JPH10216843A - 楕円形筒体の成形方法 - Google Patents

楕円形筒体の成形方法

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JPH10216843A
JPH10216843A JP4000397A JP4000397A JPH10216843A JP H10216843 A JPH10216843 A JP H10216843A JP 4000397 A JP4000397 A JP 4000397A JP 4000397 A JP4000397 A JP 4000397A JP H10216843 A JPH10216843 A JP H10216843A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベンディングローラによって断面が楕円形の
筒体を曲げ加工するとき、非能率で寸法精度もよくな
い。 【解決手段】 平板状金属板3のほぼ全長に亘って、一
旦、所定の大曲率Rよりなる大円弧部31を成形して真
円状にした後、所定の円弧長さに亘って上下ローラ1,
2の作動によって小曲率rの小円弧部32を成形し、さ
らに小円弧部32に対向する位置まで転動して同じ円弧
長さに亘って前記上下ローラ1,2の作動と同一の作動
を再現して同じ小曲率rよりなる小円弧部32を成形す
る手順による。すなわち、一旦、大円弧部に全体を成形
し終わり、つぎに2回に分けた小円弧部の成形作動は全
く同一であり、曲率変化の軌跡も全く対称的に一致して
正確な楕円形を成形する。CPUに記憶させて自動化の
対象ともなり得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はいわゆるベンディン
グローラ、すなわち、上部に上ローラ、下方に通常2個
1組の下ローラを具えて金属平板を円筒状に成形加工す
る加工方法のうち、特に必要があるときに求められる楕
円形筒体に関する成形方法に係る。
【0002】
【従来の技術】上ローラ1と下方の2個一対の下ローラ
2a,2bの相対的な挾圧作用によって両者間に挿通し
た平板状の金属板を円弧状に曲げ加工し、この加工を連
続して全長に及ぶことによって一定直径の円筒体に曲げ
加工するベンディングローラは周知であり、多くの分野
に使用する円筒体の製造方法として盛んに適用されてい
る。通常のベンディングローラの構造を図19に基づい
て簡単に説明すると、昇降自在に軸支された上ローラ1
と、その下方に並んで配置された2個1組の下ローラ2
a,2bが設けられ、上ローラ、または下ローラの何れ
かは水平方向に対しても移動可能とする。金属板の位置
決めのために起伏自在のストッパー21を具えて加工時
の金属板の位置を特定する。この図の例では上ローラ1
が垂直方向への移動の他、一定範囲の水平方向に対して
も移動可能となるように設定されているが、逆に水平方
向の移動作用を下ローラ2に与えた型式もある。
【0003】上下ローラの前後を隔てて金属板を支持す
る支持台4a,4bと5a,5bとを本体に接続し、素
材である平板から曲げ加工が進行して部分的な円弧面が
形成されるにつれて、金属板の自重による変形を防止す
るように位置や角度を適宜変えて成形後の円弧面下方に
当てがって下支えする働きを行なう。この支持台4,5
の表面は比較的大きな曲率よりなる円弧面で形成し、そ
の表面上に頂点を突出した転動ローラ41を多数配列し
て金属板が前後へ容易に転動できるように図ると共に、
必要な位置に起伏自在のストッパー42を設けて金属板
の加工時の位置決めに有効に働くように装着している。
【0004】支持台4は本体6と油圧シリンダー43お
よび屈折アーム44によって、その円弧面の向きや位置
を自由に調整できるし、該支持台4にさらに油圧シリン
ダー52を介して接続する支持台5も支持台4の表面の
円弧面に連続する円弧面を形成するように相互に組合わ
され、曲げ加工の進行しつつある金属板の円弧部を下方
から支持するように姿勢を同調して応動する。
【0005】しかしながら、本来、ベンディングローラ
は多種少量の円筒体を手軽に成形することに特徴があ
り、その点では他の曲げ加工型式よりも優れていると評
価されているが、求められる筒体は単純な円筒体に限る
わけではなく、時には断面が楕円形の筒体を必要とする
ケースもある。そのために断面が楕円形からなる筒体を
