JPH10216953A - 溶接ガン電極の摩耗量検出方法および溶接方法 - Google Patents

溶接ガン電極の摩耗量検出方法および溶接方法

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JPH10216953A
JPH10216953A JP9025222A JP2522297A JPH10216953A JP H10216953 A JPH10216953 A JP H10216953A JP 9025222 A JP9025222 A JP 9025222A JP 2522297 A JP2522297 A JP 2522297A JP H10216953 A JPH10216953 A JP H10216953A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対向電極を有する溶接ガンがアーム先端に取
り付けられた溶接ロボットにおいて、イコライズ機構を
必要とせずに、かつ簡単に電極の摩耗量を検出する。 【解決手段】 板状の治具9を固定側電極5と移動側電
極6の間に固定する。アーム先端が外力により移動側電
極6の移動方向にのみ移動するようにした後、移動側電
極6を治具9に向かって移動させ、反力によりアーム先
端がせり上がるような力で移動側電極6を治具9に押し
付け、固定側電極5とで治具9を挟み込んだ状態で、ツ
ール座標系でのロボットの位置とガン軸サーボモータ7
の位置を基準位置として取り込み、治具9の加圧保持を
解除する。以降、同様にしてロボットの位置とガン軸サ
ーボモータ7の位置を取り込み、それぞれの基準位置と
の差分により固定側電極5、移動側電極6の摩耗量を算
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定側電極と、該
固定側電極と対向し、サーボモータまたはエアシリンダ
により駆動されて移動する移動側電極とで被溶接物を挟
み、加圧保持する溶接ガンがロボットアーム先端に取り
付けられた溶接ロボットにおける溶接ガン電極の摩耗量
検出方法および溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、抵抗溶接ガンがロボットアーム先
端に取り付けられた溶接ロボットにおいて、エアシリン
ダ、サーボモータ(ガン軸サーボモータ)などの駆動源
により移動側電極を移動させ、対となる固定側電極とで
溶接対象物を挟み、加圧保持し、大電流を流すことで溶
接を行っていた。この溶接時の加圧および溶接熱により
対となる両電極が次第に摩耗するので、ロボットの稼働
中にこの電極の摩耗量を検出し、電極の位置を補正する
必要があった。
【0003】この電極の位置補正方法として、イコライ
ズ機構(通常は固定されているが、加圧するときに固定
が解かれバネに支えられている溶接ガンを最適の位置に
移動させる機構)を設けるか、特開平7−284957
号公報などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、イコライズ機
構は費用がかかるという欠点がある。また、特開平7−
284957の方法では、あらかじめ摩耗量の配分を決
めていたり、固定側電極の摩耗量が全体(固定側電極+
移動側電極)の摩耗量より移動側電極の摩耗量を引いて
作成しており、前者の方法は精度が出ず、後者の方法
は、手順が2段階となり、煩雑であるという問題点があ
った。
【0005】本発明の目的は、イコライズ機構を必要と
せず、かつ簡単に電極の摩耗量を検出する、溶接ガン電
極の摩耗量検出方法を提供することにある。本発明の他
の目的は、イコライズ機構が不要な溶接方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の溶接ガン電極の
摩耗検出方法は、板状の治具を固定側電極と移動側電極
の間に固定し、両電極が摩耗する以前に、移動側電極の
移動方向にのみアーム先端が外力により移動するように
ロボットを制御した後、移動側電極を治具に向かって移
動させ、治具に接触した後は、反力によりアーム先端が
移動側電極の移動方向と反対方向に移動するような一定
の力で移動側電極を治具に押し付け、治具が前記移動側
電極と固定側電極で挟まれた状態で、所定の座標系での
ロボットの位置とガン軸サーボモータの位置をそれぞれ
基準位置として取り込み、以降、同様にして、前記座標
系でのロボットの位置とガン軸サーボモータの位置を取
り込み、ロボットの今回の位置と前記基準位置の差分、
ガン軸サーボモータの今回の位置と前記基準位置の差分
よりそれぞれ固定側電極、移動側電極の摩耗量を算出す
る。
【0007】固定治具を用い、該治具を移動側電極と固
定側電極で実際に加圧して電極の摩耗量を検出するの
で、簡単な手順で、かつ高精度に電極の摩耗量を検出で
きる。本発明の溶接方法は、ワークを固定側電極と移動
側電極の間に固定し、移動側電極の移動方向にのみアー
ム先端が外力により移動すようにロボットを制御した
