JP4981320B2 - 金属鉄の製法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄鉱石等の鉄源をコークス等の炭素質還元剤により加熱還元して金属鉄を製造する技術の改良に関し、詳細には、より低い操業温度で酸化鉄を金属鉄にまで効率よく還元すると共に浸炭を進め、生成する金属鉄を、原料鉱石などに脈石成分などとして混入しているスラグ形成成分と効率よく分離し、炭素濃度の制御された金属鉄を高収率で製造し得る様に改善された方法に関するものである。
本発明者らの一人は、新しいタイプの直接製鉄法として先に特許文献1に記載の方法を提案し、その後も該直接製鉄法の改良研究を進めている。
この方法は、炭素質還元剤と酸化鉄を含む原料混合物を加熱還元して金属鉄を製造するに際し、酸化鉄を炭素質還元剤由来の還元性ガスで還元することにより金属鉄外皮を生成且つ成長させ、内部に酸化鉄が実質的に存在しなくなるまで固体状態で還元を進め、更に加熱を続けて内部に生成するスラグを金属鉄外皮の外側へ流出させてから金属鉄とスラグを分離するところに特徴を有している。
上記方法を実施する際には、加熱還元により生成した金属鉄外皮を溶融させることによって、内部の溶融スラグを金属鉄外皮外へ流出させればよく、金属鉄外皮を溶融させるには、金属鉄外皮内に炭素質還元剤由来の炭素を溶解させること(この現象を“浸炭”ということがある)によって当該金属鉄外皮の融点を降下させる。
この方法によって得られる銑鉄と生成スラグを冷却固化し、スラグを破砕すると共に粒状に固まった銑鉄を磁選や篩によって分別し、あるいは加熱溶融して比重差により銑鉄とスラグを分離すると、金属鉄として95質量%以上、更には98質量%以上の高純度物を得ることができる。
他方、上記の様な直接製鉄法を実施する際に、生成スラグの組成をコントロールすることにより金属鉄の分離を促進する方法については、幾つかの提案がなされている。
例えば特許文献2には、酸化鉄源として製鉄ダストを使用し、これを炭材(炭素質還元剤)及び副原料(スラグ形成剤)と混合し、生成スラグ組成をCaO/SiO質量比(塩基度)で1.4〜1.6の範囲に調整して1250〜1350℃で加熱還元することにより金属鉄を生成させ、FeOを含む低融点スラグから粒状の金属鉄を分離する方法が開示されている。
しかしこの方法は、酸化鉄源として製鉄ダストを使用する方法であり、この方法で採用されるスラグ形成成分の塩基度調整は原料配合時点であって、加熱還元時に生成するスラグや該スラグ中に含まれる酸化鉄の挙動については十分な研究がなされていない。
また特許文献3には、原料中のスラグ形成成分の塩基度を0.4〜1.3の範囲に制御すると共に、炉床上での加熱還元に要する時間の1/3以上を1200〜1350℃の温度範囲に制御して鉄の還元率を40〜80%とし、次いで還元生成物を溶融させる方法を提案している。
この方法で採用される上記塩基度の調整は、原料配合時に計算によって行なわれるもので、原料中に含まれる未還元酸化鉄が溶融スラグの生成に与える影響や、溶融スラグ中に含まれる酸化鉄の動的挙動、更には該酸化鉄が還元により生成する金属鉄の溶け落ち状況にどの様な影響を及ぼすかと言ったことまでは追求されていない。
また、本発明者らはその後も更に研究を重ね、特許文献4に記載の技術を提供している。この発明の基本思想は、炭素質還元剤と酸化鉄を含む原料混合物を加熱還元して金属鉄を製造する際に、上記原料混合物の還元・溶融時に生成する多成分系脈石成分を含むスラグの固液共存相中の液相率を制御することにより、生成する固体金属鉄の浸炭と溶融を促進し、原料混合物の溶け落ち温度を制御すると共に、得られる金属鉄の炭素含有量をコントロールする点に特徴を有している。
しかし、この方法で固液共存状態のスラグの液相率を制御するには、原料混合物中に含まれるスラグ形成成分の組成や温度と液相率の関係を予め求めると共に、原料酸化鉄成分や炭素質還元剤中の灰分から溶融スラグへの混入量、更には、必要により追加されるスラグ形成成分の添加量などの調整を含めて、操作が煩雑となる。従って、この方法を更に発展させ、より簡便な操作で炭素濃度の制御された金属鉄を効率よく製造し得る様な方法の開発が望まれる。
