JPH10245607A - 合成樹脂類の処理方法及び設備 - Google Patents

合成樹脂類の処理方法及び設備

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JPH10245607A
JPH10245607A JP6906397A JP6906397A JPH10245607A JP H10245607 A JPH10245607 A JP H10245607A JP 6906397 A JP6906397 A JP 6906397A JP 6906397 A JP6906397 A JP 6906397A JP H10245607 A JPH10245607 A JP H10245607A
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JP
Japan
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chlorine
resin
furnace
containing resin
synthetic
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JP6906397A
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English (en)
Inventor
Minoru Asanuma
稔 浅沼
Takeshi Konishi
武史 小西
Tatsuro Ariyama
達郎 有山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
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Publication of JPH10245607A publication Critical patent/JPH10245607A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)
  • Manufacture Of Iron (AREA)
  • Blast Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄合成樹脂類を塩素含有樹脂による問題を
生じることなく処理し、炉に燃料や鉄源還元剤として供
給する。 【解決手段】 合成樹脂類から塩素含有樹脂を除去した
後、炉内供給に適した形状に加工処理し、これを燃料お
よび/または鉄源還元剤として炉に供給する方法であ
り、合成樹脂類を破砕する工程と、破砕処理された合成
樹脂類から塩素含有樹脂を分離除去する工程と、該工程
で塩素含有樹脂が除去された合成樹脂(イ)を炉の供給
に適した形状に加工する工程と、前記分離された塩素含
有樹脂をスクリューフィーダで移送しつつ加熱すること
により、樹脂中に含まれる塩素分を除去する工程と、該
工程により塩素分が除去された合成樹脂(ロ)を炉の供
給に適した形状に加工する工程と、前記各加工工程を経
た合成樹脂(イ)および(ロ)を燃料および/または鉄
源の還元剤として炉に供給する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック等の
合成樹脂類を炉の燃料や鉄源還元剤として使用する際
の、合成樹脂類の処理方法及びその実施に供される設備
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業廃棄物や一般廃棄物としてプ
ラスチック等の合成樹脂類が急増しており、その処理が
大きな問題となっている。なかでも高分子系の炭化水素
化合物であるプラスチックは燃焼時に発生する熱量が高
く、焼却処理した場合に焼却炉を傷めるために大量処理
が困難であり、その多くがごみ埋立地等に投棄されてい
るのが現状である。しかし、プラスチック等の投棄は環
境対策上好ましくなく、また昨今では埋立用の用地不足
が社会問題となりつつあり、このため投棄によらない合
成樹脂類の大量処理方法の開発が切望されている。
【0003】このような背景の下、プラスチック等の合
成樹脂類を高炉等の補助燃料或いは鉄源の還元剤として
用いる方法が、欧州特許公開公報第0622465A1
号及び特公昭51−33493号公報に示されている。
これらの方法は、合成樹脂の粉砕物を羽口等から高炉内
に吹き込むもので、例えば前者においては、炉内に吹き
込まれる合成樹脂粉砕物の実質的な条件として、粒径1
〜10mm、嵩密度0.35以上という条件が示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、廃棄物である
合成樹脂類中には塩化ビニル樹脂等の塩素含有樹脂が平
均して約15%も含まれると言われており、このような
合成樹脂類を高炉等に供給した場合には、塩素含有樹脂
の熱分解や燃焼により多量の有害ガス(HCl)が発生
し、著しい環境汚染を生じさせる。また、これらの有害
ガスは配管等を著しく腐食させるという問題もある。ま
た、このような有害ガスの発生を防止するために事前に
合成樹脂類から塩素含有樹脂のみを分離除去した場合で
も、その分離除去した塩素含有樹脂をどのように処理す
るかという問題が依然として残る。したがって、この廃
棄合成樹脂類に含まれる塩素含有樹脂の処理を如何にす
るかが、合成樹脂類の燃料化等による大量処理の成否を
決める重要な要素となる。したがって本発明の目的は、
廃棄物たるプラスチック等の合成樹脂類を、塩化ビニル
樹脂等の塩素含有樹脂による問題を生じることなく、炉
