JP2002059231A - 旋回輪取付台座の製造方法およびその台座 - Google Patents

旋回輪取付台座の製造方法およびその台座

Info

Publication number
JP2002059231A
JP2002059231A JP2000241991A JP2000241991A JP2002059231A JP 2002059231 A JP2002059231 A JP 2002059231A JP 2000241991 A JP2000241991 A JP 2000241991A JP 2000241991 A JP2000241991 A JP 2000241991A JP 2002059231 A JP2002059231 A JP 2002059231A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pedestal
diameter
flange
punch
wheel mounting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000241991A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyoshi Masumoto
展祥 増本
Tatsushi Ito
達志 伊藤
Kamao Nakane
鎌夫 中根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOEI KINZOKU KOGYO KK
Komatsu Ltd
Original Assignee
TOEI KINZOKU KOGYO KK
Komatsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOEI KINZOKU KOGYO KK, Komatsu Ltd filed Critical TOEI KINZOKU KOGYO KK
Priority to JP2000241991A priority Critical patent/JP2002059231A/ja
Publication of JP2002059231A publication Critical patent/JP2002059231A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Straightening Metal Sheet-Like Bodies (AREA)
  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 予め所要の断面形状をした圧延材を曲げ加工
と歪み矯正加工を施して得られる、合理的で生産性の高
い旋回輪取付台座の製造方法とその台座を提供する。 【解決手段】 旋回輪取付座となる鍔状部11と所要形
状の円筒部12とを一体にされた断面を持つ圧延鋼材を
用い、所要直径の円環状に曲げ加工して、その円環状の
合わせ部を溶接して中間製品(ワークa)を得て、その
後に内径部と鍔状部とを拡径型20Aとパンチ23とに
よる拡径および鍔状部11に対する押圧片37での押付
けとを、プレス機を利用して真円度と平面度の矯正を行
い製品とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として油圧ショ
ベルなど上部旋回体を備える建設機械における旋回輪取
付台座の製造方法およびその台座に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベルなど下部走行体と
上部旋回体を有する建設機械にあっては、下部走行体1
00と上部旋回体103とを旋回輪101を介して接続
されている。その旋回輪101は、例えば図12
(a),(b)に示されるように、下部走行体フレーム
104の上面中央部に設けられた旋回輪取付台座102
上に取付けられ、その固定輪を取付台座102側に、可
動輪を上部旋回体103側にそれぞれボルト締着され
て、上部旋回体103が旋回できるように支持されてい
る。したがって、この旋回輪101とその取付台座10
2は重要な構造部分である。
【0003】このような旋回輪を取付ける台座は、環状
で上側に旋回輪を取付けるために環状の平坦な取付面が
形成され、下部走行体フレーム上で水平を保つように構
成する必要がある。また、その外形寸法については車種
にもよるが比較的大きい寸法であるので、厚板材を曲げ
加工したものを組合わせて溶接した後に機械加工を行う
などして製作されている。
【0004】このような旋回輪取付用の台座について
は、例えば特開平3−90709号公報によって知られ
ている。この公報によると、台座は棒状平板を円環状に
曲げた後、この円環状に曲げた棒状平板を下部走行体に
具備される円筒状の丸胴に溶接し、この状態で棒状平板