他方、本発明者らの一人は、溶融スラグの共存下における酸化鉄の還元と、還元により生成し且つ浸炭により炭素を溶解した銑鉄(Fe−C)の動的挙動について基礎的な研究を重ねた結果、次の様な現象を確認し、先に非特許文献1として開示した。
この非特許文献1は、高炉内における酸化鉄の還元と生成した還元鉄の浸炭挙動に関するもので、例えば図1の概念図に示す如く、酸化鉄(FeO)が溶融スラグ(S)中で炭材(G:グラファイト)により還元され、生成した金属鉄(Fe)が浸炭を受ける際の挙動を明らかにしている。この非特許文献1では、溶融スラグ(S)中の酸化鉄(FeO)は炭素質還元剤(以下、炭材ということがある)由来の炭素(G)により還元され、且つ浸炭されて銑鉄(Fe−C)を生成することにより、炭材と接するスラグ中のFeO濃度は減少し、還元鉄と接しているスラグ中のFeO濃度と濃度差を生じ、炭材から離れる方向へ移動しようとし、固形還元鉄(S−Fe)方向へ速やかに移動して当該固形還元鉄(S−Fe)に付着・合体し、固体還元鉄が浸炭していくことを明らかにした。
しかしこうした現象が、本発明者らの開発した上記直接製鉄技術の改善にどの様に活用できるかは未解明である。
特開平9−256017号公報 特開平10−147806号公報 特開2000−45008号公報 特開2005−48197号公報 ISIJ International,Vol.44(2004),No.12,pp.2033-2039
本発明は上記の様な状況の下で、前記特許文献4に記載の技術を更に改善すべく研究を進めているが、今回、前記非特許文献1に開示した現象、即ち溶融スラグ中での酸化鉄の還元と浸炭挙動をうまく活用すれば、特許文献4の製鉄技術を更に改善できるのではないかと考えた。ちなみに前記特許文献4で採用する直接製鉄法では、固形還元鉄をより低い温度で溶融させると共に副生スラグと如何に効率よく分離させるかが重要であり、そのためには、固形還元鉄の浸炭を如何に速やかに進めて溶融させるか(以下、固形還元鉄が浸炭を受けて溶融する現象を還元鉄の“溶け落ち”と言うことがある)が重要になると考えたからである。
そして、上記非特許文献1の開示内容からすると、溶融スラグ中で炭材により還元され且つ浸炭を受けて生成する溶融還元鉄は、前掲の現象で固形金属鉄方向へ移行して合体する際に、炭素を該固形金属鉄方向へ搬送するためのキャリアとして活用できるのではないかと考え、その線に沿って更に研究を重ねた。
従って本発明の目的は、本発明者らが開発した前記特許文献4に開示した直接製鉄法に、前掲の非特許文献1に開示した浸炭・溶融挙動を組み合せ、操業性や操業効率の一段と高められた製鉄法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る金属鉄の製法は、炭素質還元剤と酸化鉄含有物質を含む原料混合物を加熱し、還元・溶融して金属鉄を製造する方法において、原料混合物の還元・溶融過程で生成する脈石成分と未還元酸化鉄および炭素質還元剤中の灰分からなる初期溶融スラグの生成温度を制御することによって、得られる金属鉄の炭素濃度を制御するところに特徴を有している。
この方法を実施するに当っては、前記初期溶融スラグの生成温度を、最初の配合原料中に含まれる脈石成分と、還元途中で残存する未還元酸化鉄と、炭素質還元剤中の灰分とを合わせた多成分系平衡状態図によって決定し、あるいは、最終的に得られる金属鉄の目標炭素濃度を定め、該目標炭素濃度に対応する様に、初期溶融スラグの生成温度を算出して該溶融スラグの融点を決めることができる。
また、前記初期溶融スラグ中の未還元酸化鉄の量を確保するために必要な前記原料混合物中の鉄酸化物の還元率を算出し、該還元率を確保するための還元操業条件を制御することで、初期溶融スラグの生成温度をコントロールし、あるいは、前記初期溶融スラグの生成温度を、第3の脈石成分を添加することによって制御し、前記溶融スラグの生成温度を制御することは、何れも本発明の好ましい実施形態である。
