JPH10215580A - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JPH10215580A
JPH10215580A JP9213408A JP21340897A JPH10215580A JP H10215580 A JPH10215580 A JP H10215580A JP 9213408 A JP9213408 A JP 9213408A JP 21340897 A JP21340897 A JP 21340897A JP H10215580 A JPH10215580 A JP H10215580A
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capacitor
power supply
resonance
circuit
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Tsutomu Shiomi
務 塩見
Nariyuki Yamauchi
得志 山内
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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    • H05B41/14Circuit arrangements
    • H05B41/26Circuit arrangements in which the lamp is fed by power derived from dc by means of a converter, e.g. by high-voltage dc
    • H05B41/28Circuit arrangements in which the lamp is fed by power derived from dc by means of a converter, e.g. by high-voltage dc using static converters
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    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y10S315/02High frequency starting operation for fluorescent lamp

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  • Rectifiers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品耐量を低減し、装置の小型化、低価格化
を実現し、かつ、力率補正機能を有する電源装置を提供
する。 【解決手段】 交流電源ACからの入力を整流する整流
素子DBと、整流素子DBの出力を直流平滑する平滑コ
ンデンサCeと、平滑コンデンサCeの電圧を受けて高周
波電圧および高周波電流を発生するスイッチング素子と
を含む電力変換回路を備えた電源装置であって、電力変
換回路において、スイッチング素子の開閉により回路内
に発生する高周波電流ループの1つを用いて交流電源か
ら入力電流を取り込む電流源型チャージポンプ5と、ス
イッチング素子の開閉により回路内に発生する高周波電
圧ノードの1つを用いて交流電源から入力電流を取り込
む電圧源型チャージポンプ3とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、商用電源から負荷
に適切な電力を供給する電力変換装置に関し、特に、メ
タルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ等の高輝度
放電灯や蛍光灯等の、いわゆる放電灯の点灯装置に好適
な電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスイッチング素子を用いた電力変
換装置において、入力電流の高調波歪みを低減し、か
つ、入力を高力率にするために、商用交流電源を全波整
流し、昇圧型チョッパ回路で入力電流波形を商用交流電
源に略比例した波形としながら、直流電圧を発生する回
路(以下、「前置変換回路」と称す。)を主変換回路の
前段に付加したものがある。このような電力変換装置で
は、前置変換回路からの直流電圧を入力とし、主変換回
路で負荷へ所望の電力を供給する。例えば、蛍光灯の高
周波点灯装置において、昇圧型チョッパ回路とインバー
タ回路とから構成されるものがある。
【0003】しかしながら、このような電力変換装置で
は、入力電流高調波を低減させるために付加した前置変
換回路(昇圧チョッパ回路)の部品点数が多いため、結
果的に装置の大型化、高コスト化を招く。
【0004】そこで、これまでの昇圧型チョッパ回路と
インバータ回路の構成に比べ、部品点数を低減するとと
もに低コスト化を図ることができる回路が従来よりいく
つか提案されている。以下にそれらの従来例について説
明する。
【0005】<従来例1>本従来例の回路は特開平4−
193067号公報に開示されたものである。図95に
その回路図を示す。また、本回路における力率改善機能
部を取り出した等価回路を図96に示す。ここでは、下
記の条件に基づいてこの等価回路を構成した; ・全波整流器DBにて全波整流後の電圧源を商用電源A
Cの瞬時値Vgとした。 ・平滑コンデンサCeを安定した直流電圧源Vdcとみな
した。 ・入力歪み改善用の帰還電圧源(図95では負荷LDの
両端電圧)を略一定振幅Vpの高周波電圧源Vaとした。
【0006】以下に、高周波電圧源Vaの高周波振幅1
サイクルにおける4つのパワーステージ(モード)にお
ける電力変換回路の動作について図97を用いて説明す
る。ここで、図97の(a)〜(d)は各パワーステー
ジ1〜4における電力変換回路の等価回路を示してい
る。図97の(e)は各電圧源Va、Vbの電圧、コンデ
ンサCinの電圧Vcおよび電流Icの波形の変化を示した
ものである。また、図97の(e)の領域(A)〜
(D)は図97の(a)〜(d)にそれぞれ対応してい
る。なお、本明細書中では、説明の便宜上、電圧源の電
圧値の表記は電圧源の符号と同一のものを使用する。
【0007】(a)パワーステージ1 このときの等価回路は図97の(a)となる。図97の
(e)の領域(A)において、高周波電圧源Vaの振幅
は最大値Vpとなったところから徐々に減少してゆく。
この間、ダイオードD1およびダイオードD2はオフし
た状態にあり、コンデンサCinは浮遊状態となり、コン
デンサCinの両端電圧Vcは電圧値Vdcから電圧値Vpを
差し引いた値を保つ。このときのコンデンサCinの両端
電圧Vcは高周波電圧源Vaの高周波振幅1サイクルにお
ける最小値Vcminを示す。高周波電圧源Vaが減少し、
コンデンサCinとダイオードD1およびダイオードD2
の接続点の電位が入力電位Vgと等しくなる時、すなわ
ちVg=Va+Vcminとなるまでこのステージが継続す
る。
【0008】(b)パワーステージ2 このときの等価回路は図97の(b)となる。図97の
(e)の領域(B)において、高周波電圧源Vaの電圧
Vaが減少し、コンデンサCinとダイオードD1とダイ
オードD2との接続点の電圧Vbが入力電圧Vgと等しく
なる(Va+Vcmin=Vg)とダイオードD1がオンし、入
力電源電圧源VgよりダイオードD1を介してCinを充電す
る電流が流れる。入力電源電圧源は充分にインピーダン
スが小さいので電圧Vbは入力電圧値のまま一定を保
つ。高周波電圧源Vaの振幅が減少するに従い、コンデ
ンサCinの両端電位は上昇する。高周波電圧源Vaの振
幅が最小値を迎えたところでダイオードD1はオフし、
コンデンサCinの両端電圧は最大値Vcmaxとなる。
【0009】(c)パワーステージ3 このときの等価回路は図97の(c)となる。図97の
(e)の領域(C)において、高周波電圧源Vaの電圧
Vaが最小値を過ぎ増加しはじめる。この間、ダイオー
ドD1およびD2はオフした状態にあり、コンデンサC
inは浮遊状態でその両端電圧はVc maxを保つ。高周波
電圧源Vaの電圧Vaが増加し、コンデンサCinとダイオ
ードD1とダイオードD2との接続点の電位Vbが直流
電圧源Vdcの電圧Vdcと等しくなる時、すなわちVa+
Vcmax=Vdcまでこのステージが継続する。
【0010】(d)パワーステージ4 このときの等価回路は図97の(d)となる。図97の
(e)の領域(D)において、高周波電圧源Vaの電圧
Vaが増加し、コンデンサCinとダイオードD1とダイ
オードD2との接続点の電圧Vbが直流電圧Vdcと等し
くなる(Va+Vcmax=Vdc)とダイオードD2がオン
し、直流電圧源Vdcに向かってダイオードD2を介して
コンデンサCinを放電する電流が流れる。直流電圧源V
dcは充分にインピーダンスが小さいので電圧VbはVdc
のまま一定に保持される。高周波電圧源Vaの振幅が増
加するに従い、コンデンサCinの両端電圧は減少する。
高周波電圧源Vaの振幅が最大値を迎えたところでダイ
オードD2はオフし、コンデンサCinの両端電圧は最小
値Vcminとなる。
【0011】以上4つのステージが高周波電圧源Vaの
サイクルに伴い繰り返される。ここでは上記パワーステ
ージ2の間だけ入力電流が流れる。入力電圧Vgの大き
さにより各4つのステージの時間長が変化するが、入力
電圧Vgのピーク時でかつVg=Vdcとなる時では、パワ
ーステージ1とパワーステージ3がなくなり、パワース
テージ2とパワーステージ4はそれぞれ高周波電圧源V
aの高周波サイクルの半サイクルとなる。このとき、パ
ワーステージ2とパワーステージ4の時間長が最大にな
る。
【0012】図100は入力電流の取り込み期間を説明
するための図である。この図において領域Xはインダク
タ電流が平滑コンデンサCeの充電電流と成り得る領域
であり、領域Yはインダクタ電流が入力電流と成り得る
領域である。領域Yは図100中の下段に示した図のよ
うに入力電圧Vinがピーク値である時ほど、その領域が
広がり、ゼロに近づくほど領域が狭くなる。すなわち、
入力電圧Vinがピーク値に近いほど入力電流を取り込む
期間が長くなることを示している。
【0013】この回路方式は、高周波で振動する共振回
路の電圧節(ノード)における電位の変位によって、コ
ンデンサCinの電荷を充放電させることで電源からの入
力電流を吸い込んでいると言えるので、以降の説明にお
いて、電圧源型チャージポンプ方式(VSCP;Voltag
e Source type Charge Pump)と呼ぶことにする。ま
た、本回路において図101に示すように出力側にトラ
ンスTを用いた例も考えられる。
【0014】<従来例2>本従来例の回路は特開平5−
38161号公報に開示されたものである。図98にそ
の回路図を示す。また、本回路における力率改善機能部
を取り出した等価回路を図99に示す。ここでは、下記
の条件に基づいてこの等価回路を構成した; ・整流素子DBにて全波整流後の電圧源を交流電源AC
の瞬時値Vgとした。 ・平滑コンデンサCeを安定した直流電源Vdcとみなし
た。 ・入力歪み改善用の帰還電流源(図98では共振用イン
ダクタLrと共振用コンデンサCrと負荷LDとからなる
負荷回路)を略一定振幅の高周波電流源Iaとした。
【0015】図98に示す本従来例の回路おいて、整流
素子DBと平滑コンデンサCeの間に直列に接続された
ダイオードD1、D2と、ダイオードD2と並列に接続
された充電コンデンサCinとから構成される回路によ
り、共振コンデンサCrと共振インダクタLrとからなる
共振回路により発生する共振電流を用いて、電源Vgか
ら入力電流を取り込んでいる。
【0016】本従来例においても従来例1の動作説明で
述べた4つのステージに準ずるステージがそれぞれ存在
する。従って本従来例において、入力電源Vgのピーク
時でVg=Vdcと設定した時に、高周波電流源Iaの1サ
イクルのうち入力電流導通時間は最大で半サイクルとな
る。
【0017】この回路方式は、高周波で振動する共振回
路の電流線輪(ループ)あるいは負荷電流によって、コ
ンデンサCinの電荷を充放電させることで入力電源Vg
からの入力電流を吸い込んでいると言えるので、電流源
型チャージポンプ方式(CSSP;Current Source typ
e Charge Pump)と呼ぶことにする。
【0018】上記従来例1および従来例2では比較的少
ない部品点数で電力変換回路が構成でき、かつ、高効率
に入力電流を引き出すことができる。また、本回路にお
いて図102に示すように出力側にトランスTを用いた
例も考えられる。
【0019】<従来例3>図103に別の従来例を示
す。図103は図95に示した回路において、コンデン
サCin'およびダイオードD1'、D2'からなる力率改
善機能部を、コンデンサCinおよびダイオードD1、D
2からなる整流素子DBの高圧側出力端に接続された力
率改善機能部と対称となるように、整流素子DBの低圧
(グランド)側出力端に設けたものである。本構成の場
合、力率改善機能部を取り出した等価回路は図104の
ようになる。この場合、ダイオードD1、D2およびコ
ンデンサCinからなる回路部は従来例1で述べた動作、
すなわち、高周波電圧源Vaの高周波振幅1サイクルに
おける4つのパワーステージを行い、ダイオードD
1’、D2’およびコンデンサCin’からなる回路部は
高周波電圧源Vaの高周波振幅1サイクルにおける4つ
のパワーステージの内、等価的にみて半サイクルずつ動
作がずれる。すなわち、以下に示すような動作となる。
【0020】 ダイオードD1、D2、 ダイオードD1'、D2'、 コンデンサCinからなる回路部 コンデンサCin'からなる回路部 パワーステージ1 <−−−−−> パワーステージ3 パワーステージ2 <−−−−−> パワーステージ4 パワーステージ3 <−−−−−> パワーステージ1 パワーステージ4 <−−−−−> パワーステージ2 したがって、入力電流は高周波電圧源Vaの高周波振幅
1サイクルにおいて半サイクルずつ流れ、最大で1サイ
クルの期間流れることとなる。これにより入力電流の導
通期間は拡げられ、入力電源の高周波フィルタ回路のボ
リュームアップを抑えることができる。
【0021】<従来例4>図105に従来例4の回路図
を示す。図105に示される回路は、従来例2の図98
に示した回路において、コンデンサCin'およびダイオ
ードD1'、D2'からなる力率改善機能部を、コンデン
サCinおよびダイオードD1、D2からなる整流素子D
Bの高圧側出力端に接続された力率改善機能部と対称と
なるように、整流素子DBのグランド側端に設けたもの
である。本回路の場合、ダイオードD1、D2の接続点
から負荷回路までの間にコンデンサCr2を接続し、ダイ
オードD1’、D2’の接続点から負荷回路までの間に
コンデンサCr2’を接続して電源短絡を防いでいる。本
回路の力率改善機能部を取り出した等価回路は図106
のようになる。本回路においても従来例2の回路動作を
半サイクル毎に交互に繰り返すことになるので、入力電
流の導通期間は拡げられ、入力電源の高周波フィルタ回
路のボリュームアップを抑えることができる。
【0022】<従来例5>また従来例3または従来例4
で説明した対称型のCPPFC方式の回路例としては米
国特許USP4,511,823号(コントロールロジ
ック社特許)に開示された例が挙げられる。図107に
この回路の回路図を示す。本回路においては上記従来例
3(図103、図104)と同等の力率改善動作を行
う。また、従来例4において示した回路も本特許公報の
中に開示されている。したがって、本特許公報に示され
た回路においても入力電流の導通期間は拡げられ、フィ
ルタ回路のボリュームアップを抑えることができる。
【0023】次に、高輝度放電灯安定器(HIDバラス
ト)に応用した例を示す。 <従来例6>これまで高輝度放電灯(以下、「HIDラ
ンプ」(High Intensity Discha
rgeLamp)と称す。)用安定器としてよく用いら
れている回路として図108に示す回路が挙げられる。
本回路は、入力電源ACの整流部と力率改善機能(以下、
「PFC」と称す。)部11、出力制御部13、極性反
転部15(低周波インバータ回路)から構成され、HI
Dランプのインピーダンス変化に応じて適宜に制御され
た低周波の矩形波出力をHIDランプに供給するもので
ある。本回路構成にあっては大型部品であるインダクタ
素子や高価なスイッチング素子が数多く用いられている