の燃料や鉄源還元剤として大量処理することができる合
成樹脂類の処理方法およびその実施に好適な設備を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本発明者らは炉に燃料や鉄源還元剤として供給
すべき廃棄合成樹脂類から塩素含有樹脂材を一旦分離
し、これを特定の塩素除去方法により塩素分を除去した
後、塩素含有樹脂材を含まない合成樹脂類とともに炉に
供給する新たな合成樹脂類の処理方法を創案した。すな
わち、本発明の特徴は以下の通りである。
【0006】[1] 塩素含有樹脂を含む合成樹脂類から塩
素含有樹脂を除去した後、炉内供給に適した形状に加工
処理し、これを燃料および/または鉄源還元剤として炉
に供給する方法であって、塩素含有樹脂を含む合成樹脂
類を破砕する工程と、破砕処理された合成樹脂類から塩
素含有樹脂を分離除去する工程と、該工程で塩素含有樹
脂が除去された合成樹脂(イ)を炉の供給に適した形状
に加工する工程と、前記分離された塩素含有樹脂をスク
リューフィーダで移送しつつ加熱することにより、樹脂
中に含まれる塩素分を除去する工程と、該工程により塩
素分が除去された合成樹脂(ロ)を炉の供給に適した形
状に加工する工程と、前記各加工工程を経た合成樹脂
(イ)および(ロ)を燃料および/または鉄源の還元剤
として炉に供給する工程とを有することを特徴とする合
成樹脂類の処理方法。
【0007】[2] 塩素含有樹脂を含む合成樹脂類から塩
素含有樹脂を除去した後、炉内供給に適した形状に加工
処理し、これを燃料および/または鉄源還元剤として炉
に供給する方法であって、塩素含有樹脂を含む合成樹脂
類を破砕する工程と、該工程途中および/または該工程
後において、合成樹脂類に含まれる不燃物類を除去する
工程と、破砕処理された合成樹脂類から塩素含有樹脂を
分離除去する工程と、該工程で塩素含有樹脂が除去され
た合成樹脂(イ)を炉の供給に適した形状に加工する工
程と、前記分離された塩素含有樹脂をスクリューフィー
ダで移送しつつ加熱することにより、樹脂中に含まれる
塩素分を除去する工程と、該工程により塩素分が除去さ
れた合成樹脂(ロ)を炉の供給に適した形状に加工する
工程と、前記各加工工程を経た合成樹脂(イ)および
(ロ)を燃料および/または鉄源の還元剤として炉に供
給する工程とを有することを特徴とする合成樹脂類の処
理方法。
【0008】[3] 塩素含有樹脂を含む合成樹脂類から塩
素含有樹脂を除去した後、炉内供給に適した形状に加工
処理し、これを燃料および/または鉄源還元剤として炉
に供給するための設備であって、塩素含有樹脂を含む合
成樹脂類を破砕処理する破砕装置と、該破砕装置で破砕
処理された合成樹脂類から塩素含有樹脂を分離除去する
分離除去装置と、該分離除去装置により塩素含有樹脂が
除去された合成樹脂(イ)を炉の供給に適した形状に加
工する加工処理装置と、前記分離除去装置により分離さ
れた塩素含有樹脂をスクリューフィーダで移送しつつ加
熱することにより樹脂中に含まれる塩素分を除去する塩
素除去装置と、該塩素除去装置により塩素分が除去され
た合成樹脂(ロ)を炉の供給に適した形状に加工する加
工処理装置と、前記合成樹脂(イ)および(ロ)を燃料
および/または鉄源の還元剤として炉に供給するための
供給手段とを有することを特徴とする合成樹脂類の処理
設備。
【0009】[4] 塩素含有樹脂を含む合成樹脂類から塩
素含有樹脂を除去した後、炉内供給に適した形状に加工
処理し、これを燃料および/または鉄源還元剤として炉
に供給するための設備であって、塩素含有樹脂を含む合
成樹脂類を破砕処理する破砕装置と、該破砕装置による
破砕処理途中および/または破砕処理後において合成樹
脂類に含まれる不燃物類を分離除去する選別装置と、破
砕処理された合成樹脂類から塩素含有樹脂を分離除去す
る分離除去装置と、該分離除去装置により塩素含有樹脂
が除去された合成樹脂(イ)を炉の供給に適した形状に
加工する加工処理装置と、前記分離除去装置により分離
された塩素含有樹脂をスクリューフィーダで移送しつつ
加熱することにより樹脂中に含まれる塩素分を除去する
塩素除去装置と、該塩素除去装置により塩素分が除去さ
れた合成樹脂(ロ)を炉の供給に適した形状に加工する
加工処理装置と、前記合成樹脂(イ)および(ロ)を燃
料および/または鉄源の還元剤として炉に供給するため
の供給手段とを有することを特徴とする合成樹脂類の処
理設備。
【0010】本発明の合成樹脂類の処理方法は、炉に燃
料や鉄源の還元剤として供給すべき合成樹脂類から事前
に塩素含有樹脂を分離除去するものであるが、廃棄物と
しての性質上、合成樹脂類から塩素含有樹脂の全てを完
全に分離除去するのが困難な場合もあり、したがって、
塩素含有樹脂の分離除去は分離可能な限度において実質
的且つ可及的になされればよい。また、同様の理由か
ら、分離除去された塩素含有樹脂中に塩素含有樹脂以外
の樹脂材が混入することも妨げない。
【0011】本発明の処理方法の対象となる合成樹脂類
に特別な制限はない。一般に廃棄物である合成樹脂類
は、ポリエチレンフィルム等のような極薄材、ペットボ
トル等に利用されている比較的厚手の合成樹脂類、板材
等の塊状合成樹脂材等が主体となるが、勿論これに限定
されるものではない。本発明法により処理された合成樹
脂が供給される炉は、高炉やスクラップ溶解炉に限ら
ず、合成樹脂類を燃料または原料として使用することが
できるあらゆる種類の炉(例えば、燃料炉等)が含まれ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の合成樹脂類の処理
方法および設備の一例を示すフローチャートであり、以
