JPH1147715A - 塩素含有樹脂の処理方法 - Google Patents

塩素含有樹脂の処理方法

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JPH1147715A
JPH1147715A JP21998597A JP21998597A JPH1147715A JP H1147715 A JPH1147715 A JP H1147715A JP 21998597 A JP21998597 A JP 21998597A JP 21998597 A JP21998597 A JP 21998597A JP H1147715 A JPH1147715 A JP H1147715A
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稔 浅沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータリーキルンを用いた塩素含有樹脂の脱
塩素処理において、樹脂残渣のキルン内壁への付着を防
止しつつ、高い処理効率で脱塩素処理を行う。 【解決手段】 特定の構造を有する外部加熱方式のロー
タリーキルンを用い、キルン内に塩素含有樹脂を含む被
処理材とともに粉粒物からなる固体熱媒体を供給して塩
素含有樹脂の処理を行う脱塩素処理方法であって、被処
理材と固体熱媒体の平均粒径比をA、供給比をBとした
場合に、B≦4.5を満足し、且つB≧0.5の場合に
下記(1)式を満足するよう固体熱媒体を供給し、より好
ましくはB≧0.5を満足するよう固体熱媒体を供給
し、被処理材の脱塩素処理を行う。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ロータリーキルン
を用いて塩素含有樹脂を脱塩素処理するための処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業廃棄物や一般廃棄物としてプ
ラスチック等の合成樹脂類が急増しており、その処理が
社会的に大きな問題となっている。なかでも高分子系の
炭化水素化合物であるプラスチックは燃焼時に発生する
発熱量が高く、一般焼却炉で焼却処理した場合に炉壁等
を傷めることから大量処理が困難であり、その多くはご
み埋立て地等に投棄されているのが現状である。しか
し、プラスチック等の投棄は環境対策上好ましくなく、
また、昨今では埋立用の用地不足が社会問題となりつつ
あり、このため投棄によらない合成樹脂類の大量処理方
法の開発が切望されている。
【0003】このような背景の下、プラスチック等の合
成樹脂類を高炉等の補助燃料あるいは鉄源の還元剤とし
て用いる方法が、例えば特表平8−507105号公報
及び特公昭51−33493号公報に示されている。し
かし、廃棄合成樹脂類中には塩化ビニル等の塩素含有樹
脂が平均して約15%も含まれると言われており、この
ような合成樹脂類を高炉等に供給した場合には、塩素含
有樹脂の熱分解や燃焼により多量の有害ガス(塩化水素
ガス)が発生するとともに、ダイオキシン等の有害物質
が生成し、著しい環境汚染を生じさる。したがって、こ
のような問題を防止するためには、事前に合成樹脂類か
ら塩素含有樹脂を分離し、この塩素含有樹脂から塩素分
を除去(脱塩素処理)する必要がある。
【0004】従来、塩素含有樹脂を脱塩素処理するため
の方法として、ロータリーキルンを用いて塩素含有樹脂
を加熱し、樹脂を熱分解させて塩素分を塩化水素の形で
脱離させる方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このロータリ
ーキルン方式の脱塩素処理方法では、ロータリーキルン
の内壁に熱分解後の樹脂残渣が付着して脱塩素効率が著
しく低下するとともに、キルン内壁に樹脂残渣が付着、
成長することにより短時間で操業不能に陥るという問題
がある。
【0006】また、従来知られているような単管式のロ
ータリーキルンを用いた塩素含有樹脂の脱塩素処理、す
なわち単管式のロータリーキルン内部に加熱ガスを流し
て塩素含有樹脂を直接加熱する方式では、発生した塩化
水素が加熱ガスと混合した状態で炉外に排出され、しか
もこの排出ガスは膨大な量であるため、排出ガスから塩
化水素を分離除去するための大規模な設備が必要とな
る。また、塩化水素は350℃を超えるような高温域以
外に150℃以下の温度域でも高い腐食性を示すという
特徴がある。そして、上記のような単管方式のロータリ
ーキルンでは、炉壁を構成する耐火物の内壁面の温度は
処理温度と略同等であるが、炉壁の外側は常温であるた
め耐火物の厚さ方向で温度勾配が生じ、鉄皮内面付近が
露点(150℃)以下となり、このため耐火物内部に浸