ベンディングローラによって成形する必要性も否定でき
ず、その成形手順や装置の動きを報告した従来技術も幾
つか見出すことができる。
【0006】図20に引用した特開平6−304664
号公報による従来技術では、上ローラ101と、一体的
に水平移動できる2本の下ローラ102a,102bを
具えたベンディングローラによって金属板103を平板
から断面が楕円形となるまで曲げ加工する手順を段階別
に分説している。すなわち、 上ローラ101と下ローラ102a,102bとで金
属板103を軽くクランプし、金属板の端面133を左
側の下ローラ102bの上に位置付ける。 上ローラ、下ローラを回転させて上ローラ101を基
準位置より下降させて金属板103が所定量L1に転動
されるまで曲げ加工を進行させる。 上ローラ101が基準位置より小曲率rを行う位置ま
で下降した時点において上ローラ101の下降を停止
し、金属板103を所定の範囲L2だけ転動させて小曲
率rを有する円弧を形成する。 上ローラ101を少しだけ上昇させつつ金属板103
を所定量L3だけ転動し、形成される円弧の曲率を漸次
変化させる。 上ローラ101を大曲率Rを行う位置まで上昇したと
ころで停止させ、金属板をL4だけ転動することにより
大曲率Rを有する円弧を形成する。 上ローラ101を下降させつつ金属板を所定量L5だ
け転動し、形成される円弧の曲率を漸次変化させる。 上ローラ101を小曲率rを行う位置まで下降したと
ころで停止させ、金属板を所定量L6だけ送って小円弧
部を形成する。 上ローラ101を上昇させつつ金属板を所定量L7だ
け送り、形成される円弧の曲率を漸次変化させる。 上ローラ101が大曲率Rを行う位置まで上昇したと
ころで停止させる。 以上の手順を踏むことによって金属板の端面133、1
34を除いて熟練者の手間や多くのローラ通過を行なう
ことなく、全自動で一連の工程として断面が楕円形の筒
体を製造することができると謳っている。
【0007】図21の従来技術は特公平4−70093
号公報に係るベンディングローラ装置によって断面が楕
円形の筒体を曲げ成形する実施例の工程を例示したもの
で、公報の記載においては工程別の詳しい記述は省かれ
ているが、2本の下ローラ202a,202bの各軸受
が独立して左右に移動可能とした点に特徴の一つがあ
る。このベンディングローラを使用して楕円形筒体を成
形するには、次の手順によると推定できる。 上ローラ201と下ローラ202a,202bで軽く
金属板203をクランプし、金属板の端面233を前記
下ローラ202bの上に位置させる。 上ローラ201を所定の位置まで下降させた後、上ロ
ーラ201と下ローラ202a,202bを回転させて
金属板203が所定位置X1に送られるまで曲げ加工を
継続し、大曲率Rを具えた大円弧部を形成する。 上ローラ201を少しだけ下降させた後に停止し、金
属板を所定の位置X2まで送って小曲率rを具えた小円
弧部を形成する。 上ローラ201を少しだけ上昇させた後に停止し、金
属板を所定位置X3まで送って大曲率Rを具えた大円弧
部を形成する。 上ローラ201を少しだけ下降させた後に停止し、金
属板を所定位置X4まで送って小曲率rを具えた小円弧
部を形成する。 上ローラ201を少しだけ上昇させた後に停止させ、
金属板を送って大曲率Rを具えた大円弧部を形成する。 上ローラ201と下ローラ202a,202bを停止
する。 このように金属板203の端面233,234を除き、
大曲率Rを具えた円弧部と小曲率rを具えた円弧部が交
互に連続して楕円形の円筒体を製作される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上従来技術の二つの
楕円形の筒体製造手順を示したが、何れの方法によって
も曲げ成形された楕円の曲率の変化に高い精度が期待で
きず、厳しい用途に提供する場合には馴染まないのでは
ないか。たとえば、図20の従来技術によれば、小曲率
rを有する円弧がL2とL6の2箇所にあり、大曲率Rを
有する円弧がL4の1箇所で、その間を繋ぐ曲線は曲率
を徐々に変化する範囲がL1,L3,L5,L7の4箇所から
なり、合計7箇所で異なる円弧を形成して繋いだ楕円形
としている。これでは製品としての曲率の同一性を維持
することは至難の業であり、複雑な曲率の集合体として
到底高精度の楕円体を形成することはできない。
