JPH0957380A - 円筒部品の製造方法 - Google Patents

円筒部品の製造方法

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JPH0957380A
JPH0957380A JP21996895A JP21996895A JPH0957380A JP H0957380 A JPH0957380 A JP H0957380A JP 21996895 A JP21996895 A JP 21996895A JP 21996895 A JP21996895 A JP 21996895A JP H0957380 A JPH0957380 A JP H0957380A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内外径の寸法精度、真円度、端面精度が優れ
た円筒部品を安価に製造できるようにする。 【解決手段】 板厚t1 が目的とする円筒部品10の肉
厚と同じで、幅寸法W1が円筒部品10の肉厚中心にお
ける展開寸法の96%≦W1 <100%、更に好ましく
は98%≦W1 <100%の範囲内で、体積が同じとな
るように幅寸法W 1 に応じて長さ寸法L1 が設定された
金属板材12を(a)のブランキング工程で帯板から取
り出し、プレスによる(b)U曲げおよび(c)O曲げ
によって円筒状に丸める。その後、その円筒状のプレス
品22にボンデ処理を施し、軸方向から圧縮する冷間鍛
造を行うことにより、(d),(e)の2工程で縁端3
2,34にRの面付けを行うとともに内外径仕上げを行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は円筒部品の製造方法
に係り、特に、四角形の金属板材を丸めて円筒部品を製
造する方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のサスペンション装置、例えばア
ッパアームやロワアームを車体に取り付ける部分に配設
される防振ゴムブッシュの外筒など、比較的厚肉の円筒
部品が自動車部品は勿論その他の各種の機械に用いられ
ている。このような円筒部品のうち内外径の寸法精度が
要求される場合は、市販の引抜き管を切断して端面加工
しているのが普通であるが、市販の引抜き管は高価であ
る上、切断や端面の切削加工に時間が掛かるとともに材
料の歩留りが悪い(切削代など)という問題があった。
これに対し、金属板材をプレスによる曲げ加工で丸めて
円筒部品を製造したり、円柱状の金属素材に冷間鍛造を
行って円筒部品を製造したりすることが、例えば特開平
3−291115号公報や特開平1−293927号公
報などで提案されている。
【0003】図13はプレスによる曲げ加工で円筒部品
を製造する場合で、先ず(a)に示すような四角形の金
属板材100をプレスによるせん断加工によって帯板か
ら打ち抜き、(b)のようにプレスで端曲げを行った
後、(c)のU曲げおよび(d)のO曲げを順次行って
目的とする円筒部品102を得る。この場合には、材料
の歩留りが略100%になるとともに板材自体も安価で
材料コストが大幅に低減される一方、切削加工が不要で
製造時間も短縮される。なお、金属板材100の板厚t
2 は円筒部品102の肉厚と同じで、幅寸法W2 は円筒
部品102の肉厚中心における展開寸法と同じか大きめ
に定められる。
【0004】図14は冷間鍛造で円筒部品を製造する場
合で、(a)に示すような円柱形状の金属素材104を
用意し、ボンデ処理(潤滑処理)を施した後(b)に示
す据え込み鍛造で中央部分を薄くし、(c)の押出し鍛
造で中間部に余肉106を有する円筒部品108を製造
し、(d)のピアス・コイニングで余肉106を打ち抜
くとともに内径仕上げを行って目的とする円筒部品11
0を得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プレス
による丸め加工の場合には、内外径の寸法精度や真円度
が十分に得られなかったり、端面精度(全長精度)が悪
