JP2002363626A - 移動炉床炉の操業方法 - Google Patents

移動炉床炉の操業方法

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JP2002363626A
JP2002363626A JP2001176249A JP2001176249A JP2002363626A JP 2002363626 A JP2002363626 A JP 2002363626A JP 2001176249 A JP2001176249 A JP 2001176249A JP 2001176249 A JP2001176249 A JP 2001176249A JP 2002363626 A JP2002363626 A JP 2002363626A
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furnace
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moving hearth
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JP2001176249A
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Koshiro Fuji
孝司朗 藤
Makoto Nishimura
真 西村
Hidetoshi Tanaka
英年 田中
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21BMANUFACTURE OF IRON OR STEEL
    • C21B13/00Making spongy iron or liquid steel, by direct processes
    • C21B13/0066Preliminary conditioning of the solid carbonaceous reductant
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21BMANUFACTURE OF IRON OR STEEL
    • C21B13/00Making spongy iron or liquid steel, by direct processes
    • C21B13/10Making spongy iron or liquid steel, by direct processes in hearth-type furnaces

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属酸化物を還元する際に用いる移動炉床炉
の燃料に、産業廃棄物を活用することによって、資源の
有効利用を推進すると共に、コストを削減することので
きる移動炉床炉の操業方法を提供する。 【解決手投】 金属酸化物を移動炉床炉内に装入し加熱
還元して還元金属を得る移動炉床炉の操業方法におい
て、可燃性廃棄物を含む燃料を加熱源として移動炉床炉
内に供給し燃焼させて操業する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属酸化物を加熱
還元して還元金属を製造する方法に関し、より詳細に
は、金属酸化物を加熱還元して還元金属を製造する際に
用いる移動炉床炉の操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄鉱石や製鉄ダスト、酸化ニッケルなど
の金属酸化物を還元して、還元金属を得る方法は、従来
から種々提案されている。例えば、鉄鉱石や酸化鉄等の
酸化鉄源を炭材や還元性ガスを用いて直接還元し還元鉄
を得る直接製鉄法として、ミドレックス法に代表される
シャフト炉法が知られている。この方法では、天然ガス
等から製造される還元性ガスを利用し、酸化鉄を還元し
て金属鉄を得ている。しかし、この方法では、還元剤と
して天然ガス等から製造される還元性ガスを使用するの
で、該ガスのコストが最終製品のコストに大きく影響
し、コスト削減が困難となる。
【0003】さらに、酸化鉄を直接還元して還元鉄を得
る他の方法として、DIOS法などの溶融還元法も知ら
れているが、作業が煩雑であり、生産性や設備コストの
点で汎用性を欠く。
【0004】本発明者らはこうした状況に着目し、移動
炉床炉の一つである回転炉床炉を用いて、炭素質還元剤
と酸化鉄を含む成形体(以下、「炭材内装ペレット」や
単に「ペレット」ということがある)を還元して還元鉄
を製造する方法(特開平11-61216号など)を提案してい
る。この技術では、還元に必要な炭材をペレット中に内
装させる他、還元ペレット表面の再酸化を抑制するため
に外装炭材を用いることにより還元ペレット中の炭材灰
分を減少させ還元鉄の品位を向上させることができた。
【0005】この移動炉床炉を用いた還元鉄の製造方法
では、炭材内装ペレットを移動炉床炉の炉床上に単層状
