JPH1022241A - シリコンウェハ用ラップ液およびラップ剤 - Google Patents

シリコンウェハ用ラップ液およびラップ剤

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JPH1022241A
JPH1022241A JP17833196A JP17833196A JPH1022241A JP H1022241 A JPH1022241 A JP H1022241A JP 17833196 A JP17833196 A JP 17833196A JP 17833196 A JP17833196 A JP 17833196A JP H1022241 A JPH1022241 A JP H1022241A
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JP
Japan
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group
silicon wafer
lapping
acid
liquid
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Withdrawn
Application number
JP17833196A
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English (en)
Inventor
Seiji Kuroda
征司 黒田
Makoto Yamashita
誠 山下
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TOKYO FINE CHEM KK
Tokyo Fine Chemical Co Ltd
Original Assignee
TOKYO FINE CHEM KK
Tokyo Fine Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アミン類と同等の優れた防錆力を有し、かつ
アミン類および亜硝酸イオンを含まないシリコンウェハ
用ラップ液を提供する。 【解決手段】 基剤である水に有機酸およびその塩より
なる群から選ばれてなる少なくとも1種が配合されてな
ることを特徴とするシリコンウェハ用ラップ液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウェハ用
ラップ液およびラップ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般に使用されているラップ剤
(ラップ液中に砥粒を懸濁させたもの)には、ラップ剤
およびその雰囲気の及ぶ範囲であるラップ定盤を含むラ
ッピング工程周辺の装置全体、なかでも耐磨耗性を有す
ることから多く使われている鋳鉄や鋼材に対する防錆剤
として優れた効果を有するエタノールアミンなどのアミ
ン類が配合されている。しかしながら、こうしたアミン
系防錆剤では、強力な発癌性物質であるニトロソアミン
が亜硝酸イオンとの反応により生成される。このニトロ
ソアミンの発癌性は極めて高く、5ppm以下の濃度で
動物に投与しても癌が発生することが知られている。
【0003】一方、今日行われているシリコンウェハの
ラッピングは、開放系で行われているためにニトロソア
ミンが発生した場合には、作業者は生成したニトロソア
ミンの雰囲気に晒されるおそれがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、上記問題点に鑑み、ニトロソアミンの生成の心配の
ない非アミン系のシリコンウェハ用ラップ液およびラッ
プ剤を提供するものである。この非アミン系のシリコン
ウェハ用ラップ液およびラップ剤は、エタノールアミン
などのアミン類および亜硝酸イオンを含まないものであ
る。
【0005】すなわち、本発明の目的は、現在一般に使
用されているアミン系防錆剤と同等の優れた防錆力を有
し、かつアミン類および亜硝酸イオンを含まないシリコ
ンウェハ用ラップ液およびラップ剤を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の目的
は、(1) 有機酸およびその塩よりなる群から選ばれ
てなる少なくとも1種が配合されてなることを特徴とす
るシリコンウェハ用ラップ液により達成される。
【0007】また、本発明の他の目的は、(2) 基剤
である水に、前記有機酸およびその塩よりなる群から選
ばれてなる少なくとも1種として、p−t−ブチル安
息香酸およびそのアルカリ塩よりなる群から選ばれてな
る少なくとも1種の成分、安息香酸およびそのアルカ
リ塩よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種の成
分、脂肪族二塩基酸または芳香族多塩基酸およびそれ
らのアルカリ塩よりなる群から選ばれてなる少なくとも
1種の成分、のうちの少なくとも1成分が配合されてな
ることを特徴とする上記(1)に示すシリコンウェハ用
ラップ液によっても達成される。
【0008】さらに、本発明の他の目的は、(3) 前
記基剤である水に、グリコール類よりなる群から選ばれ
てなる少なくとも1種のものが配合されてなることを特
徴とする上記(1)または(2)に示すシリコンウェハ
用ラップ液によっても達成される。
【0009】さらにまた、本発明の他の目的は、(4)
前記基剤である水に、前記基剤である水に、下記一般
式(1)
【0010】
【化3】
【0011】で示されるポリアルキレングリコールモノ
アリルエーテル(I)と、下記一般式(2)
【0012】
【化4】
【0013】で示されるマレイン酸系単量体(II)との
共重合体、または前記一般式(1)で示されるポリアル