下、このフローチャートに基づいて本発明を説明する。
図1において、1は加工処理ラインに受け入れられた塩
素含有樹脂を含む合成樹脂類を一次破砕処理するための
一次破砕装置、2は同じく二次破砕処理するための二次
破砕装置、10は両破砕装置の途中で鉄系不燃物を分離
除去するための磁選機、3は破砕処理された合成樹脂類
から不燃物類(通常、非鉄系不燃物)を分離除去するた
めの選別装置、4は合成樹脂類から塩素含有樹脂を分離
除去するための分離除去装置、5は塩素含有樹脂が分離
除去された合成樹脂(イ)を炉の供給に適した形状に加
工するための加工処理装置、6は前記分離処理装置4で
分離された塩素含有樹脂を脱塩素処理するための塩素除
去装置、7は脱塩素処理された合成樹脂(ロ)を炉の供
給に適した形状に加工するための加工処理装置、8は加
工処理された合成樹脂(ロ)を篩分けするための篩分け
装置、9は前記塩素除去装置6で発生した塩化水素を塩
酸として回収するための塩酸回収設備、12は加工処理
された前記合成樹脂(イ)および(ロ)を貯留するため
の貯留サイロ、13は合成樹脂を高炉等の炉に燃料及び
/または鉄源還元剤として供給するための供給手段であ
る。
【0013】加工処理ラインに受け入れられた合成樹脂
類は、先ず一次破砕装置1と二次破砕装置2において順
次破砕処理されるが、これらの破砕処理途中および/ま
たは破砕処理後において、合成樹脂類から不燃物類(例
えば、金属類、ガラス・陶磁器類、土砂等)を分離除去
する処理が行われる。本実施形態では、一次破砕装置1
と二次破砕装置2との間に磁選機10(磁石により鉄屑
等を吸着して、これを除去する装置)が設けられ、この
磁選機10により一次破砕装置1によって破砕処理され
た合成樹脂類から鉄系不燃物(例えば、鉄屑やスチール
缶等)を分離除去し、さらに、選別装置3において二次
破砕装置2で破砕処理された合成樹脂類から鉄系不燃物
以外の不燃物を分離除去する。この選別装置3の具体例
については後に詳述する。なお、合成樹脂類から不燃物
類を除去するための工程は、上記破砕処理途中および/
または破砕処理後において実施されればよく、したがっ
て、本実施形態に限定されない。
【0014】選別装置3で不燃物類が除去された合成樹
脂類は、分離除去装置4により塩素含有樹脂が分離除去
される。この分離除装置4としては、通常、塩素含有樹
脂と他の樹脂類との比重差を利用した重力分離方式或い
は遠心分離方式のものが用いられる。すなわち、塩化ビ
ニル等の塩素含有樹脂は他の樹脂類に較べて比重が大き
いため(ポリエチレンの比重:0.91〜0.96、ポ
リプロピレンの比重:0.89〜0.91程度であるの
に対し、塩化ビニルの比重:1.16〜1.55程
度)、水等の媒体を利用した重力分離方式或いは遠心分
離方式等により合成樹脂類から塩素含有樹脂のみを分離
することができる。この装置の具体例については後に詳
述する。
【0015】塩素含有樹脂が分離除去された合成樹脂
(イ)は加工処理装置5において炉の供給に適した形状
(一般には粒状物)に加工処理される。この加工処理装
置5で行われる工程としては、例えば、合成樹脂(イ)
が固形物系の合成樹脂類を主体としたものである場合に
は樹脂材を粒状に粉砕処理する工程、また合成樹脂
(ロ)がフィルム系の合成樹脂類を主体としたものであ
るの場合には樹脂材を加熱して減容固化(容積を減少さ
せて固化させる)させた後に破砕する工程等が含まれ、
したがって、加工処理装置5は前者の場合には粉砕装置
により、また後者の場合には合成樹脂類を加熱して減容
固化させた後に破砕する粒状固化装置により構成するこ
とができる。また、両者を並列的に配置してもよい。な
お、後者の粒状固化装置の具体例については後に詳述す
る。前記加工処理装置5により加工処理された合成樹脂
(イ)は、後述する合成樹脂(ロ)とともに貯留サイロ
12に一旦貯留された後、供給手段13により炉に供給
される。
【0016】前記分離除去装置4で分離除去された塩素
含有樹脂は塩素除去装置6に送られ、ここで脱塩素処理
が行われる。この脱塩素処理は塩素含有樹脂を加熱して
熱分解により樹脂から塩素(塩化水素)を脱離させるも
のであり、これにより塩素分を実質的に含まない合成樹
脂(ロ)が得られる。本発明ではこの脱塩素処理をスク
リュー押出し方式の塩素除去装置6を用いて行うこと、
すなわち、塩素含有樹脂をスクリューフィーダで移送し
つつ加熱することにより、樹脂中に含まれる塩素分を除
去する方式により行うことを特徴としている。
【0017】塩素含有樹脂から塩素を除去するための方
式としては、上記スクリュー押出し方式以外に、塩素含
有樹脂を熱分解炉内に投入して撹拌することにより脱塩
素処理する方式、塩素含有樹脂をロータリーキルン炉内
に投入して炉内で移送しつつ加熱し、その過程で脱塩素
処理する方式等が考えられるが、このうち前者の方式に
は次のような問題がある。すなわち、塩素含有樹脂は脱
塩素処理すると熱分解により炭化物主体の樹脂残渣とな
り、この樹脂残渣は熱処理温度下では固体である。特
に、塩素含有樹脂は熱分解過程で粒子同士が強固に融着
し、また炉内壁にも付着し易い。そのため塩素含有樹脂
を熱分解炉で脱塩素処理しようとしても撹拌等の運転が
極めて困難であり、また樹脂残渣を炉から排出すること
も事実上困難である。
【0018】また、後者の方式にも次のような問題があ
る。すなわち、この方式では砂などの熱媒体を比較的大
量に用いる必要があり、このような熱媒体を大量に含む
処理後の樹脂残渣は炉原料には適さないことから、脱塩
素処理後の樹脂残渣を炉原料として用いるためには、樹
脂残渣から熱媒体を分離する必要がある。しかし、脱塩
