JPH10225359A - 電気採暖布の殺ダニ方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気採暖具を折り畳んだ状態で収納袋に収納
してその開口部を封止し、その収納袋の内部の空気を吸
引して高温運転することにより、完全かつ確実にダニ等
を死滅させる電気採暖具の殺ダニ方法を提供する。 【解決手段】 ダニ等を透過しない耐熱性の収納袋７の
中に電気採暖布１を折り畳んで収納し、その収納袋７の
開口部１０を封止した状態で収納袋７内の空気を吸引の
後、電気採暖布１を高温状態で運転する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気採暖布使用時
に付着するダニ等の微生物をその電気採暖布の高温状態
による運転で確実にかつ効果的に死滅させる電気採暖布
の殺ダニ方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、巻芯に発熱線を巻いた外周に感熱
層を被覆して、さらにその外周に信号線と外皮を被覆し
た発熱体を布体内に櫛の歯状に配設し、電源と接続して
コントローラで温度を制御しながら電気毛布または電気
敷布等として使用する電気採暖布は、その使用時にダニ
等の有害な微生物の生息に適した温度になるため、その
ダニ等を死滅または除去するため、適宜日干しを行なう
必要があるが、日干しはその使用環境や天候等により困
難性を伴うと共に、日干しによっても完全な殺ダニは不
可能であるという問題がある。

【０００３】一方、採暖布を通常の採暖温度より高い殺
ダニ可能な高温に昇温する殺ダニ運転機能を設けた電気
採暖布も提案されているが、この場合、採暖者が使用中
に誤って高温の殺ダニ運転に切替えて使用して、採暖者
が火傷する恐れがあると共に、殺ダニ運転中に採暖具を
載置している面から外にダニ類が逃げ出して、殺ダニ運
転後にダニ類が再び採暖布に戻るという不完全な殺ダニ
効果しか得られないという問題があった。

【０００４】一方、特開昭６２−１２７０２６号の発明
において、この種採暖布に付着したダニ等の微生物は５
０℃以上の高温状態で２〜３分で死滅するということが
開示されており、そこで本発明者等は、電気採暖布を折
り畳んだ状態で各層を密着させ、できるだけ各層同志の
熱伝導を良好にして通電すれば、採暖布を５０℃以上の
殺ダニ可能温度に昇温可能になることに着目し、本発明
に到達した。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気採暖布
を折り畳んだ状態で収納袋の中に収納して、収納袋の開
口部を封止した状態で内部の空気を吸引後、電気採暖布
を高温状態で運転することで、安全、かつ確実にダニ等
の有害微生物を死滅させることのできる電気採暖布の殺
ダニ方法を提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の電気採暖布の殺
ダニ方法は、ダニ等の有害微生物を透過しない耐熱性の
収納袋の中に電気採暖布を折り畳んで収納し、その収納
袋の開口部を適宜な封止手段で封止した状態で、収納袋
内の空気をバキュームポンプなどの適宜な吸引手段で吸
引後、電気採暖布を高温状態で運転することからなる
が、一方、本発明の殺ダニ方法は、上記のごとく電気採
暖布を高温状態で運転する際に、収納袋の上面又は上面
と下面に放熱防止用部材をかぶせることからなり、さら
に本発明の殺ダニ方法は、前記のごとく収納袋に電気採
暖布を収納時に、コントローラをも収納することからな
る。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の電気
採暖布の殺ダニ方法の各実施形態について説明するが、
この実施形態においては、電気掛毛布や電気敷毛布など
の電気採暖布１を使用時にその布面等に付着したダニ等
の有害な微生物を死滅させる有効な方法を示している。

【０００８】まず、図１の一実施形態に示す電気採暖布
１は、図５に示す一般に電気掛毛布又は敷毛布として使
用されるごとき、毛布２内に発熱装置３を適宜に配設し
たものであり、その発熱装置３にコード５を介して接続
されたコントローラ４には電源コード６により電力が供
給され、コントローラ４には温度調節用ボリューム及び
タイマとスイッチ等が配設されている。