ため、装置を小型化することが難しく、かつ高価なもの
となっている。
【0024】<従来例7>図109に示す回路は特開平
4−193067号公報に記載されている回路のうち、
前述の図95に示した回路において、負荷回路LDへの
高周波出力を整流ブリッジDoを通じ、直流出力に変換
するように構成したものである。本回路においても従来
例1で述べたのと同様の回路動作を行い、コンデンサC
r1とコンデンサCcが結ばれているノードを高周波電圧
源として利用してコンデンサCi1の充放電を行い、入力
電流を高周波で引き出すことができる。
【0025】また、図110に示す回路は特開平5−3
8161号公報で記載されている回路のうち、図98に
示した回路の出力部において、負荷回路LDへの高周波
出力を整流ブリッジDoを通じ、直流出力に変換するよ
うに構成したものである。本回路においても図95に示
す回路と同様に動作する。つまりこれらの回路では、少
ない数のインダクタ素子で入力電流の波形歪みと出力へ
の電力の供給が可能である。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来例におい
ては、高周波帰還(電圧・電流)電源の一高周波サイク
ルつまり図95や図98および図109や図110等の
具体回路ではスイッチ素子Q1・Q2の一スイッチング
サイクル中で、入力電流は最大で半サイクルの時間しか
流すことができない(図100参照)。したがって、出
力電力量Woutと略同一の電力量Winを効率よく入力電
源から引き出す場合(すなわち、通常交流入力電圧Vin
は固定であるので入力電流Iin=η・Win/Vinから、入
力力率η≒1となるように)、一高周波サイクル中に引
き出される入力電流の波高値は比較的高いものとなる。
【0027】すなわち、通常の昇圧チョッパ回路でゼロ
クロス不連続電流モードで動作させた場合(高周波入力
電流の波高値は入力整流用の低周波フィルタ後の入力電
流波形の2倍の値)に比べると、入力電流の導通時間が
半分以下となることから波高値が倍近く(高周波入力電
流の波高値は入力整流用の低周波フィルタ後の入力電流
波形の4倍の値)になることがわかる。このように波高
値が大きいことにより、入力整流用の低周波フィルタ回
路の部品が大型化し、また上記高周波入力電流が流れる
部品(整流器DB、ダイオードD1、D2等)は大型化
することとなり、部品定格の上昇により全体的に見て部
品点数は減るもののコストはそれほど下がらない。
【0028】また、前述の従来例の各回路に対して、以
下の問題点が挙げられる。例えば、図95において; ・ダイオードD1、D2導通時にコンデンサCinはCr
および負荷LDと並列接続と等価的にみなせる。ここで
共振用インダクタLrおよびスイッチ素子Q1・Q2に
流れる電流は、負荷LDおよびCrを流れる電流に加え
コンデンサCinを流れる電流となり、Cinを接続しない
場合と比べ比較的大きな電流がLrおよびスイッチ素子
Q1・Q2に流れることになる。
【0029】・またコンデンサCinの導通角が入力電圧
に応じて変化し、負荷LDへの出力に入力電圧に応じた
大きな低周波リップルを生じる問題を低減するために
は、共振用コンデンサCrを充分に大きな値に設定し、
コンデンサCinの導通・不導通(コンデンサCinが共振
用コンデンサCrおよび負荷LDと並列接続されている
か否か)によらず共振回路系に影響が現れないようにす
ればよい。つまり、共振用コンデンサCrの容量をCr、
コンデンサCinの容量をCinとすると、Cr≒Cin+Cr
(∵Cin<<Cr)とすればよい。しかしながら、容量Cr
を大きくすれば出力電力に寄与しない無効電流を増やす
ことになり、出力の低周波リップル低減のためにさらな
るLrおよびスイッチング素子Q1、Q2に流れる電流
の増加を招くこととなる。
【0030】・これは図110の回路においても同様で
ある。 ・また図102や図107など図95のPFC部を対称
形に構成した回路方式でも同様の問題を生じる。例え
ば、図95に示すコンデンサCinは図103、図107
に示すコンデンサCin、Cin'の2つに分割され、コン
デンサCin、Cin'の容量は半減される。このため、コ
ンデンサCin、Cin'一つあたりに流れ込む電流は半減
し高周波入力電流の導通角は拡げられ波高値も半減す
る。しかし、コンデンサCin、Cin'は同時に導通し二
つの合成容量が負荷(ランプ)と並列に接続されるの
で、コンデンサCin、Cin'を流れ出るあるいは流れ込
む電流は合成され、図95の回路と全く同じになる。し
たがって、負荷(ランプ)に流れる電流の低周波リップ
ル低減を改善するためには共振用コンデンサCrの容量
値を大きく設定しなければならなず、これにより出力の
低周波リップル低減のためにさらなる共振用インダクタ
Lrおよびスイッチング素子Q1、Q2に流れる電流の
増加を招くこととなる。
【0031】同様に、図98(従来例2)において; ・共振用インダクタLrと共振用コンデンサCrとを含む
共振回路の回路電流(すなわち、共振用インダクタLr
を流れる電流)を高周波電流源として入力電流を高力率
に引き出す図97の場合、ダイオードD1、D2の導通
時に負荷LDを流れる負荷電流とコンデンサCrを流れ
る電流が入力電流に寄与する。ところが負荷電流が比較
的小さく充分に入力電流を引き出せない場合には、共振
用コンデンサCrの値を大きく設定し、共振回路の回路
電流を増やさなければならない。この様に回路電流を増
やすことは共振用インダクタLrおよびスイッチング素
子Q1、Q2の大型化そしてコストの上昇を招く。
【0032】・ダイオードD1、D2オフ時はコンデン
サCinが導通し、共振用インダクタLr、共振用コンデ
ンサCrと負荷LDとからなる共振回路と直列に接続さ
れる。一高周波サイクル中のコンデンサCinの導通角は
入力電圧の電位の増減により減増し、この影響で負荷L
Dの出力には大きな低周波リップルが生じる。この低周
波リップルを低減するためには、コンデンサCinの容量
値を大きく設定し、コンデンサCinのインピーダンスを
減じ、コンデンサCinの接続の有無に関わらず上記共振
回路が影響を受け難くなるようにすればよい。しかしな
がら、コンデンサCinの容量値を大きくした場合に、コ
ンデンサCinの充放電によりダイオードD2の陽極側電
位を平滑コンデンサCe両端電圧Vdcと入力電圧Vgとに
シフトさせ充分な入力電流量を引き出すためには、共振
用コンデンサCrの容量値の増加による大きな共振電流
が必要になる。これはさらなる共振用インダクタLrお
よびスイッチング素子Q1、Q2の導通電流の増大を招
き、共振用インダクタLrおよびスイッチング素子Q
1、Q2の大型化を招く。
【0033】・これは図110の回路においても同様で
ある。 ・また図95の回路に対する図103、図107の関係
と同じく、図104の回路方式においても、高周波入力
電流の導通角が拡げられその波高値は半減するが、共振
回路を流れる電流は上記と同様の要因で増加し、共振用
インダクタLrおよびスイッチング素子Q1、Q2の導
通電流の増大を招き、共振用インダクタLrおよびスイ
ッチング素子Q1、Q2の大型化を招く。
【0034】上述のように、負荷共振回路の高周波電圧
(あるいは電流)振動を利用し、入力電流を高周波で効
率よく引き出すような従来回路においては、部品点数が
比較的削減できるが、部品の大型化を伴うためコスト低
減には有効でない。
【0035】また、図101と図102に示すように出
力トランスTを用い一次側共振電流を適宜に設定する場
合においては、トランスTが大型部品でコスト上昇の要
因となる。
【0036】本発明では、これらの力率改善、出力リッ
プル低減のための共振回路電流の増加等の問題点を解決
し、また一高周波サイクル中の入力電流の導通角を拡げ
ることにより、部品定格を低減し、コスト低減を可能と
した高効率な簡易型入力力率改善回路を有する電源装置
を提供する。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る電源装置は、交流電源からの入力を整
流する整流素子と、整流素子の出力を直流平滑する平滑
コンデンサと、平滑コンデンサの電圧を受けて高周波電
圧および高周波電流を発生するスイッチング素子とを含
む電力変換回路、および、電力変換回路の出力を受ける
負荷回路から構成される電源装置において、電力変換回
路が、スイッチング素子の開閉により回路内に発生する
高周波電流ループの1つを用いて交流電源から入力電流
を取り込む電流源型入力電流取り込み手段と、スイッチ
ング素子の開閉により回路内に発生する高周波電圧ノー
ドの1つを用いて交流電源から入力電流を取り込む電圧
源型入力電流取り込み手段とをさらに備える。
【0038】これら2つの入力電流取り込み手段により
交流電源から電流を取り込む際に、2つのチャージポン
プの電流入力期間の位相差を利用して電流入力期間を拡
大できる。このため、電流ピーク値が抑さえられる。
【0039】また、上記の電源装置において、電圧源型
入力電流取り込み手段のかわりに第2の電流源型入力電
流取り込み手段を備え、2つの電流源型入力電流取り込
み手段により交流電源から電流を取り込むように構成し
た。この場合も、第1の電源装置と同様に、2つの入力
電流取り込み手段により交流電源から電流を取り込む際
に、それらの電流入力期間の位相差を利用して電流入力
期間を拡大できる。このため、電流ピーク値が抑さえら
れる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下に、添付の図面を参照して本
発明に係る電源装置の実施形態を説明する。
【0041】<実施の形態1> 1−1.基本構成 図1は本発明に係る電源装置の第1の基本構成を示した
ものである。電源装置は、商用交流電源ACの出力を全
波整流する全波整流素子DBと、整流素子DBの直流出
力を平滑する平滑コンデンサCeと、内部に発生する高
周波電圧振動を用いて商用交流電源ACから電流を取り
込むための経路を形成するダイオードDi1と充電コンデ
ンサCi1と、内部に発生する高周波電流振動を用いて商
用交流電源ACから電流を取り込むための経路を形成す
るダイオードDi2と充電コンデンサCi1と、回路1とか
らなる。回路1は、1つ以上のスイッチング素子と、共
振回路を構成するインダクタ素子及び/又はコンデンサ
等の受動素子と、負荷とを含む(図示せず)。回路1の
中では、スイッチング素子の高速開閉に応じて高周波電
圧、高周波電流が発生している。
【0042】そこで、回路1中の高周波電圧が発生して
いる適切なノードの1つを電圧源VS、高周波電流が発
生している適切な電流ループの1つを電流源CSとみな
し、商用交流電源(以下、「交流電源」と称す。)AC
を全波整流素子DBで整流した出力の正負いずれか一方
より第1の充電コンデンサCi1を介して電圧源VSに接
続し、他方より電流源CSのループを形成し、第2の充
電コンデンサCi2を接続している。また、全波整流素子
DBと充電コンデンサCi1、Ci2の各々の接続点から平
滑のための大容量の平滑コンデンサCeには各々順方向
にダイオードDi1、Di2を接続して構成している。
【0043】すなわち、充電コンデンサCi1、ダイオー
ドDi1と電圧源VSによって、従来例1に示す電圧源型
入力電流取り込み手段である電圧源型チャージポンプ
(VSCP)を構成し、充電コンデンサCi2、ダイオー
ドDi2と電流源CSによって、従来例2に示す電流源型
入力電流取り込み手段である電流源型チャージポンプ
(CSCP)を構成したものである。これら2つのチャ
ージポンプによって、交流電源ACから入力電流を交流
電源ACの略全領域より引き出し、平滑コンデンサCe
に充電して直流を得て、交流電源ACの入力電流高調波
歪みを低減し、高力率を実現するものである。以下、こ
の交流電源ACの入力電流高調波歪みを低減し高力率と
なす作用をPFC(Power Factor Correction;力率補
正)と呼び、チャージポンプ技術を用いてPFC機能を
達成する回路方式を総じてCPPFC(Charge Pump PF
C)と呼ぶ。
【0044】ここで、CPPFCについて詳細に説明す
る。 (a)CPPFC(入力力率改善チャージポンプ):高
周波入力電流が負荷(共振)回路を介して流れる回路で、
入力電圧の正弦波に応じた入力電流の引き出しのために
コンデンサの充放電とクランプを利用しているもの。但
しその応用として、入力電源から前記負荷(共振)回路ま
での接続の間で入力電流が流れる経路中に、インダクタ
ンスを挿入し前記コンデンサの充放電をより連続的に行
っているものも含む。
【0045】(b)電圧源型CPPFC(VSCP):C
PPFCのうち、負荷(共振)回路の電圧振動を利用して
入力電流を引き出すものをいう。本方式の場合、電圧振
動を作るための電流源(インダクタ素子)が必要である
が、そのインダクタ素子には負荷電流と上記入力電流が
重畳する。
【0046】(c)電流源型CPPFC(CSCP):C
PPFCのうち、負荷(共振)回路の電流を入力電源を介
して流すものをいう。通常、負荷(ランプ)電流だけでは
充分な入力電流が引き出せないために、共振電流の増加
を余儀なくされるために効率が良くならない。
【0047】なお、本案の構成上、VSCPとCSCP
が交流電源ACから電流を吸い込む期間に位相差がある
ように設定されている。したがって、本案の如く、VS
CPとCSCPを組み合わせると、電圧源VSと電流源
CSの位相差により、VSCPとCSCPが交流電源A
Cより電流を吸い込む期間のずれによって、1スイッチ
ングサイクル中(スイッチング素子が高速にオン/オフ
を一回繰り返す期間)に入力電流Iinを吸い込む期間が
等価的に広がり、所定の負荷への出力電力に必要な入力
電流Iinを吸い込むのにVSCPあるいはCSCPのい
ずれか一方のみの場合に比べて入力電流Iinのピーク値
を低減することが出来るので、部品耐量が低減でき、装
置を小型化、低価格化したPFC機能を有する電源装置
を実現することができる。
【0048】また、図2に、図1とは異なる基本構成の
回路図を示す。この構成のように、図1の基本構成にお
けるVSCPの代わりに、第2のCSCPを用いて入力
電流を吸い込むように構成してもよい。すなわち、電流
源CSとは異なる電流源CS'とダイオードDi2'、充電
コンデンサCi2'とにより第2のCSCP5'を構成して
もよく、図1の回路と同様に2つの電流型チャージポン
プを用いて入力電流の吸い込みを行っても同様の効果が
達成できる。以下に図1に示す基本構成に基づいた電源
装置の具体例をいくつか説明する。
【0049】1−2.回路例 1−2−1.実施例1a 図3に実施例1aの電源装置の回路図を示す。電源装置
は、交流電源ACと、高周波フィルタFと、整流素子D
Bと、整流素子DBからの出力を平滑する平滑コンデン
サCeと、平滑コンデンサCeの電圧を受けて高速に開閉
するスイッチング素子Q1、Q2と、共振インダクタL
rと共振コンデンサCr1、Cr2とからなる共振回路と、
ダイオードD1と充電コンデンサCi1とを含むVSCP
と、ダイオードD2と充電コンデンサCi2とを含むCS
CPとを有する。この電源装置は、共振コンデンサCr2
の両端に接続された整流素子Doを介して負荷回路LD
に電力を供給する。ここで、スイッチング素子Q1、Q
2は、MOSFETにより構成され、また、制御回路C
NT1からの制御信号によりそのオン/オフが制御され
る。
【0050】すなわち、平滑コンデンサCeに充電され
た直流電圧を、スイッチング素子Q1、Q2とインダク
タL、結合コンデンサCcと共振コンデンサCr1、Cr2
で基本的に構成されるハーフブリッジ型インバータで、
共振コンデンサCr2両端の高周波電圧を出力整流ダイオ
ードブリッジDoで整流し、コンデンサCoで平滑して所
望の直流出力電圧Voを得る。これを、スイッチング素
子Q3、Q6がオンでスイッチング素子Q4、Q5がオ
フである第1の状態と、スイッチング素子Q3、Q6が
オフでスイッチング素子Q4、Q5がオンである第2の
状態とを切り換えることにより、低周波の矩形波出力に
変換する。すなわち、制御回路CNT2の発生する信号
に応じて低周波で第1の状態と第2の状態とを交互にく
りかえす極性反転回路15によって、低周波の矩形波出
力に変換する。ここで、結合コンデンサCcは直流成分
のカット用に挿入されたものであり、また、トランジス
タQ1〜Q6のスイッチング素子はMOSFET等によ
り構成され、これらのスイッチング素子のオン/オフ動
作は制御回路からの信号に基づき制御されるものとする