透した塩化水素により鉄皮等が腐食する恐れがある。
【0007】このような問題に対して本発明者らは、以
下に述べるような外部加熱方式のロータリーキルンを用
いた塩素含有樹脂の新たな処理方法を創案した。この処
理方法は、ロータリキルン本体が外管とその内部に配置
される内管とからなり、内管内を被処理材用通路とし、
内管と外管間の空間を加熱ガス用通路としたロータリー
キルンを用い、前記被処理材用通路に塩素含有樹脂を含
む被処理材及び固体熱媒体(被処理材を均一に加熱する
ために供給される熱媒体)を供給するとともに、加熱ガ
ス用通路に加熱ガスを供給して被処理材用通路内の被処
理材を内管を介して加熱することにより塩素含有樹脂の
脱塩素処理を行う方法である。
【0008】この方法によれば、発生した塩化水素ガス
を加熱ガスと混合させることなく取り出すことができ、
このため排出ガスの処理に要する設備コストや処理コス
トを単管方式のロータリーキルンに較べて大幅に低減さ
せることができる。また、塩化水素ガスが発生する内管
全体を加熱ガスで加熱する構造であるため、内管全体の
温度を、塩化水素が強い腐食性を示す150℃以下の温
度域よりも高い温度域に維持することができ、このため
発生した塩化水素による装置、特に内管各部の腐食を適
切に防止することができる利点がある。
【0009】しかし、このような外部加熱方式のロータ
リーキルンを用いた塩素含有樹脂の脱塩素処理では、被
処理材用通路を構成する内管全体が加熱状態にあるた
め、キルン内壁への樹脂残渣の付着、成長が特に生じや
すいという問題がある。従来、ロータリーキルン内壁へ
の樹脂残渣の付着防止対策としては、例えば、予めキル
ン内部に油を供給して処理を行う方法が特開昭50−1
27981号公報で提案されている。しかし多くの場
合、供給された油は処理温度において安定な状態を維持
できないため、供給した油がコーキングによりキルン内
壁に付着して伝熱面積を減少させ、加熱ガスからの伝熱
効率の低下により脱塩素効率の低下を招いてしまう。ま
た、脱塩素処理温度で安定な油は高価であり、処理コス
トの面で問題がある。
【0010】したがって本発明の目的は、上述したよう
な特定の構造を有する外部加熱方式のロータリーキルン
を用いて塩素含有樹脂の処理を行う新たな脱塩素処理方
法において、樹脂残渣のキルン内壁への付着を効果的に
防止しつつ、高い処理効率で脱塩素処理を行うことがで
きる塩素含有樹脂の処理方法を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、脱塩素処理後の樹脂残渣から
固体熱媒体を分離することなく、そのまま炉原料(燃料
または銑源還元剤等)として用いることを可能とする塩
素含有樹脂の処理方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの課
題を解決するため、樹脂残渣のキルン内壁への付着性に
影響を及ぼす要因について検討を行い、その結果、被処
理材に対する固体熱媒体の粒径比と供給比(混合比)が
重要であり、これらを所定の範囲に規制することにより
樹脂残渣のキルン内壁への付着率を効果的に低減できる
ことを見い出した。
【0012】さらに、脱塩素処理後の樹脂残渣を固体熱
媒体と分離することなくそのまま炉原料として用いると
いう観点から、固体熱媒体に好適な素材について検討し
た結果、炉の鉄源、鉄源還元剤、燃料または副原料とし
て使用できる粉粒物、例えばコークス、鉄鉱石、焼結
鉱、熱硬化性樹脂等の粉粒物が固体熱媒体として極めて
好適な素材となり得ることが判った。本発明はこれらの
知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りで
ある。
【0013】[1] 塩素含有樹脂を含む被処理材を固体熱
媒体とともにロータリーキルンに供給して加熱し、塩素
含有樹脂を熱分解させて樹脂中の塩素分を塩化水素とし
て離脱させ、塩素が除去された熱分解樹脂残渣を回収す
る方法において、ロータリキルン本体が外管とその内部
に配置される内管とからなり、内管内を被処理材用通路
とし、内管と外管間の空間を加熱ガス用通路としたロー
タリーキルンを用い、前記被処理材用通路に塩素含有樹
脂を含む被処理材及び粉粒物からなる固体熱媒体を供給
するとともに、加熱ガス用通路に加熱ガスを供給して被
処理材用通路内の被処理材を加熱することにより塩素含
有樹脂の脱塩素処理を行う方法であって、被処理材用通
路に供給すべき被処理材と固体熱媒体の平均粒径比[被
処理材の平均粒径/固体熱媒体の平均粒径]をA、被処
理材と固体熱媒体の重量比での供給比[被処理材の供給
量/固体熱媒体の供給量]をBとした場合に、B≦4.
