JP3303693B2 - 合成樹脂類の処理方法及び設備 - Google Patents

合成樹脂類の処理方法及び設備

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JP3303693B2
JP3303693B2 JP31413496A JP31413496A JP3303693B2 JP 3303693 B2 JP3303693 B2 JP 3303693B2 JP 31413496 A JP31413496 A JP 31413496A JP 31413496 A JP31413496 A JP 31413496A JP 3303693 B2 JP3303693 B2 JP 3303693B2
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    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21BMANUFACTURE OF IRON OR STEEL
    • C21B5/00Making pig-iron in the blast furnace
    • C21B5/02Making special pig-iron, e.g. by applying additives, e.g. oxides of other metals
    • C21B5/023Injection of the additives into the melting part
    • C21B5/026Injection of the additives into the melting part of plastic material

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック等の
合成樹脂類を炉の燃料や鉄源の還元剤として使用する際
の、合成樹脂類の処理方法及びその実施に供される設備
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業廃棄物や一般廃棄物としてプ
ラスチック等の合成樹脂類が急増しており、その処理が
大きな問題となっている。なかでも高分子系の炭化水素
化合物であるプラスチックは燃焼時に発生する熱量が高
く、焼却処理した場合に焼却炉を傷めるために大量処理
が困難であり、その多くがごみ埋立地等に投棄されてい
るのが現状である。しかし、プラスチック等の投棄は環
境対策上好ましくなく、また昨今では埋立用の用地不足
が社会問題となりつつあり、このため投棄によらない合
成樹脂類の大量処理方法の開発が切望されている。
【0003】このような背景の下、プラスチック等の合
成樹脂類を高炉等の補助燃料或いは鉄源の還元剤として
用いる方法が、欧州特許公開公報第0622465A1
号及び特公昭51−33493号公報に示されている。
これらの方法は、合成樹脂の粉砕物を羽口等から高炉内
に吹き込むもので、例えば前者においては、炉内に吹き
込まれる合成樹脂粉砕物の実質的な条件として、粒径1
〜10mm、嵩密度0.35以上という条件が示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、廃棄物である
合成樹脂類中には塩化ビニル樹脂等の含塩素高分子樹脂
が平均して約15%も含まれると言われており、このよ
うな合成樹脂類を高炉等に供給した場合には、含塩素高
分子樹脂の熱分解や燃焼により多量の有害ガス(HC
l)が発生し、著しい環境汚染を生じさせる。また、こ
のような有害ガスの発生を防止するために事前に合成樹
脂類から含塩素高分子樹脂のみを分離除去した場合で
も、その分離除去した含塩素高分子樹脂をどのように処
理するかという問題が依然として残る。したがって、こ
の廃棄合成樹脂類に含まれる含塩素高分子樹脂の処理を
如何にするかが、合成樹脂類の燃料化等による大量処理
の成否を決める重要な要素となる。
【0005】一方、本発明者らが実験と検討を重ねた結
果、プラスチック等の合成樹脂類(以下、「プラスチッ
ク」を例に説明する)を高炉等の炉の吹込み燃料や鉄源
の還元剤として使用する場合、次のような解決すべき問
題点があることが明らかとなった。産業廃棄物や一般廃
棄物として廃棄されるプラスチックを形態別に見た場
合、概ね板材等の塊状プラスチックとフィルム状プラス
チックとに大別され、このうち後者のフィルム状プラス
チックも廃棄プラスチック全体の中で相当量を占めてい
る。しかし、フィルム状プラスチックの粉砕物は搬送性
や流動性が極めて悪く、燃料として用いる際の取扱い性
に大きな問題があることが判明した。すなわち、プラス
チックを高炉に吹き込む場合、貯留サイロ等に貯留され
たプラスチックを切り出して高炉に気送供給する方法が
採られるが、フィルム状プラスチックは流動性が極めて
悪いため、これを相当量含んだプラスチックの粉砕物は
貯留サイロでブリッジ(棚つり)を生じやすく、このた
め貯留サイロからのプラスチック粉砕物の定量切り出し
ができなくなるトラブルが多発し、さらにフィルム状プ
ラスチックが貯留サイロの切出部や気送管内(特に、曲
管部やバルブ周辺)で詰まりを生じ、高炉への気送供給
が不能になるなどのトラブルも多発する、という問題が
あることが判明した。
【0006】フィルム状プラスチックは廃棄プラスチッ
ク全体の中で相当の割合を占めており、したがって、高
炉等の炉の操業性を十分に確保しつつ廃棄プラスチック
を炉の吹込み燃料や鉄源の還元剤として大量に使用する
ためには、上記のような問題を解決することが不可欠で
あると考えられる。また、炉にプラスチックを吹き込む
ためには、燃焼性等を確保するため粉砕処理したプラス
チックを用いる必要があるが、処理コストの面から粉砕
できる粒径には限度があり、このため従来技術に示され
るように粒径1〜10mm程度が細粒化の限界となる。
しかし、塊状プラスチックをこの程度の粒径に粉砕した
ものは炉内での燃焼性が十分に得られない場合があり、
このため未燃焼のプラスチックがベットコークス内で融
着して炉内の通気性を著しく阻害し、炉の操業に支障を
きたすおそれがある。
【0007】さらに、塊状プラスチックを粉砕処理した
ものは不規則で角ばった形状をしているため、1〜10
mm程度の粒径のものでは貯留サイロから切り出す際の
排出性や炉に気送する際の流動性、搬送性が悪く、サイ
ロの切出部や気送管系の途中で詰りを生じ易いという問
題もあることが判明した。したがって、従来技術で提案
されているように単にプラスチックを1〜10mm程度
の粒径に粉砕して崇密度の高い粒状体に加工し、これを
炉に吹き込むということだけでは上記のようなトラブル
を発生させるおそれがある。
【0008】したがって本発明の目的は、このような従
来技術の問題を解決し、廃棄物たるプラスチック等の合
成樹脂類を、塩化ビニル樹脂等の含塩素高分子樹脂によ
る問題を生じることなく炉の燃料や鉄源の還元剤として
大量処理することができる合成樹脂類の処理方法を提供
することにある。また本発明の他の目的は、廃棄物たる
プラスチック等の合成樹脂類を、その形態等に拘りなく
しかも塩化ビニル等の含塩素高分子樹脂による問題を生
じることなく高炉等の炉に供給することができる合成樹
脂類の処理方法を提供することにある。さらに本発明の
他の目的は、炉に供給される合成樹脂類の搬送性や燃焼
性を効果的に高めることができる合成樹脂類の処理方法
を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、そ
のような合成樹脂類の処理に好適な設備を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本発明者らは炉に燃料や鉄源の還元剤として供
給すべき廃棄合成樹脂類から含塩素高分子樹脂材を一旦
分離し、これを加熱処理することで塩素分を除去した
後、含塩素高分子樹脂材を含まない合成樹脂類とともに
炉に供給する新たな合成樹脂類の処理方法を創案した。
【0010】また、本発明者らは廃棄合成樹脂類中にお
けるフィルム状合成樹脂材の存在が合成樹脂類の炉燃料
等としての利用を阻害しているという上記知見に基づい
てさらに検討を進めた結果、合成樹脂類をフィルム状合
成樹脂材を主体とする合成樹脂類とそれ以外の合成樹脂
材類とに分別された状態でそれぞれの加工処理ラインに
受け入れ、これらをそれぞれ異なる工程で粒状物に加工
処理することにより炉吹込み用として最適な固体燃料若
しくは還元剤が得られること、また特にフィルム状合成
樹脂材については、これを特定の方法で加工した場合に
流動性、搬送性及び燃焼性に極めて優れた粒状合成樹脂
材が得られること、さらにこのような粒状合成樹脂材を
塊状合成樹脂材等の粉砕物と混合することにより、合成
樹脂材全体の流動性、搬送性及び燃焼性等を著しく高め
ることができることを見い出し、これら知見に基づく合
成樹脂類の処理方法を創案した。
【0011】さらに、本発明者らは粒状合成樹脂材の貯
留サイロからの排出性や気送管内での搬送性を高度に確
保する観点からは、粒状合成樹脂材の安息角を特定の数
値範囲にすることが必要であることを見い出し、かかる
知見に基づくより好ましい合成樹脂類の処理方法を創案
した。すなわち、本発明の特徴とする構成は以下の通り
である。
【0012】(1) 合成樹脂類を炉内供給に適した形状に
加工処理した後、燃料および/または鉄源の還元剤とし
て炉に供給するための方法であって、合成樹脂類の加工
処理工程が、合成樹脂類から含塩素高分子樹脂材を分離
除去し、含塩素高分子樹脂材を実質的に含まない合成樹
脂材(イ)を得る工程と、前記分離除去された含塩素高分
子樹脂材を加熱して熱分解により樹脂から塩素を脱離さ
せ、塩素分を実質的に含まない合成樹脂材(ロ)とするた
めの工程と、前記合成樹脂材(イ)および合成樹脂材(ロ)
を燃料および/または鉄源の還元剤として炉に供給する
ための工程とを有することを特徴とする合成樹脂類の処
理方法。
【0013】(2) 合成樹脂類を炉内供給に適した形状に
加工処理した後、燃料および/または鉄源の還元剤とし
て炉に供給するための方法であって、合成樹脂類の加工
処理工程が、合成樹脂類から含塩素高分子樹脂材を分離
除去し、含塩素高分子樹脂材を実質的に含まない合成樹
脂材(イ)を得る工程と、該工程の前および/または後に
おいて合成樹脂材を粒状に加工する工程と、前記分離除
去された含塩素高分子樹脂材を加熱して熱分解により樹
脂から塩素を脱離させ、塩素分を実質的に含まない合成
樹脂材(ロ)とするための工程と、該合成樹脂材(ロ)を粒
状に加工処理する工程と、粒状に加工処理された前記合
成樹脂材(イ)および合成樹脂材(ロ)を燃料および/また
は鉄源の還元剤として炉に供給するための工程とを有す
ることを特徴とする合成樹脂類の処理方法。
【0014】(3) 合成樹脂類を炉内供給に適した形状に
加工処理した後、燃料および/または鉄源の還元剤とし
て炉に供給するための方法であって、合成樹脂類を、フ
ィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)とそれ
以外の合成樹脂類(B)とに分別された状態でそれぞれの
加工処理ラインX及び加工処理ラインYに受け入れる工
程と、前記加工処理ラインXにおいて、合成樹脂類(A)
から含塩素高分子樹脂材を分離除去し、含塩素高分子樹
