JP5927746B2 - 平版印刷版用湿潤剤 - Google Patents

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Description

本発明は、平版印刷において良好な印刷物を得ることができる平版印刷版用の湿潤剤に関するものである。
平版印刷は、水と油が本質的に混じり合わない性質を利用した印刷方法であり、油性のインクと水性の湿し水との反発により印刷物を得る方式である。このため、インクのみでなく湿し水の性能が良好な印刷物を得る上で重要となる。
湿し水に要求される性能としては、ローラーに取り付けられて回転する印刷版上の細かい非画像領域へ素早く均一に湿し水を供給するために、動的表面張力低下能に優れ、且つ低泡性であることが挙げられる。さらに、印刷版上におけるインクの供給される画像領域が侵食され剥がれる現象である、版トレを起こさないことも要求される。版トレが起こると、画線部となるべきところに湿し水が供給されてしまい、良好な印刷物を得ることができない。これら動的表面張力低下能、低泡性、版トレ防止能は、いずれも良好な印刷物を得るために必要であり、これらのうち一つでも劣る場合は良好な印刷物を得ることができない。そのため、表面張力の高い水をそのまま湿し水として用いることが困難である。
そこで、動的表面張力低下能に優れ、低泡性で、版トレを起こさない湿し水として、従来よりイソプロピルアルコール水溶液が使用されてきた。しかし、イソプロピルアルコールは揮発しやすいため、ローラー上や印刷版上に湿し水が供給されてもイソプロピルアルコールが揮発してしまい、湿し水として十分な効果を発揮することができず、良好な印刷物を得ることが困難であることや、湿し水中のイソプロピルアルコール濃度を一定に保つために特殊な装置が必要であることが問題となっていた。さらに、環境や人体に与える影響が懸念されるようになり、イソプロピルアルコールを使用しない湿し水にシフトしてきた。
そこで、動的表面張力低下能に優れ、イソプロピルアルコールと比較して揮発しにくい成分である、湿潤剤と呼ばれる界面活性剤や、グリコール系の相溶化成分等を配合した湿し水が使用されるようになった。
また、近年、生産性の向上として、印刷物の品質を損なうことなく、更なる高速印刷を行うことが求められるようになった。印刷が高速になるにつれて、印刷版はさらに高速で回転することになるため、湿し水の性能として、版トレを起こさないことに加えて、より素早く均一に印刷版上の非画線部に湿し水を供給できることが必要となる。したがって、従来よりも動的表面張力低下能や低泡性に優れた湿し水が求められているが、一般的には、湿潤剤の添加量を増加させることで湿し水の動的表面張力は低下する。
しかし、湿し水は通常、濃縮液として流通・保管されており、使用時に水道水等で50〜100倍に希釈して使用される。湿潤剤の添加量を増加させた場合、グリコール系の相溶化成分や水との相溶性が低下することにより、濃縮液の保管時に配合された成分が析出し易くなる問題もあった。そのため、単に湿潤剤添加量を増加させることでは高速印刷に対応した湿し水を得ることは困難だった。
これまで、以下に示す化合物を湿潤剤として用いることが提案されている。
例えば、動的表面張力低下能に優れた湿潤剤として、アルキルスルホコハク酸塩等に代表される各種陰イオン性界面活性剤が使用されてきた。しかし、陰イオン性界面活性剤は動的表面張力低下能には優れているが起泡性が高いため、動的表面張力を低下させるために添加量を増加させると、さらに起泡し易くなる問題があった。そこで、陰イオン性界面活性剤と比較して低泡性である、アルキレンオキシド誘導体に代表される各種非イオン性界面活性剤が提案され、使用されるようになった。
例えば、分岐を有する脂肪族アルコールにアルキレンオキシドを付加して得られる非イオン性界面活性剤を湿潤剤として用いることが提案されている(特許文献1)。
また、1個以上の側鎖を有する炭素数9のアルコールにエチレンオキシドとブチレンオキシドをこの順にブロック付加させた非イオン性界面活性剤が提案されている(特許文献2)。この界面活性剤は、湿し水用湿潤剤として用いた場合に版トレを起こしにくい。
さらに、アセチレングリコール酸化エチレン付加物を含む平版印刷用濃縮湿し水組成物が提案されている(特許文献3)。このアセチレングリコール酸化エチレン付加物は、版トレを起こしにくく、且つ、動的表面張力低下能に優れている。
特開2004−91686 特開2007−91624 特開2007−176085
しかし、特許文献1記載の界面活性剤は動的表面張力低下能や低泡性が十分でないことに加えて版トレが起こり易い。
特許文献2記載の界面活性剤では、動的表面張力低下能や低泡性が十分でない。
特許文献3のものでは、低泡性が十分でない。
したがって、印刷の品質を損なうことなくさらなる高速印刷を行うことが可能な平版印刷版用の湿し水が望まれていた。
本発明の課題は、印刷の品質を損なうことなく、これまで以上の高速印刷に耐え得る、動的表面張力低下能に優れ、低泡性を有し、版トレを起こさない平版印刷版用湿潤剤を提供することである。
上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定のアルコールにオキシエチレン基やオキシプロピレン基を特定の割合で付加させた構造の化合物を用いることで、動的表面張力低下能に優れ、低泡性を有し、版トレを起こさない湿し水が得られることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、式(1)で表される湿潤成分1重量部に対して、式(2)で表される相溶化成分を8〜500重量部添加してなることを特徴とする、平版印刷版用湿潤剤に係るものである。