(以降の説明においても同様とする。)。この矩形波出
力は高圧パルストランスPTを介して、最終負荷である
HIDランプHIDに供給され、HIDランプHIDを点灯せ
しめる放電灯点灯装置を構成している。ここで、図中の
IGNとPTはイグナイタ回路17を構成し、これによ
りHIDランプHIDを起動せしめるために必要な高電圧
パルスを発生させるように構成したものであり、HID
ランプHIDが起動し点灯すると、該高電圧パルスの発生
は停止する。このとき、負荷回路LDにおいては、スイ
ッチング素子は図4に示すタイミングでオン/オフし、
HIDランプHIDに印加される電圧VIaおよびHIDラ
ンプHIDを流れる電流IIaは図4に示すように変化す
る。
【0051】以上は、本案を用いたHIDランプ点灯装
置の構成と概要であるが、本案は負荷回路LDに直接依
存せず、コンデンサCoに発生する直流を得るところま
での作用に着目している。そのため、図4に示す回路
を、図5に示すように簡略化して考えて良い。ここで、
コンデンサCfとインダクタLfからなる高周波フィルタ
Fは高周波電流を平滑し、交流電源ACに平均化された
低周波電流を流すためのものであり、説明の便宜上、高
周波フィルタFは省略する(以降の説明においても同
様)。簡略化においては、下記の点を考慮した; ・負荷回路をLDとしてまとめた。 ・等価的にコンデンサCcの位置を変更した。 ・スイッチング素子Q1、Q2をスイッチに置き換え
た。 ・スイッチング素子Q1、Q2の寄生ダイオードDs1、
Ds2を追加した。 ・電源の高周波フィルタを省略した。
【0052】また、以降の説明においては、1スイッチ
ングサイクル中での動作を説明するため、図5の回路図
を図6のようにさらに簡略化する。なお、ここでコンデ
ンサの容量値の関係は、Ce>>Cc>>Ci1,Ci2,Cr1>>C
r2になっている。この簡略化においては、下記の点を考
慮した; ・交流電源ACの周波数(例えば50〜60Hz)に対
して、スイッチング素子のスイッチング周波数は十分高
く、1スイッチングサイクル中に交流電源ACの電圧変
化はないとみなせるので交流電源ACを直流電圧源Vin
と置き換える。 ・平滑コンデンサCeは1スイッチングサイクル中では
電圧変化はないものとみなせるので、平滑コンデンサC
eを直流電圧源Vdcと置き換える。 ・コンデンサCcは共振回路中にあるが、両端電圧は高
周波リップル成分を含んだ直流電圧となるので、コンデ
ンサCcとコンデンサCr1の合成容量を新たにCr1と
し、元来コンデンサCcに存在した直流電圧を直流電圧
源Vccと置き換える。 ・負荷への出力は平滑された直流電圧を得るものと考え
られるので、負荷LDを直流電圧源Voと置き換える。
【0053】図6において、VSCPはVcpノードを電
圧源VSとして、充電コンデンサCi1とダイオードDi1
を付加して構成され、また、CSCPは共振コンデンサ
Cr1を流れる電流の電流ループを電流源CSとして充電
コンデンサCi2とダイオードDi2を付加して構成されて
いる。この構成によれば、同一の共振系中の電圧源VS
と電流源CSを利用しているので、電流と電圧の位相差
を利用して、入力電流Iinの取り込み期間を増加するこ
とができる。
【0054】以下にこの回路の動作を説明する。本回路
において、一スイッチングサイクル中の動作モードは概
ね8モードである。以下、スイッチング素子Q1がオフ
でスイッチング素子Q2がオンの状態で、スイッチング
素子Q2の電流が負から正に転流した瞬間からをモード
1として、モード1からモード8の動作を図7〜図14
を参照しながら順に説明する。ここで、各モードに於け
る電流経路と電圧の上昇下降を図7〜図14に示し、主
な電流と電圧の波形を図15、図16に示す。なお、以
下の説明において、電圧Vcpは図6に示す共振インダク
タLと共振コンデンサCr1との接続点の電圧であり、電
流I1は充電コンデンサCi1を流れる電流であり、電流
I2は電流源CSの電流ループを流れる電流である。
【0055】(A)モード1 図7に本モードにおける電流経路を示す。本モードにお
いては、スイッチQ1がオフ、スイッチQ2がオンで、
Vcp>0で、Vcp>Vdc−Vci2であるとする。(実際
には、Vci2=Vinであり、Vcp>Vdc−Vinであ
る。)電源Vdcより充電コンデンサCi2を介して、共振
コンデンサCr2、直流電圧源Vcc、共振コンデンサCr
1,共振インダクタL,スイッチQ2に電流I2が流れ
る。充電コンデンサCi2の電圧Vci2は上昇し、電圧Vc
pは下降する。電圧Vcpが変化(減少)するので、直流
電圧源Vinより整流素子DB、充電コンデンサCi1、共
振インダクタL、スイッチQ2、直流電圧源Vdc、充電
コンデンサCi2に電流I1が流れる。すなわち、Vci1=V
in−Vcpになるように電流I1が流れ、直流電圧源Vin
より充電コンデンサCi1を充電する。これにより、VS
CPは交流電源ACより入力電流Iinを吸い込む。この
とき、CSCPは動作しない。
【0056】(B)モード2 図8に本モードにおける電流経路を示す。本モードにお
いては、スイッチQ1がオフ、スイッチQ2がオンとな
る。充電コンデンサCi2の電圧VCi2が直流電圧源Vdc
の電圧に達すると、ダイオードDi2が導通する。ノード
VcpよりインダクタL、スイッチQ2、ダイオードDi
2、共振コンデンサCr2、直流電圧源Vccおよび共振コ
ンデンサCr1に電流I2が流れる。電圧Vcpが変化(減
少)するので、直流電圧源Vinより整流素子DB、充電
コンデンサCi1、共振インダクタL、スイッチQ2、ダ
イオードDi2に電流I1が流れる。すなわち、Vci1=Vin
−Vcpになるように電流I1が流れ、直流電圧源Vinよ
り充電コンデンサCi1を充電する。これにより、VSC
Pは交流電源ACより入力電流Iinを吸い込む。このと
き、CSCPは動作しない。
【0057】(C)モード3 図9に本モードにおける電流経路を示す。本モードにお
いては、スイッチQ1がオフ、スイッチQ2がオンとな
る。共振コンデンサCr2の両端電圧VCr2=-Voに達する
と、整流素子Doが導通し負荷(直流電圧源Voに含まれ
る)に電力供給を開始する。ノードVcpよりインダクタ
L、スイッチQ2、ダイオードDi2、整流素子Do、直
流電圧源Vo、Vcc、および共振コンデンサCr1を経由
して電流I2が流れる。このため、電圧Vcpは減少し、
直流電圧源Vinより整流素子DB、充電コンデンサCi
1、共振インダクタL、スイッチQ2、ダイオードDi2
に電流I1が流れる。すなわち、Vci1=Vin−Vcpに
なるように電流I1が流れ、直流電圧源Vinより充電コ
ンデンサCi1を充電する。これにより、VSCPは交流
電源ACより入力電流Iinを吸い込む。CSCPは動作
しない。また、このとき、負荷に出力電流を供給する。
【0058】(D)モード4 図10に本モードにおける電流経路を示す。本モードに
おいては、スイッチQ1がオン、スイッチQ2がオフと
なる。スイッチQ2がオフに、スイッチQ1がオンにス
イッチングされると、共振インダクタLの磁束により、
共振インダクタLの電流は流れ続ける。そのため、共振
インダクタLより、寄生ダイオードDs1、直流電圧源V
dc、ダイオードDi2、整流素子Do、直流電圧源Vo、V
cc、共振コンデンサCr1に電流I2が流れる。電圧Vcp
が変化(減少)するので、直流電圧源Vinより整流素子
DB、充電コンデンサCi1、共振インダクタL、寄生ダ
イオードDs1、直流電圧源Vdc、ダイオードDi2に電流
I1が流れる。すなわち、Vci1=Vin−Vcpになるよ
うに電流I1が流れ、直流電圧源Vinより充電コンデン
サCi1を充電する。これにより、VSCPは交流電源A
Cより入力電流Iinを吸い込み、CSCPは平滑コンデ
ンサCeを充電する。このとき、本回路は負荷に出力電
流を供給する。
【0059】(E)モード5 図11に本モードにおける電流経路を示す。本モードに
おいては、スイッチQ1がオン、スイッチQ2がオフと
なる。本モードにおいて、共振インダクタLの電流が0
になり、転流すると、充電コンデンサCi2よりスイッチ
Q1、共振インダクタL、共振コンデンサCr1、直流電
圧源Vcc、共振コンデンサCr2に電流I2が流れる。共
振コンデンサCr2はこれまでと逆方向に充電されるの
で、整流素子Doがオフになり負荷への電力供給は止ま
る。このとき、電圧Vcpは上昇する。電圧Vcpが上昇する
ので、充電コンデンサCi1よりダイオードDi1、スイッ
チQ1、共振インダクタLに電流I1が流れる。本モー
ドでは、VSCP、CSCPともに動作しない。
【0060】(F)モード6 図12に本モードにおける電流経路を示す。本モードで
はスイッチQ1がオン、スイッチQ2がオフとなる。本
モードにおいて、共振コンデンサCr2が電流I2により
充電され、共振コンデンサCr2の電圧VCr2がVoに達す
ると、整流素子Doが導通し、負荷に電力供給を開始す
る。充電コンデンサCi2よりスイッチQ1、共振インダ
クタL、共振コンデンサCr1、直流電圧源Vcc、整流素
子Do、直流電圧源Voに電流I2が流れる。このとき、V
cpは上昇し、充電コンデンサCi1よりダイオードDi1、
スイッチQ1、共振インダクタLに電流I1が流れる。
このとき、本回路は負荷に出力電流を供給する。本モー
ドにおいて、VSCP、CSCPは動作しない。
【0061】(G)モード7 図13に本モードにおける電流経路を示す。本モードで
はスイッチQ1がオン、スイッチQ2がオフとなる。本
モードにおいて、充電コンデンサCi2の電圧Vci2がVin
に達すると、整流素子DBが導通する。直流電圧源Vinよ
り整流素子DB、ダイオードDi1、スイッチQ1、共振
インダクタL、共振コンデンサCr1、直流電圧源Vcc、
整流素子Do、直流電圧源Voに電流I2が流れる。この
とき、本回路は負荷に出力電流を供給する。このとき電
圧Vcpは上昇する。本モードにおいて、VSCPは動作
せず、CSCPは交流電源ACより入力電流Iinを吸い
込む。
【0062】(H)モード8 図14に本モードにおける電流経路を示す。本モードで
はスイッチQ1がオフ、スイッチQ2がオンとなる。ス
イッチQ1がオフし、スイッチQ2がオンすると、直流
電圧源Vinより整流素子DB、ダイオードDi1、直流電
圧源Vdc、寄生ダイオードDs2、共振インダクタL、共
振コンデンサCr1、直流電圧源Vcc、整流素子Do、直
流電圧源Voに電流I2が流れる。また、充電コンデン
サCi1よりダイオードDi1、直流電圧Vdc、寄生ダイオ
ードDs2、共振インダクタLに電流I1が流れる。この
とき、VSCPはCeを充電し、CSCPは交流電源A
Cより電流Iinを吸い込み、かつ、Ceを充電する。以
降、上記モード1からモード8を繰り返す。
【0063】このように、VSCPが交流電源ACから
電流Iinを吸い込む期間がモード1からモード4であ
り、CSCPが電流Iinを吸い込む期間がモード7から
モード8と、その位相がずれているため、1スイッチン
グサイクル中に交流電源ACから電流Iinを吸い込む期
間が、VSCP、CSCP単独の場合と比較して、広げ
ることが出来る。しかも共振コンデンサCr2の容量を小
さく設定し入力にも出力にも寄与しない無効な電流を低
減しつつ出力の低周波リップルを低減することができ
る。共振コンデンサCr2の容量値を小さく設定した場
合、VSCP単独では入力電圧のピーク付近で最小値と
なる様な低周波リップルであるのに対し、CSCP単独
ではピーク付近で最大値となる様な低周波リップルとな
る。その上それぞれが単独であった場合に比べ充電コン
デンサCi1の容量値を小さく、充電コンデンサCi2の容
量値を大きく設定できるので、それぞれのコンデンサの
導通時に出力へ与える影響は小さくなる。よってその合
成リップルはVSCP、CSCPそれぞれ単独であった
場合に比べ小さな、よりフラットなものとなる。したが
って、従来例に比べて素子の耐量を低減でき、小形で安
価なPFC機能付き電源装置を提供できる。なお、本実
施例では、共振コンデンサを2つのコンデンサCr1、C
r2で構成したが、さらに多くの数のコンデンサにより構
成してもよく、同様の効果が得られることは明らかであ
る。
【0064】1−2−2.実施例1b 図17に実施例1bにおける電源装置の回路図を示す。
本実施例のように、ダイオードDi2と並列に充電コンデ
ンサCi2を接続しても何ら動作が変らず、本案の効果を
達成できる。
【0065】1−2−3.実施例1c 図18に実施例1cにおける電源装置の回路図を示す。
本実施例では1つのコンデンサCrにより構成したもの
である。平滑コンデンサCeの電圧Vceと2Voが略等し
い場合には、共振コンデンサによる分圧が必要なく唯一
のコンデンサCrで適切に動作させ得ることができるこ
とを示した例である。
【0066】1−2−4.実施例1d 図19に実施例1dにおける電源装置の回路図を示す。
この図においては、実施例1cで示したように共振コン
デンサを1つのコンデンサCrのみで構成し、かつ、実施
例1bで示したように充電コンデンサCi2をダイオード
Di2と並列に接続している。
【0067】1−2−5.実施例1e 図20に実施例1eにおける電源装置の回路図を示す。
本実施例では、図17において、充電コンデンサCi1の
端子のうち共振インダクタLrに接続された側の端子
を、図20に示すように共振コンデンサCr1と共振コン
デンサCr2の接続点に接続したものである。すなわち、
平滑コンデンサCeの電圧Vceに比べて負荷LDの電圧
Voが高い場合には、本実施例のように複数の直列接続
された共振コンデンサCr1、Cr2の適切な接続点を電圧
源VSとしてもよい。
【0068】1−2−6.実施例1f 図21に実施例1fにおける電源装置の回路図を示す。
本実施例では、実施例1eの回路(図20)において、
充電コンデンサCi2をダイオードDi2と並列となるよう
に接続を変更したものである。
【0069】1−2−7.実施例1g 図22に実施例1gにおける電源装置の回路図を示す。
本実施例は、実施例1dの負荷LD及びVSCPとCS
CPの整流素子DBに対して接続される極性を正負反対
に接続した例である。全ての実施例において、正負を反
対に接続しても全く同等に動作し、同等の効果が得られ
る。なお、上記、いずれの実施例においても、負荷に高
周波出力を与える場合、実施例1aに示した様に出力を
整流器Doで整流する必要はない。例えば、図23に示
すように、蛍光灯点灯装置に応用する場合は整流器を必
要としない。
【0070】1−2−8.実施例1h 図24に実施例1hにおける電源装置の回路図を示す。
本実施例の回路は、上記実施例において、トランスTr
を用いたものである。
【0071】1−2−9.実施例1i 図25に実施例1iにおける電源装置の回路図を示す。
本実施例においては、整流器Doとして、ダイオードDo
1、Do2、コンデンサCo1、Co2を図のように接続して
構成される倍電圧整流回路を用いており、高電圧直流出
力が得られる構成となっている。
【0072】1−3.効果 以上のように、本実施の形態で示した電源装置によれ
ば、交流電源ACから入力した電力を所望の値に制御
し、負荷に対して出力する電力変換回路において、電力
変換回路中の高周波電流ループに流れる高周波振動電流
を利用して交流電源ACから入力電流を取り込む電流源
型入力電流取り込み手段としてのCSCPと、電力変換
回路中の高周波電圧ノードでの高周波振動電圧を利用し
て交流電源ACから入力電流を取り込む電圧源型入力電
流取り込み手段としてのVSCPとを備える。このよう
に構成された電源装置では、CSCPとVSCPの双方
により交流電源ACから入力電流Iinを取り込むため、
1スイッチングサイクル中に交流電源ACから入力電流
Iinを取り込む期間が広くなるので、電源装置を構成す
るスイッチング素子やインダクタ、コンデンサ等の構成
部品の電流耐量を低減でき、安価で小形なPFC機能の
ある電源装置を実現できる。
【0073】また入力電流に関して、CSCPにより負
荷電流を最大限に利用し、不足分をVSCPで補うとい
う構成とすることにより、共振コンデンサCrの値が小
さく、つまり入力及び出力に無効な電流を小さくでき、
共振回路電流を低減しつつ低周波(Vinの倍周波)リッ
プルの比較的小さな出力を得ることができる。
【0074】<実施の形態2> 2−1.概要 蛍光灯などは始動に比較的高い電圧を発生させて放電開
始を行うが、通常のインバータ回路では動作周波数を定
常点灯時の周波数から変化させて、蛍光灯両端の共振コ