素処理による加熱によって樹脂残渣が熱媒体に融着した
状態となっているため、樹脂残渣から熱媒体を分離する
ことは事実上困難である。また、加熱される過程で軟化
溶融した樹脂材がロータリーキルン炉の内壁に付着し、
これによって樹脂材の脱塩素効率が低下するとともに、
樹脂材の円滑な移送が妨げられるため、継続的な操業に
重大な支障をきたす。また内壁への付着以外に、軟化溶
融した樹脂材が塊状化する場合もあり、この場合も樹脂
材の円滑な移送が阻害されるため、操業の継続に支障を
きたしてしまう。
【0019】以上のように熱分解炉方式やロータリーキ
ルン炉方式の塩素除去装置は、本発明法の処理工程で塩
素含有樹脂を脱塩素処理する手段としては全く使用でき
ない。 これに対してスクリュー押出し方式による塩素
除去装置は、スクリューフィーダ内部の移送用スクリュ
ー軸によって塩素含有樹脂を強制的に移送しつつ、スク
リューフィーダ外側から塩素含有樹脂を加熱し、若しく
はスクリューフィーダ内に熱媒体を供給して加熱するこ
とにより、樹脂中の塩素分を脱離させ、しかも処理後の
樹脂残渣も移送用スクリュー軸によって装置外に強制的
に押し出すものであるため、上述した熱分解炉方式やロ
ータリーキルン炉方式のような問題を全く生じることな
く、塩素含有樹脂の脱塩素処理を円滑に行うことができ
る。
【0020】図2はスクリュー押し出し方式の塩素除去
装置6であって、被処理材をスクリューフィーダ外部か
ら加熱する方式の装置の一構成例を示すもので、14は
内部に移送用のスクリュー軸140を有する水平型のス
クリューフィーダ(141は装置外筒)、15はこのス
クリューフィーダの一端側に樹脂材を供給するための供
給口、16はスクリューフィーダの他端側から排出され
る樹脂残渣を抜き出すための抜き出し口、17は塩化水
素ガスの排出口、18はスクリューフィーダ14を外囲
する加熱装置である。前記スクリューフィーダ14はモ
ータ20により駆動する。
【0021】この塩素除去装置6では、供給口15から
スクリューフィーダ14の一端側に供給された塩素含有
樹脂はスクリューフィーダ14で移送されつつ加熱装置
18により加熱され、この加熱による樹脂の熱分解によ
って樹脂中の塩素分が塩化水素の形で脱離し、この塩化
水素は排出口17から排出される。また、移送中の加熱
によって脱塩素処理が完了し、スクリューフィーダ14
の他端から排出された樹脂残渣は抜き出し口16から抜
き出される。
【0022】また、図3は2軸スクリュー押し出し方式
の塩素除去装置6の一構成例を示すもので、この装置も
スクリューフィーダを外囲する図示しない加熱装置を有
し、被処理材をスクリューフィーダの外部から加熱する
方式を採っている。図において、21は内部に移送用の
スクリュー軸210a,210bを有する水平型の2軸
スクリューフィーダ(211は装置外筒)、22a,2
2bはこのスクリューフィーダの一端側に塩素含有樹脂
を供給するための供給口であり、本構成例では一方の供
給口22aに供給用スクリューフィーダ23が付設され
ている。また、24はスクリューフィーダ21の他端側
から排出される樹脂残渣を抜き出すための抜き出し口、
26は塩化水素ガスの排出口である。前記スクリューフ
ィーダ21はモータ27により、また前記供給用スクリ
ューフィーダ23はモータ28により、それぞれ駆動す
る。
【0023】この塩素除去装置6では、供給口22a
(及びスクリューフィーダ23)、供給口22bのいず
れか一方または両方からスクリューフィーダ21の一端
側に供給された塩素含有樹脂は、スクリューフィーダ2
1で移送されつつ250〜350℃程度に加熱され、こ
の加熱による樹脂の熱分解によって塩素含有樹脂中の塩
素分が塩化水素ガスの形で脱離し、この塩化水素ガスは
排出口26から排出される。また、移送中の加熱によっ
て脱塩素処理が完了し、スクリューフィーダ21の他端
側から排出された樹脂残渣は抜き出し口24から抜き出
される。
【0024】なお、スクリュー押出し方式の塩素除去装
置6は図2や図3に示す構造のものに限定されるもので
はなく、例えば、加熱方式に関しては熱媒体をスクリュ
ーフィーダ内部に供給することにより被処理材を加熱す
る内部加熱方式或いはこれと図2、図3に示すような外
部加熱方式とを併用した方式等、適宜な構造のものを採
用できる。一般に塩化ビニル等の塩素含有樹脂を加熱し
た場合、樹脂からの塩素(塩化水素)の脱離は約250
℃前後から始って約350℃程度で終了し、さらに高温
に加熱すると今度は液状またはガス状炭化水素への熱分
解が始まる。したがって、上記塩素除去装置での塩素含
有樹脂の加熱処理は250〜350℃、好ましくは30
0〜350℃程度の温度で行うこと好ましい。
【0025】前記塩素除去装置6で脱塩素処理された後
の樹脂残渣である合成樹脂(ロ)は、少なくとも一部が
塊状に融着した状態にあるため、そのままでは炉への供
給や炉内吹き込みに支障をきたすおそれがあるため、破
砕装置7で解砕処理(樹脂残渣の解砕)する。この処理
を経た合成樹脂(ロ)は、炉原料として利用可能なサイ
ズに調整するため篩分装置8で篩い分けされ、所定の粒
径以下の樹脂残渣のみが貯留サイロ12に送られる。一
方、粒径の大きい樹脂残渣は破砕装置7に返送され、再
度解砕処理がなされる。合成樹脂(ロ)(樹脂残渣)
は、先に述べたように合成樹脂(イ)とともに貯留サイ
ロ12に一旦貯留された後、供給手段13により炉に供
給される。
【0026】また、塩素除去装置6で発生した塩化水素
は、アルカリあるいはアルカリ土類と反応させて中和処
理してもよいが、本実施形態では塩酸回収装置9に送ら
