JPH10218968A - 軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート - Google Patents

軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート

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JPH10218968A
JPH10218968A JP9038584A JP3858497A JPH10218968A JP H10218968 A JPH10218968 A JP H10218968A JP 9038584 A JP9038584 A JP 9038584A JP 3858497 A JP3858497 A JP 3858497A JP H10218968 A JPH10218968 A JP H10218968A
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直之 大森
Hiroyuki Orito
洋之 折戸
Takayoshi Kino
孝喜 城野
Teruo Sato
照夫 佐藤
Kazuki Sasaki
和起 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度、高反発性等、高性能である軟質ポリ
ウレタンフォーム用のポリイソシアネートを提供する。 【解決手段】 特定のポリイソシアネートと特定のポリ
エーテルポリオール及び特定のポリエステルポリオール
からなるNCO基末端プレポリマーを含有するポリイソ
シアネートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟質ポリウレタン
フォーム用ポリイソシアネートに関する。更に詳しく
は、低密度で諸物性に優れた軟質ポリウレタンフォーム
を得るためのポリイソシアネートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、軟質ポリウレタンフォームは、そ
の優れたクッション性を生かし、自動車のクッション
材、家具等に広く使用されいてる。この軟質ポリウレタ
ンフォーム用イソシアネートとして、従来はトリレンジ
イソシアネート(以後、TDIと略す)及びTDIを用
いたイソシアネート基(以後、NCO基と略す)末端プ
レポリマー等が用いられてきた。
【0003】また、近年は、イソシアネート成分とし
て、1分子中にベンゼン環を2個有するジフェニルメタ
ンジイソシアネート(以後、MDIと略す)、MDIと
1分子中にベンゼン環を3個以上有するポリフェニレン
ポリメチレンポリイソシアネート(以後、ポリメリック
MDIと略す)の混合物、及びこれらのNCO基末端プ
レポリマーが軟質ポリウレタンフォーム用イソシアネー
トとして広く使用されている。
【0004】軟質ポリウレタンフォーム用イソシアネー
トも用いられるNCO基末端プレポリマーにおけるポリ
オールには、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポ
リオール、ポリマーポリオールが用いられている。
【0005】例えば、特開平5−25242号公報に
は、特定のイソシアネートとポリオールからなるNCO
基末端プレポリマーを軟質ポリウレタンフォームに用い
た例が開示されている。また、特開平8−12737号
公報、特開平8−12737号公報には、特定のポリエ
ーテルポリオールを用いたNCO末端プレポリマーを軟
質ポリウレタンフォームに用いた例が開示されている。
【0006】このNCO末端プレポリマーに用いられる
ポリオールは、プロピレンオキサイドユニットが多い
(具体的には過半数のモル%)ポリエーテルポリオール
が好んで使用されてきた。これは、プロピレンオキサイ
ドユニットが多いポリエーテルポリオールが常温液状で
あり、また、コスト的にも有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】近年、軟質ポリウレ
タンフォームに対して、高強度で高反発性であることが
求められている。従来、高強度である軟質ポリウレタン
フォームは、反発弾性が小さく、また、高反発性のもの
は、強度が小さく、従来の処方で得られる軟質ポリウレ
タンフォームでは、このような要求性能が満たされなか
った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題を