後、移動側電極をワークに向かって移動させ、ワークに
接触した後は、反力によりアーム先端が移動側電極の移
動方向と反対方向に移動するような一定の力で移動側電
極をワークに押し付け、ワークが移動側電極と固定側電
極で挟まれた状態にし、溶接した後、ワークの加圧保持
を解除して移動側電極を元の位置に戻す動作を高速に行
う。
【0008】要するに、溶接ガン電極の摩耗量検出方法
において、治具をワークとし、摩耗量検出(位置検出)
を除いた動作を高速に行うことでイコライズ動作が実現
される。この場合、移動側電極の駆動源はガン軸サーボ
モータ、エアシリンダのいずれでもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態
のスポット溶接ロボットの構成図である。図1に示すよ
うに、図示しない位置検出器付きのサーボモータによっ
て制御される産業用ロボット1のアーム先端に、固定側
電極5と移動側電極6を有するC形溶接ガン4が取り付
けられている。産業用ロボット1はロボット制御装置2
内のロボット駆動回路によって制御される。C形溶接ガ
ン4への溶接電流などの溶接条件の設定は溶接装置8に
よって行われる。移動側電極6はボールネジを介してロ
ボット制御装置2内のガンモータ制御部15(後述)に
よって制御されるガン軸サーボモータ7により駆動され
る。また、固定側電極5はC形溶接ガン4の固定側に取
り付けられており、C形溶接ガン4を上下することによ
り上下動するようになっている。
【0010】図2はロボット制御装置2のブロック図で
ある。ロボット制御装置2は、プログラミングペンダン
ト(ティーティングボックス)3で設定された教示デー
タにより全体を制御するシステムコントロール部11
と、コンピュータなどの信号の入出力を処理するI/O
インタフェース処理部12と、データ保存領域13と、
ロボット1の各軸のモータを制御するモータ制御部14
と、移動側電極6のガン軸サーボモータ7を制御するガ
ンモータ制御部15と、システムコントロール部11か
ら与えられたロボット1に対する指令からロボット1の
各軸に対する指令を演算し、モータ制御部14に出力す
るとともに、ガンモータ制御部15に対する指令を出力
するモーション制御部16で構成されている。モーショ
ン制御部16には演算部17が含まれている。
【0011】図3は、ツール座標系でのロボット1の基
準位置とガン軸サーボモータ7の基準位置を求める動作
の流れ図、図4は固定側電極5、移動側電極6の摩耗量
を求める動作の流れ図、図5は固定側電極5と移動側電
極6の動きを示す図である。まず、図5(a)のよう
に、板状の固定治具9を固定側電極5と移動側電極6の
間に固定し、固定側電極5と移動側電極6の位置を教示
する(ステップ21)。次に、ロボット1のアーム先端
が外力により移動側電極6の移動方向にのみ移動するよ
うにロボット1の6軸をサーボフロート状態(サーボモ
ータがロボット1の自重のみを補償するだけのモータト
ルクを出す状態)にし(ステップ22)、ガンモータ制
御部15によりガン軸サーボモータ7を一定速度の速度
制御で駆動し、図5(b)に示すように移動側電極6を
下降させ、固定治具9に接触した後は固定治具9に設定
されたモータトルクで押し付ける(ステップ23)。こ
のときガン軸モータ7がボールネジを介して移動側電極
6に伝える力がロボット1側のサーボモータの保持力よ
り大きいので、ロボット1のアーム先端は上方にせり上
がり、すなわち固定側電極5が上昇し、図5(c)のよ
うに、移動側電極6と固定側電極5とで固定治具9を挟
むことになる(ステップ24)。このとき、モータ制御
部14でロボット1の各軸の位置を検出し、これら位置
をモーション制御部16内の演算部17でツール座標系
(ロボットのフランジの先についたツールの有効方向を
z軸とする座標系)でのデータに変換し、基準データR
1 としてデータ保存領域13に保持し、またガンモータ
制御部15でガン軸サーボモータ7の位置を検出し、モ
ーション制御部16を介してデータ保存領域13に基準
データR2 として保存する(ステップ25)。この後、
図5(d)のように移動側電極6と固定側電極5による
固定治具9の加圧保持を解除し、移動側電極6と固定側
電極5を図5(a)の位置に戻す。
【0012】次に、実際の溶接の際には、ステップ21
〜24と同様にして(ステップ31〜34)、ロボット
1の各軸の位置をモータ制御部14で検出し、演算部1
7でツール座標系でのデータP1 に変換し、データ保存
領域13に保存してある基準位置R1 との差分を演算部
17で求め、固定側電極5の摩耗量としてデータ保存領
域13に保存する(ステップ35)。同様に、ガン軸サ
ーボモータ7の位置P 2 をガンモータ制御部15で検出
し、演算部17で、データ保存領域13に保存してある
基準位置R2 との差分を求め、これにガン軸サーボモー
タ7の分解能を乗算して移動側電極6の摩耗量としてデ
ータ保存領域13に保存する(ステップ36)。
【0013】この後、固定側電極5を摩耗量の分だけ移
