JP2002035881A - 円形鍛造品の鍛造加工方法およびその装置 - Google Patents

円形鍛造品の鍛造加工方法およびその装置

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JP2002035881A
JP2002035881A JP2000222253A JP2000222253A JP2002035881A JP 2002035881 A JP2002035881 A JP 2002035881A JP 2000222253 A JP2000222253 A JP 2000222253A JP 2000222253 A JP2000222253 A JP 2000222253A JP 2002035881 A JP2002035881 A JP 2002035881A
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circular
pressing tool
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Kenji Tamura
憲司 田村
Takeshi Ogita
武司 荻田
Yuki Fukutome
祐樹 福留
Yuzo Sakaebara
雄三 栄原
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状が周方向に均一で、かつ、偏肉がなく、
充満性のよい荒地を得ることができ、最終製品の寸法精
度を向上することが可能な、円形鍛造品の鍛造加工方法
およびその装置を提供する。 【解決手段】 開放型の上下金型を用いて円形素材を軸
方向に鍛造し、軸方向圧下途中または下死点で被加工材
を上下金型間で拘束し、側面押圧用工具により被加工材
側面を押圧成形する。側面押圧用工具は、2または3以
上の金型、または、ロールが被加工材の周方向で軸対称
位置に配設され、その押圧面は円形鍛造品の側面形状に
対応した形状のものがよい。鍛造装置としては円形素材
を軸方向に圧下する上下金型と、被加工材の側面を圧下
する側面押圧工具とを備えていればよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円盤状または環状
の鍛造製品、あるいは、その荒地など、金属材料の円形
鍛造品の鍛造加工方法およびその鍛造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車輪、ギヤ、リングなどの円盤状または
環状の鋼鍛造製品あるいはその中間製品としての荒地な
ど、外径が円形である鍛造品(以下、単に「円形鍛造
品」と記す)の鍛造加工では、素材に数工程の鍛造加工
を施して所望の形状に成形する。例えば車輪の荒地成形
においては、円柱状の素材を加熱し、1工程目の鍛造に
より半径方向の体積配分をおこない、2工程目の鍛造で
製品の概略形状に成形する。リングなどの環状品の鍛造
においては、まず、荒地成形工程として素材の据え込み
鍛造をおこなう。このようにして得られた荒地は圧延や
仕上鍛造により製品形状に仕上げられる。これらの加工
においては、バリを形成することなく最終製品を得るの
が一般的である。
【0003】円形鍛造品の荒地成形工程において、素材
の形状精度、金型上での素材の設置位置精度、型組精
度、素材の均熱度などが劣る場合には、荒地鍛造におい
て周方向に充満度や外径のばらつきが生じ、偏肉などの
不良が発生する。
【0004】荒地加工段階で過大な偏肉が生じると、後
工程の圧延や仕上鍛造においてこれを完全に除去するこ
とが難しく、結果として製品の寸法精度を損ない、品質
不良の原因となる。また、充満度の不足を補うために、
最終機械加工代を大きくするなどの対策がとられるが、
これによる歩留ロスが増すなどの問題が生じる。
【0005】最終製品への鍛造においても、荒地の形状
精度、金型上での設置位置精度、型組精度、荒地の均熱
度などが劣る場合には、荒地成形工程におけるのと同様
の歩留低下などの問題が生じる。
【0006】円形鍛造品の鍛造加工段階におけるこれら
