典型的な例はプラスチッ
ク類を完全溶融させ、これを押出し機により線状等に押
出し成形した後、粒状に裁断することにより粒状物を得
る装置であるが、この他にも種々の加工装置を用いるこ
とができる。
【0074】図14は上記、の方法で粒状収縮固化
若しくは収縮固化−粒状化の連続処理を行うための一構
成例を示しており、粒状固化装置6に装入されたプラス
チック類は破砕装置33で破砕された後、減容固化装置
34に装入される。この減容固化装置34では、プラス
チック類は加熱室35及びこれに続く冷却室36を搬送
装置37(搬送ベルト等)で連続搬送され、加熱室35
において加熱(ガス加熱、ガス間接加熱または電気加熱
等)されることで半溶融化した後、冷却室36で水噴霧
等により急冷され、収縮固化する。この際、プラスチッ
ク類の破砕形態や加熱室内への装入状態等を適宜選択す
ることによりプラスチック類を粒状に収縮固化させるこ
とができ、したがってこの方法によれば収縮固化ままで
粒状物が得られる。
【0075】一方、プラスチック類の一部または全部を
粒状に収縮固化させない方法では、収縮固化したプラス
チック類は減容固化装置34から粉砕装置38に装入さ
れ、この粉砕装置38により粒状に粉砕処理されること
で粒状物が得られる。以上のようにして得られたプラス
チックの粒状物は、破砕されたフィルム系プラスチック
類を半溶融状態から粒状に収縮固化させ若しくは収縮固
化させた後これを粉砕処理したものであるため、固形物
系プラスチック類の破砕物に較べて比較的ポーラスな性
状であって比表面積が大きく、しかも固形物系プラスチ
ック類の破砕物のように角ばった形状ではなく、全体的
に見て丸みを帯びた形状を有するため、優れた燃焼性と
流動性を示す。
【0076】図15は上記の方式による装置の構造の
概略を、また図16はこの装置による粒状収縮固化若し
くは収縮固化−粒状化処理の原理を模式的に示してい
る。この粒状固化装置6は、プラスチック類が装入され
るタンク39と、このタンク39内の底部に配置される
1または2以上の回転刃40と、タンク39内に冷却用
流体(水等の液体若しくはガス)を吹き込み若しくは噴
霧するための急冷手段41とを備えている。このような
粒状固化装置6によれば、タンク39内に装入されたプ
ラスチック類を高速回転する回転刃40で裁断または破
砕するとともに、この裁断または破砕による摩擦熱によ
りプラスチック類を半溶融化させ、次いで、この半溶融
化したプラスチック類を急冷手段41からの水噴霧等に
より上記温度から急冷することにより収縮個化させ、こ
の際、粒状に収縮固化させるか若しくは収縮固化と同時
に前記回転刃40により粉砕処理し、プラスチックの粒
状物が得られる。
【0077】以上のようにして得られたプラスチックの
粒状物も、破砕されたフィルム系プラスチック類を半溶
融状態から粒状に収縮固化させ若しくは収縮固化させた
後これを粉砕処理したものであるため、固形物系プラス
チック類の破砕物に較べて比較的ポーラスな性状であっ
て比表面積が大きく、しかも固形物系プラスチック類の
破砕物のように角ばった形状ではなく、全体的に見て丸
みを帯びた形状を有するため、優れた燃焼性と流動性を
示す。
【0078】この装置はバッチ方式によりプラスチック
類の破砕(または裁断)処理、半溶融化処理及び収縮固
化後の粉砕処理(但し、急冷により粒状に収縮固化させ
る場合は粉砕処理は必要ない)の総てを高速回転する回
転刃40により行うものであり、「破砕(または裁断)
→半溶融化→急冷による粒状収縮固化」若しくは「破砕
(または裁断)→半溶融化→急冷による収縮固化→粉
砕」という一連の処理工程が短時間に速やかに行われ、
しかもプラスチック類が回転刃40による破砕(裁断)
−高速撹拌中に半溶融化し、このような状態から速かに
急冷処理がなされるため、比表面積及び粒形状等の面で
より好ましい粒状物が得られる。また、回転刃40の作
用だけで破砕(または裁断)処理、半溶融化処理及び収
縮固化後の粉砕処理が行われるため、設備コスト及び運
転コストの面でも有利である。
【0079】なお、上記の方法においても、プラスチ
ック類の破砕形態や回転刃に対する装入状態等を適宜選
択することによりプラスチック類を粒状に収縮固化させ
ることができ、したがってこの場合には実質的に収縮固
化後の回転刃による粉砕処理なしに、収縮固化のままで
プラスチックの粒状物が得られる。一方、プラスチック
類の一部または全部を粒状に収縮固化させない場合に
は、上記のように回転刃による粉砕処理によりプラスチ
ックの粒状物が得られる。
【0080】前記処理ラインCは、分別された前記廃棄
物[y]から少なくとも主要な塩素含有プラスチック類
を分離除去した後、粒状または小片状の炉原料に加工処
理するための処理ラインであり、廃棄物[y]から塩素
含有プラスチック類を分離除去するための分離除去装置
7と、この分離除去装置7で分別されたプラスチック類
を破砕処理し、粒状または小片状の炉原料に加工するた
めの破砕装置8とを有している。また、分離除去装置7
の前にはアルミ選別によりアルミニウム系廃棄物(アル
ミ缶等)を分離除去するためのアルミ選別機10が設け
られている。また、この加工処理ラインCでは、前記選
別装置Aの磁選機3aとともに或いはこの磁選機3aに
代えて、前記分離除去装置7の前に磁選機3cを設ける
ことができる。
【0081】前記塩素含有プラスチック類の分離除去装
置7としては、先に述べたように理由から特開平6−2
10632号公報等に示されるような光学的な方法で塩
素含有プラスチック類の判別を行うことができる装置を
用いることが好ましい。図17はこの分離除去装置7の
一構成例を示すもので、この装置では各プラスチック材
に光を照射して反射光を検出し、照射光の特定の波長の
赤外線または近赤外線がプラスチックに吸収された場合
に、当該プラスチック材を塩素含有プラスチック類であ
ると判定し、これを廃棄物[y]から分離除去する。プ
ラスチック材は整列・搬送装置42により順次整列、搬
送され、このプラスチック材に対して投光器43から光
が照射され、その反射光が受光器44で検出される。情
報処理部45では検出された反射光に基づき、照射光の
特定の波長の赤外線または近赤外線がプラスチックに吸
収されたか否かが測定され、特定の波長がプラスチック
に吸収されている場合に、当該プラスチック材が塩素含
有プラスチック類であると判定される。このような判定
が済んだプラスチック類は、順次仕分け部46に装入さ
れ、前記判定結果に基づき塩素含有プラスチック類とそ
れ以外のプラスチック類とに仕分けられる。
【0082】前記破砕装置8は直列した複数の破砕装置
により構成し、複数段階で破砕処理を行ってもよい。な
お、前記アルミ選別機10は先に述べたような原理でア
ルミニウム等の非鉄金属を分離除去するもので、滑り台