の上面を平坦面となるように機械加工して製作されるこ
とが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような先行技術に
よる台座の製作方法によれば、棒状平板を円環状に曲げ
加工(前記公報では具体的に示されていないが、通常3
点曲げロールを用いて曲げる)してから円筒状に曲げ加
工された丸胴の上端に溶接する作業を必要とし、しかも
上面(取付面)を機械加工して平坦面に仕上げることに
なるので、溶接手間を多く必要として工費が嵩む。しか
も、円環状にされた棒状平板による旋回輪取付部並びに
下部走行体フレームに取付られる丸胴部分は、いずれも
製缶曲げ加工によるので寸法精度を高めることが困難で
ある。したがって、精度向上は機械加工によって旋回輪
の取付面を仕上げることに依存せざるを得ない。その結
果、製品ごとの平坦面形成部の肉厚など各部寸法が異な
るものとなって不都合である。さらに、取付座部と胴部
をアーク溶接するために、その溶接部分の疲労強度が弱
くなる。
【0006】また、このほかに台座の製造方法として
は、リングローリング法により所要寸法に圧造するもの
がある。しかしながら、この方式では工費が嵩み、大型
のものを製作するには大きな設備を必要とするのでコス
ト高になる。また、この方式では前述のような取付座部
と丸胴部とを溶接によって組合わせる必要はないが、加
工時その断面形状が単純なL型断面となって自由度が少
ない。したがって、応力集中の少ない理想的な断面形状
が得られず、必要とするときには旋削加工を施さねばな
らず高価になる。また、総じて生産性が低いのでどうし
ても製品コストが嵩むという問題点がある。
【0007】さらに、前述のような製造方法によれば、
寸法精度を高めるためにはどうしても機械加工に依存す
ることが多くなり、その加工代を見込んで製作されるこ
とになるので、過剰な材料を必要とするという問題があ
る。
【0008】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たもので、予め所要の断面形状をした圧延材を曲げ加工
と歪み矯正加工を施して得られる、合理的で生産性の高
い旋回輪取付台座の製造方法とその台座を提供すること
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前述さ
れた目的を達成するために、第1発明による旋回輪取付
台座の製造方法は、上部旋回体と下部走行体とを有する
建設機械の当該下部走行体に具備され、旋回輪が固定さ
れる旋回輪取付台座の製造方法において、 1) 旋回輪取付座となる鍔状部と所要形状の円筒部と
を一体にされた断面形状を持つ圧延鋼材を用い、 2) 所要直径の円環状に曲げ加工して、 3) その円環状の合わせ部を溶接し、 4) その後において内径部と鍔状部とをプレス手段に
よって加工歪みの矯正を行い製品とすることを特徴とす
るものである。
【0010】本発明によれば、予め使用時における負荷
での応力集中を防ぐに適した断面形状が得られる圧延鋼
材(素材)を用いて曲げ加工で所要寸法の円環状の中間
体を得て、その後に合わせ部の溶接加工を行い、環状に
された加工時の歪みをプレス手段によって円環状の歪み
矯正と、鍔状部が曲げ加工時に反るのを正常な姿に矯正
する処理を施すことにより、旋回輪の取付面と取付ボル
ト穴加工程度の機械加工を施せば製品となり、従来の製
作手段と比較して著しく工数を低減できて、精度の高い
製品を効率よく製作でき、品質を高めて安価に提供でき
るという効果を奏する。
【0011】前記圧延鋼材には、所要断面形状が上下対
称になる溝型断面形状のものを用い、これを所要直径の
円環状に曲げ加工して、その円環状の合わせ部を溶接
し、中間体を得て、その後にウエブの中間位置を切断し
て二個の台座中間製品を得るようにするのがよい(第2
発明)。また、前記圧延鋼材を円環状に曲げ加工する際
に、ウエブの中間位置に切断溝を形成するのが好ましい
(第3発明)。こうすることにより、円環状の曲げ加工
で同時に二個取りできるので、作業効率を高めることが
できる。また、その曲げ加工時に境界部分で切断溝をロ
ーラによって塑性加工すれば、二個取りの分割位置を指
定して切断を容易にするとともに、製品化された台座を
下部走行体のフレームに対して溶接する際の開先加工を
同時に行うことができ、その分加工工数を削減できると
いう利点がある。
【0012】前記第1発明並びに第2発明によって得ら
れる台座中間製品の前記内径部と鍔状部分とのプレス手
段による加工歪みの矯正は、複数個に分割された拡径型
を前記台座中間製品の内径部に嵌め合せ、その拡径型の
中央にパンチを圧入して内周面に拡張力を付勢させ、次
いで前記台座中間製品の鍔状部に軸線方向の押圧力を付
加して台座上面となる部分を水平面に矯正する歪み除去