解決するために、従来の常識に挑戦して鋭意研究検討し
た結果、特定のポリイソシアネートと特定のポリエーテ
ルポリオール及び特定のポリエステルポリオールからな
るNCO基末端プレポリマーを含有するポリイソシアネ
ートが、上記の問題点を解決できることを見いだし、本
発明を完成させるに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は次の(1)〜
(3)である。
【0010】(1) (A)に示す割合からなる下記ポ
リイソシアネート成分(イ)〜(ハ)と、(B)に示す
割合からなる下記ポリオール成分(ニ)、(ホ)とを反
応させて得られる、NCO基含有量が5〜35重量%で
ある軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート。 ポリイソシアネート成分 (イ)2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及
び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを合計
5〜55重量%、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネートを95〜45重量%からなる、1分子中にベン
ゼン環を2個有するジフェニルメタンジイソシアネー
ト。 (ロ)1分子中にベンゼン環を3個以上有するポリフェ
ニレンポリメチレンポリイソシアネート。 (ハ)トリレンジイソシアネート。 (A)ポリイソシアネート成分の割合: (イ):(ロ)=50〜85重量%:50〜15重量% (イ)と(ロ)の合計:(ハ)=100重量部:5〜2
5重量部 ポリオール成分 (ニ)水酸基1個当たりの数平均分子量300〜5,0
00、平均官能基数2〜8、エチレンオキサイドユニッ
トが70モル%以上であるポリエーテルポリオール。 (ホ)水酸基1個当たりの数平均分子量300〜5,0
00、平均官能基数2〜3、脂肪族ジカルボン酸と脂肪
族及び/又は脂環族ポリオールからなるポリエステルポ
リオール。 (B)ポリオール成分の割合: (ニ):(ホ)=45〜75重量%:55〜25重量%
【0011】(2) (A)に示す割合からなる下記ポ
リイソシアネート成分(イ)、(ロ)と、(B)に示す
割合からなる下記ポリオール成分(ニ)、(ホ)とを反
応させて得られるNCO基末端プレポリマーに、下記の
(ハ)を(A)に示す割合になるように混合して得られ
る、NCO基含有量が5〜35重量%である軟質ポリウ
レタンフォーム用ポリイソシアネート。 ポリイソシアネート成分 (イ)2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及
び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを合計
5〜55重量%、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネートを95〜45重量%からなる、1分子中にベン
ゼン環を2個有するジフェニルメタンジイソシアネー
ト。 (ロ)1分子中にベンゼン環を3個以上有するポリフェ
ニレンポリメチレンポリイソシアネート。 (ハ)トリレンジイソシアネート。 (A)ポリイソシアネート成分の割合: (イ):(ロ)=50〜85重量%:50〜15重量% (イ)と(ロ)の合計:(ハ)=100重量部:5〜2
5重量部 ポリオール成分 (ニ)水酸基1個当たりの数平均分子量300〜5,0
00、平均官能基数2〜8、エチレンオキサイドユニッ
トが70モル%以上であるポリエーテルポリオール。 (ホ)水酸基1個当たりの数平均分子量300〜5,0
00、平均官能基数2〜3、脂肪族ジカルボン酸と脂肪
族及び/又は脂環族ポリオールからなるポリエステルポ
リオール。 (B)ポリオール成分の割合: (ニ):(ホ)=45〜75重量%:55〜25重量%
【0012】(3) 下記ポリイソシアネート成分
(イ)と、(B)に示す割合からなる下記ポリオール成
分(ニ)、(ホ)とを反応させて得られるイソシアネー
ト基末端プレポリマーに、下記の(ロ)、(ハ)を
(A)に示す割合になるように混合して得られる、NC
O基含有量が5〜35重量%である軟質ポリウレタンフ
ォーム用ポリイソシアネート。 ポリイソシアネート成分 (イ)2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及