に装入し、主としてバーナーの燃焼と炉壁からの輻射熱
で加熱し、内装された炭材により酸化鉄の還元が行なわ
れる。すなわち、炭材内装ペレット中の酸化鉄は、ペレ
ット中の炭材によって還元されるが、還元反応は吸熱反
応であるため外部からペレットに熱を供給してやる必要
がある。そのための燃焼バーナの燃料や助燃剤は、従来
より重油や天然ガス、微粉炭などが用いられてきたが、
これらの燃料の産出には限りがあり、しかも重油や天然
ガスは比較的高価な燃料であるので、コストの削減にも
限度があった。
【0006】また、本発明者らは、鉄分含有量の高い酸
化鉄はもとより鉄分含有量の比較的低い鉄鉱石等からで
も、鉄純度の高い金属鉄を簡単な処理で効率良く得るこ
とのできる技術の開発を期してかねてより研究を進めて
おり、その研究成果の一つとして下記の方法を開発し、
先に特開平9-256017号として提案した。
【0007】この方法は、炭材内装ペレットを加熱還元
して金属鉄を製造するに際し、加熱により酸化鉄を固体
還元することによって金属鉄外皮を生成且つ成長させ、
内部に酸化鉄が実質的に存在しなくなるまで固体還元を
進め、更に加熱を続けて内部に生成するスラグを金属鉄
外皮の外側へ流出させてから金属鉄とスラグを分離する
ところに特徴を有している。そして、この方法によって
得られる高純度の金属鉄と生成スラグを冷却固化し、ス
ラグを破砕すると共に粒状に固まった金属鉄を磁選ある
いは篩によって分別採取し、あるいは加熱溶融して比重
差により金属鉄とスラグを分離すると、金属鉄として95
%程度以上、更には98%以上の高純度物を得ることがで
きる。
【0008】また、限りある資源の有効活用という観点
から、廃油や廃プラスチックなどの可燃性廃棄物を高炉
や転炉などの燃料として用いる技術も既に提案されてい
る。しかしながら、可燃性廃棄物中には、塩化物や硫化
物が含まれている場合が多いので、これらが由来となり
HClやSOxなどの大気汚染源を生成していた。従っ
て、排ガス中に含まれる大気汚染源を処理する新たなる
設備が必要となるので、可燃性廃棄物の有効活用は困難
であった。
【0009】一方、鉄鉱石や製鉄ダスト、酸化ニッケル
などの金属酸化物を還元して、還元金属を得るプロセス
では、原料鉱石などに含まれる塩化物や硫化物に由来し
て、HClやSOxなどの酸性物質を含む排ガスが排出
され、これらの排ガスが環境汚染の原因になることか
ら、この問題を解決するための技術も種々提案されてい
る。
【0010】例えば、特開2001-32024号公報では、回転
炉床法を用いる金属酸化物の還元には、還元剤として石
炭やコークス、オイルコークスを用いたり、助燃剤とし
て重油を用いることが多く、これらに含まれる硫黄に由
来して回転炉に持ち込まれる硫黄の量が比較的多くなる
ので、排ガス中の硫黄濃度が高くなるという問題を指摘
している。そして、この問題を解決するため原料と共に
供給されるアルカリ金属の量を、排ガス中に放出される
酸化硫黄と反応する化学当量の2倍以上とすることによ
って、排煙の脱硫をする技術を提案している。しかし、
この技術では、排ガス中の硫黄濃度を低減することはで
きるものの、排ガス中に含まれる硫黄以外の有害成分
(特に、原料中の塩化物に由来する塩素やダイオキシン
など)については検討されておらず、未だ問題を残して
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属酸化
物を還元する際に用いる移動炉床炉の燃料に、産業廃棄
物を活用することによって、資源の有効利用を推進する
と共に、コストを削減することのできる移動炉床炉の操
業方法を提供することにある。また、他の目的として、
大気汚染の問題も解決することのできる移動炉床炉の操
業方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すること
のできた本発明に係る移動炉床炉の操業方法とは、金属
酸化物を移動炉床炉内に装入し加熱還元して還元金属を
得る移動炉床炉の操業方法において、可燃性廃棄物を含
む燃料を加熱源として移動炉床炉内に供給し燃焼させる
点に要旨を有する。
【0013】そして、本発明の可燃性廃棄物を含む燃料
を加熱源として移動炉床炉内で燃焼させるには、 前記燃料として液状物を使用し、その一部または全
部を前記移動炉床炉内に噴霧する、 前記燃料として液状物を使用し、その一部または全
部を前記移動炉床炉内に流し込む、 前記燃料の一部または全部を、前記金属酸化物との
混合物として移動炉床炉内へ装入する、などの方法を夫
々採用することが好ましく、また上記〜の手段を適
宜組合わせて操業することも本発明の範囲に含まれる。
【0014】ここで、上記の方法では、前記燃料を噴
霧するスプレーのオリフィス径をφ1.1mm以上とす
ることや、炉内温度を150℃以上とすると共に、前記
燃料の噴霧位置近傍に設けられるパイロットバーナによ
って前記燃料を着火させることによって、安定した燃料
の燃焼を維持することができる。
【0015】また、上記やの方法では、炉内温度を