O−(EO)−(PO)−H (1)

(式(1)中、Rは3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基、EOはオキシエチレン基、POは、オキシプロピレン基、aはオキシエチレン基の平均付加モル数でa=3〜6、bはオキシプロピレン基の平均付加モル数でb=2〜4、a/b=1.0〜1.7である。)

O−(AO)−H (2)

(式(2)中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、AOは炭素数2または3のオキシアルキレン基、cは炭素数2または3のオキアルキレン基の平均付加モル数でc=1〜3である。)
本組成物は、式(3)で表される化合物を0.3〜3重量部含んでよい。
Figure 0005927746
(式(3)中、EOはオキシエチレン基、d及びeはそれぞれオキシエチレン基の平均付加モル数、d+e=1〜10である。)
本発明により、印刷の品質を損なうことなく、さらなる高速印刷が可能な湿し水を提供できるため、大変有用である。
(式(1)で表される湿潤成分)
式(1)で表される湿潤成分を用いることにより、低泡性や版トレ防止性を付与し、動的表面張力低下能を向上させることが可能となる。本発明は、式(1)で表される湿潤成分を用いるところに顕著な特徴を有する。
は、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールから水酸基を除いた残基であり、すなわち3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基である。Rが炭素数が8以下のアルキル基であると、動的表面張力低下能や低泡性が劣り、炭素数が10以上のアルキル基であると、版トレを起こしやすい。しかも、炭素数9のアルコールのうち、動的表面張力低下能、低泡性、版トレ防止の観点から、3個のメチル分岐を有する3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基が優れていることを発見した。
EOは、オキシエチレン基である。aはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、3〜6とする。aが3より小さい場合は、式(2)で表される相溶化成分や水との溶解性が低下するため、使用時や濃縮液の保管時に析出または分離したり、版トレを引き起こしたりするので好ましくない。この観点からは、aは4以上が更に好ましい。また、aが6より大きい場合は、親水性が強くなり過ぎることにより動的表面張力低下能や低泡性に劣るため好ましくない。この観点からは、aは5以下が更に好ましい。
POは、オキシプロピレン基であり、好ましくはプロピレンオキシド由来のオキシプロピレン基(メチルオキシエチレン基)である。bは、オキシプロピレン基の平均付加モル数であり、2〜4が好ましく、3〜4がより好ましい。bが2より小さい場合は、低泡性に劣るため好ましくない。また、bが4より大きい場合は、式(2)で表される化合物や水との溶解性が低下するため、使用時や濃縮液の保管時に成分が析出または分離したり、版トレを引き起こしたりするので好ましくない。
a/bは、オキシエチレン基の平均付加モル数aとオキシプロピレン基の平均付加モル数bの比であり、1.0〜1.7とする。これが1.0より小さい場合、式(2)で表される相溶化成分や水との溶解性が低下し、使用時や濃縮液の保管時に析出し易くなる。この観点からは、a/bは、1.1以上がさらに好ましい。また、a/bが1.7より大きい場合、親水性が強くなり過ぎることにより動的表面張力低下能や低泡性に劣る。この観点からは、a/bは、1.6以下がより好ましい。
(式(2)で表される相溶化成分)
式(2)で表される相溶化成分は、式(1)で表される湿潤成分の分離を防止し、透明な濃縮液、湿し水を得るためのものである。加えて、版トレ防止性が付与され、動的表面張力低下能を向上させることが可能となる。
は、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基である。炭素数1〜4のアルキル基は、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
AOは、炭素数2または3のオキシアルキレン基であり、具体的にはオキシエチレン基、オキシプロピレン基である。オキシプロピレン基はプロピレンオキシド由来であり、好ましくはオキシエチレン基である。
cは、炭素数2または3のオキシアルキレン基の平均付加モル数でAOが2種以上の場合は合計平均付加モル数を示す。cの範囲は、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、1がさらに好ましい。cが3より大きい場合、起泡し易くなったり、粘度が高くなり過ぎたりするため好ましくない。