【0009】曲率の食い違いは前記の曲げ成形の順序に
よると認識される。上ローラ101の昇降は油圧シリン
ダーの作動によって行なわれるが、油圧シリンダーの特
性として伸びるときはシリンダーの大油圧室へ給油し、
縮むときは小油圧室へ給油して作動するので、伸びると
きの方が加圧力が大きくなり、上ローラの上昇と下降と
を比較すれば昇降速度に差が現われる。したがって前記
の説明において、上ローラ101を下降させつつ金属板
を所定量L5だけ転動し、形成される円弧の曲率を漸次
変化させた場合と、上ローラ101を上昇させつつ金属
板を所定量L7だけ送り、形成される円弧の曲率を漸次
変化させる場合とでは、得られた両曲率は一致せず左右
対称の正確な楕円形とはなり得ないのである。また、小
さい曲率からなるL2,L6の二箇所では上ローラの高さ
を変えているから、金属板に与える加圧力にもバラツキ
が生じ、同じ曲率の円弧を形成することができないとい
う基本的な欠陥も看過し難い。
【0010】図21の従来技術についても大曲率Rの円
弧部が3箇所と、小曲率rの円弧部が2箇所の合計5箇
所で曲率の異なる円弧を繋いで楕円形を形成している
が、各箇所における上ローラ201の高さが異なるから
それぞれ金属板に与える加圧力にバラツキが生じ、対称
的に同一性の維持された厳密な意味における楕円形を得
ることはきわめて困難であると指摘せざるを得ない。ま
た、前記の従来技術と同様に上ローラ201の上昇時と
下降時とではその移動速度に差があるので、大曲率Rと
小曲率rとの変化点、たとえば位置X1と位置X2とでは
形状が異なり寸法精度のレベルを低下させる原因となっ
ている。
【0011】このように楕円形の断面を具えた筒体を曲
げ加工すること自体がベンディングローラの主たる目的
ではないにしても、異形の筒体を曲げ加工する要請は決
してないとは言い難く、それ故にこそ幾つかの従来技術
が提示されているわけでもある。結局ここで例示した曲
げ加工では、成形後に熟練工などの経験とカンに依存し
て型ゲージなどに合せて形状の確認と修正をせざるを得
ず、生産性の低下と煩瑣な後工程に難渋するのが通例で
あった。もちろん、上ローラの上昇・下降時の移動速度
を一定に制御する方法もあるし、逆に金属板の転動速度
を制御する手段もあり得るわけであるが、専用機であれ
ば兎も角、通常の汎用機にかかる高度で複雑な制御機構
を附加することは設備費の高騰を招き、過剰能力の謗り
を免れないのではないか。
【0012】本発明は以上の課題を解決するために、汎
用性の高い通常のベンディングローラを使用しつつも、
発想の転換によって容易に高精度の楕円形の筒体を曲げ
加工で得られる方法の提供を目的とする。また、一層合
理化を進めてその自動化を実現する形態を示すことも目
的の一つである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る楕円形筒体
の成形方法は、垂直に昇降可能に軸支された上ローラ1
と、該上ローラ1の下方に軸支された2本の下ローラ2
a,2b間に平板状の金属板3を挿通して挾圧し、円弧
状に屈曲成形を連続して断面を楕円形に成形するベンデ
ィングローラの使用を前提とし、金属板3のほぼ全長に
亘って所定の大曲率Rよりなる大円弧部31を成形した
後、所定の円弧長さに亘って上下ローラ1,2の作動に
よって小曲率rの小円弧部32を成形し、さらに該小円
弧部32に対向する位置まで転動して同じ円弧長さに亘
って前記上下ローラ1,2の作動と同一の作動を再現し
て同じ小曲率rよりなる小円弧部32を成形したことに
よって前記の課題を解決した。
【0014】この手順によれば、まず、楕円形筒体のう
ち、大曲率Rよりなる大円弧部に全体を成形し終わり、
つぎに所定の円弧部についてのみ小曲率rよりなる小円
弧部を成形加工する。小円弧部の成形条件は何れも全く
同一曲率の大曲率Rから上ローラと下ローラの同一の作
動によって形成されるから、2回に分けた成形作動は全
く同一であり、したがって得られる小円弧部の範囲も小
曲率rも、大曲率Rから小曲率rに移る曲率変化の軌跡
も全く対称的に一致する。この点は、「大曲率R−小曲
率r−大曲率R−小曲率r」と1枚の平板から曲率の変
化に追随してその順序通りに成形した曲線を繋ぎ合せて
楕円形に至る従来技術との最大の相違点であり、遥かに
合理的で能率的であり、かつ、寸法的にも高精度で信頼