式、ベルトコンベア式、振動フィーダ式、回転円筒式に
よる公知の装置を用いることができる。前記処理ライン
Dは、前記処理ラインB及び処理ラインCで分離除去さ
れた塩素含有プラスチック類を脱塩素処理した後、粒状
の炉原料に加工処理するための処理ラインであり、前記
処理ラインB及び処理ラインCで分離除去された塩素含
有プラスチック類を脱塩素処理するための塩素除去装置
11と、該塩素除去装置を経たプラスチック類を粒状ま
たは小片状の炉原料に加工処理するための加工装置12
を有している。
【0083】前記塩素除去装置11は、塩素含有プラス
チック類を加熱して熱分解によりプラスチックから塩素
(塩化水素)を脱離させるものであるが、その形式に特
に制約はなく、例えば、外部加熱によるスクリュー押し
出し方式、熱分解炉方式、流動床方式、ロータリーキル
ン方式等の装置を用いることができる。図18は熱分解
炉方式の塩素除去装置11の一例を示すもので、47は
熱分解炉本体、48はこの熱分解炉にプラスチック類を
供給するスクリューフィーダー、49は炉内の樹脂材を
撹拌するための撹拌羽根、50は脱塩素処理後のプラス
チック類を炉外に抜き出すための抜き出し口、50aは
その遮断弁、51は脱離した塩化水素(HCl)を炉外
に排出するための排出口である。前記スクリューフィー
ダ48と撹拌羽根49はそれぞれモータ53,54によ
り駆動する。
【0084】この塩素除去装置11では、樹脂材の供給
口52及びスクリューフィーダー48を通じて炉内に塩
素含有プラスチック類が供給され、この塩素含有プラス
チック類はモータ54により回転する撹拌羽根49で撹
拌されつつ300〜350℃程度に加熱される。この加
熱による熱分解によってプラスチック中の塩素分が塩化
水素の形で脱離し、この塩化水素は排出口51から炉外
に排出される。一方、脱塩素処理が終了したプラスチッ
ク材(塩素分が脱離したプラスチックの残渣)は抜き出
し口50から炉外に抜き出される。炉内の加熱はガス加
熱や電気加熱等による外部加熱方式、ガスを炉内に直接
供給するガス加熱方式等のいずれでもよい。
【0085】また、図19はスクリュー押し出し方式の
塩素除去装置11の一例を示すもので、55は水平型の
スクリューフィーダー、56はこのスクリューフィーダ
ーの一端側にプラスチック類を供給するための供給口、
57はスクリューフィーダーの他端側から排出される処
理済のプラスチック材を抜き出すための抜き出し口、5
8は塩化水素の排出口、59はスクリューフィーダー1
3を外囲する加熱装置である。前記スクリューフィーダ
ー55はモータ60により駆動する。この塩素除去装置
11では、供給口56からスクリューフィーダー55の
一端側に供給された塩素含有プラスチック類はスクリュ
ーフィーダー55で移送されつつ加熱装置59により加
熱され、この加熱による樹脂の熱分解によってプラスチ
ック中の塩素分が塩化水素の形で脱離し、この塩化水素
は排出口58から排出される。また、移送中の加熱によ
って脱塩素処理が完了し、スクリューフィーダー55の
他端から排出されたプラスチック材(塩素分が脱離した
樹脂の残渣)は抜き出し口57から抜き出される。
【0086】また、図20は2軸スクリュー押し出し方
式の塩素除去装置11の一構成例を示すもので、61は
水平型の2軸スクリューフィーダー、62a,62bは
このスクリューフィーダーの一端側に塩素含有プラスチ
ック類を供給するための供給口であり、本構成例では一
方の供給口62aに供給用スクリューフィーダー63が
付設されている。また、64はスクリューフィーダー6
1の他端側から排出される処理済のプラスチック材を抜
き出すための抜き出し口、65はスクリューフィーダー
61内にプラスチック加熱用の熱媒体(通常は、当該装
置で脱塩素され液状化したプラスチックを熱媒体として
供給)を供給するための熱媒供給口、66は塩化水素ガ
スの排出口である。前記スクリューフィーダー61はモ
ータ67により、また前記供給用スクリューフィーダー
63はモータ68により、それぞれ駆動する。
【0087】この塩素除去装置11では、供給口62a
(及びスクリューフィーダー63)、供給口62bのい
ずれか一方または両方からスクリューフィーダー61の
一端側に供給された塩素含有プラスチック類は、スクリ
ューフィーダー61で移送されつつ、熱媒供給口65か
らスクリューフィーダー61内に供給された熱媒体によ
り250〜350℃程度に加熱され、この加熱による熱
分解によって塩素含有プラスチック類中の塩素分が塩化
水素ガスの形で脱離し、この塩化水素ガスは排出口66
から排出される。また、移送中の加熱によって脱塩素処
理が完了し、スクリューフィーダー61の他端側から排
出されたプラスチック材(塩素分が脱離したプラスチッ
クの残渣)は抜き出し口64から抜き出される。
【0088】図21及び図22はロータリーキルン方式
の塩素除去装置11の一構成例を示すもので、69はロ
ータリーキルン本体であり、このロータリーキルン本体
69は耐火物70と鉄皮71とからなり、内部が塩素含
有プラスチック類を移送しつつ脱塩素処理するための通
路72を構成している。このロータリーキルン本体69
の通路72には、その一端側から塩素含有プラスチック
類と熱媒体が供給されるとともに、熱源として加熱ガス
が供給される。この加熱ガスはキルン全体を加熱すると
ともに、塩素含有プラスチック類と熱媒体を加熱する。
塩素含有プラスチック類はキルンの回転により熱媒体と
混合されつつ加熱され、この加熱によって塩素含有プラ
スチック類中の塩素分が塩化水素として脱離する反応が
生じ、塩化水素ガスが発生する。通路72を流れた加熱
ガスと塩素含有プラスチック類から脱離した塩化水素ガ
スは通路72の他端側から排出され、この排出ガス中の
塩化水素ガスは塩化水素吸収塔等で回収される。また、
脱塩素処理が完了したプラスチック材(塩素分が脱離し
たプラスチックの残渣)は熱媒体とともにキルン外に排
出される。
【0089】このようなロータリーキルンを用いた脱塩
素処理においては、塩素含有プラスチック類とともに通
路72内に供給する熱媒体として、炉の鉄源還元剤、燃
料または副原料として使用できる1種以上の粉粒物を用
いることが好ましい。これによって、脱塩素処理を終え
たプラスチック材を熱媒体と分離することなく、そのま
ま炉原料として用いることができる。そのような熱媒体
に適した粉粒物としては、粉コークス、粉鉱石、焼結粉
等が挙げられ、これらのうちの1種以上を熱媒体として
用いることが好ましい。また、通路72内での熱媒体の
偏析を防止して加熱効率を向上させるためには、熱媒体
の粒径や比重が樹脂材になるべく近い方が好ましく、こ
のような観点からは熱媒体として粉コークスを使用する
ことが最も好ましい。
【0090】図23〜図25、図26及び図27、図2