5を満足し、且つB≧0.5の場合に下記(1)式を満
足するよう固体熱媒体を供給して被処理材の脱塩素処理
を行うことを特徴とする塩素含有樹脂の処理方法。
【数2】
【0014】[2] 上記[1]の処理方法において、B≧
0.5を満足するよう固体熱媒体を供給して被処理材の
脱塩素処理を行うことを特徴とする塩素含有樹脂の処理
方法。 [3] 上記[1]または[2]の処理方法において、供給される
固体熱媒体のうち、80重量%以上が粒径10mm以下
の粉粒物であることを特徴とする塩素含有樹脂の処理方
法。 [4] 上記[1]〜[3]のいずれかの処理方法において、被処
理材が塩素含有樹脂のみからなることを特徴とする塩素
含有樹脂の処理方法。
【0015】[5] 上記[1]〜[4]のいずれかの処理方法に
おいて、固体熱媒体が、炉の鉄源、鉄源還元剤、燃料ま
たは副原料として使用できる粉粒物の中から選ばれる1
種以上の粉粒物からなることを特徴とする塩素含有樹脂
の処理方法。 [6] 上記[5]の処理方法において、固体熱媒体が、コー
クス、鉄鉱石、焼結鉱及び熱硬化性樹脂の中から選ばれ
る1種以上の粉粒物からなることを特徴とする塩素含有
樹脂の処理方法。 [7] 上記[6]の処理方法において、固体熱媒体がコーク
ス及び熱硬化性樹脂の中から選ばれる1種以上の粉粒物
からなることを特徴とする塩素含有樹脂の処理方法。
【0016】本発明では、被処理材に塩素含有樹脂以外
の樹脂類、塩素含有樹脂と他の素材との複合材、樹脂以
外の素材が含まれることを妨げない。なお、本発明にお
いて固体熱媒体として用いる粉粒物とは、粉状物、粒状
物(微粒状および/または粗粒状の粒状物)またはこれ
らの混合物を意味する。また、本発明において被処理材
及び固体熱媒体の粒径とは、これら対象物の最も広い断
面における断面積を真円に換算した際の当該真円の直径
と定義する。また、被処理材及び固体熱媒体の平均粒径
とは調和平均粒径を意味する。
【0017】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は本発明法に用い
られるロータリーキルン方式の脱塩素処理設備の一実施
形態を示すもので、この設備はロータリーキルン本体が
外管とその内部に配置される内管とからなり、内管内を
被処理材用の通路とし、内管と外管間の空間を加熱ガス
用の通路としたものである。
【0018】先に述べたように、このような構造のロー
タリーキルンを用いた塩素含有樹脂の脱塩素処理では、
発生した塩化水素ガスを加熱ガスと混合させることなく
取り出すことができ、このため排出ガスの処理に要する
設備コストや処理コストを単管方式のロータリーキルン
に較べて大幅に低減させることができる。また、塩化水
素ガスが発生する内管全体を加熱ガスで加熱する構造で
あるため、内管全体の温度を、塩化水素が強い腐食性を
示す150℃以下の温度域よりも高い温度域に維持する
ことができ、このため発生した塩化水素ガスによる装
置、特に内管各部の腐食を適切に防止することができ
る。
【0019】図1ないし図3に示すロータリーキルンに
おいて、1はロータリーキルン本体、2はこれを構成す
る外管、3は同じく内管であり、この内管3は、外管2
の内部長手方向に外管2と略同芯状に配置されている。
そして、内管3の内部が被処理材の通路4(処理用空
間)を構成し、また外管2と内管3の間の空間が加熱ガ
スの通路5を構成している。
【0020】また、通路4を形成している内管3の一端
側は外管2の外方に延出し、この内管一端側には材料供
給用の定量供給装置6,7,8(スクリューフィーダ
等)が接続され、一方、内管3の他端側には処理済み材
と排ガスの排出装置9が接続されている。この排出装置
9は、その下部に処理済み材の回収ボックス10を、ま
た上部に排ガス排出口1を有している。また、内管3と
の間で通路5を形成している外管2の一端側には、加熱
ガス(熱風)を供給するための熱風供給口12が、また
他端側には加熱ガスの排出口13がそれぞれ設けられて
いる。その他図面において、14は各定量供給装置の駆
動モータである。
【0021】また、図4および図5は内管等の構成が異
