JP3713073B2 - 円筒部品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は円筒部品の製造方法に係り、特に、四角形の金属板材を丸めて円筒部品を製造する方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のサスペンション装置、例えばアッパアームやロワアームを車体に取り付ける部分に配設される防振ゴムブッシュの外筒など、比較的厚肉の円筒部品が自動車部品は勿論その他の各種の機械に用いられている。このような円筒部品のうち内外径の寸法精度が要求される場合は、市販の引抜き管を切断して端面加工しているのが普通であるが、市販の引抜き管は高価である上、切断や端面の切削加工に時間が掛かるとともに材料の歩留りが悪い(切削代など)という問題があった。これに対し、金属板材をプレスによる曲げ加工で丸めて円筒部品を製造したり、円柱状の金属素材に冷間鍛造を行って円筒部品を製造したりすることが、例えば特開平3−291115号公報や特開平1−293927号公報などで提案されている。
【0003】
図13はプレスによる曲げ加工で円筒部品を製造する場合で、先ず(a)に示すような四角形の金属板材100をプレスによるせん断加工によって帯板から打ち抜き、(b)のようにプレスで端曲げを行った後、(c)のU曲げおよび(d)のO曲げを順次行って目的とする円筒部品102を得る。この場合には、材料の歩留りが略100%になるとともに板材自体も安価で材料コストが大幅に低減される一方、切削加工が不要で製造時間も短縮される。なお、金属板材100の板厚t2 は円筒部品102の肉厚と同じで、幅寸法W2 は円筒部品102の肉厚中心における展開寸法と同じか大きめに定められる。
【0004】
図14は冷間鍛造で円筒部品を製造する場合で、(a)に示すような円柱形状の金属素材104を用意し、ボンデ処理(潤滑処理)を施した後(b)に示す据え込み鍛造で中央部分を薄くし、(c)の押出し鍛造で中間部に余肉106を有する円筒部品108を製造し、(d)のピアス・コイニングで余肉106を打ち抜くとともに内径仕上げを行って目的とする円筒部品110を得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プレスによる丸め加工の場合には、内外径の寸法精度や真円度が十分に得られなかったり、端面精度(全長精度)が悪化したりする問題がある。前記幅寸法W2 を肉厚中心における展開寸法より大きめ(100%〜103%程度)に設定すると、プレス型に金属板材が密着させられて高い真円度が得られるようになるが、それでも軟鋼(SPH270MPa材相当)の場合で0.2程度、高張力鋼板(SAPH440MPa、SPFH540MPa)材では0.5以上であり、使用できる部品が限られるとともに、余肉が部分的に軸方向へはみ出すため端面精度が悪くなる。幅寸法W2 を展開寸法の100%以下にすると、端縁の凹凸は殆ど生じないが、スプリングバックなどにより寸法精度や真円度が一層悪くなる。鍛造加工の場合は、引抜き管と同程度の寸法精度が得られるが、材料費や材料の歩留りの点で上記プレスによる丸め加工に劣るとともに、大きな鍛造荷重が必要で大型の鍛造機械が必要であり且つ金型寿命が短く、製造コストの点で十分に満足できないという問題がある。
【0006】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、内外径の寸法精度、真円度、端面精度が優れた円筒部品を安価に製造できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、四角形の金属板材を丸めて円筒部品を製造する方法であって、(a)板厚が前記円筒部品の肉厚と同じで、幅寸法W1 がその円筒部品の肉厚中心における展開寸法の96%≦W1 <100%の範囲内で、体積がその円筒部品と略同じとなるようにその幅寸法W1 に応じて長さ寸法が定められた四角形の金属板材を用意する板材準備工程と、(b)前記金属板材を、外径が前記円筒部品の外径と略同じで且つ周方向において隙間が残るようにプレス型により外周側を拘束して円筒状に丸める丸めプレス工程と、(c)前記円筒部品の内径と同じ外径寸法の成形外周面を有する内径仕上げ型、および前記円筒部品の外径と同じ内径寸法の成形内周面を有する外径仕上げ型を用いて、その内径仕上げ型の成形外周面とその外径仕上げ型の成形内周面との間の環状空間内に、前記丸めプレス工程で得られた円筒状のプレス品をパンチにより押し込んで内外径を拘束しつつ、そのプレス品を軸方向から圧縮して冷間鍛造することにより、内径仕上げ、外径仕上げ、および軸方向の寸法出しを行って前記周方向の隙間を埋める鍛造仕上げ工程とを有することを特徴とする。
