JP6041632B2 - 金属板の曲げ加工方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属板を複数のロールで曲げ加工する金属板の曲げ加工方法およびその装置に関するものである。
金属板を円筒状に曲げ加工するロールベンダー(曲げ加工装置)は、1本の上ロールと、該上ロールの下方に配設した2本以上の下ロールとを備え、上ロールと該上ロールの真下を含めた前後2つの下ロールとの間に挟持した金属板を、下ロールの回転によって送りつつ曲げ加工するよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平2−274318号公報
金属板を曲げ加工する場合は、金属板が有する弾性に起因して曲げ加工後に反力によって曲げが若干戻る、所謂「スプリングバック」が生ずる。すなわち、金属板が3本のロールに当接して拘束される領域(3本のロールで囲まれた領域であって、以後曲げ領域と称す)で所定の曲率の曲げが与えられた金属板は、曲げ領域に対して金属板の移動方向前側に位置する下ロールから離間して拘束が解除された際に、スプリングバックによって曲率が大きくなる方向に戻る。このため、前記曲げ領域においてロールベンダーで金属板に付与する曲率を最終的に得たい曲率よりも小さめになるように、下ロールとの間で金属板を曲げ加工する上ロールの曲げ位置を設定することで、移動方向前側の下ロールから離間してスプリングバックを生じた状態の金属板(曲げ加工が終わった金属板)の曲率が所期の曲率に収まるようすることが行なわれる。
しかしながら、金属板に発生するスプリングバックの変形量は、金属板の材質や厚みおよび曲げようとする曲率等の各種の条件によって異なるものであって、定量的に予測することは困難である。従って、スプリングバックの変形量を予測し、該変形量に見合った曲率の曲げを付与し得るように上ロールの曲げ位置を設定したとしても、曲げ加工が終わった金属板の曲率が所期の曲率に収まらない場合がある。このため、ロールベンダーにより金属板を曲げ加工するに際しては、予め熟練した作業者が金属板を該ロールベンダーに通して試し曲げを行ない、その結果に従って上ロールの位置を調節することが行なわれており、手間と時間が掛かっていた。
すなわち本発明は、前記従来の技術に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、精度のよい曲げ加工を効率的に行ない得る金属板の曲げ加工方法およびその装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る金属板の曲げ加工方法は、
金属板の移動方向の前後に離間する2本の下ロールと、両下ロール間の上方に位置する上ロールとを備え、これら上ロールと2本の下ロールとの間を通過する金属板における両端部を除く中間部分を、3本のロールで加圧して曲げを付与する曲げ加工方法において、
前記2本の下ロールの軸心を結んだ線分の中央を通り、該線分に垂直な基準垂線に対して上ロールの中心軸を金属板の移動方向前側へ偏倚させた状態で、これら上ロールと2本の下ロールとの間に金属板を通過して曲げ加工を行ない、
前記上ロールに対して金属板の移動方向前側に位置する前側の下ロールとの接触点を通過した金属板の曲率を測定手段で測定し、該測定手段での測定値が予め設定された目標値となるように、上ロールと両下ロールとの相対的な位置を上下方向または金属板の移動方向前後に調節するようにし
前記金属板の前記上ロールに対する接触点と、該金属板の前記前側の下ロールに対する接触点との間に臨む金属板の曲率を第2の測定手段で測定し、該第2の測定手段での測定値と、前記測定手段での測定値とに基づいて、前記上ロールと両下ロールとの相対的な位置を調節するようにしたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、上ロールを、金属板の移動方向前側に位置する下ロール側に偏らせて該金属板の中間部に曲げを付与するようにしたので、上ロールと前側の下ロールとによる加圧下に曲げられた金属板に発生する塑性変形域の変化による曲率変動量を小さくすることができる。従って、曲げ加工が終わった金属板の曲率を測定してフィードバックすることで、精度のよい曲げ加工を効率的に行なうことができる。また、曲げ加工時の曲率と曲げ加工後の曲率とに基づいて上ロールと両下ロールとの相対的な位置を調節することで、より精度のよい曲げ加工を達成し得る。
請求項2に係る発明では、前記上ロールおよび下ロールに作用する負荷をバックアップロールで受ける状態で、これら上ロールと2本の下ロールとの間に金属板を通過して曲げ加工を行なうようにしたことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、上下の各ロールに作用する負荷をバックアップロールで受けることで、該上下のロールとして小径のものを使用することが可能となり、金属板に対する上ロールの接触点と前側の下ロールの接触点との離間距離をより短かくして、上ロールと前側の下ロールとによる加圧下に曲げられた金属板に発生する塑性変形域の変化による曲率変動量をより小さくし得る。
請求項に係る発明では、前記金属板の曲げ加工に際して測定した曲率を、前記上ロールと両下ロールとによる圧下量と関連付けて制御装置に記憶し、この記憶データに基づいて次回以降の金属板の曲げ加工に際して上ロールと両下ロールとの相対的な位置調節を行なうようにしたことを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、前回の曲げ加工により得たデータに基づいて上ロールと両下ロールとの相対的な位置を調節するので、より精度の高い曲げ加工を行なうことができる。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項の発明に係る金属板の曲げ加工装置は、
金属板の移動方向の前後に離間する2本の下ロールと、両下ロール間の上方に位置する上ロールとを備え、これら上ロールと2本の下ロールとの間を通過する金属板における両端部を除く中間部を、3本のロールで加圧して曲げを付与する曲げ加工装置において、
前記上ロールは、前記2本の下ロールの軸心を結んだ線分の中央を通り、該線分と垂直な基準垂線に対して該上ロールの中心軸が金属板の移動方向前側へ偏倚して配置され、
前記上ロールと両下ロールとは、上下方向または金属板の移動方向前後に相対的に移動自在に構成され、
前記上ロールと両下ロールとの相対的な位置を調節する調節手段と、
前記上ロールに対して金属板の移動方向前側に位置する前側の下ロールとの接触点を通過した金属板の曲率を測定する測定手段と、
前記測定手段での測定値に基づいて前記調節手段を制御して、前記上ロールと両下ロールとの相対的な位置を調節する制御装置とを備え
前記金属板の前記上ロールに対する接触点と、該金属板の前記前側の下ロールに対する接触点との間に臨む金属板の曲率を測定する第2の測定手段を備え、前記制御装置は、第2の測定手段での測定値と、前記測定手段での測定値とに基づいて、前記調節手段を制御して上ロールと両下ロールとの相対的な位置を調節するよう構成したことを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、上ロールを、金属板の移動方向前側に位置する下ロール側に偏らせて該金属板の中間部に曲げを付与するようにしたので、上ロールと前側の下ロールとによる加圧下に曲げられた金属板に発生する塑性変形域の変化による曲率変動量を小さくすることができる。従って、曲げ加工が終わった金属板の曲率を測定してフィードバックすることで、精度のよい曲げ加工を効率的に行なうことができる。また、曲げ加工時の曲率と曲げ加工後の曲率とに基づいて上ロールと両下ロールとの相対的な位置を調節することができ、より精度のよい曲げ加工を達成し得る。
