JP2514401B2 - 閉塞鍛造方法およびその装置 - Google Patents

閉塞鍛造方法およびその装置

Info

Publication number
JP2514401B2
JP2514401B2 JP6505588A JP6505588A JP2514401B2 JP 2514401 B2 JP2514401 B2 JP 2514401B2 JP 6505588 A JP6505588 A JP 6505588A JP 6505588 A JP6505588 A JP 6505588A JP 2514401 B2 JP2514401 B2 JP 2514401B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
punch
die
upper die
lower die
split
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6505588A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01237038A (ja
Inventor
智範 中村
龍司 曽我
淳哉 佐伯
久之 桜井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP6505588A priority Critical patent/JP2514401B2/ja
Publication of JPH01237038A publication Critical patent/JPH01237038A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2514401B2 publication Critical patent/JP2514401B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は閉塞鍛造方法およびその装置に関し、一層詳
細には、閉塞鍛造により棒状の素材から両端部に特定の
形状を有する長尺な機械部品に成形するに際し、成形バ
ランスを好適に確保すると共に、座屈、バリ等の発生を
防止し、加工精度の高い荒打ち成形品を鍛造する閉塞鍛
造方法およびその装置に関する。
[発明の背景] 例えば、内燃機関において、ピストンとクランクシャ
フトとを連結するコンロッドのように、強度が要求され
る重要な部品を製造する場合、鍛造加工が行われてい
る。従来、こうした鍛造加工の場合、丸棒素材をロール
加工等で荒加工した後、当該荒加工品を鍛造型でプレス
して所望の形状に成形している。
然しながら、鍛造型による成形の際に素材の一部がバ
リとして当該鍛造型の合わせ目に差し込む。このバリを
打ち抜くために次段の工程でトリミング工程を必要とす
ることから、工数が増えるばかりか、トリミング工程を
経た加工品には打ち残りの痕が生じ、高い加工精度を保
つことが出来ない。
そこで、近年、閉塞鍛造による加工が種々提案されて
いる。この閉塞鍛造に係る技術的思想は、例えば、特開
昭第56-128636号公報、特開昭第56-128637号公報、特開
昭第59-133928号公報、特開昭第60-49824号公報、特開
昭第60-102243号公報、特開昭第60-102246号公報、特開
昭第60-247432号公報、特開昭第62-137135号公報、実開
昭第60-28937号公報、実開昭第60-42426号公報、実開昭
第60-115650号公報等に開示されるに至っている。
この種の閉塞鍛造技術では分割型の間に素材を挟み、
前記分割型内に閉塞された素材に対しポンチを外部から
押入することにより当該素材に塑性流動を起こさせ、当
該素材を所望の形状に鍛造成形するものである。このよ
うな閉塞鍛造によれば、成形時のバリの発生を抑制出
来、また、加工の工数を削減させることが可能となる等
の利点がある(特開昭第56-128636号公報、特開昭第56-
128637号公報、特開昭第59-133928号公報、特開昭第60-
49824号公報参照)。
ところで、エンジンを構成するクランクシャフトに係
合するコンロッドは長尺且つ断面I字形またはH字形の
連桿部、さらに、前記連桿部の両端において夫々膨出形
成された大端部、小端部といった各部の形状を特徴的に
備えるものである。
こうしたコンロッドを前記閉塞鍛造により製造する場
合、例えば、丸棒形状の素材を一対の分割型内に密閉し
た後、外部からポンチを当該分割型内に進入させて当該
素材に所定の塑性変形を加える。すなわち、コンロッド
の連桿部の成形は素材の側面をポンチで押圧して行い、
