JP3783298B2 - 炉への合成樹脂材吹込み設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック等の合成樹脂類を高炉やスクラップ溶解炉等の炉に燃料或いは鉄源の還元剤等として吹き込むための設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業廃棄物や一般廃棄物としてプラスチック等の合成樹脂類が急増しており、その処理が大きな問題となっている。なかでも高分子系の炭化水素化合物であるプラスチックは燃焼時に発生する熱量が高く、焼却処理した場合に焼却炉を傷めるために大量処理が困難であり、その多くがごみ埋立地等に投棄されているのが現状である。しかし、プラスチック等の投棄は環境対策上好ましくなく、その大量処理方法の開発が切望されている。
【0003】
このような背景の下、プラスチック等の合成樹脂類を高炉の補助燃料として用いる方法が、欧州特許公開公報第0622465A1号及び特公昭51−33493号公報に示されている。これらの方法は、合成樹脂の粉砕物を羽口等から高炉内に燃料として吹き込むもので、例えば前者においては、炉内に吹き込まれる合成樹脂粉砕物の実質的な条件として、粒径1〜10mm、嵩密度0.35以上という条件が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らが実験と検討を重ねた結果、プラスチック等の合成樹脂類(以下、「プラスチック」を例に説明する)を高炉等の吹込み燃料として使用する場合、次のような解決すべき問題点があることが明らかとなった。
産業廃棄物や一般廃棄物として廃棄されるプラスチックを形態別に見た場合、概ね板材等の塊状プラスチックとフィルム状プラスチックとに大別され、このうち後者のフィルム状プラスチックも廃棄プラスチック全体の中で相当量を占めている。しかし、フィルム状プラスチックの粉砕物は搬送性や流動性が極めて悪く、燃料として用いる際の取扱い性に大きな問題があることが判明した。
【0005】
すなわち、プラスチックを燃料として高炉に吹き込む場合、貯留サイロ等に貯留されたプラスチックを切り出して高炉に気送供給する方法が採られるが、フィルム状プラスチックは流動性が極めて悪いため、これを相当量含んだプラスチックの粉砕物は貯留サイロでブリッジ(棚つり)を生じやすく、このため貯留サイロからのプラスチック粉砕物の定量切り出しができなくなるトラブルが多発し、さらにフィルム状プラスチックが貯留サイロの切出部や気送管内(特に、曲管部やバルブ周辺)で詰まりを生じ、高炉への気送供給が不能になるなどのトラブルも多発する、という重大な問題があることが判明した。
【0006】
したがって、このような問題を解決しない限りフィルム状プラスチックを高炉等の吹込み燃料として使用することは事実上不可能であり、さらにはフィルム状プラスチックが廃棄プラスチック全体の中で相当の割合を占める状況を考慮すると、フィルム状プラスチックの利用を可能としない限り、廃棄物たるプラスチックの大量処理と有効利用というメリットが失われることは明らかである。
また、高炉等に燃料としてプラスチックを吹き込むためには、燃焼性等を確保するため粉砕処理したプラスチックを用いる必要があるが、処理コストの面から粉砕できる粒径には限度があり、このため従来技術に示されるように粒径1〜10mm程度が細粒化の限界となる。しかし、塊状プラスチックをこの程度の粒径に粉砕したものは高炉内での燃焼性が十分に得られない場合があり、このため未燃焼のプラスチックがベットコークス内で融着して炉内の通気性を著しく阻害し、高炉の操業に支障をきたすおそれがある。
【0007】
また、一般廃棄物や産業廃棄物としての合成樹脂類に含まれる塩化ビニル等の含塩素高分子樹脂材の割合は平均して15%前後にも達すると言われるが、このような合成樹脂類を高炉に燃料として吹き込んだ場合、含塩素高分子樹脂材の燃焼によって多量の有毒ガス(HCl)が生じるという問題がある。
さらに、塊状プラスチックを粉砕処理したものは不規則で角ばった形状をしているため、1〜10mm程度の粒径のものでは貯留サイロから切り出す際の排出性や高炉に気送する際の流動性、搬送性が悪く、サイロの切出部や気送管系の途中で詰りを生じ易いという問題もあることが判明した。
したがって、従来技術で提案されているように単にプラスチックを1〜10mm程度の粒径に粉砕して崇密度の高い粒状体に加工し、これを高炉に吹き込むということだけでは、廃棄物たるプラスチックを工業規模で高炉等の吹込み燃料として利用することは極めて難しい。
【0008】
本発明はこのような従来技術の問題を解決し、廃棄物たるプラスチック等の合成樹脂類を、その形態等に拘りなく高炉やスクラップ溶解炉等の炉に燃料や鉄源の還元剤等として供給することができる合成樹脂材吹込み設備を提供することをその目的とする。
また本発明の他の目的は、高炉等の炉に供給される合成樹脂類の搬送性や燃焼性を効果的に高めることができる合成樹脂材吹込み設備を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は塩化ビニ材等の含塩素高分子樹脂材による問題を生じることなく合成樹脂類を高炉等の炉に供給することができる合成樹脂材吹込み設備を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような課題を達成するための本発明の合成樹脂材吹込み設備は、廃棄合成樹脂類中におけるフィルム状合成樹脂材の存在が合成樹脂類の炉燃料等としての利用を事実上不可能にしているという上記知見に基づき、燃料等に供すべき合成樹脂類を、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類とそれ以外の合成樹脂類とに分別された状態で受け入れ、これらをそれぞれ異なる工程で気送用固体燃料に適した粒状物に加工する加工処理ラインを設け、この加工後の粒状合成樹脂材を特定の気送手段により高炉羽口部等の炉の吹き込み部に気送できるようにしたことを基本的な特徴としている。
【0010】
また、特にフィルム状合成樹脂材については、これを特定の手段で加工した場合に流動性、搬送性及び燃焼性に極めて優れた粒状合成樹脂材が得られること、またこのような粒状合成樹脂材を塊状合成樹脂材等の粉砕物と混合することにより、合成樹脂材全体の流動性、搬送性及び燃焼性を著しく高めることができることを知見し、これら知見に基づき構成された合成樹脂材吹込み設備を他の特徴としている。
【0011】
すなわち、本発明の特徴とする構成は以下の通りである。
[1] フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)を受け入れ、これを粒状合成樹脂材に加工処理するための加工処理ラインXと、前記合成樹脂類(A)以外の合成樹脂類(B)を受け入れ、これを粒状合成樹脂材に加工処理するための加工処理ラインYと、前記加工処理ラインX及び加工処理ラインYで得られた粒状合成樹脂材が装入される一次貯留サイロと、該一次貯留サイロから供給される粒状合成樹脂材を炉に気送供給するための吹込みステーションとからなり、前記加工処理ラインXは、合成樹脂類(A)を熱により溶融または半溶融化させた後固化させることにより減容固化された粒状合成樹脂材に加工する粒状固化装置を有し、前記加工処理ラインYは、合成樹脂類(B)を破砕処理するための1次またはそれ以上の破砕装置を有し、前記吹込みステーションは少なくとも、前記一次貯留サイロから供給される粒状合成樹脂材が装入される二次貯留サイロと、該二次貯留サイロ側から供給される粒状合成樹脂材を受け入れ、これを炉に気送する吹込みタンクとを有するとともに、該吹込みタンクから炉の吹き込み部に粒状合成樹脂材を連続供給可能とした構成を有する炉への合成樹脂材吹込み設備。
【0012】
[2] 上記[1]の設備において、加工処理ラインYが入側から少なくとも、合成樹脂類(B)を破砕処理するための1次またはそれ以上の破砕装置と、破砕処理された合成樹脂類(B)から異物を分離除去するための選別装置と、異物が除去された合成樹脂類(B)を破砕処理するため最終の破砕装置とを有する炉への合成樹脂材吹込み設備。
[3] 上記[1]または[2]の設備において、加工処理ラインXにおける粒状固化装置が、合成樹脂類(A)を加熱して溶融させる手段と、溶融した合成樹脂材を冷却して固化させる手段と、該固化した合成樹脂材を裁断または粉砕処理するための加工手段とを有する炉への合成樹脂材吹込み設備。
[4] 上記[1]または[2]の設備において、加工処理ラインXにおける粒状固化装置が、合成樹脂類(A)を加熱して半溶融化させる手段と、半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより粒状に収縮固化させる手段とを有する炉への合成樹脂材吹込み設備。
【0013】
[5] 上記[1]または[2]の設備において、加工処理ラインXにおける粒状固化装置が、合成樹脂類(A)を加熱して半溶融化させる手段と、半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより収縮固化させる手段と、収縮固化した合成樹脂材を粉砕処理する手段とを有する炉への合成樹脂材吹込み設備。
[6] 上記[1]または[2]の設備において、加工処理ラインXにおける粒状固化装置が、合成樹脂類(A)が装入される処理室と、該処理室内に配され、合成樹脂類を破砕処理するとともに、該破砕による摩擦熱により合成樹脂類を半溶融化させるための回転刃と、処理室内に冷却用流体を吹き込んで半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより収縮固化させる急冷手段とを有する炉への合成樹脂材吹込み設備。
[7] 上記[1]〜[6]のいずれかの設備において、加工処理ラインXにおける粒状固化装置よりも上流側の任意の位置に、合成樹脂類(A)から含塩素高分子樹脂材を分離除去するための分離装置を有し、加工処理ラインYにおける最終の破砕装置よりも上流側または下流側の任意の位置に、合成樹脂類(B)から含塩素高分子樹脂材を分離除去するため分離装置を有する炉への合成樹脂材吹込み設備。
【0014】
本発明は高炉やスクラップ溶解炉に限らず、合成樹脂類を燃料等として使用し得るあらゆる種類の炉に適用することができる。また、高炉やスクラップ溶解炉等の溶解炉に合成樹脂材を吹き込んだ場合、合成樹脂材は鉄源の還元剤としても機能するが、本発明法は合成樹脂材がこのように機能することを妨げず、また、合成樹脂材を炉に吹き込む主たる目的が純然たる燃料としてであるか、或いは鉄源の還元剤としてであるかを問わない。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の合成樹脂材吹込み設備の一構成例を示している。
本発明の合成樹脂材吹込み設備は、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)を受け入れ、これを粒状合成樹脂材に加工処理ための加工処理ラインXと、前記合成樹脂類(A)以外の合成樹脂類(B)を受け入れ、これを粒状合成樹脂材に加工処理するための加工処理ラインYと、これら加工処理ラインX及び加工処理ラインYでそれぞれ得られた粒状合成樹脂材が装入される一次貯留サイロ1と、この一次貯留サイロ1から供給される粒状合成樹脂材を高炉羽口部等の吹き込み部(以下、“吹き込み部”が高炉羽口部である場合を例に説明する)に気送供給するための吹込みステーションZとを有している。
【0016】