脂材を実質的に含まない合成樹脂材を得る工程および該
工程を経た合成樹脂類(A)を粒状合成樹脂材(a)に加工
処理する工程と、前記加工処理ラインYにおいて、合成
樹脂類(B)から含塩素高分子樹脂材を分離除去し、含塩
素高分子樹脂材を実質的に含まない合成樹脂材を得る工
程および該工程の前および/または後において合成樹脂
類(B)を粒状合成樹脂材(b)に加工処理する工程と、前
記加工処理ラインXおよびYにおいて分離除去された含
塩素高分子樹脂材を加熱して熱分解により樹脂から塩素
を脱離させ、塩素分を実質的に含まない合成樹脂材(c)
を得る工程と、前記粒状合成樹脂材(a)および(b)と合
成樹脂材(c)を燃料および/または鉄源の還元剤として
炉に供給する工程とからなることを特徴とする合成樹脂
類の処理方法。
【0015】(4) 上記(3)の処理方法において、加工処
理ラインXにおける加工処理工程が、合成樹脂類(A)か
ら含塩素高分子樹脂材を分離除去し、含塩素高分子樹脂
材を実質的に含まない合成樹脂材を得る工程と、該工程
を経た合成樹脂類(A)を熱により溶融または半溶融化さ
せた後固化させることにより減容固化された粒状合成樹
脂材(a)に加工する工程とからなり、前記加工処理ライ
ンYにおける加工処理工程が、合成樹脂類(B)を破砕処
理して粒状合成樹脂材(b)に加工する工程と、該破砕処
理後または複数次の破砕処理工程の途中で含塩素高分子
樹脂材を分離除去し、含塩素高分子樹脂材を実質的に含
まない合成樹脂材を得る工程とからなることを特徴とす
る合成樹脂類の処理方法。
【0016】(5) 上記(3)または(4)の処理方法におい
て、含塩素高分子樹脂材を加熱処理して得られた合成樹
脂材(c)を粒状に破砕処理することを特徴とする合成樹
脂類の処理方法。 (6) 上記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)の処理方法にお
いて、加工処理後の合成樹脂材を鉄源の還元剤として高
炉に供給することを特徴とする合成樹脂類の処理方法。 (7) 上記(3)、(4)、(5)または(6)の処理方法において、
粒状合成樹脂材(a)および(b)と合成樹脂材(c)を炉に
気送し、炉内に吹き込むことを特徴とする合成樹脂類の
処理方法。
【0017】(8) 上記(3)、(4)、(5)、(6)または(7)の
処理方法において、合成樹脂類(A)を粒状合成樹脂材
(a)に加工する工程が、少なくとも、合成樹脂類(A)を
加熱して溶融させた後冷却して固化させる工程と、該固
化した合成樹脂材を裁断または粉砕処理することにより
粒状合成樹脂材(a)を得る工程とからなることを特徴と
する合成樹脂類の処理方法。 (9) 上記(3)、(4)、(5)、(6)または(7)の処理方法にお
いて、合成樹脂類(A)を粒状合成樹脂材(a)に加工する
工程が、少なくとも、合成樹脂類(A)を裁断または破砕
する工程と、該裁断または破砕された合成樹脂材を加熱
若しくは前記裁断または破砕による摩擦熱により半溶融
化させる工程と、半溶融化した合成樹脂材を急冷するこ
とにより粒状に収縮固化させて粒状合成樹脂材(a)を得
る工程とからなることを特徴とする合成樹脂類の処理方
法。
【0018】(10) 上記(3)、(4)、(5)、(6)または(7)の
処理方法において、合成樹脂類(A)を粒状合成樹脂材
(a)に加工する工程が、少なくとも、合成樹脂類(A)を
裁断または破砕する工程と、該裁断または破砕された合
成樹脂材を加熱若しくは前記裁断または破砕による摩擦
熱により半溶融化させる工程と、半溶融化した合成樹脂
材を急冷することにより収縮固化させる工程と、該収縮
固化した合成樹脂材を粉砕処理して粒状合成樹脂材(a)
を得る工程とからなることを特徴とする合成樹脂類の処
理方法。 (11) 上記(3)、(4)、(5)、(6)または(7)の処理方法にお
いて、合成樹脂類(A)を粒状合成樹脂材(a)に加工する
工程では、合成樹脂類(A)を高速回転する回転刃で裁断
または破砕するとともに、該裁断または破砕による摩擦
熱により合成樹脂材を半溶融化させ、次いでこの半溶融
化した合成樹脂材を急冷することにより粒状に収縮固化
させて粒状合成樹脂材(a)を得ることを特徴とする合成
樹脂類の処理方法。
【0019】(12) 上記(3)、(4)、(5)、(6)または(7)の
処理方法において、合成樹脂類(A)を粒状合成樹脂材
(a)に加工する工程では、合成樹脂類(A)を高速回転す
る回転刃で裁断または破砕するとともに、該裁断または
破砕による摩擦熱により合成樹脂材を半溶融化させ、次
いでこの半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより
収縮固化させるとともに、その収縮固化と同時に前記回
転刃により粉砕処理し、粒状合成樹脂材(a)を得ること
を特徴とする合成樹脂類の処理方法。 (13) 上記(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、
(11)または(12)の処理方法において、粒状合成樹脂材
(a)および(b)と合成樹脂材(c)を混合し、この混合体
を炉内に吹き込むことを特徴とする合成樹脂類の処理方
法。 (14) 上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)、(12)または(13)の処理方法におい
て、合成樹脂材(イ)および(ロ)若しくは合成樹脂材
(a)、(b)および(c)が嵩密度0.30以上、安息角4
0°以下の粒状体であることを特徴とする合成樹脂類の
処理方法。
【0020】(15) 合成樹脂類を炉内供給に適した形状
に加工処理した後、燃料および/または鉄源の還元剤と
して炉に供給するための設備であって、合成樹脂類から
含塩素高分子樹脂材を分離除去し、含塩素高分子樹脂材
を実質的に含まない合成樹脂材(イ)を得る工程および
該工程の前および/または後において合成樹脂材を粒状
に加工処理する工程が行われる加工設備と、前記分離除
去された含塩素高分子樹脂材を加熱して熱分解により樹
脂から塩素を脱離させ、塩素分を実質的に含まない合成
樹脂材(ロ)とするための塩素除去装置と、前記合成樹
脂材(イ)および(ロ)を燃料および/または鉄源の還
元剤として炉に供給する供給手段とを有することを特徴
とする合成樹脂類の処理設備。
【0021】(16) 合成樹脂類を炉内供給に適した形状
に加工処理した後、燃料および/または鉄源の還元剤と
して炉に供給するための設備であって、合成樹脂類から
含塩素高分子樹脂材を分離除去し、含塩素高分子樹脂材
を実質的に含まない合成樹脂材(イ)を得る工程および
該工程の前および/または後において合成樹脂材を粒状
に加工処理する工程が行われる加工設備と、前記分離除
去された含塩素高分子樹脂材を加熱して熱分解により樹
脂から塩素を脱離させ、塩素分を実質的に含まない合成
樹脂材(ロ)とするための塩素除去装置と、前記合成樹
脂材(ロ)を粒状に加工処理するための加工装置と、粒
状に加工処理された前記合成樹脂材(イ)および(ロ)
を燃料および/または鉄源の還元剤として炉に供給する
供給手段とを有することを特徴とする合成樹脂類の処理
設備。
【0022】(17) 合成樹脂類を炉内供給に適した形状
に加工処理した後、燃料および/または鉄源の還元剤と
して炉に供給するための設備であって、フィルム状合成
樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)を受け入れ、該合成
樹脂類(A)から含塩素高分子樹脂材を分離除去し、含塩
素高分子樹脂材を実質的に含まない合成樹脂材を得る工
程及び該工程を経た合成樹脂類(A)を粒状合成樹脂材
(a)に加工処理する工程が行われる加工処理ラインX
と、前記合成樹脂類(A)以外の合成樹脂類(B)を受け入
れ、該合成樹脂類(B)から含塩素高分子樹脂材を分離除
去し、含塩素高分子樹脂材を実質的に含まない合成樹脂
材を得る工程及び該工程の前および/または後において
合成樹脂類(B)を粒状合成樹脂材(b)に加工処理する工
程が行われる加工処理ラインYと、前記分離除去された
含塩素高分子樹脂材を加熱して熱分解により樹脂から塩
素を脱離させ、塩素分を実質的に含まない合成樹脂材
(c)とするための塩素除去装置と、前記粒状合成樹脂材
(a)および(b)と合成樹脂材(c)を混合状態でまたは混
合することなく燃料および/または鉄源の還元剤として
炉に供給するための供給手段とを有することを特徴とす
る合成樹脂類の処理設備。
【0023】(18) 上記(17)の処理設備において、加工
処理ラインXが、入側から少なくとも、合成樹脂類(A)
から含塩素高分子樹脂材を分離除去するための分離装置
と、含塩素高分子樹脂材が分離除去された合成樹脂類
(A)を熱により溶融または半溶融化させた後固化させる
ことにより減容固化された粒状合成樹脂材(a)に加工す
る粒状固化装置とを有し、前記加工処理ラインYが、入
側から少なくとも、合成樹脂類(B)を破砕処理するため
の1次または複数次の破砕装置と、破砕処理された合成
樹脂類(B)から異物を分離除去するための選別装置と、
異物が除去された合成樹脂類(B)を粒状合成樹脂材(b)
に粉砕処理するための粉砕装置とを有するとともに、前
記1次破砕装置と粉砕装置間の任意の位置または前記粉
砕装置の出側位置において合成樹脂類(B)または粒状合
成樹脂材(b)から含塩素高分子樹脂材を分離除去するた
めの分離装置を有していることを特徴とする合成樹脂類
の処理設備。
【0024】(19) 上記(17)または(18)の処理設備にお
いて、含塩素高分子樹脂材を加熱処理して得られた合成
樹脂材(c)を粒状に破砕処理するための破砕装置を有す
ることを特徴とする合成樹脂類の処理設備。 (20) 上記(15)、(16)、(17)、(18)または(19)の処理設
備において、塩素除去装置がロータリーキルン方式の装
置であって、該装置本体を外管とその内部に配置される
内管とから構成し、内管内を被処理樹脂材用の通路とす
るとともに、内管と外管間の空間を加熱ガス用の通路と
したことを特徴とする合成樹脂類の処理設備。
【0025】本発明の合成樹脂類の処理方法は、炉に燃
料や鉄源の還元剤として供給される合成樹脂類から事前
に含塩素高分子樹脂材を分離除去するものであるが、廃
棄物としての性質上、合成樹脂類から含塩素高分子樹脂
の全てを完全に分離除去するのが困難な場合もあり、し
たがって、含塩素高分子樹脂材の分離除去は分離可能な
限度において実質的且つ可及的になされればよい。ま
た、同様の理由から、分離除去された含塩素高分子樹脂
材中に含塩素高分子樹脂以外の樹脂材が混入することも
妨げない。
【0026】また、処理設備(加工処理ラインX,Yを
含む)に供給される合成樹脂類中の含塩素高分子樹脂材
の割合や、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂
類(A)とそれ以外の合成樹脂類(B)の加工処理設備に対
する供給量は、廃棄物という性質上、経時的にある程度
のバラツキを生じることがあり、比較的短期間(例え
ば、数時間〜数十時間程度)に限った場合には、含塩素
高分子樹脂材が全く含まれない合成樹脂類しか供給され
ない場合や、合成樹脂類(A)及び(B)のうちのいずれか
一方の種類の合成樹脂類しか供給されない場合も考えら
