JP3303743B2 - 塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理方法および装置 - Google Patents

塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理方法および装置

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JP3303743B2
JP3303743B2 JP28779297A JP28779297A JP3303743B2 JP 3303743 B2 JP3303743 B2 JP 3303743B2 JP 28779297 A JP28779297 A JP 28779297A JP 28779297 A JP28779297 A JP 28779297A JP 3303743 B2 JP3303743 B2 JP 3303743B2
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素含有樹脂被覆
鋼材の原料化処理方法及びその実施に好適な装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、廃棄物としてスクラップ(鉄屑
等)やプラスチック類が増加の一途を辿っており、その
リサイクルや処理が環境問題を含めて社会的に大きな問
題となっている。旧来、スクラップについては溶解炉等
の鉄源として再利用が図られてきたが、鋼材にポリ塩化
ビニル等の塩素含有樹脂を被覆した塩素含有樹脂被覆鋼
材については、炉の鉄源等としての再利用に大きな障害
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、塩素含有樹
脂は燃焼や熱分解によって塩素を含む有毒ガスを発生さ
せるため、これを溶解炉の鉄源としてそのまま利用する
ことはできず、鉄源として再利用するには鋼材から塩素
含有樹脂被覆を分離除去する必要がある。しかし、この
塩素含有樹脂被覆鋼材から樹脂被覆を引き剥がすために
は多大な処理コストがかかり、これを実操業ベースで実
施することは困難である。このように従来では塩素含有
樹脂被覆鋼材を低コストに処理或いは再利用するための
有効な方法はなく、ほとんどが埋立て地等に廃却処理さ
れているのが現状である。
【0004】したがって本発明の目的は、塩素含有樹脂
被覆鋼材を樹脂中の塩素分による問題を生じさせること
なく低コストに処理し、且つ再利用資源として原料化す
ることができる塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理方法
及びその実施に好適な装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述したよ
うな現状に鑑み、塩素含有樹脂被覆鋼材を低コストに処
理し且つ資源として再利用する方法について検討を加
え、その結果、塩素含有樹脂被覆鋼材を好ましくは破砕
処理した後、ロータリーキルン炉に供給して加熱処理す
ることにより、処理工程上のトラブルや熱媒体による問
題を生じることなく塩素含有樹脂被覆の脱塩素処理を容
易に実施することができ、これによって炉原料としてそ
のまま利用できる複合原料が得られることを見い出し
た。
【0006】従来、塩素含有樹脂材(樹脂単味材)中の
塩素分を除去する方法として、塩素含有樹脂材をロータ
リーキルン炉内で加熱して脱塩素処理する方法が提案さ
れているが、この方法には下記(a)〜(c)に示すような問
題、すなわち、 (a) 砂などの熱媒体を比較的大量に用いる必要があり、
このような熱媒体を大量に含む処理後の樹脂残渣は炉原
料には適さないことから、脱塩素処理後の樹脂残渣を炉
原料として再利用するためには、樹脂残渣から熱媒体を
分離する必要がある。しかし、脱塩素処理による加熱に
よって樹脂残渣と熱媒体とは緊密な混合状態にあり、ま
た多くの場合、樹脂残渣が熱媒体に融着した状態となっ
ているため、樹脂残渣から熱媒体を分離することは事実
上困難である。
【0007】(b) 軟化溶融した樹脂材がロータリーキル
ン炉の内壁に付着し、これによって樹脂材の脱塩素効率
が低下するとともに、樹脂材の円滑な移送が妨げられる
ため、継続的な操業に重大な支障をきたす。また内壁へ
の付着以外に、軟化溶融した樹脂材が塊状化する場合も
あり、この場合も樹脂材の円滑な移送が阻害されるた
め、操業の継続に支障をきたしてしまう。
【0008】(c) 砂などの熱媒体を用いても、この熱媒
体がロータリーキルン炉内で偏析を生じるために樹脂材
への熱伝達が十分効率的に行われず、十分な脱塩素効率
が得られない。また、これを補うために処理時間を長く
すると、それだけ樹脂材が炉内壁に付着しやすくなり、
上述したような問題をさらに助長させる結果となる。一
方、処理温度を高くすると樹脂材の熱分解により低級炭
化水素ガスが発生するようになるため、排ガスの処理が
大きな問題となる。等の根本的な問題があり、このため
その実用化、とりわけ炉原料として用いる塩素含有樹脂