性が倍増する。
【0015】この基本的な形成手順に加え、金属板3の
一方の端面33を端曲げした後、所定の大曲率Rより若
干大きい仮大曲率R1でほぼ全長に亘って円弧状に屈曲
して他方の端面34に至り、該他方の端面の端曲げをし
た後、改めて所定の大曲率Rに補正曲げを行なう工程を
先行すれば、楕円形筒体の両端面も平板から所定の曲率
を形成するため、寸法的に一層の精度の向上が望まれ
る。また、一旦、仮大曲率R1で全長に亘って曲げ加工
した後、さらに所定の大曲率Rに修正することによって
一層、正確な寸法を確保できる特有の機能が見込まれ
る。
【0016】本発明は基本的には個々の作業員の経験や
カンによって曲率を変動していく方式ではなく、手順通
りに機械的に作業が進行する方式であるから、自動化の
対象として好適な方法となる。すなわち、上下ローラ
1,2を隔てて金属板3が進退する前後の両方向に、そ
れぞれ円弧状の表面へ多数の転動ローラ41を配列した
二対の支持台4a,5aおよび4b,5bを回動と転移
の二元的な姿勢変換を可能に取り付け、上下ローラ1,
2と前記各支持台4,5の相対的な位置と姿勢をあらか
じめ記憶させ、その中から製造対象とする当該楕円形筒
体の長軸長さ、短軸長さ、大曲率R、小曲率rに関する
情報をを取り出して自動的に作動の手順と数値を特定し
出力するCPUと、その指令に基づいて同期して作動す
る駆動力によって自動的に成形を進行する形態が採用で
きるから、真円の円筒体だけを対象として自動制御され
たシステムに若干の機能を追加すれば、任意の楕円形筒
体を自動的に曲げ成形することが可能となり、他の従来
技術と比較して遥かに優越した機能を与えることができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態の一つを
示すフローチャートである。ベンディングローラ内に搬
送されてきた平板状の金属板に対し、第一工程ではほぼ
その全長に亘って大曲率Rの形成曲げを行なう。第二工
程では小曲率rの加工を始める位置まで金属板を転動
し、第三工程に入って所定の長さに亘って小曲率rの曲
げ加工を行なう。第四工程では再び小曲率rの加工を始
める位置まで金属板を移動し、第五工程で所定の長さに
亘る小曲率rの曲げ加工が行なわれる。この手順が本発
明の基準であり、1回の連続した曲げ加工によって全体
を大曲率Rの円弧に成形するので、従来技術のように非
連続に断続した加工で個々に大曲率Rを形成する場合と
格段の差が現われる。さらに小曲率rの円弧は大曲率R
の円弧加工部からさらに塑性変形を重ねて進行させるの
であるから、いきなり平板から小曲率rの曲げを強制す
るよりもスプリングバック値が小さく加工精度の向上に
繋がる。
【0018】前記のフローチャートによる加工手順を各
段階毎に分けて図2〜図7に基づいて具体的に説明を行
なうが、この場合、金属板3は図の右側から所定の寸法
通りに切断されて搬送されるものとし、また、本形態以
外の形態、たとえば支持台4,5やストッパー21,4
2などが必らずしも不可欠であるわけではない。他の形
態の支持方法や、金属板の位置決めなどに関し多様な形
態であっても本発明の基本理念さえ実現できるのであれ
ば問うところではない。
【0019】図2の段階は支持台4a,4b,5a,5
bをほぼ水平状態の姿勢とし下ローラ2bの後側に設け
たストッパー21を起立させてから両下ローラを回転し
て平板状の金属板3の一方の端面33がストッパー21
に衝き当るまで転動させる。板の位置が定まったところ
で両下ローラの回転を停止し、上ローラ1を下降させて
下ローラ2との間で金属板3を挟み、ストッパー21を
下降させる。
【0020】図3では後側の支持台4b,5bを所定の
曲率の位置にCPU制御の指示の元に移動する。すなわ
ち、CPUからの指令が出力されると油圧シリンダーを
伸縮させ、その伸縮量はポテンショメータによってフィ
ードバックされて適性な位置に達するまで移動が継続す
る。上ローラと下ローラの回転を再開しながら上ローラ
1をさらに下降させ、大曲率Rを有する円弧を金属板の
ほぼ全長に亘って成形し、金属板は両端面33,34を
除き、すべて同一の大曲率Rよりなるほぼ真円状の円筒
形となり、一旦すべての金属板が大円弧部31に加工さ
れる。
【0021】図4の段階では、前側の支持台4a,5a
をCPU制御によって前記の後側と対称的な位置に移動