び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを合計
5〜55重量%、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネートを95〜45重量%からなる、1分子中にベン
ゼン環を2個有するジフェニルメタンジイソシアネー
ト。 (ロ)1分子中にベンゼン環を3個以上有するポリフェ
ニレンポリメチレンポリイソシアネート。 (ハ)トリレンジイソシアネート。 (A)ポリイソシアネート成分の割合: (イ):(ロ)=50〜85重量%:50〜15重量% (イ)と(ロ)の合計:(ハ)=100重量部:5〜2
5重量部 ポリオール成分 (ニ)水酸基1個当たりの数平均分子量300〜5,0
00、平均官能基数2〜8、エチレンオキサイドユニッ
トが70モル%以上であるポリエーテルポリオール。 (ホ)水酸基1個当たりの数平均分子量300〜5,0
00、平均官能基数2〜3、脂肪族ジカルボン酸と脂肪
族及び/又は脂環族ポリオールからなるポリエステルポ
リオール。 (B)ポリオール成分の割合: (ニ):(ホ)=45〜75重量%:55〜25重量%
【0013】本発明に用いられる各原料について説明す
る。 (イ)MDIは、1分子中にベンゼン環を2個有するも
ので、2核体と言われているものである。また、(ロ)
ポリメリックMDIは、1分子中にベンゼン環を3個以
上有するもので、多核体と言われているものである。
【0014】本発明における(イ)MDIの供給源は、
2核体のみで構成されているもの及び/又は2核体と多
核体の混合物である。また、(ロ)ポリメリックMDI
の供給源は、2核体と多核体の混合物である。
【0015】本発明におけるMDIを構成する異性体
は、2,2′−MDI、2,4′−MDI、4,4′−
MDIの3種類である。本発明におけるMDIの異性体
構成比は、2,2′−MDIと2,4′−MDIの合
計:4,4′−MDI=5〜55:95〜45(重量
%)、好ましくは10〜40:90〜60(重量%)で
ある。2,2′−MDIと2,4′−MDIの合計が5
重量%未満の場合、フォーム製造時において、発泡時の
安定性が欠けやすくなる。2,2′−MDIと2,4′
−MDIの合計が55重量%を越えるものは、キュアー
性に劣りやすくなる。
【0016】本発明における(イ)と(ロ)の割合は、
(イ):(ロ)=50〜85重量%:50〜15重量
%、好ましくは55〜80重量%:45〜20重量%で
ある。(イ)が50重量%未満の場合は、軟質ポリウレ
タンフォーム製造時においてシュリンク(収縮)が発生
し、成形品の寸法変化等の問題が起こりやすく、また、
伸びが著しく低下しやすいという問題がある。(イ)が
85重量%を越える場合は、反発弾性が低下しやすくな
る。
【0017】本発明における(ハ)TDIを構成する異
性体は、2,4−TDIと2,6−TDIの2種類であ
る。本発明における異性体構成比は、2,4−TDIを
65重量%以上となるものである。2,4−TDIの含
有量が65重量%未満の場合は、キュアー性が著しく低
下しやすくなる。
【0018】また、本発明における(イ)と(ロ)の合
計量と(ハ)の割合は、(イ)と(ロ)の合計:(ハ)
=100重量部:5〜25重量部、好ましくは100重
量部:7〜23重量部である。(ハ)が5重量部未満の
場合は、反発弾性が低下しやすくなる。25重量部を越
えると異硬度成形が困難になる。
【0019】本発明に用いられる(ニ)ポリエーテルポ
リオールとしては、エチレングリコール(以後、EGと
略す)1,2−プロパンジオール(以後、1,2−PD
と略す)、1,3−PD、1,2−ブタンジオール(以
後1,2−BDと略す)、1,3−BD、1,4−B
D、ジエチレングリコール(以後、DEGと略す)、ジ
プロピレングリコール(以後、DPGと略す)、1,5
−ペンタンジオール(以後、1,5−PDと略す)、
1,6−ヘキサンジオール(以後、1,6−HDと略
す)、1,8−オクタンジオール(以後、1,8−OD
と略す)、1,9−ノナンジオール(以後、1,9−N
Dと略す)、ネオペンチルグリコール(以後、NPGと
略す)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(以
後、MPDと略す)、シクロヘキサン−1,4−ジオー
ル(以後、CHDと略す)、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノール(以後、CHDMと略す)、ビスフェノー
