JPH10220030A - 鋼板巻き立て補強コンクリート構造物及びその施工方法 - Google Patents
鋼板巻き立て補強コンクリート構造物及びその施工方法Info
- Publication number
- JPH10220030A JPH10220030A JP9027614A JP2761497A JPH10220030A JP H10220030 A JPH10220030 A JP H10220030A JP 9027614 A JP9027614 A JP 9027614A JP 2761497 A JP2761497 A JP 2761497A JP H10220030 A JPH10220030 A JP H10220030A
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- concrete structure
- existing concrete
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鋼板巻き立て工法において、モルタルの流動
性を阻害することなく充分な充填が得られ、かつ水分損
失によるモルタルの品質変化を防止できるようにする。 【解決手段】 既設コンクリート構造物の外周面にシー
トを巻き付けるか又は防水防止剤を塗布して吸水防止層
を設ける。この後、既設コンクリート構造物に鋼板を巻
き立て隙間にモルタルを充填する。モルタルは吸水防止
層の存在によって水分が失われず、流動性及び充填性が
確保されるため設計通りの耐震補強が得られると共に、
モルタルの品質変化を未然に防止することができる。
性を阻害することなく充分な充填が得られ、かつ水分損
失によるモルタルの品質変化を防止できるようにする。 【解決手段】 既設コンクリート構造物の外周面にシー
トを巻き付けるか又は防水防止剤を塗布して吸水防止層
を設ける。この後、既設コンクリート構造物に鋼板を巻
き立て隙間にモルタルを充填する。モルタルは吸水防止
層の存在によって水分が失われず、流動性及び充填性が
確保されるため設計通りの耐震補強が得られると共に、
モルタルの品質変化を未然に防止することができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板巻き立て補強
コンクリート構造物及びその施工方法に関する。
コンクリート構造物及びその施工方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】既設コンクリート構造物、例えば高架橋
の橋脚等を耐震補強する方法としては鋼板巻き立て工法
が知られており、この鋼板巻き立て工法は、橋脚等の既
設コンクリート構造物の廻りに鋼板を巻き立て、隙間に
モルタルを充填するものである。この際、充填用モルタ
ルは高い流動性と充填性を有する高流動性モルタルが使
用されている。
の橋脚等を耐震補強する方法としては鋼板巻き立て工法
が知られており、この鋼板巻き立て工法は、橋脚等の既
設コンクリート構造物の廻りに鋼板を巻き立て、隙間に
モルタルを充填するものである。この際、充填用モルタ
ルは高い流動性と充填性を有する高流動性モルタルが使
用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
鋼板巻き立て工法においては、既設コンクリート構造物
の外周面は特に処理せずそのままモルタルを充填してい
るため、モルタルは既設コンクリート構造物の表面抵抗
を受けて流動性が阻害されるばかりか、表面の乾燥のた
めモルタル中の水分が取られてモルタルの品質が変化
し、充分な耐震補強が得られない問題があった。このよ
うな問題に対処するため、例えば既設コンクリート構造
物の外周面に散水する方法があるが、外側に巻き立て鋼
板があるため排水が充分に出来ず、モルタルが材料分離
したり、水セメント比が変化してしまう等の不都合が発
生し、品質管理上支障を来す欠点があった。
鋼板巻き立て工法においては、既設コンクリート構造物
の外周面は特に処理せずそのままモルタルを充填してい
るため、モルタルは既設コンクリート構造物の表面抵抗
を受けて流動性が阻害されるばかりか、表面の乾燥のた
めモルタル中の水分が取られてモルタルの品質が変化
し、充分な耐震補強が得られない問題があった。このよ
うな問題に対処するため、例えば既設コンクリート構造
物の外周面に散水する方法があるが、外側に巻き立て鋼
板があるため排水が充分に出来ず、モルタルが材料分離
したり、水セメント比が変化してしまう等の不都合が発
生し、品質管理上支障を来す欠点があった。
【０００４】本発明は、このような従来の事態に鑑みな
されたもので、鋼板巻き立て工法において、モルタルの
流動性を阻害することなく充分な充填性が得られ、かつ
水分損失によるモルタルの品質変化を防止できるように
した鋼板巻き立て補強コンクリート構造物及びその施工
方法を提供することを目的とする。
されたもので、鋼板巻き立て工法において、モルタルの
流動性を阻害することなく充分な充填性が得られ、かつ
水分損失によるモルタルの品質変化を防止できるように
した鋼板巻き立て補強コンクリート構造物及びその施工
方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記課題を技術的に解決
するための手段として、本発明は、既設コンクリート構
造物の外周面に吸水防止層を設けると共に鋼板を巻き立
て、この鋼板と前記吸水防止層を設けた既設コンクリー
ト構造物との間にモルタルを充填してなる鋼板巻き立て
補強コンクリート構造物を要旨とする。又、既設コンク
リート構造物の外周面にシートを巻き付けるか又は吸水
防止剤を塗布し、更に鋼板を巻き立てた後、前記既設コ
ンクリート構造物との隙間にモルタルを充填する鋼板巻
き立て補強コンクリート構造物の施工方法を要旨とする
ものである。
するための手段として、本発明は、既設コンクリート構
造物の外周面に吸水防止層を設けると共に鋼板を巻き立
て、この鋼板と前記吸水防止層を設けた既設コンクリー
ト構造物との間にモルタルを充填してなる鋼板巻き立て
補強コンクリート構造物を要旨とする。又、既設コンク