化したりする問題がある。前記幅寸法W2 を肉厚中心に
おける展開寸法より大きめ(100%〜103%程度)
に設定すると、プレス型に金属板材が密着させられて高
い真円度が得られるようになるが、それでも軟鋼(SP
H270MPa材相当)の場合で0.2程度、高張力鋼
板(SAPH440MPa、SPFH540MPa)材
では0.5以上であり、使用できる部品が限られるとと
もに、余肉が部分的に軸方向へはみ出すため端面精度が
悪くなる。幅寸法W2 を展開寸法の100%以下にする
と、端縁の凹凸は殆ど生じないが、スプリングバックな
どにより寸法精度や真円度が一層悪くなる。鍛造加工の
場合は、引抜き管と同程度の寸法精度が得られるが、材
料費や材料の歩留りの点で上記プレスによる丸め加工に
劣るとともに、大きな鍛造荷重が必要で大型の鍛造機械
が必要であり且つ金型寿命が短く、製造コストの点で十
分に満足できないという問題がある。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、内外径の寸法精度、
真円度、端面精度が優れた円筒部品を安価に製造できる
ようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、四角形の金属板材を丸めて円筒部品
を製造する方法であって、(a)前記金属板材を、外径
が前記円筒部品の外径と略同じになるようにプレス型に
より外周側を拘束して円筒状に丸める丸めプレス工程
と、(b)その丸めプレス工程に先立って行われ、体積
が前記円筒部品と略同じでその丸めプレス工程で円筒状
に丸められた場合に周方向において隙間が残るように幅
寸法が定められた四角形の金属板材を用意する板材準備
工程と、(c)前記円筒部品の内径と略同じ外径寸法の
内径仕上げ型、および前記円筒部品の外径と略同じ内径
寸法の外径仕上げ型により、前記丸めプレス工程で得ら
れた円筒状のプレス品の内外径を拘束しつつ、そのプレ
ス品を軸方向から冷間鍛造する鍛造仕上げ工程とを有す
ることを特徴とする。
【0008】第2発明は、四角形の金属板材を丸めて円
筒部品を製造する方法であって、(a)板厚が前記円筒
部品の肉厚と略同じで、幅寸法W1 がその円筒部品の肉
厚中心における展開寸法の96%≦W1 <100%の範
囲内で、体積がその円筒部品と略同じとなるようにその
幅寸法W1 に応じて長さ寸法が定められた四角形の金属
板材を、プレスによるせん断加工で帯板から取り出すせ
ん断プレス工程と、(b)前記金属板材を、外径が前記
円筒部品の外径と略同じで且つ周方向において隙間が残
るようにプレス型により外周側を拘束して円筒状に丸め
る丸めプレス工程と、(c)前記円筒部品の内径と略同
じ外径寸法の内径仕上げ型、および前記円筒部品の外径
と略同じ内径寸法の外径仕上げ型により、前記丸めプレ
ス工程で得られた円筒状のプレス品の内外径を拘束しつ
つ、そのプレス品を軸方向から圧縮して冷間鍛造する鍛
造仕上げ工程とを有することを特徴とする。
【0009】第3発明は、前記第1発明または第2発明
の円筒部品の製造方法において、前記円筒部品の端縁に
は面付けが設けられており、前記鍛造仕上げ工程でその
面付けが施されることを特徴とする。
【0010】第4発明は、前記第1発明または第2発明
の円筒部品の製造方法において、前記円筒部品の端縁に
は面付けが設けられており、前記丸めプレス工程の前
に、前記金属板材の端縁にプレス加工によって面付けを
施す面付けプレス工程を有することを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】このような円筒部品の製造方法において
は、丸めプレス工程で金属板材を円筒状に丸めた後、鍛
造仕上げ工程で内外径を拘束して冷間鍛造を行うように
なっているため、材料の歩留りが略100%で板材自体
も安価なことから材料コストが大幅に低減されるととも
に、プレス加工や冷間鍛造で端縁に面付けできるため切
削加工が必ずしも必要でなく、製造時間が短縮される一
方、引抜き管を用いた場合と同程度の内外径の寸法精