れる。このような場合には一時的に、含塩素高分子樹脂
材を分離除去する工程において分離すべき含塩素高分子
樹脂材が存在しなかったり、或いは含塩素高分子樹脂材
を脱塩素処理する工程に対して含塩素高分子樹脂材が全
く供給されなかったり、或いは処理され且つ炉に供給さ
れる合成樹脂類が一時的に合成樹脂類(A)−粒状合成樹
脂材(a)または合成樹脂類(B)−粒状合成樹脂材(b)の
いずれか一方になることもあり得るが、本発明の処理方
法はこのような場合も含むものであることは言うまでも
ない。
【0027】また、上記[7]の処理方法において合成樹
脂材(a)、(b)および(c)を炉に気送するとは、例え
ば、 粒状合成樹脂材(a)、(b)および(c)を別々に
炉に気送する場合、 上述した意味で一時的に粒状合
成樹脂材(a)、(b)および(c)のうちのいずれか一種の
みを炉に気送する場合、 より短期的な意味で一時的
に合成樹脂材(a)、(b)および(c)のうちのいずれか一
種のみを炉に気送する場合、等を含んでいる。
【0028】本発明は高炉やスクラップ溶解炉に限ら
ず、合成樹脂類を燃料等として使用し得るあらゆる種類
の炉に適用することができる。なお、高炉やスクラップ
溶解炉等の溶解炉に合成樹脂材を吹き込んだ場合、合成
樹脂材は鉄源の還元剤としても機能するが、本発明法は
合成樹脂材がこのように機能することを妨げず、また、
合成樹脂材を炉に吹き込む主たる目的が純然たる燃料と
してであるか、或いは鉄源の還元剤としてであるかを問
わない。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は本発明による合成樹脂類の
処理方法および設備の一構成例を示す概念図であり、1
は合成樹脂類の加工設備、2は塩素除去装置である。炉
に供給される合成樹脂類は、まず加工設備1に装入さ
れ、ここで合成樹脂類から含塩素高分子樹脂材が分離除
去され、含塩素高分子樹脂材を実質的に含まない合成樹
脂材(イ)が得られる。この含塩素高分子樹脂材の分離
除去には、後述するような比重分離方式或いは遠心分離
方式等の分離装置が用いられる。
【0030】また、加工設備1においては、上記のよう
な含塩素高分子樹脂材の分離除去とは別に、合成樹脂材
を炉内供給に適した形状(一般には粒状体)に加工処理
する工程が、必要に応じて行われる。この工程には、例
えば塊状の合成樹脂類の場合には樹脂材を粒状に破砕す
る工程、またフィルム状の合成樹脂類の場合には樹脂材
を加熱して減容固化させた後に破砕する工程等が含まれ
る。この加工処理は上記した含塩素高分子樹脂材の分離
除去工程の前および/または後に行うことができる。す
なわち、加工設備1における合成樹脂類の加工処理工程
と含塩素高分子樹脂の分離除去工程は、合成樹脂類の性
状等に応じて所定の順序で行われる。
【0031】前記加工設備1で分離除去された含塩素高
分子樹脂材は塩素除去装置2に送られ、ここで脱塩素処
理が行われる。この脱塩素処理は、含塩素高分子樹脂を
加熱して熱分解により樹脂から塩素(塩化水素)を脱離
させるものであり、これにより塩素分を実質的に含まな
い合成樹脂材(ロ)が得られる。一般に塩化ビニル等の
含塩素高分子樹脂を加熱した場合、樹脂からの塩素(塩
化水素)の脱離は約250℃前後から始って約350℃
程度で終了し、さらに高温に加熱すると今度は炭化水素
の熱分解が始まる。したがって、上記の加熱処理は25
0〜350℃、好ましくは300〜350℃程度の温度
で行うこと好ましい。
【0032】塩素除去装置2の形式に特に制約はなく、
例えば、外部加熱によるスクリュー押し出し方式、熱分
解炉方式、流動床方式、ロータリーキルン方式等の装置
を用いることができる。図2は熱分解炉方式の塩素除去
装置2の一例を示すもので、6は熱分解炉本体、7はこ
の熱分解炉に含塩素高分子樹脂材を供給するスクリュー
フィーダー、8は炉内の樹脂材を撹拌するための撹拌羽
根、9は脱塩素処理後の樹脂材を炉外に抜き出すための
抜き出し口、9aはその遮断弁、10は脱離した塩化水
素(HCl)を炉外に排出するための排出口である。前
記スクリューフィーダ7はモータ18により駆動する。
【0033】この塩素除去装置2では、樹脂材の供給口
11及びスクリューフィーダー7を通じて炉内に含塩素
高分子樹脂材が供給され、この含塩素高分子樹脂材はモ
ータ12により回転する撹拌羽根8で撹拌されつつ30
0〜350℃程度に加熱される。この加熱による熱分解
によって樹脂中の塩素分が塩化水素の形で脱離し、この
塩化水素は排出口10から炉外に排出される。一方、脱
塩素処理が終了した樹脂材(塩素分が脱離した樹脂の残
渣)は抜き出し口9から炉外に抜き出される。炉内の加
熱はガス加熱や電気加熱等による外部加熱方式、ガスを
炉内に直接供給するガス加熱方式等のいずれでもよい。
【0034】また、図3はスクリュー押し出し方式の塩
素除去装置2の一例を示すもので、13は水平型のスク
リューフィーダー、14はこのスクリューフィーダーの
一端側に樹脂材を供給するための供給口、15はスクリ
ューフィーダーの他端側から排出される処理済の樹脂材
を抜き出すための抜き出し口、16は塩化水素の排出
口、17はスクリューフィーダー13を外囲する加熱装
置である。前記スクリューフィーダー13はモータ19
により駆動する。この塩素除去装置2では、供給口14
からスクリューフィーダー13の一端側に供給された含
塩素高分子樹脂材はスクリューフィーダー13で移送さ
れつつ加熱装置17により加熱され、この加熱による樹
脂の熱分解によって樹脂中の塩素分が塩化水素の形で脱
離し、この塩化水素は排出口16から排出される。ま
た、移送中の加熱によって脱塩素処理が完了し、スクリ
ューフィーダー13の他端から排出された樹脂材(塩素
分が脱離した樹脂の残渣)は抜き出し口15から抜き出
される。
【0035】また、図4は2軸スクリュー押し出し方式
の塩素除去装置2の一構成例を示すもので、58は水平
型の2軸スクリューフィーダー、59a,59bはこの
スクリューフィーダーの一端側に含塩素高分子樹脂材を
供給するための供給口であり、本構成例では一方の供給
口59aに供給用スクリューフィーダー60が付設され
ている。また、61はスクリューフィーダー58の他端
側から排出される処理済の樹脂材を抜き出すための抜き
出し口、62はスクリューフィーダー58内に樹脂加熱
用の熱媒体(通常は、当該装置で脱塩素され液状化した
合成樹脂を熱媒体として供給)を供給するための熱媒供
給口、63は塩化水素ガスの排出口である。前記スクリ
ューフィーダー58はモータ64により、また前記供給
用スクリューフィーダー60はモータ65により、それ
ぞれ駆動する。
【0036】この塩素除去装置2では、供給口59a
(及びスクリューフィーダー60)、供給口59bのい
ずれか一方または両方からスクリューフィーダー58の
一端側に供給された含塩素高分子樹脂材は、スクリュー
フィーダー58で移送されつつ、熱媒供給口62からス
クリューフィーダー58内に供給された熱媒体により2
50〜350℃程度に加熱され、この加熱による樹脂の
熱分解によって含塩素高分子樹脂中の塩素分が塩化水素
ガスの形で脱離し、この塩化水素ガスは排出口63から
排出される。また、移送中の加熱によって脱塩素処理が
完了し、スクリューフィーダー58の他端側から排出さ
れた樹脂材(塩素分が脱離した樹脂の残渣)は抜き出し
口61から抜き出される。
【0037】図5及び図6はロータリーキルン方式の塩
素除去装置2の一構成例を示すもので、66はロータリ
ーキルン本体であり、このロータリーキルン本体66は
耐火物67と鉄皮68とからなり、内部が含塩素高分子
樹脂材を移送しつつ脱塩素処理するための通路69を構
成している。このロータリーキルン本体66の通路69
には、その一端側から含塩素高分子樹脂材と熱媒体が供
給されるとともに、熱源として加熱ガスが供給される。
この加熱ガスはキルン全体を加熱するとともに、含塩素
高分子樹脂材と熱媒体を加熱する。含塩素高分子樹脂材
はキルンの回転により熱媒体と混合されつつ加熱され、
この加熱によって含塩素高分子樹脂材中の塩素分が塩化
水素として脱離する反応が生じ、塩化水素ガスが発生す
る。通路69を流れた加熱ガスと含塩素高分子樹脂材か
ら脱離した塩化水素ガスは通路69の他端側から排出さ
れ、この排出ガス中の塩化水素ガスは塩化水素吸収塔等
で回収される。また、脱塩素処理が完了した樹脂材(塩
素分が脱離した樹脂の残渣)は熱媒体とともにキルン外
に排出される。
【0038】このようなロータリーキルンを用いた脱塩
素処理においては、含塩素高分子樹脂材とともに通路6
9内に供給する熱媒体として、炉の鉄源還元剤、燃料ま
たは副原料として使用できる1種以上の粉粒物を用いる
ことが好ましい。これによって、脱塩素処理を終えた樹
脂材を熱媒体と分離することなく、そのまま炉の鉄源還
元剤や燃料等として用いることができる。そのような熱
媒体に適した粉粒物としては、粉コークス、粉鉱石、焼
結粉等が挙げられ、これらのうちの1種以上を熱媒体と
して用いることが好ましい。また、通路69内での熱媒
体の偏析を防止して加熱効率を向上させるためには、熱
媒体の粒径や比重が樹脂材になるべく近い方が好まし
く、このような観点からは熱媒体として粉コークスを使
用することが最も好ましい。
【0039】図7ないし図9、図10及び図11、図1
2はそれぞれロータリーキルン方式の塩素除去装置2の
他の構成例を示すもので、これらはロータリーキルン本
体を外管とその内部に配置される内管とから構成し、内
管内を被処理樹脂材用の通路とするとともに、内管と外
管間の空間を加熱ガス用の通路とした共通の特徴を有し
ており、このような特徴により、発生した塩化水素ガス
を加熱ガスと混合させることなく取り出すことができ、
このため排出ガスの処理に要する設備コストや処理コス
トを図5に示すような装置に較べて大幅に低減させるこ
とができる。また、塩化水素ガスが発生する内管全体を
加熱ガスで加熱する構造であるため、内管全体の温度
を、塩化水素が強い腐食性を示す150℃以下の温度域
よりも高い温度域に維持することができ、このため発生
した塩化水素ガスによる装置、特に内管各部の腐食を適
切に防止することができる。
【0040】まず、図7ないし図9に示す塩素除去装置
2において、70はロータリーキルン本体、71はこれ
を構成する外管、72は同じく内管であり、この内管7
2は外管71の内部長手方向に外管71と同芯状に配置
されている。そして、内管72の内部が被処理樹脂材の
通路73(処理用空間)を構成し、また外管71と内管
72の間の空間が加熱ガスの通路74を構成している。
前記ロータリーキルン本体70の一端側には、材料供給
装置である供給口750を備えたスクリューフィーダー
75と加熱ガス(熱風)を供給するための熱風導管76
が配置され、前記スクリューフィーダー75が内管72
の一端側に、また前記熱風導管76が外管71の一端側
にそれぞれ接続されている。また、前記外管71の他端
側には加熱ガスの排出口77が、また内管72の他端側
には塩化水素ガスの排出口78と処理済み樹脂材の抜き
出し口79がそれぞれ設けられている。その他図面にお
いて、80はスクリューフィーダー75の駆動モータで
ある。
【0041】また、図10および図11は内管等の構成
が異なる他の構成例を示すもので図7ないし図9では外