1100℃以上とすると共に、前記燃料の炉内での滞留
時間を3分以上とすることによって、安定した操業を維
持できる。
【0016】さらに、本発明では、前記燃料中にアルカ
リ金属を含有させることが好ましく、前記アルカリ金属
の配合量を、加熱還元時に炉内で生成するS及びClの
量に応じて調整することがより好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記課題を解決す
べく様々な角度から検討してきた。その結果、金属酸化
物を移動炉床炉で加熱還元する際に必要となる加熱源の
燃料として可燃性廃棄物を含む燃料を使用すると、従来
品と等しい品質の還元金属を低コストで効率良く得るこ
とができ、上記問題を見事解決することができた。以下
に本発明について詳細に説明する。
【0018】金属酸化物を加熱還元するのに様々な方法
があることは上述した通りである。そして、本発明者ら
が先に提案した様に、移動炉床炉で金属酸化物を加熱還
元する方法を採用すれば、従来より簡単に高品位の還元
金属を得ることができた。ここで、金属酸化物の加熱還
元には熱の供給が必要であり、この熱源として最も汎用
されているのは、燃焼バーナである。そして、該燃焼バ
ーナの燃料としては、重油や天然ガスが使用されてきた
が、これらは限りのある資源であり、今後その価格が上
昇していくことは必定である。
【0019】そこで本発明では、金属酸化物を移動炉床
炉で加熱還元して還元金属を製造するに当り、加熱源と
して可燃性廃棄物を含む燃料を使用し、2次資源として
有効活用することによって、燃料コストを低減するとこ
ろに最大のポイントがある。これによって、従来から使
用していた重油や天然ガスの使用量を低減することがで
きると共に、可燃性廃棄物の投棄もしくは焼却コストの
低減も図ることができる。
【0020】廃棄物とは、産業廃棄物、特別管理産業廃
棄物及び一般廃棄物が含まれるが、特定の事業場から安
定且つ多量に排出される産業廃棄物や特別管理産業廃棄
物が好適に使用される。産業廃棄物には、「廃棄物の処
理及び清掃に関する法律」及びその施行令に規定されて
いる対象物質が含まれ、例えば、燃え殻、汚泥、廃油、
廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、紙くず、木く
ず、繊維くず、動植物性残渣、ゴムくず、金属くず、ガ
ラスくず及び陶磁器くず、鉱さい、建設廃材、動物のふ
ん尿、動物の死体、ばいじん等が例示される。
【0021】そして本発明では、上記廃棄物の中でも、
当然のことながら可燃性のものが使用される。即ち、移
動炉床炉内では、金属酸化物の還元が行なわれるので、
不燃性の廃棄物を燃料に含有させると炉内に不燃物が残
存し、これらが還元金属に混入して還元金属の純度(品
位)を劣化させたり、あるいは還元金属と不燃物の選別
に煩雑な作業が必要になるからである。
【0022】従って本発明では、可燃性廃棄物として、
上記廃棄物のうち廃油や廃プラスチック類などの可燃性
廃棄物が使用され、それらは単独もしくは2種以上の混
合物として使用できる。中でも特に有用なものは廃油を
含むものであり、これらは燃焼性および燃焼エネルギー
が高いため、他の比較的燃焼性の低い廃棄物の燃焼を助
ける作用も奏する。また、可燃性廃棄物を含む燃料が固
体である場合は、安定した燃焼性を維持する観点から、
粉砕し粉末状態で使用することが好ましい。本発明で用
いる可燃性廃棄物を含む燃料の最も好ましい形態は液状
であり、代表的なものは廃油である。
【0023】廃油の種類は特に限定されず、鉱物性廃
油、植物性廃油、動物性廃油などが全て有効に使用でき
る。具体的には、例えば、石油タンクスラッジ;軽油、
灯油、ガソリン、ナフサなどのスラッジ;機械油、潤滑
油、切削油などの鉱物性廃油;ナタネ油、大豆油、米ぬ
か油、綿実油、トウモロコシ油、パーム油、ヒマワリ油
などの植物油脂の搾油残滓;前記植物油脂を食品加工に
使用した後の廃油;松脂などのテルペン類の植物性廃
油;牛、豚、羊、鶏、魚などの動物性油脂廃液などの動
物性廃油が包含される。そして、これら廃油は単独で使
用することもできるが、好ましくは安定した燃焼状態を
維持できる様に、種類の違う廃油を適当な比率で混合し
て使用するのがよい。
【0024】本発明の移動炉床炉の操業方法において、
可燃性廃棄物を含む液状燃料を炉内に供給する方法とし
ては、 移動炉床炉内に前記燃料を噴霧する方法、 移動炉床炉内に該燃料を流し込む方法、 可燃性廃棄物を含む燃料を金属酸化物と混合して移動
炉床炉内へ供給する方法、 などが例示され、これら〜の方法は単独で採用して
も良いし、2以上の方法を併用してもかまわない。上記
〜の方法を実施する場合の好ましい形態について更
に詳述すると、次の通りである。
【0025】移動炉床炉内に該燃料を噴霧する場合 可燃性廃棄物を含む燃料は、その組成が必ずしも均一で
はなく、しかも廃棄物中には水分が若干量含まれている
ので、発熱量が不安定になることも多いが、スプレーを
用いて噴霧する方法を採用すると、効率良く燃焼させる