ンデンサに起動に必要な電圧が発生するように共振状態
を調整している。
【0075】従来例1のVSCPを用いる場合、負荷端
に充電コンデンサCinを接続するが、蛍光灯が非点灯の
場合で起動のための高電圧を蛍光灯の両端に発生させた
場合、VSCPの作用により平滑コンデンサCe両端の
電圧Vceが過剰に上昇する場合がある。
【0076】これを改善した方法として、図26に示す
回路がある。この回路は、交流電源ACと、整流素子D
Bと、平滑コンデンサCeと、直列接続されたスイッチ
ング素子Q1、Q2と、ダイオードDi1と、充電コンデ
ンサCi1と、共振インダクタL1と共振コンデンサCr1
とからなる第1の共振回路と、共振インダクタL2と共
振コンデンサCr2とからなる第2の共振回路と、結合コ
ンデンサCcとを有する。平滑コンデンサCeと、スイッ
チング素子Q1、Q2の直列回路とが並列に接続され、
スイッチング素子Q2と並列に第1の共振回路が並列に
接続され、共振コンデンサCr1と並列に、結合コンデン
サCcと第2の共振回路との直列回路が接続されてい
る。また、負荷回路LDは共振コンデンサCr2に並列に
接続されている。平滑コンデンサCeとスイッチング素
子Q2との接続点は整流素子DBの低圧側出力端に接続
され、平滑コンデンサCeとスイッチング素子Q1との
接続点はダイオードD1を介して整流素子DBの高圧側
出力端に接続される。充電コンデンサCiは整流素子D
Bの高圧側出力端と共振コンデンサCr1と共振インダク
タL1との間に接続されている。本回路においては、共
振インダクタL1と共振コンデンサCr1との接続点を高
周波電圧源VSとし、ダイオードDi1と充電コンデンサ
Ci1とによりVSCPを構成している。
【0077】この回路では、蛍光灯に接続されて高電圧
を発生する第2の共振回路とは別に第1の共振回路を設
け、第1の共振回路でVSCPを行うことで平滑コンデ
ンサCe両端の電圧Vceの過剰上昇を抑制する方法が提
案されている。これは、米国の学会「1996、IEEE電
力技術者会議(IEEE-PESC(PESC;Power ElectronicsSpe
cialists Conference))」にて報告された、「チャー
ジポンプ電気バラストにおける電圧ストレスの削減(Re
duction of Voltage Stress in Charge Pump Electroni
c Ballast、IEEE PESC '96 Conference Procedings, Vo
lume2, pp.887-893, June, 1996)」 に開示されてい
る。
【0078】そこで、本実施の形態では、実施の形態1
の考え方を、このような2段共振回路方式に対して応用
した例を示す。すなわち、VSCPを第1の共振系に用
いて、更にCSCPを付加した構成の電源装置の具体例
を以下にいくつか示す。
【0079】2−2.回路例 2−2−1.実施例2a 図27に実施例2aにおける電源装置の回路図を示す。
この図に示す電源装置は、図26に示す回路において、
平滑コンデンサCeとスイッチング素子Q2の接続点
と、整流素子DBの低圧側出力端との間に、ダイオード
D2と充電コンデンサCi2の並列回路を挿入し、さら
に、共振コンデンサCr2と負荷LDとの接続点を共振コ
ンデンサCr1から切り離し、整流素子DBとダイオード
Di2の接続点に接続したものである。
【0080】本回路においては、共振インダクタL1と
共振コンデンサCr1との接続点を電圧源VSとし、VS
CPの動作を行い、平滑コンデンサCeの電圧Vceの過
剰昇圧を抑制するために設けられた第2の共振回路に流
れる電流、すなわち共振コンデンサCr2と負荷LDに流
れる第2共振電流を用いてCSCPの動作を行うもので
ある。ここで、CSCPの電流源CSはこの共振インダ
クタL2であると考えられる。
【0081】この構成によれば、蛍光灯用の高周波点灯
装置のように、負荷変動が大きい電源装置の場合であっ
ても、2段共振の過剰昇圧抑制効果を保ちつつ、VSC
PおよびCSCPによる前述の効果が得られるため、実
施例1と同様に素子耐量を低減でき、電源装置を小型
に、かつ安価に実現できる。
【0082】2−2−2.実施例2b 図28に実施例2bにおける電源装置の回路図を示す。
本回路では、図27において、共振コンデンサCr1の一
端をスイッチング素子Q2から切り離し、整流素子DB
とダイオードDi2の接続点に接続したものである。すな
わち、共振インダクタL1と共振コンデンサCr1とから
なる第1共振系と、共振インダクタL2と共振コンデン
サCr2とからなる第2共振系と、コンデンサCi2と、ダ
イオードDi2とによりCSCPを構成したものである。
【0083】これにより、第1の共振系と第2の共振系
の双方の共振電流を用いてCSCPを行うものである。
実施例2aでは、共振電流は負荷に流れる電流であるた
め、ランプが始動直前など負荷回路LDが無負荷状態で
あれば、共振コンデンサCr2両端に高電圧を発生させる
ために共振コンデンサCr2に流れる無効電流が大きくな
る。無負荷時には、CSCPによる交流電源ACからの
入力電流Iinの吸い込みが増加する傾向にあるため、C
SCPの作用を小さくしておく必要がある。実施例2b
では、この点を改善するために第1共振電流もCSCP
作用に寄与するように構成した。これにより、CSCP
の作用が負荷の状態に対してより安定になる。
【0084】2−2−3.実施例2c 図29に実施例2cにおける電源装置の回路図を示す。
本回路では、図28において、共振コンデンサCr2の一
端を整流素子DBとダイオードDi2の接続点から切り離
し、平滑コンデンサCeの低圧側に接続したものであ
る。共振インダクタL1と共振コンデンサCr1とからな
る第1共振系と、充電コンデンサCi2と、ダイオードD
i2とによりCSCPを構成したものである。
【0085】これにより、負荷LDに高周波出力を供給
するための第1共振系に流れる電流、すなわち共振コン
デンサCr1の電流を用いてCSCP動作を行っている。
第2共振電流を用いないため、負荷LDの状態によらず
実施例2bよりも、更に安定したCSCP作用が得られ
る。
【0086】2−2−4.実施例2d 図30に実施例2dにおける電源装置の回路図を示す。
本回路は、共振インダクタL1と共振コンデンサCr1と
からなる第1共振系と、充電コンデンサCi2-1と、ダイ
オードDi2-1とによって第1のCSCPを構成し、共振
インダクタL2と共振コンデンサCr2とからなる第2共
振系と、充電コンデンサCi2-2と、ダイオードDi2-2に
よって第2のCSCPを構成している。これにより、V
SCPの作用と第1及び第2のCSCPの作用が各々異
なる位相で動作するので、交流電源ACから入力電流I
inを取り込む期間がさらに増加し、回路中を流れる電流
のピーク値が下がるため、より部品耐量を低減でき、安
価化、小型化が実現できる。
【0087】2−3.効果 本実施の形態に示した電源装置によれば、2段共振を用
いたインバータ回路においても、1スイッチングサイク
ル中に交流電源ACから入力電流Iinを吸い込む期間が
広く取れるので、スイッチング素子やインダクタ、コン
デンサ等の構成部品の電流耐量を低減でき、さらに安価
で小形なPFC機能のある電源装置を提供できる。
【0088】<実施の形態3> 3−1.概要 本実施の形態における電源装置の基本構成を図31に示
す。電源装置は、交流電源ACと整流素子DBと平滑コ
ンデンサCeとCSCPとVSCPと回路1とを含む。
前述の実施の形態1においては、CSCPとVSCPと
は整流素子DBの異なる極性に接続されていたが、本実
施の形態においては、CSCPとVSCPとは整流素子
DBの同一極性に接続されている。回路1は1つ以上の
スイッチング素子と、インダクタ素子及び/又はコンデ
ンサ等の能動素子と、負荷とを含む回路である。回路1
中では、スイッチング素子の高速開閉に応じて高周波電
圧、高周波電流が発生している。本実施の形態において
は、この高周波電圧が発生する電圧ノードのうちの適切
な電圧ノードを電圧源VSと、高周波電流が発生してい
る電流ループのうちの適切な電流ループを電流源CSと
みなしている。
【0089】この図において、VSCPはダイオードD
i1と充電コンデンサCi1と電圧源VSとにより構成され
る。VSCPにおいては、交流電源ACからの出力を整
流素子DBで整流した出力の正負何れか一方とダイオー
ドDx1を介して電圧源VSとの間に充電コンデンサCi1
が接続され、充電コンデンサCi1と平滑コンデンサCe
との間に順方向にダイオードDi1が接続されている。C
SCPはダイオードDi2と充電コンデンサCi2と電流源
CSにより構成される。CSCPにおいては、整流素子
DBのVSCPが接続された極性と同一極性の出力とダ
イオードDx2を介して電流源CSのループを形成し、充
電コンデンサCi2が接続され、充電コンデンサCi2と平
滑コンデンサCeとの間に順方向にダイオードDi2が接
続されている。ここで、ダイオードDx1、Dx2はVSC
PとCSCPの作用が相互に干渉しないように挿入され
たものである。
【0090】これら2つのチャージポンプ(CSCP、
VSCP)によって、交流電源ACから入力電流を交流
電源ACの略全領域より引き出し、平滑コンデンサCe
に充電して直流を得ることにより、交流電源ACの入力
電流高調波歪みを低減し、高力率を得ることができる。
【0091】本実施の形態において、VSCPとCSC
Pが交流電源ACから電流を吸い込む期間に位相差があ
るように設定されている。したがって、上記のように、
VSCPとCSCPを組み合わせると、電圧源VSと電
流源CSの位相差によりVSCPとCSCPが交流電源
ACより電流を吸い込む期間のずれによって、1スイッ
チングサイクル中(スイッチング素子が高速にオン/オ
フを一回繰り返す期間)に入力電流Iinを吸い込む期間
が等価的に広がり、所定の負荷への出力電力に必要な入
力電流Iinを吸い込むのにVSCPあるいはCSCPい
ずれか一方のみの場合に比べて入力電流Iinのピーク値
を低減することが可能となり、電源装置を構成する部品
の部品耐量を低減できる。これにより、PFC機能を有
する電源装置において、小型化、低価格化を実現でき
る。以下に、本実施の形態の基本構成に基づいた電源装
置の具体的な例をいくつか説明する。
【0092】3−2.回路例 3−2−1.実施例3a 図32に実施例3aにおける電源装置の回路図を示す。
本回路においては、回路1が、スイッチング素子Q1、
Q2と結合コンデンサCcと共振インダクタLrと共振コ
ンデンサCrと負荷LDとを有し、これらが図32に示
すように接続されて構成されている。
【0093】ここで、CSCPはスイッチング素子Q
1、Q2からなるハーフブリッジインバータの負荷電流
および共振インダクタLrと共振コンデンサCrとによる
共振電流を発生する電流ループを電流源CSとし、充電
コンデンサCi2、ダイオードDi2により構成される。ま
た、VSCPは共振コンデンサCrの共振電圧を利用す
るため共振コンデンサの一端を電圧源VSとし、充電コ
ンデンサCi1、ダイオードDi1によって構成される。
【0094】本実施例では整流素子DBの出力の正極側
にVSCPとCSCPとを配している。前述したよう
に、VSCPとCSCPのいずれも、電圧源VSおよび
電流源CSが最大値から最小値に下がる過程で交流電源
ACより入力電流Iinを吸い込むが、本実施例では同一
の共振回路中の共振電流と共振電圧を用いているため、
当然電圧源VSと電流源CSには位相差が生じているの
で、1スイッチングサイクル中に交流電源ACから入力
電流Iinを吸い込む期間は従来のものより広がり、これ
により、回路素子の電流耐量を低減でき、安価かつ小型
の電源装置を実現できる。
【0095】3−2−2.実施例3b 図33に実施例3bにおける電源装置の回路図を示す。
本回路では、図32に示す回路において、充電コンデン
サCi1と共振コンデンサCrとの間に電流を制限する限
流要素として、インダクタ素子や抵抗器等のインピーダ
ンスZを挿入したものである。このようにインピーダン
スZを挿入することにより、充電コンデンサCi1に流れ
る電流のピーク値を低減することができる。
【0096】3−2−3.実施例3c 図34に実施例3cにおける電源装置の回路図を示す。
本実施例では、整流素子DBの負極側にVSCPおよび
CSCPを接続した。
【0097】3−3.効果 本実施の形態の電源装置によれば、整流素子DBの同一
極性に接続されたCSCPとVSCPとを備えたため、
1スイッチングサイクル中に交流電源ACから入力電流
Iinを吸い込む期間が広く取れるので、スイッチング素
子やインダクタ、コンデンサ等の構成部品の電流耐量を
低減でき、さらに安価で小型なPFC機能を有する電源
装置を提供できる。
【0098】また、整流素子DBの一極性と平滑コンデ
ンサCeの一極性が、直接接続されるため、回路の安定
性が良く、特に高周波電磁雑音が低減できる。
【0099】<実施の形態4> 4−1.概要 従来例2で示したCSCPの他の回路方式として、米国
特許USP5488269号に開示された図35に示す
回路が挙げられる。本回路は、交流電源ACと、交流電
源ACの出力を受ける整流素子DBと、平滑コンデンサ
Ceと、直列接続された一対のスイッチング素子Q1、
Q2と、共振コンデンサLrと共振コンデンサCrからな
る共振回路と、負荷回路と、直列接続された一対のダイ
オードDi3、Di4と、充電コンデンサCin2とからな
る。平滑コンデンサCeと、一対のスイッチング素子Q
1、Q2とは並列に接続され、スイッチング素子Q2
に、結合コンデンサと共振回路の直列回路が並列に接続
され、共振コンデンサCrに負荷回路が並列に接続され
ている。整流素子DBの低圧側出力端に平滑コンデンサ
の一端が接続され、整流素子DBの高側出力端と平滑コ
ンデンサの他端との間に一対のダイオードDi3、Di4が
接続され、ダイオードDi3とダイオードDi4との接続点
からスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との
接続点の間に充電コンデンサCin2が接続されている。
ここで、ダイオードDi3、Di4、および充電コンデンサ
Cin2によりCSCP回路を構成している。
【0100】本回路方式の場合、共振インダクタLrに
流れる電流のうち、スイッチング素子Q1、Q2の寄生
ダイオードを介して流れるフライホイール電流を利用し
充電コンデンサCin2の充放電を行う。以下に、この回
路の動作をモード毎に詳細に説明する;
【0101】(モード1):スイッチング素子Q1のオ
フ後、スイッチング素子Q2をオンさせずに(以降、ス
イッチング素子Q1、Q2が共にオフの時間を「デッド
オフタイム」と称す。)、連続的な共振インダクタに流
れる電流(以降、「インダクタ電流」と称す。)ILを
充電コンデンサCin2を介して流す。この時、充電コン
デンサCinは交流電源ACから整流素子DBを経て充電
され、充電コンデンサCinの両端電圧が入力電圧Vin
(交流電源ACの電圧)の絶対値と等しくなるまで充電
される。このときの充電期間は図36中のXで指示した
ドットで示された期間内となる(図中、Yで指定された
期間は平滑コンデンサCeの充電電流となり得る期間で
ある。)。図36に示すように入力電圧Vinに応じて充
電時間が拡張(図中では右方向に拡張)し、最大でドッ
ト部全体となる。
【0102】(モード2):充電コンデンサCinの両端
電圧が入力電圧Vinの絶対値と等しくなるとスイッチン
グ素子Q2の寄生ダイオードがオンし、通常のハーフブ
リッジ回路と同等の動作となる。
【0103】(モード3):上記モード2の動作の間に
スイッチング素子Q2をオンさせておき、インダクタ電
流ILが正の向きに反転するとスイッチング素子Q2を
介して流れる。
【0104】(モード4):スイッチング素子Q2がオ
フすると、スイッチング素子Q1をオンさせずに連続的
な共振インダクタLrに流れるインダクタ電流ILを充電
コンデンサCin2を介して流す。この時、充電コンデン
サCin2は整流ダイオードDi4を経て平滑コンデンサCe
を充電しながら、充電コンデンサCin2の両端電圧がゼ
ロになるまで放電する。
【0105】(モード5):充電コンデンサCin2の電
荷が放電されゼロになるとスイッチング素子Q1の寄生
ダイオードがオンし、通常のハーフブリッジ回路と同等
の動作となる。
【0106】(モード6):上記モード5の動作の間に
スイッチング素子Q1をオンさせておき、インダクタ電
流ILが負の向きに反転するとスイッチング素子Q1を