管内に単一の内管を配置した構造としたのに対し、外管
71内に複数の内管72a〜72cを設けたものであ
る。なお、外管71内に配置する内管72の数は任意で
ある。このような構造では、内管を複数本設けるために
それだけ伝熱面積が大きくなり、このため通路74を流
れる加熱ガスから内管内への熱伝達が効率的に行える利
点があり、また、処理すべき樹脂材と熱媒体の配合比や
種類を各内管毎に変えることができるため、例えば、粒
径が大きく処理効率の劣る樹脂材については熱媒体の配
合比を多くし、一方、粒径が小さく処理効率が高い樹脂
材については熱媒体の配合比を少なくした上で、それぞ
れを別々の内管に供給して処理する、というような操業
も可能である。
【0042】図12は他の構成例を示すもので、内管7
2の内部にガス導管81を配置し、被処理樹脂材の加熱
効率をさらに高めることができるようにしたものであ
る。なお、このようなガス導管は図10および図11の
装置の内管72a〜72c内にも配置することができ
る。以上述べた図7ないし図9、図10および図11、
図12の各塩素除去装置2においては、実質的に内管7
2,72a〜72cがその周方向で回転しさえすれば、
含塩素高分子樹脂材の脱塩素処理を何ら支障なく行うこ
とができる。したがって、上記各装置では、外管71を
含めたロータリーキルン本体70の全体をその周方向で
回転可能に構成してもよいが、内管72,72a〜72
cのみをその周方向で回転可能に構成してもよい。ま
た、図10および図11の装置の場合には、内管72a
〜72cを一体的に回転(したがって、この場合にはロ
ータリーキルン本体70を回転させる場合と同様、個々
の内管は偏心回転する)させてもよいし、また、各内管
72a〜72cを個別に回転させてもよい。
【0043】図7ないし図12に示す各塩素除去装置2
では、含塩素高分子樹脂材および熱媒体(粉粒物)と加
熱ガスは、ロータリーキルン本体70の一端側からそれ
ぞれ通路73および通路74に供給される。例えば、図
7ないし図9の塩素除去装置2では、供給装置であるス
クリューフィーダー75により含塩素高分子樹脂材と熱
媒体(粉粒物)がロータリーキルン本体70の一端側か
ら通路73に供給され、また、加熱ガスは熱風導管76
を通じてロータリーキルン本体70の一端側から通路7
4に供給される。通路74に供給された加熱ガスは、内
管72,72a〜72cの全体を加熱し、その管壁を通
じて含塩素高分子樹脂材および熱媒体が加熱される。通
路74を流れた加熱ガスはロータリーキルン本体70の
他端側(図7の場合は排出口77)から排出される。
【0044】一方、内管72,72a〜72c内部の通
路73に供給された含塩素高分子樹脂材は、内管72,
72a〜72cの回転によって熱媒体と混合され、且つ
通路73を移送されつつ加熱され、この加熱によって含
塩素高分子樹脂中の塩素分が塩化水素として脱離し、塩
化水素ガスが発生する。このようにして脱塩素処理が完
了した樹脂材(塩素分が脱離した樹脂の残渣)は熱媒体
とともにロータリーキルン本体70の他端側(図7の場
合は排出口79)から排出され、同時に塩化水素ガスも
他端側(図7の場合は排出口78)から排出される。し
たがって、含塩素高分子樹脂材の加熱によって発生した
塩化水素ガスは加熱ガスと混合することなく回収され
る。なお、含塩素高分子樹脂材と熱媒体を通路73内で
円滑に移動させるため、通路73内に少量のキャリアガ
ス(エア等)を通気させることもできる。
【0045】また、以上の装置では内部で塩化水素が発
生する内管72,72a〜72cの外側を加熱ガスが流
れ、したがって内管全体が上述した250〜350℃程
度の温度となるため、塩化水素ガスが接触する部分に
は、塩化水素による腐食作用が大きい150℃以下の温
度領域は存在しない。したがって、塩化水素ガスによる
装置の腐食、特に内管各部の腐食が適切に防止される。
なお、樹脂材とともに通路73内に供給される熱媒体
(粉粒物)としては、上述した理由から炉の鉄源還元
剤、燃料、副原料として使用可能な粉粒物(例えば、粉
コークス、粉鉱石、焼結粉等)の1種以上を使用するこ
とが好ましく、これらの中でも特に粉コークスを用いる
ことが最も好ましい。本発明で用いる塩素除去装置2は
上記の実施例のものに限定されるものではなく、任意の
方式及び構造のものを採用することができる。また、塩
素除去装置2には脱塩素処理が完了した樹脂材を冷却す
るための冷却機構を付設することができる。
【0046】塩素除去装置2で300〜350℃程度に
加熱され、塩化水素が離脱することによって処理が完了
し凝固した後は比較的ポーラスな構造となり、加えてフ
ィルム状の合成樹脂材の場合には減容固化(減容=容積
減少)した状態となる。前記加工設備1で処理された合
成樹脂材(イ)と塩素除去装置2で脱塩素処理された合成
樹脂材(ロ)は供給手段3により炉に搬送・供給される。
この供給手段3は連続式(例えば、搬送コンベアや気送
管等)、バッチ式のいずれでもよい。なお、塩素除去装
置2で処理された合成樹脂材(ロ)は、処理方式によって
は装置内で十分に粒状化されるが、そうでない場合には
必要に応じて破砕装置等の加工装置4を設け、粒状に加
工処理される。また、このような加工装置は塩素除去装
置2の内部機構として設けてもよく、例えば、脱塩素処
理された直後の合成樹脂類を水冷等で冷却しながら破砕
処理できるような装置構成としてもよい。
【0047】一方、塩素除去装置2から排出された塩化
水素は、これを例えば中和装置に送り、アルカリまたは
アルカリ土類と反応させることで中和処理してもよい
が、例えば、塩化水素ガスから塩酸を回収するための設
備(塩酸回収設備)に供給し、塩酸として回収すること
も可能である。上記合成樹脂材(イ)および(ロ)は、燃料
として或いは高炉等においては鉄源の還元剤として炉に
供給される。なお、炉に供給される合成樹脂材は供給手
段3による搬送途中において、図に示すような貯留ホッ
パ5に一時的に貯留させてもよい。
【0048】次に、図13は本発明による合成樹脂類の
処理方法及び設備の他の構成例を示す概念図であり、こ
の処理方法は、炉に供給すべき合成樹脂類をフィルム状
合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)とそれ以外(す
なわち、塊状合成樹脂材が主体)の合成樹脂類(B)とに
分別された状態でそれぞれの加工処理ラインに受け入
れ、これらをそれぞれ異なる工程で粒状物に加工処理す
るものである。ここで、合成樹脂類(A)には、フィルム
状合成樹脂材のほかに流動性や搬送性に難がある他の形
態の合成樹脂材、例えば発泡プラスチック等を含ませる
ことができる。
【0049】また、フィルム状合成樹脂材に特別な制限
はないが、本発明者らが実験により確認したところによ
れば、厚さが100μm以下の合成樹脂フィルムが特に
流動性や搬送性に劣ることから、分別可能な限度におい
て厚さ100μm以下の合成樹脂フィルムについては合
成樹脂類(A)に分別することが好ましい。但し、必ずし
もこのような分別基準に限定されないことは言うまでも
なく、また、ポリエチレンフィルム等のような極薄材の
他に、所謂ペットボトル等に利用されているような比較
的厚手の合成樹脂類も合成樹脂類(A)に含ませることが
できる。また、合成樹脂類(A)に分別するか否かは、厚
さ以外にも、合成樹脂類の成分組成、材質(例えば、複
合材として合成樹脂類以外のものが含まれている場合
と、そうでない場合等)、形態等の要素に応じて決めら
れる。一方、合成樹脂類(B)としては、板材等の塊状合
成樹脂材が主体となるが、勿論これに限定されるもので
はない。
【0050】要は、収集された合成樹脂類の流動性や搬
送性等を考慮し、少なくともポリエチレンフィルムのよ
うに破砕処理したままでは流動性や搬送性が極端に劣る
ものは合成樹脂類(A)に分別し、それよりも流動性や搬
送性が良好な塊状プラスチックのようなものは合成樹脂
類(B)に分別し、それ以外のものは流動性や搬送性等を
考慮して合成樹脂類(A)、(B)のいずれかに分別すれば
よい。なお、処理システム全体として見た場合、炉に供
給すべき合成樹脂類のうちのフィルム状合成樹脂材の総
てを合成樹脂類(A)に、また塊状合成樹脂材の総てを合
成樹脂類(B)にそれぞれ厳密に分別する必要は必ずしも
なく、また、廃棄物という性質を考慮すればそのような
厳密な分別は実際上も困難である。したがって、合成樹
脂類(A)に塊状合成樹脂材等が、また合成樹脂類(B)に
フィルム状合成樹脂材等がある程度含まれることは許容
される。
【0051】図13において、Xがフィルム状合成樹脂
材を主体とする合成樹脂類(A)の加工処理ラインを、ま
たYが塊状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(B)の加
工処理ラインをそれぞれ示している。各加工処理ライン
X及びYでは、それぞれの加工設備1a,1bにおいて
合成樹脂類(A)及び(B)から含塩素高分子樹脂材を分離
除去する工程と合成樹脂類(A)及び(B)を粒状合成樹脂
材(a)及び粒状合成樹脂材(b)に加工処理する工程が行
なわれ、粒状合成樹脂材(a)及び粒状合成樹脂材(b)が
供給手段3a,3b,3を通じて高炉等の炉に搬送・供
給される。
【0052】粒状合成樹脂材(a)と粒状合成樹脂材(b)
の炉への供給方法は任意であり、例えば図に示すように
供給手段3の途中において一旦貯留ホッパ5に貯留して
混合した後、炉に供給して吹き込む方法、貯留ホッパに
貯留することなく供給手段3の途中で両者を混合した
後、炉に供給して吹き込む方法、それぞれを別個に炉に
供給して吹き込み直前に混合する方法、それぞれを別個
に供給して炉に吹き込む方法等、任意の方法を採用する
ことができる。
【0053】また、先に述べたように各加工処理ライン
の加工設備における合成樹脂類の粒状化加工処理工程と
含塩素高分子樹脂材の分離除去工程とは、合成樹脂類の
性状等に応じて所定の順序で行われる。各加工処理ライ
ンX,Yで分離除去された含塩素高分子樹脂材は供給手
段20a,20b,20を通じて塩素除去装置2に送ら
れ、上述したような脱塩素処理が行われ、塩素分を実質
的に含まない合成樹脂材(c)が得られる。この合成樹脂
材(c)は、必要に応じて加工装置4で粒状に加工処理
(破砕)された後、供給手段21を通じて炉側に搬送・
供給される。なお、上記供給手段3a,3b,3,20
a,20b,20,21も連続式(例えば、搬送コンベ
アや気送管等)、バッチ式のいずれでもよい。
【0054】図14は図13に示される方式の処理方法
及び設備のより具体的な構成例を示したものであり、加
工処理ラインXでは合成樹脂類(A)を熱により溶融また
は半溶融化させた後固化させることにより減容固化され
た粒状合成樹脂材(a)に加工し、一方、加工処理ライン
Yでは合成樹脂類(B)を粉砕処理して粒状合成樹脂材
(b)に加工する。加工処理ラインXでは、合成樹脂類
(A)は必要に応じて破砕装置22において破砕(または
粗破砕)された後、コンベア搬送等により分離装置23
に装入され、合成樹脂類(A)から塩化ビニルや塩化ビニ
リデン等の含塩素高分子樹脂材のみが分離除去される。
【0055】塩化ビニル等の含塩素高分子樹脂は他の合
成樹脂に較べて比重が大きいため(ポリエチレンの比
重:0.91〜0.96、ポリプロピレンの比重:0.