キレングリコールモノアリルエーテル(I)、前記一般
式(2)で示されるマレイン酸系単量体(II)およびこ
れら両単量体と共重合可能な単量体(III)との共重合体
が配合されてなることを特徴とする上記(1)ないし
(3)のいずれか1つに示すシリコンウェハ用ラップ液
によっても達成される。
【0014】また、本発明の他の目的は、(5) 前記
基剤である水に、非イオン界面活性剤が配合されてなる
ことを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれか1
つに示すシリコンウェハ用ラップ液によっても達成され
る。
【0015】なお、本発明の他の目的は、(6) 上記
(1)ないし(5)のいずれか1つに記載のシリコンウ
ェハ用ラップ液中に、砥粒が懸濁されてpHが8以上に
調製されてなることを特徴とするシリコンウェハ用ラッ
プ剤により達成される。
【0016】また、本発明の他の目的は、(7) 前記
シリコンウェハ用ラップ液に、増粘剤、消泡剤および防
腐剤よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のもの
が配合されてなることを特徴とする上記(6)に示すシ
リコンウェハ用ラップ剤によっても達成される。
【0017】また、本発明の他の目的は、(8) 前記
シリコンウェハ用ラップ液に、希釈剤として水が配合さ
れてなることを特徴とする上記(6)または(7)に示
すシリコンウェハ用ラップ剤によっても達成される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態につき、以下
に詳細に説明する。
【0019】本発明に係るシリコンウェハ用ラップ液と
しては、基剤である水に、非アミン系の防錆剤として有
機酸およびその塩よりなる群から選ばれてなる少なくと
も1種が配合されてなることを特徴とするものであり、
使用されるラップ液成分およびシリコンウェハに対し化
学的ダメージ(表面層の変質など)の悪影響を及さない
ものである限りにおいて、ラップ板、ラッピングマシー
ン、ラップ定盤等に用いられてなる鋳鉄、鉄鋼、アルミ
ニウム、錫および銅材(特に耐磨耗性の良好な鋳鉄が良
く使われることから該鋳鉄)に対して優れた防錆力を有
する公知物質のいずれのものを用いてもよく、特に制限
されるものでないが、好ましくは、上記有機酸およびそ
の塩として、p−t−ブチル安息香酸およびそのアル
カリ塩よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種の成
分、安息香酸およびそのアルカリ塩よりなる群から選
ばれてなる少なくとも1種の成分、脂肪族二塩基酸ま
たは芳香族多塩基酸およびそれらのアルカリ塩よりなる
群から選ばれてなる少なくとも1種の成分にのうちの少
なくとも1成分が配合されてなるものが防錆力に優れて
おり望ましく、より好ましくは上記、、の3成分
がそれぞれ配合されてなるものが特に防錆力に優れてお
り望ましいものである。
【0020】すなわち、ラップ液の防錆剤として、非ア
ミン系の有機酸およびその塩よりなる群から選ばれてな
る少なくとも1種が配合されていることで、発癌性物質
であるニトロソアミンの発生の心配はなく、作業環境の
改善に最適であるが、上記〜の非アミン系の有機酸
およびその塩を単独あるいは2以上の成分を適当に組み
合わせて用いることにより、防錆剤としてエタノールア
ミン等のアミン類が配合されているラップ液と同等ない
しはそれ以上の防錆力を付与することができ、現在用い
られているアミン類の代替剤して遜色のない、あるいは
それ以上の効果を発現することができるものである。
【0021】このうち、上記のp−t−ブチル安息香
酸およびそのアルカリ塩としては、例えば、p−t−ブ
チル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸ナトリウムおよ
びp−t−ブチル安息香酸カリウムなどを挙げることが
できる。これらを1種または複数種組合せて用いること
ができる。好ましくは、p−t−ブチル安息香酸および
p−t−ブチル安息香酸カリウムなどである。これはナ
トリウムの存在によりシリコンウェハ内部が損傷を受け
る恐れがあるためである。ラップ液中のp−t−ブチル
安息香酸およびそのアルカリ塩の配合量に関しては、特
に制限されるものではない(すなわち、基剤である水の
量は、ラップ剤を調製する際に適当に(例えば、10〜
50倍程度に)希釈されるため、ラップ液中の配合量を
厳密に規定する事は重要でない)が、最終的に該ラップ
液中に砥粒などを懸濁して最終調製されてなるラップ剤
におけるp−t−ブチル安息香酸およびそのアルカリ塩
の配合量としては、通常0.05〜10重量%、好まし
くは0.1〜1重量%の範囲である。配合量が0.05
重量%未満の場合には、適当な防錆力を十分に発現する
ことができない。また、配合量が10重量%を越える場
合には、既に十分な防錆力が付与されており、さらに配
合しても、これに見合うだけのさらなる効果が得られず
経済的でないため好ましくない。
【0022】上記の安息香酸およびそのアルカリ塩と
しては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウムおよび
安息香酸カリウムなどを挙げることができる。これらを
1種または複数種組合せて用いることができる。好まし
くは安息香酸および安息香酸カリウムなどである。上記
と同様に、ナトリウムの存在によりシリコンウェハが損
傷を受ける場合があるからである。ラップ液中の安息香
酸およびそのアルカリ塩の配合量に関しても、上記理由
により厳密に規定する事は重要でないが、最終的に該ラ
ップ液中に砥粒などを懸濁して最終調製されてなるラッ
プ剤における安息香酸およびそのアルカリ塩の配合量と