請求項に係る発明では、前記上ロールおよび下ロールに作用する負荷を受けるバックアップロールを備えたことを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、上下の各ロールに作用する負荷をバックアップロールで受けるよう構成したので、該上下のロールとして小径のものを使用することが可能となり、金属板に対する上ロールの接触点と前側の下ロールの接触点との離間距離をより短かくして、上ロールと前側の下ロールとによる加圧下に曲げられた金属板に発生する塑性変形域の変化による曲率変動量をより小さくし得る。
請求項に係る発明では、前記2本の下ロールを相対的に近接・離間移動自在に構成したことを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、上ロールと前側の下ロールとをより近づけることができ、塑性変形域の変化による金属板の曲率変動量を小さくすることが可能となる。
請求項に係る発明では、前記前側の下ロールの中心軸と同軸で該前側の下ロールの外周に沿って相対的に回転可能で、前記測定手段が配設された支持部材と、
前記支持部材を、前記測定手段が金属板に当接する測定位置と金属板から離間する退避位置とに移動する作動手段と備えたことを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、測定手段によって前側の下ロールから離れた金属板における下ロールの直近部位の曲率を測定し得るので、より精度のよい曲げ加工を実施し得る。
請求項に係る発明では、前記前側の下ロールに周溝が形成され、接触式または非接触式の前記測定手段は、前記周溝を介して金属板の曲率を測定可能に構成したことを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、測定手段によって前側の下ロールから離れた金属板における下ロールのより直近部位の曲率を測定し得るので、高精度の曲げ加工を実施し得る。
本発明に係る金属板の曲げ加工方法およびその装置によれば、金属板を精度よく効率的に曲げ加工することができる。
実施例1に係るロールベンダーを示す概略構成図である。 実施例1に係るロールベンダーにおける上ロールと前下ロールとの関係を示す説明図である。 実施例1に係るロールベンダーの制御ブロック図である。 曲げ加工後の金属板の曲り変動を測定した実験の結果を示すグラフである。 曲げ加工後の金属板の曲り変動を測定した別の実験の結果を示すグラフである。 曲げ後曲率を測定する機構の第1別実施例を示す説明図である。 曲げ後曲率を測定する機構の第2別実施例を示す説明図である。 実施例2に係るロールベンダーを示す説明図である。 両持ち梁において最大応力の式を得るための各緒元を示す説明図である。 上ロールに作用する最大応力の式を得るための各緒元を示す説明図である。 バックアップロールを用いる場合と用いない場合における上ロールに作用する最大応力と曲率半径/厚みとの関係を示すグラフである。
次に、本発明に係る金属板の曲げ加工方法およびその装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。本願発明者は、ロールベンダーによる曲げ加工に際し、上ロールと、該上ロールに対して金属板の移動方向前側に位置する下ロールとの間隔を小さくすることで、3本のロールにより曲げが与えられた金属板に発生する塑性変形域の変化による曲率変動量(スプリングバックの変動量)を小さく抑えることができることを知見した。そして、この知見を利用することで、金属板を最終的に得たい曲率に精度よく効率的に曲げ加工し得る金属板の曲げ加工方法およびその装置を案出したものである。
図1は、曲げ加工装置としての実施例1のロールベンダー10を示すものであって、該ロールベンダー10は、1本の上ロール12と、2本の下ロール14,16とを備え、これら3本のロール12,14,16の間に金属板18を通過することで、該金属板18を円筒状となるように曲げ加工し得るよう構成される。前記上ロール12は、その中心軸Oを通って前記2本の下ロール14,16の軸心を結んだ線分Kに垂直な垂線S0に沿って昇降可能に構成され、金属板18に付与する曲率に応じた位置(曲げ位置)に、昇降駆動機構(調節手段)20(図3参照)によって移動して位置決めされるよう構成してある。また、上ロール12の垂線S0を挟んで上ロール12の斜め左下側に位置する下ロール14および上ロール12の斜め右下側に位置する下ロール16は、垂線S0と直交する水平方向に夫々独立して移動可能に構成される。なお、実施例では上ロール12に対して図1の右側から左側へ金属板18が通過するよう構成されており、上ロール12に対して金属板18の移動方向前側に位置する左側の下ロール(前側の下ロール)14を前下ロールと指称すると共に、上ロール12に対して金属板18の移動方向後側に位置する右側の下ロール16を後下ロールと指称する場合もある。そして、前下ロール14は、前変位駆動機構(調節手段)22(図3参照)によって金属板18の移動方向前側または後側へ変位して位置決めされると共に、後下ロール16は、後変位駆動機構(調節手段)24(図3参照)によって金属板18の移動方向前側または後側へ変位して位置決めされるよう構成される。
前記上ロール12は、図2に示す如く、前記2本の下ロール14,16の軸心を結んだ前記線分Kの中央を通り、該線分Kに垂直な基準垂線S1に対して、該上ロール12の中心軸Oが金属板18の移動方向前側へ偏倚した位置に配置されている。すなわち、上ロール12と前下ロール14との水平方向での軸心間距離は、上ロール12と後下ロール16との水平方向での軸心間距離より短かく設定される。これにより、3本のロール12,14,16で金属板18を加圧して曲げを与えるに際し、上ロール12と金属板18との接触点F1と前下ロール14と金属板18との接触点F2との離間距離L1は、上ロール12と金属板18との接触点F1と後下ロール16と金属板18との接触点F3との離間距離L2より短かくなる。そして、このように上ロール12を前下ロール14に近づけて配置することで、金属板18が3本のロール12,14,16に当接して拘束される領域(曲げ領域)で該金属板18に所定の曲率の曲げが与えられた後、前下ロール14から離間して拘束が解除された際に生ずる製品曲率の変動量(以後、単に曲率変動量という場合もある)を小さく抑えることができる。すなわち、3本のロール12,14,16により金属板18に付与される塑性変形は、接触点F1と接触点F3との間の曲げモーメントに比例するように生じ、接触点F1と接触点F2とが近い程、前下ロール14から金属板18が離間する出側での曲率変動が少なくなる。なお、上ロール12および前後の下ロール14,16は、図示しない駆動手段によって回転駆動されるよう構成される。
前記前下ロール14には、図1に示す如く、複数の転動ローラ26を回転自在に備えた支持部材28が、該転動ローラ26を介して前下ロール14に対して相対的な回転が許容される状態で装着されている。この支持部材28は、略半円弧状に形成されて、内周面が前下ロール14の外周面に非接触の状態で前下ロール14の外周に沿って移動可能に構成される。支持部材28には、該支持部材28に対して相対的に移動可能に保持部材29が配設され、該保持部材29は、前下ロール14の軸心を中心として該前下ロール14の外周面に非接触の状態で前下ロール14の外周に沿って移動可能に構成される。そして、前下ロール14と金属板18との接触点F2より左側(金属板18の移動方向前側)に臨む支持部材28の端部から突出する保持部材29に、金属板18の曲率を測定可能な第1の測定手段(測定手段)30が一体的に移動可能に配設されている。また、支持部材28と保持部材29との間に、バネ等の弾性部材36が複数離間して張設されており、該保持部材29は、複数の弾性部材36によって支持部材28と一体的に移動し得るよう構成される。そして、後述するように第1の測定手段30を測定位置に移動させた状態では、該弾性部材36の弾力によって第1の測定手段30を金属板18に押し付けて測定位置に保持し得るよう構成してある。