89〜0.91程度であるのに対し、塩化ビニルの比
重:1.16〜1.55程度)、通常、分離装置23は
水等の液体を利用した比重分離方式或いは遠心分離方式
等により合成樹脂類(A)から含塩素高分子樹脂材を分離
する。また、上記コンベア搬送等の途中で磁選機26
(磁石により鉄屑等を吸着して、これを除去する装置)
により合成樹脂類に混入している鉄屑の除去が行われ
る。なお、合成樹脂類(A)が後述する粒状固化装置24
で破砕処理される場合には、上記破砕装置22による破
砕処理は必ずしも必要ではなく、したがってその場合に
は破砕装置22は設けなくてもよい。なお、加工処理ラ
インXにおける前記分離装置23は、粒状固化装置24
よりも上流側の任意の位置に配置することができる。
【0056】図15は比重分離方式による分離装置23
の一構成例を示しており、合成樹脂類(A)は水が入れら
れた分離槽40に装入され、槽内で沈降する塩化ビニル
等の含塩素高分子樹脂材と浮上するそれ以外の合成樹脂
材とに分離される。沈降分離した含塩素高分子樹脂材は
適当な排出手段により槽外に排出され、スクリーン41
aを経て水と分離された後、系外に排出される。一方、
槽内で浮上した含塩素高分子樹脂材以外の合成樹脂材は
適当な排出手段で槽外に排出され、スクリーン41bを
経て水と分離された後、乾燥機42で乾燥され、次工程
へと送られる。なお、図15において、43はスクリー
ン41a,41bで分離された水を排出する排水タンク
である。
【0057】また、図16は遠心分離方式による分離装
置23の一構成例を示している。この装置は、内部が中
空の筒状若しくは紡錘状の本体44と、この本体44内
部の長手方向に回転自在に配されるスクリュー付きの内
筒体45と、この内筒体回転駆動用のモータ46等から
構成される。この装置では、合成樹脂材と水等の媒体と
の混合物が、高速回転する内筒体45の一端からその内
部に供給される。混合物は内筒体45の長手方向略中央
に設けられた開口47から遠心力の作用により本体44
の内部空間に吐き出され、媒体の比重を境としてこれよ
りも比重の大きい重質分(含塩素高分子樹脂材)と比重
の小さい軽質分(含塩素高分子樹脂材以外の合成樹脂
材)とに分離される。つまり、遠心力によって合成樹脂
材のうちの重質分のみが本体44の内壁面側に集められ
る結果、軽質分と重質分が本体44の径方向において分
離した状態となる。
【0058】ここで、内筒体45は、前記開口47を大
略の境とした長手方向半分に軽質分搬送用のスクリュー
48aが、他の長手方向半分に重質分搬送用のスクリュ
ー48bが設けられている。これらスクリュー48a、
48bはスクリューの螺旋方向が互いに逆向きであり、
内筒体45が回転することによりスクリュー48a、4
8bはそれぞれの側の本体端部方向に合成樹脂材を搬送
する。すなわち、軽質分の合成樹脂材は羽根が比較的短
かいスクリュー48aによって本体44の一方の端部ま
で搬送され、排出口49aから排出される。一方、本体
44の内壁面側に集められた重質分の合成樹脂材は、羽
根が本体44の内壁面近傍まで延びたスクリュー48b
によって本体44の他方の端部まで搬送され、排出口4
9bから排出される。一方、水等の媒体は本体44の略
中央部に設けられた排出口50から装置外に排出され
る。このような装置によれば、重質分(含塩素高分子樹
脂材)と軽質分(含塩素高分子樹脂材以外の合成樹脂
材)にそれぞれ分離された合成樹脂材を水分が非常に少
ない状態で装置外に排出させることができる。
【0059】上記のように分離装置23で含塩素高分子
樹脂材が分離除去された合成樹脂類(A)は粒状固化装置
24に装入され、ここで減容固化された粒状合成樹脂材
(a)に加工される。前記粒状固化装置24では、例えば
以下の〜の何れかの方法で合成樹脂類(A)の減容固
化−粒状化処理が行われ、粒状合成樹脂材(a)が得られ
る。 合成樹脂類(A)を加熱して溶融させた後冷却して固
化させ、この固化した合成樹脂材を裁断または粉砕処理
する方法 合成樹脂類(A)を裁断または破砕し(この裁断また
は破砕は、粒状固化装置24内ではなく上記破砕装置2
2で行ってもよい)、この裁断または破砕された合成樹
脂材を加熱若しくは前記裁断または破砕による摩擦熱に
より半溶融化させ、半溶融化した合成樹脂材を急冷する
ことにより収縮固化させ、この際粒状に収縮固化させる
か若しくは収縮固化した合成樹脂材を粉砕処理して粒状
合成樹脂材(a)を得る方法
【0060】 上記の方法の一態様として、合成樹
脂類(A)を高速回転する回転刃で裁断または破砕すると
ともに、該裁断または破砕による摩擦熱により合成樹脂
材を半溶融化させ、次いでこの半溶融化した合成樹脂材
を水噴霧等によって急冷することにより収縮固化させ、
この際粒状に収縮固化させるか若しくは収縮固化と同時
に前記回転刃により粉砕処理し、粒状合成樹脂材(a)を
得る方法 これらの方法のうち、の方法の典型的な例は合成樹脂
類(A)を完全溶融させ、これを押出し機により線状等に
押出し成形した後、粒状に裁断することにより粒状合成
樹脂材(a)を得る方法であるが、この他にも種々の加工
方法を採ることができる。
【0061】これに対して、の方法は合成樹脂類
(A)を完全には溶融させず、半溶融化させた状態から水
噴霧等によって急冷することにより収縮固化させ、この
際粒状に収縮固化させるか若しくは収縮固化したものを
粒状に粉砕処理することにより粒状合成樹脂材(a)を得
る方法である。本発明者らは特にこのような,の方
法(とりわけの方法)で得られた粒状合成樹脂材(a)
が、フィルム状合成樹脂材の粉砕物は言うに及ばず、塊
状合成樹脂材の粉砕物に較べてさえ非常に優れた流動性
と搬送性を示し、しかも燃焼性にも非常に優れているこ
と、さらにはこれらを塊状合成樹脂材の粉砕物と混合し
て用いることにより、合成樹脂材全体の搬送性及び燃焼
性を著しく向上させ得ることを見出したものであり、し
たがって、本発明の処理法においては、粒状固化装置2
4において上記またはの方法で合成樹脂類(A)の粒
状収縮固化若しくは収縮固化−粒状化処理を行い、粒状
合成樹脂材(a)を得ることが最も好ましい。
【0062】図17は上記の方法で粒状収縮固化若し
くは収縮固化−粒状化の連続処理を行うための一構成例
を示しており、粒状固化装置24に装入された合成樹脂
類(A)は破砕装置51で破砕された後、減容固化装置5
2に装入される。この減容固化装置52では、合成樹脂
類(A)は加熱室53及びこれに続く冷却室54を搬送装
置55(搬送ベルト等)で連続搬送され、加熱室53に
おいて加熱(ガス加熱、ガス間接加熱または電気加熱
等)されることで半溶融化した後、冷却室54で水噴霧
等により急冷され、収縮固化する。この際、合成樹脂類
(A)の破砕形態や加熱室内への装入状態等を適宜選択す
ることにより合成樹脂材を粒状に収縮固化させることが
でき、したがってこの方法によれば収縮固化ままで粒状
合成樹脂材(a)が得られる。
【0063】一方、合成樹脂材の一部または全部を粒状
に収縮固化させない方法では、収縮固化した合成樹脂材
は減容固化装置52から粉砕装置56に装入され、この
粉砕装置56により粒状に粉砕処理されることで粒状合
成樹脂材(a)が得られる。以上のようにして得られた粒
状合成樹脂材(a)は、破砕されたフィルム状合成樹脂材
を半溶融状態から粒状に収縮固化させ若しくは収縮固化
させた後これを粉砕処理したものであるため、塊状合成
樹脂材の破砕物に較べて比較的ポーラスな性状であって
比表面積が大きく、しかも塊状合成樹脂材の破砕物のよ
うに角ばった形状ではなく、全体的に見て丸みを帯びた
形状を有するため、優れた燃焼性と流動性を示す。
【0064】また、図18は上記の方法で行われる粒
状収縮固化若しくは収縮固化−粒状化処理の原理を模式
的に示すもので、合成樹脂類(A)を高速回転する回転刃
57で裁断または破砕するとともに、この裁断または破
砕による摩擦熱により合成樹脂材を半溶融化させ、次い
で、この半溶融化した合成樹脂材を水噴霧等により上記
温度から急冷することにより収縮個化させ、この際粒状
に収縮固化させるか若しくは収縮固化と同時に前記回転
刃57により粉砕処理し、粒状合成樹脂材(a)が得られ
る。この方法はバッチ方式により合成樹脂材の破砕(ま
たは裁断)処理、半溶融化処理及び収縮固化後の粉砕処
理(但し、急冷により粒状に収縮固化させる場合は粉砕
処理は必要ない)の総てを高速回転する回転刃57によ
り行うものであり、「破砕(または裁断)→半溶融化→
急冷による粒状収縮固化」若しくは「破砕(または裁
断)→半溶融化→急冷による収縮固化→粉砕」という一
連の処理工程が短時間に速やかに行われ、しかも合成樹
脂材が回転刃57による破砕(裁断)−高速撹拌中に半
溶融化し、このような状態から速かに急冷処理がなされ
るため、比表面積及び粒形状等の面でより好ましい粒状
合成樹脂材(a)が得られる。また、回転刃57の作用だ
けで破砕(または裁断)処理、半溶融化処理及び収縮固
化後の粉砕処理が行われるため、設備コスト及び運転コ
ストの面でも有利である。
【0065】なお、上記の方法においても、合成樹脂
類(A)の破砕形態や回転刃に対する装入状態等を適宜選
択することにより合成樹脂材を粒状に収縮固化させるこ
とができ、したがってこの方法によれば実質的に収縮固
化後の回転刃による粉砕処理なしに、収縮固化ままで粒
状合成樹脂材(a)が得られる。一方、合成樹脂材の一部
または全部を粒状に収縮固化させない方法では、上記の
ように回転刃による粉砕処理により粒状合成樹脂材(a)
が得られる。また、上記、の方法において合成樹脂
類(A)を半溶融化する温度は合成樹脂の種類や形状等に
よってある程度異なり、例えば材質面だけからいうと低
密度ポリエチレンの場合で105〜115℃程度、中低
密度ポリエチレンの場合で128℃前後である。したが
って、合成樹脂類(A)に含まれる合成樹脂材の種類や割
合、形態等に応じて、半溶融化させるための温度が適宜
選択される。
【0066】以上のようにして得られた粒状合成樹脂材
(a)は、篩分装置25により篩い分けされ、所定の粒径
以下(例えば−6mm)のものだけが供給手段である経
路34を通じて貯留サイロ35に送られる。この構成例
では経路34は気送管(図中、33は送風機)で構成さ
れ、粒状合成樹脂材(a)は貯留サイロ35に気送(空気
輸送、以下同様)される。一方、所定の粒径を超える粒
状合成樹脂材は気送管たる経路36(図中、33は送風
機)を通じて分離装置23または粒状固化装置24の入
側の搬送ラインに戻され、合成樹脂類(A)とともに分離
装置23または粒状固化装置24に再装入される。
【0067】なお、この粗粒の粒状合成樹脂材を返送す
る位置は任意であり、場合によっては加工処理ラインY
に供給することもできる。この加工処理ラインYに供給
する場合には、例えば、一次破砕装置27の入側、一次
破砕装置27と二次破砕装置28間、二次破砕装置28
と選別機29間、選別機29と粉砕装置31間等の任意
の位置(通常は搬送ライン)に供給することができる。
また、これ以外に、粗粒の粒状合成樹脂材を系外に取り
出し、他工程に直接装入(例えば、高炉やスクラップ溶
解炉への炉頂装入、コークス炉や焼結炉への直接装入
等)するようにしてもよい。
【0068】一方、加工処理ラインYでは、合成樹脂類
(B)は一次破砕装置27において粗破砕(例えば、粒径
50mm程度に破砕)された後、コンベア搬送等により
二次破砕装置28に装入されて二次破砕(例えば、粒径
20mm程度に破砕)される。なお、一次破砕された合
成樹脂類(B)は、上記コンベア搬送等の途中で磁選機3
2(磁石により鉄屑等を吸着して、これを除去する装
置)により混入している鉄屑の除去が行われる。二次破
砕された合成樹脂類(B)はコンベア搬送等により選別装
置29に装入され、ここで金属や土砂、石等の異物が風
力選別等の方法により分離除去される。次いで経路37
aを通じて分離装置30に送られ、合成樹脂類(B)から
含塩素高分子樹脂材のみが分離除去される。この分離装
置30の分離方式や構成例は先に述べた分離装置23と