材の処理方法としては、その実用化は事実上困難であ
る。
【0009】また、塩素含有樹脂材の他の処理方法とし
ては、スクリューフィーダによる搬送途中で加熱するこ
とにより脱塩素処理する方式や、熱分解炉内で撹拌しつ
つ脱塩素処理する方式等も知られているが、このうち前
者の方式では塩素含有樹脂被覆鋼材を余程細かく破砕し
ないとスクリューフィーダによる搬送は困難であり、ま
た、鋼材の破砕片により搬送用スクリューが破損すると
いう問題があり、また、後者の方式でも鋼材の破砕片に
より撹拌手段が破損するという問題があり、いずれも塩
素含有樹脂被覆鋼材の原料処理化手段としては使用でき
ない。
【0010】これに対して、本発明者らは塩素含有樹脂
被覆鋼材という素材の特殊性に着目し、この塩素含有樹
脂被覆鋼材の塩素含有樹脂被覆中に含まれる塩素分を除
去して鋼材と樹脂残渣とからなる複合原料を得るという
観点から、原料化処理手段としてのロータリーキルン炉
の適用の可能性とこの手段により塩素含有樹脂被覆鋼材
を処理した場合のメカニズムについて検討を加え、その
結果以下のような知見を得た。すなわち、
【0011】(1) 塩素含有樹脂被覆鋼材の破砕物をロー
タリーキルン炉を用いて加熱し、塩素含有樹脂被覆中に
含まれる塩素分を除去する場合には、破砕物を構成する
鋼材(鋼材の破砕片)そのものが熱媒体となるため、砂
などの熱媒体を別途供給することが基本的には不要であ
り、また供給するとしても、処理後に熱媒体の分離除去
を行わなくても炉原料として支障がない程度の供給量で
済み、いずれにしても熱媒体を用いることによる問題を
回避しつつ塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理を行うこ
とができる。
【0012】(2) 塩素含有樹脂被覆鋼材の破砕物の多く
は鋼材の破砕片に被覆樹脂材が付着したままの状態であ
るため、熱媒体である鋼材から樹脂への熱伝導性が極め
て良く、この結果、高い脱塩素効率が得られる。このた
め被覆樹脂材が薄肉であることと相俟って、塩素含有樹
脂被覆の脱塩素処理を比較的短い時間で完了させること
ができ、これによって樹脂の炉内壁への付着や炉内での
塊状化を抑制できる。また、処理温度を比較的低くする
ことも可能であるため、樹脂の熱分解による低級炭化水
素ガスの発生も抑制できる。 (3) 塩素含有樹脂被覆鋼材を構成する樹脂は鋼材の破砕
片に薄肉状に接着されており、このような形態の樹脂は
炉内壁面への付着や塊状化を生じにくい。 (4) 鋼材の破砕片には、ロータリーキルン炉内壁に付着
した樹脂を掻き落す効果があり、この面からも樹脂の炉
内壁面への付着、成長を抑制できる。
【0013】(5) 上記(1)で述べたように鋼材の破砕片
そのものが熱媒体となるため、砂などの熱媒体を大量に
用いた場合のような熱媒体の偏析による問題を生じな
い。このため熱媒体の偏析に起因する脱塩素効率の低下
がなく、この面からも脱塩素効率の向上が図られる。し
たがって、上記(2)で述べた作用と相俟って、処理の効
率化、処理時間の短縮化によって樹脂の炉内壁への付着
や炉内での塊状化がより効果的に抑制できる。同様に、
処理温度を比較的低くすることで、樹脂の熱分解による
低級炭化水素ガスの発生を抑制できる効果も向上する。 (6) 以上の(1)〜(5)の点からして、塩素含有樹脂被覆鋼
材については、ロータリーキルン炉で処理しても上記
(a)〜(c)で述べたような問題を全く生じることなく原料
化処理が可能であり、しかも得られる鋼材破砕片と樹脂
残渣とからなる複合原料はそのままの形で炉原料として
利用できる。
【0014】このように本発明者らは、上述したような
(a)〜(c)の理由から、塩素含有樹脂材を炉原料化処理す
る手段としては実用化が困難であると考えられるロータ
リーキルン炉による処理が、塩素含有樹脂被覆鋼材を鋼
材と樹脂残渣とからなる複合原料として原料化処理する
際には極めて有効な手段となり得ることを見い出した。
また、このような知見に基づいてさらに検討を進めた結
果、以下のような事実を知見した。
【0015】(7) 被処理材に塩素含有樹脂被覆鋼材とと
もにある程度の量の塩素含有樹脂材(樹脂単味材または
鋼材以外の素材との複合材)を含ませた場合でも、上記
(1)〜(6)の効果により原料化処理が可能である。 (8) また、熱媒体を用いる場合、炉の鉄源、鉄源還元
剤、燃料または副原料等として使用できる粉粒状または
小片状の固形物、例えば粉コークス、粉鉱石、焼結粉、
鉄スクラップ等を熱媒体として用いれば、原料化処理後
の熱媒体の分離や熱媒体の混入による原料特性の劣化等
の問題を考慮することなく、原料化処理後の複合原料を
そのまま炉原料として利用できる。本発明は以上述べた
ような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の
通りである。
【0016】[1] 塩素含有樹脂被覆鋼材を含む被処理材
をロータリーキルン炉内に供給して加熱し、塩素含有樹
脂を熱分解させて樹脂中の塩素分を塩化水素として離脱