ことができる。
【0026】この方法を実施するに当っては、前記燃料
を噴霧するスプレーのオリフィス径をφ1.1mm以上、好
ましくはφ2.2mm以上、より好ましくはφ3.0mm以上とす
れば、オリフィス部における詰まりを低減することがで
き、安定した噴霧状態を維持できる。つまり、可燃性廃
棄物を含む燃料には、繊維くず、紙くず、ゴムくず、鉱
物性のスラッジなどが含まれることがあるが、上記の様
にオリフィス径を規定すれば、オリフィス部での目詰ま
りを低減できるのである。オリフィス径の上限は、安定
した燃焼を維持できる様に噴霧状態を維持できる程度で
あれば特に限定されない。
【0027】また、可燃性廃棄物を含む燃料を炉内に噴
霧する際の炉内温度は150℃以上、好ましくは500℃以上
とし、且つ、前記燃料の噴霧位置近傍に設けられるパイ
ロットバーナによって前記燃料を着火させる様に移動炉
床炉を操業することが好ましい。すなわち、炉内温度が
150℃以上であれば、炉内に上記燃料を噴霧すると、該
燃料に含まれている水分が気化して可燃性物質のみとな
り、効率良く燃焼するからである。しかも、パイロット
バーナを用いて着火することによって、燃焼の開始が円
滑となり、可燃性廃棄物を含む燃料が着火せずに炉内に
噴霧されることを防止できるからである。これらに対
し、炉内温度が150℃未満の低温では、可燃性廃棄物を
含む燃料の着火・燃焼が不十分となり、安定した燃焼状
態が得られ難くなる。
【0028】本発明らが確認したところでは、炉内温度
を600℃以上、好ましくは1000℃以上に高めてやれば、
パイロットバーナを炉内に設置せずとも、可燃性廃棄物
を含む燃料は自燃着火し、安定した燃焼状態が得られる
ことを確認している。
【0029】可燃性廃棄物を含む燃料の噴霧方法は特に
限定されないが、圧縮空気や蒸気を燃料の噴霧媒体とし
て用いる方法が例示される。尚、炉内での燃料を安定に
保つ観点から、水分の混入はできるだけ抑えた方が良い
ので、圧縮空気を用いることが好ましい。
【0030】移動炉床炉内に前記燃料を流し込む場合 本発明では、可燃性廃棄物を含む燃料を移動炉床炉の炉
床上に流し込む様に供給しても良く、これによって簡易
に上記燃料を供給することができる。上記燃料を流し込
む場所は特に限定されないが、炉内への金属酸化物供給
用の装入口から燃料を流し混んでも良いし、炉壁や天井
などに燃料供給口を新たに設けても良い。
【0031】炉内に燃料を噴霧したり(上記方法)、
流し込む場合(上記方法)、流量計を用いて燃料供給
量を測定し、流量を制御することが推奨される。このと
き、可燃性廃棄物を含む燃料は、通常スラッジなどを含
んでおり、容積式の流量計では流量計が破損したり、安
定した供給を維持できなくなることが考えられる。従っ
て、燃料の供給に流量計を使用する場合は、ライン中に
可動部分のない電磁流量計やコリオリ式流量計を用いる
ことが推奨される。但し、燃料の電気伝導度が低く、且
つ不安定な場合は電磁流量計での測定は困難であるの
で、コリオリ式流量計を用いることが最も好ましい。
【0032】可燃性廃棄物を含む燃料を金属酸化物
(原料)と混合して移動炉床炉内へ供給する場合 本発明では、金属の製造原料となる金属酸化物に可燃性
廃棄物を含む燃料を予め混合して、塊状化したものを炉
内へ供給し、前記燃料を燃焼させる方法を採用すること
もできる。この様に、還元すべき原料中に該燃料を予め
混合する方法を採用すれば、該燃料がバインダーとして
の作用も発揮し、原料塊状物を製造する際のバインダー
量を低減させることができる。この塊状化した原料中に
は、金属酸化物の還元に必要な炭素質還元剤を混合して
おくのがよい。
【0033】炭素質還元剤としては、採掘後、粉砕・篩
い分け等の処理を加えただけの石炭粉、乾留等の熱処理
に付した例えばコークスを粉砕したもの、石油コークス
等、その種類の如何は一切問わず、例えば炭素質を含む
廃棄物として回収される高炉ダスト等であっても勿論構
わない。ただし、ここで使用する炭素質還元剤は、加熱
還元反応を効率よく進行させるために用いられるもので
あるので、その炭素含有量は特に限定されないが、好ま
しくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上のも
のを選択するのがよい。
【0034】尚、上記塊状化したものとは、塊状、粒
状、ブリケット状、ペレット状、棒状などの任意の形状
に成形したものを意味する。塊状化方法は特に限定され
ず、転動造粒や加圧成形する方法が例示される。
【0035】本発明において、移動炉床炉内に前記燃料
を流し込む場合(上記方法)や、前記燃料を金属酸化
物と混合して移動炉床炉内へ供給する場合(上記方法
)は、炉内温度を1100℃以上、より好ましくは1200℃
以上、さらに好ましくは1250℃以上に高めると共に、前
記燃料の炉内での滞留時間を3分以上。より好ましくは5
分以上、さらに好ましくは7分以上とすることが推奨さ
れる。炉内温度が1100℃未満では、可燃性廃棄物を含む