コンロッドの大端部並びに小端部を膨出させるためには
素材に対しその軸方向からポンチで押圧する。
このような場合、素材が分割型によって完全に拘束さ
れていないと、軸方向からのポンチの据込の際に当該素
材に座屈が発生すると共に、分割型の間隙に素材の肉が
バリとして差し込むという不都合が惹起する。また、コ
ンロッドは大端部、連桿部、小端部の各部分毎にその体
積配分が異なるため、成形時に肉流動のバランスをとる
のが難しく、屡、欠肉、クラック等の成形欠陥が発生し
易いという問題点がある。
一方、成形のバランスを考えた場合、鍛造工程に適用
される装置の機構にこのことが反映する。実際、従来か
ら素材に対し分割型、ポンチ等を夫々異なる2方向から
付勢することが可能な複動機構を具備した閉塞鍛造装置
が種々提案されるに至っている(特開昭第59-133928号
公報、特開昭第60-28937号公報、特開昭第60-42426号公
報、特開昭第60-49824号公報参照)。こうした成形の複
合化を実現させる場合、素材の軸方向から進入させる一
対のポンチの作動タイミング、また、このポンチと異な
る方向から素材を押圧する分割型、あるいはポンチとの
連繋動作を成形バランスとの兼ね合いで好適に実行させ
なければならず、機構が複雑化する。従って、鍛造装置
が大型化且つ高額となり、その分、製造コストが上昇す
るという不都合が避けられない。
[発明の目的] 本発明は前記の不都合を克服するためになされたもの
であって、例えば、コンロッドのような長尺且つ両端部
に膨出する形状を有する機械部品の荒打ち成形品を閉塞
鍛造により加工するにあたり、上型の変位に伴う分割ダ
イの押圧作用下に素材に絞り成形を施し、然る後、当該
分割ダイで素材を完全に拘束した状態のまま上ポンチ、
下ポンチを夫々独立させて押し込み当該素材の両端部を
夫々所望の形状に膨出成形することで座屈、バリ等の発
生を回避すると共に素材に対して無理な変形を加えずバ
ランスより塑性変形を進行させ、しかも、前記上ポン
チ、下ポンチの動作を複動機構ではなく実質的な単動機
構からなる比較的簡単な機構で達成することを可能とし
た閉塞鍛造方法およびその装置を提供することを目的と
する。
[目的を達成するための手段] 前記の目的を達成するために、本発明は棒状の素材を
複数の分割ダイで閉塞した状態下に外部からポンチを進
入させ素材を所望の形状に成形する閉塞鍛造方法であっ
て、素材を分割ダイの間に設置する第1の工程と、前記
素材の軸線に直交する方向から前記分割ダイを互いに近
接変位させながら当該素材を押圧し当該素材に対しその
軸方向に延伸せしめる絞り成形を加える第2の工程と、
前記分割ダイによる絞り成形が終了した後当該分割ダイ
の型締状態下に素材の延伸した部分を拘束し前記素材に
対し夫々一対のポンチをその両端部側から進入させて当
該素材の両端部を所望の形状に膨出成形する第3の工程
とからなることを特徴とする。
また、本発明は棒状の素材を複数の分割ダイで閉塞し
た状態の下に外部から一組のポンチを進入させ、素材を
所望の形状に成形する閉塞鍛造方法であって、前記分割
ダイの間において一組のポンチの中、下方に変位自在に
フローティング支持された一方のポンチを介して素材を
所定の成形位置に保持する第1の工程と、前記素材の軸
線に直交する方向から前記分割ダイを互いに近接変位さ
せながら当該素材を絞って軸方向に延伸させ且つ前記一
方のポンチを当該素材の伸びと共に下降させる第2の工
程と、前記分割ダイによる絞り成形が終了した後前記素
材に対し当該分割ダイの型締状態下に前記一対のポンチ
の夫々を前記素材の両端部側から進入させて当該素材の
両端部を所望の形状に膨出させる成形を加える第3の工
程とからなることを特徴とする。
また、本発明は第1工程により、コンロッド荒打ち成
形品としての連桿部を成形し、次いで、第2工程でコン
ロッド荒打ち成形品としての小端部をフローティング支
持された一方のポンチで膨出成形すると共に他方のポン
チで大端部を膨出成形することを特徴とする。
また、本発明は上型が、上型本体と、前記上型本体に
対して相対変位する油圧クッション機構を介して配設さ
れる上型ダイと、前記上型本体と一体的に変位する上型
ポンチとからなり、下型が、当該下型に設けられたクッ
ション手段により上方に弾発付勢され、前記上型の下降
変位に伴う前記上型ダイの押圧作用下に下降するダイケ
ースと、前記ダイケースに内装され前記ダイケースの下
降と共に互いに夫々の対向面が縮径する方向に変位する
複数の分割ダイと、前記分割ダイの間にその先端が臨入
するように下方に変位自在にフローティング支持される
下型ポンチとからなる鍛造装置において、下型本体に揺
動自在に枢着された揺動アームと、上型本体の下降によ