【０００９】そこで、上記の電気採暖布１に対して殺ダ
ニ操作を行なうため、電気採暖布１を図１のごとく適当
な大きさに折り畳んだ状態で、ダニ等の有毒な微生物を
透過することがなく、しかも耐熱性を有する収納袋７の
中に収納し、その収納袋７の開口部１０を適宜な封止手
段により封止した状態で、その開口部１０の片端部に設
けた空気吸出管１１に適宜な空気吸出し手段、例えば図
１の手動式吸引ポンプ１３又は南紀掃除機の吸込口を接
続して収納袋７内の空気を吸引する。上記の空気吸引後
は、上記吸出管１１を栓１４でプラグして空気が洩出し
ないようにする。

【００１０】一方、図１に示すように、折り畳んだ電気
採暖布１を収納した収納袋７の図１の開口部１０の端部
からコード５を突出した状態で開口部１０を適宜な封止
手段で封止するが、収納袋７内に存在する空気を出来る
だけ排除した状態に押圧し、折り畳んだ電気採暖布１の
各層同志をできるだけ密着させるようにして、上記開口
部１０の封止を行なうが、その封止手段としては通常の
ファスナーでも良いが、ナイロンファスナーやマジック
テープ等のように内部の密封性の得られるものが有効で
ある。

【００１１】以上の状態で電源コード６からコントロー
ラ４を介して電気採暖布１を高温状態で適宜な時間運転
を行なうが、折り畳んだ電気採暖布１の各層同志は収納
袋７に収納され、しかもその収納袋７内の空気が吸引さ
れているので、電気採暖布１の折り畳まれた各層は上側
から下側まで密着した状態になっている。以上のごと
く、電気採暖布１を収納し、開口部１０を封止した状態
で内部の空気を吸引した後、この電気採暖布１の電源コ
ード６を電源コンセントに接続した状態でコントローラ
４の温度調節ボリュームを最高にし、高温状態で所要時
間運転を行なえば、収納袋７内の電気採暖布１の各層は
上側から下側まで密着して相互の熱伝導性が高められる
ので、短い時間で、全体が高温に加熱され、容易に殺ダ
ニ温度の５０℃以上の温度に到達する。

【００１２】この状態で２から３分程度殺ダニ運転の
後、タイマーで電源を切ることで殺ダニ運転終了後は、
電気採暖布１を収納袋７から取り出して、ダニ等の微生
物の死骸を電気掃除機等で吸引することにより完全な殺
ダニ除去が行なわれる。次に、上記のごとく、電気採暖
布１を高温状態で運転する際に、収納袋７の上面または
上面と下面に放熱防止用マット８をかぶせることによ
り、折り畳んだ電気採暖布１の各層の密着性はさらに高
められると共に、収納袋７内の発熱が収納袋７その外に
は洩れないのでより高い殺ダニ効果が得られる。

【００１３】また、図２に示す他の実施形態は、収納袋
７の上面と下面にそれぞれ別体の放熱防止用部材、例え
ば座布団８を配したものであり、さらに図３の他の実施
形態では、収納袋７の下面は床面９に座布団８の役割を
持たせ、上面の座布団８を、収納袋７の上面内側に、折
り畳んだ電気採暖布１の上面を覆うように配しており、
いずれの場合も少なくともその上面を座布団８で押圧さ
れた状態でしかも収納袋７によって空気遮断されると共
に、座布団８で外部と熱遮断されることで、電気採暖布
１の各層は相互に密着して熱伝導性が高められ容易に、
かつ短時間で殺ダニ温度に到達できる。

【００１４】尚、上記収納袋７としては、ダニ類の最小
寸法を考慮に入れて１ミクロン以下程度の非透過性の材
料を使用するものとし、又、後述するように殺ダニのた
めに５０℃以上の高温運転とするのに適した耐熱性のも
のとする必要がある。また、上記放熱防止用部材８とし
ては、できるだけ断熱性を有する材料を使用するものと
するが、この放熱防止用部材の配設は、収納袋７の少な
くとも上面を覆うように配するか、又は収納袋７の上面
と下面の両面に配するものとし、この座布団のごとき放
熱防止用部材８は収納袋７の上面及び／又は下面に対し
て一体に付着させても、又は別体に配設させてもよい。