なる他の構成例を示すもので、図1ないし図3では外管
内に単一の内管を配置した構造としたのに対し、外管2
内に複数の内管3a〜3cを設けたものである。なお、
外管2内に配置する内管3の数は任意である。このよう
な構造では、内管を複数本設けるためにそれだけ伝熱面
積が大きくなり、このため通路5を流れる加熱ガスから
内管内への熱伝達が効率的に行える利点があり、また、
例えば被処理材と固体熱媒体の配合比や種類を各内管毎
に変えることもできる。また、図6は他の構成例を示す
もので、内管3の内部にガス導管15を配置し、被処理
材の加熱効率をさらに高めることができるようにしたも
のである。なお、このようなガス導管は図4および図5
の装置の内管3a〜3c内にも配置することができる。
【0022】以上述べた図1ないし図6のロータリーキ
ルンにおいては、実質的に内管3,3a〜3cがその周
方向で回転しさえすれば、被処理材の脱塩素処理を何ら
支障なく行うことができる。したがって、上記各ロータ
リーキルンでは、外管2を含めたロータリーキルン本体
1の全体をその周方向で回転可能に構成してもよいが、
図1に示すように内管3のみをその周方向で回転可能に
構成してもよい。また、図4および図5のロータリーキ
ルンの場合には、内管3a〜3cを一体的に回転(した
がって、この場合にはロータリーキルン本体1を回転さ
せる場合と同様、個々の内管は偏心回転する)させても
よいし、また、各内管3a〜3cを個別に回転させても
よい。
【0023】図1ないし図6に示すロータリーキルンで
は、定量供給装置6,7,8のうちの少なくとも1つ
(本実施形態では定量供給装置6)を通じて被処理材と
固体熱媒体が通路4内に供給されるとともに、熱風導管
12から通路5内に加熱ガスが供給される。なお、被処
理材と固体熱媒体は、予め両者を混合してから通路4内
に供給もよいし、両者をそれぞれ別々に通路4内に供給
してもよい。通路5に供給された加熱ガスは、内管3,
3a〜3cの全体を加熱し、その管壁を通じて被処理材
が加熱される。通路5を流れた加熱ガスは排出口13か
ら排出される。
【0024】一方、内管3,3a〜3c内部の通路4に
供給された被処理材と固体熱媒体は、内管3,3a〜3
cの回転によって混合され且つ通路4内を移送されつつ
加熱され、この加熱によって被処理材に含まれる塩素含
有樹脂中の塩素分が塩化水素として脱離し、塩化水素ガ
スが発生する。この塩化水素ガスを含む排ガスと脱塩素
処理が完了した熱分解樹脂残渣及び固体熱媒体は排出装
置9に排出され、このうち排ガスは上部の排ガス排出口
11から排出され、また樹脂残渣と固体熱媒体は下部の
排出口を通じて回収ボックス10に回収される。したが
って、塩素含有樹脂の加熱によって発生した塩化水素ガ
スは通路5を流れる加熱ガスと混合することなく回収さ
れる。
【0025】キルン内(通路4内)における被処理材の
加熱温度は250〜350℃、望ましくは300℃前後
とすることが好ましい。加熱温度が250℃未満では塩
化水素の脱離反応が効率的に行われず、一方、350℃
を超えると樹脂材のガス状および液状炭化水素への熱分
解が起こり始める。なお、被処理材を通路4内で円滑に
移動させるため、通路4内に少量のキャリアガス(例え
ば、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス)を通気
させることができる。また、被処理材と固体熱媒体のロ
ータリーキルン本体1への供給は、それぞれ別々の供給
装置(定量供給装置6,7,8のうちの任意供給装置)
を用いて行ってもよい。
【0026】以上のような構造のロータリーキルンを用
いる脱塩素処理では、内部で塩化水素が発生する内管
3,3a〜3cの外側を加熱ガスが流れ、したがって内
管全体が上述した250〜350℃程度の温度となるた
め、塩化水素ガスが接触する部分には、塩化水素による
腐食作用が大きい150℃以下の温度領域は存在しな
い。したがって、塩化水素ガスによる炉壁等の腐食、特
に内管各部の腐食が適切に防止される。また、図1〜図
6に示した各実施形態では、被処理材等の移送方向と加