本発明によれば、本発明者が先に開発した特許文献1の方法に比べて、原料混合物中の脈石成分や炭素質還元剤中の灰分、および、加熱還元の際に少なからず残存する未還元酸化鉄の量を制御することで初期溶融スラグの生成温度を制御することにより、得られる金属鉄中の炭素濃度を調整することができ、所望に応じた炭素濃度の金属鉄を効率よく得ることができる。また本発明では、追って詳述する如く原料鉱石から溶融スラグ中に混入してくる鉄酸化物由来の還元鉄を、固形還元鉄の浸炭用炭素のキャリアとして利用することで、該固形還元鉄の浸炭を迅速に進めて低温での溶け落ちを可能とし、延いては、金属鉄製造のための消費熱エネルギーを低減しつつ生産性を高めることができる。
上記の様に本発明では、鉄鉱石や酸化鉄またはその部分還元物などの酸化鉄含有物質(以下、鉄鉱石等ということがある)と、コークスや石炭などの炭素質還元剤を含む原料混合物を加熱し、還元・溶融して金属鉄を製造する際に、原料混合物の還元・溶融過程で生成する脈石成分と未還元酸化鉄および炭素質還元剤中の灰分とからなる初期溶融スラグの生成温度を制御することによって、得られる金属鉄の炭素濃度を制御する点に最大の特徴を有している。
既に説明した様に本発明者らの一人が先に開発した方法では、副生スラグの液相率が金属鉄の溶け落ちと密接に関係しているという新たな知見を基に、副生スラグを全量溶融させるのではなく、副生スラグの固液共存相中の液相率という新規概念を導入して制御を行なうものであり、この方法では、上記液相率を適正に制御することにより、加熱還元により生成した固体金属鉄をより低い操業温度で浸炭を進めてその融点を速やかに降下させることができる。そして、金属鉄をより低い温度で溶け落ち可能にすることにより、副生スラグとの分離を低温で効率よく進行させ、更には、製品金属鉄の品質に大きな影響を及ぼす炭素濃度の制御も可能にした。
この先願発明における重要な技術的特徴は、前記原料混合物を加熱、還元、溶融して金属鉄を製造する際に、炭素質還元剤の存在系内における副生スラグの状況と生成金属鉄の浸炭、溶融状況から確認された事実、即ち、炭素質還元剤が溶融状態のスラグと共存している時には、流動性を有する溶融スラグがキャリア的作用を発揮し、溶融還元により生成する溶銑を随伴して固体金属鉄の周りに速やかに接触することにより、固体金属鉄の浸炭が効率よく進行する現象を活用する点にある。そして、こうした溶融スラグの共存による浸炭促進作用は、スラグの全量が溶融状態の時に限って有効に発揮される訳ではなく、固液共存状態のスラグの液相率を適正にコントロールしてやれば、固形還元鉄の浸炭が促進され溶け落ち温度を低下できるのである。
なお液相率とは、平衡状態図上では固相線と液相線の間に位置し、固体+液体(即ち固相+液相)中に占める液体の質量比率であり、原料中に含まれる主として脈石成分に由来するSiO,Al,CaO,MgOおよび鉄源由来のFeOを主成分とする多成分系の熱力学的平衡関係により決まってくる。
この液相率は、原料混合物を加熱、還元、溶融させる時の挙動を高温レーザー顕微鏡で観察し、画像解析によって定量的に求めることができる。しかし、該液相率を精度よくコントロールすることは意外に難しく、操業性の観点から更なる改善が求められる。
ところが今回の研究では、スラグの液相率制御といった比較的難しい制御をせずとも、原料混合物の還元・溶融過程で生成する脈石成分と未還元酸化鉄および固形還元鉄中の灰分から求められる初期溶融スラグの生成温度をうまく制御してやれば、金属鉄を効率よく製造できるばかりか、該初期溶融スラグの生成温度によって金属鉄の炭素濃度までも制御できることを突き止めた。