れ、塩酸として回収される。この塩酸回収装置9として
は、例えば、製鉄所内にある鋼板を塩酸で洗浄した後排
出される塩酸廃液から塩酸を回収するための装置を利用
してもよい。なお、上述した各工程間或いは装置間での
合成樹脂類の搬送は、連続式(例えば、搬送コンベア、
気送管、切り出し手段を用いた自由落下等)、バッチ式
のいずれでもよい。図において、11は送風機であり、
本実施形態ではこの送風機11が設けられた搬送経路は
気送管により構成されている。
【0027】前記選別装置3に適用可能な装置として
は、例えば、物体の重量差等を利用して合成樹脂類から
重量のある不燃物類を分別除去する装置や合成樹脂類か
ら非鉄金属を分別除去する装置等を挙げることができ、
これら装置の1種または2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。物体の重量差等を利用して合成樹脂類か
ら重量のある不燃物類を分別除去する装置としては、風
力選別方式と揺動選別方式を挙げることができる。この
うち風力選別方式は不燃物を含んだ合成樹脂類に空気噴
射ノズル等から空気を吹付け、その気流に随伴して飛行
する物体の飛行距離が物体の重量、重量/容積比、重量
/面積比によって異なることを利用して、比較的軽量な
合成樹脂類と重量のある不燃物との分別を行うものであ
る。この方式では、気流による飛行距離が異なる軽量物
と中重量物と重量物の別に、或いは軽量物と中・重量物
の別にそれぞれ専用の回収手段を設け、各物体を分別回
収する。
【0028】また、前記揺動選別方式は長手方向で傾斜
して設置され且つ揺動可能な反発板を用い、この反発板
上に装入される物体の重量差を利用して、比較的軽量な
合成樹脂類と重量のある不燃物との分別を行うものであ
る。この方式では、反発板をその傾斜方向と上下方向
(板厚方向)で揺動させつつ、反発板上に物体を装入す
ると、例えば、中重量・重量物は傾斜した反発板に沿っ
て下側方向に落下して反発板の一端側から排出され、一
方、軽量物は傾斜した反発板の上方向に徐々に移動し、
反発板の他端側から排出される。したがって、これらの
方式によれば比較的軽量な物体である合成樹脂類と金属
やガラス等の不燃物とが容易に分別できる。また、分別
すべき不燃物の種類に応じて上記の任意の分別処理を2
回以上繰り返すことにより、分別精度をより高めること
ができる。
【0029】また、非鉄金属を分別除去する装置として
は、例えば誘導渦電流方式によるものを用いることがで
きる。この方式は、不均一磁界内で非鉄金属(導体)を
相対的に動かすと、これに渦電流が発生し、この電流と
磁界との相互作用で導体に電磁力が発生するという原理
を利用し、合成樹脂類中に含まれるアルミニウムなどの
非鉄金属を自動分別(分離除去)する選別方式であり、
磁気制動力、進行磁界推力または電磁反発力を利用する
方法が知られ、また装置的には滑り台式、ベルトコンベ
ア式、振動フィーダ式、回転円筒式等が知られている。
【0030】前記分離除去装置4としては、例えば図4
または図5に示すような装置を用いることができる。こ
のうち図4は重力方式による分離除去装置4の一構成例
を示しており、合成樹脂類は水が入れられた分離槽29
に装入され、槽内で沈降するポリ塩化ビニル(PVC)
やポリ塩化ビニリデン(PVDC)等の塩素含有樹脂と
浮上するそれ以外の合成樹脂類とに分離される。沈降分
離した塩素含有樹脂は適当な排出手段により槽外に排出
され、スクリーン30aを経て水と分離された後、系外
に排出される。一方、槽内で浮上した塩素含有樹脂以外
の樹脂類は適当な排出手段で槽外に排出され、スクリー
ン30bを経て水と分離された後、乾燥機31で乾燥さ
れ、次工程へと送られる。なお、図において、32はス
クリーン30a,30bで分離された水を排出する排水
タンクである。
【0031】また、図5は遠心分離方式による分離除去
装置4の一構成例を示している。この装置は、内部が中
空の筒状若しくは紡錘状の本体33と、この本体33内
部の長手方向に回転自在に配されるスクリュー付きの内
筒体34と、この内筒体回転駆動用のモータ35等から
構成される。この装置では、合成樹脂類と水等の媒体と
の混合物が、高速回転する内筒体34の一端からその内
部に供給される。混合物は内筒体34の長手方向略中央
に設けられた開口36から遠心力の作用により本体33
の内部空間に吐き出され、媒体の比重を境としてこれよ
りも比重の大きい重質分(塩素含有樹脂)と比重の小さ
い軽質分(塩素含有樹脂以外の樹脂類)とに分離され
る。つまり、遠心力によって合成樹脂類のうちの重質分
のみが本体33の内壁面側に集められる結果、軽質分と
重質分が本体33の径方向において分離した状態とな
る。
【0032】ここで、内筒体34は、前記開口36を大
略の境とした長手方向半分に軽質分搬送用のスクリュー
37aが、他の長手方向半分に重質分搬送用のスクリュ
ー37bが設けられている。これらスクリュー37a、
37bはスクリューの螺旋方向が互いに逆向きであり、
内筒体34が回転することによりスクリュー37a、3
7bはそれぞれの側の本体端部方向に合成樹脂を搬送す
る。すなわち、軽質分の合成樹脂類(塩素含有樹脂以外
の合成樹脂類)は羽根が比較的短かいスクリュー37a
によって本体33の一方の端部まで搬送され、排出口3
8aから排出される。
【0033】一方、本体33の内壁面側に集められた重
質分の合成樹脂類(塩素含有樹脂)は、羽根が本体33
の内壁面近傍まで延びたスクリュー37bによって本体
33の他方の端部まで搬送され、排出口38bから排出
される。一方、水等の媒体は本体33の略中央部に設け