前記支持部材28には、図示しないフレームに配設した作動手段としての油圧や空圧等の第1流体圧シリンダ32のピストンロッドが連結してある。そして、第1流体圧シリンダ32を、ピストンロッドが伸張する方向に付勢することで、支持部材28が前下ロール14の外周に沿って周方向に同軸で移動して、該支持部材28と一体的に移動する保持部材29に配設した前記第1の測定手段30を、前下ロール14との接触点F2を通過した金属板18における前下ロール14の直近位置の外周面に前記弾性部材36によって弾力的に当接する測定位置に臨ませ得るよう構成される。また、第1流体圧シリンダ32を、ピストンロッドが収縮する方向に付勢することで、支持部材28と共に保持部材29が前下ロール14の外周に沿って周方向に移動して、第1の測定手段30を金属板18の外周面から離間する退避位置に臨ませ得るよう構成される。なお、保持部材29に対して第1の測定手段30は首振り可能に支持されて、該第1の測定手段30の測定部を金属板18の外周面に倣わせ得るよう構成してある。
前記支持部材28は、前記フレームに対してクランプ手段34によって位置決め保持可能に構成され、前記第1の測定手段30を測定位置に臨ませた支持部材28をクランプ手段34でフレームに位置決め保持することで、第1の測定手段30を測定位置に保持し得るよう構成される。そして、支持部材28がクランプ手段34で位置決め保持された状態では、該支持部材28に対して前記前下ロール14が転動ローラ26を介して回転する。なお、金属板18の移動に伴い、該金属板18と第1の測定手段30との接触部位が該測定手段30の近接・離間方向に変位した場合は、前記弾性部材36による付勢状態で支持部材28に対して保持部材29が変位することで測定手段30が金属板18に当接する状態を保持し得るようになっている。
前記前下ロール14と後下ロール16との間には、前記上ロール12と金属板18との接触点F1と、前下ロール14と金属板18との接触点F2との間に位置する部位での金属板18の曲率を測定可能な第2の測定手段38が配置されている。この第2の測定手段38は、油圧や空圧等の第2流体圧シリンダ39によって、接触点F1と接触点F2との間に臨む金属板18の外周面に当接する測定位置と離間する退避位置との間を移動するよう構成される。なお、第2流体圧シリンダ39に対して第2の測定手段38は首振り可能に支持されて、該第2の測定手段38の測定部を金属板18の外周面に倣わせ得るよう構成してある。
前記第1の測定手段30および第2の測定手段38としては、例えば一対の固定片(測定部)と、両固定片の中間に移動自在に配設した可動プローブ(測定部)とを備え、両固定片および可動プローブを金属板18の外周面に接触させた際の可動プローブの変位量から曲率を測定し得る公知の接触式の手段が用いられるが、その他各種方式の手段を用いることができる。両測定手段30,38は、図3に示す制御装置40に接続されており、該制御装置40は、両測定手段30,38で測定された曲率(測定値)に基づいて、各ロール12,14,16の位置調節を行なうために前記昇降駆動機構20、前後の変位駆動機構22,24を夫々フィードバック制御し得るよう構成される。なお、前記第1の測定手段30で測定された曲率を、曲げ後曲率と指称すると共に、第2の測定手段38で測定された曲率を、曲げ時曲率と指称する場合もある。
前記制御装置40は、両測定手段30,38で測定した曲率を、加工中の金属板18の材質や厚み等の加工条件および上ロール12により金属板18を曲げ加工するために加えられた圧下量(金属板18に最終的に与える曲率(目標値)に応じた曲げ位置(スプリングバックを考慮して目標値より小さな曲率を付与し得る位置))等と関連付けて、該加工条件および圧下量等と共に図示しない記憶部に記憶するよう構成される。そして、制御装置40は、同一条件で金属板18を曲げ加工する場合は、記憶部に記憶されているデータ(測定された曲率および圧下量)に基づいて、新たな金属板18の曲げ加工に際して初期設定される上ロール12および下ロール14,16の位置を、前記昇降駆動機構20、前後の変位駆動機構22,24を駆動制御して位置決めし得るよう構成されている。
〔実施例1の作用〕
次に、前述のように構成された実施例1のロールベンダー10の作用につき、曲げ加工方法との関係で説明する。
前記金属板18を円筒体に曲げ加工するに際し、対象となる金属板18の厚みや幅寸法等の条件および最終的に与える曲率(目標値)に応じて、前記3本のロール12,14,16の位置調節を行なう。すなわち、前記制御装置40は、前変位駆動機構22および後変位駆動機構24を駆動制御し、両下ロール14,16の軸心間距離を対象となる金属板18の前記加工条件に合わせるように水平移動すると共に、両下ロール14,16の軸心を結んだ線分Kの中央を通り、該線分Kに垂直な基準垂線S1に対して、前記上ロール12の中心軸Oが金属板18の移動方向前側へ偏倚した位置となるように位置決めする(図2参照)。そして、金属板18の先端が前下ロール14上に位置するように該金属板18を両下ロール14,16に載置すると共に、上ロール12を下降して金属板18に軽く当接した状態で、上ロール12と2本の下ロール14,16とを同時に正転駆動させると共に、該上ロール12を金属板18に最終的に与える曲率(目標値)に応じた曲げ位置(スプリングバックを考慮して目標値より小さな曲率を付与し得る位置)まで昇降駆動機構20によって下降させる(圧下量調節)。これにより金属板18は、移動しつつ上ロール12の加圧下に両端部を除く中間部の曲げ加工が漸次進行させられる。
前記曲げ加工の初期において、前記クランプ手段34によるクランプを解除したもとで、前記第1流体圧シリンダ32を付勢して第1の測定手段30を、前下ロール14との接触点F2を通過して該前下ロール14から離間した金属板18における前下ロール14の直近部位の外周面に当接すると共に、前記第2流体圧シリンダ39を付勢して前記第2の測定手段38を、金属板18における前記接触点F1と接触点F2との間に臨む部位の外周面に当接する。第1の測定手段30で測定された曲げ後曲率および第2の測定手段38で測定された曲げ時曲率は、前記制御装置40に入力され、前記上ロール12の圧下量等に関連付けて記憶される。なお、第1の測定手段30を金属板18の外周面に当接した測定位置に臨ませた状態で、前記クランプ手段34によって前記支持部材28が位置決め保持される。また、第1の測定手段30は、前記複数の弾性部材36の弾力によって金属板18の外周面に押し付けられて、該第1の測定手段30が金属板18の外周面に常に当接した状態に保持される。なお、金属板18の第1の測定手段30に対する近接・離間方向の変位に対しては、支持部材28に対して保持部材29が弾性部材36の弾力付勢下に変位することで許容され、第1の測定手段30に過大な負荷が加わって破損等するのは防止される。
前記制御装置40では、曲げ後曲率を、曲げ加工中の金属板18に最終的に与える曲率(目標値)と比較し、曲げ後曲率が目標値となるように、前記昇降駆動機構20を駆動制御して上ロール12を位置調節(圧下量調節)する。すなわち、曲げ後曲率をフィードバックすることで金属板18を精度よく円筒体に曲げ加工することができる。また、上ロール12を前下ロール14に近接配置し、前記接触点F1と接触点F2とを近づけることで、前下ロール14を通過した金属板18に現われる塑性変形域の変化による曲率変動量は小さく抑えられるので、曲げ後曲率のフィードバックによる調節によって金属板18を目標値に迅速に曲げ加工することができる。更に、ロールベンダー10により実際に曲げ加工されている時の金属板18の曲率(曲げ時曲率)を前記第2の測定手段38で測定しているので、該曲げ時曲率によって上ロール12が適正位置に位置決めされているか否かを確認することができ、該曲げ時曲率の値を上ロール12の調節に反映することで、より高精度の曲げ加工が達成される。また、曲げ後曲率と目標値との関係から、前記上ロール12の位置調節のみでなく、前記前後の変位駆動機構22,24を駆動制御して前後の下ロール14,16を水平移動調節し、上ロール12と両下ロール14,16との相対的な位置を調節するようにしてもよい。