を行わせるようにするのがよい(第4発明)。この操作
を加えることによって、まず内径部を拡径型とパンチに
よる内周面に対して半径方向の押圧力を平均的に付勢す
る操作で、台座中間製品の真円度を高めることができ
る。そして、鍔状部に対する軸線方向の押圧力を付加す
ることで、前工程での曲げ加工時に生じた鍔状部の反り
を矯正して台座上面となる部分を水平面に矯正されるこ
とで、最後の仕上げ加工としての上面機械加工での過剰
な切削を防止でき、作業性の向上と製品となって後の残
留歪みを低減できるという効果がある。
【0013】前記プレス手段による加工歪みの矯正は、
前工程で得られた台座中間製品の鍔状部を下にしてプレ
ス定盤側にて受支させ、その内径部に複数個に分割され
て中央部に上広がりの勾配穴を備えた拡径型を挿入し
て、その拡径型の中央部勾配穴にテーパ付のパンチを圧
入させて半径方向に拡張させるとともに、その拡径型と
パンチによる拡径操作の終末前に、前記台座中間製品の
鍔状部に平面矯正型による押圧力を付加して平面矯正を
行わせるようにするのがよい(第5発明)。このように
操作することにより、拡径型によって内径側をしっかり
と拘束する状態で平面矯正型によって鍔状部を平面状に
矯正することになるので、精度良く矯正することができ
る。しかも、平面矯正に際しては、僅かであるが拡径操
作と重なり合うことによって、圧縮上での曲げ負荷とな
り、低荷重でより精度の高い矯正加工が行えるという利
点がある。
【0014】次に、前記第1〜第5発明によって得られ
る第6発明の旋回輪取付台座は、旋回輪の取付台座部と
その支持円筒部とを一体に形成されていることを特徴と
するものである。
【0015】この第6発明によれば、旋回輪の取付台座
部とその支持円筒部とが一体にされているので、従来問
題とされていた鍔状部と円筒部との溶接部における応力
集中を排除することができ、全体強度を高めることが可
能となるという効果を奏する。
【0016】前記支持円筒部は、その端部の肉厚を下部
走行体の台座取付位置構成部材の板厚と同様の肉厚とさ
れているのがよい(第7発明)。このようにされると、
下部走行体への取付部における溶接部での応力分散を図
ることができるという効果がある。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明による旋回輪取付台
座の製造方法並びにその台座の具体的な実施の形態につ
き、図面を参照しつつ説明する。
【0018】まず、図1〜図2によって示す旋回輪取付
台座の中間体を製作する手順の説明図に基づいて説明す
る。ここで使用される素材としては、図1に示すよう
に、製作する台座における旋回輪の取付面を形成する鍔
状部11と支持円筒部12を形成する胴部分12′との
断面形状にほぼ等しい断面に形成された圧延鋼材1を用
意する。この圧延鋼材1は、所要材質(例えば一般構造
用圧延鋼材SS400)で前述のような断面形状にてロ
ール圧延されたものが使用される。
【0019】このような圧延鋼材1は、図2(a)に示
されるように、前記断面形状の鍔状部分11から胴部分
12′を受け入れる外形をした二本のボトムローラ3a
と前記圧延鋼材の背面(平坦部分)を受け入れる外形を
した一本のトップローラ3bを備える3点ロールベンダ
ー3を使用して、図2(b)にて示されるように、その
ボトムローラ3a側にて鍔状部11と胴部分12′を受
けるようにしてトップローラ3bで平坦面側を押し、圧
延鋼材1をロール曲げ加工する。こうすると、鍔状部1
1を外向きにして所望直径の円環状に形成される。な
お、素材の寸法切りは、予め所要直径となるに要する長
さ寸法で切断されて使用される。
【0020】前記ロールベンダー3によって円環状に曲
げられたものは、図2(c)で示されるように、その端
部を突合すように端部の位置合わせを行い、その後にそ
の突き合わせ部をフラッシュバット溶接5で一体にされ
る。こうして円環状の中間製品a(以下、ワークaとい
う)が得られる。
【0021】このワークaは、次のプレス手段によって
加工歪みの矯正加工を行われる。この矯正加工は、図3
(a),(b)に内径部の拡径矯正加工の態様図で示さ
れるように、縦断面が中央部に上広がりのテーパ穴21
が形成されて、最大拡張外径が所要内径よりやや大きい
寸法もしくはほぼ近似する寸法で、複数に分割(この例
では12等分)されてなる拡径型20と、この拡径型2
0の前記中央部のテーパ穴21に押し込むことにより拡
径型20を半径方向に拡開させる先細り勾配にされたパ
ンチ23、とで構成されるプレス矯正型を用いる。
【0022】このプレス矯正型は、前記拡径型20をプ
レス機のプレスベッド31上に載置したワークaの内径
部に嵌め込んで、プレスラム(プレススライド)に取付
けた前記パンチ23を前記拡径型20のテーパ穴21に
圧入する。すると、拡径型の分割されている各拡径セグ