しては、通常0.05〜10重量%、好ましくは0.1
〜1重量%の範囲である。配合量が0.05重量%未満
の場合には、適当な防錆力を十分に発現することができ
ない。また、配合量が10重量%を越える場合には、既
に十分な防錆力が付与されており、さらに配合しても、
これに見合うだけのさらなる効果が得られず経済的でな
いため好ましくない。
【0023】また、上記の脂肪族二塩基酸または芳香
族多塩基酸およびそれらのアルカリ塩としては、例え
ば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ブラシル酸、タプシン酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸およびこれらのナト
リウム塩、カリウム塩などが挙げられる。これらを1種
または複数種組合せて用いることができる。ラップ液中
の脂肪族二塩基酸または芳香族多塩基酸およびそれらの
アルカリ塩の配合量に関しても、上記理由により厳密に
規定する事は重要でないが、最終的に該ラップ液中に砥
粒などを懸濁して最終調製されてなるラップ剤における
脂肪族二塩基酸または芳香族多塩基酸およびそれらのア
ルカリ塩の配合量としては、通常0.05〜10重量
%、好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。配合量
が0.05重量%未満の場合には、適当な防錆力を十分
に発現することができない。また、配合量が10重量%
を越える場合には、既に十分な防錆力が付与されてお
り、さらに配合してもこれに見合うだけのさらなる効果
が得られず経済的でないため好ましくない。
【0024】さらに非アミン系の有機酸およびその塩を
適当に組合せて(好ましくは、上記〜の各成分を上
記配合量に示す範囲内で適当に組合せて)用いる場合、
非アミン系の防錆剤全体の配合量に関しても、上記理由
により厳密に規定する事は重要でないが、最終的に該ラ
ップ液中に砥粒などを懸濁して最終調製されてなるラッ
プ剤中の非アミン系の防錆剤全体の配合量が、通常0.
05〜30重量%、好ましくは0.1〜3重量%の範囲
になるように調製されていることが望ましい。該配合量
が0.05重量%未満の場合には、適当な防錆力を十分
に発現することができず、また、配合量が30重量%を
越える場合には、既に十分な防錆力が付与されており、
さらに配合しても、これに見合うだけのさらなる効果が
得られず経済的でない。
【0025】また、上記ラップ液に用いられる基剤とし
ての水は、使用用途がシリコンウェハのラッピングに用
いられるものであることから、不純物が除かれた水(純
水)を用いることが望ましく、例えば、イオン交換樹脂
カラムやフィルターなどを用いたイオン交換法により得
られたイオン交換水などを用いることができるが、これ
らに限定されるものでなく、従来公知の純水製造技術を
適当に利用してなる水を用いることができる。かかる基
剤、および後述するグリコール類、分散剤により、ラッ
ピング時、砥粒の分散性を容易にさせて均一かつ効果的
なラッピング効果を与えるものであり、さらに研削され
てでたシリコンの微粉等をも分散して排出する機能をも
有する。このラップ液中の基剤である水の配合量として
も、上記理由により厳密に規定する事は重要でないが、
最終的に該ラップ液中に砥粒などを懸濁して最終調製さ
れてなるラップ剤における水の配合量としては、通常7
0〜99.95重量%、好ましくは97〜99.9重量
%の範囲である。水の配合量が70重量%未満の場合に
は、粘性が極めて高くなり防錆剤等の溶解能が十分でな
い。また、水の配合量が99.95重量%を越える場合
には、大きな製造および貯蔵スペースが必要となり、取
扱い性や搬送性が悪くなるほか、ラッピングの際に油膜
切れが生じ易く、ラッピング効果が低下するなど好まし
くない。
【0026】さらに上記ラップ液には、必要に応じて、
グリコール類、分散剤、非イオン系界面活性剤を配合す
ることができる。これらを適当に配合することにより、
潤滑性、湿潤性、砥粒分散性をより向上させることがで
きる。
【0027】このうち、本発明のラップ液に用いること
のできるグリコール類としては、特に制限されるもので
なく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、エチレングリコール
メチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールエチルエーテルなどのアルキ
レングリコールないしジアルキレングリコールのアルキ
ルエーテル;グリセリン;メトキシトリグリコール、エ
トキシトリグリコール等のアルコキシトリグリコールな
どが挙げられる。これらを1種または複数種組合せて用
いることができる。これらグリコール類を配合すること
により、シリコンウェハ用ラップ液に、適当な潤滑性お
よび湿潤性を付与することができるものであり、また、
これらは高沸点で、危険性、毒性がないので作業環境が
良好にもなる。ラップ液中のグリコール類の配合量とし
ては、上記理由のほかラップ剤成分として後から配合す
ることもできるため厳密に規定する事は重要でないが、
最終的に該ラップ液中に砥粒などを懸濁して最終調製さ
れてなるラップ剤におけるグリコール類の配合量として
は、通常0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜3
重量%の範囲である。グリコール類の配合量が0.05
重量%未満の場合には、グリコール類を配合することに
より適当な潤滑性および湿潤性を十分に発現することが
できず、また、グリコール類の配合量が15重量%を越
える場合には、既に十分な潤滑性および湿潤性が付与さ
れており、さらに配合しても、これに見合うだけのさら
なる効果が得られず経済的でない。