の問題を解決するために、これまでに種々の技術が提案
されてきた。特開平7−308730号公報には、車輪
圧延機を使用せずに小型プレス機で製造可能で、寸法精
度の向上した製品を加工できる車輪製造方法が開示され
ている。上記方法は、車輪荒地のリム角部に欠肉部を、
またこの欠肉部に相当する量の突起部をリム端面に形成
し、後工程で上記突起部をプレス機で加圧し、リム角部
を充満させるものである。しかしながら、ここに開示さ
れた方法ではリム角部の充満性は向上させることができ
るが、荒地の周方向の偏肉を解消できるものではない。
【0007】特開昭58−209441号公報には、リ
ングの製造法に関して、据え込み鍛造と孔拡げ加工を施
した中間製品に、ディスクターナを利用してリング素材
を回転させて鍛造具とリング素材との接触位置を少しず
つ移動させながら、断面が半円形の鍛造具をリング素材
端面に強圧することにより、軸方向の圧縮と径の拡大と
を同時におこなうリング鍛造法が開示されている。
【0008】上記文献では、上記方法によれば従来の方
法に比較して優れた特性を持つ製品を能率良く製造でき
るとされている。しかしながら上記方法は荒地成形後の
平押し工程の改善に関するものであり、荒地据え込み工
程における偏肉防止などについては従来同様に問題があ
り、歩留改善効果には限界があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、円
形鍛造品の製造時には、周方向の偏肉が発生し、最終製
品の寸法精度が損なわれるという問題があった。本発明
の目的は、このような問題点を解決し、円形鍛造品の鍛
造過程において偏肉を矯正し、充満性も向上させて寸法
精度を向上させ、円形鍛造品の製造歩留の向上が可能な
鍛造加工方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】荒地成形においては、被
加工材の側面を拘束する側壁がなく、被加工材側面が開
放された形状の金型(以下、単に「開放型」と記す)が
用いられる。これは、金型形状を開放型とすることによ
り、熱間鍛造時に剥離するスケールの除去が容易であ
る、などの利点が得られるためである。しかしながら、
開放型金型を使用する際には、型上での素材位置のズ
レ、素材の形状精度不良、均熱度不良などがあると、円
形鍛造品の周方向での偏肉が発生しやすい。
【0011】側面に壁面を有する、いわゆる密閉型のよ
うな形状の金型を用いると、開放型を用いた場合に比較
して偏肉は軽減される。しかしながら壁面を有する金型
を用いて据え込み鍛造を施すと、偏肉が極端に発生した
場合に局部的にバリが発生し、バリ除去工程を要した
り、歩留低下、さらには製品や金型に疵が生じる、など
の不都合が生じる。また、密閉型を用いても素材の位置
ズレや形状精度などによる荒地の偏肉を完全に防止する
のは困難である。
【0012】本発明者らは、車輪の製造工程における荒
地成形工程に関するモデル実験を種々おこない、荒地成
形時の偏肉防止方法について種々研究を重ねた。その結
果、開放型を用いて荒地成形する際に、上下金型間に、
被加工材の軸に垂直、かつ、その半径方向に可動な被加
工材の側面を押圧する工具(以下、単に「側面押圧用工
具」とも記す)を設け、被加工材に対する軸方向圧下が
進行した段階で、被加工材の上下面を上下金型間で保
持、拘束し、その状態で被加工材の側面を半径方向に押
圧するのが、荒地の周方向偏肉防止に対して有効である
ことを知見した。すなわち、被加工材の上下方向に材料
が流動しないように上下面を拘束してその側面を押圧す
ることにより周方向での偏肉を効果的に矯正することが
できるのである。
【0013】また、上記被加工材側面の半径方向への押
圧(以下、「側面押圧」とも記す)に際しては、被加工
材の位置ずれを防止する必要がある。これには、例えば
押圧部位の反対側に被加工材の位置変動を防止する装置
などを設ける、などの方法でも良いが、2個または3個
以上の側面押圧用工具を被加工材の軸対称位置に配設
し、これらの側面押圧用工具を同時に作動させる方法が
好ましい。
【0014】側面押圧のタイミングは、上下金型による