第2発明は、第1発明の円筒部品の製造方法において、前記鍛造仕上げ工程は、(a)前記外径仕上げ型内に前記円筒状のプレス品をパンチにより押し込んで外径仕上げを行うとともに、軸方向から挟圧して軸方向の両端縁に面付けを施す外径仕上げ・面付け工程と、(b)前記内径仕上げ型の成形外周面と前記外径仕上げ型の成形内周面との間の環状空間内に、前記外径仕上げ・面付け工程を経た前記円筒状のプレス品をパンチにより押し込み、内径仕上げを行うとともに軸方向の寸法出しを行って前記周方向の隙間を埋める内径仕上げ工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
第3発明は、前記第1発明の円筒部品の製造方法において、前記円筒部品の端縁には面付けが設けられており、前記鍛造仕上げ工程でその面付けが施されることを特徴とする。
【0010】
第4発明は、前記第1発明の円筒部品の製造方法において、前記円筒部品の端縁には面付けが設けられており、前記丸めプレス工程の前に、前記金属板材の端縁にプレス加工によって面付けを施す面付けプレス工程を有することを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
このような円筒部品の製造方法においては、丸めプレス工程で金属板材を円筒状に丸めた後、鍛造仕上げ工程で内外径を拘束して冷間鍛造を行うようになっているため、材料の歩留りが略100%で板材自体も安価なことから材料コストが大幅に低減されるとともに、プレス加工や冷間鍛造で端縁に面付けできるため切削加工が必ずしも必要でなく、製造時間が短縮される一方、引抜き管を用いた場合と同程度の内外径の寸法精度、真円度、端面精度が得られる。また、丸めプレス工程で外径が円筒部品の外径と略同じになるように金属板材が丸められた場合に、周方向において隙間が残るようになっているため、その丸めプレス工程で得られるプレス品の端面精度は金属板材と略同じであり、次の冷間鍛造の際に偏荷重を生じることがなくて鍛造荷重が均等に作用させられ、鍛造仕上げが良好に行われる。更に、丸めプレス工程で円筒状に丸められたプレス品を冷間鍛造するため、前記図14のように冷間鍛造のみで円筒部品を製造する場合に比較して鍛造荷重が小さくて済み、小型の鍛造機械や板金加工用プレス機械を使用できるとともに、上記のように偏荷重が生じないことと相まって金型寿命が長くなり、製造設備に要するコストが低減される。
【0012】
また、円筒部品の肉厚と同じ板厚の金属板材が用いられているとともに、その幅寸法W1 は展開寸法の96%≦W1 <100%の範囲内とされているため、丸め加工時に端面精度を損なうことなく冷間鍛造で比較的容易に周方向の隙間を埋めることができる。また、金属板材の板厚が円筒部品の肉厚と同じであるため、鍛造仕上げ工程における鍛造荷重が一層小さくて済む。
【0013】
第3発明および第4発明では、鍛造加工またはプレス加工で面付けが施されるため、切削加工で面付けする場合に比較して、製造時間が短縮されるとともに材料の歩留りが向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
ここで、前記金属板材は、幅方向の端縁に傾斜や段差を付けることにより、丸めプレス工程で丸めた場合に周方向において隙間が残るようにすることも可能で、幅寸法はその端縁形状を考慮して設定される。また、丸めプレス工程の後に鍛造仕上げが行われるため、丸めプレス工程では高い寸法精度が要求されず、目的とする円筒部品の外径より多少大きめであっても差し支えない。要するに、丸めプレス工程で丸めた際に周方向において隙間が残り、余肉が軸方向へはみ出して端縁に凹凸を生じることが殆どないようになっておれば良いのである。周方向において隙間が残る場合でも端縁に凹凸を生じる場合があるが、その凹凸は僅かで冷間鍛造には殆ど影響ない。