ルA、水素添加ビスフェノールA、グリセリン、トリメ
チロールプロパン(以後、TMPと略す)、ペンタエリ
スリトール、ソルビトール、また、シュークローズ、グ
ルコース、フラクトース等のシュガー系アルコール類、
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジア
ミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジア
ミン、キシリレンジアミン等のような活性水素基を2個
以上有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド
(以後、EOと略す)、プロピレンオキサイド(以後、
POと略す)、ブチレンオキサイド、アミレンオキサイ
ド、メチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジル
エーテル、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグ
リシジルエーテル、テトラヒドロフラン等の環状エーテ
ルモノマーからEOのみ又はEOとその他のモノマーの
混合物を公知の方法により付加重合することで得られ
る。
【0020】(ニ)の平均官能基数は2〜8、好ましく
は2〜6で、かつ、EOユニットは70モル%以上、好
ましくは80モル%以上である。(ニ)の最も好ましい
ものは、平均官能基数が2〜4で、EOユニットが90
モル%以上のものである。平均官能基数が2未満の場合
は、十分な物性を持つ軟質ポリウレタンフォームが得ら
れにくくなる。平均官能基数が8を越える場合は、この
ポリイソシアネートを用いたポリウレタンフォームが硬
くなりやすくなる。EOユニットが70モル%未満の場
合は、反発弾性が低下しやすくなる。
【0021】本発明に用いられる(ホ)ポリエステルポ
リオールとしては、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族及び/
又は脂環族ポリオールとを反応させて得られるものであ
り、公知の方法にて得られるものである。また、脂肪族
ジカルボン酸は、無水物やアルキルエステルであっても
よい。脂肪族ジカルボン酸としては、公知のコハク酸、
酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸等の1種類又はそれ以上の混合物が挙
げられる。
【0022】脂肪族ポリオールとしては、EG、1,2
−PD、1,3−PD、1,2−BD、1,3−BD、
1,4−BD、DEG、DPG、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−HD、MPD、1,8−OD、1,9−
ND、NPG、TMP、グリセリン等の1種類又はそれ
以上の混合物がが挙げられ、脂環族ポリオールとして
は、CHD、CHDM、水素添加ビスフェノールAのE
OやPO付加物等の1種類又はそれ以上の混合物が挙げ
られる。
【0023】(ホ)の平均官能基数は2〜3、好ましく
は2.0〜2.5である。平均官能基数が、2未満の場
合は、十分な物性を持つ軟質ポリウレタンフォームが得
られにくい。平均官能基数が3を越える場合は、このポ
リイソシアネートを用いたポリウレタンフォームは硬く
なりやすくなる。
【0024】(ニ)ポリエーテルポリオール及び(ホ)
ポリエステルポリオールの水酸基1個当たりの数平均分
子量は300〜5,000、好ましくは500〜3,0
00である。水酸基1個当たりの数平均分子量が300
未満の場合は、得られるフォームが硬くなり柔軟性に欠
け、反発弾性が低下しやすい。また、水酸基1個当たり
の数平均分子量が5,000を越える場合は、得られる
ポリイソシアネート組成物の経時安定性が悪く、相分離
等の問題が起こりやすくなる。
【0025】本発明における(ニ)と(ホ)の割合は、
(ニ):(ホ)=45〜75重量%:55〜25重量
%、好ましくは(e):(f)=50〜70重量%:5
0〜30重量%である。(ニ)が45重量%未満の場合
は、得られるフォームの反発弾性が小さくなる。また、
(ホ)が25重量%未満の場合は、得られるフォームの
機械的強度が不十分になる。
【0026】続いて本発明の軟質ポリウレタンフォーム
用ポリイソシアネートの製造方法に関して説明する。
【0027】本発明の軟質ポリウレタンフォーム用ポリ
イソシアネートの製造方法は、以下の方法が用いられ、
具体的には、以下の(イ)〜(ハ)で示される方法であ
