JP5503472B2 - 還元鉄の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄鉱石や酸化鉄等の酸化鉄源と炭素を含有する還元剤とを混合し、これを塊成化した塊成物を炉に装入して加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する方法に関するものである。
鉄鉱石や酸化鉄等の酸化鉄源(以下、酸化鉄含有物質ということがある。)と炭素を含有する還元剤(以下、炭素質還元剤ということがある。)とを含む混合物から、還元鉄を製造する直接還元製鉄法が開発されている。この製鉄法では、上記混合物を成形した塊成物を炉に装入し、炉内で加熱バーナーによるガス伝熱や輻射熱で加熱することによって塊成物中の酸化鉄が炭素質還元剤で還元され、還元鉄を得ることができる(特許文献1)。
上記塊成物中の酸化鉄を炭素質還元剤で還元して還元鉄を製造する際には、生産性を向上させるために、塊成物中の酸化鉄を速やかに炭素質還元剤で還元し、溶解することが望まれる。また、炉内の溶解帯では、通常、1400〜1500℃程度に加熱されるが、省エネルギーの観点から、溶解帯の温度を例えば1400℃よりも低い温度とし、熱効率を高めることが望まれる。
特開平9−256017号公報
本発明は、このような事情に着目して成されたものであり、その目的は、酸化鉄含有物質および炭素質還元剤を含む塊成物から還元鉄を製造するにあたり、酸化鉄を速やかに還元溶融して還元鉄の生産性を向上できる還元溶融促進剤を製造する方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記還元溶融促進剤を用いて還元鉄を高い生産性で製造する方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係るセメンタイト含有物の製造方法とは、酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、および酸化剤を400〜900℃に加熱してセメンタイト含有物を生成させる点に要旨を有している。以下、セメンタイト含有物を生成させる工程を第一工程ということがある。
また、本発明に係る還元鉄の製造方法は、上記製造方法で得られた(上記第一工程で得られた)セメンタイト含有物と、酸化鉄含有物質および炭素質還元剤とを混合し、これを塊成化した塊成物を炉に装入して加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元する点に要旨を有している。以下、還元鉄を製造する工程を第二工程ということがある。
前記セメンタイト含有物から分離したセメンタイト含有鉄分は、上記第二工程において前記酸化鉄含有物質および前記炭素質還元剤と混合することが好ましい。前記セメンタイト含有鉄分の分離は、例えば、磁選および/または比重分離によって行なうことができる。
前記セメンタイト含有物の生成過程で副生した反応ガスは、ガス分とタール分に分離することが好ましい。このタール分は、前記炭素質還元剤の少なくとも一部として用いることができる。
前記酸化剤としては、例えば、水蒸気を用いることができる。この水蒸気は、前記炉で発生した廃熱を用いて生成させることが推奨される。
また、前記酸化剤としては、例えば、酸素含有ガスまたは二酸化炭素ガスを用いることもできる。この二酸化炭素ガスとしては、例えば、前記炉からの排ガスを用いることができる。
本発明によれば、酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、および酸化剤を加熱することによってセメンタイト含有物を生成させており、このセメンタイト含有物は、酸化鉄の還元溶融を促進して還元鉄の生産性を向上させるのに寄与する。即ち、セメンタイト含有物を塊成物の原料として用いることによって、セメンタイト含有物が塊成物中の酸化鉄の還元溶融を促進するため、結果として、還元鉄の生産性を向上できる。
図1は、還元鉄を製造するときの工程を説明するための図である。 図2は、温度(℃)と、COガスおよびCO2ガスの合計圧力に対するCOガス分圧比との関係を示すグラフである。