させ、該加熱処理により塩素分が除去された樹脂残渣と
鋼材と含む被処理材を炉原料として用いることを特徴と
する塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理方法。 [2] 上記[1]の原料化処理方法において、ロータリーキ
ルン炉から排出された塩素水素を含む排ガスを処理して
塩酸として回収することを特徴とする塩素含有樹脂被覆
鋼材の原料化処理方法。
【0017】[3] 上記[1]または[2]の原料化処理方法に
おいて、ロータリキルン本体が外管とその内部に配置さ
れる内管とからなり、内管内を被処理材用通路とし、内
管と外管間の空間を加熱ガス用通路とした外熱式のロー
タリキルン炉を用い、前記被処理材用通路に塩素含有樹
脂被覆鋼材を含む被処理材を供給するとともに、加熱ガ
ス用通路に加熱ガスを供給して被処理材用通路内の被処
理材を加熱することを特徴とする塩素含有樹脂被覆鋼材
の原料化処理方法。 [4] 上記[1]〜[3]のいずれかの原料化処理方法におい
て、被処理材が、塩素含有樹脂被覆鋼材とともに塩素含
有樹脂材および/または鋼材以外の素材と塩素含有樹脂
との複合材を含むことを特徴とする塩素含有樹脂被覆鋼
材の原料化処理方法。
【0018】[5] 上記[1]〜[4]のいずれかの原料化処理
方法において、ロータリーキルン炉に熱媒体を供給する
ことなく被処理材の加熱を行うことを特徴とする塩素含
有樹脂被覆鋼材の原料化処理方法。 [6] 上記[1]〜[4]のいずれかの原料化処理方法におい
て、ロータリーキルン炉内に被処理材とともに熱媒体を
供給し、この熱媒体として、炉の鉄源、鉄源還元剤、燃
料または副原料等として使用できる粉粒状または小片状
の固形物を用いることを特徴とする塩素含有樹脂被覆鋼
材の原料化処理方法。 [7] 上記[6]の原料化処理方法において、熱媒体とし
て、粉コークス、粉鉱石、焼結粉および鉄スクラップの
中から選ばれる1種以上を用いることを特徴とする塩素
含有樹脂被覆鋼材の原料化処理方法。
【0019】[8] ロータリキルン炉からなる処理装置で
あって、装置本体を外管とその内部に配置される内管と
から構成し、内管内を被処理材用通路とするとともに、
内管と外管間の空間を加熱ガス用通路としたことを特徴
とする塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理装置。 [9] 上記[8]の原料化処理装置において、装置本体を、
外管とその内部に配置される単一の内管とから構成した
ことを特徴とする塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理装
置。 [10] 上記[8]の原料化処理装置において、装置本体を、
外管とその内部に配置される複数の内管とから構成した
ことを特徴とする塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理装
置。
【0020】本発明法において原料化処理の対象となる
塩素含有樹脂被覆鋼材は、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビ
ニリデン等のような塩素含有樹脂の被覆が形成された樹
脂被覆鋼材であり、これには塩素含有樹脂被覆鋼板や塩
素含有樹脂被覆鋼管をはじめとするあらゆる形態の塩素
含有樹脂被覆鋼材が含まれ、また、廃棄物としての形状
や形態も問わない。
【0021】また、上記[4]の原料化処理法のように、
被処理材中には塩素含有樹脂被覆鋼材とともに、適量の
塩素含有樹脂材(樹脂単味材)や鋼材以外の素材と塩素
含有樹脂との複合材等を含むことを妨げず、また、同じ
く適量であれば塩素含有樹脂以外の樹脂材、不燃物等を
含むことを妨げない。本発明により得られた複合原料
は、高炉やスクラップ溶解炉等の鉄源−鉄源還元剤(ま
たは燃料)複合原料として好適に利用できるほか、他の
あらゆる種類の炉(溶解炉、燃焼炉等)の原料として利
用できる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明法の一実施形態を示
すもので、1は被処理材である塩素含有樹脂被覆鋼材
(または塩素含有樹脂被覆鋼材を含む被処理材)の破砕
装置、2は破砕された被処理材を加熱処理し、塩素含有
樹脂被覆中に含まれる塩素分の除去を行うためのロータ
リーキルン炉、3は加熱処理後の被処理材を供給して被
処理材中の樹脂残渣を解砕するための破砕装置(または
解砕装置)、4はこの破砕(解砕)処理後の被処理材を
篩い分けするための篩分装置、5はロータリーキルン炉
で発生した塩化水素ガスを塩酸として回収するための塩
酸回収装置である。
【0023】前記破砕装置1は、塩素含有樹脂被覆鋼板
や塩素含有樹脂被覆鋼管等の塩素含有樹脂被覆鋼材から
なる被処理材またはこれら鋼材を含む被処理材を受け入
れ、この被処理材をロータリーキルン炉2に供給可能な
サイズまで破砕する。なお、被処理材である塩素含有樹
脂被覆鋼材が元々小片状または細片状であり、そのまま
でロータリーキルン炉への供給が可能な場合や、受け入