ちなみに、原料混合物の加熱還元工程で生成する溶融スラグ中に含まれる原料酸化鉄由来の未還元溶融酸化鉄(FeO)は、還元剤である炭素(或いは一酸化炭素)と接触して溶融還元反応を起こし、生成した溶融鉄は更に浸炭を受けて炭素濃度を高め、それに伴って鉄の融点は更に降下する。この反応により、炭材と接するスラグ中のFeO濃度は減少し、還元鉄と接しているスラグ中のFeO濃度と濃度差を生じ、炭材から離れる方向へ移動しようする。そして、前掲の非特許文献1で開示した様に、浸炭を受けた溶融鉄は溶融スラグ相内を速やかに固形還元鉄方向へ移動して該固形還元鉄と合体する。浸炭により該溶融鉄内へ滲入した高濃度の炭素分は、固形還元鉄との合体後すみやかに該固形還元鉄内へ拡散移行し、固形還元鉄全体の炭素濃度を高める。即ち、溶融スラグ中で溶融酸化鉄の還元により生成した溶融鉄は、炭素分を固形還元鉄方向へ移行させるためのキャリアとなって固体還元鉄の浸炭を加速する。
そして、溶融鉄の炭素濃度は、Fe−C系の熱力学的状態図からも明らかな如く、平衡論的には共晶点である1147℃の炭素濃度「4.3質量%」まで高めることが可能であり、同状態図からも明らかな様に、系の温度が低くなるほど炭素濃度は高まる。
言い換えると、原料混合物を加熱・還元して溶融状態の金属鉄を製造する際に、生成する溶融鉄の炭素濃度を高めるには、鉄源由来の未還元酸化鉄を含むスラグ形成成分からより低い温度で融液を生成させ、酸化鉄の還元を進めると共に還元鉄の生成とその浸炭による溶融鉄の生成を加速し、更にはその固形金属鉄方向への移動を促進させること、即ち、加熱還元工程で最初に生成する酸化鉄を含めたスラグ形成成分に由来する融液(以下、初期溶融スラグということがある)の生成温度を低くすることが望ましい。
そして、原料混合物の加熱還元工程で生成する初期溶融スラグの生成温度が低くなるほど、固形還元鉄に対する浸炭速度が加速され、炭素濃度の高い溶融鉄を得ることができ、この現象を活かせば、初期溶融スラグの生成温度を制御することで、得られる金属鉄の炭素濃度を制御できるのである。しかも、上記の様に固形還元鉄の浸炭を促進することで、当該固形還元鉄の溶融温度(溶け落ち温度)も低下するので、結局のところ金属鉄製造のための操業温度を下げることが可能となる。
ところで、前記原料混合物の還元末期における固形還元鉄の浸炭溶融(溶け落ち)の引き金となる初期溶融スラグの生成温度を制御する際には、鉄源由来の未還元酸化鉄と、脈石成分並びに炭材中の灰分に由来するスラグ形成成分の成分組成を調整することが基本となる。こうした多成分系の初期溶融スラグ生成温度は、SiO,Al,CaO,MgO,FeOなどを含む多成分系の熱力学的平衡状態図によって求めることができ、最近ではコンピュータプログラム化された多成分系スラグの状態図から求めることができる。
例えば図2は、SiO−Al−CaO系とSiO−Al−FeO系を合成した平衡状態図であり、SiO−Al−CaO系では、破線丸印で示すA点とB点で示す如くAlが約20%でCaO/SiO比が約5/5、もしくはAlが約15%でCaO/SiO比が約30/70、SiO−Al−FeO系では、太線Cで示す如くFeO含量が約35〜50%(より好ましくは約40%)で、且つSiO/Al比が約45/55または40/60であるとき、該4成分系スラグの溶融温度は最も低い値を示す。
従って、これらの状態図を参照し、加熱還元工程で生成するスラグ組成が上記の様な最低温度となる様にスラグ形成成分の成分組成を制御すれば、初期溶融スラグの生成温度を最も低い温度にすることができる。
なお、上記スラグ形成成分の成分調整を行う具体的な手段としては、原料成分中のスラグ形成成分(鉄源中の脈石成分や炭材中の灰分、無機質バインダー成分などを含む)に応じて、不足分のCaO,SiOまたはAlなどを補充的に添加する方法、を採用すればよく、その添加時期は原料混合物の調製段階に行うのが最も一般的であるが、加熱還元の初期段階で追加供給することで成分調整することも可能である。またスラグ中の酸化鉄(FeO)分については、原料混合物中に含まれる酸化鉄源のうち、金属化率によって制御することのできる未還元状態で残存する酸化鉄の量で調整すればよい。
尚、本願発明の如き直接製鉄法を実施する際に、原料中の酸化鉄のうち金属鉄として回収できる比率は金属化率として表され、該金属化率が高いほど生産性はよいと判断されている。そこでこれまでは、該金属化率を如何にして高めるか、という点に精力が払われてきた。しかし、酸化鉄源の全てを還元して該金属化率を100%にまで高めることは極めて困難であり、通常の条件で得られる金属化率はせいぜい90〜95%程度であって、残りの数%は未還元酸化鉄として残存する。