前記加工処理ラインX,Yは、燃料に供すべき合成樹脂類を、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)とそれ以外(すなわち、塊状合成樹脂材が主体)の合成樹脂類(B)とに分別された状態で受け入れ、それぞれの合成樹脂類に適した工程で粒状合成樹脂材に加工処理するものである。このため、加工処理ラインXは合成樹脂類(A)を熱により溶融または半溶融化させた該固化させることにより減容固化(減容=容積減少)された粒状合成樹脂材に加工する粒状固化装置を有し、一方、加工処理ラインYは合成樹脂類(B)を破砕処理するための1次またはそれ以上の破砕装置を有している。
【0017】
以下、本発明設備の構成を図1に従って説明すると、前記加工処理ラインXは入側から順に、合成樹脂類(A)を破砕(または粗破砕)するために必要に応じて設けられる破砕装置2と、合成樹脂類(A)を減容固化された粒状合成樹脂材(a)に加工処理するための粒状固化装置3と、粒状合成樹脂材(a)を篩分けするための篩分け装置4(例えば、振動式の篩分け装置)を有している。前記破砕装置2から粒状固化装置3には移送手段5により、また粒状固化装置3から篩分け装置4には移送手段6により、それぞれ合成樹脂類(A)が移送される。通常、これらの移送手段5,6は搬送コンベア或いは自由落下式の移送ダクト若しくは移送管等により構成される。また、移送手段5の途中には鉄屑の除去を行うための磁選機30(磁石により鉄屑等を吸着して、これを除去する装置)が設けられており、このような磁選機30が設けられる場合には、一般に移送手段5は搬送コンベアにより構成される。
【0018】
前記篩分け装置4で篩分けされた粒径の小さい粒状合成樹脂材(a)は、移送手段7により一次貯留サイロ1に移送される。この構成例では移送手段7は気送管とその途中に設けられる送風機8により構成されているが、場合によっては移送手段5,6と同様、搬送コンベアや自由落下式の移送ダクト若しくは移送管等により構成してもよい。また、篩分け装置4で篩分けされた粒径の大きい合成樹脂材は、移送手段9により前記粒状個化装置入側の移送手段5に戻され、粒状個化装置3に再装入されるようになっている。移送手段9も気送管とその途中に設けられる送風機8により構成されているが、場合によっては搬送コンベア等により構成してもよい。
【0019】
なお、この粗粒の粒状合成樹脂材を返送する位置は任意であり、例えば、粒状固化装置3と磁選機30間、破砕装置2の入側等の各位置(通常は搬送ライン)に返送することができ、また、場合によっては加工処理ラインYに供給することもできる。この加工処理ラインYに供給する場合には、例えば、一次破砕装置10の入側、一次破砕装置10と二次破砕装置11間、二次破砕装置11と選別機12間、選別機12と粉砕装置13間等の任意の位置(通常は搬送ライン)に供給することができる。また、これ以外に、粗粒の粒状合成樹脂材を系外に取り出し、他工程に直接装入(例えば、高炉やスクラップ溶解炉への炉頂装入、コークス炉や焼結炉への直接装入等)するようにしてもよい。
また、合成樹脂類(A)が後述する粒状固化装置3で破砕処理される場合には、上記破砕装置2による破砕処理は必ずしも必要ではなく、したがってその場合には破砕装置2は設けなくてもよい。
【0020】
前記粒状固化装置3は、例えば以下の▲1▼〜▲3▼に示す方式で合成樹脂類(A)の減容固化−粒状化処理を行う機構を有している。
▲1▼ 合成樹脂材類(A)を加熱して溶融させた後冷却して固化させ、この固化した合成樹脂材を裁断または粉砕処理する方式
▲2▼ 合成樹脂材類(A)を裁断または破砕し(この裁断または破砕は、粒状固化装置内ではなく上記破砕装置2で行ってもよい)、この裁断または破砕された合成樹脂材を加熱若しくは前記裁断または破砕による摩擦熱により半溶融化させ、半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより収縮固化させ、この際粒状に収縮固化させるか若しくは収縮固化した合成樹脂材を粉砕処理して粒状合成樹脂材(a)を得る方式
【0021】
▲3▼ 上記▲2▼の方式の一態様として、合成樹脂類(A)を高速回転する回転刃で裁断または破砕するとともに、該裁断または破砕による摩擦熱により合成樹脂材を半溶融化させ、次いでこの半溶融化した合成樹脂材を水噴霧等によって急冷することにより収縮固化させ、この際粒状に収縮固化させるか若しくは収縮固化と同時に前記回転刃により粉砕処理し、粒状合成樹脂材(a)を得る方式
これらの方式のうち▲1▼の方式による装置の典型的な例は、合成樹脂類(A)を完全溶融させる手段と、この溶融した合成樹脂類を線状等に押出し成形する押出し手段と、この押出し成形された合成樹脂材を粒状に裁断処理する裁断手段とからなる装置であるが、この他にも種々の加工方式を採ることができる。
【0022】
これに対して▲2▼、▲3▼の方式は合成樹脂類(A)を完全には溶融させず、半溶融化させた状態から冷却用流体(水または冷却ガス等)の噴霧等によって急冷することにより収縮固化させ、この際粒状に収縮固化させるか若しくは収縮固化したものを粒状に粉砕処理することにより粒状合成樹脂材(a)を得る方式である。本発明者らは特にこのような▲2▼,▲3▼の方式(とりわけ▲3▼の方式)による装置で得られた粒状合成樹脂材(a)が、フィルム状合成樹脂材の粉砕物は言うに及ばず、塊状合成樹脂材の粉砕物に較べてさえ非常に優れた流動性と搬送性を示し、しかも燃焼性にも非常に優れていること、さらにはこれらを塊状合成樹脂材の粉砕物と混合して用いることにより、合成樹脂材全体の搬送性及び燃焼性を著しく向上させ得ることを見出したものであり、したがって、本発明の燃料吹込み設備においては、粒状固化装置3は上記▲2▼または▲3▼の方式のものを用いることが最も好ましい。
【0023】
図3は上記▲2▼の方式で粒状収縮固化若しくは収縮固化−粒状化の連続処理を行う粒状固化装置3の一構成例を示しており、粒状固化装置3は合成樹脂類の入側から順に、破砕機39、減容固化装置40及び必要に応じて設けられる粉砕機41を有している。また、減容固化装置40は入側から加熱室42と冷却室43を有するとともに、これら加熱室42と冷却室43を通じて合成樹脂類を連続搬送する搬送装置44(搬送ベルト等)を有している。
【0024】
このような粒状固化装置3によれば、合成樹脂類(A)は破砕機39で破砕された後、減容固化装置40に装入される。この減容固化装置40では、合成樹脂類(A)は加熱室42及びこれに続く冷却室43を搬送装置44で連続搬送されつつ、加熱室42において加熱(ガス加熱、ガス間接加熱または電気加熱等)されることで半溶融化した後、冷却室43で水噴霧等により急冷され、収縮固化する。この際、合成樹脂類(A)の破砕形態や加熱室内への装入状態等を適宜選択することにより合成樹脂材を粒状に収縮固化させることができ、したがってこの方式によれば収縮固化ままで粒状合成樹脂材(a)が得られる。
【0025】
一方、合成樹脂材の一部または全部を粒状に収縮固化させない方式では、収縮固化した合成樹脂材は減容固化装置40から粉砕機41に装入され、この粉砕機41により粒状に粉砕処理されることで粒状合成樹脂材(a)が得られる。
以上のようにして得られた粒状合成樹脂材(a)は、破砕されたフィルム状合成樹脂材を半溶融状態から粒状に収縮固化させ若しくは収縮固化させた後これを粉砕処理したものであるため、塊状合成樹脂材の破砕物に較べて比較的ポーラスな性状であって比表面積が大きく、しかも塊状合成樹脂材の破砕物のように角ばった形状ではなく、全体的に見て丸みを帯びた形状を有するため、優れた燃焼性と流動性を示す。
【0026】
図4は上記▲3▼の方式による装置の構造の概略を、また図5はこの装置による粒状収縮固化若しくは収縮固化−粒状化処理の原理を模式的に示している。
この粒状固化装置3は、合成樹脂類(A)が装入されるタンク45と、このタンク45内の底部に配置される1または2以上の回転刃46と、タンク45内に冷却用流体(水等の液体若しくはガス)を吹き込み若しくは噴霧するための急冷手段47とを備えている。このような粒状固化装置3によれば、タンク45内に装入された合成樹脂類(A)を高速回転する回転刃46で裁断または破砕するとともに、この裁断または破砕による摩擦熱により合成樹脂材を半溶融化させ、次いで、この半溶融化した合成樹脂材を急冷手段47からの水噴霧等により上記温度から急冷することにより収縮個化させ、この際粒状に収縮固化させるか若しくは収縮固化と同時に前記回転刃46により粉砕処理し、粒状合成樹脂材(a)が得られる。
【0027】
以上のようにして得られた粒状合成樹脂材(a)も、破砕されたフィルム状合成樹脂材を半溶融状態から粒状に収縮固化させ若しくは収縮固化させた後これを粉砕処理したものであるため、塊状合成樹脂材の破砕物に較べて比較的ポーラスな性状であって比表面積が大きく、しかも塊状合成樹脂材の破砕物のように角ばった形状ではなく、全体的に見て丸みを帯びた形状を有するため、優れた燃焼性と流動性を示す。
【0028】
この装置はバッチ方式により合成樹脂材の破砕(または裁断)処理、半溶融化処理及び収縮固化後の粉砕処理(但し、急冷により粒状に収縮固化させる場合は粉砕処理は必要ない)の総てを高速回転する回転刃46により行うものであり、「破砕(または裁断)→半溶融化→急冷による粒状収縮固化」若しくは「破砕(または裁断)→半溶融化→急冷による収縮固化→粉砕」という一連の処理工程が短時間に速やかに行われ、しかも合成樹脂材が回転刃46による破砕(裁断)−高速撹拌中に半溶融化し、このような状態から速かに急冷処理がなされるため、比表面積及び粒形状等の面でより好ましい粒状合成樹脂材(a)が得られる。また、回転刃46の作用だけで破砕(または裁断)処理、半溶融化処理及び収縮固化後の粉砕処理が行われるため、設備コスト及び運転コストの面でも有利である。
【0029】
なお、上記▲3▼の方式による装置においても、合成樹脂類(A)の破砕形態や回転刃に対する装入状態等を適宜選択することにより合成樹脂材を粒状に収縮固化させることができ、したがってこの場合には実質的に収縮固化後の回転刃46による粉砕処理なしに、収縮固化ままで粒状合成樹脂材(a)が得られる。一方、合成樹脂材の一部または全部を粒状に収縮固化させない場合には、上記のように回転刃46による粉砕処理により粒状合成樹脂材(a)が得られる。
また、上記▲2▼、▲3▼の方式において合成樹脂類(A)を半溶融化する温度は合成樹脂の種類や形状等によってある程度異なり、例えば材質面だけからいうと低密度ポリエチレンの場合で105〜115℃程度、中低密度ポリエチレンの場合で128℃前後である。したがって、合成樹脂類(A)に含まれる合成樹脂材の種類や割合、形態等に応じて、半溶融化させるための温度が適宜選択される。
【0030】
一方、前記加工処理ラインYは入側から順に、合成樹脂類(B)を粗破砕するための一次破砕装置10と、合成樹脂類(B)をさらに細かく破砕するための二次破砕装置11と、破砕された合成樹脂類(B)から金属や土砂等の異物を除去するための選別装置12と、異物が除去された合成樹脂類(B)を最終的な粒径に粉砕処理して粒状合成樹脂材(b)とするための粉砕装置13を有している。
前記一次破砕装置10から二次破砕装置11には移送手段14により、また二次破砕装置11から選別装置12には移送手段15により、それぞれ合成樹脂類(B)が移送される。通常、これら移送手段14,15は搬送コンベア或いは自由落下式の移送ダクト若しくは移送管等により構成される。また、移送手段14の途中には鉄屑の除去を行うための磁選機30(磁石により鉄屑等を吸着して、これを除去する装置)が設けられており、このような磁選機30が設けられる場合には、一般に移送手段14は搬送コンベアにより構成される。