って、前記上型本体に当接すると共に前記揺動アームの
一端側に係合するロッドと、前記揺動アームの他端側に
配設され内装される弾性部材を介して前記下型ポンチを
フローティング支持するポンチ支持部材とからなるポン
チ付勢手段を設け、前記ロッドが上型本体に当接するこ
とにより揺動アームを回動させ、下型ポンチをポンチ支
持部材を介して上方に変位させるよう構成したことを特
徴とする。
さらに、本発明は揺動アームが断面略円形状を呈し、
当該アームの円弧状の外周面を滑動面として下型本体に
当接しながら揺動するように構成したことを特徴とす
る。
[実施態様] 次に、本発明に係る閉塞鍛造方法について、それを実
施するための装置との関連において好適な実施態様を挙
げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
第1図において、参照符号10は本発明に係る閉塞鍛造
装置を示す。この閉塞鍛造装置10は昇降自在な上型12
と、固定された下型14とから基本的に構成される。
前記上型12は上型本体16と、この上型本体16に一体的
に配設される油圧駆動の上型クッション機構18とを含
み、前記上型本体16の内部に上型クッション機構18が配
設されるものである。
先ず、この上型クッション機構18はシリンダ20と、こ
のシリンダ20に摺動自在に嵌合するピストン22とからな
り、前記シリンダ20とピストン22の間に円環状のシリン
ダ室24が画成される。このシリンダ室24内の作動油はク
ッションが機能する時に図示しないベントラインから制
御バルブ等を介して導出され、この結果、ピストン22が
退動するよう構成される。また、前記ピストン22の先端
部には後述するダイケースを押圧するための上型ダイ26
が固着され、この上型ダイ26の中央部には孔28が穿設さ
れる。
また、前記上型ダイ26には後述する押圧ブロック30が
変位自在に係着する。当該押圧ブロック30はコイルスプ
リング32の弾発力によりばね受34を介して常時下方に付
勢され、後述する分割ダイに常時当接しこれを下方に押
圧する。
一方、前記上型本体16と一体的に連結され且つ前記ピ
ストン22が外嵌するバックプレート36の先端部には上型
ポンチ38が前記上型ダイ26に形成した孔28に挿通するよ
うに装着される。また、前記上型本体16の下方端縁の所
定部位には略円柱形状の押圧部材40が取着される。この
押圧部材40は後述する下型ポンチ駆動機構を付勢する機
能を営むものである。
次いで、下型14は下型本体50と、この下型本体50に載
置される下型ダイ52と、前記上型本体16の下降変位に伴
って前記押圧部材40により付勢され後述する下型ポンチ
を上方に変位させる下型ポンチ駆動機構54とから基本的
に構成される。
先ず、下型本体50の下方一端側に支持軸56を介して揺
動自在な揺動アーム58が枢着される。この揺動アーム58
の一端側はロッド60の先端とピン62を介して連結され
る。この場合、当該ロッド60はその基端部に係合するコ
イルスプリング64により上方に弾発付勢される。また、
当該ピン62に近接した前記揺動アーム58の一端部は断面
半円状且つその円周面に沿って滑動自在な第1の滑動体
66を介して鉛直方向に延在する押圧シャフト68と係着さ
れる。この押圧シャフト68の先端は当該上型本体16の下
降と共に上型本体16に設けた押圧部材40と当接する。
一方、前記揺動アーム58の他端側には第1滑動体66と
同様に断面半円状の第2の滑動体70が装着され、この第
2滑動体70の平坦面にポンチ支持部材72が装着される。
この場合、前記ポンチ支持部材72の内部にはコイルスプ
リング73が内装され、このコイルスプリング73に係合す
る押圧ピン74を介して下型ポンチ76が支持される。前記
下型ポンチ76は下型ダイ52の内部にその先端が臨むよう
に設置されるものである。
ここで、前記下型ダイ52は4つの分割ダイ78a乃至78d
と前記分割ダイ78a乃至78dが内装されると共に、これら
を互いに近接させる方向に変位させるダイケース80とか
らなり、この場合、前記ダイケース80は下型本体50内に
複数配設されるクッション手段82により常に上方に弾発
付勢される。すなわち、このクッション手段82は押圧ピ
ン84とこの押圧ピン84が係合するコイルスプリング86と
からなり、前記コイルスプリング86の弾発作用下に前記
押圧ピン84は前記ダイケース80の底面に当接しこれを上
方に押圧する。
これに対して、第2図に分割ダイ78a乃至78dの詳細を
示す。すなわち、前記分割ダイ78a乃至78dの互いに対向
する面により加工品の形状に対応した成形部88が画成さ