させた後、上ローラ1、下ローラ2を逆方向に回転させ
て金属板3を逆に所定量L1だけ後退させる。
【0022】図5は、前記L1を始点として上ローラ1
を下降させながら金属板3を所定量L2だけ送り込み、
小曲率rよりなる小円弧部32を成形する。
【0023】図6では上ローラ1を大曲率R成形位置ま
で上昇し、金属板3の端面33から所定量L5だけ離れ
た位置が下ローラ2a,2bの中央となるように金属板
3を送り込む。この場合も前側の支持台4a,5aは円
弧状の金属板を適正に支持できる位置に移動するように
CPU制御されている。
【0024】図7では、上ローラ1を下降させながら、
金属板3を所定量L4だけ逆送して小曲率rを有する小
円弧部32を形成する。
【0025】このように金属板3は一方の端面33、他
方の端面34を除いて自動的に曲げ加工が行なわれ、大
曲率Rを具えた大円弧部31と小曲率rを具えた小円弧
部32とを組合わせた正確な楕円形よりなる円筒体を能
率的に製造することができるのである。
【0026】本発明の別の実施形態として端曲げを伴っ
た場合についても図解しつつ説明をすると、図8は前実
施形態の図2と同様に上ローラ、下ローラ間の定位置に
金属板の端面33をストッパー21によって位置決めし
た状態であるが、図9は前実施形態にはなかった端曲げ
工程である。上ローラ1を下ローラ2a,2bの中央よ
りも前側(図の左側)へ移動させた後、下降させて金属
板3を挟みストッパー21を下降させる。両下ローラを
逆転させて金属板3を後退させつつ上ローラ1を下降さ
せる。金属板3の端面33が下ローラ2bの上に達する
と、金属板の移動を停止し、上ローラ1をさらに下降さ
せて端面33の端曲げ加工を行なう。
【0027】図10の工程は前形態の図3と同様である
が、製品目標である大曲率Rよりも若干大きい仮大曲率
R1を具えた円弧で金属板の全長を形成する。全長に亘
る曲げ加工が終わった段階で図11のように金属板3の
他方の端面34が下ローラ2aの直上に達すると金属板
の移動を停止し、上ローラ1をさらに降下させて端面3
4の端曲げ加工を行なう。図12では支持台4a,5a
をCPU制御によって所定の曲率の位置まで移動し、支
持台4aに設けられているストッパー42を起立させ、
上ローラを少し上昇させ、上下のローラで挟まれた金属
板をストッパー42に衝き当るまで転動させる。
【0028】図13では、上ローラ1を下ローラ2a,
2b間の中央に戻し金属板3を挟み込む状態まで下降さ
せる。金属板の他方の端面34が下ローラ2aの上にく
るように金属板を前進させると共にストッパー42を倒
す。図14では上ローラ1を下降させた後、金属板3を
後退させて金属板の一方の端面33が下ローラ2bの上
に達するまで大曲率Rを有する円弧となるように成形を
続け大円弧部31を全長に亘って形成する。以下、前実
施形態における図4〜7と対称的な位置関係ながら同一
の手順を踏襲して図15〜18まで進め正確な楕円形筒
体を形成する。
【0029】以上の二つの実施形態からも窺えるよう
に、本発明ではCPUへ大曲率R、小曲率r、長軸長
さ、短軸長さを入力するだけで、CPU内へあらかじめ
入力され記憶されているプログラムを通じてベンディン
グローラの作動全体を制御し、特に上ローラ、下ローラ
の挙動と形成しつつある円弧に添って下方から支持する
支持台の応動がきわめて正確であり、曲げ加工中の自重
による変形を防止し、高精度の楕円形筒体を成形する一
つの要因ともなっている。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上述べた通り、半ば熟練者の
経験とカンに頼っていた楕円形筒体の曲げ加工を自動化
した上、工程に無駄な動きがなく流れ作業的に曲げ加工
を連続する特徴があるから、まず、作業時間の大幅な削
減が実現する。さらに寸法精度が従来技術より遥かに高
いから、曲げ完了後の手直しや検査の繰り返しが殆ど皆
無に近く、工費や時間のロスの低減に絶大な威力を発揮
する。作業中においては上ローラ、下ローラの回転だけ
で所望の位置決めが行なわれ、起重機などの使用の必要
性も殆どなくなるから、生産性も向上し、自動運転とな
ればマニュアル通りの作業によって一定の品質を保証で
きるから、品質の安定と信頼性の向上に大きな貢献を果
す効果がある。
【0031】CPU制御を伴うベンディングローラは稀