メントが一斉に半径方向に押出され、パンチ23を予め
設定されている距離下降させることによって円環状のワ
ークaの内径部が所要寸法に矯正される。
【0023】これに対して、ワークaが巻曲げ加工され
て得られることにより、その鍔状部11が加工時の内部
応力で胴部分12と反対側へ反りかえった状態で仕上が
る。そこで、この鍔状部11の反り(加工歪み)を矯正
する必要がある。そのために、鍔状部11の平面度矯正
加工には、図4に示される平面度矯正加工の一態様図で
表わされるように、プレス機のプレスベッド31上に載
せたワークaの鍔状部11を上面から押し付けて歪みを
取る押圧片25を同心円で複数個所に設けられて、その
押圧片25を一体に支持する部材26の中央でプレス機
のラム(プレススライド)側に繋ぐようにされた矯正治
具27を使用して矯正する。なお、ワークaの鍔状部1
1の平面度を効果的に矯正するために、その鍔状部11
の内径寄り、言換えると円筒部12に対する鍔状部11
の基部11a部分とプレスベッド31の表面との間にシ
ム28を介挿して平面度の調整を行い、かつ矯正治具2
7の押圧片25による加圧力を有効に作用させるように
する。
【0024】ここにおいて、加工歪みの矯正には、前述
のようにプレス機を利用して加圧することによって矯正
しようとする部分で降伏点を越える加圧力を付勢して歪
みの矯正を行う必要がある。そのために、真円度と内外
径精度の矯正には、円筒部(胴部分12)は内径部に拡
径荷重をかけることで比較的容易に矯正できるが、鍔状
部11を安定して全体的に降伏点を越える負荷をかけ矯
正させるには、荷重付加時に鍔状部11の逃げを抑える
ための拘束が必要となる。
【0025】また、円筒部(胴部分12)と鍔状部11
では、たとえ両方の部位をほぼ全面で降伏点を越えるま
で負荷圧力をかけて矯正しても、前記矯正型からワーク
aを外したときのスプリングバックの量が異なると、内
外径がばらつく原因となる。そのために、荷重時の径方
向の変位量、型からワークaを取り出したときのスプリ
ングバック量を胴部分12と鍔状部11の両方を考慮し
て、荷重要件および型形状を決める必要がある。
【0026】そこで、最適拡径量を得るためには、前記
図3(a)(b)で示され、かつ説明したように分割セ
グメント構造にされた拡径型20とパンチ23を用い、
その拡径型20のセグメント20aにパンチ23が接す
る部分をテーパ21a(テーパ穴21)としたのであ
る。このような方式を採用することによって、プレス荷
重を拡径荷重に変えることが容易となり、また楔効果に
よってプレス荷重より大きい拡径荷重を得ることができ
る。その一例として、楔角度(パンチのテーパ角度8
°)のとき、拡径荷重=パンチのストローク×プレス荷
重 となる。また、拡径ストロークはこの逆比となり、
パンチストローク7mmのとき、拡径ストロークは1m
m/半径となる。
【0027】そして、ワークaの断面を全面的に降伏さ
せるには、ワーク断面に対して強制変位、拘束条件下
で、有限要素法により円周方向応力を求め、その応力が
材質SS400の降伏点235N/mmより大きくな
る拡径量を円筒部12、鍔状部11について求める。こ
の際、鍔状部11の逃げを防ぐためのその鍔状部11上
部の拘束は、後述する平面度矯正を同時に実施すること
により実現できる。なお、円筒部12と鍔状部11の内
径を同一に仕上げるようにするには、前記拡径量と除荷
したときの縮径量を求めておき、その量を考慮して除荷
したとき、円筒部12(胴部分)と鍔状部11の内径が
等しくなるように、拡径型の外径のプロフィールを決め
るようにする。
【0028】次に、鍔状部平面度の矯正について、精度
の高い平面度を得るには、前述のように鍔状部11を拘
束する条件下において、有限要素法により鍔状部11と
円筒部12とが繋がる部分(図3(a)におけるA部)
が全体降伏する荷重を求める。次いで、前記矯正治具2
7により鍔状部11にその荷重をかけて矯正する。
【0029】以上は、ワークaに対する拡径と鍔状部1
1の平面度の矯正について個々にその操作の要点につい
て説明したが、これらをより効果的に行わせるには、ワ
ークの真円度と平面度の矯正を同時に行うようにするこ
とが好ましい。
【0030】そこで、この操作を実施するに好適な手段
の一例として、図5にワークの真円・平面度矯正装置に
よる矯正加工の態様を示す図が示されている。このワー
クの真円・平面度矯正装置30は、プレス機におけるプ
レスベッド31上に、ワークの鍔状部基部を受支する環
状の受け座32と拡径型20A(前記実施例の拡径型2
0と同様)を半径方向にスライド容易に支持できるよう
にされたスライドボール33aを備える拡径型支持座3
3およびパンチのストローク規制用のストッパー34
が、そのストッパー34を中心にして同心円上に配設さ
れ、プレススライド35には中心にパンチ36(前記実