本発明者らは、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含む塊成物を加熱して還元鉄を製造する際の還元鉄の生産性を向上させるために、鋭意検討を重ねてきた。その結果、酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、および酸化剤を加熱することによってセメンタイト含有物を簡便に製造でき、このセメンタイト含有物を上記塊成物の原料として配合することによって還元鉄の生産性を向上できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明に係るセメンタイト含有物の製造方法は、酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、および酸化剤を400〜900℃に加熱してセメンタイト含有物を生成させるところに特徴を有している(第一工程)。
また、本発明に係る還元鉄の製造方法は、前記第一工程で得られたセメンタイト含有物と、酸化鉄含有物質および炭素質還元剤とを混合し、これを塊成化した塊成物を炉に装入して加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元するところに特徴を有している(第二工程)。
第一工程で、セメンタイト含有物を生成させておき、このセメンタイト含有物を第二工程で、酸化鉄含有物質および炭素質還元剤と混合することによって、塊成物に含まれる酸化鉄を従来よりも低温で溶融させることができる。その結果、還元鉄の生産性を向上できる。上記セメンタイト含有物を配合することによって酸化鉄の溶融が促進される理由は、セメンタイトの融点は純鉄よりも低いためである。
以下、第一工程および第二工程について図面を用いて順を追って説明する。
図1は、還元鉄を製造するための工程図を示している。図1中、1は酸化鉄含有物質供給手段、2は炭素質還元剤供給手段、3は酸化剤供給手段、4は加熱炉、5は混合機、6は酸化鉄含有物質供給手段、7は炭素質還元剤供給手段、8は塊成機、9は加熱炉を夫々示している。
酸化鉄含有物質供給手段1と加熱炉4は経路100a、炭素質還元剤供給手段2と加熱炉4は経路100b、酸化剤供給手段3と加熱炉4は経路100cで接続されている。加熱炉4と混合機5は経路101で接続されている。加熱炉4は、経路108を介してスクラバー10と接続されており、このスクラバー10は、経路109を介して加熱炉9と接続されており、経路110を介して炭素質還元剤供給手段7と接続されている。加熱炉4の出口には、加熱炉4内で得られたセメンタイト含有物を混合機5へ供給するためのホッパー(供給手段)が設けられている(図示しない)。この混合機5は、経路106を介して酸化鉄含有物質供給手段6、経路107を介して炭素質還元剤供給手段7と接続されている。また、混合機5と塊成機8は経路102、塊成機8と加熱炉9は経路103で夫々接続されている。加熱炉9で生成した還元鉄は、経路104から排出される。
なお、図1では、酸化鉄含有物質供給手段を2つ(酸化鉄含有物質供給手段1、6)と、炭素質還元剤供給手段を2つ(炭素質還元剤供給手段2、7)設けたが、酸化鉄含有物質供給手段と炭素質還元剤供給手段は、夫々一つずつで兼ねるように構成してもよい。
還元鉄を製造する手順は、下記(1)、(2)の通りである。
(1)まず、酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、および酸化剤を夫々経路100a〜経路100cを通して加熱炉4へ供給し、加熱する。
(2)次に、加熱炉4で加熱して得られたセメンタイト含有物を、経路101を通して混合機5へ供給する。混合機5には、酸化鉄含有物質を酸化鉄含有物質供給手段6から経路106を通して供給すると共に、炭素質還元剤を炭素質還元剤供給手段7から経路107を通して供給する。混合機5で混合して得られた混合物は、経路102を通して塊成機8へ供給し、塊成化する。塊成機8で塊成化して得られた塊成物は、経路103を通して加熱炉9へ供給して加熱し、還元鉄を製造する。
以下、上記(1)、(2)の各手順について詳細に説明する。
[(1)第一工程]
第一工程では、酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、および酸化剤を400〜900℃に加熱することによって、該酸化鉄含有物質の表面にセメンタイト(Fe3C)を生成させることができる。即ち、酸化剤の存在下で酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を固体接触させた状態で加熱することによって、酸化鉄の一部が還元され、セメンタイトが形成される。本発明では、酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、および酸化剤を加熱して得られたものをセメンタイト含有物と呼ぶ。このセメンタイト含有物には、セメンタイト以外に、Cを2.03質量%以下の範囲で含有しているFe、チャー、灰分などが含まれている。また、上記炭素質還元剤の一部は、上記酸化剤(例えば、H2O、O2、Fe23など)と反応し、H2やCOなどの可燃性ガスが発生する。