度、真円度、端面精度が得られる。また、丸めプレス工
程で外径が円筒部品の外径と略同じになるように金属板
材が丸められた場合に、周方向において隙間が残るよう
になっているため、その丸めプレス工程で得られるプレ
ス品の端面精度は金属板材と略同じであり、次の冷間鍛
造の際に偏荷重を生じることがなくて鍛造荷重が均等に
作用させられ、鍛造仕上げが良好に行われる。更に、丸
めプレス工程で円筒状に丸められたプレス品を冷間鍛造
するため、前記図14のように冷間鍛造のみで円筒部品
を製造する場合に比較して鍛造荷重が小さくて済み、小
型の鍛造機械や板金加工用プレス機械を使用できるとと
もに、上記のように偏荷重が生じないことと相まって金
型寿命が長くなり、製造設備に要するコストが低減され
る。
【0012】第2発明では、円筒部品の肉厚と略同じ板
厚の金属板材が用いられているとともに、その幅寸法W
1 は展開寸法の96%≦W1 <100%の範囲内とされ
ているため、丸め加工時に端面精度を損なうことなく冷
間鍛造で比較的容易に周方向の隙間を埋めることができ
る。また、金属板材の板厚が円筒部品の肉厚と略同じで
あるため、鍛造仕上げ工程における鍛造荷重が一層小さ
くて済む。
【0013】第3発明および第4発明では、鍛造加工ま
たはプレス加工で面付けが施されるため、切削加工で面
付けする場合に比較して、製造時間が短縮されるととも
に材料の歩留りが向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】ここで、前記第1発明における金
属板材は、体積が円筒部品と略同じで丸めプレス工程で
円筒状に丸められた場合に周方向において隙間が残るよ
うに幅寸法が定められておれば良く、板厚は円筒部品の
肉厚と略同じであっても小さくても大きくても差し支え
ない。幅方向の端縁に傾斜や段差を付けることにより、
丸めプレス工程で丸めた場合に周方向において隙間が残
るようにすることも可能で、幅寸法はその端縁形状を考
慮して設定される。また、丸めプレス工程の後に鍛造仕
上げが行われるため、丸めプレス工程では高い寸法精度
が要求されず、目的とする円筒部品の外径より多少大き
めであっても差し支えなく、その場合は金属板材の幅寸
法が円筒部品の肉厚中心における展開寸法と同じであっ
ても良い。要するに、丸めプレス工程で丸めた際に周方
向において隙間が残り、余肉が軸方向へはみ出して端縁
に凹凸を生じることが殆どないようになっておれば良い
のである。周方向において隙間が残る場合でも端縁に凹
凸を生じる場合があるが、その凹凸は僅かで冷間鍛造に
は殆ど影響ない。
【0015】丸めプレス工程は、例えば円筒部品の外周
面と略等しい曲率半径の半円弧状の凹型成形面を有する
ダイスと、円筒部品の内周面と略等しい曲率半径の凸型
成形面を有するパンチとによって、金属板材をU字形状
に曲げるU曲げ工程と、円筒部品の外周面と略等しい曲
率半径の半円弧状の凹型成形面を有する一対のプレス型
によって上記U字形状に曲げられた金属板材の平行部を
内側へ丸めるO曲げ工程とを有して構成される。鍛造仕
上げ工程は、内外径寸法および軸方向長さを冷間鍛造に
よって寸法出しする工程で、1回の冷間鍛造でそれ等の
総ての寸法出しを行うことも可能であるが、外径仕上げ
工程、内径仕上げ工程などに分けて冷間鍛造を行うよう
にしても良い。
【0016】第2発明は、実質的に第1発明の一実施態
様で、金属板材を帯板から取り出すせん断プレス工程は
第1発明の板材準備工程に相当する。この場合の金属板
材の幅寸法W1 は円筒部品の肉厚中心における展開寸法
の96%≦W1 <100%の範囲内とされるが、丸め加
工時に端面精度を損なうことなく冷間鍛造で容易に周方
向の隙間を埋める上で更に好ましい範囲は98%≦W1
<100%である。
【0017】なお、本発明は肉厚が2.6mm程度以
上、更には3.0mm程度以上の厚肉の円筒部品の製造
に好適に適用されるが、2.6mm程度以下の薄肉の円
筒部品の製造にも適用できる。
【0018】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明に従って円筒部品10を