れ、前記成形部88を画成する夫々の分割ダイ78a乃至78d
の対向面はコンロッドの荒打ち成形品に対応する形状に
形成される。この場合、前記分割ダイ78a乃至78dの中、
分割ダイ78a、78cの湾曲する面には突部87が形成され、
分割ダイ78b、78dには比較的長尺な突条89が夫々形成さ
れる。これに対し、前記分割ダイ78a乃至78dの後背面に
は下方に向かって拡径する傾斜面90a乃至90dが夫々形成
される。一方、この傾斜面90a乃至90dに沿って摺動する
ダイケース80の内側4面には同様に下方に向かって拡径
する傾斜面92a乃至92dが夫々分割ダイ78a乃至78dに対応
して形成される。そして、夫々の分割ダイ78a乃至78dに
はその傾斜面90a乃至90dに沿ってその側方両側に突出す
るガイド部94a乃至94dが形成され、これに対応するよう
に、これらガイド部94a乃至94dが摺動自在に嵌合する案
内溝96a乃至96dが夫々ダイケース80の傾斜面92a乃至92d
の両側に画成される。
なお、参照符号98はノックアウトピンを示す。このノ
ックアウトピン98は図示しない駆動手段を介して鉛直方
向に変位自在に構成され、ピン100をポンチ支持部材72
側に突出させる機能を営むものである。
本実施態様に係る閉塞鍛造装置は基本的には以上のよ
うに構成されるものであり、次に、この閉塞鍛造装置を
用いたコンロッドの荒打ち鍛造を一例としてその閉塞鍛
造方法について説明する。
第3図において、参照符号102は素材としての丸棒形
状のビレットを示し、また、参照符号104は前記ビレッ
ト102に以下詳説する閉塞鍛造方法により荒打ち鍛造を
施すことで成形されるコンロッドの荒打ち成形品を示
す。この荒打ち成形品104は次段の工程で仕上げ加工が
なされて完成品としてのコンロッドに加工されるもので
ある。この場合、前記荒打ち成形品104には長尺且つ断
面I字状の連桿部106と、この連桿部106の一端側におい
て比較的小さく膨出する小端部108と、半円状の凹部が
形成されると共に、軸方向に対して変位して膨出する大
端部110とが形成されるものである。
そこで、第1図に示すように、高温に加熱されたビレ
ット102を下型ポンチ76の先端にその一端が当接するよ
うに当該分割ダイ78a乃至78dの間の成形部88内に位置決
めする。この時、前記下型ポンチ76の下端は下型ポンチ
駆動機構54を構成するポンチ支持部材72の先端と押圧ピ
ン74を介して所定距離だけ離間した、所謂、フローティ
ング状態にあり、従って、当該下型ポンチ76は上方に対
しては勿論、下方に変位自在である。
次に、上型12を下方に変位させ、上型クッション機構
18を構成するピストン22の先端に配設される上型ダイ26
を介し、分割ダイ78a乃至78dを囲繞するダイケース80の
上面を下型14に設けたクッション手段82を構成するコイ
ルスプリング86の弾発力に抗して下方に変位させるべく
押圧する。
前記ダイケース80は上型12の下方変位に伴う上型ダイ
26の押圧作用を受けて分割ダイ78a乃至78dの後背部に形
成した傾斜面90a乃至90dに沿って摺動変位する。この
時、ダイケース80の外側面は下型本体50に当接して鉛直
下方向への変位のみ許容されているため、当該ダイケー
ス80が下方に変位するにつれ分割ダイ78a乃至78dは水平
方向に互いに近接変位する作用を受けることになる。従
って、分割ダイ78a乃至78dは互いに近接する方向に向か
って変位し、その間の成形部88において分割ダイ78a乃
至78dに挟まれたビレット102に対しその軸方向とは直交
する方向からの押圧が開始される(第6図a参照)。
そして、ダイケース80をさらに下降させれば、ビレッ
ト102はその軸線に沿って上下方向に延伸させられるに
至る。すなわち、第4図および第6図bに示すように、
ビレット102は分割ダイ78a乃至78dの対向面、特に、分
割ダイ78a、78cの湾曲面、および、第6図中、網目で示
す分割ダイ78b、78dに形成した突条89(第2図参照)に
押圧される。この結果、当該ビレット102の中央部が絞
られその軸方向に延伸する方向に肉流動が生ずる。当該
ビレット102の上端部は自由端であるため、上方に向か
う肉の流動は妨げられず、一方、下型ポンチ76に当接す
るその下端部は下方に向かう肉の流動につれて当該下型
ポンチ76をポンチ支持部材72に内装されたコイルスプリ
ング73の弾発力に付勢される押圧ピン74に抗して下方に
押し下げることになる。そして、ダイケース80の底面が
下型本体50に当接した時、分割ダイ78a乃至78dの型締め
が完了すると共に、ピレット102に対する分割ダイ78a乃