【0031】
選別装置12から粉砕装置13には移送手段16により、また粉砕装置13から一次貯留サイロ1には移送手段17により、それぞれ合成樹脂類(B)若しくは粒状合成樹脂材(b)が移送される。この構成例では移送手段16,17は気送管とその途中に設けられる送風機8により構成されているが、場合によっては移送手段14,15と同様、搬送コンベアや自由落下式の移送ダクト若しくは移送管等により構成してもよい。
前記一次貯留サイロ1と吹込みステーションZとの間には、上流側から順に、一次貯留サイロ1から供給される粒状合成樹脂材を受け入れて一時的に貯留するサービスタンク19と、このサービスタンク19から供給される粒状合成樹脂材を受け入れ、これを吹込みステーションZに気送供給するためのリフトタンク21が設けられている。
【0032】
一次貯留サイロ1からサービスタンク19には移送手段18により粒状合成樹脂材が供給される。この移送手段18は、例えば定量切り出し装置と搬送コンベア或いは自由落下式の移送ダクト若しくは移送管等により構成される。また、サービスタンク19からリフトタンク21には移送手段20により粒状合成樹脂材が移送されるが、この移送手段20は自由落下式の移送管により構成され、この移送管の途中には粒状合成樹脂材の供給及び停止とリフトタンク内の気圧を保持するための遮断弁38が設けられている。
前記リフトタンク21にはアキュームレータ29からのエア供給管37が接続され、気送用エアが供給される。この気送用エアによりリフトタンク21内の粒状合成樹脂材が気送管22を通じて吹込みステーションZに供給される。また、粒状合成樹脂材の気送量はリフトタンク21内に供給される気送用エアの圧力で制御される。
【0033】
前記吹込みステーションZは、粒状合成樹脂材の高炉羽口部への連続供給を可能とするための多段式のタンクを有しており、この構成例では上流側から順に、二次貯留サイロ23、均圧タンク24及び吹込みタンク25を有し、前記気送管22が二次貯留サイロ23に接続されている。二次貯留サイロ23から均圧タンク24には移送手段31により、また均圧タンク24から吹込みタンク25には移送手段32により、それぞれ粒状合成樹脂材が供給される。これらの各移送手段31,32は自由落下式の移送管により構成され、またそれらの途中には粒状合成樹脂材の供給及び停止と均圧タンク24及び吹込みタンク25内の気圧を保持するための遮断弁33,34が設けられている。
【0034】
前記吹込みタンク25から高炉BFの羽口部28には、気送管26及び各羽口部に通じる気送支管27(図中、36は各気送支管27への分配器)により粒状合成樹脂材が気送供給される。気送管26の吹込みタンク出側位置には、タンクから排出された粒状合成樹脂材をガスと混合して流動化させるための流動化装置35が設けられている。この流動化装置35は粒状合成樹脂材の供給・停止を行う機能も有している。また、気送管26にはアキュームレータ29からのエア供給管37が接続され、気送用エアを供給する。吹込みタンク25からの粒状合成樹脂材の気送量の調整は、吹込みタンク25内の圧力を例えば図示しない昇圧手段により調整することにより、さらに必要に応じてアキュームレータ29からの気送用ガスの流量を調整することにより行われる。
【0035】
図6及び図7はそれぞれ吹込みステーションZの他の構成例を示すもので、これらは図1に示すような均圧タンクを設けず、複数組の二次貯留サイロ−吹込みタンクまたは吹込みタンクを並列的に設け、高炉羽口部への粒状合成樹脂材の連続供給を可能としたものである。
図6に示す吹込みステーションZは、二次貯留サイロ23a及び吹込みタンク25aと二次貯留サイロ23b及び吹込みタンク25bとを並列的に設け、二次貯留サイロ23a,23bに対して、気送管22に設けた分配装置48により粒状合成樹脂材を適宜振り分けて装入できるようにしている。二次貯留サイロ23a,23bから吹込みタンク25a,25bには、移送手段49a,49bによりそれぞれ粒状合成樹脂材が供給される。これらの各移送手段49a,49bは自由落下式の移送管により構成され、またそれらの途中には粒状合成樹脂材の供給及び停止と吹込みタンク内の気圧を保持するための遮断弁50a,50bが設けられている。また、各吹込みタンク25a,25bに接続された気送支管260a,260bのタンク出側位置には、図1の流動化装置35と同様の機能を有する流動化装置51a,51bが設けられている。
なお、図6に示す吹込みステーションZでは、並列的な二次貯留サイロ−吹込みタンクを3組以上設けることもできる。
【0036】
また、図7に示す吹込みステーションZは、二次貯留サイロ23の出側に吹込みタンク25a,25bを並列的に設け、分配装置53を有する移送手段52により二次貯留サイロ23から粒状合成樹脂材を各吹込みタンク25a,25bに適宜振り分けて供給できるようにしている。この移送手段52を構成する各吹込みタンクへの分岐管の途中には粒状合成樹脂材の供給及び停止と吹込みタンク内の気圧を保持するための遮断弁54a,54bが設けられている。また、各吹込みタンク25a,25bに接続された気送支管260a,260bのタンク出側位置には、図1の流動化装置35と同様の機能を有する流動化装置遮断弁55a,55bが設けられている。
なお、図7に示す吹込みステーションZでは、並列的な吹込みタンクを3組以上設けることもできる。
【0037】
なお、図1に示した構成例では磁選機30を各加工処理ラインX,Yでそれぞれ1箇所ずつに設けているが、各処理ラインの複数箇所に磁選機30を配置してもよい。
また、加工処理ラインX,Yに設置される各種の破砕装置(粉砕装置13も含む)の破砕方式は任意であり、通常の機械的手段のみによる破砕方式以外に、例えば被処理体を冷凍した状態で破砕する所謂冷凍破砕方式のものを適用することもできる。
通常、図1に示す加工処理設備の入側には、搬入合成樹脂類のヤード乾燥設備等の付帯設備が設けられる。
【0038】
図2は本発明設備の他の構成例を示すもので、加工処理ラインXと加工処理ラインYに、それぞれ合成樹脂類から塩化ビニル等の含塩素高分子樹脂材を分離除去するための分離装置56,57を設けたものである。
すなわち、加工処理ラインXでは破砕装置2と粒状固化装置3との間に分離装置56が設けられ、合成樹脂類(A)から塩化ビニルや塩化ビニリデン等の含塩素高分子樹脂材のみが分離除去される。塩化ビニル等の含塩素高分子樹脂は他の合成樹脂に較べて比重が大きいため(ポリエチレンの比重:0.91〜0.96、ポリプロピレンの比重:0.89〜0.91程度であるのに対し、塩化ビニルの比重:1.16〜1.55程度)、通常、分離装置56は水等の液体を利用した比重分離方式或いは遠心分離方式等により合成樹脂類(A)から含塩素高分子樹脂材を分離する。
なお、加工処理ラインXにおける前記分離装置56は、粒状固化装置3よりも上流側の任意の位置に配置することができる。
【0039】
図8は比重分離方式による分離装置56の一構成例を示している。図において、58は水が入れられた分離槽、59a,59bは分離槽から排出された合成樹脂材の水を切るためのスクリーン、60はスクリーンによる水切り後に合成樹脂材を乾燥処理するための乾燥機、61はスクリーン59a,59bで分離された水を排出する排水タンクである。
このような分離装置56によれば、合成樹脂類(A)は水が入れられた分離槽58に装入され、槽内で沈降する塩化ビニル等の含塩素高分子樹脂材と浮上するそれ以外の合成樹脂材とに分離される。沈降分離した含塩素高分子樹脂材は適当な排出手段により槽外に排出され、スクリーン59aを経て水と分離された後、系外に排出される。一方、槽内で浮上した含塩素高分子樹脂材以外の合成樹脂材は適当な排出手段で槽外に排出され、スクリーン59bを経て水と分離された後、乾燥機60で乾燥され、次工程へと送られる。
【0040】
また、図9は遠心分離方式による分離装置56の一構成例を示している。この装置は、内部が中空の筒状若しくは紡錘状の本体62と、この本体62内部の長手方向に回転自在に配されるスクリュー付きの内筒体63と、この内筒体回転駆動用のモータ64等から構成される。この装置では、合成樹脂材と水等の媒体との混合物が、高速回転する内筒体63の一端からその内部に供給される。混合物は内筒体63の長手方向略中央に設けられた開口65から遠心力の作用により本体62の内部空間に吐き出され、媒体の比重を境としてこれよりも比重の大きい重質分(含塩素高分子樹脂)と比重の小さい軽質分(含塩素高分子樹脂以外の合成樹脂類)とに分離される。つまり、遠心力によって合成樹脂材のうちの重質分のみが本体62の内壁面側に集められる結果、軽質分と重質分が本体62の径方向において分離した状態となる。
【0041】
ここで、内筒体63は、前記開口65を大略の境とした長手方向半分に軽質分搬送用のスクリュー66aが、他の長手方向半分に重質分搬送用のスクリュー66bが設けられている。これらスクリュー66a、66bはスクリューの螺旋方向が互いに逆向きであり、内筒体63が回転することによりスクリュー66a、66bはそれぞれの側の本体端部方向に合成樹脂材を搬送する。すなわち、軽質分の合成樹脂材は羽根が比較的短かいスクリュー66aによって本体62の一方の端部まで搬送され、排出口67aから排出される。一方、本体62の内壁面側に集められた重質分の合成樹脂材は、羽根が本体62の内壁面近傍まで延びたスクリュー66bによって本体62の他方の端部まで搬送され、排出口67bから排出される。一方、水等の媒体は本体62の略中央部に設けられた排出口68から装置外に排出される。
【0042】
このような装置によれば、軽質分と重質分にそれぞれ分離された合成樹脂材を水分が非常に少ない状態で装置外に排出させることができる。
図2に示す設備では、破砕装置2から分離装置56には移送手段5aにより、また分離装置56から粒状固化装置3には移送手段5bにより、それぞれ合成樹脂類(A)が移送される。通常、これら移送手段5a,5bは搬送コンベア或いは自由落下式の移送ダクト若しくは移送管等により構成される。また、移送手段5aの途中には鉄屑の除去を行うための磁選機30が設けられており、このような磁選機30が設けられる場合には、一般に移送手段5aは搬送コンベアにより構成される。
【0043】
一方、加工処理ラインYでは選別装置12と粉砕装置13との間に分離装置57が設けられ、合成樹脂類(B)から塩化ビニルや塩化ビニリデン等の含塩素高分子樹脂材のみが分離除去される。分離装置57の構成例及び作用等は上述した分離装置56と同様であるのでその説明は省略する。なお、加工処理ラインYにおける分離装置57の配置は本実施例に限定されるものではなく、粉砕装置13よりも上流側また下流側の任意の位置、例えば一次破砕装置10と二次破砕装置111間、二次破砕装置11と選別装置12間、粉砕装置13の出側等に配置することができる。
選別装置12から分離装置57には移送手段16aにより、また分離装置57から粉砕装置13には移送手段16bにより、それぞれ合成樹脂類(B)が移送される。通常、これら移送手段16a,16bは搬送コンベア或いは自由落下式の移送ダクト若しくは移送管等により構成される。
【0044】