【0028】また、本発明のラップ液に用いることので
きる分散剤としては、使用されるラップ液成分およびシ
リコンウェハに対し化学的ダメージ(表面層の変質な
ど)の悪影響を及さないものである限りにおいて、公知
のいずれのものを用いてもよく、特に制限されるもので
ないが、例えば、ポリエチレングリコールエーテル硫
酸、エステル塩等のアニオン系界面活性剤、ポリ2−ビ
ニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等
のカチオン系界面活性剤、(さらに後述する、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキルエ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオ
ン系界面活性剤)などといった各種界面活性剤、水酸化
アンモニウム、水酸化ナトリウム等の塩基性物質、N−
メチル−2−ピロリドン等の置換ピロリドン、ポリアル
キレングリコールモノアリルエーテル(I)と、マレイ
ン酸系単量体(II)との共重合体、ポリアルキレングリ
コールモノアリルエーテル(I)、マレイン酸系単量体
(II)およびこれら両単量体と共重合可能な単量体(II
I)との共重合体などが挙げられる。これらを1種または
複数種組合せて用いることができる。好ましくは、下記
一般式(1)
【0029】
【化5】
【0030】で示されるポリアルキレングリコールモノ
アリルエーテル(I)と、下記一般式(2)
【0031】
【化6】
【0032】で示されるマレイン酸系単量体(II)との
共重合体、および前記一般式(1)で示されるポリアル
キレングリコールモノアリルエーテル(I)、前記一般
式(2)で示されるマレイン酸系単量体(II)およびこ
れら両単量体と共重合可能な単量体(III)との共重合体
である。
【0033】上記ポリアルキレングリコールモノアリル
エーテル(I)は、KOHやNaOH等のアルカリを触
媒としてアリルアルコールにエチレンオキシドおよび/
またはプロピレンオキシドを直接付加する公知の方法で
合成することができる。そして、前記の一般式(1)で
示されるものであれば、単一の構造のものでも混合物で
も用いることができる。
【0034】上記マレイン酸系単量体(II)は前記の一
般式(2)で示されるものであるが、具体的には、マレ
イン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸並びにこ
れらの酸の一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩お
よびこれらの酸と下記一般式(3)
【0035】
【化7】
【0036】で表わされるアルコールとのエステルを挙
げることができ、例えば、第2級アルコールエトキシレ
ートモノマレートが好適に使用できる。また、これらの
1種または2種以上を用いることができる。
【0037】また、これらと共重合可能な単量体(III)
としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸並びにこれらの酸の一価金属塩、二価金属塩、
アンモニウム塩およびこれらの酸とアルコール(1)と
から得られるエステル、(メタ)アクリルアミド、酢酸
ビニル、酢酸プロペニル、スチレンやp−メチルスチレ
ン等の芳香族ビニル化合物、塩化ビニル等を挙げること
ができ、これらの一種または二種以上を用いることがで
きる。
【0038】上記共重合体は、ポリアルキレングリコー
ルモノアリルエーテル(I)、マレイン酸系単量体(I
I)および/またはこれらと共重合可能な単量体(III)
をそれぞれ24〜75モル%、24〜75モル%および
0〜50モル%(但し、(I)、(II)および(III)成
分の合計は100モル%である。)の比率で用いて導か
れたものである。
【0039】上記共重合体を製造するには、重合開始剤
を用いて前記単量体成分を共重合させればよい。共重合
は、溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行うこと
ができる。
【0040】このうち、溶媒中での重合は、回分式でも
連続式でも行うことができ、その際使用される溶媒とし
ては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール等の低級アルコール;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなど
の芳香族あるいは脂肪族炭化水素;酢酸エチル;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン化合物等が挙げられ
る。原料単量体および得られる共重合体の溶解性並びに
該共重合体の使用時の便利さからは、水および炭素数1
〜4の低級アルコールよりなる群から選ばれた少なくと
も1種を用いることが好ましい。炭素数1〜4の低級ア
ルコールの中でも、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコールが特に有効である。
【0041】また、水媒中で重合を行うときは、重合開
始剤としてアンモニウムまたはアルカリ金属の過硫酸塩
あるいは過酸化水素等の水溶性の重合開始剤が使用され
る。この際亜硫酸水素ナトリウム等の促進剤を併用する
こともできる。また、低級アルコール、芳香族炭化水
素、脂肪族炭化水素、酢酸エチルあるいはケトン化合物
を溶媒とする重合には、ベンゾイルパーオキシドやラウ
ロイルパーオキシド等のパーオキシド;クメンハイドロ
パーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソ
ブチロニトリル等の脂肪族アゾ化合物等が重合開始剤と