至78dによる絞り加工が終了する(第6図b参照)。
この後、さらに上型12を下降させると、第5図に示す
ように、当該ピストン22はシリンダ室24内の作動油が図
示しないベントラインを介して排出されることにより、
そのストロークが短くなってクッションとしての機能を
遂行する。従って、ピストン22に対して相対的に上型本
体16が下降変位する結果、上型本体16の下面の一端側に
配設される押圧部材40がやがて下型14に配設された押圧
シャフト68の先端部に当接するに至る。当該押圧シャフ
ト68と第1滑動体66を介して連結される揺動アーム58は
コイルスプリング64の弾発力に抗して支持軸56を始点と
して矢印A方向に回動せしめられる。従って、揺動アー
ム58の他端側において第2滑動体70を介して連結される
ポンチ支持部材72が上方に変位し、このポンチ支持部材
72は下型ポンチ76を上方に変位させるべく付勢する。こ
の結果、第6図bに示すように、下型ポンチ76がビレッ
ト102の下端部に対する据込加工を遂行し、ビレット102
の下端部は膨出する。
さらに、これと時期を同じくして上型本体16と一体的
にバックプレート36に装着された上型ポンチ38は当該分
割ダイ78a乃至78dの間の成形部88内に進入し、ビレット
102の上端部に対する据込加工を実行する。この時、上
型ポンチ38は下型ポンチ76による据込加工との共働でビ
レット102の上端部が潰され、このビレット102の上端部
は大きく塑性変形し、その際、分割ダイ78a、78cに形成
した突部87によりビレット102の側部にアンダカット部
が形成される。最終的に分割ダイ78a乃至78d間の成形部
88には当該ビレット102の肉が充満し、第3図に示すコ
ンロッドの荒打ち成形品104の形状に加工されることに
なる(第6図c参照)。
本実施態様に係る閉塞鍛造方法によれば、上型12の下
降により分割ダイ78a乃至78dを互いに近接変位させ、荒
打ち成形品104の連桿部106を形成すべくビレット102を
絞ってその軸方向に延伸させるために加える加工が当該
分割ダイ78a乃至78dの型締め完了と共に終了し、その
後、当該ビレット102は分割ダイ78a乃至78dにより完全
に拘束された状態下に上型ポンチ38の進入による押込加
工と下型ポンチ76の進入による据込加工が開始され、荒
打ち成形品104の大端部110と小端部108が形成されるた
め、当該ビレット102において座屈等の不都合が発生す
ることなく好適にその成形過程が進行する。また、前記
分割ダイ78a乃至78dの縮径作用によりビレット102が軸
方向に延伸させられた時に、ビレット102の下端部はポ
ンチ支持部材72にフローティング支持されている状態に
あるため、ビレット102の下方へと肉の流動が妨げられ
ることなく、従って、前記分割ダイ78a乃至78dの間隙に
肉の一部がバリとして差し込むという不都合を回避する
ことが出来る。そして、全体としてバランスのとれた肉
流動が促進される。特に、コンロッドのように、その両
端部に共に膨出する形状を有し、しかも、両端部の体積
配分が異なる場合、ビレット102の下端部をフローティ
ング支持する効果が顕著であり、その加工精度の向上を
期待することが出来る。
こうしてビレット102の成形を終了した後、上型12を
上昇させて型開きを行う。この時、ピストン22の先端に
上型ダイ26を介して係着する押圧ブロック30はコイルス
プリング32の弾発作用下に分割ダイ78a乃至78dを下方に
付勢しているため、当該押圧ブロック30は上型本体16の
上昇開始の際には分割ダイ78a乃至78dの上面に当接して
これを下方に押圧することになる。その際、当該分割ダ
イ78a乃至78dを囲繞するダイケース80は下型14に設けた
クッション手段82のコイルスプリング86の弾発作用下に
押圧ピン84により上方に付勢されているため、鍛造中に
分割ダイ78a乃至78dとダイケース80との間に生じた密着
を解除させるべく分割ダイ78a乃至78dとダイケース80と
を夫々離間させる方向に力が働く。このため、上型本体
16の上昇によりコイルスプリング86の弾発力を介してダ
イケース80は上方に変位せしめられ、この時、ダイケー
ス80の内面に形成した案内溝96a乃至96dには当該分割ダ
イ78a乃至78dのガイド部94a乃至94dが係合するため、こ
れら分割ダイ78a乃至78dを互いに離間させる方向に変位
させることになる。
また、前記上型本体16の上昇変位と共に、押圧シャフ
ト68に当接していた上型本体16の押圧部材40が離れるた
め、コイルスプリング64の弾発作用下にロッド60は上方
に変位し、揺動アーム58が支持軸56を支点として矢印B