リート構造物の外周面にシートを巻き付けるか又は吸水
防止剤を塗布し、更に鋼板を巻き立てた後、前記既設コ
ンクリート構造物との隙間にモルタルを充填する鋼板巻
き立て補強コンクリート構造物の施工方法を要旨とする
ものである。
【０００６】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳説する。図１において、１は橋脚等の
既設コンクリート構造物であり、その外周面に吸水防止
層２を形成してある。吸水防止層２は、例えば合成樹脂
製等の薄いシートを巻き付けるか、又は撥水剤や剥離剤
等の吸水防止剤を塗布することにより形成することがで
きる。
図面に基づいて詳説する。図１において、１は橋脚等の
既設コンクリート構造物であり、その外周面に吸水防止
層２を形成してある。吸水防止層２は、例えば合成樹脂
製等の薄いシートを巻き付けるか、又は撥水剤や剥離剤
等の吸水防止剤を塗布することにより形成することがで
きる。
【０００７】前記シートは薄くて軽いため、既設コンク
リート構造物１の表面にガムテープ等で貼着することで
簡単に巻き付けることができ、シート同士の接続もガム
テープ等で容易に行うことができ、この際シートは多少
穴があいていても隙間があっても構わない。又、風によ
る飛散が問題になる場合は、ゴムバンド、ひも、針金等
で留めればよい。
リート構造物１の表面にガムテープ等で貼着することで
簡単に巻き付けることができ、シート同士の接続もガム
テープ等で容易に行うことができ、この際シートは多少
穴があいていても隙間があっても構わない。又、風によ
る飛散が問題になる場合は、ゴムバンド、ひも、針金等
で留めればよい。
【０００８】３は鋼板であり、前記吸水防止層２を形成
した既設コンクリート構造物１の周囲に巻き立てる。こ
の鋼板３の巻き立ては合わせ目端部をボルト止めし或は
溶接する等種々の方法があるが、図示の例では鋼板３の
合わせ目端部に歯形係合部を有する継手３ａを取り付
け、これら継手３ａを相互に噛み合わせることにより締
結してある。このような噛み合わせ継手の場合には、溶
接を用いないため作業が簡略化すると共に前記吸水防止
層２が熱による損傷を受けることがないので好都合であ
る。
した既設コンクリート構造物１の周囲に巻き立てる。こ
の鋼板３の巻き立ては合わせ目端部をボルト止めし或は
溶接する等種々の方法があるが、図示の例では鋼板３の
合わせ目端部に歯形係合部を有する継手３ａを取り付
け、これら継手３ａを相互に噛み合わせることにより締
結してある。このような噛み合わせ継手の場合には、溶
接を用いないため作業が簡略化すると共に前記吸水防止
層２が熱による損傷を受けることがないので好都合であ
る。
【０００９】この後、巻き立てた鋼板３と既設コンクリ
ート構造物１との間にモルタル４を充填するが、前記の
ように既設コンクリート構造物１の外周面には吸水防止
層２が形成されているため、モルタル４中の水分が既設
コンクリート構造物１に奪い取られることはなく、流動
性が阻害されることもない。従って、モルタル４は隙間
に隈無く充填されると共に、水分損失による品質変化も
生じないため設計通りの耐震補強が得られる。
ート構造物１との間にモルタル４を充填するが、前記の
ように既設コンクリート構造物１の外周面には吸水防止
層２が形成されているため、モルタル４中の水分が既設
コンクリート構造物１に奪い取られることはなく、流動
性が阻害されることもない。従って、モルタル４は隙間
に隈無く充填されると共に、水分損失による品質変化も
生じないため設計通りの耐震補強が得られる。
【００１０】この場合、モルタル４の流動性及び充填性
が良くなるため、通常のモルタル配合で充分適用が可能
であり、従来のように特に高流動性のモルタル配合にす
る必要がなく、セメント量の低減、混和材料の低減等に
よりモルタル単価を下げることができる。吸水防止層２
がシートの場合は、厳密に言うと既設コンクリート構造
物１とモルタル４とは直接接合しないが、巻き立てた鋼
板３を介して一体化されるため強度上何ら問題は生じな
い。
が良くなるため、通常のモルタル配合で充分適用が可能
であり、従来のように特に高流動性のモルタル配合にす
る必要がなく、セメント量の低減、混和材料の低減等に
よりモルタル単価を下げることができる。吸水防止層２
がシートの場合は、厳密に言うと既設コンクリート構造
物１とモルタル４とは直接接合しないが、巻き立てた鋼
板３を介して一体化されるため強度上何ら問題は生じな
い。
【００１１】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
既設コンクリート構造物の外周面に吸水防止層を設けた
ので、既設コンクリート構造物の外周面に巻き立てた鋼
板との間にモルタルを充填する際にモルタル中の水分が
失われず、モルタルの流動性を阻害することなく充分な
充填性が得られ、かつモルタルの品質変化を未然に防止
することができる。これにより、設計通りの耐震補強が
得られると共に、モルタルの単価の低減が図れる等の優
れた効果を奏する。
既設コンクリート構造物の外周面に吸水防止層を設けた
ので、既設コンクリート構造物の外周面に巻き立てた鋼
板との間にモルタルを充填する際にモルタル中の水分が
失われず、モルタルの流動性を阻害することなく充分な
充填性が得られ、かつモルタルの品質変化を未然に防止
することができる。これにより、設計通りの耐震補強が
得られると共に、モルタルの単価の低減が図れる等の優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態を示す概略断面図である。
１…既設コンクリート構造物 ２…吸水防止層 ３…鋼板 ３ａ…継手 ４…モルタル
Claims (2)
- 【請求項１】既設コンクリート構造物の外周面に吸水防
止層を設けると共に鋼板を巻き立て、この鋼板と前記吸
水防止層を設けた既設コンクリート構造物との間にモル
タルを充填してなることを特徴とする鋼板巻き立て補強
コンクリート構造物。 - 【請求項２】既設コンクリート構造物の外周面にシート
を巻き付けるか又は吸水防止剤を塗布し、更に鋼板を巻
き立てた後、前記既設コンクリート構造物との隙間にモ
ルタルを充填することを特徴とする鋼板巻き立て補強コ