【００１５】なお、上記放熱防止用部材８としては、例
えば座布団やマットなどを収納袋７の上にかぶせるよう
にすることも有効である。次に、図４の他の実施形態で
は、収納袋７の中にコントローラ４をも電気採暖布１と
一緒に収納した上で、開口部１０を封止して高温状態で
運転する場合を示しており、この場合、コントローラ４
にもダニ等が付着して成育している可能性があるためコ
ントローラ上のダニ等をも死滅させるようにしたもの
で、この場合、コントローラ４と電気採暖布１とを接続
するコード５は通常４芯以上の平型コードが使われるの
で収納袋７の開口部を封止する際の空気洩れの障害にな
りうるが、図４の場合では２芯の細径の電源コード６に
対する空気洩れを考慮すれば良いので図１の場合より有
利である。

【００１６】上記の電気採暖布１を高温状態で運転する
作業は、通常の電気採暖布１のコントローラ４の温度調
節用ボリュームを最高温度にするだけでも、上記収納袋
７と放熱防止用部材の機能により充分であるが、コント
ローラ１０の温度調節装置に殺ダニ機能を具備した電気
採暖布の場合では、その殺ダニ機能により高温運転を行
なうことでより迅速な殺ダニ操作ができる。

【００１７】なお、図５に示すごとく、電気採暖布１の
足側に対応する位置の裏側にホックボタン１２等の係止
装置を付けておき、ホックボタン１２等を介して収納袋
７を係止しておくと、収納袋７の紛失を防止できて便利
であると共に、この収納袋７は夏場等の非使用時にこの
電気採暖布１を収納して保存するのに便利である。

【００１８】

【発明の効果】以上に説明した本発明の電気採暖布の殺
ダニ方法によれば、採暖布の発熱装置からの発熱効果が
著しく向上し、採暖布全体を容易に殺ダニ温度に昇温で
き、また死滅したダニ類の死骸の除去も容易に行なわ
れ、完全な殺ダニ作業が行なわれると共に、殺ダニ運転
を採暖者が採暖中に誤って行なうこともなく、安全かつ
確実な殺ダニ操作ができる。

【００１９】特に、本発明の殺ダニ方法では電気採暖布
を収納した収納袋内の空気を吸引して真空状態で高温運
転を行なうので、電気採暖布同志が完全に密着してコン
パクトな状態になり、熱の伝導性が良好になり、殺ダニ
温度に到達時間が短縮され、より確実な殺ダニ操作が行
なわれ、さらにコントローラをも収納袋に収納すれば電
気採暖布のほぼ全ての付属品の殺ダニ操作を行なうこと
ができる。

【００２０】また、本発明に採用される収納袋は非使用
時の採暖布の収納保存用にも有効に利用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気採暖布の殺ダニ方法を適用した一
実施形態における収納袋の一部破断で示す斜視図であ
る。

【図２】図１の収納袋の他の実施形態の側断面図であ
る。

【図３】図１の収納袋の更に他の実施形態の側断面図で
ある。

【図４】図１の殺ダニ操作時に、コントローラをも収納
袋に収納して殺ダニを行なう状況を示す一部破断の斜視
図である。

【図５】図１の電気採暖布の平面図である。

【符号の説明】

１ 電気採暖布 ４ コントローラ ７ 収納袋 ８ 座布団，放熱防止用部材 １０ 開口部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダニ等の微生物を透過しない耐熱性の収
   納袋の中に電気採暖布を折り畳んで収納し、その収納袋
   の開口部を封止した状態で収納袋内の空気を吸引の後、
   電気採暖布を高温状態で運転する電気採暖布の殺ダニ方
   法。
2. 【請求項２】 電気採暖布を高温状態で運転する際に、
   収納袋の上面、又は上面と下面に放熱防止用部材をかぶ
   せる請求項１記載の電気採暖布の殺ダニ方法。
3. 【請求項３】 収納袋の中にコントローラをも収納する
   請求項１まはた２記載の電気採暖布の殺ダニ方法。