前記第1の測定手段30は、図1に示す如く、前記前下ロール14と同軸で該前下ロール14の外側を回転するよう構成してあるので、第1の測定手段30を、前下ロール14から離間した金属板18における前下ロール14の直近部位に当接して曲率を測定することができる。すなわち、塑性変形域の変化による曲率変動量(スプリングバックの変動量)を略リアルタイムで測定してフィードバックすることで圧下量を調節し得るので、より高い精度での曲げ加工が可能となる。
前記金属板18における両端部の曲げ加工については、該金属板18における中間部の曲げ加工中において、両下ロール14,16を左右方向にシフトして行なう。すなわち、図1において金属板18の左側の端部を先端部とし、反対側の端部を後端部として説明すると、該金属板18の中間部の曲げ加工が進行して後端部が後下ロール16の上面まで到来する所要のタイミングで、前記基準垂線S1に対して上ロール12の中心軸Oが後下ロール16側に偏倚した位置となるように両下ロール14,16を左方向に移動すると共に上下のロール12,14,16の駆動を停止する。この状態で、上ロール12を所定量下降して金属板18の後端部を追加的に加圧して更に曲げ加工を施す。次に、上ロール12を元の位置まで上昇すると共に、前記基準垂線S1に対して上ロール12の中心軸Oが前下ロール14側に偏倚した位置となるように両下ロール14,16を右方向に移動する。この状態で上下のロール12,14,16を逆転駆動して、金属板18の先端部が前下ロール14の上面に到来するタイミングで上下のロール12,14,16の駆動を停止する。そして、上ロール12を所定量下降して金属板18の先端部を追加的に加圧して更に曲げ加工を施す。なお、金属板18における両端部の曲げ加工については、中間部を曲げ加工する前工程において予め曲げておくようにしてもよい。すなわち、3つのロール12,14,16を、基準垂線S1に対して上ロール12の中心軸Oが前下ロール14側に偏倚した位置となる配置とすると共に、金属板18の先端部を前下ロール14の上面に位置させたもとで、上下のロール12,14,16の正転駆動と上ロール12の下降とを同時に進行させて先端部を曲げ加工する。次に、金属板18の中間部に曲げ加工を施すことなく、3つのロール12,14,16を、基準垂線S1に対して上ロール12の中心軸Oが後下ロール16側に偏倚した位置となる配置とすると共に、金属板18の後端部を後下ロール16の上面に位置させたもとで、上下のロール12,14,16の逆転駆動と上ロール12の下降とを同時に進行させて後端部を曲げ加工する。そして、先端部と後端部とが曲げ加工された金属板18の中間部を、前述したように基準垂線S1に対して上ロール12の中心軸Oが前下ロール14側に偏倚した位置となるロール配置で曲げ加工すればよい。
実施例1では、両下ロール14,16を夫々独立して水平方向に移動し得るよう構成してあるので、両下ロール14,16の軸心間距離を小さくすることで、上ロール12と前下ロール14とをより近づけることが可能となり、前記接触点F1と接触点F2との離間距離を短かくすることで、前下ロール14を通過した金属板18の塑性変形域の変化による曲率変動量をより小さく抑えることができ、精度のよい曲げ加工を行なうことが可能となる。すなわち、前記測定手段30,38によって測定された曲げ後曲率および曲げ時曲率に基づいて、前記制御装置40が各変位駆動機構22,24を駆動制御し、前記上ロール12の位置を中心軸Oが金属板18の移動方向前側へ偏倚したまま両下ロール14,16の軸心間距離を縮めることで、より精度のよい曲げ加工を行ない得る。
前記制御装置40は、金属板18を円筒体に曲げ加工する際に得られた前記曲げ時曲率および曲げ後曲率のデータを、そのときの上ロール12の圧下量等に関連付けて記憶部に記憶している。従って、次に同じ条件の金属板18を曲げ加工する際には、記憶部に記憶されているデータに基づいて、曲げ加工の初期に前記上ロール12を位置決めするスプリングバックを考慮した曲げ位置(圧下量)を、金属板18に最終的に与える曲率(目標値)に対応する位置に精度よく位置決めし得る。すなわち、金属板18の曲げ加工に際して最初から曲げ後曲率と目標値との差を小さくすることが可能となり、加工精度を高め得る。また、熟練した作業者による試し曲げを省略することができ、作業の時間短縮を図り得る。
(実験による検証1について)
図4は、上ロール12の中心軸Oが基準垂線S1より前下ロール14側に距離120mmだけ偏倚した発明例のロールベンダー10および上ロール12の中心軸Oが基準垂線S1より後下ロール16側に距離120mmだけ偏倚した比較例のロールベンダーを用い、各ロールベンダー10において下ロール14,16を軸心間距離が400mmとなるように配置した状態で、厚み(t)12mm、幅(b)500mm、長さ3000mmの一般構造用鋼(JIS SS400)からなる金属板18を曲げ加工した際の、該金属板18の曲率半径の変化を測定した結果を示すものである。また、発明例および比較例の何れのロールベンダー10においても、実施例1で説明した第1の測定手段30で測定された曲げ後曲率および第2の測定手段38で測定された曲げ時曲率に基づいて、曲率が目標値(1000mm)となるように上ロール12の圧下量を調節した。なお、上ロール12および下ロール14,16については、曲げ加工時に上ロール12に生ずる最大応力が、設計上の安全率を見込んだ設定値(15kgf/mm2)となる直径(ロール径)に設定したものを用いた。
この実験から、比較例では、金属板18と上ロール12との接触点F1と、金属板18と前下ロール14との接触点F2との離間距離L1が長いために曲率半径の変動量(曲率変動量)が大きく、かつ第1の測定手段30で測定された曲げ後曲率に基づく上ロール12の位置調節が短時間で反映されないために目標値に近づけることができなかった。すなわち、比較例では、曲げ始めの変動域において塑性変形の変化量そのものが大きいことと、一度目標値から外れると、曲げ後曲率に基づいて上ロール12を位置調節しても、その位置調節によって金属板18に付与される塑性変形量の変化が直ぐには曲げ後曲率に現われないために、曲げ後曲率に基づく上ロール12の位置調節が間に合わずに目標値に収束させることが困難であった。これに対し、発明例では、金属板18と上ロール12および前下ロール14の接触点F1,F2間の離間距離L1が短かいために曲率半径の変動量(曲率変動量)は小さく抑えられ、かつ第1の測定手段30で測定された曲げ後曲率に基づく上ロール12の位置調節が短時間で反映されて目標値を維持し得ることが検証された。
(実験による検証2について)
図5は、上ロール12の中心軸Oが基準垂線S1に臨むように配置したロールベンダーにおいて、下ロール14,16の軸心間距離を200mmに設定した実験例1と、下ロール14,16の軸心間距離を400mmに設定した実験例2とにおいて、厚み(t)12mm、幅(b)500mm、長さ3000mmの一般構造用鋼(JIS SS400)からなる金属板18を曲げ加工した際の、該金属板18の曲率半径の変化を測定した結果を示すものである。また、両実験例において、第1の測定手段30で測定された曲げ後曲率および第2の測定手段38で測定された曲げ時曲率に基づいて、曲率が目標値(1000mm)となるように上ロール12の圧下量を調節した。なお、上ロール12および下ロール14,16については、曲げ加工時に上ロール12に生ずる最大応力が、設計上の安全率を見込んだ設定値(15kgf/mm2)となる直径(ロール径)に設定したものを用いた。