8はそれぞれロータリーキルン方式の塩素除去装置11
の他の構成例を示すもので、これらはロータリーキルン
本体を外管とその内部に配置される内管とから構成し、
内管内を被処理プラスチック用の通路とするとともに、
内管と外管間の空間を加熱ガス用の通路とした共通の特
徴を有しており、このような特徴により、発生した塩化
水素ガスを加熱ガスと混合させることなく取り出すこと
ができ、このため排出ガスの処理に要する設備コストや
処理コストを図21に示すような装置に較べて大幅に低
減させることができる。また、塩化水素ガスが発生する
内管全体を加熱ガスで加熱する構造であるため、内管全
体の温度を、塩化水素が強い腐食性を示す150℃以下
の温度域よりも高い温度域に維持することができ、この
ため発生した塩化水素ガスによる装置、特に内管各部の
腐食を適切に防止することができる。
【0091】まず、図23〜図25示す塩素除去装置1
1において、73はロータリーキルン本体、74はこれ
を構成する外管、75は同じく内管であり、この内管7
5は外管74の内部長手方向に外管74と同芯状に配置
されている。そして、内管75の内部が被処理プラスチ
ック材の通路76(処理用空間)を構成し、また外管7
4と内管75の間の空間が加熱ガスの通路77を構成し
ている。前記ロータリーキルン本体73の一端側には、
材料供給装置である供給口780を備えたスクリューフ
ィーダー78と加熱ガス(熱風)を供給するための熱風
導管79が配置され、前記スクリューフィーダー78が
内管75の一端側に、また前記熱風導管79が外管74
の一端側にそれぞれ接続されている。また、前記外管7
4の他端側には加熱ガスの排出口80が、また内管75
の他端側には塩化水素ガスの排出口81と処理済みプラ
スチック材の抜き出し口82がそれぞれ設けられてい
る。その他図面において、83はスクリューフィーダー
78の駆動モータである。
【0092】また、図26および図27は内管等の構成
が異なる他の構成例を示すもので、図23〜図25は外
管内に単一の内管を配置した構造としたのに対し、外管
74内に複数の内管75a〜75cを設けたものであ
る。なお、外管74内に配置する内管75の数は任意で
ある。このような構造では、内管を複数本設けるために
それだけ伝熱面積が大きくなり、このため通路77を流
れる加熱ガスから内管内への熱伝達が効率的に行える利
点があり、また、処理すべきプラスチック材と熱媒体の
配合比や種類を各内管毎に変えることができるため、例
えば、粒径が大きく処理効率の劣るプラスチック材につ
いては熱媒体の配合比を多くし、一方、粒径が小さく処
理効率が高いプラスチック材については熱媒体の配合比
を少なくした上で、それぞれを別々の内管に供給して処
理する、というような操業も可能である。
【0093】図28は他の構成例を示すもので、内管7
5の内部にガス導管84を配置し、被処理プラスチック
材の加熱効率をさらに高めることができるようにしたも
のである。なお、このようなガス導管は図26および図
27の装置の内管75a〜75c内にも配置することが
できる。以上述べた図23〜図25、図26および図2
7、図28の各塩素除去装置11においては、実質的に
内管75,75a〜75cがその周方向で回転しさえす
れば、塩素含有プラスチック類の脱塩素処理を何ら支障
なく行うことができる。したがって、上記各装置では、
外管74を含めたロータリーキルン本体73の全体をそ
の周方向で回転可能に構成してもよいが、内管75,7
5a〜75cのみをその周方向で回転可能に構成しても
よい。また、図26および図27の装置の場合には、内
管75a〜75cを一体的に回転(したがって、この場
合にはロータリーキルン本体73を回転させる場合と同
様、個々の内管は偏心回転する)させてもよいし、ま
た、各内管75a〜75cを個別に回転させてもよい。
【0094】図23〜図28に示す各塩素除去装置11
では、塩素含有プラスチック類および熱媒体(粉粒物)
と加熱ガスは、ロータリーキルン本体73の一端側から
それぞれ通路76および通路77に供給される。例え
ば、図23〜図25の塩素除去装置11では、供給装置
であるスクリューフィーダー78により塩素含有プラス
チック類と熱媒体(粉粒物)がロータリーキルン本体7
3の一端側から通路76に供給され、また、加熱ガスは
熱風導管79を通じてロータリーキルン本体73の一端
側から通路77に供給される。通路77に供給された加
熱ガスは、内管75,75a〜75cの全体を加熱し、
その管壁を通じて塩素含有プラスチック類および熱媒体
が加熱される。通路77を流れた加熱ガスはロータリー
キルン本体73の他端側(図23の場合は排出口80)
から排出される。
【0095】一方、内管75,75a〜75c内部の通
路76に供給された塩素含有プラスチック類は、内管7
5,75a〜75cの回転によって熱媒体と混合され、
且つ通路76を移送されつつ加熱され、この加熱によっ
て塩素含有プラスチック類中の塩素分が塩化水素として
脱離し、塩化水素ガスが発生する。このようにして脱塩
素処理が完了したプラスチック材(塩素分が脱離したプ
ラスチックの残渣)は熱媒体とともにロータリーキルン
本体73の他端側(図23の場合は排出口82)から排
出され、同時に塩化水素ガスも他端側(図23の場合は
排出口81)から排出される。したがって、塩素含有プ
ラスチック類の加熱によって発生した塩化水素ガスは加
熱ガスと混合することなく回収される。なお、塩素含有
プラスチック類と熱媒体を通路76内で円滑に移動させ
るため、通路76内に少量のキャリアガス(エア等)を
通気させることもできる。
【0096】また、以上の装置では内部で塩化水素が発
生する内管75,75a〜75cの外側を加熱ガスが流
れ、したがって内管全体が上述した250〜350℃程
度の温度となるため、塩化水素ガスが接触する部分に
は、塩化水素による腐食作用が大きい150℃以下の温
度領域は存在しない。したがって、塩化水素ガスによる
装置の腐食、特に内管各部の腐食が適切に防止される。
なお、プラスチック材とともに通路76内に供給される
熱媒体(粉粒物)としては、上述した理由から炉の鉄源
還元剤、燃料、副原料として使用可能な粉粒物(例え
ば、粉コークス、粉鉱石、焼結粉等)の1種以上を使用
することが好ましく、これらの中でも特に粉コークスを
用いることが最も好ましい。
【0097】本発明で用いる塩素除去装置11は上記の
実施例のものに限定されるものではなく、任意の方式及
び構造のものを採用することができる。また、塩素除去
装置11には脱塩素処理が完了したプラスチック材を冷
却するための冷却機構を付設することができる。前記加
工装置12は、通常は破砕装置等により構成されるが、
その装置構成は脱塩素処理後のプラスチックの性状や形
態に応じて決められる。すなわち、処理ラインDで脱塩