同様であり、したがってその説明は省略する。なお、こ
の分離装置30の配置は本実施例に限定されるものでは
なく、粉砕装置31よりも上流側または下流側の任意の
位置、例えば、一次破砕装置27と二次破砕装置28
間、二次破砕装置28と選別装置29間、粉砕装置31
の出側位置等に配置することができる。
【0069】分離装置30において含塩素高分子樹脂材
が分離除去された合成樹脂類(B)は経路37bを通じて
粉砕装置31(三次破砕機)に送られ、所定の粒径以下
(例えば、−6mm)まで粉砕処理され、粒状合成樹脂
材(b)が得られる。この粒状合成樹脂材(b)は供給手段
である経路37cを通じて貯留サイロ35に送られる。
この構成例では経路37a〜37cは気送管(図中、3
3は送風機)で構成され、粒状合成樹脂材(b)は貯留サ
イロ35に気送される。
【0070】一方、分離装置23及び分離装置30で分
離された含塩素高分子樹脂材は、供給手段38a,38
b,38を通じて塩素除去装置2に供給されて上述した
ような脱塩素処理が行われ、塩素分を実質的に含まない
合成樹脂材(c)が得られる。この合成樹脂材(c)は、必
要に応じて加工装置(図示せず)または塩素除去装置に
内蔵された加工処理機構により粒状に加工処理(破砕)
された後、経路39(気送管)を通じて炉側に搬送・供
給される。なお、上記供給手段38a,38b,38c
は連続式(例えば、搬送コンベアや気送管等)、バッチ
式のいずれでもよい。
【0071】貯留サイロ35に貯留された粒状合成樹脂
材(a)および(b)と合成樹脂材(c)の混合体は吹込み手
段32にコンベア搬送や気送等により移送された後、こ
の吹込み手段32を通じて高炉等の炉に気送され、炉の
羽口部等から炉内に吹き込まれる。なお、図14に示し
た構成例では磁選機32を各加工処理ラインで1箇所だ
けに設けているが、加工処理ラインの複数箇所に配置し
てもよい。また、各破砕装置(粉砕装置31も含む)の
破砕方式は任意であり、通常の機械的手段のみによる破
砕方式以外に、例えば被処理樹脂材を冷凍した状態で破
砕する所謂冷凍破砕方式のものを適用することもでき
る。通常、図14に示す加工処理設備の入側には、搬入
合成樹脂類のヤード乾燥設備等の付帯設備を設けること
もできる。
【0072】なお、先に述べたように加工処理設備に供
給される合成樹脂類中の含塩素高分子樹脂材の割合や、
フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)とそ
れ以外の合成樹脂類(B)の加工処理設備に対する供給量
は、廃棄物という性質上、経時的にある程度のバラツキ
を生じることがあり、比較的短期間(例えば、数時間〜
数十時間程度)に限った場合には、含塩素高分子樹脂材
が全く含まれない合成樹脂類しか供給されない場合や、
合成樹脂類(A)及び(B)のうちのいずれか一方の種類の
合成樹脂類しか供給されない場合も考えられる。このよ
うな場合には、一時的に塩素除去装置2に含塩素高分子
樹脂材が全く供給されなかったり、或いは処理され且つ
炉に供給される合成樹脂類が一時的に合成樹脂類(A)−
粒状合成樹脂材(a)または合成樹脂類(B)−粒状合成樹
脂材(b)のいずれか一方になることもあり得る。また、
これ以外の理由により一時的に粒状合成樹脂材(a)及び
(b)のいずれか一方のみが炉に気送されることもあり得
る。また、図14の処理方法においては、粒状合成樹脂
材(a)及び(b)を別々のサイロ等に貯蔵し、これを別々
の経路を通じて炉に気送することもできる。なお、廃棄
物たる合成樹脂材が実質的に含塩素合成樹脂材のみから
なるような場合には、各加工処理ラインでの分離除去工
程を経ることなく、直接塩素除去装置2に供給すること
ができる。
【0073】先に述べたように、上記、の方法によ
り粒状収縮固化若しくは収縮固化−粒状化して得られた
粒状合成樹脂材(a)は比較的ポーラスな性状で比表面積
が大きく、しかも全体的に見て丸みを帯びた形状を有し
ているために優れた燃焼性と流動性を示し、これらを粒
状合成樹脂材(b)と混合することにより、炉に供給され
る粒状合成樹脂材全体の燃焼性と流動性及び搬送性を効
果的に高めることができる。すなわち、燃焼性に関して
は、炉内に粒状合成樹脂材(a)と粒状合成樹脂材(b)の
混合体が吹き込まれた場合、燃焼性の良好な粒状合成樹
脂材(a)が急速燃焼して粒状合成樹脂材(b)を速かに着
火させ、これによって炉内吹き込まれた粒状合成樹脂材
全体の燃焼性が著しく高められる。さらに、流動性及び
搬送性に関しても、丸みを帯びた形状を有する流動性及
び搬送性に優れた粒状合成樹脂材(a)が粒状合成樹脂材
中に含まれることにより、これが粒状合成樹脂材全体の
流動性を向上させる潤滑的機能を果し、この結果粒状合
成樹脂材全体の流動性、搬送性が大きく改善される。
【0074】上記のような作用を得るためには、粒状合
成樹脂材(a)の全粒状合成樹脂材に占める重量割合を1
0%以上とすることが好ましい。図19は、フィルム状
合成樹脂材を上記の方法で収縮固化−粒状化処理して
得られた粒径6mm以下の粒状合成樹脂材(a)と塊状合
成樹脂材を粉砕処理して得られた粒径6mm以下の粒状
合成樹脂材(b)(いずれの粒状合成樹脂材も安息角:4
0°)とを種々の割合で混合し、この混合体を高炉の羽
口部に気送して炉内吹き込みを行ない、その際の粒状合
成樹脂材(a)の重量割合と混合体の搬送性(供給トラブ
ル発生頻度)及び合成樹脂によるコークス置換率との関
係を調べたものである。なお、供給トラブル発生頻度と
コークス置換率は以下のように定めた。
【0075】(イ) 供給トラブル発生頻度 塊状合成樹脂材を粉砕処理して得られた粒径6mm以下
の粒状合成樹脂材(b)(安息角:40°)のみを単独で
炉に供給した場合の供給トラブル発生頻度指数を“1”
とし、この場合と比較した供給トラブル発生頻度を指数
で示した。供給トラブル発生の有無は、貯留サイロ内の
粒状合成樹脂材の重量変動を常時監視し、重量変動:0
の状態が所定時間(例えば10分間程度)続いた場合に
トラブル発生(サイロ切出部や気送管途中での詰り発
生)と判断した。 (ロ) コークス置換率 コークス置換率=(粒状合成樹脂材の吹込みにより低減
したコークス比)/(粒状合成樹脂材の吹き込み比) 但し、粒状合成樹脂材の吹込みにより低減したコークス
比:kg/t・pig、粒状合成樹脂材の吹き込み比:
kg/t・pig
【0076】図19によれば、全粒状合成樹脂材に占め
る粒状合成樹脂材の割合が10%以上であれば、優れた
燃焼性と搬送性が得られることが判る。上記のように粒
状合成樹脂材(a)の割合を管理するためには、粒状合成
樹脂材(a)とそれ以外の粒状合成樹脂材を一旦それぞれ
の貯留サイロに貯留した後に混合するようにすることが
好ましい。
【0077】また、粒状合成樹脂材(a)、(b)、(c)は
嵩密度0.30以上、安息角40°以下に加工されるこ
とが好ましい。先に述べたように従来技術においては合
成樹脂粉砕物の嵩密度を0.35以上とすることが提案
されているが、特に塊状合成樹脂材の粉砕物については
嵩密度を高めるとそれだけ破砕機の負荷が増大する(破
砕刃の寿命が短くなる)という問題があり、破砕機によ
っては嵩密度0.35未満の粉砕物しか得られないもの
もある。一方、本発明者らの検討によれば、粒状合成樹
脂材の嵩密度が0.30以上であれば圧力損失等の点を
含めて粒状合成樹脂材を気送することに何の問題も生じ
ないこと、また、粒状合成樹脂材の貯留サイロでのブリ
ッジ(棚つり)や気送管系内の曲管部やバルブ周辺での
詰まり等のトラブルの発生は粒状合成樹脂材の嵩密度と
は殆ど関係がなく、粒状合成樹脂材の粒形状に大きく左
右されること、そして、この粒形状に基づく上記トラブ
ルの発生抑制効果は粒状合成樹脂材の安息角で整理でき
ることが判明した。
【0078】図20は、塊状合成樹脂材を粉砕処理して
得られた粒径6mm以下の粒状合成樹脂材について、そ
の安息角と貯留サイロでのブリッジ(棚つり)や気送管
内での詰まり等の供給トラブル発生頻度との関係を、嵩
密度が異なる粒状合成樹脂材別に示したものである。な
お、供給トラブル発生頻度の評価は図19と同様の方法
で行なった。図20によれば、粒状合成樹脂材の嵩密度
に拘りなく、安息角を40°以下とすることにより上記
のような供給トラブルを適切に防止できることが判る。
【0079】また、粒状合成樹脂材(a)のうち上記、
の方法で粒状収縮固化若しくは収縮固化−粒状化して
得られるものについては、当該方法で粒状収縮固化若し
くは収縮固化−粒状化するだけで安息角40°以下の粒
状合成樹脂材が得られることが判った。一方、上記方
法で減容固化−粒状化して得られる粒状合成樹脂材(a)
または上記〜以外の方法で収縮固化−粒状化して得
られる粒状合成樹脂材(a)や、合成樹脂類(B)を破砕処
理して得られる粒状合成樹脂材(b)、さらには粒状合成
樹脂材(c)については、安息角40°以下を達成するた
めに破砕方式等が適宜選択される。なお、本発明におい
て加工処理して得る粒状合成樹脂材(a)および(b)の粒
径、さらには合成樹脂材(c)の粒径は、燃焼性等の観点
から10mm以下、好ましくは4〜8mmとすることが
好ましい。本発明の合成樹脂類の処理方法は、高炉、ス
クラップ溶解炉、回転キルン等をはじめとする各種の炉
に適用することができる。
【0080】本発明が処理の対象としている合成樹脂類
は、主として廃棄物(所謂ゴミとしての廃棄物、工場等
での製造・加工時に生じる屑や不良品等を含む)たる合
成樹脂類であり、したがって、その性質上合成樹脂以外
の異物(金属、紙、その他の無機物及び有機物)が付着
若しくは混入している合成樹脂類も対象となる。このよ
うな廃棄物合成樹脂類の具体例としては、プラスチック
ボトル、プラスチック袋、プラスチック包み、プラスチ
ックフィルム、プラスチックトレイ、プラスチックカッ
プ、磁気カード、磁気テープ、ICカード、フレキシブ
ルコンテナ、プリント基板、プリントシート、電線被覆
材、事務機器または家電製品用ボディー及びフレーム、
化粧合板、パイプ、ホース、合成繊維及び材料、プラス
チック成型ペレット、ウレタン材、梱包用シート、梱包
用バンド、梱包用クッション材、電気用部品、玩具、文
房具、トナー、自動車用部品(例えば、内装品、バンパ
ー)、自動車または家電製品等のシュレッダーダスト、
イオン交換樹脂、合成紙、合成樹脂接着剤、合成樹脂塗
料、固形化燃料(廃棄プラスチック減容物)等が挙げら
れる。
【0081】なお、廃棄物として処理設備に搬入されて
くる合成樹脂類のうち、含塩素高分子樹脂を含まず且つ
形態が既に粒状であるためそのまま炉に気送供給可能な
もの(例えば、粒状であるイオン交換樹脂材、成型加工
用合成樹脂ペレット、玩具用合成樹脂小球等)について
は、本発明による加工処理を経ることなくそのまま貯留
サイロに装入するなどして炉に供給できることは言うま
でもない。
【0082】
【実施例】
[実施例1]図14に示す本発明の合成樹脂類の処理設
備に対して、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹
脂類(A)を1.60t/hr、塊状合成樹脂材を主体と
する合成樹脂類(B)を2.98t/hrの割合でそれぞ
れ供給して粒状合成樹脂材(a)、(b)及び(c)に加工処
理し、これらを貯留サイロで混合した後、気送管系を通
じて高炉に気送し、微粉炭とともに羽口部から炉内に吹
き込んだ。この際の合成樹脂類の加工及び供給条件と高
炉の操業条件を以下に示す。
【0083】(イ)合成樹脂類の加工処理条件 (イ-1) 合成樹脂類(A) 図14の加工処理ラインXにおいて粗破砕及び含塩素高
分子樹脂材の分離除去を行った後、上記の方法で収縮
固化−粒状化処理して粒径6mm以下の粒状合成樹脂材
(a)に加工し、これを貯留サイロに移送した。 (イ-2) 合成樹脂類(B) 図14の加工処理ラインYにおいて一次破砕、二次破
砕、含塩素高分子樹脂材の分離除去及び粉砕処理を実施
して粒径6mm以下の粒状合成樹脂材(b)に加工し、こ
れを貯留サイロに移送した。