ところが本発明では、上記の様に、加熱還元工程で残存する未還元酸化鉄を積極的に活用し、これをスラグ中に混入させることで初期溶融スラグの生成温度を低下させると共に、該スラグ中に混入した溶融酸化鉄の還元と浸炭、更には固形還元鉄方向へ浸炭用炭素を運ぶキャリアとして作用させることで、トータルとしての金属鉄の生産効率を高めることができるのである。
従って本発明では、原料混合物中のスラグ形成成分やスラグ成分調整のための添加剤の種類や量に応じて、最適のFeO含量となる未還元酸化鉄の残存量が得られる様に、酸化鉄源の金属化率をコントロールすればよく、その具体策としては、加熱還元時の温度や時間、昇温速度、炭素質還元剤の配合量や床敷きとして用いる還元剤の量、炉内雰囲気ガス制御などを含めた還元ポテンシャルの調整などが挙げられる。
なお図3は、酸化鉄源(鉄鉱石)として南米産のMBR、炭材として北米産のオークグローブ炭を使用し、1250〜1350℃で加熱還元を行った時の、金属化率と酸化鉄源中の残存FeO量の関係を調べた結果を示したグラフ(但し、スラグ形成成分の含有比率は質量比でCaO/SiO/Al=4/68/28、炭材の配合量は酸化鉄の全てを炭材のみで還元するのに必要な理論炭素量の0.95倍に設定)であり、金属化率と残存FeOの間には一定の関係が存在する。こうした関係は、用いる酸化鉄源や炭材の種類や配合比率、加熱還元条件などにより若干変わってくるが、予備実験でそれらの関係を予め求めておけば、原料混合物の金属化率をコントロールすることで、残存FeO量を調整することができ、延いては生成スラグ中のFeO含量を適正にコントロールすることができる。
また図4は、加熱還元炉の内部温度を1400℃に設定し、これに上記と同様の原料混合物を供給して加熱還元を行った時の経過時間と温度および金属化率の関係を示したグラフである。このグラフからも分かる様に、加熱還元炉に固有の特性などによっても若干異なるが、金属化率は加熱時間の経過と共に上昇し、採用した加熱温度では加熱開始後4〜5分で金属化率は急激に立ち上がり、約9分を経過すると金属化率の上昇度合いは急激に低下してくる。しかし何れにしても、加熱開始から8分前後で金属化率はほぼ90質量%に達し、この時点で、未還元状態で残存する酸化鉄はほぼ10質量%となる。
よって、この操業工程で用いる原料中のスラグ形成成分の成分組成と含有量に応じて、上記残存酸化鉄量が前述した目標含有率(すなわち、目標炭素濃度に対応するスラグ組成となる含有率)になる様に、酸化鉄源の金属化率、即ち残存酸化鉄量が得られる様に還元の進行状態を制御すれば、初期溶融スラグ生成温度を最も低い温度にコントロールすることが可能となる。
図5は、スラグ中のCaO/SiO質量比を0.38で一定に保ち、スラグ中の酸化鉄(FeO)濃度と初期溶融スラグ生成温度(およびCOガス発生開始温度)の関係を示したグラフであり、スラグ中のFeO含量が高まるにつれて初期溶融スラグ生成温度(スラグの溶け落ち温度)は低下し、併せて、溶融酸化鉄(FeO)の還元に伴うCOガス発生開始温度も低下している。
図6は、スラグ中のCaO/SiO質量比を0.92に変えて同様の実験を行った結果を示したグラフであり、スラグ組成が変わってもFeO含量の増大によって初期溶融スラグ生成温度およびCOガス発生開始温度が低下する傾向は、前記図5の場合と同じである。
図7は、上記図5,6で初期溶融スラグ生成温度(スラグ溶け落ち温度)を測定したときの、生成する溶融金属鉄(溶け落ち金属鉄)中の炭素濃度に与える影響を調べた結果を示したグラフであり、このグラフからは、初期溶融スラグ生成温度(スラグ溶け落ち温度)が下がると、それにつれて、還元生成物である金属鉄中の炭素含量は増大する傾向を確認できる。