軸方向の圧下(以下、単に「軸方向圧下」と記す)の途
中、または、軸方向圧下が下死点に達した段階で施す。
側面押圧を軸方向圧下の途中で施す場合には、側面押圧
を施した後、再び下死点までの軸方向圧下をおこなう。
上下金型による圧下が下死点に達した段階で側面押圧を
施すと、偏肉矯正効果に加えて、荒地形状の充満性を向
上させることができるという効果も得られる。
【0015】さらに、側面押圧用工具の被加工材加工材
が当接する面の形状は、目標とする鍛造終了時の側面形
状と同様、もしくはそれに対応した形状とするのがよ
い。これにより、偏肉矯正と同時に、例えば円形鍛造品
の側面に、フランジ張り出し形状、ギヤ近似形状などの
形状付加なども併せておこなうことも可能である。
【0016】側面押圧用工具としては、その被加工材側
面を押圧する面が、目標とする荒地外径に対応した曲面
部分を備えるものである金型や、回転自在に保持された
円柱状工具(以下、「ロール」と記す)を用いるのが好
適である。
【0017】これらの工具には、任意の圧力あるいは任
意の圧下量での押圧を施すことができるように、油圧装
置などの公知の加圧手段および制御装置に連結してお
く。側面押圧用工具の数は1個でもよいが、2個または
3個以上を被加工材側面周方向の軸対称位置に配し、こ
れらを同時に作動させることが、被加工材の位置ずれを
防止し、押圧効率を高めるのに有効である。
【0018】被加工材側面の押圧方法は、被加工材をそ
の軸周りに回転可能にしておき、側面押圧用金型による
押圧と被加工材の回転とを交互におこなわせて、押圧部
位を円周方向に順次移動させて押圧する方法や、被加工
材をその軸周りに連続的に自転させ、押圧ロールにより
被加工材側面に連続的に押圧を加える方法、あるいは、
側面押圧用工具を被加工材の周りに公転させ、被加工材
側面を円周方向に順次押圧する方法などがよい。
【0019】上記被加工材の回転は、1回の押圧成形が
おこなわれる毎に上金型と押圧工具を被加工材から離
し、公知の方法で被加工材を所定角度回転させ、上金型
を被加工材に接触させて、次の押圧成形をおこなう方法
でも構わない。
【0020】あるいは、被加工材と上下金型とを、被加
工材の軸を回転軸として自転可能にしておき、被加工材
の上下面を上金型で拘束した状態で側面押圧と被加工材
の自転とを交互におこなわせてもよい。
【0021】本発明はこれらの知見を基にして完成され
たものであり、その要旨は下記(1)〜(5)に記載の
円形鍛造品の鍛造加工方法および(6)および(7)に
記載の鍛造装置にある。
【0022】(1)被加工材の側面を拘束する側壁がな
い上下金型を用いて円形素材を軸方向に圧下する鍛造加
工方法において、軸方向圧下の途中または下死点まで圧
下した時点において、被加工材の上下面を上下金型で拘
束し、側面押圧用工具を用いて被加工材の側面に押圧成
形を施すことを特徴とする円形鍛造品の鍛造加工方法。
【0023】(2)前記側面押圧用工具が、被加工材の
側面を押圧する部分に円形鍛造品の側面形状に対応した
形状を備え、被加工材の側面の周方向軸対称位置に2個
以上配設された金型であることを特徴とする上記(1)
に記載の円形鍛造品の鍛造加工方法。
【0024】(3)前記側面押圧用工具が、被加工材の
側面の周方向軸対称位置に2個以上配設された回転自在
なロールであることを特徴とする上記(1)に記載の円
形鍛造品の鍛造加工方法。
【0025】(4)前記押圧成形と、被加工材をその軸
まわりに回転させる操作とを交互におこなわせることに
より、側面押圧成形を被加工材の周方向に順次施すこと
を特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の円
形鍛造品の鍛造加工方法。
【0026】(5)前記側面押圧工具は、被加工材の軸
を回転中心とする公転が可能に配設されており、前記押
圧成形と、側面押圧工具の公転とを交互におこなわせる
ことにより、側面押圧成形を被加工材の周方向に順次施
すことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記
載の円形鍛造品の鍛造加工方法。