熱ガスの供給方向(ガスの流れ方向)とを同じにしてい
るが、加熱ガスの供給方向(ガスの流れ方向)を被処理
材等の移送方向と逆向きにすること(ガス向流方式)も
可能であり、これによって被処理材のより効率的な加熱
が可能となる。
【0027】本発明では、以上述べたような特定の構造
を有するロータリーキルンを用いた塩素含有樹脂の脱塩
素処理において、通路4に供給すべき被処理材(被処理
材が実質的に塩素含有樹脂のみからなる場合には、塩素
含有樹脂材)と粉粒物からなる固体熱媒体の平均粒径比
[被処理材の平均粒径/固体熱媒体の平均粒径]をA、
被処理材と固体熱媒体の重量比での供給比[被処理材の
供給量/固体熱媒体の供給量]をBとした場合に、B≦
4.5を満足し、且つB≧0.5の場合に下記(1)式
を満足するよう固体熱媒体を供給して被処理材の脱塩素
処理を行う。
【数3】
【0028】図7は、被処理材用の通路4に供給する被
処理材と固体熱媒体の平均粒径比A、被処理材と固体熱
媒体の供給比B(重量比)を種々変化させ、これらが樹
脂残渣のキルン内壁への付着率(={[樹脂残渣のキル
ン内壁への付着量]/[キルン内への樹脂材の供給
量]}×100)に及ぼす影響を調べた結果(10時間
連続試験の結果)を示している。これによれば、樹脂残
渣のキルン内壁への付着性は被処理材と固体熱媒体の平
均粒径比Aと供給比Bに依存し、B≦4.5を満足し、
且つB≧0.5の場合に上記(1)式を満足する範囲に
おいて、樹脂残渣のキルン内壁への付着率が10%以下
(実操業上、許容できる付着率の範囲)に抑えられてい
る。
【0029】ここで、B≧0.5の場合に上記(1)式
を満足する範囲において樹脂残渣の付着率が低く抑えら
れるのは、この範囲では平均粒径比Aと供給比Bとの関
係で粉粒状の固体熱媒体が溶融した樹脂材の回り(表
面)に付着して樹脂材表面が粉粒状の固体熱媒体で覆わ
れるような状態(樹脂材が固体熱媒体でまぶされるよう
な状態)が生じ易くなるためである。また同時に、樹脂
材どうしの直接的な接触、付着も抑えられるため、樹脂
どうしが融着して塊状化することも抑制される。
【0030】これに対してB>4.5の範囲では、被処
理材の供給量に対して固体熱媒体の供給量が不十分であ
るため、樹脂材表面を固体熱媒体で十分に覆うことがで
きず、このため樹脂残渣の付着率が増大してしまう。一
方、B<0.5の範囲では被処理材の供給量に対する固
体熱媒体の供給量が十分に多いため、平均粒径比Aに拘
りなく樹脂残渣の付着率は低く抑えられる。以上の理由
から本発明では、B≦4.5を満足し、且つB≧0.5
の場合に上記(1)式を満足するよう固体熱媒体を供給
することをその条件とする。なお、B<0.5の範囲は
固体熱媒体の供給量が被処理材の供給量を大きく上回る
ため処理の経済性を損うおそれがあり、したがって、経
済性の観点からはB≧0.5の範囲で固体熱媒体を供給
することが好ましい。
【0031】また、樹脂材表面への固体熱媒体の付着性
をより高めるとともに、樹脂残渣の塊状化を抑制すると
いう観点から、キルン内に供給される固体熱媒体のう
ち、80重量%以上を粒径10mm以下の粉粒物で構成
することが好ましい。なお、一般に廃棄物としての被処
理材(塩素含有樹脂を主体とする被処理材)はその形態
や大きさが種々雑多であり、このため通常は破砕処理等
により粒状または細片状にしてから脱塩素処理が施され
る。
【0032】本発明法において、被処理材とともにキル
ン内に供給される粉粒状の固体熱媒体としては、脱塩素
処理された後の樹脂残渣を固体熱媒体と分離することな
くそのまま高炉等の炉(特に、溶解炉)に供給するとい
う観点から、炉の原材料として使用可能なもの、すなわ
ち、炉の鉄源、鉄源還元剤、燃料、副原料等として使用
可能な粉粒物を用いることが好ましい。これによって、
脱塩素処理を終えた樹脂材の残渣を固体熱媒体と分離す
ることなく、そのまま溶解炉等に鉄源の還元剤や燃料と
して供給することができる。
【0033】そのような熱媒体に適した粉粒物として
は、コークス、鉄鉱石、焼結鉱、熱硬化性樹脂(例え
ば、フェノール樹脂、ユリア樹脂)等の粉粒物が挙げら
れ、これらの1種以上を固体熱媒体として使用すること