素処理される塩素含有プラスチック類の中にはフィルム
系プラスチック類も含まれるため、塩素含有プラスチッ
ク類中に占めるフィルム系プラスチック割合が多く、且
つこれらが脱塩素処理工程を経た後も十分に減容固化さ
れない場合には、加工装置として処理ラインBで用いて
いるような減容固化装置6を用いることもできる。な
お、加工装置12は塩素除去装置11と一体として設け
てもよく、例えば、脱塩素処理された直後の溶融状態の
プラスチック類を水冷等で冷却しながら破砕処理できる
ような装置構成としてもよい。
【0098】前記塩化水素処理設備Eは、前記処理ライ
ンDの脱塩素処理により生じた塩化水素を処理するため
の設備であり、この設備は吸収塔等を利用して塩化水素
を塩酸として回収する塩酸回収設備、或いは塩化水素を
アルカリで中和処理する処理設備等により構成すること
ができ、いずれも公知の設備を利用できる。なお、処理
ラインFは実質的にプラスチック類を含まない廃棄物
[z]を処理するためのものであり、通常、磁選機9お
よび非プラスチック系廃棄物をその素材等に応じて分別
できる分別機構を備えている。以上述べた選別設備A、
処理ラインB、処理ラインC、処理ラインD及び塩酸回
収設備Eは、先に説明した図1の原料化方法を実施する
ための設備構成であるが、図8に示す原料化設備ではこ
れ以外に、図3〜図7に示した原料化方法を実施するた
めの設備構成も有している。
【0099】まず、フィルム系プラスチック類の全量を
塩素含有プラスチック類の分離除去工程を経ることなく
そのまま脱塩素処理することを可能とするため、前記処
理ラインBとは別の処理ラインB′を備えている。この
処理ラインB′は、前記処理ラインBの破砕装置4を経
たフィルム系プラスチック類を受け入れ、これを脱塩素
処理するための塩素除去装置13と、この塩素除去装置
13を経たプラスチック類を粒状または小片状の炉原料
に加工処理するための加工装置14を有している。前記
塩素除去装置13としては、処理ラインDの前記塩素除
去装置11に関して述べた各種方式の装置を用いること
ができる。
【0100】また、前記加工装置14としては、先に述
べたような理由により、脱塩素処理後のプラスチックの
性状や形態(特に、フィルム状プラスチック類が減容固
化しているか否か)により、通常の破砕装置或いは処理
ラインBで用いているような減容固化装置等が用いられ
る。また、処理ラインBにおいては、破砕装置4を経た
プラスチック類を分離除去装置5を経ることなく粒状固
化装置6に供給できるようにするための搬送経路15a
(搬送手段)が設けられ、また、処理ラインCにおいて
は、該ラインに受け入れられた廃棄物[y]を分離除去
装置7を経ることなく破砕装置8に供給できるようにす
るための搬送経路15b(搬送手段)が設けられてい
る。なお、上述した各設備と処理ライン間、或いは各処
理ライン中での各装置間での廃棄物やプラスチック類の
搬送は、搬送コンベア、気送手段、切り出し手段を用い
た自由落下等の適宜な手段で行われる。
【0101】先に述べたように、本発明の原料化法にお
いてフィルム系プラスチック類を上記〜の方法によ
り粒状収縮固化若しくは収縮固化−粒状化して得られた
粒状物(以下、“粒状プラスチック[a]”という)は
比較的ポーラスな性状で比表面積が大きく、しかも全体
的に見て丸みを帯びた形状を有しているために優れた燃
焼性と流動性を示し、これらを固形物系プラスチック類
の粒状または小片状の破砕物(以下、“粒状プラスチッ
ク[b]”という)と混合することにより、炉に供給さ
れる粒状プラスチック全体の燃焼性と流動性及び搬送性
を効果的に高めることができる。すなわち、燃焼性に関
しては、炉内に粒状プラスチック[a]と粒状プラスチ
ック[b]の混合体が吹き込まれた場合、燃焼性の良好
な粒状プラスチック[a]が急速燃焼して粒状プラスチ
ック[b]を速かに着火させ、これによって炉内吹き込
まれた粒状プラスチック全体の燃焼性が著しく高められ
る。
【0102】さらに、流動性及び搬送性に関しても、丸
みを帯びた形状を有する流動性及び搬送性に優れた粒状
プラスチック[a]が粒状プラスチック中に含まれるこ
とにより、これが粒状プラスチック全体の流動性を向上
させる潤滑的機能を果し、この結果粒状プラスチック全
体の流動性、搬送性が大きく改善される。上記のような
作用を得るためには、粒状プラスチック類[a]の全粒
状プラスチックに占める重量割合を10%以上とするこ
とが好ましい。図29は、フイルム状プラスチック類を
上記の方法で収縮固化−粒状化処理して得られた粒径
6mm以下の粒状プラスチック[a]と固形状プラスチ
ック類を粉砕処理して得られた粒径6mm以下の粒状プ
ラスチック[b](いずれの粒状プラスチック類も安息
角:40°)とを種々の割合で混合し、この混合体を高
炉の羽口部に気送して炉内吹き込みを行ない、その際の
粒状プラスチック[a]の重量割合と混合体の搬送性
(供給トラブル発生頻度)及びプラスチックによるコー
クス置換率との関係を調べたものである。なお、供給ト
ラブル発生頻度とコークス置換率は以下のように定め
た。
【0103】(イ) 供給トラブル発生頻度 固形状プラスチック類を粉砕処理して得られた粒径6m
m以下の粒状プラスチック[b](安息角:40°)の
みを単独で炉に供給した場合の供給トラブル発生頻度指
数を“1”とし、この場合と比較した供給トラブル発生
頻度を指数で示した。供給トラブル発生の有無は、貯留
サイロ内の粒状プラスチックの重量変動を常時監視し、
重量変動:0の状態が所定時間(例えば10分間程度)
続いた場合にトラブル発生(サイロ切出部や気送管途中
での詰り発生)と判断した。 (ロ) コークス置換率 コークス置換率=(粒状プラスチックの吹込みにより低
減したコークス比)/(粒状プラスチックの吹き込み
比) 但し、粒状プラスチックの吹込みにより低減したコーク
ス比:kg/t・pig、粒状プラスチック類の吹き込み
比:kg/t・pig 図29によれば、全粒状プラスチック中に占める粒状プ
ラスチック[a]の割合が10%以上あれば、優れた燃
焼性と搬送性が得られることが判る。したがって、この
ような粒状プラスチックの混合物は、高炉やスクラップ
溶解炉等の炉に気送供給し、その羽口部等から炉内に吹
き込む場合の炉原料として好適である。
【0104】また、本発明の原料化方法において得られ
る炉原料は嵩密度0.30以上、安息角40°以下であ
ることが好ましい。先に述べたように従来技術において
はプラスチック粉砕物の嵩密度を0.35以上とするこ
とが提案されているが、特に固形状プラスチック類の粉
砕物については嵩密度を高めるとそれだけ破砕機の負荷
が増大する(破砕刃の寿命が短くなる)という問題があ
り、破砕機によっては嵩密度0.35未満の粉砕物しか
得られないものもある。一方、本発明者らの検討によれ