れられる際に既に破砕処理されている場合には、前記破
砕装置1による破砕処理は行う必要はない。したがっ
て、以下に述べる塩素含有樹脂被覆鋼材の“破砕物”な
いし“破砕片”とは、上記のような形態で受け入れられ
る塩素含有樹脂被覆鋼材をも含む意味で用いる。
【0024】破砕された被処理材はロータリーキルン炉
2に供給され、ここで加熱することにより塩素含有樹脂
被覆鋼材の塩素含有樹脂被覆(但し、塩素含有樹脂単味
材や塩素含有樹脂と他の素材との複合材が含まれる場合
には、これらの塩素含有樹脂も含めた塩素含有樹脂)を
熱分解させ、樹脂中の塩素分を塩化水素として脱離させ
る。この処理により樹脂残渣と鋼材の破砕片とからなる
複合原料(但し、被処理材に不可避的に混入する鋼材片
以外の金属片、不燃物、塩素含有樹脂以外の樹脂材等が
含まれる場合がある)が得られる。
【0025】このようにして得られた複合原料はそのま
ま炉原料として利用してもよいが、複合原料中の樹脂残
渣の一部が互いに凝着したり、或いは樹脂残渣が鋼材破
砕片に凝着したりして、例えば炉への気送供給や炉内吹
き込みに支障をきたすような事態を避けるため、本実施
形態では、脱塩素処理を経て得られた複合原料を破砕装
置3で解砕処理(樹脂残渣の解砕)する。この処理を経
た複合原料は、炉原料として利用可能なサイズに調整す
るため篩分装置4で篩い分けされ、その篩下の複合原料
のみが炉原料として利用される。また、篩上の複合原料
は破砕装置3に返送され、再度解砕処理がなされる。
【0026】一方、ロータリーキルン炉2で発生した塩
化水素ガスは塩酸回収設備5に送られ、公知の手段によ
り塩酸として回収される。なお、塩化水素ガスはアルカ
リまたはアルカリ土類と反応させて中和処理することも
できる。ロータリーキルン炉2内における塩素含有高分
子樹脂被覆鋼材の加熱温度は250〜350℃、望まし
くは300℃前後とすることが好ましい。加熱温度が2
50℃未満では塩化水素の脱離反応が効率的に行われ
ず、一方、350℃を越えるとガス状および液状炭化水
素の熱分解が起こりはじめる。
【0027】上記のようなロータリーキルン炉2を用い
た塩素含有樹脂被覆鋼材の脱塩素処理においては、塩素
含有樹脂被覆鋼材の破砕物を構成する鋼材破砕片そのも
のが熱媒体となるため、熱媒体を別途供給しなくても処
理が可能であり、また、仮に炉原料用としては好ましく
ない熱媒体を別途供給するとしても、処理後に熱媒体の
分離除去を行わなくても炉原料として支障がない程度の
供給量で済み、このため熱媒体の分離除去や熱媒体によ
る炉原料特性の劣化等の問題を考慮することなく、塩素
含有樹脂被覆鋼材の原料化処理を実施することができ
る。また、先に述べたような塩素含有樹脂被覆鋼材を被
処理材とした場合の特有の作用効果、すなわち、下記
(イ)〜(ニ)のような特有の作用効果が得られる。
【0028】(イ) 塩素含有樹脂被覆鋼材の破砕物の多
くは鋼材の破砕片に被覆樹脂材が付着したままの状態で
あるため、熱媒体である鋼材から樹脂への熱伝導性が極
めて良く、これにより高い脱塩素効率が得られる。この
ため被覆樹脂材が薄肉であることと相俟って、塩素含有
樹脂被覆の脱塩素処理が比較的短い時間で完了し、これ
によって樹脂の炉内壁への付着や炉内での塊状化を抑制
できる。また、処理温度を比較的低くすることも可能で
あるため、樹脂の熱分解による低級炭化水素ガスの発生
も抑制できる。 (ロ) 塩素含有樹脂被覆鋼材を構成する樹脂被覆は鋼材
の破砕片に薄肉状に接着されており、このような形態の
樹脂は炉内壁面への付着や塊状化を生じにくい。 (ハ) 鋼材の破砕片には、ロータリーキルン炉内壁に付
着した樹脂を掻き落す効果があり、この面からも樹脂の
炉内壁面への付着、成長を抑制できる。
【0029】(ニ) 鋼材の破砕片そのものが熱媒体とな
るため、砂などの熱媒体を大量に用いた場合のような熱
媒体の偏析による問題を生じない。このため熱媒体の偏
析に起因する脱塩素効率の低下がなく、この面からも脱
塩素効率の向上が図られる。したがって、上記(イ)で述
べた作用と相俟って、処理の効率化と処理時間の短縮化
によって樹脂の炉内壁への付着や炉内での塊状化がより
効果的に抑制できる。同様に、処理温度を比較的低くす
ることで、樹脂の熱分解による低級炭化水素ガスの発生
を抑制できる効果も向上する。したがって、以上の
(イ)〜(ニ)の作用効果が得られる結果、樹脂が炉内
壁に付着したり或いは炉内部で塊状化したりすることな
く、塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理が適切且つ効率
的に行われる。
【0030】上述したようにロータリーキルン炉を用い
た原料化処理では、塩素含有樹脂被覆鋼材を構成する鋼
材の破砕片そのものが熱媒体となるため、基本的には熱
媒体を別途供給しなくても処理が可能であるが、処理効
率をさらに向上させるために被処理材とともに適量の熱
媒体を供給してもよい。この場合、熱媒体としては炉の
鉄源、鉄源還元剤、燃料または副原料として使用できる
1種以上の粉粒状または小片状の固形物を用いることが