して用いられる。この際アミン化合物等の促進剤を併用
することもできる。さらに、水−低級アルコール混合溶
媒を用いる場合には、上記の種々の重合開始剤あるいは
重合開始剤と促進剤の組合せの中から適宜選択して用い
ることができる。重合温度は、用いられる溶媒や重合開
始剤により適宜定められるが、通常0〜120℃の範囲
内で行われる。
【0042】さらに、上記塊状重合は、重合開始剤とし
てベンゾイルパーオキシドやラウロイルパーオキシド等
のパーオキシド;クメンハイドロパーオキシド等のハイ
ドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等の脂
肪族アゾ化合物等を用い、50〜150℃の温度範囲内
で行われる。
【0043】このようにして得られた共重合体は、必要
に応じてさらにアルカリ性物質で中和して使用してもよ
い。このようなアルカリ性物質としては、一価金属およ
び二価金属の水酸化物、塩化物および炭酸塩;アンモニ
ア等が好ましいものとして挙げられる。
【0044】また、上記共重合体の分子量は広い範囲の
ものが使用できるが、500〜50000の範囲内のも
のが好ましい。
【0045】ラップ液中の上記分散剤の配合量も上記理
由のほかラップ剤成分として後から配合することもでき
るため厳密に規定する事は重要でないが、最終的に該ラ
ップ液中に砥粒などを懸濁して最終調製されてなるラッ
プ剤における分散剤の配合量としては、通常0.05〜
10重量%、好ましくは0.1〜1重量%の範囲であ
る。分散剤の配合量が0.05重量%未満の場合には、
分散剤を配合することにより適当な分散性(特に砥粒の
懸濁・分散性)を十分に発現することができず、また、
分散剤の配合量が10重量%を越える場合には、既に十
分な分散性が付与されており、さらに配合してもこれに
見合うだけのさらなる効果が得られず経済的でない。
【0046】また、本発明のラップ液に用いることので
きる非イオン系界面活性剤としては、特に制限されるも
のでなく、例えば、ポリオキシエチレンラウリン酸エス
テル、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル、ポリ
オキシエチレングリコールステアリン酸エステル、ポリ
オキシエチレンミリスチン酸エステル、ポリオキシエチ
レンパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンオレイ
ン酸エステル、ポリオキシエチレングリコールオレイン
酸エステル、ポリオキシエチレンヒドロキシステアリン
酸エステル、ポリオキシエチレン9,10−ジヒドロキ
システアリン酸エステル、ポリオキシエチレンフェニル
ステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン−o−キシ
リルステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルアマイドな
どのポリオキシエチレンアルキルアマイド、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビ
タントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン
モノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオ
レエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル(Tween;Atlas Powder社の非イオン系界面
活性剤の商品名)、ポリオキシエチレンラウリルアルコ
ール、ポリオキシエチレンオレイルアルコール、ポリオ
キシエチレンマツ香アルコールなどのポリオキシエチレ
ン高級アルコール、ポリオキシエチレンオクチルフェノ
ール、ポリオキシエチレンノニルフェノールなどのポリ
オキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレ
ンオクチルクレゾール、ポリオキシエチレンベンジルク
レゾール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオ
キシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンス
テアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、
ポリオキシエチレンオクタデカノールエーテル、ポリオ
キシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチ
レングリコール、ポリオキシエチレン9,10−オクタ
デカンジオール、ポリオキシエチレン9,10−ジヒド
ロオキシステアロニトリルなどのポリオキシエチレン系
の非イオン系界面活性剤、ソルビタンモノラウレート、
ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレ
ート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオ
レエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセス
キオレエート、グリセロールソルビタンラウレート、グ
リセロールマンニタンラウレートなどのソルビタン脂肪
酸エステル、ポリエチレングリコールラウレート、ポリ
エチレングリコールステアレート、ポリエチレングリコ
ールオレエート、ポリエチレングリコールトール油誘導
体、ポリエチレングリコールソルビタンラウレート、ポ
リエチレングリコールソルビタンステアレート、ポリエ
チレングリコールソルビタンオレエート、ポリエチレン
グリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコール
オレイルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェ
ニルエーテル、ポリプロピレングリコールと酸化エチレ
ンの付加物(プルロニック;Wyandotte Chemical社の非
イオン系界面活性剤の商標名)、ノニルフェノール、オ
クチルフェノール、モノグリセライド、ジグリセライ
ド、グリセリンモノラウレート、グリセリンエステル、
グリコールエステル、ラノリンおよびラノリンアルコー
ルのエチレンオキサイド付加物、直鎖2級アルコールの
エチレンオキサイド付加物、分枝鎖ノニルフェノールの
エチレンオキサイド付加物、直鎖アルキルフェノールの
エチレンオキサイド付加物、オキソアルコールのエチレ
ンオキサイド付加物、チグラーアルコールのエチレンオ
キサイド付加物、ポリ(アルキレンオキシド)ブロック
共重合物、ショ糖脂肪酸エステルなどのほかポリアルキ
レンオキシド系の非イオン系界面活性剤などが挙げられ
る。これらを1種または複数種組合せて用いることがで
きる。好ましくは、一般式HO−(C2 4 O)a
(C3 6 O)b −(C2 4 O)c −H、およびHO
−(C3 6 O)a −(C2 4 O)b −(C3
6 O)c −Hで表される酸化エチレンと酸化プロピレン
の共重合物である。これら非イオン系界面活性剤を配合
することにより、分散効果、湿潤性、浸透性および消泡
性を向上ないし発現することができる。ラップ液中の上
記非イオン系界面活性剤の配合量も上記理由のほかラッ
プ剤成分として後から配合することもできるため厳密に
規定する事は重要でないが、最終的に該ラップ液中に砥
粒などを懸濁して最終調製されてなるラップ剤における
非イオン系界面活性剤の配合量としては、通常0.05
〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲で
ある。非イオン系界面活性剤の配合量が0.05重量%
未満の場合には、非イオン系界面活性剤を配合すること
により適当な分散効果、湿潤性、浸透性および消泡性を
十分に向上ないし発現することができず、また、非イオ
ン系界面活性剤の配合量が20重量%を越える場合に
は、既に十分な配合による上記作用・効果が得られてお
り、さらに配合してもこれに見合うだけのさらなる効果
は得られず経済的でない。
【0047】さらに、本発明のラップ液は、必要に応じ
て、少なくともアルカリ性域の範囲内で搬送等に便利な
ように基剤である水分量を減らし、できるだけ軽量化が
なされるように調製されていても良い。ただし、そのp
Hは、ラップ剤を調製する際に適当に、例えば、10〜
50倍程度に希釈されるため厳密に規定する事は重要で
ない。このラップ液に砥粒などを懸濁し希釈して最終調
製されたラップ剤のpHは、通常pH8以上、好ましく
はpH8〜11の範囲に水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムおよび水酸化リチウムなどのpH調整剤を配合して
調製されている事が必要であるるが、好ましくは水酸化
カリウムにより調製されているものである。水酸化ナト
リウムを用いる場合には、ナトリウムイオンのようにシ
リコンウェハに損傷を与える心配がないからである。ま
た、ラップ剤のpHが8未満の場合には、防錆性を発現
せず、また防錆剤が析出するなど好ましくない。
【0048】本発明に係るシリコンウェハ用ラップ剤
は、鋳鉄などの定盤上に散布して、これに加工物表面を
押し付け、両者を摺動させて砥粒切れ刃によって表面を
微小量ずつ加工するラッピングに使用されるものであつ
て、上記ラップ液中に砥粒を懸濁させたものをいうが、
さらに必要に応じて、ラップ液の任意組成成分として配
合することもできる上記分散剤、非イオン界面活性剤お
よびグリコール類のほか、増粘剤、消泡剤、防腐剤等の
組成成分を配合してもよく、また、ラップ液の濃度等に
応じて、最終的に適正な粘度およびpH調製のために、
希釈用の水およびpH調整剤を配合して適正な粘度およ
びpHに調製したものを用いることが望ましい。
【0049】上記ラップ剤に用いられる砥粒としては、
特に制限されるものでなく、従来公知のシリコンウェハ
のラッピングに適した砥粒を適宜選択して使用すること
ができるものであり、例えば、アルミナ(褐色溶融アル
ミナ、白色溶融アルミナ)、褐色溶融アルミナとジルコ
ンとの混合物、ジルコニア、シリコンカーバイド(炭化
ケイ素)、ガーネット、エメリー、ケイ砂製のものなど
が挙げられるが、入手の容易性から既に市販されている
上記材料による各種粒度の砥粒を用いることができる。
例えば、アルミナ砥粒では、睦エメリー(日の本研磨材
株式会社製)など、褐色溶融アルミナとジルコンとの混
合物では、睦MOエメリー(日の本研磨材株式会社製)
など、シリコンカーバイド砥粒では、睦グリーンカーボ
ランダム(日の本研磨材株式会社製)等が例示できる。
【0050】また、本発明に係るシリコンウェハ用ラッ
プ剤に、必要に応じて配合される増粘剤としては、使用
されるラップ剤成分およびシリコンウェハに悪影響を及
さないものである限りにおいて、公知のいずれのものを
用いてもよく、上記グリコール類を用いることができる
ほか、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロ
ピルセロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、メチルセルロース、水溶性(メ
タ)アクリル系樹脂、ポリビニルピロリドン、アラビア
ゴム、スターチ、キサンタンガム、有機ベントナイトな
どが挙げられる。また、最終的に該ラップ液中に砥粒な
どを懸濁して最終調製されてなるラップ剤中の増粘剤の