ば、粒状プラスチックの嵩密度が0.30以上であれば
圧力損失等の点を含めて粒状プラスチックを気送するこ
とに何の問題も生じないこと、また、粒状プラスチック
の貯留サイロでのブリッジ(棚つり)や気送管系内の曲
管部やバルブ周辺での詰まり等のトラブルの発生は粒状
プラスチックの嵩密度とは殆ど関係がなく、粒状プラス
チックの粒形状に大きく左右されること、そして、この
粒形状に基づく上記トラブルの発生抑制効果は粒状プラ
スチックの安息角で整理できることが判明した。
【0105】図30は、固形物系プラスチック類を粉砕
処理して得られた粒径6mm以下の粒状プラスチックに
ついて、その安息角と貯留サイロでのブリッジ(棚つ
り)や気送管内での詰まり等の供給トラブル発生頻度と
の関係を、嵩密度が異なる粒状プラスチック別に示した
ものである。なお、供給トラブル発生頻度の評価は図2
9と同様の方法で行なった。図30によれば、粒状プラ
スチックの嵩密度に拘りなく、安息角を40°以下とす
ることにより上記のような供給トラブルを適切に防止で
きることが判る。
【0106】また、粒状プラスチックのうち上記〜
の方法で粒状収縮固化若しくは収縮固化−粒状化して得
られるものについては、当該方法で粒状収縮固化若しく
は収縮固化−粒状化するだけで安息角40°以下の粒状
プラスチックが得られることが判った。一方、上記方
法で減容固化−粒状化して得られる粒状プラスチックま
たは上記〜以外の方法で収縮固化−粒状化して得ら
れる粒状プラスチックや、固形物系プラスチック類を破
砕処理して得られる粒状プラスチックについては、安息
角40°以下を達成するために破砕方式等が適宜選択さ
れることが好ましい。なお、本発明において原料化され
る粒状プラスチックの粒径は、燃焼性の観点から10m
m以下、好ましくは4〜8mmとすることが好ましい。
【0107】
【発明の効果】以上述べた本発明の原料化方法によれ
ば、廃棄物であるプラスチック類をその形態に拘りな
く、しかもプラスチック類に含まれる塩素含有プラスチ
ック類による問題を生じることなく、高炉やスクラップ
溶解炉等の原料(特に、鉄源の還元剤)に加工処理する
ことができ、このため廃棄物たるプラスチック類の大量
処理と有効利用を図ることができ、また、高炉等の炉の
原料コストを大幅に低減させることができる。さらに、
炉に供給されるプラスチック類の流動性や搬送性及び燃
焼性を効果的に高めることができ、高炉やスクラップ溶
解炉等において炉の操業に支障を来すことなくプラスチ
ックを原料として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の原料化方法の一実施形態を示す
フローチャート
【図2】本発明を構成する自動分別工程の他の実施形態
を示すフローチャート
【図3】本発明の第二の原料化方法の一実施形態を示す
フローチャート
【図4】本発明の第三の原料化方法の一実施形態を示す
フローチャート
【図5】本発明の第四の原料化方法の一実施形態を示す
フローチャート
【図6】本発明の第五の原料化方法の一実施形態を示す
フローチャート
【図7】本発明の第六の原料化方法の一実施形態を示す
フローチャート
【図8】本発明の原料化設備の一実施形態を示すフロー
チャート
【図9】本発明の原料化設備を構成する選別装置の一実
施形態を示す説明図
【図10】本発明の原料化設備を構成する選別装置の他
の実施形態を示す説明図
【図11】本発明の原料化設備を構成する選別装置の他
の実施形態を示す説明図
【図12】本発明の原料化設備の処理ラインBを構成す
る塩素含有プラスチック類の分離除去装置の一実施形態
を示す説明図
【図13】本発明の原料化設備の処理ラインBを構成す
る塩素含有プラスチック類の分離除去装置の他の実施形
態を示す説明図
【図14】本発明の原料化設備を構成する粒状固化装置
の一実施形態を示す説明図
【図15】本発明の原料化設備を構成する粒状固化装置
の他の実施形態を示す説明図
【図16】図15の粒状固化装置によるプラスチック処
理の原理を模式的に示す説明図
【図17】本発明の原料化設備の処理ラインCを構成す
る塩素含有プラスチック類の分離除去装置の一実施形態
を示す説明図
【図18】本発明の原料化設備を構成する塩素除去装置
の一実施形態を示す説明図
【図19】本発明の原料化設備を構成する塩素除去装置
の他の実施形態を示す説明図
【図20】本発明の原料化設備を構成する塩素除去装置
の他の実施形態を示す説明図
【図21】本発明の原料化設備を構成する塩素除去装置
の他の実施形態を示す説明図
【図22】図21の塩素除去装置のロータリーキルン本
体の横断面図
【図23】本発明の原料化設備を構成する塩素除去装置
の他の実施形態を示す説明図
【図24】図23の塩素除去装置のロータリーキルン本
体の縦断面図
【図25】図23の塩素除去装置のロータリーキルン本
体の横断面図
【図26】本発明の原料化設備を構成する塩素除去装置
の他の実施形態におけるロータリーキルン本体の縦断面
【図27】図26の塩素除去装置のロータリーキルン本
体の横断面図
【図28】本発明の原料化設備を構成する塩素除去装置
の他の実施形態におけるロータリーキルン本体の横断面
【図29】フイルム状プラスチック類を特定の方法で収
縮固化−粒状化して得られた粒状プラスチックの全粒状
プラスチックに対する割合とコークス置換率及び供給ト
ラブル発生頻度との関係を示すグラフ
【図30】固形物系プラスチック類を粉砕処理して得ら
れた粒状プラスチックについて、その安息角と供給トラ
ブル発生頻度との関係を、嵩密度が異なる粒状プラスチ
ック別に示したグラフ
【符号の説明】
a,a1,a1′,a1″,a2,a3,b,b1,b2
3,b4,b11,b12,b13,b14,b21,b22
23,c,c1,c2,c3,c4,c31,c32,c33
d,d1,d2,e,f,f1…工程、A…選別設備、B
…処理ライン、C…処理ライン、D…処理ライン、E…
塩酸処理設備、F…処理ライン、B′…処理ライン、1
…選別機、2…破袋機、3a,3b,3c…磁選機、4
…破砕装置、5…分離除去装置、6…粒状固化装置、7
…分離除去装置、8…破砕装置、9…磁選機、10…ア
ルミ選別機、11…塩素除去装置、12…加工装置、1
3…塩素除去装置、14…加工装置、15a,15b…
搬送経路、16…装入手段、17…空気噴射ノズル、1
8a,18b,18c…回収手段、19…反発板、20
a,20b…回転軸、21…貫通小孔、22…分離槽、
23a,23b…スクリーン、24…乾燥機、25…排
水タンク、26…本体、27…内筒体、28…モータ、
29…開口、30a,30b…スクリュー、31a,3
1b…排出口、32…排出口、33…破砕装置、34…
減容固化装置、35…加熱室、36…冷却室、37…搬
送装置、38…粉砕装置、39…タンク、40…回転