好ましく、これによって処理を終えた被処理材からの熱
媒体の分離除去や熱媒体による炉原料特性の劣化等の問
題を考慮することなく、そのまま炉原料として用いるこ
とができる。そのような熱媒体に適した固形物として
は、粉コークス、粉鉱石、焼結粉、鉄スクラップ(通
常、スクラップの破砕片)等が挙げられ、これらのうち
の1種以上を熱媒体として用いることが好ましい。ま
た、ロータリーキルン炉内での熱媒体の偏析を防止して
加熱効率を向上させるためには、熱媒体の粒径や比重が
塩素含有樹脂被覆鋼材等の被処理材になるべく近い方が
好ましく、このような観点からは熱媒体として鉱石、鉄
スクラップ等を使用することが最も好ましい。
【0031】以下、ロータリーキルン炉を用いた被処理
材の処理形態の構成例について説明する。図2及び図3
はロータリーキルン炉2を用いた処理形態の一例を示す
もので、6はロータリーキルン本体であり、このロータ
リーキルン本体6は耐火物7と鉄皮8とからなり、内部
が被処理材を移送しつつ加熱処理するための通路9を構
成している。
【0032】このロータリーキルン本体6の通路9に
は、その一端側から被処理材(熱媒体を供給した場合に
は被処理材+熱媒体、以下同様)が供給されるととも
に、熱源として加熱ガスが供給される。この加熱ガスは
キルン全体を加熱するとともに、被処理材を加熱する。
被処理材はキルンの回転により撹拌されつつ(熱媒体を
供給した場合には熱媒体と混合されつつ)加熱され、こ
の加熱によって被処理材である塩素含有樹脂被覆鋼材の
樹脂被覆中の塩素分が塩化水素として脱離する反応が生
じ、塩化水素ガスが発生する。通路9を流れた加熱ガス
と塩素含有樹脂から脱離した塩化水素ガスは通路9の他
端側から排出され、一方、脱塩素処理が完了した樹脂残
渣と鋼材破砕片とからなる複合原料は(熱媒体を用いて
いる場合は熱媒体とともに)キルン外に排出される。
【0033】図4は図2及び図3に示す方式のロータリ
ーキルン炉2のより具体的な構成例を示すもので、通路
9を有するロータリーキルン本体6の一端側には、供給
口11を備えた材料供給用のスクリューフィーダ10と
加熱ガス(熱風)を供給するための熱風導管12が接続
されている。また、ロータリーキルン本体6の他端側に
は得られた複合原料と排ガスの排出装置13が設けられ
ている。この排出装置13は、その下部に複合原料の排
出口14を、また上部に排ガス排出口15を有してい
る。その他図面において、16は熱風発生機、17はス
クリューフィーダ10の駆動モータである。
【0034】このようなロータリーキルン炉2では、ス
クリューフィーダー10を通じて被処理材(熱媒体を供
給した場合には被処理材+熱媒体、以下同様)がロータ
リーキルン本体6の一端側から通路9内に供給されると
ともに、熱風導管12から加熱ガスが供給される。通路
9内では上述したようにして被処理材の脱塩素処理がな
され、排ガス(加熱ガス+塩化水素ガス)と処理が完了
した樹脂残渣と鋼材破砕片とからなる複合原料(熱媒体
を用いている場合は熱媒体とともに)は、ロータリーキ
ルン本体6の他端側の排出装置13に排出され、排ガス
は上部の排ガス排出口15から、また複合原料は下部の
排出口14から、それぞれ排出される。なお、複合原料
と熱媒体のロータリーキルン本体6への供給は、それぞ
れ別々の供給装置を用いて行ってもよい。
【0035】図5及び図6、図7及び図8、図9はそれ
ぞれロータリーキルン炉2を用いた処理形態の他の構成
例を示すもので、これらはロータリーキルン本体が外管
とその内部に配置される内管とからなり、内管内を被処
理樹脂材用の通路とし、内管と外管間の空間を加熱ガス
用の通路としたロータリーキルン炉を用いる共通の特徴
を有している。
【0036】すなわち、図2および図3に示すような単
管方式のロータリーキルン炉(ロータリーキルン本体が
単管構造の炉)を用いた原料化処理では、発生した塩化
水素が加熱ガスと混合した状態で炉外に排出され、しか
もこの排出ガスは膨大な量であるため、排出ガスから塩
化水素を分離除去するための大規模な設備が必要とな
る。また、塩化水素は350℃を超えるような高温域以
外に150℃以下の温度域でも高い腐食性を示すという
特徴がある。そして、図2および図3に示すような単管
方式のロータリーキルン炉では、壁体を構成する耐火物
の内壁面の温度は処理温度と略同等であるが、壁体の外
側は常温であるため耐火物の厚さ方向で温度勾配が生
じ、鉄皮内面付近が露点(150℃)以下となり、この
ため、耐火物内部に浸透した塩化水素により鉄皮等が腐
食する恐れがある。
【0037】これに対し、上記のような特徴を有する図
5〜図9に示すロータリーキルン炉では、発生した塩化
水素ガスを加熱ガスと混合させることなく取り出すこと
ができ、このため排出ガスの処理に要する設備コストや
処理コストを単管方式のロータリーキルン炉に較べて大
幅に低減させることができ、また、塩化水素ガスが発生
する内管全体を加熱ガスで加熱する構造であるため、内
管全体の温度を、塩化水素が強い腐食性を示す150℃
以下の温度域よりも高い温度域に維持することができ、