【0027】(6)円形素材をその軸方向に圧下する、
被加工材の側面を拘束する側壁がない上下金型と、上下
金型間の被加工材側面に上下金型の圧下方向に対して直
角方向に可動に設けられた側面押圧工具と、該上下金型
および側面押圧工具への圧下力供給装置とを備えたこと
を特徴とする円形鍛造品の鍛造装置。
【0028】(7)前記側面押圧工具が、被加工材の側
面の周方向軸対称位置に2個以上備えられていることを
特徴とする上記(6)に記載の円形鍛造品の鍛造装置。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を車輪の荒地
成形を例にして以下に説明する。図1は本発明例である
荒地鍛造の金型周りの概念図であり、図1(a)は断面
図、図1(b)は図1(a)のA−A切断面から見た平
面図である。
【0030】図2は本発明の他の例を説明するための金
型周りの概念図であり、図2(a)は断面図、図2
(b)は図2(a)のA−A切断面から見た平面図であ
る。図1および図2において、符号1は被加工材、符号
2は下金型、符号3は上金型、符号4は側面押圧用工具
としての側面用金型、符号5は側面押圧用工具としての
側面用ロールである。図1では側面用金型4を2個備え
ており、図2では側面用ロール5を3個備えている。側
面押圧用工具には、被加工材側面を半径方向に押圧する
装置(例えば油圧装置など、図示せず)に連結されてい
る。
【0031】本発明は、車輪、ギヤ、リングなどの円盤
状または環状の鍛造製品に加工される金属材料に適用で
きる。特に炭素鋼、合金鋼などの鋼鍛造品の成形に好適
であるが、これに限定する必要はなく、アルミニウムそ
の他の非鉄金属製の鍛造品に適用しても構わない。鍛造
に供する素材の形態は公知のものでよく、特に限定する
ものではないが、公知の方法で製造された丸ビレットな
どを用いるのがよい。素材を所定長さに切断し、鍛造温
度に加熱した後、本発明の荒地成形法により据え込み鍛
造する荒地成形加工を施す。その後は、圧延、鍛造、あ
るいは機械加工など、公知の仕上加工を施して製品に仕
上げられる。
【0032】本発明の鍛造加工方法における上下金型
は、被加工材1の側面を拘束する側壁が無いものとす
る。上下金型の押圧面は、素材の体積配分と荒地への若
干の形状付加をするための、凹凸部や曲面部を備えてい
るものでも構わないが、いわゆる型鍛造用の金型などで
見られるような側壁は無く、平金型状の開放型である。
開放型とすることにより、側面押圧用工具4の作動空間
を確保することができる。
【0033】例えば、車輪の成形においては、通常、上
下金型のうち下金型の軸芯部には、製品ボス部に対応し
た突起が設けられている。図1および図2の下金型2に
例示したように、本発明の方法においても、側面押圧時
の素材のズレを抑制するために、少なくとも上下金型の
いずれか一方に、突起を設けておくことが好ましい。
【0034】加熱された素材は、上記形状を有する下金
型2と上金型3により軸方向に鍛造される。側面押圧
は、被加工材の上下面を上下金型間で拘束した状態でお
こなう。従って、そのタイミングは、上下金型による軸
方向圧下を開始した後であればいずれの段階でもよく、
軸方向圧下が下死点に達した段階でもよい。側面押圧を
軸方向圧下の途中で施す場合には、側面押圧を施した
後、再び下死点までの軸方向圧下をおこなう。
【0035】側面押圧を施す際には、一旦軸方向圧下を
停止し、被加工材1を上下金型間で加圧保持して拘束
し、上下金型間の被加工材1の軸垂直方向、かつ、被加
工材の半径方向に可動に配設され、油圧装置など公知の
圧力源(図示せず)に連結された側面用金型4、また
は、側面用ロール5を作動させ、被加工材1の側面を半
径方向に押圧成形する。
【0036】上下金型で被加工材の上下面を拘束した状
態で半径方向への押圧加工を施すことにより、被加工材
では上下方向への変形が抑制され、周方向への流動が生
じ、それまでの軸方向圧下時に発生していた偏肉が矯正
される。本発明の方法に依れば、円形状荒地の周方向へ
の流動と充満度の改善が効率よくおこなわれ、偏肉が十
分に矯正される。