られた排出口39から装置外に排出される。このような
装置によれば、装入された合成樹脂類を軽質分である塩
素含有樹脂以外の樹脂類と重質分である塩素含有樹脂と
にそれぞれ分離し、それぞれを水分が非常に少ない状態
で装置外に排出させることができる。
【0034】次に、前記加工処理装置5を粒状固化装置
で構成する場合の構成例を以下に説明する。この粒状固
化装置では、例えば以下の〜の何れかの方法でフィ
ルム系樹脂を主体とした合成樹脂類(以下、単に“フィ
ルム系合成樹脂類”という)の減容固化−粒状化処理が
行われ、粒状合成樹脂が得られる。 フィルム系合成樹脂類を加熱して溶融させた後冷却
して固化させ、この固化した合成樹脂材を裁断または粉
砕処理することにより合成樹脂の粒状物を得る方法 フィルム系合成樹脂類を加熱することにより半溶融
化させ、半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより
収縮固化させ、この際、粒状に収縮固化させるか若しく
は収縮固化した合成樹脂材を粉砕処理して合成樹脂の粒
状物を得る方法 フィルム系合成樹脂類を裁断または破砕するととも
に、この裁断または破砕による摩擦熱により半溶融化さ
せ、半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより収縮
固化させ、この際、粒状に収縮固化させるか若しくは収
縮固化した合成樹脂材を粉砕処理して合成樹脂の粒状物
を得る方法
【0035】 上記の方法の一態様として、フィル
ム系合成樹脂類を高速回転する回転刃で裁断または破砕
するとともに、この裁断または破砕による摩擦熱により
合成樹脂材を半溶融化させ、次いでこの半溶融化した合
成樹脂材を水噴霧等によって急冷することにより収縮固
化させ、この際、粒状に収縮固化させるか若しくは収縮
固化と同時に前記回転刃により粉砕処理し、合成樹脂の
粒状物を得る方法これらの方法のうちの方法の典型的
な例は、フィルム系軽合成樹脂類を完全溶融させ、これ
を押出し機により線状等に押出し成形した後、粒状に裁
断することにより合成樹脂の粒状物を得る方法である
が、この他にも種々の加工方法を採ることができる。
【0036】これに対して〜の方法はフィルム系合
成樹脂類を完全には溶融させず、半溶融化させた状態か
ら水噴霧等によって急冷することにより収縮固化させ、
この際、粒状に収縮固化させるか若しくは収縮固化した
ものを粒状に粉砕処理することにより合成樹脂の粒状物
を得る方法である。このような〜の方法(とりわけ
の方法)で得られた合成樹脂の粒状物は、非常に優れ
た流動性と搬送性を示し、しかも燃焼性にも非常に優れ
ている。また、上記〜の方法においてフィルム系合
成樹脂類を半溶融化する温度は合成樹脂の種類や形状等
によってある程度異なり、例えば材質面だけからいうと
低密度ポリエチレンの場合で105〜115℃程度、中
低密度ポリエチレンの場合で128℃前後である。した
がって、合成樹脂類に含まれる合成樹脂材の種類や割
合、形態等に応じて、半溶融化させるための温度が適宜
選択される。
【0037】図6は上記、の方法で粒状収縮固化若
しくは収縮固化−粒状化の連続処理を行うための一構成
例を示しており、粒状固化装置(加工処理装置5)に装
入された合成樹脂類は破砕装置40で破砕された後、減
容固化装置41に装入される。この減容固化装置41で
は、合成樹脂類は加熱室42及びこれに続く冷却室43
を搬送装置44(搬送ベルト等)で連続搬送され、加熱
室41において加熱(ガス加熱、ガス間接加熱または電
気加熱等)されることで半溶融化した後、冷却室43で
水噴霧等により急冷され、収縮固化する。この際、合成
樹脂類の破砕形態や加熱室内への装入状態等を適宜選択
することにより合成樹脂類を粒状に収縮固化させること
ができ、したがってこの方法によれば収縮固化ままで粒
状物が得られる。
【0038】一方、合成樹脂類の一部または全部を粒状
に収縮固化させない方法では、収縮固化した合成樹脂類
は減容固化装置41から粉砕装置45に装入され、この
粉砕装置45により粒状に粉砕処理されることで粒状物
が得られる。以上のようにして得られた合成樹脂の粒状
物は、破砕されたフィルム系合成樹脂類を半溶融状態か
ら粒状に収縮固化させ若しくは収縮固化させた後これを
粉砕処理したものであるため、固形物系合成樹脂類の破
砕物に較べて比較的ポーラスな性状であって比表面積が
大きく、しかも固形物系合成樹脂類の破砕物のように角
ばった形状ではなく、全体的に見て丸みを帯びた形状を
有するため、優れた燃焼性と流動性を示す。
【0039】図7は上記の方式による装置の構造の概
略を、また図8はこの装置による粒状収縮固化若しくは
収縮固化−粒状化処理の原理を模式的に示している。こ
の粒状固化装置(加工処理装置5)は、合成樹脂類が装
入されるタンク46と、このタンク46内の底部に配置
される1または2以上の回転刃47と、タンク46内に
冷却用流体(水等の液体若しくはガス)を吹き込み若し
くは噴霧するための急冷手段48とを備えている。この
ような粒状固化装置によれば、タンク46内に装入され
た合成樹脂類Aを高速回転する回転刃47で裁断または
破砕するとともに、この裁断または破砕による摩擦熱に
より合成樹脂類を半溶融化させ、次いで、この半溶融化
した合成樹脂類を急冷手段48からの水噴霧等により上
記温度から急冷することにより収縮個化させ、この際、
粒状に収縮固化させるか若しくは収縮固化と同時に前記
回転刃47により粉砕処理し、合成樹脂の粒状物aが得
られる。
【0040】以上のようにして得られた合成樹脂の粒状
物も、破砕されたフィルム系合成樹脂類を半溶融状態か