施例のものと同様)が、そして、外寄りには平面度矯正
用の複数の押圧片37が円周上に配分されて下向きに取
り付けられている。なお、前記スライドボール33a
は、拡径型支持座33の上面部に複数のボールが回転自
在に付設され、拡径型セグメントの下面を受支して拡径
操作時に半径方向にスライド抵抗を少なくして移動でき
るようにするものである。
【0031】このような真円・平面度矯正装置30によ
るワークの矯正作業は、前述のようにして製作されたワ
ークaを受け座32上に鍔状部11を下にしてセットす
る。なお、拡径型20Aは予めプレスベッド31上の拡
径型支持座33に載置セットさせておく。
【0032】ワークaがプレス機のプレスベッド31上
にセットされたならば、プレス機を駆動してプレススラ
イド35を下降させると、まず拡径型20Aのテーパ穴
21内にパンチ36が進入して拡径型のセグメント背面
(テーパ面21a)にそのパンチ36が接触し、まず拡
径型20Aによりワークaの真円度矯正を開始させる。
次いで押圧片37がワークaの鍔状部11に接触して、
その鍔状部11の平面度矯正を行わせる。
【0033】ここにおいて、拡径型20Aの作動と平面
度矯正用の押圧片37との作動タイミングは、まずパン
チ36によって拡径型の各セグメント20aが一斉に半
径方向に押し広げられてワークaの内周面に接触し拡径
動作を行なわせ、拡径型のセグメント20aが所定の2
/3程度移動したところで、押圧片37がワークaの鍔
状部11に当接するようにされ、拡径型のセグメント2
0aが所定のストローク移動したところで、押圧片37
がストロークエンドに達するように、前記パンチ36の
楔角度(テーパ)を設定される。また、パンチ36がプ
レスベッド31上に設けられたストローク規制用のスト
ッパー34に当接することによって、それ以上下降しな
いようにして矯正精度を上げることができる。言換える
と、パンチ36の動作量を一定にして拡径型を押し広げ
るストローク量を規制し、製品の矯正によるバラツキを
なくし、寸法精度をも高めることができる。
【0034】このようにすることで、予め断面形状を所
要の外形にされた圧延鋼材を用いて曲げ加工され、かつ
その突合せ部端をフラッシュバット溶接して円環状にし
たワークaを前述のようにして真円・平面度の矯正操作
を行うことで、拡径型20Aをパンチ36との楔作用を
利用して拡径工程の後半で平面度の矯正工程を実施する
ことにより、安価な単動プレス機を用いて、拡径と鍔状
部上面の拘束と鍔状部の平面度矯正荷重の付加が同時に
行わせられることになる。したがって、押圧片37がワ
ークaに接触するときには、既にワークaは拡径型20
Aでしっかりと拘束されているので、精度の良い矯正が
できる。また、押圧片37による平面矯正工程の最後
は、僅かではあるが拡径工程と重なるので、圧縮上での
曲げ負荷となり、より低荷重で、より精度の良い矯正が
可能となる。
【0035】次に、図6に示されるようなワークにおい
て、鍔状部11を拘束する条件で、内径に各々0.5,
0.8,1.0mm/半径の強制変位(図7に矢印Kで
表わす)を与えたときのワーク断面主応力の計算結果と
条件決めを下記に示す。なお、図中三角マークは拘束状
態を表わしている。
【0036】1) 強制変位0.5mmの計算結果より
円筒部の応力は、196N/mm以上あるが、未だ降
伏応力には達していない。このことから、ワーク矯正型
から出した後の円筒部のスプリングバック量は0. 5
mm程度と推定される。 2) 強制変位0.8mmの計算結果より円筒部の大部
分の応力は、218N/mm以上あり、ほぼ全面降伏
している。このことから、円筒部真円度矯正条件として
適正。 3) 強制変位1.0mmの計算結果より鍔状部の大部
分の応力は、218N/mm以上あり、ほぼ全面降伏
している。このことから、鍔状部の真円度矯正条件とし
て適正。また、鍔状部のスプリングバック量は0.8m
mの計算結果も勘案すると、0.9mm程度であること
が分かる。
【0037】以上の結果をまとめると、(1)円筒部の
真円度矯正には、前記図6に記載の寸法より0.8mm
程度の強制変位が必要。また鍔状部の真円度矯正には、
図6に記載の寸法より1.0mm程度の強制変位が必
要。 (2)実プレス作業においては、矯正前の素材(ワー
ク)内径のバラツキを考慮して、上記理論値より各々
0.5mmの変位量を追加する。また、スプリングバッ
ク量が、鍔状部が円筒部よりトータル0.5mm少ない
こと、またワーク断面における応力分布を考慮して、矯
正型(拡径型)のプロフィールを図8に示すように、ワ
ークaの鍔状部11と円筒部12とが繋がる基部11a
に対向する部分20bをそれ以外の部分よりも外径がや
や大きい寸法d膨出した形状にしておくのが好ましい。 (3)実作業において、確実な矯正効果を得るために、
ストッパーを設けて、計算値以上の拡径が起こるのを防
ぐことが好ましい。