介して流れる。
【0107】以降、上記モード1〜モード6の回路動作
を繰り返す。このように、本方式では共振回路の電流の
一部を高周波電流源CSとし、充電コンデンサCin2の
充放電を交流電源ACおよび平滑コンデンサCeを介し
て行うことから、従来例2と同様にCSCPの一方式と
考えることができる。この場合、入力電流または平滑コ
ンデンサCeの充電電流に成り得る期間は、通常のハー
フブリッジ回路動作においてスイッチング素子Q1およ
びスイッチング素子Q2の寄生ダイオードを介して流れ
るフライホイール電流が導通する期間のみであるので、
充分な入力電流を得るためには従来例2の場合に比べさ
らに大きな共振電流(従来例2の倍以上)を要する。
【0108】本実施の形態では、図35で示されるCS
CP回路に対して回路内の高周波電圧振動を利用したV
SCPをさらに付加したものを説明する。また図35で
示されるCSCPに対して従来例2で述べたCSCPを
付加しても同様の効果を得ることができる。以下に上記
概念に基づいた電源装置の具体例のいくつかを説明す
る。
【0109】4−2.回路例 4−2−1.実施例4a 図37に実施例4aにおける電源装置の回路図を示す。
本回路は、図35で示された回路に、ダイオードDi3、
Di4の直列回路と並列に接続されたダイオードDi1、D
i2の直列回路と、ダイオードDi1とダイオードDi2との
接続点に一端を接続され、他端を共振インダクタLrと
共振コンデンサCrとの接続点に接続された充電コンデ
ンサCin1とからなるVSCPを付加したものである。
【0110】本回路方式の場合、図38で示した「パタ
ーンB」のようにインダクタ電流ILが入力電流に寄与
する。ここで、図38において、T、T'で指定される
期間は図35に示す回路において入力電流を取り込む期
間であり、S、S'で指定される期間は本実施例におい
て追加されたVSCPまたはCSCPにより入力電流が
取り込まれる期間である。したがって、入力電圧Vinの
ピーク付近では最大で高周波インダクタ電流の半サイク
ル以上の期間入力電流を引き出すことができる。以下
に、このときの動作をモード毎に詳細に説明する;
【0111】(モード1):スイッチング素子Q1がオ
フした後、スイッチング素子Q1およびスイッチング素
子Q2のデッドオフタイム中に充電コンデンサCin2を
充電しながらインダクタ電流ILは負の向き(図37に
おいて矢印の向きを正の向きとする。)に流れ、同時に
負荷および共振コンデンサCrと充電コンデンサCin1へ
流れ込む。充電コンデンサCin1へと流れ込んだ電流は
充電コンデンサCin1を放電しながら、平滑コンデンサ
を充電する。
【0112】(モード2):充電コンデンサCin2が充
電され入力電圧の絶対値と等しくなるとスイッチング素
子Q2の寄生ダイオードがオンし、さらにインダクタ電
流ILは負の向きに流れる。この期間にスイッチング素
子Q2はオンされる。またインダクタ電流ILはモード
1と同様に負荷LD、共振コンデンサCrおよび充電コ
ンデンサCin1に流れ込む。
【0113】(モード3):共振インダクタ電流ILが
減少し、正の向きに反転するとスイッチング素子Q2を
通じてインダクタ電流ILが流れ、負荷LD、共振コン
デンサCrのみを介して共振インダクタLrに戻る。共振
コンデンサCrの両端電圧が減少し、充電コンデンサCi
n1の高圧側電位(充電コンデンサCin1と整流ダイオー
ドDi1、Di2の接続点電位)が入力電圧の絶対値と等し
くなる時点までこの状態を維持する。
【0114】(モード4):充電コンデンサCin1の高
圧側電位(充電コンデンサCin1と整流ダイオードDi
1、Di2の接続点電位)が入力電圧の絶対値と等しくな
った後、インダクタ電流ILはスイッチング素子Q2を
介して負荷LD・共振コンデンサCrへ流れ込むものと
入力交流電源ACから整流素子DBを経て充電コンデン
サCin1を充電するものとの2つの経路で流れる。
【0115】(モード5):スイッチング素子Q2がオ
フすると、インダクタ電流ILは充電コンデンサCin2を
放電しながら平滑コンデンサCeを充電するように流れ
る。その間共振インダクタLrへ流れ込む電流は(4)
と同じく負荷LD・共振コンデンサCrおよび充電コン
デンサCin1から流れる。
【0116】(モード6):充電コンデンサCin2の両
端電圧がゼロになるとスイッチング素子Q1の寄生ダイ
オードがオンし、インダクタ電流ILはこの寄生ダイオ
ードを介して平滑コンデンサを充電するように流れる。
この間にスイッチング素子Q1をオンする。
【0117】(モード7):インダクタ電流ILが反転
し負の向きに流れ始めると平滑コンデンサCeからスイ
ッチング素子Q1、共振インダクタLrを介して共振コ
ンデンサCrと負荷LDとの並列回路へインダクタ電流
ILが流れる。共振コンデンサCrの両端電圧が増加し、
充電コンデンサCin1の高圧側電位(充電コンデンサCi
n1と整流ダイオードD1i、Di2の接続点電位)が平滑コ
ンデンサCeの両端電圧と等しくなるまでこの状態を維
持する。
【0118】(モード8):充電コンデンサCin1の高
圧側電位(Cin1と整流ダイオードの接続点電位)が平滑
コンデンサCeの両端電圧と等しくなると、インダクタ
電流ILは負荷LD・共振コンデンサCrへ流れ込むもの
と充電コンデンサCin1を放電しながら平滑コンデンサ
Ceを充電するものとの2つの経路で流れる。スイッチ
ング素子Q1がオフするまでこの状態を維持する。
【0119】交流電源ACからの入力電圧Vinが充分に
低い間では、上記モード4が表れる前にモード5が表
れ、その後、モード6の時にモード4が表れるといった
モードの入れ換わりが存在するが、総じて入力電圧Vin
が減少していくにつれてモード2、3、6、7が拡大
し、モード1、4、5、8が縮小する。入力電流はモー
ド1、4、5、8で流れるために入力電圧に応じて入力
電流は減少することとなり、入力力率は高効率に改善さ
れる。
【0120】図35で示した回路と比べるとインダクタ
電流ILの1サイクル中の入力電流の導通期間が飛躍的
に伸びるため、インダクタ電流の増加を抑制し、入力フ
ィルタ部の小型化及びその他回路部品の電流耐量の抑制
と小型化を達成でき、安価な電源装置を提供できる。ま
た各モードの共振回路の組み合わせにより共振コンデン
サCrの容量を小さく抑えながら出力に表れる低周波リ
ップルを低減できる。
【0121】4−2−2.実施例4b 図39に実施例4bにおける電源装置の回路図を示す。
本回路は、図37に示す回路構成において、スイッチン
グ素子Q1、Q2と平滑コンデンサCe以外の回路構成
をスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2の接続
点を中心とし平滑コンデンサCeの高圧側とグランド側
とで対称形に接続し直したものである。
【0122】4−2−3.実施例4c 図40に実施例4cにおける電源装置の回路図を示す。
本回路は、図37に示す回路構成において、共振コンデ
ンサCrおよび負荷LDの接続をグランド側(低圧側)
から平滑コンデンサCeの高圧側に変更したものであ
る。
【0123】4−2−4.実施例4d 図41に実施例4dにおける電源装置の回路図を示す。
本回路構成は、図37において、ダイオードDi3、Di
4、充電コンデンサCin2の接続を変更したものである。
【0124】このように構成した場合、高周波振動する
インダクタ電流ILの1サイクルのうち入力電流に寄与
する部分は図38の「パターンA」に示されたようにな
る。つまり、電源電圧Vinの絶対値が小さくなってくる
と、スイッチング素子Q2のオフした直後に充電コンデ
ンサCin2を通じて入力電流が流れ、その後、共振コン
デンサCrの電圧が低くなったときは充電コンデンサCi
n1を通じて入力電流が流れるというように入力電流が引
き出される。このように、充電コンデンサCin1および
充電コンデンサCin2の充放電により引き出される入力
電流に位相差ができるために、効率よく入力電流を引き
出すことができる。
【0125】4−2−5.実施例4e 図42に実施例4eにおける電源装置の回路図を示す。
本回路は、図41に示す回路構成において、共振コンデ
ンサCrおよび負荷LDの接続をグランド側(低圧側)
から平滑コンデンサCeの高圧側に変更したものであ
る。
【0126】4−2−6.実施例4f 図43に実施例4fにおける電源装置の回路図を示す。
本回路構成は、図41に示した回路の変形例であり、同
等の回路動作及び効果が得れる。
【0127】4−2−7.実施例4g 図44に実施例4gにおける電源装置の回路図を示す。
本回路は、従来例2で示した回路に対して、図35に示
すダイオードDi3、Di4と充電コンデンサCin2とを含
むCSCPを付加したものである。本回路方式の場合、
図38において示された「パターンB」で示されたよう
にインダクタ電流ILが入力電流に寄与する。したがっ
て、交流電源ACからの入力電圧Vinのピーク付近では
最大で高周波共振インダクタ電流の半サイクル以上の期
間入力電流を引き出すことができる。以下に、本回路の
動作をモード毎に詳細に説明する;
【0128】(モード1):スイッチング素子Q1がオ
フした後、スイッチング素子Q1およびスイッチング素
子Q1のデッドオフタイム中に充電コンデンサCin2を
充電しながらインダクタ電流ILは負の向き(図44に
おいて、共振コンデンサCrから共振インダクタLrに流
れる向きを正の向きとする。)に流れ、同時に負荷LD
および共振コンデンサCrへ流れ込む。負荷LD・共振
コンデンサCrへ流れた電流は充電コンデンサCin1と並
列接続された整流ダイオードDi2を流れ、平滑コンデン
サCeを充電し交流電源ACを介して充電コンデンサCi
n2を充電する。
【0129】(モード2):充電コンデンサCin2が充
電され入力電圧の絶対値と等しくなるとスイッチング素
子Q2の寄生ダイオードがオンし、さらに共振インダク
タ電流ILは負の向きに流れる。この期間にスイッチン
グ素子Q2はオンされる。またインダクタ電流ILはモ
ード1と同様に負荷LD・共振コンデンサCr・充電コ
ンデンサCin1に並列接続された整流ダイオードDi2に
流れ、平滑コンデンサを充電し、スイッチング素子Q2
の寄生ダイオードを介して共振インダクタLrに戻る。
【0130】(モード3):インダクタ電流ILが減少
し、正の向きに反転するとスイッチング素子Q2を通じ
てインダクタ電流ILが流れ、負荷LD・共振コンデン
サCr・充電コンデンサCin1を介して共振インダクタL
rに戻る。充電コンデンサCin1の両端電圧が増加し、充
電コンデンサCin1の低圧側電位(充電コンデンサCin1
と共振コンデンサCr・負荷LDの接続点電位)が入力電
圧Vinの絶対値と等しくなる時点までこの状態を維持す
る。
【0131】(モード4):充電コンデンサCin1の低
圧側電位(充電コンデンサCin1と共振コンデンサCrと
負荷LDとの接続点電位)が入力電圧の絶対値と等しく
なった後、入力電流が交流電源ACから引き出され、整
流素子DB、負荷LDと共振コンデンサCrの並列回路
を介してインダクタ電流ILが流れ、スイッチング素子
Q2を通して整流素子DBを経て交流電源ACへと流れ
込む。
【0132】(モード5):スイッチング素子Q2がオ
フするとインダクタ電流ILは充電コンデンサCin2を放
電しながら平滑コンデンサを充電し整流素子DB、交流
電源ACを介して入力電流として整流素子DBの高圧
(正極)側出力端から整流ダイオードDi1、負荷LDと
共振コンデンサCrの並列回路を介して共振インダクタ
Lrに戻る。
【0133】(モード6):充電コンデンサCin2の両
端電圧がゼロになるとスイッチング素子Q1の寄生ダイ
オードがオンし、交流電源ACより入力電流として整流
素子DBの高圧側から整流ダイオードDi1、負荷LDと
共振コンデンサCrの並列回路を流れてきたインダクタ
電流ILは、スイッチング素子Q1の寄生ダイオードを
介して平滑コンデンサCeを充電するように流れる。こ
の間にスイッチング素子Q1をオンする。
【0134】(モード7):インダクタ電流ILが反転
し負の向きに流れ始めるとスイッチング素子Q1、共振
インダクタIrを介して共振コンデンサCr、負荷LDへ
インダクタ電流ILが流れる。そのインダクタ電流ILは
充電コンデンサCin1を放電しながらスイッチング素子
Q1、共振インダクタLrへ戻る。充電コンデンサCin1
が完全に放電するまでこの状態を維持する。
【0135】(モード8):充電コンデンサCin1が完
全に放電されると、インダクタ電流ILは負荷LD、共
振コンデンサCrへ流れた後に充電コンデンサCin1と並
列接続された整流ダイオードDi2、スイッチング素子Q
1を介してインダクタLrへ戻る。
【0136】入力電圧Vinが充分に低い間では、上記モ
ード4が表れる前にモード5が表れ、その後、モード6
の時にモード4が表れるといったモードの入れ換わりが
存在するが、総じて入力電圧が減少していくにつれてモ
ード2、3、6、7が拡大し、モード1、4、5、8が
縮小する。入力電流はモード1、4、5、8で流れるた
めに入力電圧に応じて入力電流は減少することとなり、
入力力率は高効率に改善される。
【0137】このように実施例4aで述べた回路動作と
同じく入力電流の導通期間を米国特許USP5,48
8,269号または従来例2で開示された電源装置より
もさらに拡げることができるために、共振電流の増加を
抑制し入力フィルタ部の小型化及びその他回路部品の電
流耐量の抑制と小型化を達成でき、安価な電源装置を実
現できる。また各モードの共振回路の組み合わせにより
共振コンデンサCrの容量を小さく抑えながら出力に表
れる低周波リップルを低減できる。
【0138】4−2−8.実施例4h 図45に実施例4hにおける電源装置の回路図を示す。
図45に示すように、本回路は、図44の電源装置にお
いて、ダイオードDi3、Di4、および充電コンデンサC
in2を含むCSCPを整流素子DBの低圧側に接続した
ものである。本回路構成の場合、高周波共振電流ILの
1サイクルのうち入力電流に寄与する部分は図38の
「パターンA」に示されたようになる。この場合も充電
コンデンサCin1および充電コンデンサCin2の充放電に
より引き出される入力電流に位相差ができるために、効
率よく入力電流を引き出すことができる。
【0139】4−3.効果 本実施の形態の電源装置によれば、米国特許USP5,
488,269号で開示されたCSCPを備えた電源装
置において、その回路上の高周波電圧振動を利用したV
SCP、または、その回路上の高周波電流振動を利用し
たCSCPをさらに備え、従来のCSCPと組合わせて
動作させることにより、1スイッチングサイクル中に交
流電源ACから入力電流Iinを吸い込む期間が広く取れ
るので、スイッチング素子やインダクタ、コンデンサ等
の構成部品の電流耐量を低減でき、さらに安価で小型な
PFC機能有する電源装置を実現できる。
【0140】<実施の形態5> 5−1.概要 図46に1石式電圧共振型インバータの一例を示す。1
石式電圧共振型インバータにおいて、交流電源ACの出
力を整流素子DBで全波整流し、平滑コンデンサCeで
平滑し直流電圧を得る。スイッチQは高速にスイッチン
グする。よって、インダクタL1と共振コンデンサCr
の作用によりインダクタL1の両端には高周波電圧が発
生する。これを直列共振回路のコンデンサCcとインダ
クタL2で共振させ、負荷である蛍光灯FLに高周波電
力を供給する。コンデンサCoは蛍光灯FLの電極を予
熱するために挿入してある。このような1石式インバー
タは種々知られている。
【0141】この回路においてもインダクタL2と蛍光
灯FLとの接続点VNは、平滑コンデンサCeないしは
交流電源ACからみて高周波電圧源VSとみなすことが
でき、また、コンデンサCc、インダクタL2、蛍光灯
FLには高周波電流が流れるため、この電流経路を高周
波電流源CSとみなし得る。
【0142】従って、これら電圧源VSと電流源CSと
を用いることにより、前述のように、VSCP、CSC
Pを構成することができる。そこで、以下に、実施の形
態1で示した基本概念を1石式電圧共振型インバータに
適応した例を示す。
【0143】5ー2.回路例 5−2−1.実施例5a 図47に実施例5aにおける電源装置の回路図を示す。
電源装置は、図46の回路において、ダイオードDi2と
充電コンデンサCi2の並列回路を含むCSCPと、ダイ
オードDi1と充電コンデンサCi1とを含むVSCPを備
えたものである。すなわち、蛍光灯FLを流れる共振電