刃、41…急冷手段、42…整列・搬送装置、43…投
光器、44…受光器、45…情報処理部、46…仕分け
部、47…熱分解炉本体、48…スクリューフィーダ
ー、49…撹拌羽根、50…抜き出し口、50a…遮断
弁、51…排出口、53,54…モータ、55…スクリ
ューフィーダー、56…供給口、57…抜き出し口、5
8…排出口、59…加熱装置、60…モータ、61…2
軸スクリューフィーダー、62a,62b…供給口、6
3…供給用スクリューフィーダー、64…抜き出し口、
65…熱媒供給口、66…排出口、67…モータ、68
…モータ、69…ロータリーキルン本体、70…耐火
物、71…鉄皮、72…通路、73…ロータリーキルン
本体、74…外管、75,75a,75b,75c…内
管、76…通路、77…通路、78…スクリューフィー
ダー、79…熱風導管、80…排出口、81…排出口、
82…抜き出し口、83…駆動モータ、84…ガス導管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 幹之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 浅沼 稔 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 秋保 慶志 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック類を主体とした廃棄物を受
    け入れ、これをフィルム状プラスチック類を主体とした
    プラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]と、
    固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類を含
    む中重量物からなる廃棄物[y]と、実質的にプラスチ
    ック類を含まない重量物からなる廃棄物[z]とに自動
    分別する工程aと、 分別された前記廃棄物[x]から少なくとも主要な塩素
    含有プラスチック類を分離除去した後、粒状の炉原料に
    加工処理する工程bと、 分別された前記廃棄物[y]から少なくとも主要な塩素
    含有プラスチック類を分離除去した後、粒状または小片
    状の炉原料に加工処理する工程cと、 前記工程b及び工程cで分離除去された塩素含有プラス
    チック類を脱塩素処理した後、粒状または小片状の炉原
    料に加工処理する工程dと、 前記工程dの脱塩素処理により生じた塩化水素を処理す
    る工程eとからなり、 前記工程bは少なくとも、前記廃棄物[x]を破砕処理
    する工程と、該工程を経たプラスチック類から少なくと
    も主要な塩素含有プラスチック類を分離除去する工程
    と、該工程を経たプラスチック類を溶融または半溶融化
    させた後固化させることにより減容固化された粒状の炉
    原料を得る工程とからなり、 前記工程cは少なくとも、廃棄物[y]から少なくとも
    主要な塩素含有プラスチック類を分離除去する工程と、
    該工程を経たプラスチック類を破砕処理し、粒状または
    小片状の炉原料を得る工程とからなり、 前記工程dは少なくとも、工程b及び工程cで分離除去
    された塩素含有プラスチック類を脱塩素処理する工程
    と、該工程を経たプラスチック類を粒状または小片状の
    炉原料に加工処理する工程とからなることを特徴とする
    プラスチック系廃棄物の炉原料化方法。
  2. 【請求項2】 プラスチック類を主体とした廃棄物を受
    け入れ、これをフィルム状プラスチック類を主体とした
    プラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]と、
    固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類を含
    む中重量物からなる廃棄物[y]と、実質的にプラスチ
    ック類を含まない重量物からなる廃棄物[z]とに自動
    分別する工程aと、 分別された前記廃棄物[x]を脱塩素処理した後、粒状
    または小片状の炉原料に加工処理する工程bと、 分別された前記廃棄物[y]から少なくとも主要な塩素
    含有プラスチック類を分離除去し、粒状または小片状の
    炉原料に加工処理する工程cと、 前記工程cで分離除去された塩素含有プラスチック類を
    脱塩素処理した後、粒状または小片状の炉原料に加工処
    理する工程dと、 前記工程b及び工程dの脱塩素処理により生じた塩化水
    素を処理する工程eとからなり、 前記工程bは少なくとも、前記廃棄物[x]を破砕処理
    する工程と、該工程を経たプラスチック類を脱塩素処理
    する工程と、該工程を経たプラスチック類を粒状または
    小片状の炉原料に加工処理する工程とからなり、 前記工程cは少なくとも、廃棄物[y]から少なくとも
    主要な塩素含有プラスチック類を分離除去する工程と、
    該工程を経たプラスチック類を破砕処理し、粒状または
    小片状の炉原料を得る工程とからなり、 前記工程dは少なくとも、前記工程cで分離除去された
    塩素含有プラスチック類を脱塩素処理する工程と、該工
    程を経たプラスチック類を粒状または小片状の炉原料に
    加工処理する工程とからなることを特徴とするプラスチ
    ック系廃棄物の炉原料化方法。
  3. 【請求項3】 プラスチック類を主体とした廃棄物を受
    け入れ、これをフィルム状プラスチック類を主体とした
    プラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]と、
    固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類を含
    む中重量物からなる廃棄物[y]と、実質的にプラスチ
    ック類を含まない重量物からなる廃棄物[z]とに自動
    分別する工程aと、 分別された前記廃棄物[x]を粒状の炉原料に加工処理
    する工程bと、 分別された前記廃棄物[y]から少なくとも主要な塩素
    含有プラスチック類を分離除去した後、粒状または小片
    状の炉原料に加工処理する工程cと、 前記工程cで分離除去された塩素含有プラスチック類を
    脱塩素処理した後、粒状または小片状の炉原料に加工処
    理する工程dと、 前記工程dの脱塩素処理により生じた塩化水素を処理す
    る工程eとからなり、 前記工程bは少なくとも、前記廃棄物[x]を破砕処理
    する工程と、該工程を経たプラスチック類を溶融または
    半溶融化させた後固化させることにより減容固化された