方向に揺動する。これにより揺動アーム58は第1図に示
した初期の状態に復帰する。その後、ノックアウトピン
98を上方に変位させれば、ピン100を介してポンチ支持
部材72および下型ポンチ76が上方に変位し、分割ダイ78
a乃至78d間の荒打ち成形品104を取り出すことが出来
る。この荒打ち成形品104は次段の工程で仕上げ加工が
施され、最終的な製品形状のコンロッドに加工される。
次に、第7図に当該閉塞鍛造装置10の他の実施態様を
示す。この場合、前記第1実施態様における同一の構成
要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略
する。
この場合、同図に示すように、この閉塞鍛造装置120
においては第1実施態様の下型ポンチ駆動機構54に設計
の変更を加えている。すなわち、第2実施態様に係る下
型ポンチ駆動機構122の場合、略半円状且つその円周面
において下型本体50と滑動するため揺動自在な滑動アー
ム124の平坦な上面の一端部と押圧シャフト68とが第1
滑動体66を介し当接し、当該滑動アーム124の上面他端
部は第2滑動体70を介してポンチ支持部材72と当接する
よう構成される。この場合、滑動アーム124はその円周
面に沿って上型本体16の変位に伴うその荷重を受けるた
め、前記第1実施態様における支持軸56が揺動アーム58
を支承する場合と異なり、その荷重負担を軽減させるこ
とが可能となる。従って、第1の実施態様と比較してそ
の設計上の精巧さがさほど必要とされず、比較的加工率
が高く、従って、装置に負荷が大きくかかる製品を製造
するのに好適となることが諒解されよう。
また、この閉塞鍛造装置120を適用して前述した一連
の鍛造工程を同様に実施することが出来ることは勿論で
ある。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、複数に分割された分
割ダイの間に素材を挟み、前記分割ダイを上型の変位と
共に互いに近接させる方向に変位させ、当該素材を絞っ
て延伸させる加工を行った後、当該素材を前記分割ダイ
の間に拘束した状態の下に上型の変位と共に上型ポンチ
と下型ポンチを夫々進入させ、当該素材の両端部に対す
る据込成形を行っている。従って、据込成形の際に発生
する座屈等の不都合を防止出来る。また、特に、下型ポ
ンチをフローティング状態で素材に当接させて素材を絞
った時の下方への延伸を吸収した後、下型ポンチを進入
させれば、素材の塑性変形の過程において無理な肉流動
が起こらず、その加工精度を向上させることが可能とな
る効果が得られる。
さらに、こうした一連の鍛造工程を実施する鍛造装置
において、前記分割ダイの変位と上型ポンチ、下型ポン
チの作動とを共に上型の下降に連動させてメカニカルな
機構を介して遂行しているため、上型に油圧シリンダ等
からなるクッション機構を設けるだけでよく、複動機構
の作用を実質的な単動機構により達成出来る。このた
め、鍛造装置自体の構成が比較的簡素化され、鍛造装置
を安価に製造することが可能となるという効果が得られ
る。従って、全体として鍛造工程の生産効率を上げ、そ
の製造コストを低減化する上で顕著な効果を奏するもの
である。
以上、本発明について好適な実施態様を挙げて説明し
たが、本発明はこの実施態様に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良
並びに設計の変更が可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る閉塞鍛造装置の構成を示す一部省
略断面説明図、 第2図は本発明に係る閉塞鍛造装置を構成する分割ダイ
およびダイケースの構成を示す一部省略切欠斜視図、 第3図は本発明に係る閉塞鍛造方法においてコンロッド
を製造する際に用いられるビレットと荒打ち成形品の形
状を示す斜視図、 第4図および第5図は当該閉塞鍛造装置の作用を説明す
る図、 第6図は本発明に係る閉塞鍛造方法の一連の工程を説明
する図、 第7図は本発明に係る閉塞鍛造装置の他の実施態様を説
明する一部省略断面説明図である。 10……閉塞鍛造装置、12……上型 14……下型、16……上型本体 18……上型クッション機構、20……シリンダ 22……ピストン、26……上型ダイ 30……押圧ブロック、38……上型ポンチ 50……下型本体、52……下型ダイ 56……支持軸、58……揺動アーム 66、70……滑動体、68……押圧シャフト 72……ポンチ押圧部材、76……下型ポンチ 78a〜78d……分割ブロック、80……ダイケース 102……ビレット 104……荒打ち成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桜井 久之 埼玉県狭山市新狭山1―10―1 ホンダ エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−152338(JP,A) 特開 平1−233034(JP,A) 特開 平1−233035(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】棒状の素材を複数の分割ダイで閉塞した状