【0084】(イ-3) 含塩素高分子樹脂材 加工処理ラインX,Yの各分離装置で分離除去された含
塩素高分子樹脂材を図3に示すスクリュー押し出し方式
の塩素除去装置に搬送・供給して脱塩素処理を行い、次
いで粉砕処理を行って粒径6mm以下の粒状合成樹脂材
(c)に加工し、これを貯留サイロに移送した。 (イ-4) 粒状合成樹脂材の高炉内吹き込み 貯留サイロに装入された粒状合成樹脂材(a)、(b)およ
び(c)の混合体をサイロから定量的に切り出し、これを
気送供給設備まで移送し、気送供給設備から高炉羽口部
に粒状合成樹脂材を気送し、炉内に吹き込んだ。
【0085】(ロ)高炉操業条件 出銑量:10000t/日 コークス比:425kg/t・pig 羽口 粒状合成樹脂材の吹込み量:10kg/t・pig 微粉炭吹込み量:80kg/t・pig 送風量:1020Nm3/t・pig 酸素富化率:4% 送風温度:1150℃
【0086】以上のような合成樹脂類の処理と高炉への
供給を実施した結果、高炉の操業自体には全く支障はな
く、また高炉に供給すべき粒状合成樹脂材の貯留サイロ
切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど
発生しなかった。また、この操業例では加工処理ライン
X,Yに供給された合成樹脂類中の約9%が塩化ビニル
樹脂等の含塩素高分子樹脂材であったが、この含塩素高
分子樹脂材の約99%を分離装置で分離回収し、且つ塩
素除去装置では含塩素高分子樹脂材の塩素分を約97%
除去することができた。したがって、全操業中炉頂ガス
を採取してそのガス組成を分析した結果でも、HClは
殆んど検出されなかった。なお、加工処理ラインX,Y
の各分離装置で分離回収された含塩素高分子樹脂材は約
616kg/hrであり、この操業時における含塩素高
分子樹脂材の塩素含有量は約35wt%であったことか
ら、塩素除去装置での脱塩素処理では塩化水素ガスとし
て約142kg/hrが除去され、塩素分を実質的に含
まない合成樹脂材(炭素質の残渣)約474kg/hr
が炉側に供給されたことになる。
【0087】[実施例2]図14のフローチャートで示
す合成樹脂類の処理設備に対して、フィルム状合成樹脂
材を主体とする合成樹脂類(A)と塊状合成樹脂材を主体
とする合成樹脂類(B)をそれぞれ供給して粒状合成樹脂
材(a)、(b)および(c)に加工処理し、これらを貯留サ
イロで混合した後、気送管系を通じて高炉に気送し、微
粉炭とともに羽口部から炉内に吹き込んだ。加工処理工
程に供給された合成樹脂類には、ポリエチレン等の熱可
塑性樹脂以外に、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ABS樹脂、PVC樹脂、フェノール樹脂、ウレ
タン樹脂等が含まれ、さらにフタル酸ジエチル等のよう
な可塑剤、トリメチルフォスフェート等のような難燃
材、ガラス繊維等のような充填材等も含まれていた。
【0088】本実施例における合成樹脂類の加工及び供
給条件を以下に示す。また、加工処理ラインX及びYに
供給した合成樹脂類と加工処理ラインX及びYで分離さ
れ塩素除去装置に供給された含塩素高分子樹脂材につい
て、その供給量と組成を表1及び表2に、処理により得
られた吹き込み用の粒状合成樹脂材の供給量と組成を表
3及び表4に、高炉の操業条件を表5にそれぞれ示す。 (イ)合成樹脂類の加工処理条件 (イ-1)合成樹脂類(A) 加工処理ラインXへの合成樹脂類の供給量が異なる以外
は実施例1と同じ。 (イ-2)合成樹脂類(B) 加工処理ラインYへの合成樹脂類の供給量が異なる以外
は実施例1と同じ。
【0089】(イ-3)含塩素高分子樹脂材 加工処理ラインX,Yの各分離装置で分離除去された含
塩素高分子樹脂材を図7に示すロータリーキルン方式の
塩素除去装置に搬送・供給して脱塩素処理を行い、次い
で粉砕処理を行って粒径6mm以下の粒状合成樹脂材
(c)に加工し、これを貯留サイロに移送した。 (イ-4)粒状合成樹脂材の高炉吹き込み 貯留サイロに装入された粒状合成樹脂材(a)、(b)およ
び(c)の混合体をサイロから定量的に切り出し、これを
気送供給設備まで移送し、下記条件で気送供給設備から
高炉羽口部に粒状合成樹脂材を気送し、炉内に吹き込ん
だ。 気送ガス:空気 固気比:4.5kg/kg
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】
【0095】以上のような合成樹脂類の処理と高炉への
供給を実施した結果、高炉の操業自体には全く支障がな
く、また高炉に供給すべき粒状合成樹脂材の貯留サイロ
切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も全く
発生しなかった。また、塩素除去装置においては、含塩
素高分子樹脂材から操業例1では372kg/hr、操
業例2では394kg/hr、操業例3では201kg
/hr、操業例4では611kg/hrがそれぞれ塩素
分として除去され、塩素分が十分に低減された表3およ
び表4に示す量の樹脂材(塩素分が脱離した樹脂の残
渣)が炉側に供給された。
【0096】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、廃棄
物たるプラスチック等の合成樹脂類を、含塩素高分子樹
脂の燃焼による有害ガスの発生という問題を何ら懸念す
ることなく炉の燃料や鉄源の還元剤として使用すること
ができ、合成樹脂類の廃棄物の大量処理と有効利用を可
能ならしめる効果がある。また、合成樹脂類の分別処理
を行う請求項3、請求項4、請求項17及び請求項18
に係る処理方法及び設備によれば、プラスチック等の合
成樹脂類をその形態に拘りなく炉の吹込み燃料や鉄源の
還元剤として利用することができ、このため高炉等の炉
の操業性を十分に確保しつつ廃棄物たる合成樹脂類の大
量処理と有効利用を図ることができる。さらに、請求項
8〜請求項14に係る処理方法によれば、炉に供給され
る合成樹脂類の流動性や搬送性及び燃焼性を効果的に高
めることができ、高炉等の炉において炉の操業に支障を
来すことなく合成樹脂材を燃料や鉄源の還元剤として炉
内に適切に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法及び設備の一構成例を示す説
明図
【図2】塩素除去装置の一構成例を示す説明図
【図3】塩素除去装置の他の構成例を示す説明図
【図4】2軸スクリュー押し出し方式の塩素除去装置の
一構成例を示す説明図
【図5】ロータリーキルン方式の塩素除去装置の一構成
例を概念的に示す説明図
【図6】図5のロータリーキルン本体の横断面図
【図7】ロータリーキルン方式の塩素除去装置の他の構
成例を示す説明図
【図8】図7のロータリーキルン本体の縦断面図
【図9】図7のロータリーキルン本体の横断面図
【図10】ロータリーキルン方式の塩素除去装置の他の
構成例におけるロータリーキルン本体の縦断面図
【図11】図10のロータリーキルン本体の横断面図
【図12】ロータリーキルン方式の塩素除去装置の他の
構成例におけるロータリーキルン本体の横断面図
【図13】本発明の処理方法及び設備の他の構成例を示
す説明図
【図14】図13に示す方式の処理方法及び設備のより
具体的な構成例を示す説明図
【図15】含塩素高分子樹脂材の分離装置の一構成例を
示す説明図
【図16】含塩素高分子樹脂材の分離装置の他の構成例
を示す説明図
【図17】合成樹脂類(A)を収縮固化−粒状化するため
の方法の一構成例を示す説明図
【図18】合成樹脂類(A)を収縮固化−粒状化するため
の他の方法の原理を模式的に示す説明図
【図19】フィルム状合成樹脂材を特定の方法で収縮固
化−粒状化して得られた粒状合成樹脂材(a)が全粒状合
成樹脂材中に占める重量割合とコークス置換率及び供給
トラブル発生頻度との関係を示すグラフ
【図20】塊状合成樹脂材を粉砕処理して得られた粒状
合成樹脂材について、その安息角と供給トラブル発生頻
度との関係を、嵩密度が異なる粒状合成樹脂材別に示し
たグラフ
【符号の説明】
1,1a,1b…加工設備、2…塩素除去装置、3,3
a,3b…供給手段、4…加工装置、5…貯留ホッパ、
6…熱分解炉本体、7…スクリューフィーダー、8…撹
拌羽根、9…抜き出し口、9a…遮断弁、10…排出
口、11…供給口、12…モータ、13…スクリューフ
ィーダー、14…供給口、15…抜き出し口、16…排
出口、17…加熱装置、18,19…モータ、20,2
0a,20b,21…供給手段、22…破砕装置、23
…分離装置、24…粒状固化装置、25…篩分装置、2
6…磁選機、27…一次破砕装置、28…二次破砕装
置、29…選別装置、30…分離装置、31…粉砕装
置、32…磁選機、33…送風機、34…経路、35…
貯留サイロ、36,37a,37b,37c…経路、3
8,38a,38b,39…供給手段、40…分離槽、
41a,41b…スクリーン、42…乾燥機、43…ス
クリーン、44…本体、45…内筒体、46…モータ、
47…開口、48a,48b…スクリュー、49a,4
9b,50…排出口、51…破砕装置、52…減容固化
装置、53…加熱室、54…冷却室、55…搬送装置、
56…粉砕装置、57…回転刃、58…スクリューフィ
ーダー、59a,59b…供給口、60…供給用スクリ
ューフィーダー、61…抜き出し口、62…熱媒供給
口、63…排出口、64,65…モータ、66…ロータ
リーキルン本体、67…耐火物、68…鉄皮、69…通
路、70…ロータリーキルン本体、71…外管、72,
72a,72b,72c…内管、73,74…通路、7
6…熱風導管、77,78…排出口、79…抜き出し
口、80…駆動モータ、81…ガス導管、750…供給
口、X,Y…加工処理ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿田 勉 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 有山 達郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−245463(JP,A) 特開 平8−112580(JP,A) 特公 昭56−31245(JP,B2) 工業材料,日本,日刊工業新聞社,V ol.44,No.8,84−88 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21B 5/00 B09B 3/00 B29B 17/00 F23G 5/027

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂類を炉内供給に適した形状に加
    工処理した後、燃料および/または鉄源の還元剤として
    炉に供給するための方法であって、 合成樹脂類の加工処理工程が、合成樹脂類から含塩素高
    分子樹脂材を分離除去し、含塩素高分子樹脂材を実質的
    に含まない合成樹脂材(イ)を得る工程と、前記分離除去
    された含塩素高分子樹脂材を加熱して熱分解により樹脂
    から塩素を脱離させ、塩素分を実質的に含まない合成樹
    脂材(ロ)とするための工程と、前記合成樹脂材(イ)およ
    び合成樹脂材(ロ)を燃料および/または鉄源の還元剤と
    して炉に供給するための工程とを有することを特徴とす
    る合成樹脂類の処理方法。
  2. 【請求項2】 合成樹脂類を炉内供給に適した形状に加
    工処理した後、燃料および/または鉄源の還元剤として
    炉に供給するための方法であって、 合成樹脂類の加工処理工程が、合成樹脂類から含塩素高
    分子樹脂材を分離除去し、含塩素高分子樹脂材を実質的
    に含まない合成樹脂材(イ)を得る工程と、該工程の前お
    よび/または後において合成樹脂材を粒状に加工する工
    程と、前記分離除去された含塩素高分子樹脂材を加熱し
    て熱分解により樹脂から塩素を脱離させ、塩素分を実質
    的に含まない合成樹脂材(ロ)とするための工程と、該合
    成樹脂材(ロ)を粒状に加工処理する工程と、粒状に加工