    粒状の炉原料を得る工程とからなり、 前記工程cは少なくとも、廃棄物[y]から少なくとも
    主要な塩素含有プラスチック類を分離除去する工程と、
    該工程を経たプラスチック類を破砕処理し、粒状または
    小片状の炉原料を得る工程とからなり、 前記工程dは少なくとも、前記工程cで分離除去された
    塩素含有プラスチック類を脱塩素処理する工程と、該工
    程を経たプラスチック類を粒状または小片状の炉原料に
    加工処理する工程とからなることを特徴とするプラスチ
    ック系廃棄物の炉原料化方法。
  4. 【請求項4】 プラスチック類を主体とした廃棄物を受
    け入れ、これをフィルム状プラスチック類を主体とした
    プラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]と、
    固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類を含
    む中重量物からなる廃棄物[y]と、実質的にプラスチ
    ック類を含まない重量物からなる廃棄物[z]とに自動
    分別する工程aと、 分別された前記廃棄物[x]から少なくとも主要な塩素
    含有プラスチック類を分離除去した後、粒状の炉原料に
    加工処理する工程bと、 分別された前記廃棄物[y]を粒状または小片状の炉原
    料に加工処理する工程cと、 前記工程bで分離除去された塩素含有プラスチック類を
    脱塩素処理した後、粒状または小片状の炉原料に加工処
    理する工程dと、 前記工程dの脱塩素処理により生じた塩化水素を処理す
    る工程eとからなり、 前記工程bは少なくとも、前記廃棄物[x]を破砕処理
    する工程と、該工程を経たプラスチック類から少なくと
    も主要な塩素含有プラスチック類を分離除去する工程
    と、該工程を経たプラスチック類を溶融または半溶融化
    させた後固化させることにより減容固化された粒状の炉
    原料を得る工程とからなり、 前記工程cは少なくとも、廃棄物[y]を破砕処理し、
    粒状または小片状の炉原料を得る工程からなり、 前記工程dは少なくとも、前記工程bで分離除去された
    塩素含有プラスチック類を脱塩素処理する工程と、該工
    程を経たプラスチック類を粒状または小片状の炉原料に
    加工処理する工程とからなることを特徴とするプラスチ
    ック系廃棄物の炉原料化方法。
  5. 【請求項5】 プラスチック類を主体とした廃棄物を受
    け入れ、これをフィルム状プラスチック類を主体とした
    プラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]と、
    固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類を含
    む中重量物からなる廃棄物[y]と、実質的にプラスチ
    ック類を含まない重量物からなる廃棄物[z]とに自動
    分別する工程aと、 分別された前記廃棄物[x]を脱塩素処理した後、粒状
    または小片状の炉原料に加工処理する工程bと、 分別された前記廃棄物[y]を粒状または小片状の炉原
    料に加工処理する工程cと、 前記工程bの脱塩素処理により生じた塩化水素を処理す
    る工程eとからなり、 前記工程bは少なくとも、前記廃棄物[x]を破砕処理
    する工程と、該工程を経たプラスチック類を脱塩素処理
    する工程と、該工程を経たプラスチック類を粒状または
    小片状の炉原料に加工処理する工程とからなり、 前記工程cは少なくとも、廃棄物[y]を破砕処理し、
    粒状または小片状の炉原料を得る工程からなることを特
    徴とするプラスチック系廃棄物の炉原料化方法。
  6. 【請求項6】 プラスチック類を主体とした廃棄物を受
    け入れ、これをフィルム状プラスチック類を主体とした
    プラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]と、
    固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類を含
    む中重量物からなる廃棄物[y]と、実質的にプラスチ
    ック類を含まない重量物からなる廃棄物[z]とに自動
    分別する工程aと、 分別された前記廃棄物[x]を粒状の炉原料に加工処理
    する工程bと、 分別された前記廃棄物[y]を粒状または小片状の炉原
    料に加工処理する工程cとからなり、 前記工程bは少なくとも、前記廃棄物[x]を破砕処理
    する工程と、該工程を経たプラスチック類を溶融または
    半溶融化させた後固化させることにより減容固化された
    粒状の炉原料を得る工程とからなり、 前記工程cは少なくとも、廃棄物[y]を破砕処理し、
    粒状または小片状の炉原料を得る工程からなることを特
    徴とするプラスチック系廃棄物の炉原料化方法。
  7. 【請求項7】 工程aにおいて、プラスチック類を主体
    とした廃棄物を1回の分別処理により廃棄物[x]と廃
    棄物[y]と廃棄物[z]とに自動分別することを特徴
    とする請求項1、2、3、4、5または6に記載のプラ
    スチック系廃棄物の炉原料化方法。
  8. 【請求項8】 工程aにおいて、プラスチック類を主体
    とした廃棄物を、フィルム状プラスチック類を主体とし
    たプラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]と
    固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類を含
    む中重量物および重量物からなる廃棄物[y+z]とに
    自動分別した後、該廃棄物[y+z]を廃棄物[y]と
    廃棄物[z]とに自動分別することを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5または6に記載のプラスチック系廃
    棄物の炉原料化方法。
  9. 【請求項9】 工程aが少なくとも、プラスチック類を
    主体とする廃棄物が入れられた袋体を破袋する工程と、
    該工程を経た廃棄物中から磁気選別により鉄系廃棄物を
    分離除去する工程と、該工程を経た廃棄物を廃棄物
    [x]と廃棄物[y]と廃棄物[z]とに自動分別する
    工程とからなることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7または8に記載のプラスチック系廃棄物
    の炉原料化方法。