る。 (1)前述の(イ)〜(ハ)をポリオール成分に反応さ
せる方法。 (2)前述の(イ)、(ロ)をポリオール成分に反応さ
せ、その後(ハ)を添加する方法。 (3)前述の(イ)をポリオール成分に反応させ、その
後(ロ)、(ハ)を添加する方法。
【0028】前述の(1)〜(3)記載の製造方法にお
ける(ニ)と(ホ)の反応順序は、(ニ)と(ホ)が同
時でもよいし、どちらかを先に反応させてもよい。
【0029】また、前述の(1)〜(3)記載の製造方
法における温度は、15〜150℃、好ましくは40〜
100℃であり、反応時は後述するウレタン化触媒を添
加してもよい。
【0030】なお、当然のことながら、(1)〜(3)
記載の製造方法におけるどの段階においても、NCO基
数と水酸基数では、NCO基数が常に水酸基数より大き
くなる。最終的なNCO基/水酸基のモル比(R値)は
2〜50、好ましくは5〜30である。R値が2未満の
場合は、NCO末端プレポリマーの粘度が増大しやすく
なり、作業性に劣る。また、R値が50を越える場合
は、フォームの柔軟性に欠け、反発弾性が小さくなりや
すくなる。このようにして得られたNCO基末端プレポ
リマーのNCO含有量は5〜35重量%、好ましくは1
0〜30重量%である。
【0031】このウレタン化反応時に用いられるウレタ
ン化触媒として例えば、ジブチルチンジラウレート、ジ
オクチルチンジラウレート等の有機金属化合物や、トリ
エチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンや
その塩等が挙げられる。
【0032】本発明の軟質ポリウレタンフォーム用ポリ
イソシアネートには、必要に応じて乳化剤、界面活性
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、難燃剤、可塑
剤、顔料・染料、抗菌剤・抗カビ剤等の公知の各種添加
剤や助剤を添加することができる。
【0033】このようにして得られた軟質ポリウレタン
フォーム用ポリイソシアネートとポリオールプレミック
スと反応させることで高反発で高強度の軟質ポリレタン
フォームを得ることができる。このフォームの密度は3
5〜70kg/m3 、好ましくは45〜65kg/m3 にすると
高反発で高強度の軟質ポリレタンフォームが得られやす
い。
【0034】このポリオールプレミックスの配合は特に
制限はないが、一般的にはポリエーテルポリオール、ポ
リエステルポリオール、ポリマーポリオール、発泡剤、
制泡剤、触媒等を適宜配合したものが用いられる。
【0035】
【発明の効果】本発明のポリイソシアネートを用いた軟
質ポリウレタンフォームは、フォーム製造時における泡
の安定性に優れ、得られたフォームは反発弾性、機械的
強度に優れ、従来のフォームにはない性能を示した。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例及び比較例中において、「部」は「重量
部」、「%」は「重量%」を示す。
【0037】実施例1 攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器
に、MDI(1)を243.6部、MDI混合物(1)
を365.4部、TDI(1)を130.0部仕込み、
攪拌しながら40℃に加温した。次いで、ポリオール
(1)を130.5部、ポリオール(7)を130.5
部仕込み、攪拌しながら80℃にて4時間反応させ、ポ
リイソシアネートP−1を得た。P−1のNCO基含有
量は27.7%であった。
【0038】実施例2 実施例1と同様な反応器に、MDI(1)を65.5
部、MDI(2)を72.9部、MDI混合物(2)を
249.2部仕込み、攪拌しながら40℃に加温した。
次いで、ポリオール(2)を387.6部、ポリオール
(8)を193.8部仕込み、攪拌しながら80℃にて
4時間反応させた。その後、TDI(2)を31.0部
仕込み、攪拌しながら50℃に加温して、ポリイソシア
ネートP−2を得た。P−2のNCO基含有量は10.
9%であった。
【0039】実施例3 実施例1と同様な反応器に、MDI(2)を110.2
部、MDI(3)を339.6部、ポリオール(3)を
180.0部、ポリオール(9)を90.0部仕込み、
攪拌しながら80℃にて4時間反応させた。その後、M
DI混合物(2)を180.2部、TDI(3)を10
0.0部仕込み、攪拌しながら50℃に加温して、ポリ
イソシアネートP−3を得た。P−3のNCO基含有量
は26.1%であった。