流Iresの電流ループを電流源CSとし、ダイオードDi2
と充電コンデンサCi2とによりCSCPを構成し、イン
ダクタL2と蛍光灯FLとの接続点(ノード)VNを電
圧源VSとし、充電コンデンサCi1とダイオードDi1と
によりVSCPを構成した。
【0144】本回路においても、同一共振回路内の電圧
源VSと電流源CSを用いているため位相差が発生し、
VSCPとCSCPが交流電源ACから整流素子DBを
介して入力電流Iinを取り込む期間が広がるので、部品
電流耐量を低減でき、PFCを達成することができる。
【0145】5−2−2.実施例5b 図48に実施例5bにおける電源装置の回路図を示す。
本電源装置においては、整流素子DBに対して、実施例
5aとは逆の極性にVSCP、CSCPを接続したもの
である。
【0146】5−3.効果 本実施の形態の電源装置によれば、1石式インバータに
対してCSCP、VSCPを付加した構成とすることに
より、1スイッチングサイクル中に交流電源ACから入
力電流を吸い込む期間が広く取れるので、スイッチング
素子やインダクタ、コンデンサ等の構成部品の電流耐量
を低減でき、さらに安価で小型なPFC機能を有する電
源装置を実現できる。
【0147】<実施の形態6> 6−1.概要 本実施の形態の電源装置は、高速スイッチングによって
回路中に生じる適切な高周波電圧振動、高周波電流振動
をそれぞれ電圧源VS、電流源CSとみなして、少量の
部品を付加してVSCPとCSCPを同時に実現し、V
SとCSの位相差によって、交流電源ACから整流素子
DBを介して入力電流Iinを取り込む期間を広げること
により、部品の電流耐量の低減を可能としたものであ
る。故に、基本となる回路方式は特に限定されるもので
はない。
【0148】例えば、図49に示すようなLプッシュプ
ル型インバータや図50に示すようなフルブリッジ型イ
ンバータにおいても、上記VSCP、CSCP手段を付
加することで、電源装置において安価にかつ小型にPF
C機能を達成することができる。以下に、本実施の形態
の具体的な回路例をいくつか説明する。
【0149】6−2.回路例 6−2−1.実施例6a 図50に実施例6aの回路図を示す。本実施例の回路は
Lプッシュプル型インバータに適応させたものであり、
Lプッシュプル型インバータ回路中に発生する高周波電
圧振動、高周波電流振動を用いてVSCP動作、CSC
P動作を行う。本実施例において、Lプッシュプル型イ
ンバータ回路として図49に示す回路を用いる。すなわ
ち、図49に示す回路において、整流素子DBの高圧側
出力端と平滑コンデンサの一端との間に接続されたダイ
オードDi1と、ダイオードDi1と整流素子DBの接続点
から共振インダクタLrと共振コンデンサCrの高圧側の
接続点との間に接続された充電コンデンサCi1とを付加
し、整流素子DBの低圧側出力端と平滑コンデンサの他
端との間に接続されたダイオードDi12と、ダイオード
Di12に並列接続された充電コンデンサCi2とを付加し
た。
【0150】ここで、電流源CSは、出力トランスT、
共振コンデンサCrと負荷LDとの並列回路を含む電流
ループとし、ダイオードDi2と充電コンデンサCi2とと
もにCSCPを構成する。また、ノードVNは高周波電
圧振動するため、これを電圧源VSとし、ダイオードD
i1と充電コンデンサCi1とともにVSCPを構成する。
出力トランスTの2次側に共振コンデンサCrが接続さ
れているため、VSCPとCSCPとの間に位相差があ
り前述したものと同様の効果が得られる。
【0151】6−2−2.実施例6b 図51にLプッシュプル型インバータに適応した別の例
を示す。本実施例では、図50のLプッシュプル型イン
バータにおいて、出力トランスの2次側共振回路を変更
したものである。本実施例においても、充電コンデンサ
Ci1とダイオードDi1とを有するVSCPと、充電コン
デンサCi2とダイオードDi2とを有するCSCPとが
実施例6bの場合と同等に動作し、したがって、同様の
効果が得られる。
【0152】6−2−3.実施例6c 図52にLプッシュプル型インバータに適応したさらに
別の例を示す。本実施例においては、実施例6bに示す
回路において、VSCPとCSCPの整流素子DBに対
する極性が逆になるように接続を変更したものである。
【0153】6−2−4.実施例6d 図54に実施例6dにおける電源装置の回路図を示す。
図53に示す回路に、VSCPを構成するため充電コン
デンサCi1とダイオードDi1とを付加し、CSCPを構
成するため充電コンデンサCi2とダイオードDi2とを
図54に示すように付加したものである。本実施例で
は、共振インダクタLrと共振コンデンサCrとの接続点
の電圧振動を用いてVSCP動作を行い、スイッチング
素子Q4に流れる電流を用いてCSCP動作を行う。共
振インダクタLrと共振コンデンサCrとからなる共振回
路の一部の電流によりCSCP動作を行うが、VSCP
との組み合わせにより、交流電源ACから入力電流の取
り込み効率を向上できる。
【0154】6−2−5.実施例6e 図55に実施例6eにおける電源装置の回路図を示す。
本実施例の回路は、図54に示す回路において、VSC
PとCSCPの整流素子DBに対する極性が逆になるよ
うに接続され、さらに、スイッチング素子Q1に流れる
電流を用いてCSCP動作を行うように接続されたもの
である。このように、フルブリッジ型インバータ回路中
に複数ある電圧源VS、電流源CSのうち、適切な電圧
源VS、電流源CSを選択して用いることができる。
【0155】6−2−6.実施例6f 図56に実施例6fにおける電源装置の回路図を示す。
本実施例の電源装置においては、整流素子DBの高圧
側、低圧側それぞれに対称となるようにVSCP、CS
CPの組を付加している。実施例6dおよび実施例6f
では、共振電流の一部を用いてCSCP動作を行ってい
たが、本実施例のように整流素子DBの正負出力双方に
VSCPとCSCPとを付加することで、フルブリッジ
インバータのように回路が平滑コンデンサCeから見て
完全対称形の場合、回路の対称性が維持でき、さらに良
好に効果が得られる。
【0156】6−3.効果 本実施の形態の電源装置によれば、どのようなインバー
タ回路であっても、1スイッチングサイクル中に交流電
源ACから入力電流を吸い込む期間が広く取れるので、
スイッチング素子やインダクタ、コンデンサ等の構成部
品の電流耐量を低減でき、さらに安価で小型なPFC機
能を有する電源装置を実現できる。
【0157】<実施の形態7> 7−1.概要 従来例2のCSCPの他の回路方式として、例えば特開
平2−75200号公報に開示された図57に示す回路
が挙げられる。図57において、電源装置は、交流電源
ACと整流素子DBと整流ダイオードD1とスイッチン
グ素子Q1、Q2と、充電コンデンサCinと平滑コンデ
ンサCeと共振インダクタLrと共振コンデンサCrと負
荷LDとからなる。整流素子DBは交流電源ACの出力
を受け、整流素子DBの出力端間に整流ダイオードD
1、スイッチング素子Q1、Q2が直列接続され、スイ
ッチング素子Q1、Q2からなる直列回路に充電コンデ
ンサCinと平滑コンデンサCeとからなる直列回路が並
列に接続され、スイッチング素子Q1とスイッチング素
子Q2との接続点と充電コンデンサCinと平滑コンデン
サCeの接続点との間に共振インダクタLrと共振コンデ
ンサCrとからなる共振回路が接続され、共振コンデン
サCrと並列に負荷LDが接続されている。
【0158】本回路方式の場合、充電コンデンサCinの
高圧側が入力電圧の絶対値と等しくなればスイッチング
素子Q1を介して交流電源ACから直接負荷共振回路L
Dへインダクタ電流ILが流れ、図58に示すように負
の向きのインダクタ電流IL(図57中の矢印の向きを
正の向きとする。)の一部が入力電流となる(図58に
おいて、斜線で示される領域Xが入力電流となる。)。
【0159】この様に本方式では共振回路の電流の一部
を高周波電流源とし、充電コンデンサCinの充放電によ
る電位差を利用してインダクタ電流ILをそのまま入力
電流とするため、従来例2と同様にCSCPの一方式と
考えることができる。この場合入力電流及び平滑コンデ
ンサCeの充電電流に成り得る期間は、通常のハーフブ
リッジ回路動作においてスイッチング素子Q1が正の向
きに導通する期間のみであるので、充分な入力電流を得
るためには従来例2の場合に比べさらに大きなインダク
タ電流を要する。以下に本実施形態における回路例を示
す。
【0160】7−2.回路例 7−2−1.実施例7a 図59に実施例7aの回路図を示す。本回路において
は、図57に示す回路において、整流素子DBとダイオ
ードD1との間にダイオードD2を順方向となるように
挿入し、ダイオードD1とダイオードD2との接続点か
ら共振インダクタと共振コンデンサとの接続点との間に
接続された充電コンデンサCin1を付加したものである
(なお、説明の便宜上、図59では、図57の充電コン
デンサの符号をCinからCin2に変更している。)。ま
た、図60において、上段の図は本回路における入力電
圧Vinの変化を示し、下段の図は、入力電圧がピーク値
またはゼロの時の交流電源ACから入力電流が取り込ま
れる期間を説明した図である。図中、領域S、S'は本
実施例において図57の回路に付加したCSCPまたは
VSCPにより入力電流が取り込まれる期間を示し、領
域T、T'は図57の回路のCSCPにより入力電流が
取り込まれる期間を示す。
【0161】図59に示す本回路の場合、インダクタ電
流ILが図60におけるパターンBで示すように入力電
流に寄与する。従って、入力電圧Vinのピーク付近(Vi
n Peak Area)では最大で高周波共振インダクタ電流の
半サイクル以上の期間、入力電流を引き出すことができ
る。以下に、モード順にその動作を詳細に説明する;
【0162】(モード1):スイッチング素子Q1がオ
フされた後、負の向きにインダクタ電流ILが共振コン
デンサCr・負荷LDを通じて平滑コンデンサCeを流
れ、スイッチング素子Q2の寄生ダイオードを介して共
振インダクタLrへ戻る。またインダクタ電流ILはイン
ダクタLrより充電コンデンサCin1→ダイオードD1→
充電コンデンサCin2→平滑コンデンサCe→スイッチン
グ素子Q2の寄生ダイオードへも流れる。このモード中
にスイッチング素子Q2がオンされる。
【0163】(モード2):インダクタ電流ILがゼロ
になり正の向きに反転すると、平滑コンデンサCeを電
源としてインダクタ電流ILは共振コンデンサCr・負荷
LD→共振インダクタLr→スイッチング素子Q2を介
して流れる。この電流により共振コンデンサCrの電荷
は放電され共振コンデンサCrと充電コンデンサCin1の
接続点電位が減少し、充電コンデンサCin1とダイオー
ドD1・D2の接続点電位が入力電圧の絶対値と等しく
なるまでこの状態は維持される。
【0164】(モード3):充電コンデンサCin1とダ
イオードD1、D2の接続点電位が入力電圧の絶対値と
等しくなるとダイオードD2がオンし、交流電源ACよ
りダイオードD2を介し充電コンデンサCin1を充電し
ながら共振インダクタLr→スイッチング素子Q2と入
力電流が引き出され上記(2)のインダクタ電流ILと
合成される。
【0165】(モード4):スイッチング素子Q2がオ
フすると、インダクタ電流ILはスイッチング素子Q1
の寄生ダイオードを介して充電コンデンサCin2を充電
しながら共振コンデンサCr、負荷LDを通じて共振イ
ンダクタLrへ戻る。また交流電源ACよりダイオード
D2を介し充電コンデンサCin1を充電しながら共振イ
ンダクタLr→スイッチング素子Q1の寄生ダイオード
を介して充電コンデンサCin2→平滑コンデンサCeと入
力電流が引き出され前記インダクタ電流ILと合成され
る。
【0166】(モード5):インダクタ電流ILがゼロ
なり負の向きに反転すると充電コンデンサCin2を電源
としてスイッチング素子Q1→共振インダクタLr→共
振コンデンサCr・負荷LDと流れ始める。これにより
充電コンデンサCin2が放電され、充電コンデンサCin2
の高圧側電位が入力電圧の絶対値と等しくなるまでこの
状態が維持される。このモードの間に共振コンデンサC
rが充電され、充電コンデンサCin1とダイオードD1、
D2の接続点電位が平滑コンデンサCeと充電コンデン
サCin2の両端合成電圧に達すればダイオードD1がオ
ンし、充電コンデンサCin1を電源としてダイオードD
1→スイッチング素子Q1を介して共振インダクタLr
に電流を流し共振インダクタLrにエネルギーを蓄積す
る。もしこのモードの間にダイオードD1がオンしなけ
れば次のモード(モード6)で本動作が行われる。
【0167】(モード6):充電コンデンサCinの高圧
側電位が入力電圧の絶対値と等しくなると整流ダイオー
ド D1、D2がオンし、交流電源ACから整流素子D
B→ダイオードD2、D1→スイッチング素子Q1→共
振インダクタLr→共振コンデンサCr、負荷LD→平滑
コンデンサCeという経路で入力電流が引き出され、平
滑コンデンサCeを充電する。この間、引き続き充電コ
ンデンサCin1を電源としてダイオードD1→スイッチン
グ素子Q1を介して共振インダクタLrに電流を流し共
振インダクタLrにエネルギーを蓄積する。
【0168】総じて入力電圧が減少していくにつれて、
モード3、モード4、(モード5)、モード6の各モー
ドが縮小し、入力電流はこれらのモード中において流れ
るため、入力電圧に応じて入力電流は減少することとな
り、入力力率は高効率に改善される。
【0169】図57で示した回路と比べるとインダクタ
電流ILの1サイクル中の入力電流の導通期間が飛躍的
に伸びるため、インダクタ電流ILの増加を抑制し、入
力フィルタ部の小型化及びその他回路部品の電流耐量の
抑制と小型化を達成でき、安価な電源装置を提供でき
る。また各モードの共振回路の組み合わせの作用により
共振コンデンサCrの容量を小さく抑えながら出力に表
れる低周波リップルを低減できる。
【0170】7−2−2.実施例7b 図61に実施例7bの電源装置の回路図を示す。本回路
の電源装置は、図59に示す回路の構成において、スイ
ッチング素子Q1、Q2と平滑コンデンサ以外の回路構
成をスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2の接
続点を中心とし平滑コンデンサCeの高圧側と低圧(グ
ランド)側とで対称となるように接続したものである。
【0171】7−2−3.実施例7c 図62に実施例7cにおける電源装置の回路図を示す。
本回路は、図61に示す回路において、平滑コンデンサ
Ceと充電コンデンサCin2とを入れ換えた構成となって
いる。本回路構成の場合、インダクタ電流ILの1サイ
クルのうち入力電流に寄与する部分は図60のパターン
Aに示されたようになる。以下に、モード順に本回路の
動作を詳細に説明する;
【0172】(モード1):スイッチング素子Q1がオ
フした後、負の向きにインダクタ電流ILは共振コンデ
ンサCr、負荷LDを通じて平滑コンデンサCeを流れ、
スイッチング素子Q2の寄生ダイオードを介してインダ
クタへ戻る。またインダクタ電流ILは充電コンデンサ
Cin1を充電しつつダイオードD2→交流電源へと流
れ、整流素子の高圧出力側から充電コンデンサCin2→
平滑コンデンサCeに流れ、平滑コンデンサCeを充電し
ながらスイッチング素子Q2の寄生ダイオードを介して
共振インダクタILへ戻り、入力電流を引き出す。従っ
てインダクタ電流ILはこれらの合成電流となる。この
モード中にスイッチング素子Q2がオンされる。
【0173】(モード2):インダクタ電流ILがゼロ
になり正の向きに反転すると、平滑コンデンサCeを電
源としてインダクタ電流ILは共振コンデンサCr・負荷
LD→共振インダクタLr→スイッチング素子Q2を介
して流れる。同時にこのモードの間に充電コンデンサC
in1を電源として共振インダクタLr→スイッチング素子
Q2→ダイオードD1を介して電流が流れ共振インダク
タLrにエネルギーを蓄積する。
【0174】(モード3):スイッチング素子Q2がオ
フするとインダクタ電流ILはスイッチング素子Q1の
寄生ダイオードを介して充電コンデンサCin2を充電し
ながら共振コンデンサCr・負荷LDを通じて共振インダ
クタLrへ戻る。平滑コンデンサCeの電圧Vceから充電
コンデンサCin1の電圧を引いた差分が共振コンデンサ
Cr両端電圧と等しければ、同時にスイッチング素子Q
1の寄生ダイオードを介して充電コンデンサCin2を充