ら粒状に収縮固化させ若しくは収縮固化させた後これを
粉砕処理したものであるため、固形物系合成樹脂類の破
砕物に較べて比較的ポーラスな性状であって比表面積が
大きく、しかも固形物系合成樹脂類の破砕物のように角
ばった形状ではなく、全体的に見て丸みを帯びた形状を
有するため、優れた燃焼性と流動性を示す。
【0041】この装置はバッチ方式により合成樹脂類の
破砕(または裁断)処理、半溶融化処理及び収縮固化後
の粉砕処理(但し、急冷により粒状に収縮固化させる場
合は粉砕処理は必要ない)の総てを高速回転する回転刃
47により行うものであり、「破砕(または裁断)→半
溶融化→急冷による粒状収縮固化」若しくは「破砕(ま
たは裁断)→半溶融化→急冷による収縮固化→粉砕」と
いう一連の処理工程が短時間に速やかに行われ、しかも
合成樹脂類が回転刃47による破砕(裁断)−高速撹拌
中に半溶融化し、このような状態から速かに急冷処理が
なされるため、比表面積及び粒形状等の面でより好まし
い粒状物が得られる。また、回転刃47の作用だけで破
砕(または裁断)処理、半溶融化処理及び収縮固化後の
粉砕処理が行われるため、設備コスト及び運転コストの
面でも有利である。
【0042】なお、上記の方法においても、合成樹脂
類の破砕形態や回転刃に対する装入状態等を適宜選択す
ることにより合成樹脂類を粒状に収縮固化させることが
でき、したがってこの場合には実質的に収縮固化後の回
転刃による粉砕処理なしに、収縮固化のままで合成樹脂
の粒状物が得られる。一方、合成樹脂類の一部または全
部を粒状に収縮固化させない場合には、上記のように回
転刃による粉砕処理により合成樹脂の粒状物が得られ
る。
【0043】
【実施例】図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処
理設備に対して固形物系の合成樹脂類を供給して粒径6
mm以下の粒状合成樹脂材に加工処理し、これらを貯留
サイロを経由して高炉に気送し、羽口部から炉内に吹き
込んだ。なお、上記処理設備では、塩素除去装置4とし
て図2に示す構造のスクリュー押出し方式の装置を用
い、処理温度340℃で脱塩素処理を実施した。また、
加工処理装置5としては粉砕装置を用いた。本実施例に
おける合成樹脂類の供給条件、処理条件、炉操業条件を
表1に示す。なお、表1に示す各実施例ともに、塩素含
有樹脂の脱塩素処理−破砕(解砕)処理後の樹脂残渣の
平均粒径は14〜27mmであった。
【0044】
【表1】
【0045】以上の粒状合成樹脂材の炉内吹き込みを実
施した結果、高炉操業自体には全く支障がなく、供給ト
ラブル等も全く発生しなかった。また、塩素除去装置に
よる脱塩素処理でも、塩素含有樹脂から塩素分が十分に
除去され、しかも脱塩素後の樹脂残渣は塊状ではなく、
粒子状であり、そのままでも炉に吹き込み可能な性状を
有していた。
【0046】また比較例として、実施例1で分離除去さ
れた塩素含有樹脂と同様の塩素含有樹脂を、ロータリー
キルン炉を用いて下記条件で脱塩素処理したが、処理後
の樹脂残渣の形状は塊状(平均粒径:56mm)であ
り、なかには団子状の大きい塊も含まれていた。 処理温度:340℃ 固体熱媒体:砂(粒径:10mm以下) 樹脂/固体熱媒体の混合比:1/1(重量比)
【0047】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、廃棄物であ
る合成樹脂類をその形態に拘りなく、しかも合成樹脂類
に含まれる塩素含有樹脂による問題を生じることなく処
理し、高炉やスクラップ溶解炉等の炉に燃料や鉄源還元
剤として供給することができ、このため廃棄物たる合成
樹脂類の大量処理と有効利用を図ることができ、また、
高炉等の炉の原料、燃料コストを大幅に低減させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のフローを示す説明図
【図2】本発明の処理設備を構成する塩素除去装置の一
実施形態を示す説明図
【図3】本発明の処理設備を構成する塩素除去装置の他
の実施形態を示す説明図
【図4】本発明の処理設備を構成する塩素含有樹脂の分
離除去装置の一実施形態を示す説明図
【図5】本発明の処理設備を構成する塩素含有樹脂の分
離除去装置の他の実施形態を示す説明図
【図6】本発明の処理設備を構成する加工処理装置(粒
状固化装置)の一実施形態を示す説明図
【図7】本発明の処理設備を構成する加工処理装置(粒
状固化装置)の他の実施形態を示す説明図
【図8】図7の粒状固化装置によるプラスチック処理の
原理を模式的に示す説明図
【符号の説明】
1…一次破砕装置、2…二次破砕装置、3…選別装置、
4…分離除去装置、5…加工処理装置、6…塩素除去装
置、7…加工処理装置、8…篩分け装置、9…塩酸回収
設備、10…磁選機、11…送風機、12…貯留サイ
ロ、13…供給手段、14…スクリューフィーダー、1
5…供給口、16…抜き出し口、17…排出口、18…
加熱装置、20…モータ、21…2軸スクリューフィー
ダー、22a,22b…供給口、23…供給用スクリュ
ーフィーダー、24…抜き出し口、26…排出口、27
…モータ、28…モータ、29…分離槽、30a,30
b…スクリーン、31…乾燥機、32…排水タンク、3
3…本体、34…内筒体、35…モータ、36…開口、
37a,37b…スクリュー、38a,38b…排出
口、39…排出口、40…破砕装置、41…減容固化装
置、42…加熱室、43…冷却室、44…搬送装置、4
5…粉砕装置、46…タンク、47…回転刃、48…急
冷手段、140…スクリュー軸、141…装置外筒、2
10a,210b…スクリュー軸、211…装置外筒