燃料の燃焼状態が不安定で、一部が未燃焼状態で残り、
炉内に供給した燃料の一部がそのまま系外に排出され
て、利用効率が悪くなる恐れがあるからである。また、
前記燃料の炉内での滞留時間が3分未満でも燃料の一部
が未燃焼状態で残ることがあるからである。尚、滞留時
間が3分以上とは、炉内に入れた燃料が3分経った時点で
その形態を残していることを意味するものではなく、燃
料を炉内に入れてから3分経つまでの間に完全燃焼して
いることを意味する。
【0036】可燃性廃棄物を含む燃料を移動炉床炉内で
燃焼させると、該廃棄物に含まれている硫黄や塩素に由
来して、SOxなどの硫黄酸化物や、Cl2やHClなど
の塩素系ガスが生成し、排ガスとして排出される。これ
らの酸性ガスは、低温ガス腐食や低融点化合物腐食を発
生する原因になるばかりでなく、大気汚染の原因とな
る。
【0037】そこで本発明者らは、これら酸性ガスによ
って生じる問題を未然に回避するための手段についても
検討を行なった。その結果、前記燃料にアルカリ金属を
含有させればよいことを知った。すなわち、前記燃料中
にアルカリ金属を含有させておくと、燃焼時にアルカリ
金属も同時に揮発し排ガスとして排出される。そして、
高温の排ガス中では、アルカリ金属は、排ガス中のCl
と反応してNaClやKClの如きアルカリ塩化物とし
て固定される。同様に排ガス中のSOxは、アルカリ金
属と反応し、Na2SO4やK2SO4などの硫酸塩として
固定される。そして、これらのアルカリ塩化物や硫酸塩
を含む排ガスが、排ガス処理設備中で冷却されると、そ
れらアルカリ塩化物や硫酸塩が析出するので、排ガス中
の塩素や硫黄の濃度を低減することができる。従って、
脱硫設備や脱塩素設備を必要とせず、また消石灰の使用
量を減らすことができる。
【0038】従って、本発明を実施するに当っては、加
熱還元時に炉内で生成するS及びClの量に応じて、燃
料中に配合するアルカリ金属の量を調整することが好ま
しく、これにより、Cl2やHClなどの塩素系ガスお
よびSOxなどの硫黄酸化物が排ガスと共に系外へ排出
されるのを可及的に防止できる。尚、上記塩素や硫黄元
素は、還元金属の製造条件となる塊状物(酸化物含有鉱
石など)の中に含まれることのあるアルカリ金属成分に
よっても同様に捕獲される。但し、燃料中のアルカリ金
属の方が、塊状物中に含まれるアルカリ金属に比べて効
率良く排ガス中に放出されるので、燃料中のアルカリ金
属の量を調整することが効果的である。
【0039】これらを考慮すると、本発明では、炉内で
生成するS及びClの量と前記アルカリ金属の配合量
は、下記式を満足する様に調整することが好ましい。 [(燃料中のアルカリ金属モル含有量)+ (原料塊状物から排ガス中に飛散したアルカリ金属モル含有量)+ (その他の燃料から排ガス中に飛散したアルカリ金属モル含有量)]≧ [(燃料中のSモル含有量)×2+ (原料塊状物から排ガス中に飛散したSモル含有量)×2+ (その他燃料から排ガス中に飛散したSモル含有量)×2+ (燃料中のClモル含有量)+ (原料塊状物から排ガス中に飛散したClモル含有量)+ (その他燃料から排ガス中に飛散したClモル含有量)] ・・・(1)
【0040】燃料にアルカリ金属を含有させる際の添加
方法は特に限定されないが、アルカリ金属を含有する潤
滑剤を前記燃料に含有させる方法が例示できる。そし
て、この潤滑剤の配合量を調整することによって、アル
カリ金属の量を容易に調整することができる。
【0041】この様にアルカリ金属によって捕獲された
SやClは、排ガス処理設備に設置されたバグフィルタ
を通るが、捕集ダスト中のアルカリ金属が増加し、ダス
トの吸湿や潮解性が高まり、バグフィルターで目詰まり
を起こすという問題を生じる。そこで、この方法を実施
するに当っては、移動炉床炉からの排ガス処理設備に設
けられるバグフィルターのケーシングを保温し、バグフ
ィルターの表面温度を酸露点より10℃以上高く保持する
ことが推奨される。そうしておけば、バグフィルター部
分での排ガス中の水分の結露が防止され、バグフィルタ
ーの目詰まりを抑制できるのである。
【0042】本発明では、上記燃料を炉内に設置された
燃焼バーナの燃料として用いても良いし、燃焼バーナ以
外に設置された供給口(例えば、スプレー)から供給し
て助燃剤として用いても良い。また、従来から使用され
ている燃料(例えば重油)に本発明の可燃性廃棄物を含
む燃料を混合して使用することも本発明の範囲内であ
る。さらに、本発明の移動炉床炉は特に限定されない
が、回転炉床炉や直線状炉もすべて適用できる。
【0043】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0044】
【実施例】金属酸化物の加熱還元に用いた回転炉床炉
と、該加熱還元時に排出される排ガスの処理設備を図1
に示す。図中5は回転炉床炉(図2を展開して示したも
の)であり、金属酸化物を加熱還元する際に生じる回転
炉床炉からの排ガスは、経路11を通ってガス冷却塔21で
粗大な粉塵などが除去される。処理された排ガスは、経