この実験から、実験例2では、金属板18と上ロール12との接触点F1と、金属板18と前下ロール14との接触点F2との離間距離L1が長いために、加工初期において曲率半径の変動量(曲率変動量)が大きく、かつ第1の測定手段30で測定された曲げ後曲率に基づく上ロール12の位置調節が短時間で反映されないために目標値に収束させるまでに時間が掛かった。これに対し、実験例1では、金属板18と上ロール12および前下ロール14の接触点F1,F2間の離間距離L1が短かいために曲率半径の変動量(曲率変動量)は小さく抑えられ、かつ第1の測定手段30で測定された曲げ後曲率に基づく上ロール12の位置調節が短時間で反映されて目標値を維持し得ることが検証された。すなわち、接触点F1および接触点F2の離間距離L1と、接触点F1および接触点F3の離間距離L2とを同じとした場合でも、下ロール14,16の軸心間距離を短かくすることで、金属板18を精度よく曲げ加工し得ることが分かった。そして、図5に関する検証結果と、前記図4に関する検証結果とを総合すると、下ロール14,16の軸心間距離を短かくし、更に上ロール12の中心軸Oを基準垂線S1より金属板18の移動方向前側へ偏倚させて、金属板18と上ロール12および前下ロール14の接触点F1,F2間の離間距離L1をより短かくすることで、金属板18を最終的に得たい曲率により精度よくかつ効率的に曲げ加工し得るものと判断できる。
(曲げ後曲率を測定する機構の第1別実施例について)
図6は、曲げ後曲率を測定する機構の第1別実施例を示すものであって、前記前下ロール14の外側に、半円弧状に形成された別支持部材(支持部材)44が非接触状態で配置されており、該別支持部材44は、前下ロール14の下方に位置する固定フレーム46に設けた円弧溝46aに、複数の別転動ローラ48を介して回転移動自在に支持されている。固定フレーム46の円弧溝46aは、前下ロール14の軸を中心とする円弧溝であって、該円弧溝46aに支持された別支持部材44は、円弧溝46aに沿って前下ロール14と同軸で前下ロール14の外側を回転移動するよう構成されている。
前記別支持部材44には、第1の測定手段30が配設されると共に、固定フレーム46に配設した第1流体圧シリンダ32のピストンロッドが連結されている。すなわち、第1別実施例では、第1流体圧シリンダ32の付勢によって、別支持部材44が固定フレーム46に対して別転動ローラ48を介して回転することで、第1の測定手段30を、測定位置と退避位置との間で移動し得るよう構成される。従って、第1別実施例においても、第1の測定手段30は前下ロール14と同軸で回転移動するので、第1の測定手段30を、前下ロール14から離間した金属板18における前下ロール14の直近部位に当接することができる。なお、前記実施例1と同様に、別支持部材44に対して移動自在に配設した保持部材に第1の測定手段30を配設すると共に、別支持部材44と保持部材との間に弾性部材36を張設するようにしてもよい。
(曲げ後曲率を測定する機構の第2別実施例について)
図7は、曲げ後曲率を測定する機構の第2別実施例を示すものであって、該第2別実施例では、第1の測定手段としてレーザー計測器等からなる非接触式計測器50が採用されている。この非接触式計測器50は、金属板18の移動方向に離間する3つのレーザー照射部を備えるものであって、各レーザ照射部から金属板18に照射したレーザーが反射する時間差(変位量)によって曲率を測定する公知の計測器が用いられる。
また、前記前下ロール14における軸方向の所定位置に、所定深さの周溝52が形成され、前記非接触式計測器50における最も前下ロール14に近接する位置のレーザー照射部から照射されたレーザーが、周溝52中を通って金属板18の外周面に照射されるよう位置決めしてある。すなわち、前下ロール14に周溝52を形成することで、非接触式計測器50からのレーザーを、前下ロール14から離間した金属板18における前下ロール14の直近部位に照射することができ、より精度の高い曲げ加工に寄与し得る。
図8は、実施例2に係るロールベンダー54を示すものであって、基本的な構成は実施例1と同じであるので、異なる部分についてのみ説明する。上ロール12および2本の下ロール14,16の夫々について、複数本(実施例2では2本)のバックアップロール42が接触するように配置されて、曲げ加工時にロール12,14,16に作用する負荷を対応するバックアップロール42で受けて、該ロール12,14,16が撓むのを防止するよう構成してある。各バックアップロール42は、対応するロール12,14,16の軸方向に延在して、該ロール12,14,16の金属板18との接触側とは反対側において、少なくともロール12,14,16が金属板18に接触する領域の全体に亘って対応するロール12,14,16に接触するよう構成される。
ここで、ロールベンダーにおいて、各ロール12,14,16のロール径は、曲げ加工時に各ロールに生ずる最大応力が、設計上の安全率を見込んだ設定値(例えば、15kgf/mm2)となるように設定される。実施例2のようにバックアップロール42を備えるロールベンダー54においては、各ロール12,14,16のロール径(特定ロール径D)を、バックアップロール42を備えないロールベンダーにおいて最大応力の設定値に基づいて設定される各ロール12,14,16のロール径(標準ロール径D0)より小径に設定してある。そして、各ロール12,14,16のロール径を小径とすることで、金属板18を曲げ加工する際の各ロール12,14,16の配置を相互に近接すことができ、金属板18と上ロール12の接触点F1と、金属板18と前下ロール14の接触点F2との離間距離L1を小さくして、金属板18を精度よく曲げ加工し得るようになっている。
次に、バックアップロール42を備えるロールベンダー54において、各ロール12,14,16で設定可能な特定ロール径Dについて説明する。バックアップロール42を備えないロールベンダーでは、曲げ加工時に上ロール12に生ずる後述する式(7)から算出される最大応力σumax1が、設計上の安全率を見込んだ設定値(kgf/mm2)となるように上ロール12の直径(標準ロール径D0)が設定される。これに対し、実施例2のようにバックアップロール42を備えたロールベンダー54では、曲げ加工時に上ロール12に生ずる後述する式(9)から算出される最大応力σumax2が、設計上の安全率を見込んだ設定値となるように上ロール12の直径(特定ロール径D)が設定される。そして、特定ロール径Dを標準ロール径D0に対して2/3以下に設定した場合においても、式(7)から算出される最大応力σumax1と式(9)から算出される最大応力σumax2とが略同じとなる。すなわち、バックアップロール42を備えたロールベンダー54の場合は、各ロール12,14,16の特定ロール径Dを、標準ロール径D0の2/3以下としても、各ロール12,14,16を標準ロール径D0に設定したバックアップロール42を備えていないロールベンダー54と同等の能力を有する。このことから、バックアップロール42を備えたロールベンダー54では、各ロール12,14,16の特定ロール径Dを、標準ロール径D0の2/3以下に設定することができる。
なお、ロール径を設計する際に用いられる最大応力σumax1,σumax2の設定値は、18kgf/mm2(176N/mm2)〜13kgf/mm2(127N/mm2)の範囲がよく、15kgf/mm2(147N/mm2)がより好ましい。また、バックアップロール42を備えるロールベンダー54において、上ロール12の特定ロール径Dに関しては、標準ロール径D0の2/3以下の小径であればよいが、小さくなり過ぎると強度不足となるので、標準ロール径D0の2/3〜1/2(D0/2≦D≦D0・2/3)の範囲で設定するのが好ましい。
〔特定ロール径について〕
次に、各ロール12,14,16の特定ロール径Dを求める具体的な方法について、上ロール12の特定ロール径Dを求める場合を挙げて説明する。
1本の上ロール12および2本の下ロール14,16からなる3本ロール方式のロールベンダーにおいて、金属板18を曲げ加工する際に必要となる力P(kgf/mm2)は、下記の数1に示す式(1)で表わされる。