【0038】次に、図9に台座ワークを二個取りするの
に用いる圧延鋼材の実施例図が示されている。この実施
例は、前述のワークの矯正を行う前工程が前述の実施例
と異なるもので、円環状に巻曲げ加工後における矯正操
作については前記実施例と同一である。
【0039】この実施例では、圧延鋼材として前記と同
様に、旋回輪の取付面を形成する鍔状部11と円筒部1
2を形成する胴部分との断面形状にほぼ等しい断面を上
下面対称に配されて溝型状に形成される圧延鋼材1Aを
用意する。この圧延鋼材1Aは、図10(a)に示され
るように、前記実施例の場合と同様にして鍔状部を外向
きにして3点ロールベンダー3により所要直径の円環状
に巻曲げ加工する。したがって、その3点ロールベンダ
ー3におけるボトムローラ3a′には鍔状部が嵌り合う
溝を二条備えたものが、またトップローラ3b′はウエ
ブ部分が受け入れられる幅広い溝部を有するものが用い
られる。
【0040】このような3点ロールベンダー3によって
円環状に巻曲げられた中間体a′は、図10(b)にお
いて表わされるように、上下に鍔をもつリング状に形成
される。この中間体a′はその次工程において曲げられ
た両端部を突き合わせてフラッシュバット溶接5で一体
に結合させる。その後に、ウエブとなる部分のちょうど
中間位置において例えば旋盤によって切断加工し二分割
する(図10(c)参照)。こうして中間製品aが得ら
れ、この中間製品(ワークa)は、以後前述の実施例と
同様に矯正されて製品とされる。
【0041】このような二個取りの圧延鋼材1Aを使用
する場合は、その圧延工程でウエブ部分における切断個
所に、切込み溝cを予め形成しておけば、前記切断加工
時に切断位置が明瞭であるとともに、その切込み溝c形
成部が車体フレームに対する溶接時の開先部となり、開
先形成加工を省略できてより好ましい。
【0042】以上のようにして、真円度並びに平面度の
矯正を施されて得られたワークaは、その後において、
旋回輪取付面15を機械加工され、かつ取付ボルト穴1
6を加工されて台座10(図11参照)として製品とな
る。
【0043】こうして得られた台座10は、前述のよう
に、旋回輪の取付面15を形成する鍔状部11と円筒部
12が一体形状で、従来のように溶接部を有しないので
応力集中が生じることはない。また、円筒部12の下端
12aは肉厚を下部走行体フレーム104の板厚と同様
にされているので、下部走行体フレーム104への応力
の分散が図られ、全く無理なく結合構成できるのである
(図13参照)。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施例の旋回輪取付台座の製作に使
用される圧延鋼材の形状を表わす図である。
【図2】図2は、旋回輪取付台座の中間体を製作する手
順の説明図で、(a)はロールベンダーによる曲げ加工
要領図、(b)はベンディングロールの形状を示す図、
(c)は円環状に形成されたワークを示す斜視図であ
る。
【図3】図3(a)はワーク内径部の拡径矯正加工の態
様図、(b)は拡径型の平面図である。
【図4】図4は、ワーク鍔状部の平面度矯正加工の一態
様図である。
【図5】図5は、ワークの真円・平面度矯正装置による
矯正加工の態様を示す図である。
【図6】図6は、台座の一実施例要部断面図である。
【図7】図7は、矯正加工時の強制変位説明図である。
【図8】図8は、好ましい拡径型のプロフィールを表す
図である。
【図9】図9は、台座ワークを二個取りするのに用いる
圧延鋼材の実施例図である。
【図10】図10は、他の実施例における台座の中間製
品を製作する手順説明図で、(a)はロールベンダーに
よる曲げ加工要領図、(b)は円環状に形成された中間
体を示す斜視図、(c)は中間体をに分割する説明図で
ある。
【図11】図11は、製品となった台座を示す図であ
る。
【図12】図12は、油圧ショベルの下部走行体を表わ
す斜視図(a)と、下部走行体上に上部旋回体が組み付
けられている要部を表わす図(b)である。
【図13】図13は、図12(a)におけるA−A視拡
大断面図である。
【符号の説明】
1,1A 圧延鋼材 3 3点ロールベンダー 5 フラッシュバット溶接 10 台座 11 鍔状部 11a 基部 12 円筒部 12′ 胴部分 12a 円筒部の下端 15 旋回輪の取付面 16 取付ボルト穴 20,20A 拡径型 20a 拡径型のセグメント 21 テーパ穴 21a テーパ面 23,36 パンチ 25,37 押圧片 27 矯正治具 30 真円・平面度矯正装置 31 プレスベッド 32 受け座 33 拡径型支持座 34 ストッパー 35 プレススライド 104 下部走行体フレーム a ワーク(中間製品)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 達志 大阪府枚方市上野3丁目1−1 株式会社 小松製作所生産技術開発センタ内 (72)発明者 中根 鎌夫 大阪府東大阪市楠根1丁目12番32号 Fターム(参考) 4E003 CA03 4E063 AA11 BB03 CA03 MA30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部旋回体と下部走行体とを有する建設