製造する際の工程を示す図である。この場合の円筒部品
10は、自動車のサスペンション装置であるアッパアー
ムやロワアームを車体に取り付ける部分に配設される防
振ゴムブッシュの外筒で、3mm程度以上の肉厚を有し
ている。(a)のブランキング工程は請求項1の板材準
備工程、請求項2のせん断プレス工程にそれぞれ相当
し、長方形の金属板材12をプレスによるせん断加工
(シャー切断)で帯板から打ち抜いて取り出す。金属板
材12の板厚t1 は完成品である円筒部品10の肉厚と
同じで、幅寸法W1 は円筒部品10の肉厚中心における
展開寸法の96%≦W1 <100%の範囲内、更に好ま
しくは98%≦W1 <100%の範囲内で、長さ寸法L
1 は、体積が円筒部品10と同じになるように幅寸法W
1 に応じて円筒部品10の長さ寸法L2よりも長くされ
ている。例えば、円筒部品10の外径が36.2mm、
内径が29mm、長さ寸法が44mmの場合、体積は
(18.12 −14.52 )×π×44≒16210m
3 で、肉厚中心の展開寸法は(29+3.6)×π≒
102.4mmであり、幅寸法W1 を展開寸法の98%
とするとW1 =102.4×0.98≒100.4mm
となり、長さ寸法L1 =16210÷100.4÷3.
6≒44.85mmとなる。
【0019】(b)のU曲げ工程は、図2に示すように
円筒部品10の外周面と同じ曲率半径(外径の1/2)
の半円弧状の凹型成形面を有するダイス14と、円筒部
品10の内周面と同じ曲率半径(内径の1/2)の凸型
成形面を有するパンチ16とによって、金属板材12を
U字形状に曲げる工程である。また、(c)のO曲げ工
程は、図3に示すように円筒部品10の外周面と同じ曲
率半径の半円弧状の凹型成形面を有する一対のプレス型
18,20によって上記U字形状に曲げられた金属板材
12の平行部を内側へ丸める工程で、これにより円筒状
のプレス品22が得られる。この際、O曲げ工程におけ
るストローク調整およびプレス品のスプリングバックに
より、円筒状のプレス品22の外径は円筒部品10の外
径より若干大きくなる。例えば、外径が36.2mmで
肉厚が3.6mmの円筒部品10を製造する場合に、肉
厚と同じ板厚で幅寸法W1 が展開寸法の99%程度の金
属板材12を用いた場合、プレス品22の外径は円筒部
品10の外径すなわち36.2mmよりも0.2〜0.
3mm程度、すなわち0.5%〜0.8%程度大きくな
る。この(b)のU曲げ工程および(c)のO曲げ工程
は、請求項1および2における丸めプレス工程に相当す
る。なお、前記図13のように端曲げ工程、U曲げ工
程、およびO曲げ工程によってプレス品22を製造する
ようにしても良い。
【0020】ここで、金属板材12の幅寸法W1 は、円
筒部品10の肉厚中心における展開寸法の96%≦W1
<100%の範囲内とされているため、上記プレス品2
2の突合せ部24には図6の(a)〜(c)に示すよう
な隙間が残る。このため、高い真円度や寸法精度を得る
ために幅寸法W1 が肉厚中心における展開寸法より大き
くされる従来の場合のように、余肉が軸方向へはみ出し
て端面に凹凸が生じることは殆どなく、ブランキング工
程でせん断した際の金属板材12の端面精度が略そのま
ま維持される。なお、図6では突合せ部24の端縁まで
プレス品22が円弧状を成しているが、大きな隙間を有
する(a)や(b)の場合には、厳密には端縁近傍部分
は直線状である。
【0021】図1に戻って、(d)の外径仕上げ・面付
け工程および(e)の内径仕上げ工程は、請求項1およ
び2における鍛造仕上げ工程に相当するもので、(c)
のO曲げ工程で得られたプレス品22にボンデ処理(潤
滑処理)を施した後に実施され、そのプレス品22を軸
方向から圧縮して冷間鍛造を行う。(d)の外径仕上げ
・面付け工程は、円筒部品10の外径と同じ内径寸法の
成形内周面を有する外径仕上げ型26内にパンチ28に
よりプレス品22を押し込んで外径仕上げを行うととも
に、パンチ28と下型30との間でプレス品22を軸方