【0040】実施例4 実施例1と同様な反応器に、MDI(1)を243.6
部、MDI混合物(1)を365.4部、TDI(1)
を130.0部仕込み、攪拌しながら40℃に加温し
た。次いで、ポリオール(4)を130.5部、ポリオ
ール(7)を130.5部仕込み、攪拌しながら80℃
にて4時間反応させ、ポリイソシアネートP−4を得
た。P−4のNCO基含有量は28.7%であった。
【0041】実施例5 実施例1と同様な反応器に、MDI(1)を250.4
部、MDI混合物(1)を375.6部、TDI(2)
を62.6部仕込み、攪拌しながら40℃に加温した。
次いで、ポリオール(1)を218.0部、ポリオール
(8)を93.4部仕込み、攪拌しながら80℃にて4
時間反応させ、ポリイソシアネートR−5を得た。R−
5のNCO基含有量は21.8%であった。
【0042】実施例6 実施例1と同様な反応器に、MDI(1)を100.3
部、MDI(2)を111.5部、MDI混合物(2)
を381.4部仕込み、攪拌しながら40℃に加温し
た。次いで、ポリオール(2)を180.0部、ポリオ
ール(9)を120.0部仕込み、攪拌しながら80℃
にて4時間反応させた。その後、TDI(3)を10
6.8部仕込み、攪拌しながら50℃に加温して、ポリ
イソシアネートP−6を得た。P−6のNCO基含有量
は25.5%であった。
【0043】実施例7 実施例1と同様な反応器に、MDI(2)を104.6
部、MDI(3)を322.2部、ポリオール(3)を
132.5部、ポリオール(7)を132.5部仕込
み、攪拌しながら80℃にて4時間反応させた。その
後、MDI混合物(2)を171.0部、TDI(1)
を137.4部仕込み、攪拌しながら50℃に加温し
て、ポリイソシアネートP−3を得た。P−7のNCO
基含有量は29.3%であった。
【0044】比較例1 実施例1と同様な反応器に、MDI(1)を243.6
部、MDI混合物(1)を365.4部、TDI(1)
を130.0部仕込み、攪拌しながら40℃に加温し
た。次いで、ポリオール(5)を130.5部、ポリオ
ール(7)を130.5部仕込み、攪拌しながら80℃
にて4時間反応させ、ポリイソシアネートR−1を得
た。R−1のNCO基含有量は28.4%であった。
【0045】比較例2 実施例1と同様な反応器に、MDI(1)を55.0
部、MDI(2)を61.1部、MDI混合物(2)を
209.1部仕込み、攪拌しながら40℃に加温した。
次いで、ポリオール(6)を162.6部、ポリオール
(8)を325.2部仕込み、攪拌しながら80℃にて
4時間反応させた。その後、TDI(2)を187.0
仕込み、攪拌しながら50℃に加温して、ポリイソシア
ネートR−2を得た。R−2のNCO基含有量は19.
7%であった。
【0046】比較例3 実施例1と同様な反応器に、MDI(1)を271.6
部、ポリオール(1)を145.5部、ポリオール
(7)を145.5部仕込み、攪拌しながら80℃にて
4時間反応させた。その後、MDI混合物(1)を40
7.4部、TDI(3)を30.0部仕込み、攪拌しな
がら50℃に加温して、ポリイソシアネートR−3を得
た。R−3のNCO基含有量は22.0%であった。
【0047】比較例4 実施例1と同様な反応器に、MDI(2)を107.6
部、MDI(3)を331.2部、ポリオール(2)を
293.2部仕込み、攪拌しながら80℃にて4時間反
応させた。その後、MDI混合物(2)を175.8
部、TDI(1)を92.2部仕込み、攪拌しながら5
0℃に加温して、ポリイソシアネートR−4を得た。R
−4のNCO基含有量は25.7%であった。
【0048】比較例5 実施例1と同様な反応器に、MDI(1)を428.7
部、MDI混合物(1)を214.3部仕込み、攪拌し
ながら40℃に加温した。次いで、ポリオール(3)を
137.0部、ポリオール(9)を91.4部仕込み、
攪拌しながら80℃にて4時間反応させた。その後、T
DI(2)を128.6部仕込み、攪拌しながら50℃
に加温して、ポリイソシアネートR−5を得た。R−5
のNCO基含有量は29.0%であった。
【0049】比較例6 実施例1と同様な反応器に、MDI混合物(2)を67
1.8部、TDI(3)を67.2部仕込み、攪拌しな
がら40℃に加温した。次いで、ポリオール(4)を1
30.5部、ポリオール(7)を130.5部仕込み、
攪拌しながら80℃にて4時間反応させ、ポリイソシア
ネートR−6を得た。R−6のNCO基含有量は24.