    機械の当該下部走行体に具備され、旋回輪が固定される
    旋回輪取付台座の製造方法において、 1)旋回輪取付座となる鍔状部と所要形状の円筒部とを
    一体にされた断面形状を持つ圧延鋼材を用い、 2)所要直径の円環状に曲げ加工して、 3)その円環状の合わせ部を溶接し、 4)その後において内径部と鍔状部とをプレス手段によ
    って加工歪みの矯正を行い製品とすることを特徴とする
    旋回輪取付台座の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記圧延鋼材には、所要断面形状が上下
    対称になる溝型断面形状のものを用い、これを所要直径
    の円環状に曲げ加工して、その円環状の合わせ部を溶接
    し、中間体を得て、その後にウエブの中間位置を切断し
    て二個の台座中間製品を得るようにする請求項1に記載
    の旋回輪取付台座の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記圧延鋼材を円環状に曲げ加工する際
    に、ウエブの中間位置に切断溝を形成する請求項2に記
    載の旋回輪取付台座の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記内径部と鍔状部分とのプレス手段に
    よる加工歪みの矯正は、複数個に分割された拡径型を前
    記台座中間製品の内径部に嵌め合せ、その拡径型の中央
    にパンチを圧入して内周面に拡張力を付勢する操作を行
    わせ、次いで前記台座中間製品の鍔状部に軸線方向の押
    圧力を付加して台座上面となる部分を水平面に矯正する
    歪み除去を行わせる請求項1に記載の旋回輪取付台座の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記プレス手段による加工歪みの矯正
    は、前工程で得られた台座中間製品の鍔状部を下にして
    プレス定盤側にて受支させ、その内径部に複数個に分割
    されて中央部に上広がりの勾配穴を備えた拡径型を挿入
    して、その拡径型の中央部勾配穴にテーパ付のパンチを
    圧入させて半径方向に拡張させるとともに、その拡径型
    とパンチによる拡径操作の終末前に、前記台座中間製品
    の鍔状部分に平面矯正型による押圧力を付加して平面矯
    正を行わせる請求項1または4に記載の旋回輪取付台座
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 旋回輪の取付台座部とその支持円筒部と
    を一体に形成されていることを特徴とする旋回輪取付台
    座。
  7. 【請求項7】 前記支持円筒部は、その端部の肉厚を下
    部走行体の台座取付位置構成部材の板厚と同様の肉厚と
    されている請求項6に記載の旋回輪取付台座。
JP2000241991A 2000-08-10 2000-08-10 旋回輪取付台座の製造方法およびその台座 Withdrawn JP2002059231A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000241991A JP2002059231A (ja) 2000-08-10 2000-08-10 旋回輪取付台座の製造方法およびその台座

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000241991A JP2002059231A (ja) 2000-08-10 2000-08-10 旋回輪取付台座の製造方法およびその台座

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002059231A true JP2002059231A (ja) 2002-02-26

Family

ID=18733086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000241991A Withdrawn JP2002059231A (ja) 2000-08-10 2000-08-10 旋回輪取付台座の製造方法およびその台座

