JP7224266B2 - 金属材の曲げ加工方法およびその装置 - Google Patents
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Description
金属材の移動方向の前後に離間する2本の下ロールと、両下ロール間の上方に位置する上ロールとを備え、これら上ロールと2本の下ロールとの間を通過する金属材を、3本のロールで加圧して曲げ加工する曲げ加工方法において、
前記金属材の曲げ加工に際し、前記上ロールおよび下ロールを加圧手段によって相対的に近接移動することで金属材に加えられる加圧力が、金属材の移動方向と交差する幅寸法に応じて設定された制限加圧力を超えないように前記加圧手段を制御して金属材を曲げ加工するようにしたことを要旨とする。
請求項1の発明では、金属材の曲げ加工に際し、ロールから加えられる加圧力が、金属材の幅寸法に応じて設定した制限加圧力を超えないように加圧手段を制御するようにしたので、上ロールに過大な曲げ応力が作用するのを防ぐことができ、上ロールが大きく撓んで加工不良が生じたり、上ロールが損傷することを未然に防止し得る。また、上ロールの強度やその支持機構の剛性を必要以上に大きくする必要はなくなるので、装置が大型化するのを抑制し得ると共に、曲げ加工可能な曲率の範囲も広げることができる。
金属材の移動方向の前後に離間する2本の下ロールと、両下ロール間の上方に位置する上ロールとを備え、これら上ロールと2本の下ロールとの間を通過する金属材を、3本のロールで加圧して曲げ加工する曲げ加工装置において、
前記上ロールおよび下ロールを相対的に近接移動して、3本のロールにより前記金属材に加圧力を加える加圧手段と、
前記金属材に加えられる加圧力を検出する圧力検出手段と、
前記加圧手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記圧力検出手段での検出圧力が、金属材の移動方向と交差する幅寸法に応じて設定された制限加圧力を超えないように前記加圧手段を制御するよう構成したことを要旨とする。
請求項2の発明では、金属材の曲げ加工に際し、ロールから加えられる加圧力が、金属材の幅寸法に応じて設定した制限加圧力を超えないように加圧手段を制御するよう構成したので、上ロールに過大な曲げ応力が作用するのを防ぐことができ、上ロールが大きく撓んで加工不良が生じたり、上ロールが損傷することを未然に防止し得る。また、上ロールの強度やその支持機構の剛性を必要以上に大きくする必要はなくなるので、装置が大型化するのを抑制し得ると共に、曲げ加工可能な曲率の範囲も広げることができる。
前記制御手段は、曲げ加工可能な金属材の幅寸法の範囲を複数の幅区分に区分し、各幅区分に含まれる幅寸法の金属材の曲げ加工に際し、各幅区分毎に設定された制限加圧力を超えないように前記加圧手段を制御するよう構成したことを要旨とする。
請求項3の発明では、曲げ加工可能な金属材の幅寸法の範囲を複数の幅区分に区分し、各幅区分毎に制限加圧力を設定するよう構成したので、設定する制限加圧力の数を抑えることができて制御が容易となる。
式:δ=P×(L/4-W/8)/(π×D3/32)
そして、ロールベンダー10では、前記式により得られる曲げ応力δが、上ロール12の撓み量が適正範囲を超えることがなく、かつ上ロール12が損傷しない許容値以下となるように、金属材18の幅寸法Wに応じて圧下力Pを制限するよう構成される。ロールベンダー10で曲げ加工の対象とし得る最大幅の金属材18を曲げ加工することができる上ロール12の最大圧下力をP0、金属材18の幅寸法Wに応じて制限する制限圧下力(制限加圧力)をP1とした場合に、制限圧下力P1は最大圧下力P0より小さい値に設定される。実施例では、曲げ加工可能な金属材18の幅寸法の範囲を複数の幅区分に区分し、各幅区分毎に制限圧下力P1が設定される。例えば、金属材18の幅寸法の範囲を、最大の幅寸法から所定範囲ずつ小さくなる幅区分を、N1、N2、N3・・・Nnとした場合に、制限圧下力P1の値が対応してP11、P12、P13・・・P1nとして設定される。そして、制御手段26では、入力された金属材18の幅寸法が、例えば幅範囲N2に含まれる場合は、曲げ加工に際して上ロール12の圧下力が制限圧下力P12を超えないように制限する。具体的には、前記圧力検出手段38から入力される検出圧力が制限圧下力P12を超えないように、前記油圧ポンプ36,36を介して油圧シリンダ24,24を制御手段26が制御する。なお、前記曲げ応力δの許容値は、試験等によって求められる。