【0037】側面用金型4の被加工材側面を押圧する面
は、押圧時点での荒地の目標外径に対応した曲面部分を
有するものとするのが好適である。図1(a)の断面図
に示すように、被加工材側面に当接する垂直方向の面の
形状、あるいは図2(a)に示す側面用ロールであれ
ば、ロール面の形状が、荒地側面の所定の断面形状に対
応した曲面を備えているものでも構わない。
【0038】側面押圧用工具の数が1個の場合には、被
加工材の位置ずれを防止するための被加工材固定装置な
どを設けるのがよい。側面押圧用工具を2個または3個
以上とし、これらを被加工材の側面の周方向における軸
対称位置に配設し、これらの押圧工具による半径方向へ
の押圧を同時に施せば、特別の被加工材固定装置などを
設ける必要がない。従って側面押圧用工具の数は2個ま
たは3個以上とするのが望ましい。
【0039】押圧成形を被加工材の周方向全体に施すに
は、被加工材を被加工材の軸周りに順次回転させるか、
押圧工具を被加工材の軸周りに公転させることにより、
順次押圧していけばよい。被加工材の回転と押圧工具の
公転を組み合わせておこなわせてもよい。
【0040】被加工材を回転させる場合には、上下金型
と押圧工具による拘束を無くして、例えばマニプレータ
を用いて被加工材を把持、回転させるなどの公知の方法
により、被加工材を所定の角度だけ回転させ、その後再
び上下金型間で保持、拘束して次の側面押圧をおこなっ
ても構わない。被加工材と上下金型とが一体になって自
転できるようにして、上下金型で拘束したまま被加工材
を回転させても構わない。被加工材を回転させる回数、
または、押圧用ロールの公転数は1以上であれば何回で
も良い。
【0041】側面押圧実施は、鍛造工程の1工程目に限
らず、2工程目以後の工程において施しても有効であ
る。以上、荒地成形を例にして本発明の方法を説明した
が、本発明の方法はこれに限定する必要はなく、例えば
ギヤやフランジなどの製品への仕上成形などにおいて
も、荒地成形の場合と同様におこなうことができる。
【0042】本発明の円形鍛造品の鍛造加工は、円形素
材をその軸方向に圧下する、被加工材の側面を拘束する
側壁がない上下金型と、上下金型の圧下方向に対して垂
直、かつ、被加工材の軸方向に可動な、被加工材の側面
を圧下する側面押圧工具とを備えている鍛造装置を用い
ておこなうのが好適である。
【0043】特に、前記側面押圧工具が被加工材の軸対
称位置に2個以上備えられている鍛造装置がよい。その
理由は、側面押圧工具を被加工材の軸対称位置に2個以
上備えることにより、側面押圧時の被加工材の保持が容
易になり、効率よく側面押圧を施すことができるからで
ある。
【0044】本発明の鍛造装置の、上記以外は公知の鍛
造装置であればよい。例えば、圧下機構については油圧
や水圧を用いた液圧シリンダを用いたものなどがよい。
【0045】
【実施例】(実施例1)質量%でC:0.70%、S
i:0.15%、Mn:0.60%を含有し、その他成
分はJIS−E5402に記載の化学成分を満足し、外
径が450mm、長さが330mmである円柱状の炭素
鋼鋼片を10本準備し、1250℃に加熱した後スケー
ルを除去して荒地鍛造を施した。図1(a)に、荒地鍛
造の第1工程に使用した上下金型の形状を示す。上下金
型は従来から使用されているものと同様の形状であり、
上下金型の押圧面には被加工材側面を拘束するような側
壁が無いものである。
【0046】本発明例として、上下金型間の側方の被加
工材側面の軸対称位置に、側面押圧用工具として被加工
材側面を半径方向に押圧する、油圧装置(図示せず)に
連結された金型を一対備えさせた。2個の側方金型はい
ずれも同形状で、内径410mmの円弧面を有し、また
加工範囲は1つの側方金型につき、被加工材円弧面の中
心角120#の範囲である。
【0047】上金型に加圧して軸方向下死点まで圧下
し、上金型を下死点で保持した状態で側面押圧用金型に
より側面押圧を施した。側面押圧は、1回施す毎に上金
型、側方金型ともに一旦開放し、被加工材をその中心軸
周りに90°回転させた後、再度上金型を下死点まで下
降させて保持し、再び側方押圧を施した。これにより荒