路12を通って熱交換器23に入り、空気ブロワー22から供
給される空気との熱交換によって冷却される。加熱され
た空気は、経路14から回転炉床炉5に設置された燃料バ
ーナへ燃焼空気として送られる。また、加熱された余剰
の空気は、経路13から取り出され、関連設備の熱源(ボ
イラーなど)として利用される。
【0045】一方、熱交換器23で熱交換により冷却され
た後の排ガスは、経路15からオフガスバグフィルター24
へ送られて浄化後の排ガスは、経路16からIDファン25を
経て煙突26から放出される。
【0046】回転炉床炉5には、ライン17から重油や天
然ガスなどの燃料が供給され、ライン10から可燃性廃棄
物を含む燃料が供給されている。
【0047】図2〜4は、図1に示した回転炉床炉5を詳細
に説明するための該略説明図で、ドーナツ状の回転移動
床を有するドーム型構造のものを示しており、図2は概
略見取図、図3は図2におけるA−A線断面相当図、図4
は理解の便のため図2における回転炉床炉の回転移動方
向に展開して示す概略断面説明図である。図中1は回転
炉床、2は該回転炉床をカバーする炉体であり、回転炉
床1は図示しない駆動装置により適当な速度で回転駆動
できる様に構成されている。
【0048】炉体2の壁面適所には複数の燃焼バーナ3が
設けられており、該燃焼バーナ3の燃焼熱およびその輻
射熱を回転炉床1上の原料成形体に伝えることにより、
該成形体の加熱還元が行われる。また、炉体2内部は4枚
の仕切壁K1,K2,K3,K4で第1ゾーンZ1、第2ゾー
ンZ2、排気ゾーン、第3ゾーンZ3、第4ゾーンZ4に仕
切られており、該炉体2の回転方向最上流側には回転炉
床1を臨んで原料および副原料装入手段4が配置されると
共に、回転方向最下流側(回転構造であるため、実際に
は装入手段4の直上流側にもなる)には加熱還元により
生成する還元金属の排出手段6が設けられている。
【0049】この還元炉を稼動するに当たっては、回転
炉床1を所定の速度で回転させておき、該回転炉床1上
に、製鉄所で発生する酸化鉄ダストと炭材を含む原料成
形体を装入手段4から適当な厚さとなる様に供給してい
く。ゾーンZ1〜Z4は、燃焼バーナ3によって1100〜135
0℃に加熱されている。燃焼バーナ3には、ライン17から
重油や天然ガスなどの燃料が供給されており、経路14か
ら燃焼空気が供給されている。
【0050】尚、この例では、側壁に燃焼バーナ3を設
置しているが、該燃焼バーナ3は天井などに設置しても
良い。また、回転炉内を4枚の仕切壁K1〜K4で各ゾー
ンに仕切った例を示したが、本発明で用いる炉の構造は
これに限定される訳ではなく、炉のサイズや目標生産能
力、操業形態などに応じて適当に変更できる。
【0051】[実験1]還元金属を製造する際に、図3
に示す燃焼バーナ3に燃料として天然ガスを供給して操
業した場合と、該燃焼バーナ3とは別に配置されたスプ
レー7に可燃性廃棄物を含む燃料を供給して炉内で助燃
剤として燃焼させた場合における天然ガスの供給量を比
較した。尚、燃焼バーナ3にはライン17から天然ガスが
供給されており、経路14から加熱された空気が供給され
ている。また、スプレー7にはライン10から可燃性廃棄
物を含む燃料、経路14から加熱された空気が供給されて
おり、経路18から供給される圧縮空気によって炉内に前
記燃料を噴霧している。また、スプレー7の近傍にはパ
イロットバーナ8を設置して、燃料に着火している。
【0052】金属酸化物としては、製鉄所で発生する酸
化鉄含有ダストを混合したものを用い、直径が3000mmの
皿型造粒機を用いて約12〜18mmのペレット状に成形し
た。尚、炭素分の含有量は金属酸化物の還元と下流の溶
解工程の要求にあうように、炭素濃度を調整している。
【0053】可燃性廃棄物を含む燃料(以下、単に「燃
料」と称する場合がある)としては、鉱物性廃油や植物
性廃油、動物性廃油などを混合して使用し、25℃におけ
る粘度が15cP、高位発熱量が18.0〜21.3MJ/kgとなるよ
うに調整した。燃料の成分組成を表1に示す。尚、上記
燃料は、水分を37〜49質量%含有している。
【0054】
【表1】
【0055】図4に示した回転炉床炉の原料および副原
料装入手段4から、金属酸化物を含むペレット2000kgを
装入して金属酸化物を加熱還元する際に、図3に示した
燃焼バーナ3のみを用いて加熱還元した場合は、供給ガ
スからの燃焼熱は20.9GJであったが、燃焼バーナ3とス
プレー7を併用した場合は、供給ガスからの燃焼熱は6.3
GJで十分であった。すなわち本発明を採用すると、燃料
コストを大幅に低減できることが分かる。
【0056】[実験2]次に、上記スプレー7を用いて
可燃性廃棄物を含む燃料を炉内に噴霧する際に、スプレ
ー7のオリフィスの径を変化させて、オリフィス径と該
オリフィス部における詰まり発生との関係を調べた。そ
の結果、オリフィス径が0.6mmでは、噴霧開始後15分程
度で目詰まりを起こし、燃料を噴霧できなくなった。一
方、オリフィス径を1.1mmにしたところ、オリフィスを1