向から挟圧して軸方向の両端縁32,34の内周側角部
にRの面付けを施す。外径仕上げ型26の上端開口部に
はテーパ面36が設けられてプレス品22を成形内周面
の内側へ案内するようになっているとともに、パンチ2
8および下型30には、Rの面付けに対応する成形面が
設けられている。下型30は、図4から明らかなように
カラー38上に載置されて、その上端で外径仕上げ型2
6の段部と共にプレス品22を支持しているとともに、
ノックアウト40がカラー38内を上昇させられて突き
上げられることにより、鍛造後のプレス品22を外径仕
上げ型26内から上方へ押し出す。パンチ28はパンチ
ホルダ42によって図示しないスライドプレートに固設
され、一体的に上下動させられるようになっている。
【0022】(e)の内径仕上げ工程は、円筒部品10
の外径と同じ内径寸法の成形内周面を有する外径仕上げ
型44と、円筒部品10の内径と同じ外径寸法の成形外
周面を有する内径仕上げ型46との間の環状空間内にプ
レス品22を押し込み、内径仕上げを行うとともに軸方
向長さの寸法出しを行う工程であり、これにより前記突
合せ部24は図7のように略埋められ、目的とする円筒
部品10が得られる。外径仕上げ型44と内径仕上げ型
46との間の環状空間の下端部には円筒状のノックアウ
ト48が配設され、プレス品22の下端位置を規定して
いるとともに、そのプレス品22は円筒状のパンチ50
によって環状空間内に押し込まれるようになっており、
外径仕上げ型44の上端開口部にはテーパ面52が設け
られてプレス品22を環状空間内へ案内するようになっ
ている。ノックアウト48は、図5から明らかなように
プレート54上に載置されて、その上端で内径仕上げ型
46のR状段部と共にプレス品22を支持しているとと
もに、複数のノックアウトピン56を介して上方へ突き
上げられることにより、鍛造後のプレス品22すなわち
円筒部品10を外径仕上げ型44と内径仕上げ型46と
の間の環状空間から上方へ押し出す。パンチ50はパン
チホルダ58によって図示しないスライドプレートに固
設され、一体的に上下動させられるようになっている。
【0023】このような本実施例の製造方法によれば、
材料の歩留りが100%で金属板材12自体も帯板から
打ち抜いたもので安価なことから材料コストが大幅に低
減されるとともに、プレスで丸められたプレス品22に
冷間鍛造を施して内外径および軸方向長さの寸法出しを
行っているため、引抜き管を用いた場合と同程度の内外
径の寸法精度、真円度、端面精度が得られる。本発明者
等のテストでは、SAPH440MPa、SPFH54
0MPaの高張力鋼板の場合には真円度を0.2以下に
出来、SPH270MPaの軟鋼板の場合には真円度を
0.03以下にすることができた。また、(e)の外径
仕上げ・面付け工程で端縁32,34にRの面付けが施
されるため、切削加工で面付けする場合に比較して製造
時間が短縮されるとともに材料の歩留りが向上する。
【0024】一方、プレスによる丸め加工では、突合せ
部24に隙間が残るようになっているため、プレス品2
2の端面精度が高くて冷間鍛造の際に偏荷重を生じるこ
とがなく、鍛造荷重が均等に作用させられて鍛造仕上げ
が良好に行われる。特に、本実施例では金属板材12の
板厚t1 が円筒部品10の肉厚と同じで、幅寸法W1
展開寸法の96%≦W1 <100%の範囲内、更に好ま
しくは98%≦W1 <100%の範囲内とされるため、
プレスによる丸め加工で端面精度を損なうことなく冷間
鍛造で容易に周方向の隙間を埋めることができる。ま
た、丸めプレス工程で円筒状に丸められたプレス品22
を冷間鍛造するため、従来の図14のように冷間鍛造の
みで円筒部品を製造する場合に比較して鍛造荷重が小さ
くて済み、小型の鍛造機械や板金加工用プレス機械を使
用できるとともに、上記のように偏荷重が生じないこと
と相まって金型寿命が長くなり、製造設備に要するコス
トが低減される。
【0025】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において上記実施例と実質的に共通す