このため発生した塩化水素ガスによる装置、特に内管各
部の腐食を適切に防止することができる。
【0038】まず、図5及び図6に示すロータリーキル
ン炉2において、18はロータリーキルン本体、19は
これを構成する外管、20は同じく内管であり、この内
管20は外管19の内部長手方向に外管19と略同芯状
に配置されている。そして、内管20の内部が被処理材
の通路21(処理用空間)を構成し、また外管19と内
管20の間の空間が加熱ガスの通路22を構成してい
る。
【0039】また、通路21を形成している内管20の
一端側には、供給口24を備えた材料供給用のスクリュ
ーフィーダ23が接続され、一方、他端側には処理後に
得られた複合原料と排ガスの排出装置25が設けられて
いる。この排出装置25は、その下部に複合原料の排出
口28を、また上部に排ガス排出口29を有している。
また、内管20との間で通路22を形成している外管1
9の一端側には、加熱ガス(熱風)を供給するための熱
風導管26が接続されるとともに、他端側には加熱ガス
の排出口27が設けられている。その他図面において、
30はスクリューフィーダ23の駆動モータである。
【0040】また、図7および図8は内管等の構成が異
なる他の構成例を示すもので、図5および図6では外管
内に単一の内管を配置した構造としたのに対し、外管1
9内に複数の内管20a〜20cを設けたものである。
なお、外管19内に配置する内管20の数は任意であ
る。このような構造では、内管を複数本設けるためにそ
れだけ伝熱面積が大きくなり、このため通路22を流れ
る加熱ガスから内管内への熱伝達が効率的に行える利点
があり、また、例えば被処理材と熱媒体の配合比や種類
を各内管毎に変えることもできる。また、図9は他の構
成例を示すもので、内管20の内部にガス導管31を配
置し、被処理材の加熱効率をさらに高めることができる
ようにしたものである。なお、このようなガス導管は図
7および図8の装置の内管20a〜20c内にも配置す
ることができる。
【0041】以上述べた図5ないし図9のロータリーキ
ルン炉2においては、実質的に内管20,20a〜20
cがその周方向で回転しさえすれば、被処理材の原料化
処理を何ら支障なく行うことができる。したがって、上
記各装置では、外管19を含めたロータリーキルン本体
18の全体をその周方向で回転可能に構成してもよい
が、内管20,20a〜20cのみをその周方向で回転
可能に構成してもよい。また、図7および図8のロータ
リーキルン炉の場合には、内管20a〜20cを一体的
に回転(したがって、この場合にはロータリーキルン本
体18を回転させる場合と同様、個々の内管は偏心回転
する)させてもよいし、また、各内管20a〜20cを
個別に回転させてもよい。
【0042】図5ないし図9に示すロータリーキルン炉
2では、スクリューフィーダー23を通じて被処理材
(熱媒体を供給した場合には被処理材+熱媒体、以下同
様)が通路21内に供給されるとともに、熱風導管26
から通路22内に加熱ガスが供給される。通路22に供
給された加熱ガスは、内管20,20a〜20cの全体
を加熱し、その管壁を通じて被処理材が加熱される。通
路22を流れた加熱ガスは排出口27から排出される。
【0043】一方、内管20,20a〜20c内部の通
路21に供給された被処理材は、内管20,20a〜2
0cの回転によって撹拌されつつ(熱媒体を供給した場
合には熱媒体と混合されつつ)且つ通路21内を移送さ
れつつ加熱され、この加熱によって被処理材に含まれる
塩素含有樹脂被覆鋼材の樹脂被覆中の塩素分が塩化水素
として脱離し、塩化水素ガスが発生する。この塩化水素
ガスを含む排ガスと脱塩素処理が完了した樹脂残渣と鋼
材破砕片とからなる複合原料(熱媒体を用いている場合
は熱媒体とともに)は排出装置25に排出され、排ガス
は上部の排ガス排出口29から、また複合原料は下部の
排出口28から、それぞれ排出される。したがって、塩
素含有樹脂の加熱によって発生した塩化水素ガスは加熱
ガスと混合することなく回収される。
【0044】なお、被処理材を通路21内で円滑に移動
させるため、通路21内に少量のキャリアガス(エア
等)を通気させることができる。また、被処理材と熱媒
体のロータリーキルン本体18への供給は、それぞれ別
々の供給装置を用いて行ってもよい。以上の述べたロー
タリーキルン炉では、内部で塩化水素が発生する内管2
0,20a〜20cの外側を加熱ガスが流れ、したがっ
て内管全体が上述した250〜350℃程度の温度とな
るため、塩化水素ガスが接触する部分には、塩化水素に
よる腐食作用が大きい150℃以下の温度領域は存在し
ない。したがって、塩化水素ガスによる炉壁等の腐食、
特に内管各部の腐食が適切に防止される。
【0045】
【実施例】図5及び図6に示すロータリーキルン炉2を
備えた図1に示す設備において、塩素含有樹脂被覆鋼板
の原料化処理を実施した。本実施例では、ロータリーキ
ルン炉2の通路21に微量の不活性ガス(キャリアガ
ス)を通気させた。なお、ロータリーキルン炉2の装置
構成は以下の通りである。 内管の内径:150mmφ×1500mmL 装置全体の傾斜角度:3°