図2の他の構成は図1と同一であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。なお、この図2の構成例においても、篩分装置4で篩い分けられた粗粒の粒状合成樹脂材を返送する位置は任意であり、例えば、分離装置56と粒状固化装置3間、磁選機30と分離装置56間、破砕装置2の入側等の各位置(通常は搬送ライン)に返送することができ、また、場合によっては加工処理ラインYに供給することもできる。この加工処理ラインYに供給する場合には、例えば、一次破砕装置10の入側、一次破砕装置10と二次破砕装置11間、二次破砕装置11と選別機12間、選別機12と粉砕装置13間等の任意の位置(通常は搬送ライン)に供給することができる。また、先に述べたように粗粒の粒状合成樹脂材を系外に取り出し、他工程に直接装入(例えば、高炉やスクラップ溶解炉への炉頂装入、コークス炉や焼結炉への直接装入等)するようにしてもよい。
【0045】
次に、上述した本発明設備における合成樹脂類の処理及び高炉への吹込み工程について説明する。
本発明設備では燃料に供すべき合成樹脂類を、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)とそれ以外(すなわち、塊状合成樹脂材が主体)の合成樹脂材類(B)とに分別された状態で加工処理設備に受け入れ、加工処理ラインX,Yにおいてそれぞれ異なる工程で炉吹込み用固体燃料(或いは鉄源の還元剤)に適した粒状物に加工処理する。ここで、合成樹脂類(A)には、フィルム状合成樹脂材のほかに流動性や搬送性に難がある他の形態の合成樹脂材、例えば発泡プラスチック等を含ませることができる。
【0046】
フィルム状合成樹脂材に特別な制限はないが、本発明者らが実験により確認したところによれば、厚さが100μm以下の合成樹脂フィルムが特に流動性や搬送性に劣ることから、分別可能な限度において厚さ100μm以下の合成樹脂フィルムについては合成樹脂類(A)に分別することが好ましい。但し、必ずしもこのような分別基準に限定されないことは言うまでもなく、また、ポリエチレンフィルム等のような極薄材の他に、所謂ペットボトル等に利用されているような比較的厚手の合成樹脂類も合成樹脂類(A)に含ませることができる。また、合成樹脂類(A)に分別するか否かは、厚さ以外にも、合成樹脂類の成分組成、材質(例えば、複合材として合成樹脂類以外のものが含まれている場合と、そうでない場合等)、形態等の要素に応じて決められる。
一方、合成樹脂類(B)としては、板材等の塊状合成樹脂材が主体となるが、勿論これに限定されるものではない。
【0047】
要は、収集された合成樹脂類の流動性や搬送性等を考慮し、少なくともポリエチレンフィルムのように破砕処理したままでは流動性や搬送性が極端に劣るものは合成樹脂類(A)に分別し、それよりも流動性や搬送性が良好な塊状プラスチックのようなものは合成樹脂類(B)に分別し、それ以外のものは流動性や搬送性等を考慮して合成樹脂類(A)、(B)のいずれかに分別すればよい。
なお、合成樹脂類の加工処理及び吹き込みシステム全体として見た場合、燃料等として供給すべき合成樹脂類のうちのフィルム状合成樹脂材の総てを合成樹脂類(A)に、また塊状合成樹脂材の総てを合成樹脂類(B)にそれぞれ厳密に分別する必要は必ずしもなく、また、廃棄物という性質を考慮すればそのような厳密な分別は実際上も困難である。したがって、合成樹脂類(A)に塊状合成樹脂材等が、また合成樹脂類(B)にフィルム状合成樹脂材等がある程度含まれることは許容される。
【0048】
加工処理ラインXでは、合成樹脂類(A)は必要に応じて破砕装置2において破砕(または粗破砕)された後、移送手段5により粒状固化装置3に装入され、ここで減容固化された粒状合成樹脂材(a)に加工される。また、上記移送手段5の途中で磁選機30により合成樹脂類に混入している鉄屑の除去が行われる。
前記粒状固化装置3では、先に述べた▲1▼〜▲3▼の何れかの方式で合成樹脂類(A)の減容固化−粒状化処理が行われ、粒状合成樹脂材(a)が得られる。粒状固化装置3で得られた粒状合成樹脂材(a)は、移送手段6により篩分け装置4に装入されて篩い分けされ、所定の粒径以下(例えば−6mm)のものだけが移送手段7を通じて一次貯留サイロ1に送られる。一方、所定の粒径を超える粒状合成樹脂材は移送手段9を通じて粒状固化装置3入側の移送手段5に戻され、合成樹脂類(A)とともに粒状固化装置3に再装入される。
また、図7に示す設備の場合には、合成樹脂類(A)は粒状固化装置3での処理に先立ち分離装置56に装入され、ここで塩化ビニルや塩化ビニリデン等の含塩素高分子樹脂材の分離除去が行われる。分離装置56で含塩素高分子樹脂材が分離除去された合成樹脂類(A)は粒状固化装置3に装入され、ここで減容固化された粒状合成樹脂材(a)に加工された後、篩分け装置4を経て一次貯留サイロ1に送られる。
【0049】
一方、加工処理ラインYでは、合成樹脂類(B)は一次破砕装置10において粗破砕(例えば、粒径50mm程度に破砕)された後、移送手段14により二次破砕装置11に装入されて二次破砕(例えば、粒径20mm程度に破砕)される。また、一次破砕された合成樹脂類(B)は、上記移送手段14の途中で磁選機30により混入している鉄屑の除去が行われる。
二次破砕された合成樹脂類(B)は移送手段15により選別装置12に装入され、ここで金属や土砂、石等の異物が風力選別等の方法により分離除去される。次いで移送手段16を通じて粉砕装置13(三次破砕機)に送られ、所定の粒径以下(例えば、−6mm)まで粉砕処理され、粒状合成樹脂材(b)が得られる。この粒状合成樹脂材(b)は移送手段17を通じて一次貯留サイロ1に送られる。
【0050】
また、図7に示す設備では、合成樹脂類(B)は粉砕装置13での粉砕処理に先立ち分離装置57に装入され、ここで含塩素高分子樹脂材の分離除去が行われる。分離装置57で含塩素高分子樹脂材が分離除去された合成樹脂類(B)は粉砕装置13(三次破砕機)に送られ、所定の粒径以下(例えば、−6mm)まで粉砕処理された後一次貯留サイロ1に送られる。
一次貯留サイロ1に貯留された粒状合成樹脂材(a)及び(b)の混合体は、移送手段18,20を通じてサービスタンク19を経由してリフトタンク21に供給され、このリフトタンク21から吹込みステーションZに気送され、二次貯留サイロ23に装入される。
【0051】
吹込みステーションZでは、粒状合成樹脂材を吹込タンク25から高炉羽口部28に連続的に気送供給する。このような連続的な気送供給を行うため、均圧タンク24と吹込みタンク25間の移送手段32の遮断弁34を閉とした状態で二次貯留サイロ23から均圧タンク24に粒状合成樹脂材を装入しておき(装入時は移送手段31の遮断弁33は開状態)、吹込みタンク25内の粒状合成樹脂材の残量が少なくなった時点で、移送手段31の遮断弁33を閉とした状態で移送手段32の遮断弁34を開とし、均圧タンク24内の粒状合成樹脂材を吹込タンク25に補給する。以上の操作を繰り返すことにより、吹込みタンク25内の粒状合成樹脂材の残量を常時確保することができ、粒状合成樹脂材を吹込みタンク25から連続的に気送供給することができる。
【0052】
また、吹込ステーションZが図6に示すような構成を有する場合には、リフトタンク21側から気送管22を通じて供給された粒状合成樹脂材は分配装置48により二次貯留サイロ23a,23bに適宜振り分け装入され、吹込みタンク25a,25b内の粒状合成樹脂材の残量に応じ、二次貯留サイロ23a,23bから吹込みタンク25a,25bに粒状合成樹脂材の補給が行われる。
粒状合成樹脂材は常にいずれか一方の吹込みタンク25a,25bから高炉羽口部に気送供給され、気送供給を行わない他方の吹込みタンクに対して二次貯留サイロから粒状合成樹脂材の補給が行われる。この粒状合成樹脂材の補給や気送供給を行う吹込みタンク25a,25bの切替の際には、二次貯留サイロ23a,23bと吹込みタンク25a,25b間の移送手段49a,49bの遮断弁50a,50bと吹込みタンク25a,25bの出側の流動化装置51a,51bが適宜開閉操作される。
【0053】
また、吹込みステーションZが図7に示すような構成を有する場合には、リフトタンク21側から気送管22を通じて供給された粒状合成樹脂材は二次貯留タンク23に装入された後、移送手段52に設けられた分配装置53により、吹込みタンク25a,25b内の粒状合成樹脂材の残量に応じて各タンク25a,25bに適宜振り分け装入される。
粒状合成樹脂材は常にいずれか一方の吹込みタンク25a,25bから高炉羽口部に気送供給され、気送供給を行わない他方の吹込みタンクに対して二次貯留サイロ23から粒状合成樹脂材の補給が行われる。この粒状合成樹脂材の補給や気送供給を行う吹込みタンク25a,25bの切替の際には、二次貯留サイロ23と吹込みタンク25a,25b間の移送手段52の遮断弁54a,54bと吹込みタンク25a,25bの出側の流動化装置55a,55bが適宜開閉操作される。
【0054】
以上のように図6,図7に示す構成の吹込みステーションZにおいても、粒状合成樹脂材を吹込みタンク25a,25bから高炉羽口部に連続的に気送供給することができる。
気送管26にはアキュームレータ29からエア供給管37を通じて気送用エアが供給され、このエアにより吹込みタンク25,25a,25bから排出された粒状合成樹脂材が気送管26及び気送支管27を通じて複数の羽口部28に送られ、燃料として高炉内に吹き込まれる。
以上は合成樹脂材の高炉羽口部への吹き込みを例に説明したが、他の種類の炉においても、同様にして羽口部等の合成樹脂材吹き込み部に合成樹脂材が供給され、炉内への吹き込みが行われる。
【0055】
なお、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)とそれ以外の合成樹脂類(B)の加工処理設備に対する供給量は、廃棄物という性質上、経時的にある程度のバラツキを生じることがあり、比較的短時間(例えば、数時間〜数十時間程度)に限った場合にはいずれか一方の種類の合成樹脂類しか供給されず、したがって処理され且つ炉に気送される合成樹脂類は一時的に合成樹脂類(A)−粒状合成樹脂材(a)または合成樹脂類(B)−粒状合成樹脂材(b)のいずれか一方だけになることもあり得る。また、これ以外の理由により一時的に粒状合成樹脂材(a)及び(b)のいずれか一方のみが炉に気送されることもあり得る。
【0056】
先に述べたように、上記▲2▼、▲3▼の方法により粒状収縮固化若しくは収縮固化−粒状化して得られた粒状合成樹脂材(a)は比較的ポーラスな性状で比表面積が大きく、しかも全体的に見て丸みを帯びた形状を有しているために優れた燃焼性と流動性を示し、これらを粒状合成樹脂材(b)と混合することにより、炉に供給される粒状合成樹脂材全体の燃焼性と流動性及び搬送性を効果的に高めることができる。すなわち、燃焼性に関しては、炉内に粒状合成樹脂材(a)と粒状合成樹脂材(b)の混合体が吹き込まれた場合、燃焼性の良好な粒状合成樹脂材(a)が急速燃焼して粒状合成樹脂材(b)を速かに着火させ、これによって炉内吹き込まれた粒状合成樹脂材全体の燃焼性が著しく高められる。
さらに、流動性及び搬送性に関しても、丸みを帯びた形状を有する流動性及び搬送性に優れた粒状合成樹脂材(a)が粒状合成樹脂材中に含まれることにより、これが粒状合成樹脂材全体の流動性を向上させる潤滑的機能を果し、この結果粒状合成樹脂材全体の流動性、搬送性が大きく改善される。
【0057】
上記のような作用を得るためには、粒状合成樹脂材(a)と粒状合成樹脂材(b)を重量比で(a)/[(a)+(b)]:0.10以上の割合で混合することが好ましい。図15は、フイルム状合成樹脂材を上記▲3▼の方法で収縮固化−粒状化処理して得られた粒径6mm以下の粒状合成樹脂材(a)と塊状合成樹脂材を粉砕処理して得られた粒径6mm以下の粒状合成樹脂材(b)(いずれの粒状合成樹脂材も安息角:40°)とを種々の割合で混合し、この混合体を高炉の羽口部に気送して炉内吹き込みを行ない、その際の(a)/[(a)+(b)]の重量比と混合体の搬送性(供給トラブル発生頻度)及び燃焼性(吹込み燃料によるコークス置換率)との関係を調べたものである。なお、供給トラブル発生頻度とコークス置換率は以下のように定めた。