Figure 0006041632
r:巻き半径(金属板18から得ようとする円筒体の曲率半径)
b:金属板18の幅
t:金属板18の厚み
δy:金属板18の降伏応力(kgf/mm2)
L:金属板18と両下ロール14,16との接触点F2,F3間のピッチ(図8のL1+L2)
c:2r/tで特定の値が定まる補正係数であるが、ここではc=1とした。
また、金属板18の曲げ加工時において上ロール12に生ずる応力は、両持ち梁に作用する最大曲げモーメントの公式から求められる。すなわち、図9に示す如く、梁を上ロール12と見なした場合の両支点E1,E2間の支点間距離l,梁(上ロール12)に荷重を加える荷重領域の幅(金属板18の幅)l1、梁(上ロール12)の荷重を加えていない非荷重領域の幅l2,l3、一方の支点E1から荷重領域l1の中間までの距離hとすると、各支点E1,E2での反力R1,R2、荷重領域l1の中間に作用する曲げモーメントMhおよび梁(上ロール12)に作用する最大曲げモーメントMmaxの夫々は、下記の数2に示す式(2),(3),(4),(5)で表わされる。なお、l2≦h≦(l2+l1)およびh=l2+{l1/l(l3+l1/2)}の条件とした。
Figure 0006041632
そして、バックアップロール42を用いない3本ロール方式のロールベンダーに、前記式(5)を当てはめ、図10に示す如く、A:上ロール12における支点間距離、b:金属板18の幅、q:金属板18の幅に対応した領域における上ロール12に働く単位荷重(kgf/mm2)とした場合に、l1=b、l2=l3=(A−b)/2、l=Aを代入すると、バックアップロール42を用いない3本ロール方式のロールベンダーにおける上ロール12に生ずる最大モーメントMmax1は、下記の数3の式(6)で表わされる。
Figure 0006041632
前記式(6)から、バックアップロール42を用いない3本ロール方式のロールベンダーにおける上ロール12に生ずる最大応力δumax1は、最大モーメントMmax1を上ロール12の断面係数Z=πD0 3/32(D0:上ロール12の直径(標準ロール径))で割ることで、下記の数4の式(7)で表わされる。
Figure 0006041632
これに対し、バックアップロール42を配設した3本ロール方式のロールベンダー54では、バックアップロール42が上ロール12に対して軸方向に偏倚することなく中央部に当接する前提において、上ロール12は、軸方向の中央部でバックアップロール42で支持されていると見なすことができる。従って、バックアップロール42を用いる場は、バックアップロール42を用いない場合に対して、図9における支点間距離l,荷重領域の幅l1を夫々1/2の値と見なすことができると共に、支点間距離lの中央部を挟んで左右対称となることから、非荷重領域の幅l3を0と見なすことができる。このことから、図10に示す緒元から、l1=b/2、l2=(A−b)/2、l3=0、l=A/2を式(5)に代入すると、バックアップロール42を配設した3本ロール方式のロールベンダー54における上ロール12に生ずる最大モーメントMmax2は、下記の数5の式(8)で表わされる。
Figure 0006041632
また、バックアップロール42を配設した3本ロール方式のロールベンダー54では、前記式(8)から、上ロール12に生ずる最大応力δumax2は、最大モーメントMmax2を上ロール12の断面係数Z=πD3/32(D:上ロール12の直径(特定ロール径))で割ることで、下記の数6の式(9)で表わされる。なお、金属板18を曲げ加工する際に必要となる力Pを集中荷重と見なすと、単位荷重qは、q=P/bで表わされる。
Figure 0006041632
すなわち、バックアップロール42を用いるロールベンダー54において、上ロール12の特定ロール径Dは、前記式(1),(9)およびq=P/bの関係を用いて求めることができる。また、各下ロール14,16の特定ロール径Dの求め方については、上ロール12の場合と同様であって、前記式(1),(9)およびq=P/bの関係から求めることができる。但し、下ロール14,16の場合は2本で金属板18を支える構成であるから、式(1),(9)およびq=P/bの関係から求めた値の略1/2とすることができる。なお、バックアップロール42を用いないロールベンダーにおいて、上ロール12および下ロール14,16の標準ロール径D0は、前記式(1),(7)およびq=P/bの関係を用いて求めることができる。
前記各ロール12,14,16のロール径(特別ロール径D)を標準ロール径D0より小径に設定した実施例2のロールベンダー54は、実施例1と同様に、上ロール12は、昇降駆動機構20によって上下方向に位置調節自在に構成されると共に、各下ロール14,16は、前変位駆動機構22または後変位駆動機構24によって対応するバックアップロール42と共に金属板18の移動方向の前後に夫々独立して位置調節自在に構成され、上ロール12と両下ロール14,16との相対的な位置を、上下方向および金属板18の移動方向前後に調節し得るようになっている。また実施例2では、上ロール12は実施例1と同様に、前記2本の下ロール14,16の軸心を結んだ前記線分Kの中央を通り、該線分Kに垂直な基準垂線S1に対して、該上ロール12の中心軸Oが金属板18の移動方向前側へ偏倚した位置に配置され、この状態で金属板18における両端部を除く中間部の曲げ加工を行なうよう構成される。そして、実施例2では、制御装置40に接続された第1の測定手段30で測定された曲げ後曲率と、該制御装置40に接続された第2の測定手段38で測定された曲げ時曲率とに基づいて、制御装置40が前記昇降駆動機構20、前後の変位駆動機構22,24を夫々フィードバック制御して、上ロール12と両下ロール14,16との相対的な位置を調節し得るよう構成される。
また実施例2のロールベンダー54は、標準ロール径D0に設定された上ロール12および下ロール14,16を用いる場合に対し、特定ロール径Dを小さくした分だけ各ロール12,14,16を相互に近接させた配置で、金属板18の曲げ加工を行なうよう構成される。すなわち、金属板18と上ロール12の接触点F1と、該金属板18と前下ロール14の接触点F2との離間距離L1は、標準ロール径D0のロール12,14,16を用いる場合より、特定ロール径Dを小さくした分だけ短かく設定される。
〔実施例2の作用〕
次に、前述のように構成された実施例2のロールベンダー54の作用につき、曲げ加工方法との関係で説明する。
前記金属板18を円筒体に曲げ加工するに際し、加工する対象となる金属板18の厚みや幅寸法等の条件および最終的に与える曲率(目標値)に応じて、前記3本のロール12,14,16の位置調節を行なう。すなわち、前記制御装置40は、前変位駆動機構22および後変位駆動機構24を駆動制御し、両下ロール14,16の軸心間距離を、加工する金属板18の厚み、幅寸法および最終的に与える曲率(目標値)等の加工条件に合わせるように水平移動すると共に、両下ロール14,16の軸心を結んだ線分Kの中央を通り、該線分Kに垂直な基準垂線S1に対して、前記上ロール12の中心軸Oが金属板18の移動方向前側へ偏倚した位置となるように位置決めする(図8参照)。そして、金属板18の先端が前下ロール14上に位置するように該金属板18を両下ロール14,16に載置すると共に、上ロール12を下降して金属板18に軽く当接した状態で、上ロール12と2本の下ロール14,16とを同時に正転駆動させると共に、金属板18に最終的に与える曲率(目標値)に応じた曲げ位置(スプリングバックを考慮して目標値より小さな曲率を付与し得る位置)まで上ロール12を昇降駆動機構20によって下降させる(圧下量調節)。これにより金属板18は、移動しつつ上ロール12の加圧下に両端部を除く中間部の曲げ加工が漸次進行させられる。