電し平滑コンデンサCe→ダイオードD1→充電コンデ
ンサCin1へ流れ、充電コンデンサCin1を放電する。
【0175】(モード4):インダクタ電流ILがゼロ
となり負の向きに反転すると充電コンデンサCinを電源
としてスイッチング素子Q1→共振インダクタLr→共
振コンデンサCr・負荷LDと流れ始める。充電コンデ
ンサCin2が放電され、充電コンデンサCin2の両端電圧
に平滑コンデンサCeの電圧Vceを加えた電圧が入力電
圧の絶対値と等しくなるまでこの状態を維持する。この
間にインダクタ電流ILにより共振コンデンサCrが充電
され、充電コンデンサCin2の両端電圧に平滑コンデン
サCeの電圧Vceを加えた電圧が、入力電圧の絶対値と
充電コンデンサCin1電圧との差分電圧と等しくなれ
ば、ダイオードD2がオンし、インダクタ電流ILは充
電コンデンサCin1を充電しながらダイオードD2を介
して交流電源ACへと流れスイッチング素子Q1を通じ
て共振インダクタLrへと戻り入力電流を引き出す。
【0176】(モード5):充電コンデンサCin2の両
端電圧と平滑コンデンサCeの電圧Vceとを加算した電圧
値が入力電圧の絶対値と等しくなると整流ダイオードD
1がオンし、交流電源ACから整流素子DB→ダイオー
ドD1→スイッチング素子Q1→共振インダクタLr→
共振コンデンサCr・負荷LD→平滑コンデンサCeとい
う経路で入力電流が引き出され、平滑コンデンサCeを
充電する。同時にインダクタ電流ILにより共振コンデ
ンサCrが充電され、平滑コンデンサCeの電圧Vceと共
振コンデンサCrの電圧値を加算した電圧値が、入力電
圧の絶対値と充電コンデンサCin1の電圧との差分と等
しくなればダイオードD2がオンし、インダクタ電流I
Lは充電コンデンサCin1を充電しながらダイオードD2
を介して交流電源ACへと流れスイッチング素子Q1を
通じて共振インダクタLrへと戻り、入力電流を引き出
す。
【0177】総じて入力電圧が減少していくにつれてモ
ード1、(4)、5は縮小し、入力電流はこれらのモー
ドで流れるために入力電圧に応じて入力電流は減少する
こととなり、入力力率は高効率に改善される。本実施例
も図51に示す回路と同等の効果が得られる。
【0178】7−2−4.実施例7d 図63に実施例7dにおける電源装置の回路図を示す。
本電源装置は、図62に示す回路の構成において、スイ
ッチング素子Q1、Q2と平滑コンデンサ以外の回路構
成をスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2の接
続点を中心とし平滑コンデンサCeの高圧側と低圧(グ
ランド)側とで対称となるように接続したものである。
【0179】7−2−5.実施例7e 図64に実施例7eにおける電源装置の回路図を示す。
本回路は図35に示される回路のCSCPの考え方を図
57に示す回路に適用したものである。すなわち、図6
3に示す回路において、充電コンデンサCin1の共振イ
ンダクタLrと共振コンデンサCrとの接続端を、スイッ
チング素子Q1とスイッチング素子Q2との間の接続点
に接続したものである。本回路はインダクタ電流を抑制
しつつ入力電流の導通期間を拡げ、高効率に入力電流を
引き出すものである。以下に、本回路の動作をモード順
に詳細に説明する;
【0180】(モード1):スイッチング素子Q1のオ
フ後、負の向きのインダクタ電流ILは交流電源ACよ
りダイオードD2を介して充電コンデンサCin1を充電
しながら流れ、共振インダクタLrを経由して共振コン
デンサCr・負荷LDから平滑コンデンサCeを充電する
方向に流れ込み、入力電流を引き出す。充電コンデンサ
Cin1の両端電圧が入力電圧の絶対値と等しくなるまで
このモードを維持する。
【0181】(モード2):充電コンデンサCin1の両
端電圧が入力電圧の絶対値と等しくなると、負の向きの
インダクタ電流ILは共振コンデンサCr・負荷LDを通
じて平滑コンデンサCeを流れ、スイッチング素子Q2
の寄生ダイオードを介して共振インダクタLrへ戻る。
このモード中にスイッチング素子Q2がオンされる。
【0182】(モード3):インダクタ電流ILがゼロ
になり正の向きに反転すると、平滑コンデンサCeを電
源としてインダクタ電流ILは共振コンデンサCr・負荷
LD→共振インダクタLr→スイッチング素子Q2を介
して流れる。
【0183】(モード4):スイッチング素子Q2がオ
フすると、正の向きのインダクタ電流ILは充電コンデ
ンサCin1を放電しながらダイオードD1を介して充電コ
ンデンサCin2を充電し、共振コンデンサCr・負荷LD
を通じて共振インダクタLrに戻る。
【0184】(モード5):充電コンデンサCin1の両
端電圧がゼロになるとスイッチング素子Q1の寄生ダイ
オードがオンし、インダクタ電流ILはスイッチング素
子Q1の寄生ダイオードを介して充電コンデンサCin2
を充電しながら共振コンデンサCr・負荷LDを通じて
共振インダクタLrへ戻る。この期間にスイッチング素
子Q1はオンされる。
【0185】(モード6):インダクタ電流ILがゼロ
となり負の向きに反転すると充電コンデンサCin2を電
源としてスイッチング素子Q1→共振インダクタLr→
共振コンデンサCr・負荷LDと流れ始める。充電コン
デンサCin2が放電され、充電コンデンサCin2の高圧側
電位が入力電圧の絶対値と等しくなるまでこの状態を維
持する。
【0186】(モード7):充電コンデンサCin2の高
圧側電位が入力電圧の絶対値と等しくなるとダイオード
D1がオンし、交流電源ACから整流素子DB→ダイオ
ードD1→スイッチング素子Q1→共振インダクタLr
→共振コンデンサCr・負荷LD→平滑コンデンサCeと
いう経路で入力電流が引き出され、平滑コンデンサCe
を充電する。
【0187】総じて入力電圧が減少していくにつれてモ
ード1、4、7が縮小し、入力電流はモード1、7で流
れるために入力電圧に応じて入力電流は減少することと
なり、入力力率は高効率に改善される。本実施例も図5
9に示す回路と同等の効果が得られる。
【0188】7−2−6.実施例7f 図65に実施例7fにおける電源装置の回路図を示す。
本電源装置は、図64に示す回路の構成において、スイ
ッチング素子Q1、Q2と平滑コンデンサ以外の回路構
成をスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2の接
続点を中心とし平滑コンデンサCeの高圧側と低圧(グ
ランド)側とで対称となるように接続したものである。
【0189】7−2−7.実施例7g 図66に実施例7gにおける電源装置の回路図を示す。
本回路は図64に示す実施例7eで述べられた回路にお
いて平滑コンデンサCeと充電コンデンサCin2とを
入れ換えたものである。以下に本回路の動作をモード順
に詳細に説明する;
【0190】(モード1):スイッチング素子Q1がオ
フした後、負の向きのインダクタ電流ILは交流電源A
CよりダイオードD2を介して充電コンデンサCin1を
充電しながら流れ、共振インダクタLrを経由して共振
コンデンサCr・負荷LDから充電コンデンサCin2を充
電する方向に流れ込み、入力電流を引き出す。充電コン
デンサCin1の両端電圧が入力電圧の絶対値と等しくな
るまでこのモードを維持する。
【0191】(モード2):充電コンデンサCin1の両
端電圧が入力電圧の絶対値と等しくなると、負の向きの
インダクタ電流ILは共振コンデンサCr・負荷LDを通
じて充電コンデンサCin2を充電し、スイッチング素子
Q2の寄生ダイオードを介して共振インダクタLrへ戻
る。このモード中にスイッチング素子Q2がオンされ
る。
【0192】(モード3):インダクタ電流ILがゼロ
になり正の向きに反転すると、充電コンデンサCin2を
電源としてインダクタ電流ILは共振コンデンサCr・負
荷LD→共振インダクタLr→スイッチング素子Q2を
介して流れる。この時、ダイオードD2のカソード側は
入力電圧の絶対値と同電位であるので、充電コンデンサ
Cin2が放電され充電コンデンサCin2の電圧Vcin2が減
少し、電圧Vcin2と平滑コンデンサCeの電圧Vceの和
が入力電圧の絶対値と等しくなるまでこのモードは維持
される。
【0193】(モード4):電圧Vcin2と電圧Vceの和
が入力電圧の絶対値と等しくなるとダイオードD1がオ
ンし、交流電源ACよりダイオードD2→ダイオードD
1→平滑コンデンサCe、共振コンデンサCr・負荷LD
→インダクタ→スイッチング素子Q2の経路で入力電流
が引き出される。
【0194】(モード5):スイッチング素子Q2がオ
フすると、正の向きのインダクタ電流ILは充電コンデ
ンサCin1を放電しながらダイオードD1を介して平滑
コンデンサCeを充電し、共振コンデンサCr・負荷LD
を通じて共振インダクタLrに戻る。
【0195】(モード6):充電コンデンサCin1の両
端電圧がゼロになるとスイッチング素子Q1の寄生ダイ
オードがオンし、インダクタ電流ILはスイッチング素
子Q1の寄生ダイオードを介して平滑コンデンサCeを
充電しながら共振コンデンサCr・負荷LDを通じて共
振インダクタLrへ戻る。この期間にスイッチング素子
Q1はオンされる。
【0196】(モード7):インダクタ電流ILがゼロ
となり負の向きに反転すると平滑コンデンサCeを電源
としてスイッチング素子Q1→共振インダクタLr→共
振コンデンサCr・負荷LDと流れ始める。
【0197】総じて入力電圧が減少していくにつれてモ
ード1、4、5が縮小し、入力電流はモード1、4で流
れるために入力電圧に応じて入力電流は減少することと
なり、入力力率は高効率に改善される。本実施例も図5
9に示す回路と同等の効果が得られる。
【0198】7−2−8.実施例7h 図67に実施例7eにおける電源装置の回路図を示す。
本電源装置は、図66に示す回路の構成において、スイ
ッチング素子Q1、Q2と平滑コンデンサ以外の回路構
成をスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2の接
続点を中心とし平滑コンデンサCeの高圧側と低圧(グ
ランド)側とで対称となるように接続したものである。
【0199】7−3.効果 本実施の形態で示された電源装置によれば、特開平2−
75200号公報で示された回路においても、これを基
本としながら従来例1で述べられたVSCPや米国特許
USP5,488,269号で述べられたCSCPを組
合わせることにより、1スイッチングサイクル中に交流
電源から入力電流Iinを吸い込む期間が広く取れるの
で、スイッチング素子やインダクタ、コンデンサ等の構
成部品の電流耐量を低減でき、さらに安価で小形なPF
C機能のある電源装置を提供できる。
【0200】<実施の形態8> 8−1.概要A 本実施の形態では、従来例1および従来例2で挙げたC
PPFC回路方式の基本方式と比べ、スイッチングロス
を改善した基本回路を示す。
【0201】図68に本実施の形態の基本回路を示す。
図68において、電源装置は交流電源ACからの出力を
整流する整流素子DBと、ダイオードDi1と、ダイオー
ドDi2とコンデンサCinとの並列回路と、直列接続され
た一対のスイッチング素子Q1、Q2と、共振インダク
タLrと共振コンデンサCrとからなる共振回路と、直列
接続された一対のコンデンサCc1、Cc2と、平滑コンデ
ンサCeとを有する。整流素子DBの高圧側出力端から
低圧側出力端の間に、ダイオードDi1と、ダイオードD
i2とコンデンサCinとの並列回路と、直列接続された一
対のコンデンサCc1、Cc2とが順方向となるように直列
に接続されている。また、一対のコンデンサCc1、Cc2
の直列回路に並列に平滑コンデンサCeが接続され、ダ
イオードDi1とダイオードDi2との接続点と整流素子D
Bの低圧側出力端との間に、スイッチQ1が高圧側にな
るように一対のスイッチング素子Q1、Q2が接続さ
れ、スイッチング素子Q1、Q2の接続点とコンデンサ
Cc1、Cc2の接続点との間に、共振インダクタLrがス
イッチング素子Q1、Q2と接続されるように共振回路
が接続されている。共振コンデンサCrと並列に負荷L
Dが接続されている。
【0202】図69は、このように構成された本回路に
おいて、交流電源ACから入力電流を取り込む状況を示
した図である。以下に、本回路の動作を説明する(な
お、図70〜図75は各モードにおける電流経路を示し
たものである。);
【0203】(モード1):スイッチング素子Q1がオ
ンすると、コンデンサCc1の直流電圧Vcc1を電源とし
充電コンデンサCinを充電しながらスイッチング素子Q
1→共振インダクタLr→共振コンデンサCr・負荷LD
へとインダクタ電流ILが流れる(図70参照)。
【0204】(モード2):充電コンデンサCinが充電
され、充電コンデンサCinとスイッチング素子Q1の接
続点電位が入力電圧の絶対値に等しくなればダイオード
Di1がオンし、交流電源ACよりダイオードDi1→スイ
ッチング素子Q1を介してインダクタ電流ILが流れ、
共振コンデンサCr・負荷LD→コンデンサCc2へと流
れ込み、入力電流を引き出す(図71参照)。
【0205】(モード3):スイッチング素子Q1がオ
フした後、スイッチング素子Q2の寄生ダイオードがオ
ンし、インダクタ電流ILは共振インダクタLrより共振
コンデンサCr・負荷LD→コンデンサCc2→スイッチ
ング素子Q2の寄生ダイオードを通じて共振インダクタ
Lrに戻る(図72参照)。
【0206】(モード4):インダクタ電流ILがゼロに
なり正の向き(図68中の矢印の向き)に反転すると、
コンデンサCc2を電源としてインダクタ電流ILは共振
コンデンサCr・負荷LD→共振インダクタLr→スイッ
チング素子Q2を介して流れる(図73参照)。
【0207】(モード5):スイッチング素子Q2がオ
フするとインダクタ電流ILはスイッチング素子Q1の
寄生ダイオードを介して充電コンデンサCinを放電しな
がらコンデンサCc1→共振コンデンサCr・負荷LDを
通じて共振インダクタLrへ戻る(図74参照)。
【0208】(モード6):充電コンデンサCin1の電
荷がすべて放出され電圧がゼロになると並列接続された
ダイオードDi2がオンし、スイッチング素子Q1の寄生
ダイオードを介してダイオードDi2→コンデンサCc1→
共振コンデンサCr・負荷LDを通じて共振インダクタ
Lrへ戻る(図75参照)。
【0209】本回路方式ではモード2において、共振イ
ンダクタ電流を交流電源ACから引き出すことによっ
て、簡易な構成で力率を改善し入力電流波形の歪みを改
善できる。すなわち、前述の従来例1、従来例2、米国
特許USP5,488,269号、もしくは特開平2−
75200号公報に開示されたものと同等の効果があ
る。
【0210】さらに、本回路においては、モード2、
3、4で充電コンデンサCinは充電された電圧を維持
し、スイッチング素子Q1あるいはスイッチング素子Q
2には電源電圧の絶対値しか電圧が印加されず、スイッ
チング時のスイッチング素子Q1、Q2の電圧は常に入
力電圧の絶対値となる。これはスイッチオフ時のスイッ
チングロスを改善する。この効果は以下の回路例におい
ても達成できる。
【0211】8−2.回路例A 8−2−1.実施例8a 図76に実施例8aにおける電源装置の回路図を示す。
本回路は、図68に示す回路において、整流素子DBの
低圧側出力端とスイッチング素子Q2の非スイッチング
素子Q1側端との間にダイオードDi3を挿入し、スイッ
チング素子Q2の低圧側端からコンデンサCc2と平滑コ
ンデンサCeとの接続点のうちの低圧側の接続点の間に
ダイオードDi4を挿入し、ダイオードDi4と並列に接続
された充電コンデンサCin2を設けたものである。以下
に、本回路の動作を詳細に説明する;
【0212】(モード1):スイッチング素子Q1がオ
ンすると、コンデンサCc1の直流電圧Vcc1を電源とし
コンデンサCin1を充電しながらスイッチング素子Q1
→共振インダクタLr→共振コンデンサCr・負荷LDの
経路でインダクタ電流ILが流れる。ここで充電コンデ
ンサCin2の電圧Vcin2は前動作より平滑コンデンサの
電圧Vce−|入力電圧Vin|となっており、{平滑コンデ
ンサCeの電圧Vce−(充電コンデンサCin1の電圧Vci
n1+充電コンデンサCin2の電圧Vcin2)}が入力電圧
絶対値 |Vin| に等しいのでダイオードDi1がオン
し、交流電源ACよりダイオードDi1→スイッチング素
子Q1を介してILが流れ、共振コンデンサCr・負荷L
D→コンデンサCc2→充電コンデンサCin2→ダイオー