る部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0026】図8は、(a)のブランキング工程の次に
(b)の面付けプレス工程を行う場合で、図9に示すよ
うにダイス60の成形面にパンチ62によって金属板材
12を押圧することにより、金属板材12の長さ方向の
両端縁64,66にRの面付けを施す。パンチ62の中
央部分には、円柱形状のブロック68が埋め込まれてお
り、金属板材12の上面すなわち円筒部品10の状態で
外周側となる面の中央部に凹み70を形成するようにな
っている。(c)のU曲げ工程および(d)のO曲げ工
程は、前記図1における(b)のU曲げ工程および
(c)のO曲げ工程と同じであるが、本実施例ではRの
面付けが施された側が内側となるようにしてプレスす
る。(e)の内外径仕上げ工程は、端縁64,66の面
付けが既に施されていることから、内径仕上げ,外径仕
上げ,および軸方向の寸法出しを同時に行うようにした
もので、前記図5の鍛造機械を用いて図1の(e)内径
仕上げ工程と同様にして行えば良い。
【0027】本実施例でも、プレスによって面付けが施
されるため、切削加工で面付けする場合に比較して製造
時間が短縮されるとともに材料の歩留りが向上するな
ど、前記実施例と同様の効果が得られる。また、突合せ
部24の反対側の外周面に凹み70が形成されているた
め、その凹み70を検出することによって突合せ部24
の位置を容易に確認できる。すなわち、この円筒部品1
0は図10に示すようにアッパアームやロワアームなど
のサスペンションアーム72に溶接固定されるが、強度
的に弱い突合せ部24側で溶接する必要があるため、組
付け後に突合せ部24を確認することは難しく、凹み7
0の存在によって突合せ部24の位置を容易に確認でき
るようになるのである。なお、凹み70を設ける位置は
適宜設定できる。
【0028】図11の実施例は鍛造仕上げ工程の別の態
様で、(a)は内外径仕上げ・下部仮面付け工程であ
り、前記図5の鍛造機械を用いて行うことができる。
(b)は上下部面付け工程で、外径仕上げ型74により
プレス品22の外径を拘束しながら、一対のパンチ7
6,78によって端縁32,34にRの面付けを施す。
一対のパンチ76,78にはRの面付けを施すための成
形面の他、プレス品22の内径を拘束する内径拘束部8
0,82が一体に設けられている。
【0029】図12は鍛造仕上げ工程の更に別の態様
で、1回の冷間鍛造で内外径仕上げおよび上下部面付け
を同時に行う場合であり、上記図11(b)における内
径拘束部80,82を延長した内径仕上げ部84,86
を有するパンチ88,90を備えた鍛造機械を用いて行
うことができる。内径仕上げ部84,86は、互いに突
き当たることのないようにその長さ寸法が設定される。
【0030】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は更に別の態様で実施すること
もできる。
【0031】例えば、前記実施例では端縁32,34の
内周側角部にRの面付けが施される円筒部品10につい
て説明したが、端縁32,34の外周側角部に面付けを
施したりテーパ状の面付けを施したりすることもでき
る。そのような面付けの無い円筒部品の製造にも本発明
は同様に適用され得る。
【0032】また、前記実施例では金属板材12の幅方
向の両端縁が一直線で単に突き合わされるだけである
が、櫛歯状の凹凸を設けて噛み合わせるようにしたり、
必要に応じて突合せ部24に溶接などの一体化処理を施
したりすることも可能である。
【0033】また、前記実施例におけるプレス機械や鍛
造機械の型構造はあくまでも一例であり、必要に応じて
適宜変更することが可能である。
【0034】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明する工程図である。
【図2】図1の(b)U曲げを行うプレス機械の概略構
成図である。