式(2)で表される相溶化成分の好ましい具体例としては、以下を例示できる。
エチレングリコール及びそのエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル);
ジエチレングリコール及びそのエーテル(ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル);
トリエチレングリコール及びそのエーテル(トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル);
プロピレングリコール及びそのエーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル);
ジプロピレングリコール及びそのエーテル(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル);
トリプロピレングリコール及びそのエーテル(トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル)。
これらのうち、エチレングリコールのエーテル(特にエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル)、プロピレングリコールのエーテル(特にプロピレングリコールモノメチルエーテル)、ジプロピレングリコールのエーテル(特にジプロピレングリコールモノメチルエーテル)がより好ましく、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルが最も好ましい。これらは、単一でも2種以上を併用しても良い。
(式(3)で表される化合物)
本発明の湿潤剤は、さらに、式(3)で表される化合物を併用することが好ましい。式(3)で表される化合物を併用することにより、低泡性や版トレ防止性を維持したまま、さらに動的表面張力低下能を向上させることが可能となる。
d及びeは、それぞれ、オキシエチレン基の平均付加モル数であり、d+e=1〜10が好ましい。d+eが1より小さい場合は親水性が低下するため、式(2)で表される化合物や水との溶解性が低下し、使用時や濃縮液の保管時に析出または分離し易くなる。この観点からは、d+eは、3以上がさらに好ましい。また、d+eが10より大きい場合は親水性が強くなり過ぎることにより動的表面張力低下能や低泡性に劣るため、好ましくない。この観点からは、d+eは、4以下がさらに好ましい。
なお、式(3)で表される化合物は、エアープロダクツアンドケミカルズ社製サーフィノールシリーズ、日信化学工業(株)製オルフィンシリーズ、川研ファインケミカル(株)製アセチレノールシリーズとして市販されている。
(平版印刷版用湿潤剤)
本発明の湿潤剤は、式(1)で表される湿潤成分、式(2)で表される相溶化成分、及び必要に応じて式(3)で表される化合物を含んでおり、各成分の好適な配合例は下記の通りである。
式(2)で表される化合物は、式(1)で表される湿潤成分および水との相溶性、動的表面張力低下能、起泡性、版トレ防止、粘度の観点から、式(1)で表される湿潤成分1重量部に対して、8〜500重量部が好ましく、8〜40重量部がより好ましく、9〜25重量部がさらに好ましく、9〜15重量部が最も好ましい。
式(3)で表される化合物を併用する場合、その配合量は、式(2)で表される相溶化成分および水との相溶性、動的表面張力低下能、起泡性、版トレ防止、粘度の観点から、式(1)で表される化合物1重量部に対して、0.3〜3重量部が好ましく、0.4〜2重量部がより好ましく、0.4〜1.3重量部がさらに好ましく、0.4〜1.0重量部が最も好ましい。
(湿し水の濃縮液)
平版印刷版用湿し水は、嵩張るので、通常、濃縮液として流通・保管されている。すなわち、本発明の湿潤剤に対して、必要に応じて他の添加剤を添加し、水で希釈して保管、流通用の濃縮液を得る。濃縮液においては、式(1)の湿潤成分、式(2)の相溶化成分および式(3)の添加剤からなる湿潤剤を、重量比率で2〜6倍に希釈することが好ましい。
そして、濃縮液は、使用時に水道水等の水で50〜100倍に希釈して使用し、このときに湿し水としての機能を発現する。
また、濃縮液には、他の添加剤をさらに追加することもできる。こうした添加剤とは、陽イオン性、陰イオン性、非イオン性の各種界面活性剤、アラビアガム、澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子化合物、有機酸、無機酸、及びこれらの塩等のpH調整剤、ブロモニトロアルコール系化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン化合物等の防腐剤、エチレンジアミンテトラ酢酸及びその塩等のキレート化剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、シリコーン化合物等の消泡剤等を例示できる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明にかかる化合物の合成例を以下に示す。合成した化合物は、H NMR分析により構造を同定した。なお、表1に合成した化合物を示す。