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002059231A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006017125A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 General Electric Co <Ge> 回転機械を製作するための方法及び装置
JP2013252546A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Sanwa Churi Kogyo Kk ロール成形装置およびロール成形方法
CN110355985A (zh) * 2019-07-17 2019-10-22 西安交通大学 一种大尺寸环类件的橡皮囊精密校形装置
CN112317588A (zh) * 2020-11-16 2021-02-05 西安航天动力机械有限公司 一种用于控制直筒件形状精度的收径旋压方法
US11820093B2 (en) 2017-12-25 2023-11-21 Ihi Corporation Hot-press device

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006017125A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 General Electric Co <Ge> 回転機械を製作するための方法及び装置
JP2013252546A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Sanwa Churi Kogyo Kk ロール成形装置およびロール成形方法
US11820093B2 (en) 2017-12-25 2023-11-21 Ihi Corporation Hot-press device
CN110355985A (zh) * 2019-07-17 2019-10-22 西安交通大学 一种大尺寸环类件的橡皮囊精密校形装置
CN112317588A (zh) * 2020-11-16 2021-02-05 西安航天动力机械有限公司 一种用于控制直筒件形状精度的收径旋压方法
CN112317588B (zh) * 2020-11-16 2023-07-21 西安航天动力机械有限公司 一种用于控制直筒件形状精度的收径旋压方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3365976B2 (ja) ハブディスクの成形方法及び同成形に用いる金属スピニングローラ
RU2392081C2 (ru) Способ изготовления основания обода колеса посредством формоизменения в холодном состоянии и устройство для его осуществления
JPH07132343A (ja) 回転鍛造装置
JP2002066644A (ja) 曲げ加工品および曲げ加工方法およびそれに用いる曲げ加工装置
CN108463296A (zh) 旋压装置以及旋压方法
JP3925370B2 (ja) 液圧バルジ加工用異形素管の製造方法及び装置
JP2011045923A (ja) 差厚金属板及びその製造方法
JP2002059231A (ja) 旋回輪取付台座の製造方法およびその台座
US6298702B1 (en) Method for making seamless wheel rims
JP2006181638A (ja) ラジアル玉軸受用軌道輪及びその製造方法
JPH07155879A (ja) 管継手の製造方法及びそれに使用する揺動加工装置
JP2008036679A (ja) 突出部付筒状部材の製造方法
JPH0655217A (ja) 金属リングの矯正装置
JPH0139849B2 (ja)
JPS59185532A (ja) 車輪リムの製造方法
US4068362A (en) Method of forming rings
JPH0957380A (ja) 円筒部品の製造方法
JP3405129B2 (ja) スピニング加工方法及び同加工方法に使用する加工ロール
JPS6068130A (ja) 円筒物の成形方法及びその装置
KR102435465B1 (ko) 파이프 제조 장치
JPS62279041A (ja) ホイ−ルの製造装置
JP2002035881A (ja) 円形鍛造品の鍛造加工方法およびその装置
JP3308503B2 (ja) 中間絞り管の製造方法
US3920174A (en) Method and apparatus for sizing joint rings for cylindrical pipes
JPH0124585B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071106