これらの結果から、原料混合物の還元・溶融工程で生成するスラグ形成成分と未還元酸化鉄(FeO)の混合物からなる初期溶融スラグの生成温度と、生成する溶融金属鉄中の炭素含有量の間には一定の相関関係があり、初期溶融スラグの生成温度を制御することで、得られる金属鉄の炭素含量をコントロールできることが分かる。しかも、初期溶融スラグの生成温度を下げると、溶け落ち金属鉄の炭素含量が増大するという傾向は、金属鉄製造のための操業温度を積極的に下げることで炭素含量の高い金属鉄がより効率よく得られることを意味しており、こうした傾向は、熱消費量低減の観点からも極めて有効となる。
そして、初期溶融スラグの生成温度は、先に説明した如く最初に配合する原料(鉄源中の脈石成分やその後に添加する造滓成分、炭材中に含まれる灰分)中のスラグ形成成分に、還元途中で残存する未還元酸化鉄を合わせた多成分系の平衡状態図(例えば前記図2など)を基に、それら混合組成のスラグの溶融温度がより低くなる様に第3のスラグ形成成分を追加すればよい。またスラグ中の酸化鉄含量については、先にも説明した様に、金属鉄製造過程で、未還元状態で残存する酸化鉄によりスラグ中の必要酸化鉄含量を確保できるよう、原料混合物中の鉄源の金属化率と加熱温度パターンを適正に制御すればよい。
また、製品金属鉄の目標炭素濃度が予め決められている場合は、該目標炭素濃度に応じて、前掲の図7に示した関係から最適の初期溶融スラグ生成温度を求め、図2に示した様な多成分形状態図を元に、当該最適の初期溶融スラグ生成温度となる様に、スラグ形成成分および未還元酸化鉄成分の組成を調整すればよい。この場合の初期溶融スラグ組成の調整も、第3のスラグ形成成分の追加や、原料中の鉄源の金属化率、並びに加熱温度パターンによって行えばよい。
本発明を実施する際における初期溶融スラグ生成温度の制御は、酸化鉄源として使用する鉄鉱石などに含まれる脈石成分の組成に応じて、適正なスラグ形成成分組成となる様に複数の鉄鉱石を併用して調整することも可能であるが、好ましいのは、原料鉱石中に含まれる脈石成分組成に応じて、その初期溶融スラグ生成温度を変化させることのできる副原料として生石灰(CaO)、石灰石(CaCO)、珪石(SiO)、蛇紋岩(MgO+SiO)、Mn鉱石(MnO+FeO)、ボーキサイト(Al)などを単独で若しくは2種以上を複合添加する方法である。具体的には、酸化鉄源と炭素質還元剤および必要によりバインダー成分を配合して原料混合物を調製する際に、それら原料中に含まれる脈石成分組成から多成分系状態図を基に溶融温度を求め、これに副原料として前述した様な酸化物を適量配合することによって、目標とする初期溶融スラグ生成温度が得られる様に調整すればよい。
そして、上述した様な溶融酸化鉄の還元と浸炭、更には該溶融酸化鉄の固形還元鉄方向への高速移動とそれに伴う炭素キャリア作用による浸炭促進と、溶け落ち温度降下作用を実用規模で有効に発揮させるには、固体金属鉄が浸炭によって十分な融点降下を起こすことが必要であり、そのためには、浸炭後の金属鉄の炭素濃度が0.5〜4.3質量%、より好ましくは1.5〜3.5質量%の範囲内に納まるように制御し、且つ初期溶融スラグ生成温度を1147〜1500℃、より好ましくは1200〜1450℃の範囲に制御するのが最も好ましい。なお、浸炭後の金属鉄の好ましい炭素濃度は、原料調製段階で配合する炭素質還元剤量によって調整すればよく、具体的には、酸化鉄源の還元に要する必要理論量に、上記浸炭必要量をプラスした量の炭素質還元剤を配合しておけばよい。但し、通常の操業条件下では、加熱、還元時のバーナー加熱などによって生成する酸化性ガスによって一部の炭素質還元剤が消費されるので、実際の炭材配合量の決定に当っては、それらの消費量も加味して配合量を調整すべきである。
また、原料配合時点で上記の様に炭素質還元剤の配合量を調整すれば、浸炭溶融時の金属鉄への浸炭量を調整することができ、それにより最終的に得られる金属鉄の炭素含有量も必要に応じて任意に調整することが可能となる。