時間清掃しなくても連続して吹き込みが可能であった。
さらに、オリフィス径を2.2mmにしたところ、オリフィ
スを24時間清掃しなくても安定して吹き込みを継続でき
た。
【0057】[実験3]次に、上記燃料の流量(吹き込
み量)測定に好適な流量計について検討した。その結
果、容積式流量計では、燃料中に含まれる夾雑物の噛み
込みが生じて測定できなかった。また、電磁流量計を使
用したところ、流路内に可動部分がないため、連続して
吹き込み量の測定が可能であったが、燃料成分の変動に
よって電気伝導度が変動し、流量を正確に測定できない
場合があった。これらに対し、コリオリ式流量計を採用
すると、安定して測定が可能であった。
【0058】[実験4]次に、炉内温度と燃料の燃焼具
合との関係を検討した。図3に示す如く、スプレー7を設
置すると共に、該スプレー7に隣接してパイロットバー
ナ8を設置し、スプレー7から前記燃料を噴霧して燃焼さ
せた。その結果、炉内温度が100℃では、パイロットバ
ーナ8による燃料の着火が起こらなかった。また、炉内
を200℃に高めると、若干不安定であるが着火・燃焼し
た。一方、炉内を560℃に高めると、炉内への噴霧後直
ちに燃料は着火し安定した燃焼状態を維持することがで
きた。このことから、燃料を安定して着火・燃焼させる
には、炉内を150℃以上に制御することが好ましい。
【0059】[実験5]次に、図3のスプレー7から上記
燃料を噴霧して供給する際に、パイロットバーナ8を用
いない場合の炉内温度と燃料の燃焼具合との関係を検討
した。図4に示したZ1ゾーンの炉内温度を500℃、700
℃、1000℃に制御し、炉内に噴霧供給した燃料の各温度
における燃焼状態を観察した。その結果、炉内温度が50
0℃では、燃焼が困難であり自燃しなかった。また、炉
内温度が700℃では、若干不安定であるが燃焼した。一
方、炉内温度が1000℃では、燃料が自燃した。すなわ
ち、燃料の組成によって発熱量に変動があるので、可燃
性廃棄物を含む燃料を炉内に噴霧して燃焼(自燃)させ
る場合は、600℃以上とすることが好ましいことがわか
る。
【0060】[実験6]次に、上記金属酸化物の混合ダ
ストと炭素質還元剤、可燃性廃棄物を含む燃料を予め混
合してペレット状(ブリケット)にしたものを炉内に装
入した場合のガス量低減効果を検討した。金属酸化物の
混合ダスト100質量部に対し、可燃性廃棄物を含む燃料
を5質量部加えて混練機で混練した後、成形機で圧縮成
形してペレット状にし、これを原料および副原料供給手
段4から炉内に投入して操業した。尚、加熱還元の熱源
には、図3に示す燃焼バーナ3のみを使用した。その結
果、混合ダスト1トンを加熱還元するのに必要なガス燃
料からの燃焼熱を0.4GJ減少させることができた。
【0061】[実験7]次に、スプレー7を用いずに、
図4に示したZ1ゾーンにおいて、炉内に前記燃料を流し
込んで操業した。前記燃料は図3に示した燃料流し込み
ノズル9から炉内に流し込んでいる。(尚、図では炉の
上部から流し込んでいるけれども、壁部などから流し込
んでもかまわない。)その結果、流し込んだ直後は、該
燃料はペレット上に堆積したが、燃料を流し込んでから
約3分経った時点で目視した結果、炉上の燃料は燃焼し
ていた。また、燃料を炉内に流し込んでから約12分後に
排出された混合ダスト成形物(還元物)には、燃料成分
は検出されなかった。この場合、燃焼バーナ3の供給ガ
スからの燃焼熱を2.1GJ削減することができた。
【0062】また、燃料の粘度が高くなると炉内で拡散
し難くなるので、燃焼が促進され難いが、本発明者ら
は、20℃で、50cPのものを同様に流し込んだ場合で
も、約5分で完全に燃焼することを確認している。この
場合も燃焼バーナ3からの燃焼熱を2.1GJ削減することが
できた。
【0063】[実験8]次に、可燃性廃棄物を含む燃料
に、アルカリ金属を含有させることによって得られる効
果を検討した。
【0064】可燃性廃棄物を含む燃料に、アルカリ金属
を含有する潤滑剤を含有させて、燃料中に含有させるア
ルカリ金属量を調整した。上記(1)式を満足する燃料
を「アルカリ金属を含有する燃料」とし、燃料中の組成
(S,Cl,Na,Kのみ)を表2に示す。また、アル
カリ金属の含有量が一元素当り0.1%未満のものを「ア
ルカリ金属を含有しない燃料」とした。上記(1)式の
計算結果は下記の通りである。 (燃料中のSモル含有量)×2+(原料塊状物から排ガ
ス中に飛散したSモル含有量)×2+(その他燃料から
排ガス中に飛散したSモル含有量)×2+(燃料中のC
lモル含有量)+(原料塊状物から排ガス中に飛散した
Clモル含有量)+(その他燃料から排ガス中に飛散し
たClモル含有量)=1029mol <アルカリ金属を含有する燃料の場合> (燃料中のアルカリ金属モル含有量)+(原料塊状物か
ら排ガス中に飛散したアルカリ金属モル含有量)+(そ
の他の燃料から排ガス中に飛散したアルカリ金属モル含
有量)=1170mol <アルカリ金属を含有しない燃料の場合> (燃料中のアルカリ金属モル含有量)+(原料塊状物か