前記曲げ加工に際し、前下ロール14との接触点F2を通過した金属板18における前下ロール14の直近部位の外周面に、前記第1の測定手段30を当接すると共に、金属板18における上ロール12との接触点F1および前下ロール14との接触点F2の間に臨む部位の外周面に、前記第2の測定手段38を当接する。第1の測定手段30で測定された曲げ後曲率および第2の測定手段38で測定された曲げ時曲率は、前記制御装置40に入力され、前記上ロール12の圧下量等の各種加工条件と関連付けて記憶される。
前記制御装置40では、曲げ後曲率を、曲げ加工中の金属板18に最終的に与える曲率(目標値)と比較し、曲げ後曲率が目標値となるように、前記昇降駆動機構20を駆動制御して上ロール12を位置調節(圧下量調節)する。すなわち、曲げ後曲率をフィードバックすることで金属板18を精度よく円筒体に曲げ加工することができる。また、上下の各ロール12,14,16は、標準ロール径D0より小径(特定ロール径D)に設定されて、前記金属板18に対する接触点F1,F2間の離間距離L1は、標準ロール径D0のロールを用いる場合より短かく設定されるので、前下ロール14を通過した金属板18に現われる塑性変形域の変化による曲率変動量は小さく抑えられ、曲げ後曲率のフィードバックによる調節によって金属板18を目標値に迅速に曲げ加工することができる。更に、ロールベンダー54により実際に曲げ加工されている時の金属板18の曲率(曲げ時曲率)を前記第2の測定手段38で測定しているので、該曲げ時曲率によって上ロール12が適正位置に位置めされているか否かを確認することができ、該曲げ時曲率の値を上ロール12の調節に反映することで、より高精度の曲げ加工が達成される。
実施例2では、各ロール12,14,16の特定ロール径Dが標準ロール径D0より小さく、かつ両下ロール14,16を夫々独立して水平方向に移動し得るよう構成してあるので、両下ロール14,16の軸心間距離を短かくすることで、上ロール12と前下ロール14とをより近づけることが可能となり、該前下ロール14を通過した金属板18の塑性変形域の変化による曲率変動量をより小さく抑えることができ、精度のよい曲げ加工を行なうことが可能となる。すなわち、図5に関する実験の検証2から明らかなように、ロールベンダー54では、金属板18と下ロール14,16との接触点F1,F3の離間距離(L1+L2)を短かくすることで、金属板18の加工精度を向上し得るので、バックアップロール42を用いて各ロール12,14,16の特定ロール径Dを、標準ロール径D0より小さくして接触点F1,F3の離間距離を小さくすることで、金属板18を精度よく曲げ加工し得るものである。また、前記測定手段30,38によって測定された曲げ後曲率および曲げ時曲率に基づいて、前記制御装置40が各変位駆動機構22,24を駆動制御し、前記上ロール12の位置を中心軸Oが金属板18の移動方向前側へ偏倚したまま両下ロール14,16の軸心間距離を縮めることで、より精度のよい曲げ加工を行ない得る。
実施例2においても、実施例1と同様に、制御装置40の記憶部に記憶しているデータに基づいて、次に同じ条件の金属板18を曲げ加工する際の上ロール12の位置決めを精度よく行なうことができ、実施例1と同様の作用効果を奏する。なお、実施例2において、測定手段30,38は、前記第1別実施例または第2別実施例の構成を採用可能である。また、実施例2のロールベンダー54による金属板18の両端部の曲げ加工については、実施例1で説明したと同様の工程によって行ない得る。
(特定ロール径および標準ロール径と、曲率半径/厚みおよび最大応力との関係の検証について)
次に、前記式(1),(7),(9)およびq=P/bの関係を用いて、バックアップロール42を用いないロールベンダーにおいて各ロール12,14,16の標準ロール径D0を600mmに設定した検証例1の場合と、バックアップロール42を用いるロールベンダー54において各ロール12,14,16の特定ロール径Dを200mm,270mm,300mm,400mmに設定した検証例2の場合とにおいて、曲げ加工する金属板18の厚みtを12mm〜70mmまで変化させた場合の曲率半径/厚みと最大応力との関係を図11に示す。なお、以下の条件は、各検証例において一定とした。
・上ロール12および両下ロール14,16の各支点間距離Aは4000mm
・上ロール12のロール径と両下ロール14,16のロール径は同じ
・下ロール14,16の軸間距離は、下ロール14,16のロール径の2倍
・金属板18の幅bは2000mm
・金属板18の降伏応力σyは26.5kgf/mm2(260N/mm2)
・金属板18を曲げ加工して得る円筒体の曲率半径(巻き半径)rは1000mm
また、3本のロール12,14,16の位置に関しては、上ロール12の中心軸Oが基準垂線S1に臨むように配置したものとした。更に、バックアップロール42は、両支点間の中央に配置したものとした。なお、式(1)におけるLについては、上記条件における上下のロール12,14,16のロール径、下ロール14,16の軸間距離、金属板18を曲げ加工して得る円筒体の曲率半径rおよび金属板18の厚みtから求められる。
図11では、検証例1を実線、検証例2を点線で示している。図11に示す如く、金属板18の厚みtを変化させた場合において、バックアップロール42を用いることで、上ロール12および下ロール14,16の特定ロール径Dを、バックアップロール42を用いない場合の上ロール12および下ロール14,16の標準ロール径D0の2/3としても、同等の能力を有することが検証された(D:400mmとD0:600mmとの比較)。なお、ロール径を設計する際の最大応力の設定値である15kgf/mm2を目安とした場合、特定ロール径Dを標準ロール径D0の1/2より小さくしても実用に供し得るが、曲率半径/厚みとの関係で適用し得る範囲が狭くなる。すなわち、バックアップロール42を用いるロールベンダー54において、各ロール12,14,16の特定ロール径Dとして設定し得る実用的な範囲は、D0/2≦D≦D0・2/3であることが検証された。
ここで、前記式(1),(7),(9)およびq=P/bの関係を用いた検証は、上ロール12の中心軸Oが基準垂線S1に臨むように3本のロール12,14,16を配置したものとしたが、上ロール12の中心軸Oが金属板18の移動方向前側へ偏倚するように3本のロール12,14,16を配置した構成においても、同様の結果が得られると判断される。
〔変更例〕
本願は前述した実施例の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1.実施例1,2では、両下ロールを夫々独立して水平方向に移動するよう構成したが、両下ロールを一定の軸心間距離に保持したもとで一体的に水平方向に移動する構成を採用し得る。
2.実施例1,2では、両下ロールを水平移動することで、上ロールを、中心軸が基準垂線より前下ロール側に偏倚する位置に臨ませるよう構成したが、上ロール自体を水平方向に移動し得るよう構成して、該上ロール自体を水平方向に移動して中心軸が基準垂線より前下ロール側に偏倚する位置に臨むようにしてもよい。
3.実施例1において、実施例2で採用する特定ロール径(標準ロール径より小径)の上ロールおよび下ロールを用いる構成を採用し得る。
4.実施例1,2では、測定手段によって測定した曲げ後曲率および曲げ時曲率に基づいて上ロールを上下方向に位置調節したが、上ロールの位置を固定として下ロールの水平方向の位置調節によって金属板と各ロールとの接触点F1,F2の位置を変えることで、曲率を調節するようにしてもよい。また、上ロールの上下位置の調節と、下ロールの水平方向の調節とを組み合わせて金属板に与える曲率を調節するようにしてもよい。すなわち、上ロールと両下ロールとの相対的な位置を調節することで、金属板に与える曲率を調節し得るようになっていればよい。
5.実施例1,2では、上ロールを上下方向に位置調節自在に構成すると共に、下ロールを金属板の移動方向の前後に位置調節自在に構成した場合で説明したが、上ロールを金属板の移動方向の前後に位置調節自在に構成すると共に、下ロールを上下方向に位置調節自在に構成してもよい。