(合成例1:化合物1の合成)
5Lオートクレーブに、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール(商品名:ノナノール、KHネオケム(株)製)433g(3mol)および水酸化カリウム5gを仕込み、窒素置換後、撹拌しながら120℃に昇温した。次に滴下装置によりエチレンオキシド529g(12mol)を滴下し、1時間反応させた。続いて滴下装置によりプロピレンオキシド523g(9mol)を滴下し、2時間反応させた。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過により塩を除去して、1410gの化合物1を得た。
(化合物2、5の合成)
上記合成例1に準じて、下記の表1に示す化合物2、及び5を合成した。
(合成例2:化合物3の合成)
上記合成例1において、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールの代わりにイソノナノール(商品名:オキソコール900、分岐数:1.3、KHネオケム(株)製)433g(3mol)を用いた以外は同様の操作にて、1390gの化合物3を得た。
(化合物4の合成)
上記合成例2に準じて、下記の表1に示す化合物4を合成した。
(合成例3:化合物6の合成)
5Lオートクレーブに、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール(商品名:ノナノール、KHネオケム(株)製)433g(3mol)および水酸化カリウム5gを仕込み、窒素置換後、撹拌しながら120℃に昇温した。次に滴下装置によりエチレンオキシド529g(12mol)を滴下し、1時間反応させた。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過により塩を除去して、914gの化合物6を得た。
(合成例4:化合物7の合成)
5Lオートクレーブに、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール(商品名:ノナノール、KHネオケム(株)製)433g(3mol)および水酸化カリウム5gを仕込み、窒素置換後、撹拌しながら120℃に昇温した。次に滴下装置によりエチレンオキシド529g(12mol)を滴下し、1時間反応させた。続いて滴下装置によりブチレンオキシド649g(9mol)を滴下し、2時間反応させた。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過により塩を除去して、1520gの化合物7を得た。
(合成例5:化合物8の合成)
5Lオートクレーブに、2−エチルー1−ヘキサノール(商品名:オクタノール、KHネオケム(株)製)391g(3mol)および水酸化カリウム5gを仕込み、窒素置換後、撹拌しながら120℃に昇温した。次に滴下装置によりエチレンオキシド661g(15mol)を滴下し、1時間反応させた。続いて滴下装置によりプロピレンオキシド523g(9mol)を滴下し、2時間反応させた。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過により塩を除去して、1490gの化合物8を得た。
(合成例6:化合物9の合成)
上記合成例1において、オクタノールの代わりにオレイルアルコール(商品名:HDオセノール90/95V、コグニス社製)805g(3mol)を用いた以外は同様の操作にて、1880gの化合物9を得た。
Figure 0005927746
(溶液調製と動的表面張力の測定)
以下の各成分を、表2、表3に記載の重量部にて混合した。
表1に示した各化合物
式(2)の化合物: エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル(商品名:スワソルブETB、丸善石油化学(株)製)
式(3)の化合物: 2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールジ(ポリオキシエチレン(3.5))エーテル(商品名:サーフィノール440、エアープロダクツアンドケミカルズ社製)
上記した組成物をイオン交換水によって4〜4.5倍に希釈して濃縮液とし、室温での外観を観察し、結果を表2、表3に示した。
次いで、調製した各濃縮液をさらにイオン交換水にて50倍に希釈し、湿し水を得た。