【0046】また、脱塩素率および分解率は、原料化処
理して得られた複合原料(樹脂残渣+鋼材破砕片)の組
成に基づき、以下の式により求めた。 脱塩素率=100×{1−(樹脂の熱分解残渣中の塩素
量)/(供給された塩素含有樹脂被覆鋼板中の塩素
量)} 分解率={1−(複合原料中の鋼板及び塩素以外の可燃
物量)/(供給した塩素含有樹脂被覆鋼板中の塩素以外
の可燃物量)}×100
【0047】[実施例1]塩素含有樹脂被覆鋼板を破砕
装置により粒径10〜20mmに破砕処理した。この破
砕物は塩化ビニル樹脂の含有量が27重量%(塩化ビニ
ル樹脂の塩素含有率:34重量%)であった。これを熱
媒体を用いることなくロータリーキルン炉2(キルン回
転数:4rpm)に供給し、原料化処理を実施した。こ
のロータリーキルン炉2での加熱温度は320℃とし、
スクリューフィーダ23から塩素含有樹脂被覆鋼板の破
砕物を2.0kg/hの割合で炉内に供給した。
【0048】[実施例2]実施例1と同じ破砕物を熱媒
体を用いることなくロータリーキルン炉2(キルン回転
数:4rpm)に供給し、原料化処理を実施した。この
ロータリーキルン炉2での加熱温度は340℃とし、ス
クリューフィーダ23から塩素含有樹脂被覆鋼板の破砕
物を3.0kg/hの割合で炉内に供給した。
【0049】[実施例3]実施例1と同じ破砕物を固体
熱媒体とともにロータリーキルン炉2(キルン回転数:
4rpm)に供給し、原料化処理を実施した。固体熱媒
体としては粒径が10〜20mmのコークスを用い、破
砕物と固体熱媒体の混合割合は重量比で破砕物/固体熱
媒体:4/1とした。ロータリーキルン炉2での加熱温
度は320℃とし、スクリューフィーダ23から塩素含
有樹脂被覆鋼板の破砕物を2.0kg/h、固体熱媒体
を0.5kg/hの割合で炉内に供給した。
【0050】[実施例4]実施例1と同じ破砕物を固体
熱媒体とともにロータリーキルン炉2(キルン回転数:
4rpm)に供給し、原料化処理を実施した。固体熱媒
体としては粒径が10〜20mmのコークスを用い、破
砕物と固体熱媒体の混合割合は重量比で破砕物/固体熱
媒体:2/1とした。ロータリーキルン炉2での加熱温
度は340℃とし、スクリューフィーダ23から塩素含
有樹脂被覆鋼板の破砕物を2.0kg/h、固体熱媒体
を1.0kg/hの割合で炉内に供給した。
【0051】[実施例5]実施例1と同じ破砕物を固体
熱媒体とともにロータリーキルン炉2(キルン回転数:
4rpm)に供給し、原料化処理を実施した。固体熱媒
体としては粒径が10〜20mmのコークスを用い、破
砕物と固体熱媒体の混合割合は重量比で破砕物/固体熱
媒体:4/1とした。ロータリーキルン炉2での加熱温
度は300℃とし、スクリューフィーダ23から塩素含
有樹脂被覆鋼板の破砕物を2.0kg/h、固体熱媒体
を0.5kg/hの割合で炉内に供給した。以上の実施
例1〜実施例5の結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】[実施例6]実施例1と同じ破砕物を熱媒
体を用いることなくロータリーキルン炉2(キルン回転
数:4rpm)に供給し、破砕物のキルン内滞留時間を
変えて原料化処理を実施した。この実施例ではロータリ
ーキルン炉2での加熱温度を320℃とし、キルン内へ
の破砕物の供給量を5.0kg/hとした。
【0054】[実施例7]実施例1と同じ破砕物を熱媒
体を用いることなくロータリーキルン炉2(キルン回転
数:4rpm)に供給し、キルン内での加熱温度を変え
て原料化処理を実施した。この実施例では、ロータリー
キルン炉2への破砕物の供給量を5.0kg/hとし、
破砕物のキルン内での滞留時間を7.5分とした。
【0055】以上の実施例6及び実施例7の結果を図1
0及び図11に示す。これによれば、例えば、キルン内
温度(加熱温度)が320℃程度で被処理材(破砕物)
のキルン内滞留時間を15分以上確保することにより、
塩素含有樹脂の脱塩素処理を高効率で行い得ることが判
る。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、塩素
含有樹脂被覆鋼材を樹脂中の塩素分による問題を生じさ
せることなく低コストに処理し、且つ再利用資源として
原料化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す説明図
【図2】本発明におけるロータリーキルン炉による被処
理材の処理形態の一構成例を示す説明図
【図3】図2に示すロータリーキルン炉の横断面図
【図4】図2に示す被処理材の処理形態のより具体的な
構成例を示す説明図
【図5】本発明におけるロータリーキルン炉による被処
理材の処理形態の他の構成例を示す説明図
【図6】図5に示すロータリーキルン炉の横断面図
【図7】図5に示す被処理材の処理形態において用いら
れるロータリーキルン炉の他の構造例を示す縦断面図
【図8】図7のロータリーキルン炉の横断面図
【図9】図5に示す被処理材の処理形態において用いら