  10. 【請求項10】 工程aにおける廃棄物の自動分別を風
    力選別により行うことを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8または9に記載のプラスチック系廃
    棄物の炉原料化方法。
  11. 【請求項11】 工程aにおける廃棄物の自動分別を揺
    動選別により行うことを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8または9に記載のプラスチック系廃
    棄物の炉原料化方法。
  12. 【請求項12】 工程aにおいて、プラスチック類を主
    体とした廃棄物の廃棄物[x]と廃棄物[y+z]への
    自動分別を揺動選別により行い、続く廃棄物[y+z]
    の廃棄物[y]と廃棄物[z]への自動分別を風力選別
    または揺動選別により行うことを特徴とする請求項8に
    記載のプラスチック系廃棄物の炉原料化方法。
  13. 【請求項13】 工程cが少なくとも、廃棄物[y]か
    ら少なくとも主要な非プラスチック系廃棄物を分離除去
    する工程と、該工程を経た廃棄物から少なくとも主要な
    塩素含有プラスチック類を分離除去する工程と、該工程
    を経たプラスチック類を破砕処理し、粒状または小片状
    の炉原料に加工する工程とからなることを特徴とする請
    求項1、2または3に記載のプラスチック系廃棄物の炉
    原料化方法。
  14. 【請求項14】 工程bにおける塩素含有プラスチック
    類の分離除去工程では、塩素含有プラスチック類と他の
    プラスチック類との比重差を利用した湿式分離法により
    塩素含有プラスチック類の分離除去を行うことを特徴と
    する請求項1または4に記載のプラスチック系廃棄物の
    炉原料化方法。
  15. 【請求項15】 工程cにおける塩素含有プラスチック
    類の分離除去工程では、プラスチック類に光を照射し、
    該照射光のうちの特定波長の赤外線または近赤外線の吸
    収により塩素含有プラスチック類を他のプラスチック類
    から判別し、塩素含有プラスチック類を分離除去するこ
    とを特徴とする請求項1、2または3に記載のプラスチ
    ック系廃棄物の炉原料化方法。
  16. 【請求項16】 少なくとも、工程bで得られた粒状の
    炉原料と工程cで得られた粒状または小片状の炉原料と
    を混合し、この混合物を炉の吹き込み原料として用いる
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に
    記載のプラスチック系廃棄物の炉原料化方法。
  17. 【請求項17】 工程b、工程cおよび工程dで得られ
    る粒状または小片状の炉原料が、嵩密度0.30以上、
    安息角40°以下であることを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5または6に記載のプラスチック系廃棄物
    の炉原料化方法。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載の炉原料の混合物を
    炉に気送供給し、炉内に吹き込むことを特徴とする炉へ
    の原料供給方法。
  19. 【請求項19】 プラスチック類を主体とした廃棄物を
    受け入れ、これをフィルム状プラスチック類を主体とし
    たプラスチック類を含む軽量物からなる廃棄物[x]
    と、固形状プラスチック類を主体としたプラスチック類
    を含む中重量物からなる廃棄物[y]と、実質的にプラ
    スチック類を含まない重量物からなる廃棄物[z]とに
    自動分別するための選別設備Aと、 分別された前記廃棄物[x]から少なくとも主要な塩素
    含有プラスチック類を分離除去した後、粒状の炉原料に
    加工処理するための処理ラインBと、 分別された前記廃棄物[y]から少なくとも主要な塩素
    含有プラスチック類を分離除去した後、粒状または小片
    状の炉原料に加工処理するための処理ラインCと、 前記処理ラインB及び処理ラインCで分離除去された塩
    素含有プラスチック類を脱塩素処理した後、粒状または
    小片状の炉原料に加工処理するための処理ラインDと、 前記処理ラインDの脱塩素処理により生じた塩化水素を
    処理するための塩化水素処理設備Eとからなり、 前記処理ラインBは、前記廃棄物[x]を破砕するため
    の破砕装置と、該破砕装置で破砕されたプラスチック類
    から塩素含有プラスチック類を分離除去するための分離
    除去装置と、該分離除去装置を経たプラスチック類を溶
    融または半溶融化させた後固化させることにより減容固
    化された粒状の炉原料に加工処理するための粒状固化装
    置と有し、 前記処理ラインCは、廃棄物[y]から塩素含有プラス
    チック類を分離除去するための分離除去装置と、該分離
    除去装置を経たプラスチック類を破砕処理し、粒状また
    は小片状の炉原料とするための加工装置とを有し、 前記処理ラインDは、前記処理ラインB及び処理ライン
    Cで分離除去された塩素含有プラスチック類を脱塩素処
    理するための塩素除去装置と、該塩素除去装置を経たプ
    ラスチック類を粒状または小片状の炉原料に加工処理す
    るための加工装置とを有することを特徴とするプラスチ
    ック系廃棄物の炉原料化設備。
  20. 【請求項20】 廃棄物[x]を脱塩素処理した後、粒
    状または小片状の炉原料に加工処理するための処理ライ
    ンB´を備え、該処理ラインB´は少なくとも、プラス
    チック類を脱塩素処理するための塩素除去装置と、該塩
    素除去装置を経たプラスチック類を粒状または小片状の
    炉原料に加工処理するための加工装置とを有することを
    特徴とする請求項19に記載のプラスチック系廃棄物の
    炉原料化設備。
  21. 【請求項21】 処理ラインBにおいて、破砕装置を経
    たプラスチック類を分離除去装置を経ることなく粒状固
    化装置に供給可能とした搬送経路を設けたことを特徴と
    する請求項19または20に記載のプラスチック系廃棄
    物の炉原料化設備。
  22. 【請求項22】 処理ラインCにおいて、該ラインに受
    け入れられた廃棄物[y]を分離除去装置を経ることな
    く破砕装置に供給可能とした搬送経路を設けたことを特
    徴とする請求項19、20または21に記載のプラスチ
    ック系廃棄物の炉原料化設備。
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