ができる。また、キルン内での固体熱媒体の著しい偏析
を防止して被処理材の加熱効率を向上させるためには、
熱媒体の比重が被処理樹脂材になるべく近い方が好まし
く、このような観点からは固体熱媒体としてコークスや
熱硬化性樹脂の粉粒物を使用することが最も好ましい。
【0034】但し、使用する固体熱媒体は上記のものに
限定されるものではなく、例えば砂や他の鉱物類等も使
用することができる。また、処理後に樹脂残渣から固体
熱媒体を分離し、これを新たな処理の固体熱媒体として
循環使用することもできる。さらに、脱塩素処理により
生じる樹脂残渣は炭素材が主体となるため、本発明の条
件に合致する限り、これを新たな処理のための固体熱媒
体として利用することもできる。したがって、キルン出
側から排出された樹脂残渣および/または固体熱媒体を
適宜に固体熱媒体として循環使用することができる。
【0035】
【実施例】図1ないし図3に示すロータリーキルンを用
いて、塩素含有率43重量%の塩素含有樹脂の脱塩素処
理を実施した。本実施例では固体熱媒体として粉コーク
スを用い、被処理材として塩素含有樹脂を2kg/h、
この被処理材供給量に対して固体熱媒体を表1に示す供
給比でそれぞれ供給し、脱塩素処理を10時間実施し
た。また、ロータリーキルン本体1の被処理材用通路4
には微量の不活性ガス(キャリアガス)を通気させた。
本実施例の結果を、被処理材と固体熱媒体の平均粒径比
および供給比等の処理条件とともに表1に示す。
【0036】なお、ロータリーキルンの装置構成および
使用条件は以下の通りである。 内管の内径:150mmφ×1500mmL 外管の内径:450mmφ×1200mmL 装置全体の傾斜角度:2° キルンの回転数:4rpm 処理温度:キルン内管出口温度が320℃になるように
調整
【0037】また、脱塩素率および樹脂残渣付着率は以
下の式により求めた。 脱塩素率=(1−[樹脂残渣中の塩素量]/[供給した
塩素含有樹脂中の塩素量])×100 樹脂残渣付着率=([樹脂残渣のキルン内壁への付着
量]/[キルン内への樹脂材の供給量])×100
【0038】
【表1】
【0039】表1に示されるように、本発明例は塩素含
有樹脂と固体熱媒体の平均粒径比Aおよび供給比Bが本
発明条件を満足しているため、キルン内壁への樹脂残渣
の付着が効果的に抑制されており、また、樹脂残渣の塊
状化(粗大化)も認められず、安定した操業が可能であ
った。また、脱塩素処理後の樹脂残渣と固体熱媒体であ
る粉コークスとの混合物は、高炉等の燃料や鉄源還元剤
用の吹き込み材料として十分に適用可能な性状と品質を
有していた。これに対して、比較例のものは樹脂残渣の
キルン内壁への付着率が高く、長時間の操業に支障をき
たした。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように本発明の塩素含有樹脂
の処理方法によれば、樹脂残渣のキルン内壁への付着を
効果的に防止しつつ、高い脱塩素率で塩素含有樹脂の脱
塩素処理を行うことができ、このため塩素含有樹脂の効
率的な脱塩素処理を長期間安定して実施することができ
る。
【0041】また、本発明法によれば、発生した塩化水
素を加熱ガスと混合させることなく取り出すことができ
るため、排出ガスの処理に要する設備コストや処理コス
トを従来法に較べて大幅に低減させることができる。ま
た、塩化水素が発生する内管全体を加熱ガスで加熱する
ため、内管全体の温度を、塩化水素が強い腐食性を示す
150℃以下の温度域よりも高い温度域に維持すること
ができ、このため発生した塩化水素による装置、特に内
管各部の腐食を適切に防止することができる。
【0042】また、請求項5ないし請求項7に係る発明
によれば、固体熱媒体として炉の原材料として使用する
ことができる粉粒物を使用するため、脱塩素処理完了後
の樹脂残渣を固体熱媒体と分離することなく、そのまま
高炉等をはじめとする各種の炉(特に溶解炉)に燃料や
鉄源還元剤等として供給することができる。また、特に
固体熱媒体としてコークスおよび/または熱硬化性樹脂
の粉粒物を用いることにより固体熱媒体の偏析等がより