次に、前述のように構成された実施例のロールベンダー10の作用につき、曲げ加工方法との関係で説明する。
本願は、前述した実施例の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1.実施例では、金属材の幅寸法を入力手段によって入力するよう構成したが、金属材の幅寸法を測定する測定手段を設け、該測定手段の測定結果が制御手段に入力される構成を採用することができる。または、工場の上位コンピュータから金属材の幅寸法等の材料情報が、制御手段に入力される構成を採用することもできる。
2.実施例では、上ロールを昇降移動する加圧手段として油圧シリンダを挙げたが、加圧手段は、支持部材に連繋したボールネジを回転する電気モータ等、各種公知の手段を採用することができる。なお、加圧手段として電気モータを用いる場合は、電気モータの電流(トルク)を制御することで、上ロールの圧下力を制限する構成とすればよい。また、加圧手段として電気モータを用いる場合の圧力検出手段としては、該電気モータのトクル変動から金属材に加えられる加圧力を検出する手段を用いることができる。
3.実施例では、上ロールを加圧手段によって昇降移動するよう構成したが、定位置に保持した上ロールに対して両下ロールを加圧手段(油圧シリンダや電気モータ)によって昇降移動することで、両下ロールに載置した金属材を上ロールとの間で曲げ加工する構成を採用し得る。
4.実施例では、両下ロールを一定の軸心間距離に保持したもとで一体的に水平方向に移動するよう構成したが、両下ロールを夫々独立して水平方向に移動する構成を採用し得る。
5.実施例では、上ロールを回転駆動して金属材を移動させるよう構成したが、下ロールを駆動モータで回転して金属材を移動するようにしたり、上下のロールを夫々駆動モータで回転して金属材を移動する構成を採用することができる。
6.実施例では、複数の幅区分毎に制限圧下力(制限加圧力)を予め設定したが、制御手段に入力された金属材の幅寸法から、上ロールに許容値以上の曲げ応力が作用しない制限圧下力(制限加圧力)を、制御手段が前記式に基づいて演算する構成を採用することができる。
24 油圧シリンダ(加圧手段),26 制御手段,38 圧力検出手段
P1 制限圧下力(制限加圧力)
Claims (3)
- 金属材(18)の移動方向の前後に離間する2本の下ロール(14,16)と、両下ロール(14,16)間の上方に位置する上ロール(12)とを備え、これら上ロール(12)と2本の下ロール(14,16)との間を通過する金属材(18)を、3本のロール(12,14,16)で加圧して曲げ加工する曲げ加工方法において、
前記金属材(18)の曲げ加工に際し、前記上ロール(12)および下ロール(14,16)を加圧手段(24)によって相対的に近接移動することで金属材(18)に加えられる加圧力が、金属材(18)の移動方向と交差する幅寸法に応じて設定された制限加圧力(P1)を超えないように前記加圧手段(24)を制御して金属材(18)を曲げ加工するようにした
ことを特徴とする金属材の曲げ加工方法。 - 金属材(18)の移動方向の前後に離間する2本の下ロール(14,16)と、両下ロール(14,16)間の上方に位置する上ロール(12)とを備え、これら上ロール(12)と2本の下ロール(14,16)との間を通過する金属材(18)を、3本のロール(12,14,16)で加圧して曲げ加工する曲げ加工装置において、
前記上ロール(12)および下ロール(14,16)を相対的に近接移動して、3本のロール(12,14,16)により前記金属材(18)に加圧力を加える加圧手段(24)と、
前記金属材(18)に加えられる加圧力を検出する圧力検出手段(38)と、
前記加圧手段(24)を制御する制御手段(26)とを備え、
前記制御手段(26)は、前記圧力検出手段(38)での検出圧力が、金属材(18)の移動方向と交差する幅寸法に応じて設定された制限加圧力(P1)を超えないように前記加圧手段(24)を制御するよう構成した
ことを特徴とする金属材の曲げ加工装置。 - 前記制御手段(26)は、曲げ加工可能な金属材(18)の幅寸法の範囲を複数の幅区分に区分し、各幅区分に含まれる幅寸法の金属材(18)の曲げ加工に際し、各幅区分毎に設定された制限加圧力(P1)を超えないように前記加圧手段(24)を制御するよう構成した請求項2記載の金属材の曲げ加工装置。
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