【0058】
(イ) 供給トラブル発生頻度
塊状合成樹脂材を粉砕処理して得られた粒径6mm以下の粒状合成樹脂材(b)(安息角:40°)のみを単独で炉に供給した場合の供給トラブル発生頻度指数を“1”とし、この場合と比較した供給トラブル発生頻度を指数で示した。供給トラブル発生の有無は、貯留サイロ内の粒状合成樹脂材の重量変動を常時監視し、重量変動:0の状態が所定時間(例えば10分間程度)続いた場合にトラブル発生(サイロ切出部や気送管途中での詰り発生)と判断した。
(ロ) コークス置換率
コークス置換率=(粒状合成樹脂材の吹込みにより低減したコークス比)/(粒状合成樹脂材の吹き込み比)
但し、粒状合成樹脂材の吹込みにより低減したコークス比:kg/t・pig
粒状合成樹脂材の吹き込み比:kg/t・pig
【0059】
図15によれば(a)/[(a)+(b)]:0.10以上の領域において優れた燃焼性と搬送性が得られることが判る。
上記のように(a)/[(a)+(b)]を所定の範囲に管理するためには、粒状合成樹脂材(a)及び粒状合成樹脂材(b)を一旦それぞれの貯留サイロに貯留した後に混合するようにすることが好ましい。図10はそのための貯留サイロの構成例を示しており、粒状合成樹脂材(a)及び粒状合成樹脂材(b)をそれぞれの貯留サイロ69a,69bに一旦貯留し、これら貯留サイロ69a,69bから一次貯留サイロ1に粒状合成樹脂材(a)と粒状合成樹脂材(b)を適宜切り出し、一次貯留サイロ1に(a)/[(a)+(b)]が調整された粒状合成樹脂材を貯留できるようにしたものである。
【0060】
さらに、粒状合成樹脂材(a)及び(b)は嵩密度0.30以上、安息角40°以下に加工されることが好ましい。先に述べたように従来技術においては合成樹脂粉砕物の嵩密度を0.35以上とすることが提案されているが、特に塊状合成樹脂材の粉砕物については嵩密度を高めるとそれだけ破砕機の負荷が増大する(破砕刃の寿命が短くなる)という問題があり、破砕機によっては嵩密度0.35未満の粉砕物しか得られないものもある。一方、本発明者らの検討によれば、粒状合成樹脂材の嵩密度が0.30以上であれば圧力損失等の点を含めて粒状合成樹脂材を気送することに何の問題も生じないこと、また、粒状合成樹脂材の貯留サイロでのブリッジ(棚つり)や気送管系内の曲管部やバルブ周辺での詰まり等のトラブルの発生は粒状合成樹脂材の嵩密度とは殆ど関係がなく、粒状合成樹脂材の粒形状に大きく左右されること、そして、この粒形状に基づく上記トラブルの発生抑制効果は粒状合成樹脂材の安息角で整理できることが判明した。
【0061】
図16は、塊状合成樹脂材を粉砕処理して得られた粒径6mm以下の粒状合成樹脂材について、その安息角と貯留サイロでのブリッジ(棚つり)や気送管内での詰まり等の供給トラブル発生頻度との関係を、嵩密度が異なる粒状合成樹脂材別に示したものである。なお、供給トラブル発生頻度の評価は図15と同様の方法で行なった。
図16によれば、粒状合成樹脂材の嵩密度に拘りなく、安息角を40°以下とすることにより上記のような供給トラブルを適切に防止できることが判る。
【0062】
また、粒状合成樹脂材(a)のうち上記▲2▼、▲3▼の方法で粒状収縮固化若しくは収縮固化−粒状化して得られるものについては、当該方法で粒状収縮固化若しくは収縮固化−粒状化するだけで安息角40°以下の粒状合成樹脂材が得られることが判った。一方、上記▲1▼方法で減容固化−粒状化して得られる粒状合成樹脂材(a)または上記▲1▼〜▲3▼以外の方法で収縮固化−粒状化して得られる粒状合成樹脂材(a)や、合成樹脂類(B)を破砕処理して得られる粒状合成樹脂材(B)については、安息角40°以下を達成するために破砕方式等が適宜選択される。
なお、本発明設備において加工処理して得る粒状合成樹脂材(a)、(b)の粒径は、燃焼性の観点から10mm以下、好ましくは4〜8mmとすることが好ましい。
【0063】
本発明が処理の対象としている合成樹脂類は、主として廃棄物(所謂ゴミとしての廃棄物、工場等での製造・加工時に生じる屑や不良品等を含む)たる合成樹脂類であり、したがって、その性質上合成樹脂以外の異物(金属、紙、その他の無機物及び有機物)が付着若しくは混入している合成樹脂類も対象となる。このような廃棄合成樹脂類の具体例としては、プラスチックボトル、プラスチック袋、プラスチック包み、プラスチックフィルム、プラスチックトレイ、プラスチックカップ、磁気カード、磁気テープ、ICカード、フレキシブルコンテナ、プリント基板、プリントシート、電線被覆材、事務機器または家電製品用ボディー及びフレーム、化粧合板、パイプ、ホース、合成繊維及び衣料、プラスチック成型ペレット、ウレタン材、梱包用シート、梱包用バンド、梱包用クッション材、電気用部品、玩具、文房具、トナー、自動車用部品(例えば、内装品、バンパー)、自動車または家電製品等のシュレッダーダスト、イオン交換樹脂、合成紙、合成樹脂接着剤、合成樹脂塗料、固形化燃料(廃棄プラスチック減容物)等が挙げられる。
なお、廃棄物として処理設備に搬入されてくる合成樹脂類のうち、形態が既に粒状であるためそのまま炉に気送供給可能なもの(例えば、粒状であるイオン交換樹脂材、成型加工用合成樹脂ペレット、玩具用合成樹脂小球等)については、本発明による加工処理を経ることなく、そのまま貯留サイロに装入するなどして炉に供給することができることは言うまでもない。
【0064】
【実施例】
図11ないし図13は本発明設備の一実施例を示している。
加工処理ラインXの入側には、例えばロール状に巻かれたフィルム状合成樹脂材を切断し、ロール芯材をフィルム状から分離除去すること等を目的とした堅型切断機(オフライン)が設けられている。加工処理ラインXは入側から順に、端部に合成樹脂類(A)の受入れホッパ71を備えた供給コンベア72と、この供給コンベア72で搬送された合成樹脂類(A)を、正逆転可能な振分けコンベア73及び投入コンベア75a,75bを経由して受け入れる複数の粒状固化装置76a,76bと、この粒状固化装置76a,76bで粒状に加工処理された合成樹脂材を篩い分けするための篩分け装置77a,77b(振動排出装置)と、この篩分け装置77a,77bにより篩い分けされた粒径の小さい粒状合成樹脂材(a)を搬送するための篩下コンベア78及び気送管79と、この気送管79により移送された粒状合成樹脂材(a)を気送用エアから分離するための分離機98dとを有し、この分離機98dで分離された粒状合成樹脂材(a)は移送管を通じて一次貯留サイロ80に装入される。
【0065】
また、加工処理ラインXは、篩分け装置77a,77bで篩い分けされた粒径の大きい合成樹脂材を受け入れ、これを移送するための篩上コンベア81及び気送管87と、この気送管87により移送された合成樹脂材を気送用エアから分離した後、受入れホッパ71に再装入するための分離機82を有している。
前記粒状固化装置76a,76bの構造は、先に図1の構成例で述べたものと同様である。
また、前記振分けコンベア73の上部には1対の磁選機74が配置されている。
【0066】
一方、加工処理ラインYは入側から順に、端部に合成樹脂類(B)の受入れホッパ83を備えた供給コンベア84と、この供給コンベア84で搬送された合成樹脂類(B)を受け入れ、これを粗破砕するための一次破砕装置85と、この一次破砕装置85で粗破砕された合成樹脂類(B)を二次破砕装置に搬送するための搬送コンベア86と、この搬送コンベア86で搬送された合成樹脂類(B)を受け入れ、これを二次破砕するための二次破砕装置88と、この二次破砕装置88で破砕された合成樹脂類(B)を風力選別機まで搬送するための搬送コンベア89と、この搬送コンベア89で搬送された合成樹脂類(B)から土砂や金属等の異物を除去するための風力選別機90と、この風力選別機90で異物が除去された合成樹脂類(B)を気送するための気送管91と、この気送管91で移送された合成樹脂類(B)を気送用エアから分離するための分離機92と、この分離機92から排出される合成樹脂類(B)を振分けコンベア93,94を介して受け入れるため複数のクッションタンク95a〜95cと、各クッションタンク95a〜95cから供給される合成樹脂類(B)を受け入れ、これを粉砕処理するための複数の粉砕装置96a〜96cと、この粉砕装置96a〜96cで粉砕処理された粒状合成樹脂材(b)を移送するための気送管97a〜97cと、この気送管97a〜97cで移送された粒状合成樹脂材(b)を気送用エアから分離するための分離機98a〜98cとを有し、この分離機98a〜98cで分離された粒状合成樹脂材(b)は移送管を通じて一次貯留サイロ80に装入される。
【0067】
前記風力選別機90は縦型のジグザク状の通路105に合成樹脂類(B)を装入し、この通路105の下方から上方に向けてエア吹き込むことにより合成樹脂類とそれ以外の異物とを選別分離するもので、合成樹脂類(B)は軽いため風力により通路105を上昇して気送管91に排出され、一方、土砂や金属等の重い異物は通路105を落下して通路下方に排出される。
【0068】
また、前記振分けコンベア93,94と複数のクッションタンク95a〜95cは、加工処理ラインYに対する合成樹脂類(B)の供給量に応じ、粉砕装置96a〜96cの稼動数や粉砕装置96a〜96cへの合成樹脂類の供給量を調整する機能を有している。例えば、加工処理ラインYへの合成樹脂類(B)の供給量が比較的少ない場合には、振分けコンベア93,94により複数のクッションタンク95a〜95cのうちの一部のクッションタンクに対してのみ合成樹脂類(B)の供給を行うことにより、複数の粉砕装置96a〜96cのうちの一部の粉砕装置のみを稼動させる。一方、加工処理ラインYへの合成樹脂類(B)の供給量が多い場合には、振分けコンベア93,94により全部のクッションタンク95a〜95cに対して合成樹脂類(B)の供給を行うことにより、全部の粉砕装置96a〜96cを稼動させ、さらに合成樹脂類(B)の供給量が粉砕装置96a〜96cの処理能力に対して過剰の場合には、クッションタンク95a〜95cが合成樹脂類(B)を一時的に貯留する役目を果す。
【0069】
また、加工処理ラインYでは、塊状の合成樹脂類の破砕や粉砕処理が行われるため、破砕若しくは粉砕処理後の合成樹脂材を移送した後の気送用エアには微細な合成樹脂材のダストが多量に含まれており、このような気送用エアを処理するための構成として、各分離機92,98a〜98cで分離された気送用エアを集塵機に移送するための配管99,99a〜99cと、これら配管により移送された気送用エアから合成樹脂ダストを捕集する集塵機100と、捕集された合成樹脂ダストを移送して一次貯留サイロ80に装入するための移送手段である集塵機下コンベア101を有している。
【0070】
また、前記搬送コンベア86の途中には磁選機74が配置されている。
一次貯留サイロ80には定量切出し装置104が設けられ、この定量切出し装置104から切り出された粒状合成樹脂材が搬送コンベア102を介してサービスタンク19に供給される。
なお、サービスタンク19よりも下流側の構成(吹込みステーションZを含む)は、図1に示した構成例と同一であるので、同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
その他の図面において、103は各気送管に設けられる送風機である。
【0071】