ではなく、多くの事例も見出されるが、本発明のように
楕円形筒体への適用をあらかじめ組み入れた制御を装備
した方式はなく、しかもその楕円形の形態には何の制約
もなく汎用性がきわめて高いから、多種少量の異形製品
を対象としたベンディングローラとして、万人が期待し
待ち望んでいた機能を具えていると強調しても過言では
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な手順を列挙したフローチャー
トである。
【図2】本発明の実施形態を示す一工程の要部正面図で
ある。
【図3】図2の次の工程の要部正面図である。
【図4】図3の次の工程の要部正面図である。
【図5】図4の次の工程の要部正面図である。
【図6】図5の次の工程の要部正面図である。
【図7】図6の次の工程の要部正面図である。
【図8】本発明の別の実施形態を一工程を示す要部正面
図である。
【図9】図8の次の工程の要部正面図である。
【図10】図9の次の工程の要部正面図である。
【図11】図10の次の工程の要部正面図である。
【図12】図11の次の工程の要部正面図である。
【図13】図12の次の工程の要部正面図である。
【図14】図13の次の工程の要部正面図である。
【図15】図14の次の工程の要部正面図である。
【図16】図15の次の工程の要部正面図である。
【図17】図16の次の工程の要部正面図である。
【図18】図17の次の工程の要部正面図である。
【図19】本発明を含め一般に使用されるベンディング
ローラの要部正面図である。
【図20】従来技術の課題を示す楕円形筒体の断面図で
ある。
【図21】別の従来技術の課題を示す楕円形筒体の断面
図である。
【符号の説明】
1 上ローラ 2 下ローラ 3 金属板 4 支持台 5 支持台 6 本体 21 ストッパー 31 大円弧部 32 小円弧部 33 一方の端面 34 他方の端面 41 転動ローラ 42 ストッパー 43 油圧シリンダー 52 油圧シリンダー R 大曲率 r 小曲率 R1 仮大曲率

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直に昇降可能に軸支された上ローラ1
    と、該上ローラ1の下方に軸支された2本の下ローラ2
    a,2b間に平板状の金属板3を挿通して挾圧し、円弧
    状に屈曲成形を連続して断面を楕円形に成形する楕円形
    筒体の成形方法において、金属板3のほぼ全長に亘って
    所定の大曲率Rよりなる大円弧部31を成形した後、所
    定の円弧長さに亘って上下ローラ1,2の作動によって
    小曲率rの小円弧部32を成形し、さらに該小円弧部3
    2に対向する位置まで転動して同じ円弧長さに亘って前
    記上下ローラ1,2の作動と同一の作動を再現して同じ
    小曲率rよりなる小円弧部32を成形したことを特徴と
    する楕円形筒体の成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、金属板3の一方の端
    面33を端曲げした後、所定の大曲率Rより若干大きい
    仮大曲率R1でほぼ全長に亘って円弧状に屈曲して他方
    の端面34に至り、該他方の端面の端曲げをした後、改
    めて所定の大曲率Rに補正曲げを行なうことを特徴とす
    る楕円形筒体の成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、上下ローラ
    1,2を隔てて金属板3が進退する前後の両方向に、そ
    れぞれ円弧状の表面へ多数の転動ローラ41を配列した
    二対の支持台4a,5aおよび4b,5bを回動と転移
    の二元的な姿勢変換を可能に取り付け、上下ローラ1,
    2と前記各支持台4,5の相対的な位置と姿勢をあらか
    じめ記憶させ、その中から製造対象とする当該楕円形筒
    体の長軸長さ、短軸長さ、大曲率R、小曲率rに関する
    情報を取り出して自動的に作動の手順と数値を特定し出
    力するCPUと、その指令に基づいて同期して作動する
    駆動力によって自動的に成形することを特徴とする楕円
    形筒体の成形方法。
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