    態下に外部からポンチを進入させ素材を所望の形状に成
    形する閉塞鍛造方法であって、素材を分割ダイの間に設
    置する第1の工程と、前記素材の軸線に直交する方向か
    ら前記分割ダイを互いに近接変位させながら当該素材を
    押圧し当該素材に対しその軸方向に延伸せしめる絞り成
    形を加える第2の工程と、前記分割ダイによる絞り成形
    が終了した後当該分割ダイの型締状態下に素材の延伸し
    た部分を拘束し前記素材に対し夫々一対のポンチをその
    両端部側から進入させて当該素材の両端部を所望の形状
    に膨出成形する第3の工程とからなることを特徴とする
    閉塞鍛造方法。
  2. 【請求項2】棒状の素材を複数の分割ダイで閉塞した状
    態の下に外部から一組のポンチを進入させ、素材を所望
    の形状に成形する閉塞鍛造方法であって、前記分割ダイ
    の間において一組のポンチの中、下方に変位自在にフロ
    ーティング支持された一方のポンチを介して素材を所定
    の成形位置に保持する第1の工程と、前記素材の軸線に
    直交する方向から前記分割ダイを互いに近接変位させな
    がら当該素材を絞って軸方向に延伸させ且つ前記一方の
    ポンチを当該素材の伸びと共に下降させる第2の工程
    と、前記分割ダイによる絞り成形が終了した後前記素材
    に対し当該分割ダイの型締状態下に前記一対のポンチの
    夫々を前記素材の両端部側から進入させて当該素材の両
    端部を所望の形状に膨出させる成形を加える第3の工程
    とからなることを特徴とする閉塞鍛造方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の方法において、第1工程に
    より、コンロッド荒打ち成形品としての連桿部を成形
    し、次いで、第2工程でコンロッド荒打ち成形品として
    の小端部をフローティング支持された一方のポンチで膨
    出成形すると共に他方のポンチで大端部を膨出成形する
    ことを特徴とする閉塞鍛造方法。
  4. 【請求項4】上型は、上型本体と、前記上型本体に対し
    て相対変位する油圧クッション機構を介して配設される
    上型ダイと、前記上型本体と一体的に変位する上型ポン
    チとからなり、下型は、当該下型に設けられたクッショ
    ン手段により上方に弾発付勢され、前記上型の下降変位
    に伴う前記上型ダイの押圧作用下に下降するダイケース
    と、前記ダイケースに内装され前記ダイケースの下降と
    共に互いに夫々の対向面が縮径する方向に変位する複数
    の分割ダイと、前記分割ダイの間にその先端が臨入する
    ように下方に変位自在にフローティング支持される下型
    ポンチとからなる鍛造装置において、下型本体に揺動自
    在に枢着された揺動アームと、上型本体の下降によっ
    て、前記上型本体に当接すると共に前記揺動アームの一
    端側に係合するロッドと、前記揺動アームの他端側に配
    設され内装される弾性部材を介して前記下型ポンチをフ
    ローティング支持するポンチ支持部材とからなるポンチ
    付勢手段を設け、前記ロッドが上型本体に当接すること
    により揺動アームを回動させ、下型ポンチをポンチ支持
    部材を介して上方に変位させるよう構成したことを特徴
    とする閉塞鍛造装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の装置において、揺動アーム
    は断面略円形状を呈し、当該アームの円弧状の外周面を
    滑動面として下型本体に当接しながら揺動するように構
    成したことを特徴とする閉塞鍛造装置。