【0015】
丸めプレス工程は、例えば円筒部品の外周面と略等しい曲率半径の半円弧状の凹型成形面を有するダイスと、円筒部品の内周面と略等しい曲率半径の凸型成形面を有するパンチとによって、金属板材をU字形状に曲げるU曲げ工程と、円筒部品の外周面と略等しい曲率半径の半円弧状の凹型成形面を有する一対のプレス型によって上記U字形状に曲げられた金属板材の平行部を内側へ丸めるO曲げ工程とを有して構成される。鍛造仕上げ工程は、内外径寸法および軸方向長さを冷間鍛造によって寸法出しする工程で、1回の冷間鍛造でそれ等の総ての寸法出しを行うことも可能であるが、外径仕上げ工程、内径仕上げ工程などに分けて冷間鍛造を行うようにしても良い。
【0016】
前記金属板材の幅寸法W1 は円筒部品の肉厚中心における展開寸法の96%≦W1 <100%の範囲内とされるが、丸め加工時に端面精度を損なうことなく冷間鍛造で容易に周方向の隙間を埋める上で更に好ましい範囲は98%≦W1 <100%である。
【0017】
なお、本発明は肉厚が2.6mm程度以上、更には3.0mm程度以上の厚肉の円筒部品の製造に好適に適用されるが、2.6mm程度以下の薄肉の円筒部品の製造にも適用できる。
【0018】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に従って円筒部品10を製造する際の工程を示す図である。この場合の円筒部品10は、自動車のサスペンション装置であるアッパアームやロワアームを車体に取り付ける部分に配設される防振ゴムブッシュの外筒で、3mm程度以上の肉厚を有している。(a)のブランキング工程は請求項1の板材準備工程に相当し、長方形の金属板材12をプレスによるせん断加工(シャー切断)で帯板から打ち抜いて取り出す。金属板材12の板厚t1 は完成品である円筒部品10の肉厚と同じで、幅寸法W1 は円筒部品10の肉厚中心における展開寸法の96%≦W1 <100%の範囲内、更に好ましくは98%≦W1 <100%の範囲内で、長さ寸法L1 は、体積が円筒部品10と同じになるように幅寸法W1 に応じて円筒部品10の長さ寸法L2 よりも長くされている。例えば、円筒部品10の外径が36.2mm、内径が29mm、長さ寸法が44mmの場合、体積は(18.12 −14.52 )×π×44≒16210mm3 で、肉厚中心の展開寸法は(29+3.6)×π≒102.4mmであり、幅寸法W1 を展開寸法の98%とするとW1 =102.4×0.98≒100.4mmとなり、長さ寸法L1 =16210÷100.4÷3.6≒44.85mmとなる。
【0019】
(b)のU曲げ工程は、図2に示すように円筒部品10の外周面と同じ曲率半径(外径の1/2)の半円弧状の凹型成形面を有するダイス14と、円筒部品10の内周面と同じ曲率半径(内径の1/2)の凸型成形面を有するパンチ16とによって、金属板材12をU字形状に曲げる工程である。また、(c)のO曲げ工程は、図3に示すように円筒部品10の外周面と同じ曲率半径の半円弧状の凹型成形面を有する一対のプレス型18,20によって上記U字形状に曲げられた金属板材12の平行部を内側へ丸める工程で、これにより円筒状のプレス品22が得られる。この際、O曲げ工程におけるストローク調整およびプレス品のスプリングバックにより、円筒状のプレス品22の外径は円筒部品10の外径より若干大きくなる。例えば、外径が36.2mmで肉厚が3.6mmの円筒部品10を製造する場合に、肉厚と同じ板厚で幅寸法W1 が展開寸法の99%程度の金属板材12を用いた場合、プレス品22の外径は円筒部品10の外径すなわち36.2mmよりも0.2〜0.3mm程度、すなわち0.5%〜0.8%程度大きくなる。この(b)のU曲げ工程および(c)のO曲げ工程は、請求項1における丸めプレス工程に相当する。なお、前記図13のように端曲げ工程、U曲げ工程、およびO曲げ工程によってプレス品22を製造するようにしても良い。
【0020】