上記図1では、酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、および酸化剤を別々の経路で加熱炉4へ供給し、加熱炉4で加熱してセメンタイト含有物を製造する構成を示した。本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を予め混合しておき、この混合原料に酸化剤を添加したものを加熱炉4で加熱してセメンタイト含有物を製造してもよい。
なお、セメンタイトの製造方法としては、アイアンカーバイド法が知られている。しかし、このアイアンカーバイド法では、還元剤としてCH4等のガスを用いているため、セメンタイトの生成に8〜12時間程度必要といわれている。一方、本発明によれば、上述したように、還元剤として固体の炭素質還元剤を用いて酸化鉄含有物質と直接反応させており、酸化鉄含有物質の表面のみにセメンタイトを生成させているため、セメンタイト含有物を簡便に製造できる。
上記酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、および酸化剤を加熱する温度は、400〜900℃とする。加熱温度が400℃を下回るか、900℃を超えると、酸化鉄やFeの形態で存在する方が安定であるために、セメンタイトを生成しにくい。このことは図2から明らかである。図2は、Fe−C−O系の還元平行図を示している。図2に斜線で示されているように、400〜750℃では、セメンタイトが安定して生成することが分かる。一方、750〜900℃では、やや生成しにくくなるもののこの温度域においてもセメンタイトが生成することが分かる。なお、750〜900℃では、セメンタイト以外に、Cを2.03質量%以下の範囲で含有するFeが生成し、このC含有Feについても酸化鉄の還元溶融促進効果が発揮される。上記加熱は、セメンタイトの生成を一層促進するために、400〜750℃とすることが好ましい。
上記酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、および酸化剤を加熱する時間は上記加熱温度を考慮し、セメンタイトが生成するように設定すればよく、例えば5〜60分程度である。
上記酸化鉄含有物質としては、例えば、鉄鉱石、砂鉄、製鉄ダスト、非鉄製錬残渣、製鉄廃棄物などを用いることができる。上記炭素質還元剤としては、炭素含有物質を用いることができ、例えば、石炭やコークスなどを用いることができる。上記石炭としては、例えば、瀝青炭や褐炭を用いることができる。上記酸化剤としては、例えば、水蒸気、酸素含有ガス(例えば、空気や酸素ガス)、二酸化炭素ガス、またはこれらの混合ガスなどを用いることができる。
上記酸化鉄含有物質粉末としては、平均粒子径が例えば10〜600μm程度、上記炭素質還元剤粉末としては、平均粒径が例えば30μm〜1mm程度のものを用いることが好ましい。
上記酸化剤を添加して加熱する方法は特に限定されず、水蒸気、酸素含有ガス、または二酸化炭素ガスを上記酸化鉄含有物質および上記炭素質還元剤に吹き付けながら加熱すればよい。
上記水蒸気としては、後述する第二工程で用いる炉で発生した廃熱を利用して生成させたものを用いることが好ましい。廃熱を利用することで、省エネルギー化できる。
上記二酸化炭素ガスとしては、例えば、後述第二工程で用いる炉からの排ガス(或いは、当該排ガスから精製分離した二酸化炭素ガス)を用いることができる。
上記酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を酸化剤の存在下で加熱すると、反応ガス(シンガス)が副生する。この反応ガスには、可燃性ガスやタールが含まれるため、例えば、後述する第二工程で用いる炉の燃料ガスや炭素源として用いることができる。
但し、タールを含む反応ガスを上記燃料ガスとして用いると、配管内や燃焼バーナーノズル、炉壁に付着し、問題となる。そこで、上記反応ガスは、上記図1に示す経路108からスクラバー10へ供給し、このスクラバー10でガス分とタール分に分離し、回収したガス分を経路109を介して加熱炉9へ供給して上記燃料ガスとして利用することが推奨される。このとき回収したガス分は、精製してから上記燃料ガスとして利用してもよい(図示しない)。一方、スクラバー10で分離されたタール分は、図1に示す経路110から炭素質還元剤供給手段7へ搬送し、第二工程で用いる炭素質還元剤として利用できる。