調整した各湿し水について、印刷時における細かい非画像領域への供給され易さの指標として、動的表面張力の測定を行った。KRUSS製バブルプレッシャー型動的表面張力計クルスBP−2を用いて、試験溶液の25℃における界面寿命10ms、及び100msにおける試験溶液の表面張力を測定した。結果を表2、表3に示す。
(試験1:起泡試験)
調整した各湿し水について、印刷時における起泡性を確認するモデル手段として、起泡試験を下記の要領で行った。なお、起泡試験は印刷中、常に新たな界面が形成されることを考慮し、ディフーザーストーンを用いて一定時間経過後の発生した泡の体積を測定する方法により行った。
1リットル容トールメスシリンダーに、調製した各湿し水200gを入れ、ディフーザーストーンを先端に取り付けた吹込み管をセットし、25℃で10分間保持した。その後、流量計を用いてディフーザーストーンより空気を毎分300mLで吹き込み、各時間における泡の上面の目盛りを測定し、表1に示した化合物を添加しなかったコントロールとの差を発生した泡の体積とした。なお、起泡性が認められる場合、泡の体積は0cmより大きくなり、好ましくないことを示す。
(試験2:印刷版浸漬試験)
調整した各湿し水について、印刷時における版トレの有無を確認する指標として、印刷版浸漬試験を下記の要領で行った。
50mLスクリュー管に調整した各湿し水を40g入れ、15mm×70mmに裁断したサーマルCTP版(Kodak社製エクスサーモTP−W)の試験片を浸し、密封して40℃の恒温槽で2時間静置後、試験片を取り出し、剥がれ(版トレ)の有無を目視にて確認した。尚、評価結果は版トレのないものを「○」で、版トレが確認されたものを「×」で、表2、表3に示す。
Figure 0005927746
Figure 0005927746
式(1)の湿潤成分を式(2)の相溶化成分と組み合わせて用いた実施例1〜3は、いずれも透明な濃縮液が得られ、版トレも起こさず、優れた初期及び経時における低泡性と動的表面張力低下能を示した。
比較例1では、湿潤成分のアルキル基が3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基でないため、低泡性に劣り、版トレが確認された。
比較例2では、湿潤成分のアルキル基が3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基でなく、湿潤成分のオキシエチレン基の平均付加モル数も多いので、低泡性に劣り、版トレが確認された。
比較例3では、湿潤成分のオキシエチレン基の平均付加モル数が多く、低泡性に劣っていた。
比較例4では、湿潤成分にオキシプロピレン基が付加されていないため、低泡性に劣っていた。
比較例5では、湿潤成分のオキシプロピレン基の代わりにオキシブチレン基を導入したため、透明な濃縮液が得られなかったことに加えて版トレが確認された。
比較例6では、湿潤成分のアルキル基が3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基でないため、低泡性に劣っていた。
比較例7では、湿潤成分のアルキル基が3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基でないため、透明な濃縮液が得られなかったことに加えて版トレが確認された。
比較例8では、式(1)の相溶性が不十分になり、版トレが確認された。
比較例9では、湿潤成分を用いなかったため、低泡性に劣っていた。
比較例10では、式(2)の相溶化成分が少ないため、版トレが確認された。

Claims (2)

  1. 式(1)で表される印刷用湿潤成分1重量部に対して、式(2)で表される相溶化成分を8〜500重量部添加してなることを特徴とする、平版印刷版用湿潤剤。

    O−(EO)−(PO)−H (1)

    (式(1)中、Rは3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、aはオキシエチレン基の平均付加モル数でa=3〜6、bはオキシプロピレン基の平均付加モル数でb=2〜4、a/b=1.0〜1.7である。)

    O−(AO)−H (2)

    (式(2)中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、AOは炭素数2または3のオキシアルキレン基、cは炭素数2または3のオキアルキレン基の平均付加モル数でc=1〜3である。)
  2. 式(3)で表される化合物を0.3〜3重量部含むことを特徴とする、請求項1記載の平版印刷版用湿潤剤。
    Figure 0005927746
    (式(3)中、EOはオキシエチレン基、d及びeはそれぞれオキシエチレン基の平均付加モル数、d+e=1〜10である。)
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