【図3】図1の(c)O曲げを行うプレス機械の概略構
成図である。
【図4】図1の(d)外径仕上げ・面付けを行う鍛造機
械の概略構成図である。
【図5】図1の(e)内径仕上げを行う鍛造機械の概略
構成図である。
【図6】図1の(c)O曲げによって得られる円筒状の
プレス品の突合せ部の状態を示す図である。
【図7】図1の(f)完成品における突合せ部の状態を
示す図である。
【図8】本発明の他の実施例を説明する工程図である。
【図9】図8の(b)面付けを行うプレス機械の概略構
成図である。
【図10】図8の(f)完成品がクッションアームに溶
接固定された状態を示す概略図である。
【図11】本発明の鍛造仕上げ工程の別の例を説明する
図で、その鍛造仕上げ工程を実施する鍛造機械の概略構
成図である。
【図12】本発明の鍛造仕上げ工程の更に別の例を説明
する図で、その鍛造仕上げ工程を実施する鍛造機械の概
略構成図である。
【図13】プレスによる丸め加工で円筒部品を製造する
従来の製造方法の一例を説明する工程図である。
【図14】冷間鍛造で円筒部品を製造する従来の製造方
法の一例を説明する工程図である。
【符号の説明】
10:円筒部品 12:金属板材 22:プレス品

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四角形の金属板材を丸めて円筒部品を製
    造する方法であって、 前記金属板材を、外径が前記円筒部品の外径と略同じに
    なるようにプレス型により外周側を拘束して円筒状に丸
    める丸めプレス工程と、 該丸めプレス工程に先立って行われ、体積が前記円筒部
    品と略同じで該丸めプレス工程で円筒状に丸められた場
    合に周方向において隙間が残るように幅寸法が定められ
    た四角形の金属板材を用意する板材準備工程と、 前記円筒部品の内径と略同じ外径寸法の内径仕上げ型、
    および前記円筒部品の外径と略同じ内径寸法の外径仕上
    げ型により、前記丸めプレス工程で得られた円筒状のプ
    レス品の内外径を拘束しつつ、該プレス品を軸方向から
    冷間鍛造する鍛造仕上げ工程とを有することを特徴とす
    る円筒部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 四角形の金属板材を丸めて円筒部品を製
    造する方法であって、 板厚が前記円筒部品の肉厚と略同じで、幅寸法W1 が該
    円筒部品の肉厚中心における展開寸法の96%≦W1
    100%の範囲内で、体積が該円筒部品と略同じとなる
    ように該幅寸法W1 に応じて長さ寸法が定められた四角
    形の金属板材を、プレスによるせん断加工で帯板から取
    り出すせん断プレス工程と、 前記金属板材を、外径が前記円筒部品の外径と略同じで
    且つ周方向において隙間が残るようにプレス型により外
    周側を拘束して円筒状に丸める丸めプレス工程と、 前記円筒部品の内径と略同じ外径寸法の内径仕上げ型、
    および前記円筒部品の外径と略同じ内径寸法の外径仕上
    げ型により、前記丸めプレス工程で得られた円筒状のプ
    レス品の内外径を拘束しつつ、該プレス品を軸方向から
    圧縮して冷間鍛造する鍛造仕上げ工程とを有することを
    特徴とする円筒部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記円筒部品の端縁には面付けが設けら
    れており、前記鍛造仕上げ工程で該面付けが施される請
    求項1または2に記載の円筒部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記円筒部品の端縁には面付けが設けら
    れており、前記丸めプレス工程の前に、前記金属板材の
    端縁にプレス加工によって面付けを施す面付けプレス工
    程を有する請求項1または2に記載の円筒部品の製造方
    法。
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