JP6505588A 1988-03-18 1988-03-18 閉塞鍛造方法およびその装置 Expired - Lifetime JP2514401B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6505588A JP2514401B2 (ja) 1988-03-18 1988-03-18 閉塞鍛造方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6505588A JP2514401B2 (ja) 1988-03-18 1988-03-18 閉塞鍛造方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01237038A JPH01237038A (ja) 1989-09-21
JP2514401B2 true JP2514401B2 (ja) 1996-07-10

Family

ID=13275884

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6505588A Expired - Lifetime JP2514401B2 (ja) 1988-03-18 1988-03-18 閉塞鍛造方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2514401B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2731503B2 (ja) * 1993-06-08 1998-03-25 本田技研工業株式会社 閉塞鍛造方法
JP2731504B2 (ja) * 1993-06-08 1998-03-25 本田技研工業株式会社 閉塞鍛造装置
JP2000326046A (ja) * 1999-05-20 2000-11-28 Honda Motor Co Ltd 軸状部品の成形方法及び成形装置
JP2006305690A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Cleartec:Kk 鍛造ギヤ
CN103071748A (zh) * 2013-01-18 2013-05-01 洛阳秦汉冷锻有限公司 大型动触头精密锻造工艺及模具
CN104439010B (zh) * 2014-12-13 2017-01-25 遵义金惠机械制造有限责任公司 可分凹模刚性夹紧装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01237038A (ja) 1989-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2239069A1 (en) Method for manufacturing outward-flanged metallic member
JP3579936B2 (ja) 有底筒状製品の成形方法
JP3586896B2 (ja) フランジ付中空部品の製造方法
US5001920A (en) Method and apparatus for manufacturing a constant velocity joint and the like
KR20060028816A (ko) 단조 방법, 단조 제품 및 단조 장치
JP2514401B2 (ja) 閉塞鍛造方法およびその装置
EP0156567A1 (en) Poly-V pulley formed of sheet metal and method and apparatus for making the same
EP1675697B1 (en) Forging method, forged article and forging apparatus
JP4382627B2 (ja) 鍛造方法、鍛造品及び鍛造装置
JPS641219B2 (ja)
JP2545264B2 (ja) 閉塞鍛造方法およびその装置
JP2718820B2 (ja) コンロッドの閉塞鍛造方法
JP2545277B2 (ja) コンロッドの閉塞鍛造装置
JP3405372B2 (ja) 組立用カムロブの製造方法
KR100502780B1 (ko) 인너튜브 제조 방법 및 장치
JP4723769B2 (ja) 中空ラックバーの製造方法
JP2000312946A (ja) 各種シャフト及びその塑性加工方法
JP2545276B2 (ja) コンロッドの閉塞鍛造方法
JP2592139B2 (ja) 等速ジョイント外輪の製造方法および製造装置
KR200380525Y1 (ko) 측부 성형이 가능한 단조 프레스
JP2514400B2 (ja) 閉塞鍛造方法
JP2731504B2 (ja) 閉塞鍛造装置
JP7248886B2 (ja) クランク軸の製造方法
JP2731503B2 (ja) 閉塞鍛造方法
JP3714597B2 (ja) 鍛造方法及び鍛造装置