れるロータリーキルン炉の他の構造例を示す横断面図
【図10】実施例6における被処理材のキルン内での滞
留時間と塩素含有樹脂の脱塩素率との関係を示すグラフ
【図11】実施例7におけるキルン内での加熱温度(キ
ルン出口温度)と塩素含有樹脂の脱塩素率との関係を示
すグラフ
【符号の説明】
1…破砕装置、2…ロータリーキルン炉、3…破砕装
置、4…篩分装置、5…塩酸回収装置、6…ロータリー
キルン本体、7…耐火物、8…鉄皮、9…通路、10…
スクリューフィーダ、11…供給口、12…熱風導管、
13…排出装置、14…排出口、15…排ガス排出口、
16…熱風発生機、17…駆動モータ、18…ロータリ
ーキルン本体、19…外管、20,20a,20b,2
0c…内管、21,22…通路、23…スクリューフィ
ーダ、24…供給口、25…排出装置、26…熱風導
管、27…排出口、28…排出口、29…排ガス排出
口、30…駆動モータ、31…ガス導管
フロントページの続き (72)発明者 冨岡 浩一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 浅川 幸彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22B 1/00 B09B 3/00 C21C 5/56 B29B 17/00 C21B 5/00,7/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素含有樹脂被覆鋼材を含む被処理材を
    ロータリーキルン炉内に供給して加熱し、塩素含有樹脂
    を熱分解させて樹脂中の塩素分を塩化水素として離脱さ
    せ、該加熱処理により塩素分が除去された樹脂残渣と鋼
    材と含む被処理材を炉原料として用いることを特徴とす
    る塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理方法。
  2. 【請求項2】 ロータリーキルン炉から排出された塩素
    水素を含む排ガスを処理して塩酸として回収することを
    特徴とする請求項1に記載の塩素含有樹脂被覆鋼材の原
    料化処理方法。
  3. 【請求項3】 ロータリキルン本体が外管とその内部に
    配置される内管とからなり、内管内を被処理材用通路と
    し、内管と外管間の空間を加熱ガス用通路とした外熱式
    のロータリキルン炉を用い、前記被処理材用通路に塩素
    含有樹脂被覆鋼材を含む被処理材を供給するとともに、
    加熱ガス用通路に加熱ガスを供給して被処理材用通路内
    の被処理材を加熱することを特徴とする請求項1または
    2に記載の塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理方法。
  4. 【請求項4】 被処理材が、塩素含有樹脂被覆鋼材とと
    もに塩素含有樹脂材および/または鋼材以外の素材と塩
    素含有樹脂との複合材を含むことを特徴とする請求項
    1、2または3に記載の塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化
    処理方法。
  5. 【請求項5】 ロータリーキルン炉に熱媒体を供給する
    ことなく被処理材の加熱を行うことを特徴とする請求項
    1、2、3または4に記載の塩素含有樹脂被覆鋼材の原
    料化処理方法。
  6. 【請求項6】 ロータリーキルン炉内に被処理材ととも
    に熱媒体を供給し、この熱媒体として、炉の鉄源、鉄源
    還元剤、燃料または副原料等として使用できる粉粒状ま
    たは小片状の固形物を用いることを特徴とする請求項
    1、2、3または4に記載の塩素含有樹脂被覆鋼材の原
    料化処理方法。
  7. 【請求項7】 熱媒体として、粉コークス、粉鉱石、焼
    結粉および鉄スクラップの中から選ばれる1種以上を用
    いることを特徴とする請求項6に記載の塩素含有樹脂被
    覆鋼材の原料化処理方法。
  8. 【請求項8】 ロータリキルン炉からなる処理装置であ
    って、装置本体を外管とその内部に配置される内管とか
    ら構成し、内管内を被処理材用通路とするとともに、内
    管と外管間の空間を加熱ガス用通路としたことを特徴と
    する塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理装置。
  9. 【請求項9】 装置本体を、外管とその内部に配置され
    る単一の内管とから構成したことを特徴とする請求項8
    に記載の塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理装置。
  10. 【請求項10】 装置本体を、外管とその内部に配置さ
    れる複数の内管とから構成したことを特徴とする請求項
    8に記載の塩素含有樹脂被覆鋼材の原料化処理装置。
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