なお本発明で使用する原料混合物は、加熱と炭素質還元剤由来のガスによる酸化鉄の還元が効率よく進行する様、酸化鉄源と炭素質還元剤を共に粉末状の混合状態で使用することが望ましく、この原料混合物は、炉床上に軽く押し固めた状態で供給することも可能であるが、好ましいのは、前記特開平9−256017号公報に開示されている如く該混合物を略球状、ブリケット状、ペレット状の如き任意の形状に成形した成形物として供給すれば、加熱による固体還元時に該成形体の外周部に固形還元鉄のシェルが形成され、その内部を高い還元ポテンシャルに保つことができ、金属化率を一段と効率よく高めることができるので好ましい。
尚、本発明を実施する際の具体的な装置や基本的な操業条件などは、前掲の特開平9−25017号公報などに開示した様な装置や操業条件などと基本的に同じであり、具体的には円形状もしくはドーナツ状の回転炉床を備え、回転方向に原料混合物供給ゾーン、余熱ゾーン、加熱還元ゾーン、金属鉄溶融ゾーン、冷却ゾーン(金属鉄固化ゾーン)、排出ゾーンを備えた加熱還元炉を使用し、原料の供給から加熱・還元、生成した金属鉄の冷却固化と取り出しの一連の操作を連続的に実施できる様にした装置を使用すればよい。そして、この様な装置を用いて連続操業する際に、予備実験で目標炭素濃度に応じた原料中のスラグ形成材の組成や炭素含量を設定すると共に、加熱還元時に最適の初期溶融スラグ生成温度が得られる様に金属化率を調整して未還元酸化鉄含量を確保すればよい。
かくして加熱、還元されてから浸炭溶融し粒状に凝集した金属鉄を冷却すると、粒状に凝集して固化した金属鉄を得ることができ、同時に冷却凝固した生成スラグと篩い分け或いは磁選などによって容易に分離することができる。
この様に本発明では、原料混合物を加熱し、還元・溶融して金属鉄を製造する際に、原料混合物の還元・溶融過程で生成する脈石成分と未還元酸化鉄からなる初期溶融スラグの生成温度を多成分系状態図を基に適正に制御することで、得られる金属鉄中の炭素濃度を任意に制御できるが、それに伴って、以下に示す様な副次的効果も得ることができる。
即ち、本発明法によって得られる金属鉄の炭素含量は、初期溶融スラグ生成温度が低くなるほど高くなり、言い換えると、操業温度を低くするほど炭素含量の多い金属鉄を得ることができるので、加熱還元のための消費熱量を抑えることができる。また、初期溶融スラグ中に含まれる溶融酸化鉄は、ガス還元により生成した固形金属鉄への炭素キャリアとして作用し、固形還元鉄の浸炭を速やかに進めてその溶け落ちを促進するので、固形還元鉄の溶融も著しく加速され、全体としての生産効率を著しく高めることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。なお下記実施例において、「%」および「部」とあるのは全て「質量%」および「質量部」を意味する。
実験例1
鉄源として南米産の鉄鉱石(鉄分含量;67.74%、CaO;0.05%、SiO:0.99%、Al;0.56%、その他成分;1.55%)と下記表1に示す炭材を使用し、これらを、加熱還元により得られる金属鉄の炭素含量が約1%、2%、3%または4%となる様に配合して作製した原料ペレットを用いて、下記の条件で加熱還元実験を行った。
Figure 0004981320
実験には、赤外線加熱炉とレーザー顕微鏡を組み合せた装置を使用し、各原料ペレットを昇温速度200℃/分で1450℃まで連続加熱し、昇温過程における還元から溶融に至る挙動と気泡発生の挙動を直接観察し、ガス発生温度や初期溶融スラグ生成温度を求めた。
この際、最終的に得られる金属鉄として上記炭素含量が得られる様に、加熱還元時に生成する初期溶融スラグ生成温度を踏まえて加熱還元時の金属化率を調整し、多成分系状態図を元に各々適正な初期溶融スラグ生成温度(スラグの溶け落ち温度)となる様にコントロールした。
結果は表2に示す通りであり、使用する炭材によって各炭素含量に応じた初期溶融スラグ生成温度は若干変わってくるが、各初期溶融スラグ生成温度を近似した温度に調整することで、ほぼ目標通りの炭素含量の金属鉄が得られている。
Figure 0004981320
実験例2