配合量としては、通常0.05〜10重量%、好ましく
は0.1〜1重量%の範囲である。増粘剤の配合量が
0.05重量%未満の場合には、配合による粘度調整
(増粘)効果が十分発現せず、また10重量%を越える
場合には、粘性が高くなり過ぎ、ラップ定盤への拡散が
悪く、またラッピングの際に砥粒の粒子以上に液膜の厚
みが増し、ラッピング効果が悪くなるなど好ましくな
い。
【0051】また、本発明に係るシリコンウェハ用ラッ
プ剤に、必要に応じて配合される消泡剤としては、使用
されるラップ剤成分およびシリコンウェハに悪影響を及
さないものである限りにおいて、公知のいずれのものを
用いてもよく、上記非イオン系界面活性剤を用いること
ができるほか、例えば、シリコーン系消泡剤(シリコー
ン、変性シリコーン、シリカ・シリコーンコンパウン
ド、シリカ・変性シリコーンコンパウンド)として、信
越シリコーンKS−537、信越シリコーンKS−53
7(いずれも、信越化学工業株式会社製)などのエマル
ジョン型、ダウコーニングFSアンチフォーム81、ダ
ウコーニングFSアンチフォーム544(いずれも、ダ
ウコーニング社製)などのコンパウンド型などが挙げら
れる。また、最終的に該ラップ液中に砥粒などを懸濁し
て最終調製されてなるラップ剤中の消泡剤の配合量とし
ては、シリコーン系消泡剤の場合、通常1〜200重量
ppm、好ましくは1〜100重量ppmの範囲であ
る。また、非シリコーン系消泡剤の場合、通常0.1〜
5重量%の範囲である。シリコン系および非シリコン系
を問わず上記消泡剤の配合量が、上記の範囲の下限未満
の場合には、配合に見合うだけの消泡効果が得られず、
場合によっては、砥粒を懸濁する際やラップ定盤上に散
布する際に生じる泡立ちを抑えることができず、また配
合量が上記の範囲上限を越える場合には、さらなる配合
に見合うだけの消泡効果が得られず経済的でない。
【0052】また、本発明に係るシリコンウェハ用ラッ
プ剤に、必要に応じて配合される防腐剤としては、使用
されるラップ剤成分およびシリコンウェハに悪影響を及
さないものである限りにおいて、公知のいずれのものを
用いてもよく、例えば、2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オン、5−クロル−2−メチル−4−イソチア
ゾリン−3−オン、ベンズ−4−イソチアゾリン−3−
オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、
デヒドロ酢酸、ピリジン−2−チオール−1−オキシド
塩、N,N′,N″−トリス(2−ヒドロキシエチル)
ヘキサヒドロ−S−トリアジン、2,2−ジブロム−2
−ニトロトリエタノール、パラクロルメタクレゾール、
2−ブロム−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、
パラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム、
1,2−ジブロム−2,4−ジシアノブタンなどが挙げ
られる。また、最終的に該ラップ液中に砥粒などを懸濁
して最終調製されてなるラップ剤中の防腐剤の配合量と
しては、通常1〜2000重量ppm、好ましくは10
〜1000重量ppmの範囲である。防腐剤の配合量が
1重量ppm未満の場合には、配合に見合うだけの防腐
効果が得られず、また2000重量ppmを越える場合
には、さらなる配合に見合うだけの防食効果が得られず
経済的でない。
【0053】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。
【0054】実施例1 基剤であるイオン交換水中に、下記表1に示すラップ液
の組成成分を、同表に示す成分組成比(重量比)にて配
合してシリコンウェハ用ラップ液を作製した。
【0055】次に、得られたラップ液を用いて、下記に
示す防錆性評価試験および砥粒分散性評価試験を行っ
た。
【0056】i)防錆性評価試験 上記シリコンウェハ用ラップ液をイオン交換水にて50
倍に希釈する。この希釈した液に、室温にて鋳鉄(FC
−200)および鋼(SPCC−B)のテストピースを
浸漬した後、テストピースの3分の1を大気中に引き出
し室温にて放置する。一週間放置し、テストピースの外
観を目視にて観察した。この時のテストピースの外観の
評価基準は、以下の通りである。 ◎ ラップ液浸漬部および大気暴露部に1週間サビな
し。 ○ ラップ液浸漬部および大気暴露部に3日間サビな
し。 △ ラップ液浸漬部または大気暴露部に3日目までに数
個のサビあり。 × ラップ液浸漬部または大気暴露部に3日目までに多
量のサビあり。ii)砥粒分散性評価試験 上記シリコンウェハ用ラップ液をイオン交換水にて50
倍に希釈した液100mlを共栓付き100mlメスシ
リンダーに取り、アルミナ砥粒(日の本研磨材株式会社
製、睦エメリー、粒度#1200)を20g加える。さ
らに下記表1に示すラップ剤の組成成分を、同表に示す
成分組成比(重量比)にて配合する。
【0057】メスシリンダーを上下に100回振蘯して
上記ラップ液に配合されたアルミナ砥粒を含む成分を分
散・懸濁させてシリコンウェハ用ラップ剤とする。その
後、メスシリンダーを静置する。
【0058】静置後40分間の砥粒の沈降固相部分と懸
濁液相部分の境界面をメスシリンダーの目盛を読み取る
ことにより砥粒分散性を評価した。評価判定は、沈降固
相が最高高さに達するまでの時間により以下の基準によ
り行った。
【0059】
【0060】上記防錆性評価試験のおよび砥粒分散性評
価試験の結果を表1に示す。
【0061】実施例2〜30 基剤であるイオン交換水中に、下記表1に示すラップ液
の組成成分を、同表に示す成分組成比(重量比)にて配
合し、本実施例2〜30のシリコンウェハ用ラップ液を