ここで、金属板材12の幅寸法W1 は、円筒部品10の肉厚中心における展開寸法の96%≦W1 <100%の範囲内とされているため、上記プレス品22の突合せ部24には図6の(a)〜(c)に示すような隙間が残る。このため、高い真円度や寸法精度を得るために幅寸法W1 が肉厚中心における展開寸法より大きくされる従来の場合のように、余肉が軸方向へはみ出して端面に凹凸が生じることは殆どなく、ブランキング工程でせん断した際の金属板材12の端面精度が略そのまま維持される。なお、図6では突合せ部24の端縁までプレス品22が円弧状を成しているが、大きな隙間を有する(a)や(b)の場合には、厳密には端縁近傍部分は直線状である。
【0021】
図1に戻って、(d)の外径仕上げ・面付け工程および(e)の内径仕上げ工程は、請求項1および2における鍛造仕上げ工程に相当するもので、(c)のO曲げ工程で得られたプレス品22にボンデ処理(潤滑処理)を施した後に実施され、そのプレス品22を軸方向から圧縮して冷間鍛造を行う。(d)の外径仕上げ・面付け工程は、円筒部品10の外径と同じ内径寸法の成形内周面を有する外径仕上げ型26内にパンチ28によりプレス品22を押し込んで外径仕上げを行うとともに、パンチ28と下型30との間でプレス品22を軸方向から挟圧して軸方向の両端縁32,34の内周側角部にRの面付けを施す。外径仕上げ型26の上端開口部にはテーパ面36が設けられてプレス品22を成形内周面の内側へ案内するようになっているとともに、パンチ28および下型30には、Rの面付けに対応する成形面が設けられている。下型30は、図4から明らかなようにカラー38上に載置されて、その上端で外径仕上げ型26の段部と共にプレス品22を支持しているとともに、ノックアウト40がカラー38内を上昇させられて突き上げられることにより、鍛造後のプレス品22を外径仕上げ型26内から上方へ押し出す。パンチ28はパンチホルダ42によって図示しないスライドプレートに固設され、一体的に上下動させられるようになっている。
【0022】
(e)の内径仕上げ工程は、円筒部品10の外径と同じ内径寸法の成形内周面を有する外径仕上げ型44と、円筒部品10の内径と同じ外径寸法の成形外周面を有する内径仕上げ型46との間の環状空間内にプレス品22を押し込み、内径仕上げを行うとともに軸方向長さの寸法出しを行う工程であり、これにより前記突合せ部24は図7のように略埋められ、目的とする円筒部品10が得られる。外径仕上げ型44と内径仕上げ型46との間の環状空間の下端部には円筒状のノックアウト48が配設され、プレス品22の下端位置を規定しているとともに、そのプレス品22は円筒状のパンチ50によって環状空間内に押し込まれるようになっており、外径仕上げ型44の上端開口部にはテーパ面52が設けられてプレス品22を環状空間内へ案内するようになっている。ノックアウト48は、図5から明らかなようにプレート54上に載置されて、その上端で内径仕上げ型46のR状段部と共にプレス品22を支持しているとともに、複数のノックアウトピン56を介して上方へ突き上げられることにより、鍛造後のプレス品22すなわち円筒部品10を外径仕上げ型44と内径仕上げ型46との間の環状空間から上方へ押し出す。パンチ50はパンチホルダ58によって図示しないスライドプレートに固設され、一体的に上下動させられるようになっている。
【0023】
このような本実施例の製造方法によれば、材料の歩留りが100%で金属板材12自体も帯板から打ち抜いたもので安価なことから材料コストが大幅に低減されるとともに、プレスで丸められたプレス品22に冷間鍛造を施して内外径および軸方向長さの寸法出しを行っているため、引抜き管を用いた場合と同程度の内外径の寸法精度、真円度、端面精度が得られる。本発明者等のテストでは、SAPH440MPa、SPFH540MPaの高張力鋼板の場合には真円度を0.2以下に出来、SPH270MPaの軟鋼板の場合には真円度を0.03以下にすることができた。また、(e)の外径仕上げ・面付け工程で端縁32,34にRの面付けが施されるため、切削加工で面付けする場合に比較して製造時間が短縮されるとともに材料の歩留りが向上する。
【0024】