    処理された前記合成樹脂材(イ)および合成樹脂材(ロ)を
    燃料および/または鉄源の還元剤として炉に供給するた
    めの工程とを有することを特徴とする合成樹脂類の処理
    方法。
  3. 【請求項3】 合成樹脂類を炉内供給に適した形状に加
    工処理した後、燃料および/または鉄源の還元剤として
    炉に供給するための方法であって、 合成樹脂類を、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成
    樹脂類(A)とそれ以外の合成樹脂類(B)とに分別された
    状態でそれぞれの加工処理ラインX及び加工処理ライン
    Yに受け入れる工程と、 前記加工処理ラインXにおいて、合成樹脂類(A)から含
    塩素高分子樹脂材を分離除去し、含塩素高分子樹脂材を
    実質的に含まない合成樹脂材を得る工程および該工程を
    経た合成樹脂類(A)を粒状合成樹脂材(a)に加工処理す
    る工程と、 前記加工処理ラインYにおいて、合成樹脂類(B)から含
    塩素高分子樹脂材を分離除去し、含塩素高分子樹脂材を
    実質的に含まない合成樹脂材を得る工程および該工程の
    前および/または後において合成樹脂類(B)を粒状合成
    樹脂材(b)に加工処理する工程と、 前記加工処理ラインXおよびYにおいて分離除去された
    含塩素高分子樹脂材を加熱して熱分解により樹脂から塩
    素を脱離させ、塩素分を実質的に含まない合成樹脂材
    (c)を得る工程と、 前記粒状合成樹脂材(a)および(b)と合成樹脂材(c)を
    燃料および/または鉄源の還元剤として炉に供給する工
    程とからなることを特徴とする合成樹脂類の処理方法。
  4. 【請求項4】 加工処理ラインXにおける加工処理工程
    が、合成樹脂類(A)から含塩素高分子樹脂材を分離除去
    し、含塩素高分子樹脂材を実質的に含まない合成樹脂材
    を得る工程と、該工程を経た合成樹脂類(A)を熱により
    溶融または半溶融化させた後固化させることにより減容
    固化された粒状合成樹脂材(a)に加工する工程とからな
    り、 前記加工処理ラインYにおける加工処理工程が、合成樹
    脂類(B)を破砕処理して粒状合成樹脂材(b)に加工する
    工程と、該破砕処理後または複数次の破砕処理工程の途
    中で含塩素高分子樹脂材を分離除去し、含塩素高分子樹
    脂材を実質的に含まない合成樹脂材を得る工程とからな
    ることを特徴とする請求項3に記載の合成樹脂類の処理
    方法。
  5. 【請求項5】 含塩素高分子樹脂材を加熱処理して得ら
    れた合成樹脂材(c)を粒状に破砕処理することを特徴と
    する請求項3または4に記載の合成樹脂類の処理方法。
  6. 【請求項6】 加工処理後の合成樹脂材を鉄源の還元剤
    として高炉に供給することを特徴とする請求項1、2、
    3、4または5に記載の合成樹脂類の処理方法。
  7. 【請求項7】 粒状合成樹脂材(a)および(b)と合成樹
    脂材(c)を炉に気送し、炉内に吹き込むことを特徴とす
    る請求項3、4、5または6に記載の合成樹脂類の処理
    方法。
  8. 【請求項8】 合成樹脂類(A)を粒状合成樹脂材(a)に
    加工する工程が、少なくとも、合成樹脂類(A)を加熱し
    て溶融させた後冷却して固化させる工程と、該固化した
    合成樹脂材を裁断または粉砕処理することにより粒状合
    成樹脂材(a)を得る工程とからなることを特徴とする請
    求項3、4、5、6または7に記載の合成樹脂類の処理
    方法。
  9. 【請求項9】 合成樹脂類(A)を粒状合成樹脂材(a)に
    加工する工程が、少なくとも、合成樹脂類(A)を裁断ま
    たは破砕する工程と、該裁断または破砕された合成樹脂
    材を加熱若しくは前記裁断または破砕による摩擦熱によ
    り半溶融化させる工程と、半溶融化した合成樹脂材を急
    冷することにより粒状に収縮固化させて粒状合成樹脂材
    (a)を得る工程とからなることを特徴とする請求項3、
    4、5、6または7に記載の合成樹脂類の処理方法。
  10. 【請求項10】 合成樹脂類(A)を粒状合成樹脂材(a)
    に加工する工程が、少なくとも、合成樹脂類(A)を裁断
    または破砕する工程と、該裁断または破砕された合成樹
    脂材を加熱若しくは前記裁断または破砕による摩擦熱に
    より半溶融化させる工程と、半溶融化した合成樹脂材を
    急冷することにより収縮固化させる工程と、該収縮固化
    した合成樹脂材を粉砕処理して粒状合成樹脂材(a)を得
    る工程とからなることを特徴とする請求項3、4、5、
    6または7に記載の合成樹脂類の処理方法。
  11. 【請求項11】 合成樹脂類(A)を粒状合成樹脂材(a)
    に加工する工程では、合成樹脂類(A)を高速回転する回
    転刃で裁断または破砕するとともに、該裁断または破砕
    による摩擦熱により合成樹脂材を半溶融化させ、次いで
    この半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより粒状
    に収縮固化させて粒状合成樹脂材(a)を得ることを特徴
    とする請求項3、4、5、6または7に記載の合成樹脂
    類の処理方法。
  12. 【請求項12】 合成樹脂類(A)を粒状合成樹脂材(a)
    に加工する工程では、合成樹脂類(A)を高速回転する回
    転刃で裁断または破砕するとともに、該裁断または破砕
    による摩擦熱により合成樹脂材を半溶融化させ、次いで
    この半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより収縮
    固化させるとともに、その収縮固化と同時に前記回転刃
    により粉砕処理し、粒状合成樹脂材(a)を得ることを特
    徴とする請求項3、4、5、6または7に記載の合成樹
    脂類の処理方法。
  13. 【請求項13】 粒状合成樹脂材(a)および(b)と合成
    樹脂材(c)を混合し、この混合体を炉内に吹き込むこと
    を特徴とする請求項3、4、5、6、7、8、9、1
    0、11または12に記載の合成樹脂類の処理方法。
  14. 【請求項14】 合成樹脂材(イ)および(ロ)若しくは合
    成樹脂材(a)、(b)および(c)が嵩密度0.30以上、
    安息角40°以下の粒状体であることを特徴とする請求
    項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、
    12または13に記載の合成樹脂類の処理方法。
  15. 【請求項15】 合成樹脂類を炉内供給に適した形状に
    加工処理した後、燃料および/または鉄源の還元剤とし
    て炉に供給するための設備であって、 合成樹脂類から含塩素高分子樹脂材を分離除去し、含塩
    素高分子樹脂材を実質的に含まない合成樹脂材(イ)を得
    る工程および該工程の前および/または後において合成
    樹脂材を粒状に加工処理する工程が行われる加工設備
    と、 前記分離除去された含塩素高分子樹脂材を加熱して熱分
    解により樹脂から塩素を脱離させ、塩素分を実質的に含
    まない合成樹脂材(ロ)とするための塩素除去装置と、 前記合成樹脂材(イ)および(ロ)を燃料および/または鉄
    源の還元剤として炉に供給する供給手段とを有すること
    を特徴とする合成樹脂類の処理設備。
  16. 【請求項16】 合成樹脂類を炉内供給に適した形状に
    加工処理した後、燃料および/または鉄源の還元剤とし
    て炉に供給するための設備であって、 合成樹脂類から含塩素高分子樹脂材を分離除去し、含塩
    素高分子樹脂材を実質的に含まない合成樹脂材(イ)を得
    る工程および該工程の前および/または後において合成
    樹脂材を粒状に加工処理する工程が行われる加工設備
    と、 前記分離除去された含塩素高分子樹脂材を加熱して熱分
    解により樹脂から塩素を脱離させ、塩素分を実質的に含
    まない合成樹脂材(ロ)とするための塩素除去装置と、 前記合成樹脂材(ロ)を粒状に加工処理するための加工装
    置と、 粒状に加工処理された前記合成樹脂材(イ)および(ロ)を
    燃料および/または鉄源の還元剤として炉に供給する供
    給手段とを有することを特徴とする合成樹脂類の処理設
    備。
  17. 【請求項17】 合成樹脂類を炉内供給に適した形状に
    加工処理した後、燃料および/または鉄源の還元剤とし
    て炉に供給するための設備であって、 フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)を受
    け入れ、該合成樹脂類(A)から含塩素高分子樹脂材を分
    離除去し、含塩素高分子樹脂材を実質的に含まない合成
    樹脂材を得る工程及び該工程を経た合成樹脂類(A)を粒
    状合成樹脂材(a)に加工処理する工程が行われる加工処
    理ラインXと、 前記合成樹脂類(A)以外の合成樹脂類(B)を受け入れ、
    該合成樹脂類(B)から含塩素高分子樹脂材を分離除去
    し、含塩素高分子樹脂材を実質的に含まない合成樹脂材
    を得る工程及び該工程の前および/または後において合
    成樹脂類(B)を粒状合成樹脂材(b)に加工処理する工程
    が行われる加工処理ラインYと、 前記分離除去された含塩素高分子樹脂材を加熱して熱分
    解により樹脂から塩素を脱離させ、塩素分を実質的に含
    まない合成樹脂材(c)とするための塩素除去装置と、 前記粒状合成樹脂材(a)および(b)と合成樹脂材(c)を
    混合状態でまたは混合することなく燃料および/または
    鉄源の還元剤として炉に供給するための供給手段とを有
    することを特徴とする合成樹脂類の処理設備。
  18. 【請求項18】 加工処理ラインXが、入側から少なく
    とも、合成樹脂類(A)から含塩素高分子樹脂材を分離除
    去するための分離装置と、含塩素高分子樹脂材が分離除
    去された合成樹脂類(A)を熱により溶融または半溶融化
    させた後固化させることにより減容固化された粒状合成
    樹脂材(a)に加工する粒状固化装置とを有し、 前記加工処理ラインYが、入側から少なくとも、合成樹
    脂類(B)を破砕処理するための1次または複数次の破砕
    装置と、破砕処理された合成樹脂類(B)から異物を分離
    除去するための選別装置と、異物が除去された合成樹脂
    類(B)を粒状合成樹脂材(b)に粉砕処理するための粉砕
    装置とを有するとともに、前記1次破砕装置と粉砕装置
    間の任意の位置または前記粉砕装置の出側位置において
    合成樹脂類(B)または粒状合成樹脂材(b)から含塩素高
    分子樹脂材を分離除去するための分離装置を有している
    ことを特徴とする請求項17に記載の合成樹脂類の処理
    設備。
  19. 【請求項19】 含塩素高分子樹脂材を加熱処理して得
    られた合成樹脂材(c)を粒状に破砕処理するための破砕
    装置を有することを特徴とする請求項17または18に
    記載の合成樹脂類の処理設備。
  20. 【請求項20】 塩素除去装置がロータリーキルン方式
    の装置であって、該装置本体を外管とその内部に配置さ
    れる内管とから構成し、内管内を被処理樹脂材用の通路
    とするとともに、内管と外管間の空間を加熱ガス用の通
    路としたことを特徴とする請求項15、16、17、1
    8または19に記載の合成樹脂類の処理設備。
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