それぞれ作製した。
【0062】次に、得られた本実施例2〜30のシリコ
ンウェハ用ラップ液をそれぞれ用いて、実施例1と同様
に防錆性評価試験および砥粒分散性評価試験を行った。
得られた各評価結果をそれぞれ表1に示す。
【0063】比較例1〜2 下記表1に示すアミン類を含むラップ液(パレス化学株
式会社製、P−21またはP−51)をそれぞれ用い
て、実施例1と同様に防錆性評価試験および砥粒分散性
評価試験を行った。得られた評価結果をそれぞれ表1に
示す。
【0064】
【表1】
【0065】実施例31〜44 基剤であるイオン交換水中に、下記表2に示すラップ液
の組成成分を、同表に示す成分組成比(重量比)にて配
合し、本実施例31〜44のシリコンウェハ用ラップ液
をそれぞれ作製した。
【0066】次に、得られた本実施例31〜44のシリ
コンウェハ用ラップ液をそれぞれ用いて、実施例1と同
様に防錆性評価試験を行った。得られた評価結果をそれ
ぞれ表2に示す。
【0067】比較例3〜5 基剤であるイオン交換水中に、下記表2に示すラップ液
の組成成分を、同表に示す成分組成比(重量比)にて配
合し、本比較例3〜5のシリコンウェハ用ラップ液を作
製した。
【0068】次に、得られた本比較例3〜5のシリコン
ウェハ用ラップ液をそれぞれ用いて、実施例1と同様に
防錆性評価試験を行った。得られた評価結果をそれぞれ
表2に示す。
【0069】比較例6 基剤であるイオン交換水により下記表2に示す本比較例
6のシリコンウェハ用ラップ液を作製した。
【0070】次に、得られた本比較例6のシリコンウェ
ハ用ラップ液を用いて、実施例1と同様に防錆性評価試
験を行った。得られた評価結果を表2に示す。
【0071】比較例7〜8 下記表2に示すアミン類を含むラップ液(パレス化学株
式会社製、P−21またはP−51)をそれぞれ用い
て、実施例1と同様に防錆性評価試験を行った。得られ
た評価結果をそれぞれ表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】
【発明の効果】本発明のラップ液およびこれを用いたラ
ップ剤では、現在一般に使用されているアミン系のラッ
プ液が有する定盤(ラップ盤)に対する防錆力および砥
粒分散力と同等の能力を有し、さらにアミン類および亜
硝酸イオンを含まないのでシリコンウェハのラッピング
工程における作業者が、発癌性物質であるニトロソアミ
ンの雰囲気に晒される危険性を完全になくすことができ
るため、安全性に優れた代替剤として広く利用すること
が可能である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基剤である水に、有機酸およびその塩よ
    りなる群から選ばれてなる少なくとも1種が配合されて
    なることを特徴とするシリコンウェハ用ラップ液。
  2. 【請求項2】 基剤である水に、前記有機酸およびその
    塩よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種として、 p−t−ブチル安息香酸およびそのアルカリ塩よりな
    る群から選ばれてなる少なくとも1種の成分、 安息香酸およびそのアルカリ塩よりなる群から選ばれ
    てなる少なくとも1種の成分、 脂肪族二塩基酸または芳香族多塩基酸およびそれらの
    アルカリ塩よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種
    の成分、のうちの少なくとも1成分が配合されてなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェハ用ラッ
    プ液。
  3. 【請求項3】 前記基剤である水に、グリコール類より
    なる群から選ばれてなる少なくとも1種のものが配合さ
    れてなることを特徴とする請求項1または2に記載のシ
    リコンウェハ用ラップ液。
  4. 【請求項4】 前記基剤である水に、下記一般式(1) 【化1】 で示されるポリアルキレングリコールモノアリルエーテ
    ル(I)と、下記一般式(2) 【化2】 で示されるマレイン酸系単量体(II)との共重合体、ま
    たは前記一般式(1)で示されるポリアルキレングリコ
    ールモノアリルエーテル(I)、前記一般式(2)で示
    されるマレイン酸系単量体(II)およびこれら両単量体
    と共重合可能な単量体(III)との共重合体が配合されて
    なることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載のシリコンウェハ用ラップ液。
  5. 【請求項5】 前記基剤である水に、非イオン界面活性
    剤が配合されてなることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれか1項に記載のシリコンウェハ用ラップ液。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載のシリコンウェハ用
    ラップ液中に、砥粒が懸濁されてpHが8以上に調製さ
    れてなることを特徴とするシリコンウェハ用ラップ剤。
  7. 【請求項7】 前記シリコンウェハ用ラップ液に、増粘
    剤、消泡剤および防腐剤よりなる群から選ばれてなる少
    なくとも1種のものが配合されてなることを特徴とする
    請求項6に記載のシリコンウェハ用ラップ剤。
  8. 【請求項8】 前記シリコンウェハ用ラップ液に、希釈
    剤として水が配合されてなることを特徴とする請求項6
    または7に記載のシリコンウェハ用ラップ剤。
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