一方、プレスによる丸め加工では、突合せ部24に隙間が残るようになっているため、プレス品22の端面精度が高くて冷間鍛造の際に偏荷重を生じることがなく、鍛造荷重が均等に作用させられて鍛造仕上げが良好に行われる。特に、本実施例では金属板材12の板厚t1 が円筒部品10の肉厚と同じで、幅寸法W1 は展開寸法の96%≦W1 <100%の範囲内、更に好ましくは98%≦W1 <100%の範囲内とされるため、プレスによる丸め加工で端面精度を損なうことなく冷間鍛造で容易に周方向の隙間を埋めることができる。また、丸めプレス工程で円筒状に丸められたプレス品22を冷間鍛造するため、従来の図14のように冷間鍛造のみで円筒部品を製造する場合に比較して鍛造荷重が小さくて済み、小型の鍛造機械や板金加工用プレス機械を使用できるとともに、上記のように偏荷重が生じないことと相まって金型寿命が長くなり、製造設備に要するコストが低減される。
【0025】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において上記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0026】
図8は、(a)のブランキング工程の次に(b)の面付けプレス工程を行う場合で、図9に示すようにダイス60の成形面にパンチ62によって金属板材12を押圧することにより、金属板材12の長さ方向の両端縁64,66にRの面付けを施す。パンチ62の中央部分には、円柱形状のブロック68が埋め込まれており、金属板材12の上面すなわち円筒部品10の状態で外周側となる面の中央部に凹み70を形成するようになっている。(c)のU曲げ工程および(d)のO曲げ工程は、前記図1における(b)のU曲げ工程および(c)のO曲げ工程と同じであるが、本実施例ではRの面付けが施された側が内側となるようにしてプレスする。(e)の内外径仕上げ工程は、端縁64,66の面付けが既に施されていることから、内径仕上げ,外径仕上げ,および軸方向の寸法出しを同時に行うようにしたもので、前記図5の鍛造機械を用いて図1の(e)内径仕上げ工程と同様にして行えば良い。
【0027】
本実施例でも、プレスによって面付けが施されるため、切削加工で面付けする場合に比較して製造時間が短縮されるとともに材料の歩留りが向上するなど、前記実施例と同様の効果が得られる。また、突合せ部24の反対側の外周面に凹み70が形成されているため、その凹み70を検出することによって突合せ部24の位置を容易に確認できる。すなわち、この円筒部品10は図10に示すようにアッパアームやロワアームなどのサスペンションアーム72に溶接固定されるが、強度的に弱い突合せ部24側で溶接する必要があるため、組付け後に突合せ部24を確認することは難しく、凹み70の存在によって突合せ部24の位置を容易に確認できるようになるのである。なお、凹み70を設ける位置は適宜設定できる。
【0028】
図11の実施例は鍛造仕上げ工程の別の態様で、(a)は内外径仕上げ・下部仮面付け工程であり、前記図5の鍛造機械を用いて行うことができる。(b)は上下部面付け工程で、外径仕上げ型74によりプレス品22の外径を拘束しながら、一対のパンチ76,78によって端縁32,34にRの面付けを施す。一対のパンチ76,78にはRの面付けを施すための成形面の他、プレス品22の内径を拘束する内径拘束部80,82が一体に設けられている。
【0029】
図12は鍛造仕上げ工程の更に別の態様で、1回の冷間鍛造で内外径仕上げおよび上下部面付けを同時に行う場合であり、上記図11(b)における内径拘束部80,82を延長した内径仕上げ部84,86を有するパンチ88,90を備えた鍛造機械を用いて行うことができる。内径仕上げ部84,86は、互いに突き当たることのないようにその長さ寸法が設定される。
【0030】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は更に別の態様で実施することもできる。
【0031】
例えば、前記実施例では端縁32,34の内周側角部にRの面付けが施される円筒部品10について説明したが、端縁32,34の外周側角部に面付けを施したりテーパ状の面付けを施したりすることもできる。そのような面付けの無い円筒部品の製造にも本発明は同様に適用され得る。