動側電極6の方に移動させ、移動側電極6を(固定側電
極5の摩耗量+移動側電極6の摩耗量)だけ固定側電極
5の方へ移動させてC形溶接ガン4の電極の摩耗補正を
行い(これでイコライズ動作がいらなくなる)、溶接を
行う。なお、本発明は、X形サーボ溶接ガン(鋏のよう
に支点があり、一方をモータにより駆動し、他方で加圧
するスポットガン)にも適用できる。また、ツール座標
系以外の他の座標系を用いてロボット1の位置を変換し
てもよい。
【0014】また、固定治具9をワークとすると、図5
(a)〜(d)の動作(位置検出は除く)を溶接中に高
速に行うことによりイコライズ機構と同様の動作をロボ
ットそのもので実現している。この場合、ガン軸サーボ
モータ7の代りにエアシリンダを用いてもよい。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は下記のよ
うな効果がある。C形溶接ガン、X形溶接ガンなどの対
となる複数個の電極を有する溶接ガンにおいて、請求項
1の発明では、電極の摩耗量を固定治具を用いて実際に
加圧し検出するようしたので、簡単な手順で電極の摩耗
量の検出精度が向上し、また、請求項2の発明では、ロ
ボットによるイコライジングを可能としたのでイコライ
ズ機構がないガンでも固定側チップをワークに当接させ
教示する必要がなく、イコライズ機構があるガンと同様
のティーティングが可能となり、ティーティングの大幅
な簡易化が図れる上、摩耗補正もいらなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のC形溶接ガンを有する溶
接ロボットの構成図である。
【図2】ロボット制御装置2のブロック図である。
【図3】ロボット1とガン軸サーボモータ7の基準位置
を求める処理の流れ図である。
【図4】固定側電極5と移動側電極6の摩耗量を求める
処理の流れ図である。
【図5】固定側電極5と移動側電極6の動きを示す図で
ある。
【符号の説明】
1 ロボット 2 ロボット制御装置 3 プログラミングペンダント 4 C形溶接ガン 5 固定側電極 6 移動側電極 7 ガン軸サーボモータ 8 溶接装置 9 固定治具 11 システムコントロール部 12 I/Oインタフェース処理部 13 データ保存領域 14 モータ制御部 15 ガンモータ制御部 16 モーション制御部 17 演算部 21〜25,31〜36 ステップ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側電極と、該固定側電極と対向し、
    ガン軸サーボモータにより駆動されて移動する移動側電
    極とで被溶接物を挟み、加圧保持する溶接ガンがロボッ
    トアーム先端に取り付けられた溶接ロボットにおける溶
    接ガン電極摩耗量検出方法であって、 板状の治具を前記固定側電極と前記移動側電極の間に固
    定し、 前記両電極が摩耗する以前に、前記移動側電極の移動方
    向にのみアーム先端が外力により移動するようにロボッ
    トを制御した後、前記移動側電極を前記治具に向かって
    移動させ、前記治具に接触した後は、反力によりアーム
    先端が前記移動側電極の移動方向と反対方向に移動する
    ような一定の力で前記移動側電極を前記治具に押し付
    け、 前記治具が前記移動側電極と前記固定側電極で挟まれた
    状態で、所定の座標系でのロボットの位置と前記ガン軸
    サーボモータの位置をそれぞれ基準位置として取り込
    み、 以降、同様にして、前記座標系でのロボットの位置と前
    記ガン軸サーボモータの位置を取り込み、 ロボットの今回の位置と前記基準位置の差分、前記ガン
    軸サーボモータの今回の位置と前記基準位置の差分より
    それぞれ前記固定側電極、前記移動側電極の摩耗量を算
    出する、溶接ガン電極の摩耗量検出方法。
  2. 【請求項2】 固定側電極と、該固定側電極と対向し、
    サーボモータまたはエアシリンダにより駆動されて移動
    する移動側電極とで被溶接物を挟み、加圧保持する溶接
    ガンがロボットアーム先端に取り付けられた溶接ロボッ
    トによる溶接方法において、 ワークを前記固定側電極と前記移動側電極の間に固定
    し、前記移動側電極の移動方向にのみアーム先端が外力
    により移動すようにロボットを制御した後、前記移動側
    電極を前記ワークに向かって移動させ、前記ワークに接
    触した後は、反力によりアーム先端が前記移動側電極の
    移動方向と反対方向に移動するような一定の力で前記移
    動側電極を前記ワークに押し付け、前記ワークが前記移
    動側電極と前記固定側電極で挟まれた状態にし、溶接を
    した後、前記ワークの加圧保持を解除して前記移動側電
    極を元の位置に戻す動作を高速に行うことを特徴とする
    溶接方法。
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