なお、一般に、ガス化プロセスでは、加熱温度を1000℃以上とすることによってタールを分解除去している。このとき1000℃以上の高温に加熱するとセメンタイトの生成が難しいだけでなく、還元生成した鉄が髭のように延びて鉄ウィスカーが生成する。鉄ウィスカーは、炉内や配管等に付着し、閉塞する原因となる。一方、本発明では、上記炭素質還元剤と酸化鉄含有物質の加熱を900℃以下の低温で行なっているため、鉄ウィスカーの生成を防止できる。従って加熱炉4や配管等の閉塞を抑制できる。
[(2)第二工程]
第二工程では、上記第一工程で得られたセメンタイト含有物と、酸化鉄含有物質および炭素質還元剤とを混合し、これを塊成化した塊成物を炉に装入して加熱し、塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する。
上記第一工程で予め生成させておいたセメンタイト含有物を、酸化鉄含有物質および炭素質還元剤と混合し、これを加熱すると、セメンタイトが1252℃で溶融する。セメンタイトが溶融して形成された液体と未溶融の鉄(固体分)が接触することによって、未溶融の鉄は、セメンタイトに含まれるCにより浸炭される。そのため鉄中のC量が増加し、融点が低下するため、酸化鉄の溶融が促進される。このように本発明によれば、第一工程で予め生成させておいたセメンタイト含有物が、低温で溶融して液状化することによって、固液接触となるため、接触面積が増大する。その結果、還元溶融促進剤として作用し、塊成物全体の溶融が促進される。
上記塊成物に配合する上記セメンタイト含有物の割合は特に限定されず、上記セメンタイト含有物を配合することによって、酸化鉄を低温で溶融させることができる。上記塊成物に配合する上記セメンタイト含有物の割合の上限は、例えば、30質量%以下程度とすることが好ましく、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
上記第一工程で得られたセメンタイト含有物は、そのまま上記酸化鉄含有物質および炭素質還元剤と混合してもよいが、上記セメンタイト含有物からセメンタイト含有鉄分を分離し、このセメンタイト含有鉄分を上記第二工程の上記セメンタイト含有物として用いることが好ましい。即ち、上記第一工程で得られたセメンタイト含有物には、表面にセメンタイトが形成された酸化鉄含有物質の他、チャー(固定炭素と灰分の塊)が含まれる。このチャーには、灰分が含まれるため、チャーを上記塊成物の原料に配合するとスラグが多量に生成する原因となる。
そこで、上記第一工程で得られたセメンタイト含有物からセメンタイト含有鉄分を選択的に分離し(即ち、チャーを選択的に除去し)、このセメンタイト含有鉄分を塊成物の原料として用いることが推奨される。
なお、上記セメンタイト含有物から分離したチャーには、固定炭素が含まれるため、還元剤(セミコークス)として利用できる。
上記セメンタイト含有物からセメンタイト含有鉄分を分離する方法としては、例えば、磁選や比重分離が挙げられる。比重分離は、上記セメンタイト含有物を、例えば、水槽に入れて行なうことができる。
上記第二工程で用いる酸化鉄含有物質は、上記第一工程で用いた酸化鉄含有物質と同じ種類でもよいし、異なる種類でもよい。また、第二工程で用いる炭素質還元剤は、上記第一工程で用いた炭素質還元剤と同じ種類でもよいし、異なる種類でもよい。
上記第二工程では、上記酸化鉄含有物質と上記炭素質還元剤を含む原料混合物に、その他の成分として、バインダーやMgO含有物質、CaO含有物質などを配合してもよい。上記バインダーとしては、例えば、多糖類(例えば、コーンスターチや小麦粉等の澱粉など)などを用いることができる。上記MgO含有物質としては、例えば、MgO粉末や天然鉱石や海水などから抽出されるMgO含有物質、或いはドロマイトや炭酸マグネシウム(MgCO3)などを用いることができる。上記CaO含有物質としては、例えば、生石灰(CaO)や石灰石(主成分はCaCO3)などを用いることができる。
上記原料混合物を混合する混合機としては、例えば、回転容器形混合機や固定容器形混合機を用いることができる。回転容器形混合機としては、例えば、回転円筒形、二重円錐形、V形などの混合機を用いることができる。固定容器形混合機としては、例えば、混合槽内に回転羽(例えば、鋤など)を設けた混合機を用いることができる。