地成形の第一工程を終了した。側面押圧前の被加工材の
外径は830mmであり、第一工程終了後の荒地外径は
目標とする810mmであった。
【0048】次いで公知の方法で、側面に壁面を有する
密閉状の上下型を用いて車輪の概略形状に成形する荒地
鍛造第2工程を施し、荒地成形を完了した。その後、従
来のホイールミル圧延による成形と回転鍛造による仕上
成形をおこない、外径900mmの仕上成形品を計10
P成形した。
【0049】上記仕上成形品に機械加工を施して正規の
製品形状とした10個の製品を得た。これらの製品の形
状を検査した結果、いずれも欠肉(形状不良)がなく、
良好な形状の車輪が得られた。また、機械加工前の仕上
成形品の質量(W1 )と、機械加工後の製品質量(W
2 )から仕上歩留(W2 /W1 )を計算した結果、10
本の車輪の平均値が91%であった。
【0050】次いで、長さが上記よりも短い鋼片を各長
さ毎に10本ずつ用意し、これらに上記と同様の荒地成
形、仕上成形および機械加工を施し、各鋼片長さ毎の1
0個の製品の形状検査と平均仕上歩留とを調査した。そ
の結果、10個の車輪全てに形状不良を発生することな
く良好な形状の車輪が得られる限界の仕上歩留は、9
2.2%であった。
【0051】従来例として、上記本発明例と同様の鋼片
を用いて、荒地鍛造第1工程における側面押圧を施さ
ず、それ以外は上記本発明例と同一条件とする荒地鍛
造、仕上成形および機械加工を施して、鋼片の各長さ毎
に10個ずつの車輪を作製し、10個の車輪全てに形状
不良を発生することなく良好な形状の車輪が得られる限
界の仕上歩留を調査した。その結果、従来例において1
0個全ての車輪に欠肉がないのは、鋼片長さが330m
mの場合であり、それよりも鋼片を短くすると部分的に
欠肉が生じた。すなわち、形状が良好な製品が得られる
限界の歩留は91%であった。
【0052】(実施例2)本発明例として、実施例1に
記載した荒地鍛造装置において、図2に示すような被加
工材側方で軸対称位置に配設され、油圧装置(図示せ
ず)に連結された3個のロールを側面押圧用工具として
備えた鍛造装置を準備した。ロール直径は500mm、
ロール長さは160mmとした。
【0053】実施例1に記載した化学組成を備え、外径
が450mmで種々の長さを有する円柱状の高炭素鋼鋼
片を、各長さ毎に10本ずつ準備し、これらを1250
℃に加熱し、スケールを除去し、上記装置により第一工
程としての荒地鍛造をおこなった。上下金型による被加
工材軸方向圧下が下死点までのストロークの20%に達
した時点で圧下を停止し、上下金型間で被加工材を保持
した状態で、押圧ロールを被加工材の側面に当接させ、
押圧しつつ上下金型と被加工材を一体として軸芯周りに
3周回転させた。その後、押圧ロールを上下金型の作動
範囲外に後退させ、軸方向圧下を再開して下死点まで圧
下した。以上で荒地成形工程第1工程を終了し、続いて
実施例1に記載したのと同様に荒地鍛造第2工程を施し
て荒地成形を完了し、仕上成形および機械加工を施し
て、鋼片の各長さ毎に10個ずつの車輪を作製し、10
個の車輪全てに形状不良を発生することなく良好な形状
の車輪が得られる限界の仕上歩留を調査した。その結
果、本発明例において10個全ての車輪に形状が良好な
製品が得られる限界の歩留は92.2%であった。
【0054】
【発明の効果】本発明法により、荒地成形時に発生する
偏肉を矯正して、周方向に均一な形状の荒地を得るとと
もに、荒地の充満性も向上させ、最終製品の寸法精度を
向上することが可能となる。この結果、必要とする素材
の質量が低減できるので歩留が向上し、機械加工代の削
減削減により生産能率が大きく向上する。従って本発明
は鍛造製品の生産コスト削減に寄与するところが極めて
大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明例に係る荒地鍛造の金型周りの概念図で
あり、図1(a)は断面図、図1(b)は図1(a)の
A−A切断面から見た平面図である。
【図2】本発明例に係る金型周りの概念図であり、図2
(a)は断面図、図2(b)は図2(a)のA−A切断