効果的に防止され、このため脱塩素処理の高い処理効率
を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法に用いられるロータリーキルン方式の
脱塩素処理設備の一実施形態を示す説明図
【図2】図1に示す実施形態におけるロータリーキルン
の縦断面図
【図3】図1に示す実施形態におけるロータリーキルン
の横断面図
【図4】図1に示す実施形態において用いられるロータ
リーキルンの他の構造例を示す縦断面図
【図5】図4のロータリーキルンの横断面図
【図6】図1に示す実施形態において用いられるロータ
リーキルンの他の構造例を示す横断面図
【図7】図1〜図6に示す構造のロータリーキルンを用
いた塩素含有樹脂の脱塩素処理において、被処理材と固
体熱媒体の平均粒径比および供給比が樹脂残渣のキルン
内壁への付着率に及ぼす影響を示すグラフ
【符号の説明】
1…ロータリーキルン本体、2…外管、3,3a,3
b,3c…内管、4,5…通路、6,7,8…定量供給
装置、9…排出装置、10…回収ボックス、11…排ガ
ス排出口、12…熱風供給口、13…排出口、14…駆
動モータ、15…ガス導管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素含有樹脂を含む被処理材を固体熱媒
    体とともにロータリーキルンに供給して加熱し、塩素含
    有樹脂を熱分解させて樹脂中の塩素分を塩化水素として
    離脱させ、塩素が除去された熱分解樹脂残渣を回収する
    方法において、 ロータリキルン本体が外管とその内部に配置される内管
    とからなり、内管内を被処理材用通路とし、内管と外管
    間の空間を加熱ガス用通路としたロータリーキルンを用
    い、前記被処理材用通路に塩素含有樹脂を含む被処理材
    及び粉粒物からなる固体熱媒体を供給するとともに、加
    熱ガス用通路に加熱ガスを供給して被処理材用通路内の
    被処理材を加熱することにより塩素含有樹脂の脱塩素処
    理を行う方法であって、 被処理材用通路に供給すべき被処理材と固体熱媒体の平
    均粒径比[被処理材の平均粒径/固体熱媒体の平均粒
    径]をA、被処理材と固体熱媒体の重量比での供給比
    [被処理材の供給量/固体熱媒体の供給量]をBとした
    場合に、B≦4.5を満足し、且つB≧0.5の場合に
    下記(1)式を満足する固体熱媒体を供給して被処理材
    の脱塩素処理を行うことを特徴とする塩素含有樹脂の処
    理方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 B≧0.5を満足するよう固体熱媒体を
    供給して被処理材の脱塩素処理を行うことを特徴とする
    請求項1に記載の塩素含有樹脂の処理方法。
  3. 【請求項3】 供給される固体熱媒体のうち、80重量
    %以上が粒径10mm以下の粉粒物であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の塩素含有樹脂の処理方
    法。
  4. 【請求項4】 被処理材が塩素含有樹脂のみからなるこ
    とを特徴とする請求項1、2または3に記載の塩素含有
    樹脂の処理方法。
  5. 【請求項5】 固体熱媒体が、炉の鉄源、鉄源還元剤、
    燃料または副原料として使用できる粉粒物の中から選ば
    れる1種以上の粉粒物からなることを特徴とする請求項
    1、2、3または4に記載の塩素含有樹脂の処理方法。
  6. 【請求項6】 固体熱媒体が、コークス、鉄鉱石、焼結
    鉱及び熱硬化性樹脂の中から選ばれる1種以上の粉粒物
    からなることを特徴とする請求項5に記載の塩素含有樹
    脂の処理方法。
  7. 【請求項7】 固体熱媒体が、コークス及び熱硬化性樹
    脂の中から選ばれる1種以上の粉粒物からなることを特
    徴とする請求項6に記載の塩素含有樹脂の処理方法。
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