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素含有樹脂を含む合成樹脂類から塩素
    含有樹脂を除去した後、炉内供給に適した形状に加工処
    理し、これを燃料および/または鉄源還元剤として炉に
    供給する方法であって、 塩素含有樹脂を含む合成樹脂類を破砕する工程と、破砕
    処理された合成樹脂類から塩素含有樹脂を分離除去する
    工程と、該工程で塩素含有樹脂が除去された合成樹脂
    (イ)を炉の供給に適した形状に加工する工程と、前記
    分離された塩素含有樹脂をスクリューフィーダで移送し
    つつ加熱することにより、樹脂中に含まれる塩素分を除
    去する工程と、該工程により塩素分が除去された合成樹
    脂(ロ)を炉の供給に適した形状に加工する工程と、前
    記各加工工程を経た合成樹脂(イ)および(ロ)を燃料
    および/または鉄源の還元剤として炉に供給する工程と
    を有することを特徴とする合成樹脂類の処理方法。
  2. 【請求項2】 塩素含有樹脂を含む合成樹脂類から塩素
    含有樹脂を除去した後、炉内供給に適した形状に加工処
    理し、これを燃料および/または鉄源還元剤として炉に
    供給する方法であって、 塩素含有樹脂を含む合成樹脂類を破砕する工程と、該工
    程途中および/または該工程後において、合成樹脂類に
    含まれる不燃物類を除去する工程と、破砕処理された合
    成樹脂類から塩素含有樹脂を分離除去する工程と、該工
    程で塩素含有樹脂が除去された合成樹脂(イ)を炉の供
    給に適した形状に加工する工程と、前記分離された塩素
    含有樹脂をスクリューフィーダで移送しつつ加熱するこ
    とにより、樹脂中に含まれる塩素分を除去する工程と、
    該工程により塩素分が除去された合成樹脂(ロ)を炉の
    供給に適した形状に加工する工程と、前記各加工工程を
    経た合成樹脂(イ)および(ロ)を燃料および/または
    鉄源の還元剤として炉に供給する工程とを有することを
    特徴とする合成樹脂類の処理方法。
  3. 【請求項3】 塩素含有樹脂を含む合成樹脂類から塩素
    含有樹脂を除去した後、炉内供給に適した形状に加工処
    理し、これを燃料および/または鉄源還元剤として炉に
    供給するための設備であって、 塩素含有樹脂を含む合成樹脂類を破砕処理する破砕装置
    と、該破砕装置で破砕処理された合成樹脂類から塩素含
    有樹脂を分離除去する分離除去装置と、該分離除去装置
    により塩素含有樹脂が除去された合成樹脂(イ)を炉の
    供給に適した形状に加工する加工処理装置と、前記分離
    除去装置により分離された塩素含有樹脂をスクリューフ
    ィーダで移送しつつ加熱することにより樹脂中に含まれ
    る塩素分を除去する塩素除去装置と、該塩素除去装置に
    より塩素分が除去された合成樹脂(ロ)を炉の供給に適
    した形状に加工する加工処理装置と、前記合成樹脂
    (イ)および(ロ)を燃料および/または鉄源の還元剤
    として炉に供給するための供給手段とを有することを特
    徴とする合成樹脂類の処理設備。
  4. 【請求項4】 塩素含有樹脂を含む合成樹脂類から塩素
    含有樹脂を除去した後、炉内供給に適した形状に加工処
    理し、これを燃料および/または鉄源還元剤として炉に
    供給するための設備であって、 塩素含有樹脂を含む合成樹脂類を破砕処理する破砕装置
    と、該破砕装置による破砕処理途中および/または破砕
    処理後において合成樹脂類に含まれる不燃物類を分離除
    去する選別装置と、破砕処理された合成樹脂類から塩素
    含有樹脂を分離除去する分離除去装置と、該分離除去装
    置により塩素含有樹脂が除去された合成樹脂(イ)を炉
    の供給に適した形状に加工する加工処理装置と、前記分
    離除去装置により分離された塩素含有樹脂をスクリュー
    フィーダで移送しつつ加熱することにより樹脂中に含ま
    れる塩素分を除去する塩素除去装置と、該塩素除去装置
    により塩素分が除去された合成樹脂(ロ)を炉の供給に
    適した形状に加工する加工処理装置と、前記合成樹脂
    (イ)および(ロ)を燃料および/または鉄源の還元剤
    として炉に供給するための供給手段とを有することを特
    徴とする合成樹脂類の処理設備。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10654720B2 (en) 2015-02-18 2020-05-19 Elcon Recycling Center (2003) Ltd. Recovering bromine from solid waste containing bromine compounds, and applications thereof

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10654720B2 (en) 2015-02-18 2020-05-19 Elcon Recycling Center (2003) Ltd. Recovering bromine from solid waste containing bromine compounds, and applications thereof

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