面から見た平面図である。
【符号の説明】
1:被加工材、2:下金型、3:上金型、4:側面押圧
用工具としての側面用金型、5:側面押圧用工具として
の側面用ロール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福留 祐樹 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 栄原 雄三 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4E087 AA08 AA10 BA17 CA12 CA41 CB01 DB08 DB23 EA11 EC01 HA12 HB08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工材の側面を拘束する側壁がない上
    下金型を用いて円形素材を軸方向に圧下する鍛造加工方
    法において、軸方向圧下の途中または下死点まで圧下し
    た時点において、被加工材の上下面を上下金型で拘束
    し、側面押圧用工具を用いて被加工材の側面に押圧成形
    を施すことを特徴とする円形鍛造品の鍛造加工方法。
  2. 【請求項2】 前記側面押圧用工具が、被加工材の側面
    を押圧する部分に円形鍛造品の側面形状に対応した形状
    を備え、被加工材の側面の周方向軸対称位置に2個以上
    配設された金型であることを特徴とする請求項1に記載
    の円形鍛造品の鍛造加工方法。
  3. 【請求項3】 前記側面押圧用工具が、被加工材の側面
    の周方向軸対称位置に2個以上配設された回転自在なロ
    ールであることを特徴とする請求項1に記載の円形鍛造
    品の鍛造加工方法。
  4. 【請求項4】 前記押圧成形と、被加工材をその軸まわ
    りに回転させる操作とを交互におこなわせることによ
    り、側面押圧成形を被加工材の周方向に順次施すことを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の円形鍛造品
    の鍛造加工方法。
  5. 【請求項5】 前記側面押圧工具は、被加工材の軸を回
    転中心とする公転が可能に配設されており、前記押圧成
    形と、側面押圧工具の公転とを交互におこなわせること
    により、側面押圧成形を被加工材の周方向に順次施すこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の円形鍛
    造品の鍛造加工方法。
  6. 【請求項6】 円形素材をその軸方向に圧下する、被加
    工材の側面を拘束する側壁がない上下金型と、上下金型
    間の被加工材側面に上下金型の圧下方向に対して直角方
    向に可動に設けられた側面押圧工具と、該上下金型およ
    び側面押圧工具への圧下力供給装置とを備えたことを特
    徴とする円形鍛造品の鍛造装置。
  7. 【請求項7】 前記側面押圧工具が、被加工材の側面の
    周方向軸対称位置に2個以上備えられていることを特徴
    とする請求項6に記載の円形鍛造品の鍛造装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015009256A (ja) * 2013-06-28 2015-01-19 新日鐵住金株式会社 円形材の製造方法及びそれに用いられる鍛造装置
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JP2017080814A (ja) * 2016-12-28 2017-05-18 新日鐵住金株式会社 円形材の製造に用いられる鍛造装置
US10576531B2 (en) 2015-10-08 2020-03-03 Hitachi Metals, Ltd. Method and apparatus for producing forging by rotary forging

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