6.実施例1,2では、1本の上ロールと2本の下ロールとから構成された3本ロール方式のロールベンダーを挙げたが、下ロールを3本以上備えたロールベンダーであってもよい。すなわち、下ロールを3本以上備えたロールベンダーであっても、金属板の特定箇所に曲げ加工する際に寄与するロールは3本であって、少なくとも1本の上ロールと2本の下ロールを備える構成であれば、本願発明を採用可能である。
7.実施例1,2では、第2の測定手段として接触式の測定手段を挙げたが、非接触の測定手段を採用可能である。
8.第1の測定手段および第2の測定手段を測定位置と退避位置との間を移動する作動手段は、実施例の流体圧シリンダに限定されるものでなく、モータとリンク機構とを組合わせた手段等、各種の手段を用いることができる。
9.曲げ後曲率を測定する機構の第2別実施例では、第1の測定手段として非接触式測定器を用いた場合で説明したが、一対の固定片と可動プローブを用いる接触式の測定手段を用いることができ、該測定手段の一部が周溝中を移動するように測定手段を配置すれば、前下ロールから離間した金属板における前下ロール14の直近部位の曲率を測定することができる。
10.実施例1,2では、金属板の曲げ時曲率と曲げ後曲率とを測定する2つの測定手段を備える場合で説明したが、少なくとも曲げ後曲率を測定する第1の測定手段を備える構成であればよい。
11.実施例2では、上ロールおよび下ロールにおける金属板と接触する範囲に対応する領域の全体に亘って連続的に接触するバックアップロールを採用した場合で説明したが、短尺な複数のバックアップロールを軸方向に離間して並べることで、上ロールおよび下ロールにおける金属板と接触する範囲に対応する領域において軸方向に不連続で接触する構成を採用し得る。
12 上ロール,14 前下ロール(下ロール),16 後下ロール(下ロール)
18 金属板,20 昇降駆動機構(調節手段),22 前変位駆動機構(調節手段)
24 後変位駆動機構(調節手段),28 支持部材,30 第1の測定手段(測定手段)
32 第1流体圧シリンダ(作動手段),38 第2の測定手段,40 制御装置
42 バックアップロール,50 非接触式測定器(第1の測定手段),52 周溝
K 線分,O 上ロールの中心軸,F1 金属板の上ロールとの接触点
2 金属板の前下ロールとの接触点,S1 基準垂線

Claims (8)

  1. 金属板(18)の移動方向の前後に離間する2本の下ロール(14,16)と、両下ロール(14,16)間の上方に位置する上ロール(12)とを備え、これら上ロール(12)と2本の下ロール(14,16)との間を通過する金属板(18)における両端部を除く中間部分を、3本のロール(12,14,16)で加圧して曲げを付与する曲げ加工方法において、
    前記2本の下ロール(14,16)の軸心を結んだ線分(K)の中央を通り、該線分(K)に垂直な基準垂線(S1)に対して上ロール(12)の中心軸(O)を金属板(18)の移動方向前側へ偏倚させた状態で、これら上ロール(12)と2本の下ロール(14,16)との間に金属板(18)を通過して曲げ加工を行ない、
    前記上ロール(12)に対して金属板(18)の移動方向前側に位置する前側の下ロール(14)との接触点(F2)を通過した金属板(18)の曲率を測定手段(30,50)で測定し、該測定手段(30,50)での測定値が予め設定された目標値となるように、上ロール(12)と両下ロール(14,16)との相対的な位置を上下方向または金属板(18)の移動方向前後に調節するようにし
    前記金属板(18)の前記上ロール(12)に対する接触点(F 1 )と、該金属板(18)の前記前側の下ロール(14)に対する接触点(F 2 )との間に臨む金属板(18)の曲率を第2の測定手段(38)で測定し、該第2の測定手段(38)での測定値と、前記測定手段(30,50)での測定値とに基づいて、前記上ロール(12)と両下ロール(14,16)との相対的な位置を調節するようにした
    ことを特徴とする金属板の曲げ加工方法。
  2. 前記上ロール(12)および下ロール(14,16)に作用する負荷をバックアップロール(42)で受ける状態で、これら上ロール(12)と2本の下ロール(14,16)との間に金属板(18)を通過して曲げ加工を行なうようにした請求項1記載の金属板の曲げ加工方法。
  3. 前記金属板(18)の曲げ加工に際して測定した曲率を、前記上ロール(12)と両下ロール(14,16)とによる圧下量と関連付けて制御装置(40)に記憶し、この記憶データに基づいて次回以降の金属板(18)の曲げ加工に際して上ロール(12)と両下ロール(14,16)との相対的な位置調節を行なうようにした請求項1または2に記載の金属板の曲げ加工方法。
  4. 金属板(18)の移動方向の前後に離間する2本の下ロール(14,16)と、両下ロール(14,16)間の上方に位置する上ロール(12)とを備え、これら上ロール(12)と2本の下ロール(14,16)との間を通過する金属板(18)における両端部を除く中間部を、3本のロール(12,14,16)で加圧して曲げを付与する曲げ加工装置において、
    前記上ロール(12)は、前記2本の下ロール(14,16)の軸心を結んだ線分(K)の中央を通り、該線分(K)と垂直な基準垂線(S1)に対して該上ロール(12)の中心軸(O)が金属板(18)の移動方向前側へ偏倚して配置され、
    前記上ロール(12)と両下ロール(14,16)とは、上下方向または金属板(18)の移動方向前後に相対的に移動自在に構成され、
    前記上ロール(12)と両下ロール(14,16)との相対的な位置を調節する調節手段(20,22,24)と、
    前記上ロール(12)に対して金属板(18)の移動方向前側に位置する前側の下ロール(14)との接触点(F2)を通過した金属板(18)の曲率を測定する測定手段(30,50)と、
    前記測定手段(30,50)での測定値に基づいて前記調節手段(20,22,24)を制御して、前記上ロール(12)と両下ロール(14,16)との相対的な位置を調節する制御装置(40)とを備え
    前記金属板(18)の前記上ロール(12)に対する接触点(F 1 )と、該金属板(18)の前記前側の下ロール(14)に対する接触点(F 2 )との間に臨む金属板(18)の曲率を測定する第2の測定手段(38)を備え、前記制御装置(40)は、第2の測定手段(38)での測定値と、前記測定手段(30,50)での測定値とに基づいて、前記調節手段(20,22,24)を制御して上ロール(12)と両下ロール(14,16)との相対的な位置を調節するよう構成した
    ことを特徴とする金属板の曲げ加工装置。
  5. 前記上ロール(12)および下ロール(14,16)に作用する負荷を受けるバックアップロール(42)を備えた請求項記載の金属板の曲げ加工装置。
  6. 前記2本の下ロール(14,16)を相対的に近接・離間移動自在に構成した請求項4または5に記載の金属板の曲げ加工装置。
  7. 前記前側の下ロール(14)の中心軸と同軸で該前側の下ロール(14)の外周に沿って相対的に回転可能で、前記測定手段(30)が配設された支持部材(28)と、
    前記支持部材(28)を、前記測定手段(30)が金属板(18)に当接する測定位置と金属板(18)から離間する退避位置とに移動する作動手段(32)と備えた請求項の何れか一項に記載の金属板の曲げ加工装置。
  8. 前記前側の下ロール(14)に周溝(52)が形成され、接触式または非接触式の前記測定手段(30,50)は、前記周溝(52)を介して金属板(18)の曲率を測定可能に構成した請求項の何れか一項に記載の金属板の曲げ加工装置。
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