上記原料混合物を塊成化する塊成機としては、例えば、皿形造粒機(ディスク形造粒機)やドラム形造粒機(円筒形)造粒機などを用いることができる。
上記塊成物の形状は特に限定されず、例えば、塊状、粒状、ブリケット状、ペレット状、棒状などであればよく、好ましくはペレット状やブリケット状であればよい。
上記塊成物を加熱する炉としては、公知の加熱炉を用いればよく、例えば、移動炉床式加熱炉を用いればよい。移動炉床式加熱炉とは、炉床がベルトコンベアのように炉内を移動する加熱炉であり、具体的には、回転炉床炉が例示できる。回転炉床炉は、炉床の始点と終点が同じ位置になるように、炉床の外観形状が円形(ドーナツ状)に設計されており、炉床上に供給された塊成物は、炉内を一周する間に加熱還元されて還元鉄を生成する。従って、回転炉床炉には、回転方向の最上流側に塊成物を炉内に供給する装入手段が設けられ、回転方向の最下流側(回転構造であるため、実際には装入手段の直上流側になる)に排出手段が設けられる。
上記塊成物中の酸化鉄を炉内で加熱還元するときの温度条件は特に限定されないが、本発明によれば、上記原料混合物にセメンタイト含有物を配合しているため、炉温を従来よりも低くすることができる。即ち、酸化鉄を還元するには、従来では、塊成物を1400〜1500℃程度に加熱する必要があったが、本発明によれば、上記原料混合物にセメンタイトを配合することによって、酸化鉄の融点を降下させているため、加熱温度を1200〜1400℃程度と比較的低温に設定しても酸化鉄を溶融できる。生成した還元鉄は、炉内で更に加熱し、浸炭溶融させて粒状の還元鉄を製造してもよい。
上記炉内の加熱には、バーナーを用い、該バーナーの燃焼条件を制御すれば、塊成物の加熱温度を調整できる。
上記塊成物を炉床上に供給するに先立って、炉床上には、床敷材として炭材を予め敷いておくことが好ましい。床敷材は、炉床保護材として作用すると共に、塊成物に含まれる炭素が不足したときの炭素供給源となる。
上記床敷材の厚みは特に限定されないが、例えば、3〜30mmとすることが好ましい。上記床敷材として用いる炭材としては、上記炭素質還元剤として例示したものを用いることができる。上記炭材としては、粒子直径が0.5〜3.0mm程度のものを用いることが推奨される。
得られた還元鉄は、製鋼炉へ供給して鉄源として用いることができる。製鋼炉としては、電気炉が例示できる。
なお、上記第二工程では、還元鉄以外にスラグが副生する。副生したスラグは、路盤材として再利用できる。
以上の通り、本発明によれば、第一工程でセメンタイト含有物を製造し、得られたセメンタイト含有物を、第二工程で塊成物の原料として用いることによって、塊成物に含まれる酸化鉄の溶融を促進でき、結果として、還元鉄の生産性を向上できる。

Claims (9)

  1. 酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、および酸化剤を400〜900℃に加熱して得られたセメンタイト含有物と、酸化鉄含有物質および炭素質還元剤とを混合し、これを塊成化した塊成物を炉に装入して加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元することを特徴とする還元鉄の製造方法。
  2. 前記セメンタイト含有物から分離したセメンタイト含有鉄分を、前記酸化鉄含有物質および前記炭素質還元剤と混合する請求項に記載の製造方法。
  3. 前記セメンタイト含有鉄分の分離を、磁選および/または比重分離によって行なう請求項に記載の製造方法。
  4. 前記セメンタイト含有物の生成過程で副生した反応ガスを、ガス分とタール分に分離する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記タール分を、前記炭素質還元剤の少なくとも一部として用いる請求項に記載の製造方法。
  6. 前記酸化剤として、水蒸気を用いる請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記炉で発生した廃熱を用いて前記水蒸気を生成させる請求項に記載の製造方法。
  8. 前記酸化剤として、酸素含有ガスまたは二酸化炭素ガスを用いる請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記二酸化炭素ガスとして、前記炉からの排ガスを用いる請求項に記載の製造方法。
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