図14は本発明設備の他の実施例を示すもので、一次貯留サイロ80とサービスタンク19間に二次風力選別機106を設け、上流側の風力選別機90で除去し切れなかった異物を除去できるようにしたものである。この二次風選別機106には、一次貯留サイロ80の定量切出し装置104から切り出された粒状合成樹脂材が搬送コンベア102を介して供給される。
上記二次風力選別機106の基本的な構造は先に述べた風力選別機90と同様である。この二次風力選別機106とサービスタンク19間には、二次風力選別機106で異物が除去された合成樹脂類(B)を気送するための気送管107と、この気送管107で移送された合成樹脂類(B)を気送用エアから分離するための分離機108と、この分離機108から排出される合成樹脂類(B)をサービスタンク19に搬送するための搬送コンベア109が設けられている。
その他図面において、110は気送用の送風機である。
【0072】
次に上記実施例の設備による合成樹脂類の加工処理工程について説明する。
合成樹脂類(A)は必要に応じてオフラインの堅型切断機70において切断処理された後、加工処理ラインX入側の受入れホッパ71に装入され、供給コンベア72、振分けコンベア73及び投入コンベア75a,75bを経て粒状固化装置76a,76bに装入され、ここで先に述べたような方式により減容固化された粒状合成樹脂材(a)に加工される。また、上記振分けコンベア73の途中で磁選機74により合成樹脂類に混入している鉄屑の除去が行われる。
【0073】
粒状固化装置76a,76bで得られた粒状合成樹脂材(a)は、篩分け装置77a,77bに装入されて篩い分けされ、所定の粒径以下(例えば−6mm)のものだけが篩下コンベア78及び気送管79を通じて分離機98bに移送され、この分離機98bで気送用エアから分離された後、一次貯留サイロ80に装入される。一方、所定の粒径を超える合成樹脂材は篩上コンベア81及び気送管87を通じて分離機82に移送され、気送用エアから分離された後、入側の受入れホッパ71に戻され、合成樹脂類(A)とともに粒状固化装置76a,76bに再装入される。
【0074】
一方、合成樹脂類(B)は加工処理ラインY入側の受入れホッパ83に装入された後、供給コンベア84を経て一次破砕装置85装入されて粗破砕(例えば、粒径50mm程度に破砕)される。次いで搬送コンベア86により二次破砕装置88に装入されて二次破砕(例えば、粒径20mm程度に破砕)される。なお、一次破砕された合成樹脂類(B)は、上記搬送コンベア86の途中で磁選機74により混入している鉄屑の除去が行われる。
【0075】
二次破砕された合成樹脂類(B)は搬送コンベア89により風力選別機90に装入され、ここで金属や土砂、石等の異物が風力選別により分離除去される。このような選別を経た合成樹脂類(B)は気送管91を通じて分離機92に気送され、ここで気送用エアから分離された後、振分けコンベア93,94を経てクッションタンク95a〜95cに装入され、次いで各粉砕装置96a〜96c(三次破砕機)に送られて所定の粒径以下(例えば、−6mm)まで粉砕処理され、粒状合成樹脂材(b)が得られる。この粒状合成樹脂材(b)は気送管97a〜97cを通じて分離機98a〜98cに送られ、気送用エアから分離された後一次貯留サイロ80に装入される。
【0076】
また、分離機92,98a〜98cで分離された気送用エアは、配管99,99a〜99cを通じて集塵機100に送られて合成樹脂タストが捕集され、この合成樹脂ダストは集塵機下コンベア101により一次貯留サイロ80に装入される。
一次貯留サイロ80に貯留された粒状合成樹脂材(a)及び(b)の混合体は、定量切出し装置104及び搬送コンベア102によりサービスタンク19を経由してリフトタンク21に供給され、このリフトタンク21から吹込みステーションZに気送される。なお、これ以降の工程は図1に構成例に関して述べた内容と同一である。
【0077】
また、図14に示した設備では、一次貯留サイロ80に貯留された粒状合成樹脂材(a)及び(b)の混合体は、定量切出し装置104及び搬送コンベア102により二次風力選別機106に供給されて異物が風力選別により分離除去された後、気送管107を通じて分離機108に気送され、ここで気送用エアから分離された後、搬送コンベア109とサービスタンク19を経由してソフトタンク21に供給され、このソフトタンク21から吹込みステーションZに気送される。
【0078】
〔操業例1〕
図1に示す合成樹脂類の処理・吹込み用の設備に対して、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)を2.5t/hr、塊状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(B)を5t/hrの割合でそれぞれ供給して粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理した後、高炉の羽口部に気送供給し、微粉炭とともに羽口部から炉内に吹き込んだ。この際の合成樹脂類の加工及び供給条件と高炉の操業条件を以下に示す。
【0079】
(イ)合成樹脂類の加工条件
(イ-1) 合成樹脂類(A)
合成樹脂類を粗破砕した後、上記▲3▼の方式で収縮固化−粒状化処理して粒径6mm以下の粒状合成樹脂材(a)に加工し、これを一次貯留サイロに移送した。
(イ-2) 合成樹脂類(B)
合成樹脂類を一次破砕、二次破砕及び粉砕処理して粒径6mm以下の粒状合成樹脂材(b)に加工し、これを一次貯留サイロに移送した。
(ロ)粒状合成樹脂材の気送条件
一次貯留サイロに装入された粒状合成樹脂材(a)及び(b)の混合体をサイロから定量的に切り出し、これを吹込みステーションまで移送し、吹込みステーションから下記条件で高炉羽口部に粒状合成樹脂材を気送し、炉内に吹き込んだ。
気送ガス:空気
気送ガス吹込み流量:1300Nm3/hr
粒状合成樹脂材の吹込み量:7.5t/hr
固気比:4.5kg/kg
【0080】
(ハ)高炉操業条件
Figure 0003783298
以上の粒状合成樹脂材の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生しなかった。
【0081】
〔操業例2〕
図2に示す合成樹脂類の処理・吹込み用の試験設備に対して、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)を2.8kg/hr、塊状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(B)を5.6kg/hrの割合でそれぞれ供給して粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理した後、試験高炉の羽口部に気送供給し、微粉炭とともに羽口部から炉内に吹き込んだ。この際の合成樹脂類の加工及び気送条件と高炉の操業条件は操業例1と同様とした。
【0082】
本操業例でも粒状合成樹脂材の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生しなかった。
また、この操業例では加工処理ラインX,Yに供給された合成樹脂類中の約3%が塩化ビニル材であったが、この塩化ビニル材の約99%を分離装置で分離回収することができた。また、全操業中炉頂ガスを採取してそのガス組成を分析した結果、HClはほとんど検出されなかった。
【0083】
〔操業例3〜6〕
図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表1に示す操業例3〜6の条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類(A)を2.5t/hr、塊状合成樹材を主体とする合成樹脂類(B)を5.0t/hrの割合でそれぞれ供給し、粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理した。加工処理された合成樹脂材類には、表1に示すようにポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂以外に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂(PVC)が含まれ、また他の樹脂として、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、フタル酸ジエチル等のような可塑剤、トリメチルフォスフェート、2,3−ジブルモプロピル等のような難燃剤、ガラス繊維、炭酸カルシウム、アルミナ、粘土等が添加された樹脂、その他の各種添加剤が含まれていた。また、無機物として、合成樹脂類に付着していた土砂等が含まれていた(後述する操業例7〜16についても同様)。合成樹脂類の加工条件は操業例1と同様である。
【0084】
加工処理後の粒状合成樹脂材(a)及び(b)を一次貯留サイロで混合した後、吹込みステーションから高炉羽口部に気送供給し、廃プラスチック吹き込みランス(25mmφ)を通じて炉内に吹き込んだ。粒状合成樹脂材の気送条件を以下に示す。また、高炉の操業条件を表2に示す。
気送ガス:空気
気送ガス吹込み流量:650〜2600Nm3/hr
粒状合成樹脂材の吹き込み量:3.75〜15.0t/hr
固気比:4.5kg/kg
このような粒状合成樹脂材の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生しなかった。
【0085】
〔操業例7〕
図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表3に示す条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類(A)を1.5t/hr、塊状合成樹材を主体とする合成樹脂類(B)を6.0t/hrの割合でそれぞれ供給して粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これらを一次貯留サイロで混合した後、吹込みステーションから高炉に気送して炉内に吹き込んだ(気送ガス吹込み流量:1300Nm3/hr)。合成樹脂類の加工条件は操業例1と、また加工後の粒状合成樹脂材の気送条件は操業例3〜6と同様である。高炉の操業条件を表4に示す。
このような粒状合成樹脂材の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生しなかった。
【0086】
〔操業例8〕
図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表3に示す条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類(A)を3.0t/hr、塊状合成樹材を主体とする合成樹脂類(B)を4.5t/hrの割合でそれぞれ供給して粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これらを一次貯留サイロで混合した後、吹込みステーションから高炉に気送して炉内に吹き込んだ(気送ガス吹込み流量:1300Nm3/hr)。合成樹脂類の加工条件は操業例1と、また加工後の粒状合成樹脂材の気送条件は操業例3〜6と同様である。高炉の操業条件を表4に示す。
このような粒状合成樹脂材の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生しなかった。
【0087】
〔操業例9〕