【0032】
また、前記実施例では金属板材12の幅方向の両端縁が一直線で単に突き合わされるだけであるが、櫛歯状の凹凸を設けて噛み合わせるようにしたり、必要に応じて突合せ部24に溶接などの一体化処理を施したりすることも可能である。
【0033】
また、前記実施例におけるプレス機械や鍛造機械の型構造はあくまでも一例であり、必要に応じて適宜変更することが可能である。
【0034】
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明する工程図である。
【図2】図1の(b)U曲げを行うプレス機械の概略構成図である。
【図3】図1の(c)O曲げを行うプレス機械の概略構成図である。
【図4】図1の(d)外径仕上げ・面付けを行う鍛造機械の概略構成図である。
【図5】図1の(e)内径仕上げを行う鍛造機械の概略構成図である。
【図6】図1の(c)O曲げによって得られる円筒状のプレス品の突合せ部の状態を示す図である。
【図7】図1の(f)完成品における突合せ部の状態を示す図である。
【図8】本発明の他の実施例を説明する工程図である。
【図9】図8の(b)面付けを行うプレス機械の概略構成図である。
【図10】図8の(f)完成品がクッションアームに溶接固定された状態を示す概略図である。
【図11】本発明の鍛造仕上げ工程の別の例を説明する図で、その鍛造仕上げ工程を実施する鍛造機械の概略構成図である。
【図12】本発明の鍛造仕上げ工程の更に別の例を説明する図で、その鍛造仕上げ工程を実施する鍛造機械の概略構成図である。
【図13】プレスによる丸め加工で円筒部品を製造する従来の製造方法の一例を説明する工程図である。
【図14】冷間鍛造で円筒部品を製造する従来の製造方法の一例を説明する工程図である。
【符号の説明】
10:円筒部品
12:金属板材
22:プレス品

Claims (4)

  1. 四角形の金属板材を丸めて円筒部品を製造する方法であって、
    板厚が前記円筒部品の肉厚と同じで、幅寸法W1 が該円筒部品の肉厚中心における展開寸法の96%≦W1 <100%の範囲内で、体積が該円筒部品と略同じとなるように該幅寸法W1 に応じて長さ寸法が定められた四角形の金属板材を用意する板材準備工程と、
    前記金属板材を、外径が前記円筒部品の外径と略同じで且つ周方向において隙間が残るようにプレス型により外周側を拘束して円筒状に丸める丸めプレス工程と、
    前記円筒部品の内径と同じ外径寸法の成形外周面を有する内径仕上げ型、および前記円筒部品の外径と同じ内径寸法の成形内周面を有する外径仕上げ型を用いて、該内径仕上げ型の成形外周面と該外径仕上げ型の成形内周面との間の環状空間内に、前記丸めプレス工程で得られた円筒状のプレス品をパンチにより押し込んで内外径を拘束しつつ、該プレス品を軸方向から圧縮して冷間鍛造することにより、内径仕上げ、外径仕上げ、および軸方向の寸法出しを行って前記周方向の隙間を埋める鍛造仕上げ工程と
    を有することを特徴とする円筒部品の製造方法。
  2. 前記鍛造仕上げ工程は、
    前記外径仕上げ型内に前記円筒状のプレス品をパンチにより押し込んで外径仕上げを行うとともに、軸方向から挟圧して軸方向の両端縁に面付けを施す外径仕上げ・面付け工程と、
    前記内径仕上げ型の成形外周面と前記外径仕上げ型の成形内周面との間の環状空間内に、前記外径仕上げ・面付け工程を経た前記円筒状のプレス品をパンチにより押し込み、内径仕上げを行うとともに軸方向の寸法出しを行って前記周方向の隙間を埋める内径仕上げ工程と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の円筒部品の製造方法。
  3. 前記円筒部品の端縁には面付けが設けられており、前記鍛造仕上げ工程で該面付けが施される請求項1に記載の円筒部品の製造方法。
  4. 前記円筒部品の端縁には面付けが設けられており、前記丸めプレス工程の前に、前記金属板材の端縁にプレス加工によって面付けを施す面付けプレス工程を有する請求項1に記載の円筒部品の製造方法。
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