9%であった。表1に実施例1〜7、表2に比較例1〜
6を示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】実施例1〜7、比較例1〜6、及び表1、
2において MDI(1) 2,2′−MDIと2,4′−MDIの合計:4,4′−MDI =20:80(重量比)であるMDI(2核体のみ) MDI(2) 2,2′−MDIと2,4′−MDIの合計:4,4′−MDI =1:99(重量比)であるMDI(2核体のみ) MDI(3) 2,2′−MDIと2,4′−MDIの合計:4,4′−MDI =50:50(重量比)であるMDI(2核体のみ) MDI混合物(1) 2核体と多核体からなる混合物 (2,2′−MDI+2,4′−MDI)/MDI=20重量% MDI:ポリメリックMDI=50:50(重量比) NCO含有量=31.0% MDI混合物(2) 2核体と多核体からなる混合物 (2,2′−MDI+2,4′−MDI)/MDI=10重量% MDI:ポリメリックMDI=30:70(重量比) NCO含有量=31.0% TDI(1) 2,4−TDI:2,6−TDI=80:20(重量比)である TDI TDI(2) 2,4−TDI:2,6−TDI=65:35(重量比)である TDI TDI(3) 2,4−TDI:2,6−TDI=100:0(重量比)である TDI ポリオール(1) 開始剤EG、数平均分子量1,000、平均官能基数2 EO/PO=100/0(モル比)のポリエーテルポリオール ポリオール(2) 開始剤DEG、数平均分子量2,000、平均官能基数2 EO/PO=80/20(モル比)のポリエーテルポリオール ポリオール(3) 開始剤EG、数平均分子量3,000、平均官能基数2、E O/PO=90/10(モル比)のポリエーテルポリオール ポリオール(4) 開始剤ペンタエリスリトール、数平均分子量8,000、 平均官能基数4、EO/PO=90/10(モル比)のポリエ ーテルポリオール ポリオール(5) 開始剤DEG、数平均分子量2,000、平均官能基数2、 EO/PO=20/80(モル比)のポリエーテルポリオール ポリオール(6) 開始剤DEG、数平均分子量1,000、平均官能基数2、 EO/PO=0/100(モル比)のポリエーテルポリオール ポリオール(7) 酸成分アジピン酸、ポリオール成分1,4−BD、数平均分 子量2,000、平均官能基数2のポリエステルポリオール ポリオール(8) 酸成分アゼライン酸、ポリオール成分CHDM、平均官能基 数2のポリエステルポリオール ポリオール(9) 酸成分セバシン酸、ポリオール成分EG、数平均分子量50 0、平均官能基数2のポリエステルポリオール
【0053】〔軟質ポリウレタンフォームへの応用〕 応用実施例1 P−1と以下に示すポリオールプレミックスを用いて、
金型内で軟質ポリウレタンフォームを水発泡させた後、
金型から取り出し、直ちにローラークラッシングした。
その後、クラッシング後の成形品を一昼夜放置し、JI
S K−6401に準じてフォームの各種物性を測定し
た。
【0054】 〔ポリオールプレミックス〕 ポリオール(A):ポリオール(B):ポリオール(C):触媒(A):触媒 (B):整泡剤:水 =20:35:40:0.5:0.1:1.0:3.5(重量比) ポリオール(A):平均官能基数=3 数平均分子量=6,000 EO末端のポリ(オキシプロピレン)ポリオール ポリオール(B):平均官能基数=4 数平均分子量=8,000 EO末端のポリ(オキシプロピレン)ポリオール ポリオール(C):平均官能基数=3 数平均分子量=6,000 EO末端のポリエーテルポリオールをベースとしたアクリル/ スチレン系のポリマーポリオール 触媒(A) :TEDA−L33(東ソー製) 触媒(B) :Toyocat ET(東ソー製) 整泡剤 :SZ−1306(日本ユニカー製)
【0055】 〔発泡条件〕 金型形状 :400mm×400mm×100mm 金型材質 :アルミニウム 金型温度 :60±2℃ ミキシング方法 :高圧マシンミキシング イソシアネートインデックス:100 原料温度 :25±2℃ キュア条件 :60±2℃、6分 クラッシング条件 :5段ローラー 90%圧縮
【0056】応用実施例2〜7、応用比較例1〜6 応用実施例1におけるP−1をP−2〜7及びR−1〜
6に置き換えて、同様にして各種フォーム物性を測定し
た。表3、表4にフォーム物性測定結果を示す。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】表3、表4から、本発明のポリイソシアネ
ートを用いた軟質ポリウレタンフォームは、ヒステリシ
スロスが小さく、反発弾性が70%以上と、良好な物性
が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08G 18/76 101:00)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)に示す割合からなる下記ポリイソ
    シアネート成分(イ)〜(ハ)と、(B)に示す割合か
    らなる下記ポリオール成分(ニ)、(ホ)とを反応させ
    て得られる、イソシアネート基含有量が5〜35重量%
    である軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネー
    ト。 ポリイソシアネート成分 (イ)2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及
    び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを合計
    5〜55重量%、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
    アネートを95〜45重量%からなる、1分子中にベン
    ゼン環を2個有するジフェニルメタンジイソシアネー
    ト。 (ロ)1分子中にベンゼン環を3個以上有するポリフェ
    ニレンポリメチレンポリイソシアネート。 (ハ)トリレンジイソシアネート。 (A)ポリイソシアネート成分の割合: (イ):(ロ)=50〜85重量%:50〜15重量% (イ)と(ロ)の合計:(ハ)=100重量部:5〜2
    5重量部 ポリオール成分 (ニ)水酸基1個当たりの数平均分子量300〜5,0
    00、平均官能基数2〜8、エチレンオキサイドユニッ
    トが70モル%以上であるポリエーテルポリオール。 (ホ)水酸基1個当たりの数平均分子量300〜5,0
    00、平均官能基数2〜3、脂肪族ジカルボン酸と脂肪
    族及び/又は脂環族ポリオールからなるポリエステルポ
    リオール。 (B)ポリオール成分の割合: (ニ):(ホ)=45〜75重量%:55〜25重量%
  2. 【請求項2】 (A)に示す割合からなる下記ポリイソ
    シアネート成分(イ)、(ロ)と、(B)に示す割合か
    らなる下記ポリオール成分(ニ)、(ホ)とを反応させ
    て得られるイソシアネート基末端プレポリマーに、下記
    の(ハ)を(A)に示す割合になるように混合して得ら
    れる、イソシアネート基含有量が5〜35重量%である
    軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート。 ポリイソシアネート成分 (イ)2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及
    び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを合計
    5〜55重量%、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
    アネートを95〜45重量%からなる、1分子中にベン
    ゼン環を2個有するジフェニルメタンジイソシアネー
    ト。 (ロ)1分子中にベンゼン環を3個以上有するポリフェ
    ニレンポリメチレンポリイソシアネート。 (ハ)トリレンジイソシアネート。 (A)ポリイソシアネート成分の割合: (イ):(ロ)=50〜85重量%:50〜15重量% (イ)と(ロ)の合計:(ハ)=100重量部:5〜2
    5重量部 ポリオール成分 (ニ)水酸基1個当たりの数平均分子量300〜5,0
    00、平均官能基数2〜8、エチレンオキサイドユニッ
    トが70モル%以上であるポリエーテルポリオール。 (ホ)水酸基1個当たりの数平均分子量300〜5,0
    00、平均官能基数2〜3、脂肪族ジカルボン酸と脂肪
    族及び/又は脂環族ポリオールからなるポリエステルポ
    リオール。 (B)ポリオール成分の割合: (ニ):(ホ)=45〜75重量%:55〜25重量%
  3. 【請求項3】 下記ポリイソシアネート成分(イ)と、
    (B)に示す割合からなる下記ポリオール成分(ニ)、
    (ホ)とを反応させて得られるイソシアネート基末端プ
    レポリマーに、下記の(ロ)、(ハ)を(A)に示す割
    合になるように混合して得られる、イソシアネート基含
    有量が5〜35重量%である軟質ポリウレタンフォーム
    用ポリイソシアネート。 ポリイソシアネート成分 (イ)2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及
    び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを合計
    5〜55重量%、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
    アネートを95〜45重量%からなる、1分子中にベン
    ゼン環を2個有するジフェニルメタンジイソシアネー
    ト。 (ロ)1分子中にベンゼン環を3個以上有するポリフェ
    ニレンポリメチレンポリイソシアネート。 (ハ)トリレンジイソシアネート。 (A)ポリイソシアネート成分の割合: (イ):(ロ)=50〜85重量%:50〜15重量% (イ)と(ロ)の合計:(ハ)=100重量部:5〜2
    5重量部 ポリオール成分 (ニ)水酸基1個当たりの数平均分子量300〜5,0
    00、平均官能基数2〜8、エチレンオキサイドユニッ
    トが70モル%以上であるポリエーテルポリオール。 (ホ)水酸基1個当たりの数平均分子量300〜5,0
    00、平均官能基数2〜3、脂肪族ジカルボン酸と脂肪
    族及び/又は脂環族ポリオールからなるポリエステルポ
    リオール。 (B)ポリオール成分の割合: (ニ):(ホ)=45〜75重量%:55〜25重量%
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