図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表3に示す条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類(A)を5.0t/hr、塊状合成樹材を主体とする合成樹脂類(B)を2.5t/hrの割合でそれぞれ供給して粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これらを一次貯留サイロで混合した後、吹込みステーションから高炉に気送して炉内に吹き込んだ(気送ガス吹込み流量:1300Nm3/hr)。合成樹脂類の加工条件は操業例1と、また加工後の粒状合成樹脂材の気送条件は操業例3〜6と同様である。高炉の操業条件を表4に示す。
このような粒状合成樹脂材の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生しなかった。
【0088】
〔操業例10〕
図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表5に示す条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類(A)を1.50t/hr、塊状合成樹材を主体とする合成樹脂類(B)を2.25t/hrの割合でそれぞれ供給して粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これらを一次貯留サイロで混合した後、吹込みステーションから高炉に気送して炉内に吹き込んだ(気送ガス吹込み流量:1300Nm3/hr)。合成樹脂類の加工条件は操業例1と、また加工後の粒状合成樹脂材の気送条件は操業例3〜6と同様である。高炉の操業条件を表6に示す。
このような粒状合成樹脂材の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生しなかった。
【0089】
〔操業例11〕
図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表5に示す条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類(A)を4.50t/hr、塊状合成樹材を主体とする合成樹脂類(B)を6.75t/hrの割合でそれぞれ供給して粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これらを一次貯留サイロで混合した後、吹込みステーションから高炉に気送して炉内に吹き込んだ(気送ガス吹込み流量:1930Nm3/hr)。合成樹脂類の加工条件は操業例1と、また加工後の粒状合成樹脂材の気送条件は操業例3〜6と同様である。高炉の操業条件を表6に示す。
このような粒状合成樹脂材の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生しなかった。
【0090】
〔操業例12〕
図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表5に示す条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類(A)を5.5t/hr、塊状合成樹材を主体とする合成樹脂類(B)を9.5t/hrの割合でそれぞれ供給して粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これらを一次貯留サイロで混合した後、吹込みステーションから高炉に気送して炉内に吹き込んだ(気送ガス吹込み流量:2600Nm3/hr)。合成樹脂類の加工条件は操業例1と、また加工後の粒状合成樹脂材の気送条件は操業例3〜6と同様である。高炉の操業条件を表6に示す。
このような粒状合成樹脂材の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生しなかった。
【0091】
【表1】
Figure 0003783298
【0092】
【表2】
Figure 0003783298
【0093】
【表3】
Figure 0003783298
【0094】
【表4】
Figure 0003783298
【0095】
【表5】
Figure 0003783298
【0096】
【表6】
Figure 0003783298
【0097】
〔操業例13〜16〕
図2のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表7及び表8に示す操業例13〜16の条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類(A)と、塊状合成樹材を主体とする合成樹脂類(B)をそれぞれ供給して粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理した。
加工処理後の粒状合成樹脂材(a)及び(b)と一次貯留サイロで混合した後、吹込みステーションから高炉羽口部に気送供給し、廃プラスチック吹き込みランス(25mmφ)を通じて炉内に吹き込んだ。合成樹脂類の加工条件は操業例1と、また加工後の粒状合成樹脂材の気送条件は操業例3〜6と同様である。各操業例13〜16において加工処理及び炉内供給された合成樹脂類の供給量、性状等を表7及び表8に、高炉の操業条件を表9に示す。
以上の粒状合成樹脂材の炉内吹込みを実施した結果、高炉の操業自体には全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生しなかった。
また、全操業中炉頂ガスを採取してそのガス組成を分析した結果、HClはほとんど検出されなかった。
【0098】
【表7】
Figure 0003783298
【0099】
【表8】
Figure 0003783298
【0100】
【表9】
Figure 0003783298
【0101】
〔操業例17〕
図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹込み用試験設備に対して、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)を14.6kg/hr、塊状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(B)を29.2kg/hrの割合でそれぞれ供給して粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これらを一次貯留サイロで混合した後、吹込みステーションからスクラップ溶解用試験炉(竪型炉)に気送し、微粉炭とともに羽口部から炉内に吹き込んだ。この操業例では図17に示す炉体の複数の羽口部に図18に示す構造の燃焼バーナを有するスクラップ溶解用試験炉(内容積:2.5m3、銑鉄生産量:10t/日)を用いた。図17及び図18に示す試験炉において、111は炉頂部、112は原料装入装置、113は炉頂部の開閉装置、114は排ガスダクト、115は羽口部、116は羽口部に設けられた燃焼バーナであり、羽口部の燃焼バーナ116からは、バーナ径方向中心またはその近傍の固体燃料吹込部aから微粉炭PCと粒状合成樹脂材SRを、またその周囲の酸素吹込部bから常温の酸素を炉内に吹き込み、同時に燃焼温度調整用の冷却剤として水蒸気を吹き込んだ。
【0102】
合成樹脂類の加工及び供給条件とスクラップ溶解用試験炉の操業条件を以下に示す。
(イ)合成樹脂類の加工条件
操業例1と同様
(ロ)粒状合成樹脂材の気送条件
一次貯留サイロに装入された粒状合成樹脂材(a)及び(b)の混合体をサイロから定量的に切り出し、これを吹込みステーションまで移送し、吹込みステーションから下記条件で高炉羽口部に粒状合成樹脂材を気送し、炉内に吹き込んだ。
気送ガス:空気
気送ガス吹込み流量:7.6Nm3/hr
粒状合成樹脂材の吹込み量:43.8kg/hr
固気比:4.5kg/kg
【0103】
(ハ)スクラップ溶解用試験炉の操業条件
Figure 0003783298
【0104】
以上の粒状合成樹脂材の炉内吹込みを7日間実施した結果、スクラップ溶解用試験炉の操業自体には全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生しなかった。
また、この操業例では加工処理ラインX,Yに供給された合成樹脂類中の約3%が塩化ビニル材であったが、この塩化ビニル材の約99%を分離装置で分離回収することができた。また、全操業中炉頂ガスを採取してそのガス組成を分析した結果、HClはほとんど検出されなかった。
【0105】
[操業例18]
不良品や使用済として廃棄された磁気カード類(合せ材として紙等を用いたカード類、記憶媒体としてICが組み込まれたカード類等を含む)を図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して供給し、加工処理した後、高炉に気送供給して炉内に吹き込んだ。
磁気カード類は多種多様な目的で使用されているが、厚みによって下記の2種類に大別できる。
(1) 厚さ0.5mm以上:キャッシュカード、各種証明用カード等
(2) 厚さ0.5mm未満:テレホンカード、チケット、切符、各種プリペイドカード等
【0106】
事前の試験等による調査の結果、上記の磁気カード類に関しては、厚さ0.5mm未満のカード類を単に破砕するとウロコ状の小薄片となり、気送管系のタンク内等で加圧された際に小薄片どうしが密着して空孔が無くなるため、破砕片間の滑りが無くなり、またエアレーションも悪くなり、このため棚吊り等の供給トラブルを起こし易いことが判った。そこで、本操業例では厚さ0.5mm未満の上記(2)のカード類をフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類(A)として、また厚さ0.5mm以上の上記(1)のカード類を塊状合成樹材を主体とする合成樹脂類(B)としてそれぞれ分別し、図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用設備においてそれぞれを粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理した。
加工処理後の粒状合成樹脂材(a)及び(b)を一次貯留サイロで混合した後、吹込みステーションから高炉羽口部に気送供給し、廃プラスチック吹き込みランス(25mmφ)を通じて炉内に吹き込んだ。
【0107】
合成樹脂類の加工及び気送条件と高炉の操業条件を以下に示す。
(イ)合成樹脂類の加工条件
操業例1と同様
(ロ)粒状合成樹脂材の気送条件
一次貯留サイロに装入された粒状合成樹脂材(a)及び(b)の混合体をサイロから定量的に切り出し、これを吹込みステーションまで移送し、吹込みステーションから下記条件で高炉羽口部に粒状合成樹脂材を気送し、炉内に吹き込んだ。
気送ガス:空気
気送ガス吹込み量:1200Nm3/hr
粒状合成樹脂材の吹込み量:62.5kg/min
固気比:2.4kg/kg
【0108】
(ハ)高炉の操業条件
出銑量:9000t/日
送風量:7260Nm3/min
酸素富化率:4%
送風温度:1200℃
コークス比:447kg/t・pig
微粉炭吹込み量:100kg/t・pig
粒状合成樹脂材の吹込み量:10kg/t・pig
以上の粒状合成樹脂材の炉内吹込みを2日間実施した結果、高炉の操業自体には全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生しなかった。
【0109】
[操業例19]