初期溶融スラグ生成温度は、原料中に含まれるスラグ形成成分と加熱還元時における未還元酸化鉄残存量によって決まってくるが、スラグ形成成分が適切でない場合は、スラグ形成成分として第3成分を追加することで、初期溶融スラグ生成温度を低下させることができる。
例えば表3は、前記実験例1において、得られる金属鉄の目標炭素濃度を約3%に設定し、これに応じた初期溶融スラグ生成温度を確保するため、第3のスラグ形成成分として石灰石(CaO)を追加したときの、CaO添加量が初期溶融スラグ形成温度に及ぼす影響を調べた結果を示したものである。炭材としては実験例1で用いたもののうち2銘柄を使用したが、いずれの場合も適量のCaOを追加することで、初期溶融スラグ生成温度を低下できることが分かる。
即ち、加熱還元操業のプロセス生産性確保の観点から、例えば操業温度パターンや加熱・還元など各ゾーンの滞留時間が定められていて、初期溶融スラグ生成温度を更に低下させたい場合は、CaOなどの第3成分を追加することで初期溶融スラグ生成温度を適切に制御することも有効となる。
Figure 0004981320
実験例3
本発明では、還元剤として使用する炭素質還元剤(炭材)の性状を変えることで、初期溶融スラグ生成温度を制御したり、加熱還元時における未還元酸化鉄残存量を制御したりすることも可能である。本例では、炭材中にCaOを添加することでCaO含量を作為的に増大させ、初期溶融スラグ生成温度を変化させた場合を示している。
即ち下記表4は、前述した3銘柄の炭材に、それぞれ表4に示す量のCaOを添加して灰分含量を変えたものについて、初期溶融スラグ生成温度の変化を調べた結果を示している。この表からも明らかな様に、炭材に適量のCaOを添加すると、初期溶融スラグ生成温度は明らかに低下してくる。また、CaO中のCaイオンは、アルカリとして炭材の還元能力を高める触媒作用を有することも知られており、炭材の反応性向上にも寄与することから、加熱還元時における未還元酸化鉄残量の調整にも活用できると考えられる。
Figure 0004981320
本発明者らの一人が先に見出した炭素が存在する溶融スラグ中での溶融酸化鉄の動きと溶融鉄の炭素キャリア作用を概念的に示した模式図である。 溶融スラグを構成するCaO−SiO−Al−FeOの多成分系状態図である。 加熱還元時における金属化率と未還元FeO残存量の関係の一例を示すグラフである。 加熱還元処理時間の経過による還元率(金属化率)の変化を示すグラフである。 初期溶融スラグ生成温度とCOガス発生開始温度に及ぼすスラグ中の酸化鉄(FeO)含量の影響を示すグラフである。 初期溶融スラグ生成温度とCOガス発生開始温度に及ぼすスラグ中の酸化鉄(FeO)含量の影響を示すグラフである。 初期溶融スラグ生成温度とその時に得られる溶け落ち金属鉄(製品金属鉄)中の炭素濃度の関係を示すグラフである。
符号の説明
S 溶融スラグ
C 炭素
G グラファイト(炭材)
FeO 酸化鉄
S−Fe 固形金属鉄
Fe−C 浸炭溶融鉄

Claims (4)

  1. 炭素質還元剤と酸化鉄含有物質を含む原料混合物を加熱し、還元・溶融して金属鉄を製造する方法において、
    最終的に得られる金属鉄の目標炭素濃度を定め、該目標炭素濃度に対応する初期溶融スラグの生成温度を算出して、当該生成温度となるように、鉄源由来の未還元酸化鉄と、脈石成分および/または炭材中の灰分に由来するスラグ形成成分の成分組成とを調整することを特徴とする金属鉄の製法。
  2. 前記初期溶融スラグの生成温度を、最初の配合原料中に含まれる脈石成分と、炭素質還元剤中の灰分と、還元途中で残存する未還元酸化鉄を合わせた多成分系平衡状態図から決定する請求項1に記載の製法。
  3. 前記初期溶融スラグ中の未還元酸化鉄の量を確保するために必要な前記原料混合物中に含まれる鉄酸化物の還元率を算出し、該還元率を確保するための還元操業条件を制御する請求項1または2に記載の製法。
  4. 前記初期溶融スラグの生成温度を、第3の脈石成分を添加することによって制御する請求項1〜のいずれかに記載の製法。
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