JP2735087B2 - 自走式歪矯正装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自走式歪矯正装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】溶接により発生する「やせ馬歪（図４参
照）」の矯正は大きくわけて、１）加熱によるもの、
２）油圧による冷間矯正によるもの、の２つの方法があ
る。従来、２）の油圧による冷間矯正方法は、図３に示
す如く矯正装置Ａは固定されており、ワ−クＷを移動さ
せることにより歪を矯正する方式のため、最低でもワ−
クの長さの２倍程度の矯正ラインが必要であり、矯正ラ
インが長くなっていた。また、後工程でワ−クを横方向
に板継溶接する場合には、矯正後にワ−クを９０°回転
させて横向きにしていたため、ワ−クを９０°回転させ
るためのスペ−スが必要であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明はワ−クの油圧
冷間矯正方法を改良し、矯正に要するラインの短縮化と
矯正後の工程におけるスペ−スの縮小化及び簡素化を目
的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】歪矯正対象のワ−クの長
さに対応して複数個設けられた昇降可能なリフトロ−ラ
と、該リフトロ−ラに沿って配設されたレ−ルと、該レ
−ル上を走行可能に設けられ、矯正用加圧ロ−ラと受圧
ロ−ラとを備えた矯正ヘッドを有する歪矯正装置とから
なり、該歪矯正装置の走行に応じて前記リフトロ−ラが
順次昇降するようにした。又歪矯正装置の走行方向と直
行する方向にワ−クを搬入・出するコンベヤを設けた。

【０００５】

【実施例】本発明はこれを簡単に説明すると、図２に示
す如く、従来と逆に、搬入されたワ−クＷを固定してお
き、歪矯正装置１を移動させる方式とし、次の板継溶接
の段階に至る場合にもワ−クＷを９０°回転させる必要
をなくしたものである。以下図１に基いて詳細に説明す
る。歪矯正装置１は歪矯正用加圧ロ−ラ２と受圧ロ−ラ
３（図１(ｂ)参照）から構成される。このような矯正ヘ
ッド４を２台有しており、ワ−クＷを跨ぐ形で溶接によ
る歪を矯正しながら走行レ−ル５上を走行する。その
際、ワ−クＷを受けているリフトロ−ラ６は歪矯正装置
１の走行に応じて図１の矢印ａの如く昇降用リフト（図
示しない）によって下降・上昇を行うことができる。リ
フトロ−ラ６は歪矯正装置１の走行方向に複数個設置さ
れ、個々に昇降装置を備えている。そして歪矯正装置１
が走行すると、それに応じ自動的にリフトロ−ラ６が順
次昇降するようになっている。ワ−クＷの溶接歪の矯正
は図１(ｂ)に示す如く加圧ロ−ラ２と受圧ロ−ラ３間に
ワ−クＷを挟み、圧力を加えて矯正する。

【０００６】

【作動】

１）まず歪矯正装置１は退避位置（図１(ａ)の左端）に
いる。 ２）リフトロ−ラ６は全て昇降用リフトによって上昇し
ている。 ３）ワ−クＷが搬入コンベヤにて搬入される。 ４）歪矯正装置１をワ−クＷの端にワ−クＷを跨ぐ形で
セットする。ワ−クＷの形状により矯正用加圧ロ−ラ２
の圧力を設定する。 ５）歪矯正装置１がレ−ル５上で走行を開始する。 ６）歪矯正装置１が第１のリフトロ−ラ６の前に行く
と、第１のリフトロ−ラ６は自動的に下降し、第１のリ
フトロ−ラ６の位置を過ぎると、再び次のリフトロ−ラ
６が上昇してワ−クＷを受ける。リフトロ−ラ６は複数
台（例えば５台）設置されており、順次上記の動作をく
り返す。 ７）矯正が完了したならば、図１の矢印ｂ方向即ち歪矯
正装置１の走行方向と直交する方向に搬出コンベヤによ
りワ−クＷは搬出される。

【０００７】

【効果】

１）ワ−クＷが固定で、歪矯正装置が移動するので、本
作業に要するスペ−スが小さくて済む。 ２）後工程の板継溶接区画へワ−クＷを搬送する場合に
も、ワ−クＷを９０°振る事無く、直接搬出コンベヤに
より送り出す事が可能であるから、作業工程が簡素化さ
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】(ａ)は本発明に関る歪矯正装置の斜視図、(ｂ)
は矯正用ロ−ラとワ−クの関係を示す図。

【図２】本発明に関る歪矯正装置の動きを示す図。

【図３】従来の歪矯正装置の動きを示す図。

【図４】やせ馬型の一例を示す図。

【符号の説明】

Ｗ ワ−ク １ 歪矯正装置 ２ 加圧ロ−ラ ３ 受圧ロ−ラ ４ 矯正ヘッド ５ 走行レ−ル ６ リフトロ−ラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥海 憲彦 神奈川県横須賀市夏島町19番地 住友重 機械工業株式会社 追浜造船所内 (56)参考文献 特開 昭62−124027（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−63853（ＪＰ，Ａ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 歪矯正対象のワ−クの長さに対応して複
   数個設けられた昇降可能なリフトロ−ラと、該リフトロ
   −ラに沿って配設されたレ−ルと、該レ−ル上を走行可
   能に設けられ、矯正用加工ロ−ラと受圧ロ−ラとを備え
   た矯正ヘッドを有する歪矯正装置とからなり、該歪矯正
   装置の走行に応じて前記リフトロ−ラが順次昇降するよ
   うにしたことを特徴とする自走式歪矯正装置。
2. 【請求項２】 歪矯正装置の走行方向と直行する方向に
   ワ−クを搬入・出するコンベヤを設けたことを特徴とす
   る請求項１の自走式歪矯正装置。