廃棄物として回収されたプラスチックボトル容器類からポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)ボトル容器のみを選別し、これを下記操業例(イ)及び(ロ)の条件で加工処理し、高炉に気送供給して炉内に吹き込んだ。PETボトルの選別は市販の材質判別装置(東亜電波工業(株)製)または手作業により行った。操業例(イ)では、PETボトルを図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用設備の加工処理ラインYに対してのみ供給し、キャップやラベルが付いたままで6mm以下の粒径に全量破砕し(但し、金属キャップは破砕後に磁選機で除去)、高炉に気送供給して炉内に吹き込んだ。
【0110】
操業例(ロ)では、PETボトルを図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用設備の加工処理ラインXに対してのみ供給し、キャップやラベルが付いたままで6mm以下の粒径の粒状合成樹脂材に加工処理し(但し、金属キャップは粗破砕後に磁選機で除去)、高炉に気送供給して炉内に吹き込んだ。
上記操業例(イ)及び操業例(ロ)の合成樹脂類の加工及び気送条件と高炉の操業条件を以下に示す。
(イ)合成樹脂類の加工条件
操業例(イ):操業例1の(イ−2)と同様とした。
操業例(ロ):操業例1の(イ−1)と同様とした。
【0111】
(ロ)粒状合成樹脂材の気送条件
操業例(イ)、操業例(ロ)それぞれにおいて、一次貯留サイロに装入された粒状合成樹脂材をサイロから定量的に切り出し、これを吹込みステーションまで移送し、吹込みステーションから下記条件で高炉羽口部に粒状合成樹脂材を気送し、炉内に吹き込んだ。
気送ガス:空気
気送ガス吹込み量:1200Nm3/hr
粒状合成樹脂材の吹込み量:62.5kg/min
固気比:2.4kg/kg
(ハ)高炉の操業条件
出銑量:9000t/日
送風量:7260Nm3/min
酸素富化率:4%
送風温度:1200℃
コークス比:447kg/t・pig
微粉炭吹込み量:100kg/t・pig
粒状合成樹脂材の吹込み量:10kg/t・pig
【0112】
以上の操業を2日間実施した結果、操業例(イ)では粒状合成樹脂材の高炉への吹込み量が安定化せず(吹込み量に脈動がある)、炉内への粒状合成樹脂材の吹込み停止時間が平均で4.6hr/dayにも達した。調査の結果、この吹吹込み量の不安定化は、粒状合成樹脂材の気送管系におけるタンク内からの切り出し不良が原因であること、具体的には、気送管系のタンク内で加圧された際に粒状合成樹脂材の破砕片(ウロコ状の小薄片)どうしが密着して空孔が無くなるため、破砕片間の滑りが無くなり、またエアレーションも悪くなり、このため棚吊り等の供給トラブルを起こしていることが判明した。
一方、操業例(ロ)では、操業例(イ)のような粒状合成樹脂材の供給トラブルは全く発生せず、高炉の操業自体にも全く支障は生じなかった。
【0113】
【発明の効果】
以上述べた本発明の合成樹脂材吹込み設備によれば、プラスチック等の合成樹脂類をその形態に拘りなく高炉やスクラップ溶解炉等の吹込み燃料や鉄源還元剤として供給することができ、このため廃棄物たる合成樹脂類の大量処理と有効利用を図ることができ、また、高炉等の燃料コストを大幅に低減させることができる。さらに、炉に供給される合成樹脂類の流動性や搬送性及び燃焼性を効果的に高めることができ、炉の操業に支障を来すことなく合成樹脂材を燃料や鉄源還元剤等として炉内に適切に供給することができる。また、合成樹脂類に含まれる塩化ビニル等の含塩素高分子樹脂による問題を生じることなく、合成樹脂類を高炉等の吹込み燃料や鉄源還元剤として供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炉への合成樹脂材吹込み設備の実施形態の一例を示す説明図
【図2】本発明の炉への合成樹脂材吹込み設備の実施形態の他の例を示す説明図
【図3】図1または図2に示す設備における粒状個化装置の一構成例を示す説明図
【図4】図1または図2に示す設備における粒状個化装置の他の構成例を示す説明図
【図5】図4に示す装置による合成樹脂類の収縮固化−粒状化の原理を模式的に示す説明図
【図6】図1または図2に示す設備における吹込みステーションの他の構成例を示す説明図
【図7】図1または図2に示す設備における吹込みステーションの他の構成例を示す説明図
【図8】図7に示す設備における分離装置の一構成例を示す説明図
【図9】図7に示す設備における分離装置の他の構成例を示す説明図
【図10】図1または図2に示す設備における貯留サイロの他の構成例を示す説明図
【図11】本発明の炉への合成樹脂材吹込み設備の一実施例を部分的に示す説明図
【図12】本発明の炉への合成樹脂材吹込み設備の一実施例を部分的に示す説明図
【図13】本発明の炉への合成樹脂材吹込み設備の一実施例を部分的に示す説明図
【図14】本発明の合成樹脂材吹き込み設備の他の実施例を部分的に示す説明図
【図15】フイルム状合成樹脂材を特定の方法で収縮固化−粒状化して得られた粒状合成樹脂材(a)と塊状合成樹脂材を粉砕処理して得られた粒状合成樹脂材(b)との混合割合とコークス置換率及び供給トラブル発生頻度との関係を示すグラフ
【図16】塊状合成樹脂材を粉砕処理して得られた粒状合成樹脂材について、その安息角と供給トラブル発生頻度との関係を、嵩密度が異なる粒状合成樹脂材別に示したグラフ
【図17】実施例で用いたスクラップ溶解用試験炉の構造を示す説明図
【図18】図17のスクラップ溶解用試験炉の羽口部に設けられた燃焼バーナの構造を示す説明図
【符号の説明】
1…一次貯留サイロ、2…破砕装置、3…粒状固化装置、4…篩分け装置、5,6,7…移送手段、8…送風機、9…移送手段、10…一次破砕装置、11…二次破砕装置、12…選別装置、13…粉砕装置、14,15,16,17,18…移送手段、19…サービスタンク、20…移送手段、21…リフトタンク、22…気送管、23,23a,23b…二次貯留サイロ、24…均圧タンク、25,25a,25b…吹込みタンク、26…気送管、27…気送支管、28…羽口部、29…アキュームレータ、30…磁選機、31,32…移送手段、33,34…遮断弁、35…流動化装置、36…分配器、37…エア供給管、38…遮断弁、39…破砕機、40…減容固化装置、41…粉砕機、42…加熱室、43…冷却室、44…搬送装置、45…タンク、46…回転刃、47…急冷手段、48…分配装置、49a,49b…移送手段、50a,50b…遮断弁、51a,51b…流動化装置、52…移送手段、53…分配装置、54a,54b…遮断弁、55a,55b…流動化装置、56,57…分離装置、58…分離槽、59a,59b…スクリーン、60…乾燥機、61…排水タンク、62…本体、63…内筒体、64…モータ、65…開口、66a,66b…スクリュー、67a,67b,68…排出口、69a,69b…貯留サイロ、70…堅型切断機、71…受入れホッパ、72…供給コンベア、73…振分けコンベア、74…磁選機、75a,75b…投入コンベア、76a,76b…粒状固化装置、77a,77b…篩分け装置、78…篩下コンベア、79…気送管、80…一次貯留サイロ、81…篩上コンベア、82…分離機、83…受入れホッパ、84…供給コンベア、85…一次破砕装置、86…搬送コンベア、87…磁選機、88…二次破砕装置、89…搬送コンベア、90…風力選別機、91…気送管、92…分離機、93,94…振分けコンベア、95a,95b,95c…クッションタンク、96a,96b,96c…粉砕装置、97a,97b,97c…気送管、98a,98b,98c,98d…分離機、99,99a,99b,99c…配管、100…集塵機、101…集塵機下コンベア、102…搬送コンベア、103…送風機、104…定量切り出し装置、105…通路、106…二次風力選別機、107…気送管、108…分離機、109…搬送コンベア、110…送風機、111…炉頂部、112…原料装入装置、113…開閉装置、114…排ガスダクト、115…羽口部、116…燃焼バーナ、260a,260b…気送支管、X,Y…加工処理ライン、Z…吹込みステーション

Claims (7)

  1. フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)を受け入れ、これを粒状合成樹脂材に加工処理するための加工処理ラインXと、前記合成樹脂類(A)以外の合成樹脂類(B)を受け入れ、これを粒状合成樹脂材に加工処理するための加工処理ラインYと、前記加工処理ラインX及び加工処理ラインYで得られた粒状合成樹脂材が装入される一次貯留サイロと、該一次貯留サイロから供給される粒状合成樹脂材を炉に気送供給するための吹込みステーションとからなり、前記加工処理ラインXは、合成樹脂類(A)を熱により溶融または半溶融化させた後固化させることにより減容固化された粒状合成樹脂材に加工する粒状固化装置を有し、前記加工処理ラインYは、合成樹脂類(B)を破砕処理するための1次またはそれ以上の破砕装置を有し、前記吹込みステーションは少なくとも、前記一次貯留サイロから供給される粒状合成樹脂材が装入される二次貯留サイロと、該二次貯留サイロ側から供給される粒状合成樹脂材を受け入れ、これを炉に気送する吹込みタンクとを有するとともに、該吹込みタンクから炉の吹き込み部に粒状合成樹脂材を連続供給可能とした構成を有する炉への合成樹脂材吹込み設備。
  2. 加工処理ラインYが入側から少なくとも、合成樹脂類(B)を破砕処理するための1次またはそれ以上の破砕装置と、破砕処理された合成樹脂類(B)から異物を分離除去するための選別装置と、異物が除去された合成樹脂類(B)を破砕処理するため最終の破砕装置とを有する請求項1に記載の炉への合成樹脂材吹込み設備。
  3. 加工処理ラインXにおける粒状固化装置が、合成樹脂類(A)を加熱して溶融させる手段と、溶融した合成樹脂材を冷却して固化させる手段と、該固化した合成樹脂材を裁断または粉砕処理するための加工手段とを有する請求項1または2に記載の炉への合成樹脂材吹込み設備。
  4. 加工処理ラインXにおける粒状固化装置が、合成樹脂類(A)を加熱して半溶融化させる手段と、半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより粒状に収縮固化させる手段とを有する請求項1または2に記載の炉への合成樹脂材吹込み設備。
  5. 加工処理ラインXにおける粒状固化装置が、合成樹脂類(A)を加熱して半溶融化させる手段と、半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより収縮固化させる手段と、収縮固化した合成樹脂材を粉砕処理する手段とを有する請求項1または2に記載の炉への合成樹脂材吹込み設備。
  6. 加工処理ラインXにおける粒状固化装置が、合成樹脂類(A)が装入される処理室と、該処理室内に配され、合成樹脂類を破砕処理するとともに、該破砕による摩擦熱により合成樹脂類を半溶融化させるための回転刃と、処理室内に冷却用流体を吹き込んで半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより収縮固化させる急冷手段とを有する請求項1または2に記載の炉への合成樹脂材吹込み設備。
  7. 加工処理ラインXにおける粒状固化装置よりも上流側の任意の位置に、合成樹脂類(A)から含塩素高分子樹脂材を分離除去するための分離装置を有し、加工処理ラインYにおける最終の破砕装置よりも上流側または下流側の任意の位置に、合成樹脂類(B)から含塩素高分子樹脂材を分離除去するため分離装置を有する請求項1、2、3、4、5または6に記載の炉への合成樹脂材吹込み設備。
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