ンクリート構造物の施工方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9027614A JPH10220030A (ja) | 1997-02-12 | 1997-02-12 | 鋼板巻き立て補強コンクリート構造物及びその施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9027614A JPH10220030A (ja) | 1997-02-12 | 1997-02-12 | 鋼板巻き立て補強コンクリート構造物及びその施工方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10220030A true JPH10220030A (ja) | 1998-08-18 |
Family
ID=12225823
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9027614A Pending JPH10220030A (ja) | 1997-02-12 | 1997-02-12 | 鋼板巻き立て補強コンクリート構造物及びその施工方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10220030A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005030137A (ja) * | 2003-07-10 | 2005-02-03 | East Japan Railway Co | 柱状構造物の補強構造、及び補強板材料 |
| WO2014111851A1 (en) | 2013-01-17 | 2014-07-24 | Sanyohome Co., Ltd. | Reinforcing structure for concrete column |
| JP2017014866A (ja) * | 2015-07-06 | 2017-01-19 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 構造物補強用部材及び継手構造 |
| JP2017025509A (ja) * | 2015-07-17 | 2017-02-02 | 清水建設株式会社 | 構造物補強用部材 |
| CN108824229A (zh) * | 2018-08-28 | 2018-11-16 | 南京林业大学 | 一种加固桥梁水下结构frp壳体环向搭接方法 |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS52123524A (en) * | 1976-04-09 | 1977-10-17 | Tatsumuragumi Kk | Method of reinforcing existing pillar |
| JPH06184489A (ja) * | 1992-12-22 | 1994-07-05 | Kuraray Co Ltd | セメントモルタル用打継ぎ材 |
-
1997
- 1997-02-12 JP JP9027614A patent/JPH10220030A/ja active Pending
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS52123524A (en) * | 1976-04-09 | 1977-10-17 | Tatsumuragumi Kk | Method of reinforcing existing pillar |
| JPH06184489A (ja) * | 1992-12-22 | 1994-07-05 | Kuraray Co Ltd | セメントモルタル用打継ぎ材 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005030137A (ja) * | 2003-07-10 | 2005-02-03 | East Japan Railway Co | 柱状構造物の補強構造、及び補強板材料 |
| WO2014111851A1 (en) | 2013-01-17 | 2014-07-24 | Sanyohome Co., Ltd. | Reinforcing structure for concrete column |
| US9353536B2 (en) | 2013-01-17 | 2016-05-31 | Sanyohome Co., Ltd. | Reinforcing structure for concrete column |
| JP2017014866A (ja) * | 2015-07-06 | 2017-01-19 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 構造物補強用部材及び継手構造 |
| JP2021121724A (ja) * | 2015-07-06 | 2021-08-26 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 構造物補強用部材及び継手構造 |
| JP2017025509A (ja) * | 2015-07-17 | 2017-02-02 | 清水建設株式会社 | 構造物補強用部材 |
| CN108824229A (zh) * | 2018-08-28 | 2018-11-16 | 南京林业大学 | 一种加固桥梁水下结构frp壳体环向搭接方法 |
| CN108824229B (zh) * | 2018-08-28 | 2023-11-10 | 南京林业大学 | 一种加固桥梁水下结构frp壳体环向搭接方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041022 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041130 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050405 |