ら排ガス中に飛散したアルカリ金属モル含有量)+(そ
の他の燃料から排ガス中に飛散したアルカリ金属モル含
有量)=984mol 尚、高位発熱量は共に約18.8MJ/kgである。
【0065】
【表2】
【0066】上記「アルカリ金属を含有する燃料」と
「アルカリ金属を含有しない燃料」を用いて、2000kgの
金属酸化物を含む塊状物を加熱還元した場合で、図1に
示した(A)の部分でSOxとHClの生成量を測定し
た結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】表3から分かるように、上記(1)式を満足
するように可燃性廃棄物を含む燃料にアルカリ金属を含
有させて炉内で燃焼させると、金属の加熱還元時に生成
する排ガス中のSOxや、HClなどのCl系ガスを低
減することができる。
【0069】[実験9]次に、回転炉床炉の排ガス処理
設備に設けられるバグフィルターの操業条件を検討し
た。そして、該バグフィルターのケーシングを保温して
いない場合と、保温を施した場合におけるフィルターの
目詰まり具合を観測した。その結果、保温しない場合で
は、1ヶ月程度でフィルターの目詰まりが生じたが、濾
布表面温度が酸露点より10℃以上高く保温すると、排ガ
ス中に含まれる水分の結露が起こらず、アルカリ金属の
結露によるバグフィルタの目詰まりを低減することがで
きた。
【0070】
【発明の効果】上記の様に本発明によれば、移動炉床炉
を用いて金属酸化物を加熱還元する際の燃料として、可
燃性廃棄物を含む燃料を有効活用することにより、加熱
還元の為の燃料コストを大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる回転炉床炉および該回転炉
床炉から排出された排ガスの処理工程を示す説明図であ
る。
【図2】本発明で用いられる回転炉床炉を例示する説明
図である。
【図3】図2におけるA−A線断面相当図である。
【図4】図2を長手方向に展開して示す断面説明図であ
る。
【符号の説明】
1 回転炉床 2 炉体 3 燃焼バーナ 4 原料および副原料装入手段 5 回転炉床炉 6 排出手段 7 スプレー 8 パイロットバーナ 9 燃料流し込みノズル 10 可燃性廃棄物を含む燃料の供給ライン 11,12,13,14,15,16,18 経路 17 重油や天然ガスの供給ライン 21 ガス冷却塔 22 空気ブロワー 23 熱交換器 24 オフガスバグフィルター 25 IDファン 26 煙突 K1,K2,K3,K4 仕切壁 H ホッパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 英年 大阪市中央区備後町4丁目1番3号 株式 会社神戸製鋼所大阪支社内 Fターム(参考) 4K012 DE00 DE08 4K050 AA07 BA02 BA03 CA09 CD02 CG22 4K063 AA04 BA02 BA03 BA13 CA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物を移動炉床炉内に装入し加熱
    還元して還元金属を得る移動炉床炉の操業方法におい
    て、 可燃性廃棄物を含む燃料を加熱源として移動炉床炉内に
    供給し燃焼させることを特徴とする移動炉床炉の操業方
    法。
  2. 【請求項2】 前記燃料として液状物を使用し、その一
    部または全部を前記移動炉床炉内に噴霧する請求項1に
    記載の移動炉床炉の操業方法。
  3. 【請求項3】 前記燃料を噴霧するスプレーのオリフィ
    ス径をφ1.1mm以上とする請求項2に記載の移動炉
    床炉の操業方法。
  4. 【請求項4】 炉内温度を150℃以上とすると共に、
    前記燃料の噴霧位置近傍に設けられるパイロットバーナ
    によって前記燃料を着火させる請求項2または3に記載
    の移動炉床炉の操業方法。
  5. 【請求項5】 前記燃料として液状物を使用し、その一
    部または全部を前記移動炉床炉内に流し込む請求項1〜
    4のいずれかに記載の移動炉床炉の操業方法。
  6. 【請求項6】 前記燃料の一部または全部を、前記金属
    酸化物との混合物として移動炉床炉内へ装入する請求項
    1〜5のいずれかに記載の移動炉床炉の操業方法。
  7. 【請求項7】 炉内温度を1100℃以上とすると共
    に、前記燃料の炉内での滞留時間を3分以上とする請求
    項5または6に記載の移動炉床炉の操業方法。
  8. 【請求項8】 前記燃料中にアルカリ金属を含有させる
    請求項1〜7のいずれかに記載の移動炉床炉の操業方
    法。
  9. 【請求項9】 燃料中の前記アルカリ金属の含有量を、
    加熱還元時に炉内で生成するS及びClの量に応じて調
    整する請求項8に記載の移動炉床炉の操業方法。
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