ドDi3へと流れ込み、入力電流を引き出す。このインダ
クタ電流ILによる充電コンデンサCin1の充電と充電コ
ンデンサCin2の放電とで電圧値(Vcin1+Vcin2)を
一定に保つ。
【0213】(モード2):充電コンデンサCin2が完
全に放電され並列接続されたダイオードDi4がオンする
と充電コンデンサCin1の電圧Vcin1はVce−|Vin|の
まま一定を保ち、交流電源ACからダイオードDi1→ス
イッチング素子Q1→共振インダクタLr→負荷LD・
共振コンデンサCr→コンデンサCc2→ダイオードDi4
→ダイオードDi3とインダクタ電流ILが流れ、入力電
流を引き出す。
【0214】(モード3):スイッチング素子Q1がオ
フした後、スイッチング素子Q2の寄生ダイオードがオ
ンし、インダクタ電流ILは共振インダクタLrより共振
コンデンサCr・負荷LD→コンデンサCc2→ダイオー
ドDi4→スイッチング素子Q2の寄生ダイオードを通じ
て共振インダクタLrに戻る。
【0215】(モード4):インダクタ電流ILがゼロ
になり正の向きに反転すると、コンデンサCc2を電源と
してインダクタ電流ILは共振インダクタLr→スイッチ
ング素子Q2→充電コンデンサCin2(充電)→共振コ
ンデンサCr・負荷LDとダイオードDi3→交流電源A
C→ダイオードDi1→充電コンデンサCin1(放電)→
コンデンサCc1→共振コンデンサCr・負荷LDの経路
で流れ、充電コンデンサCin1の放電と充電コンデンサ
Cin2の充電とで電圧値(Vcin1+Vcin2)を一定に保
つ。
【0216】(モード5):充電コンデンサCin1が完
全に放電され並列接続されたダイオードDi2がオンする
と電圧Vcin2はVce−|Vin|のまま一定を保ち、交流電
源からダイオードDi1→ダイオードDi2→コンデンサC
c1→負荷LD・共振コンデンサCr→共振インダクタLr
→スイッチング素子Q2→ダイオードDi3とインダクタ
電流ILが流れ、入力電流を引き出す。
【0217】(モード6):スイッチング素子Q2がオ
フするとインダクタ電流ILはスイッチング素子Q1の
寄生ダイオード→ダイオードDi2→コンデンサCc1→共
振コンデンサCr・負荷LDを通じて共振インダクタLr
へ戻る。
【0218】本回路方式ではモード1、2、4、5にお
いてインダクタ電流を入力電源から引き出すことによっ
て、図68の回路に比べさらに拡い期間で入力電流を引
き出し、少ないインダクタ電流で高力率を達成する。そ
の上、本回路においては、全てのモードでスイッチング
素子Q1あるいはQ2には電源電圧の絶対値しか電圧が
印加されず、スイッチング時のスイッチング素子の電圧
は常に入力電圧の絶対値となる。これにより、スイッチ
オフ時のスイッチングロスを改善する。これによりスイ
ッチング素子及び放熱機構部品を小型化できコストを削
減できる。
【0219】8−2−2.実施例8b 図77に実施例8bの電源装置の回路図を示す。本回路
においては、図68に示す回路において、整流素子DB
の高圧側出力端にアノードを接続されたダイオードDi3
と、ダイオードDi3のカソードにアノードを接続され、
カソードが平滑コンデンサCeの高圧側端に接続された
ダイオードDi4と、ダイオードDi3とダイオードDi4と
の接続点に一端を接続された充電コンデンサCin2と、
充電コンデンサCin2の他端に一端を接続され、他端を
スイッチング素子Q1、Q2の接続点に接続されたイン
ダクタLとを備えている。本実施例の回路を基本にし、
米国特許USP5,541,829号のようにスイッチ
ング電圧に対し遅相の共振負荷電流と進相の電流の足し
合わせによるスイッチング電流の低減を達成する技術を
組合わせ、スイッチング素子及び放熱機構部品を小型化
できコストを削減できる。ここではスイッチング素子の
電圧・電流は図78で示されるようになる。
【0220】8−2−3.実施例8c 本実施例の電源装置は説明する前に、図68の回路と同
等の効果が得られる別の回路方式を図79、図80に示
す。図79に示す回路では、図68において、コンデン
サCc1、Cc2の直列回路をスイッチング素子Q3、Q4
の直列回路に置き換えたものである。図80に示す回路
では、図68において、コンデンサCc1、Cc2の直列回
路をスイッチング素子Q3、Q4の直列回路に置き換
え、さらに、コンデンサCinとダイオードDi2の並列回
路からなるCSCPがスイッチング素子Q3と平滑コン
デンサとの間に接続されるように接続を変更したもので
ある。
【0221】これらの回路は、図68の回路を基本に
し、スイッチング素子Q1、Q4がオンで、スイッチン
グ素子Q2、Q3がオフというモードと、スイッチング
素子Q1、Q4がオフでスイッチング素子Q2、Q3が
オンというモードとを高速に切り替え、高周波矩形波電
圧を負荷共振回路へ与えるようなフルブリッジインバー
タ回路へ適用した例である。これらの回路方式において
も図68の回路と同様に、スイッチング素子(図79で
はスイッチング素子Q1、Q2、図80ではスイッチン
グ素子Q1〜Q4)のスイッチングロスによる発熱を抑
えることができる。
【0222】図81の(a)に、実施例8cの基本とな
る回路の回路図を示す。本回路は図80において、共振
コンデンサCrをコンデンサCcで置き換えたものであ
る。ここで、コンデンサCcの容量値Ccは共振コンデン
サCrの容量値Crに比べ大きな値、すなわちCc>>Crで
あり、共振インダクタLrとの共振周波数はスイッチン
グ周波数に比べ充分に低い。よってコンデンサCc両端
には略直流電圧が発生する。本回路は、スイッチング素
子Q1、Q4がオン/オフを繰り返し、スイッチング素
子Q2、Q3はオフしたままとなるモードAと、スイッ
チング素子Q2、Q3がオン/オフを繰り返し、スイッ
チング素子Q1、Q4はオフしたままとなるモードBと
の2つのモードを有する。図81の(b)はスイッチン
グ素子Q1〜Q4のオン/オフのタイミングを示したも
のである。以下に、それぞれのモードにおける本回路の
動作を詳細に説明する;
【0223】<<モードA>> (A1):スイッチング素子Q1、Q4がオンすると、
平滑コンデンサCeを電源とし充電コンデンサCin1を充
電しながらスイッチング素子Q1→共振インダクタLr
→コンデンサCc→スイッチング素子Q4へとインダク
タ電流ILが流れる。
【0224】(A2):充電コンデンサCinが充電さ
れ、充電コンデンサCinとスイッチング素子Q1の接続
点電位が入力電圧の絶対値に等しくなればダイオードD
i1がオンし、交流電源よりダイオードDi1→スイッチン
グ素子Q1を介してインダクタ電流ILが流れ、共振イ
ンダクタLr→コンデンサCc→スイッチング素子Q4へ
と流れ込み、入力電流を引き出す。
【0225】(A3):スイッチング素子Q1、Q4が
オフした後、スイッチング素子Q2、Q3の寄生ダイオ
ードがオンし、インダクタ電流ILは共振インダクタLr
よりコンデンサCc→スイッチング素子Q3の寄生ダイ
オード→充電コンデンサCin(放電)→平滑コンデンサ
Ce→スイッチング素子Q2の寄生ダイオードを通じて
共振インダクタLrに戻る。
【0226】(A4):充電コンデンサCinが完全に放
電されると並列接続されたダイオードDi2がオンし、共
振インダクタLrよりコンデンサCc→スイッチング素子
Q3の寄生ダイオード→ダイオードDi2→平滑コンデン
サCe→スイッチング素子Q2の寄生ダイオードを通じ
て共振インダクタに戻る。この電流がゼロになれば(A
1)に戻る。
【0227】<<モードB>> (B1):スイッチング素子Q2、Q3がオンすると、
平滑コンデンサCeを電源とし充電コンデンサCinを充
電しながらスイッチング素子Q3→コンデンサCc→共
振インダクタLr→スイッチング素子Q2へとインダク
タ電流ILが流れる。
【0228】(B2):充電コンデンサCinが充電さ
れ、充電コンデンサCinとスイッチング素子Q3の接続
点電位が入力電圧の絶対値に等しくなればダイオードD
i1がオンし、交流電源ACよりダイオードDi1→スイッ
チング素子Q3を介してインダクタ電流ILが流れ、コ
ンデンサCc→共振インダクタLr→スイッチング素子Q
2へと流れ込み、入力電流を引き出す。
【0229】(B3):スイッチング素子Q2、Q3が
オフした後、スイッチング素子Q1、Q4の寄生ダイオ
ードがオンし、インダクタ電流ILは共振インダクタLr
よりスイッチング素子Q1の寄生ダイオード→充電コン
デンサCin(放電)→平滑コンデンサCe→スイッチン
グ素子Q4の寄生ダイオード→コンデンサCcを通じて
共振インダクタLrに戻る。
【0230】(B4):充電コンデンサCinが完全に放
電されると並列接続されたダイオードDi2がオンし、共
振インダクタよりスイッチング素子Q1の寄生ダイオー
ド→ダイオードDi2→平滑コンデンサCe→スイッチン
グ素子Q4の寄生ダイオード→コンデンサCcを通じて
共振インダクタLrに戻る。この電流がゼロになれば
(B1)に戻る。
【0231】このモードAとモードBとを低周波で交互
に繰り返すことによりコンデンサCc両端に低周波交流
出力電圧を発生することができる。
【0232】図82の(a)に実施例8cの電源装置の
回路図を示す。図82の(b)にスイッチング素子Q1
〜Q4のオフ/オンのタイミングを示す。この回路は上
記概念を適用したCSCPを2組有するものである。す
なわち、図82の(a)において、ダイオードDi2と充
電コンデンサCin1の並列回路を含むCSCPと、ダイ
オードDi4と充電コンデンサCin2の並列回路を含むC
SCPの2組のCSCPを有する。ダイオードD5とダ
イオードD6は互いのCSCPの干渉防止用に挿入され
ているものである。この回路に於ても前述の図81の
(a)に示す回路と同様に低周波の交流出力電圧を得な
がら入力電流波形歪みの改善とスイッチングロスの低減
を達成できる。
【0233】8−2−4.実施例8d 図83の(a)に実施例8cとは別の概念回路を示す。
本回路は図81の(a)において、さらにスイッチング
素子Q5、Q6を付加したものである。
【0234】本回路は、スイッチング素子Q1が常にオ
ンし、スイッチング素子Q4、Q5がオン/オフを繰り
返し、スイッチング素子Q2、Q3、Q6はオフしたま
まとなるモードAと、スイッチング素子Q2が常にオン
し、スイッチング素子Q3、Q6がオン/オフを繰り返
し、スイッチング素子Q1、Q4、Q5はオフしたまま
となるモードBとの2つのモードを有する。図81の
(b)はこれらのスイッチング素子Q1〜Q6のオン/
オフのタイミングを示したものである。以下に、それぞ
れのモードにおける本回路の動作を詳細に説明する;
【0235】<<モードA>> (A1):スイッチング素子Q4、Q5がオンすると、
平滑コンデンサCeを電源とし充電コンデンサCinを充
電しながら、スイッチング素子Q5→スイッチング素子
Q1→共振インダクタLr→コンデンサCc→スイッチン
グ素子Q4へとインダクタ電流ILが流れる。
【0236】(A2):充電コンデンサCinが充電さ
れ、充電コンデンサCinとスイッチング素子Q1の接続
点電位(スイッチング素子Q5は短絡)が入力電圧の絶
対値に等しくなればダイオードDi1がオンし、交流電源
ACよりダイオードDi1→スイッチング素子Q1を介し
てインダクタ電流ILが流れ、共振インダクタLr→コン
デンサCc→スイッチング素子Q4→スイッチング素子
Q6の寄生ダイオードへと流れ込み、入力電流を引き出
す。
【0237】(A3):スイッチング素子Q4、Q5が
オフした後、スイッチング素子Q3、Q6の寄生ダイオ
ードがオンし、インダクタ電流ILは共振インダクタLr
よりコンデンサCc→スイッチング素子Q3の寄生ダイ
オード→充電コンデンサCin(放電)→平滑コンデンサ
Ce→スイッチング素子Q6の寄生ダイオード→整流素
子DB→交流電源AC→整流素子DB→ダイオードDi1
→スイッチング素子Q1を通じて共振インダクタLrに
戻り、入力電流を引き出す。
【0238】(A4):充電コンデンサCinが完全に放
電されると並列接続されたダイオードDi2がオンし、イ
ンダクタ電流ILは共振インダクタLrよりコンデンサC
c→スイッチング素子Q3の寄生ダイオード→ダイオー
ドDi2→平滑コンデンサCe→スイッチング素子Q6の
寄生ダイオード→整流素子DB→交流電源AC→整流素
子DB→ダイオードDi1→スイッチング素子Q1を通じ
て共振インダクタLrに戻り、入力電流を引き出す。こ
の電流がゼロになれば(A1)に戻る。
【0239】<<モードB>> (B1):スイッチング素子Q3、Q6がオンすると、
平滑コンデンサCeを電源とし充電コンデンサCinを充
電しながらスイッチング素子Q3→コンデンサCc→共
振インダクタLr→スイッチング素子Q2→スイッチン
グ素子Q6へとインダクタ電流ILが流れる。
【0240】(B2):充電コンデンサCinが充電さ
れ、充電コンデンサCinとスイッチング素子Q3の接続
点電位が入力電圧の絶対値に等しくなればダイオードD
i1がオンし、交流電源ACよりダイオードDi1→スイッ
チング素子Q5の寄生ダイオード→スイッチング素子Q
3を介してインダクタ電流ILが流れ、コンデンサCc→
共振インダクタLr→スイッチング素子Q2へと流れ込
み、入力電流を引き出す。
【0241】(B3):スイッチング素子Q3、Q6が
オフした後、スイッチング素子Q4、Q5の寄生ダイオ
ードがオンし、インダクタ電流ILは共振インダクタLr
よりスイッチング素子Q2→整流素子DB→交流電源A
C→整流素子DB→ダイオードDi1→スイッチング素子
Q5の寄生ダイオード→充電コンデンサCin(放電)→
平滑コンデンサCe→スイッチング素子Q4の寄生ダイ
オード→コンデンサCcを通じて共振インダクタLrに戻
り、入力電流を引き出す。
【0242】(B4):充電コンデンサCinが完全に放
電されると並列接続されたダイオードDi2がオンし、共
振インダクタLrよりスイッチング素子Q2→整流素子
DB→交流電源AC→整流素子DB→ダイオードDi1→
スイッチング素子Q5の寄生ダイオード→ダイオードD
i2→平滑コンデンサCe→スイッチング素子Q4の寄生
ダイオード→コンデンサCcを通じて共振インダクタLr
に戻り、入力電流を引き出す。この電流がゼロになれば
(B1)に戻る。
【0243】このモードAとモードBとを低周波で交互
に繰り返すことによりコンデンサCc両端に低周波交流
出力電圧を発生することができる。
【0244】図84の(a)に実施例8dの電源装置の
回路図を示す。図84の(b)にスイッチング素子Q1
〜Q4のオフ/オンのタイミングを示す。この回路は上
記概念を適用したCSCPを2組有するものである。す
なわち、図83の(a)において、ダイオードDi2と充
電コンデンサCin1の並列回路を含むCSCPと、ダイ
オードDi4と充電コンデンサCin2の並列回路を含むC
SCPの2組のCSCPを有する。ダイオードD5とダ
イオードD6は互いのCSCPの干渉防止用に挿入され
ているものである。この回路に於ても前述の図81の
(a)に示す回路と同様に低周波の交流出力電圧を得な
がら入力電流波形歪みの改善とスイッチングロスの低減
を達成できる。
【0245】8−3.概要B ここでは、図68に示すような、CSCPを含んだ基本
回路に対して、回路内の高周波電圧振動を利用するVS
CPをさらに付加することにより、効果的なPFC手段
を実現できることを示す。
【0246】8−4.回路例B 8−4−1.実施例8e 図85に実施例8eにおける電源装置の回路図を示す。
本回路方式は図68に示す回路に従来例1で述べたVS
CP(ダイオードDi3、Di4、充電コンデンサCin1か
らなるVSCP)を付加したものである。すなわち、図
68に示す回路において、整流素子DBの高圧側出力端
と平滑コンデンサCeの高圧側端に直列にダイオードDi
3、Di4を接続し、ダイオードDi3とダイオードDi4の
接続点から共振インダクタLrと共振コンデンサCrの接
続点にコンデンサCinを接続したものである。本回路は
入力電流が流れる期間を拡げ、共振電流を低減すること
により、部品・装置の小型化と安価な電源装置の達成を
可能としたものである。以下に、本回路の動作を説明す
る;
【0247】(モード1):インダクタ電流ILが負の
向きに変わりスイッチング素子Q1がオンすると、充電
コンデンサCc1の直流電圧Vcc1を電源とし充電コンデ
ンサCin2を充電しながらスイッチング素子Q1→共振
インダクタLr→共振コンデンサCr・負荷LDとインダ
クタ電流ILが流れる。このモードの間に充電コンデン
サCin1の高圧側電位が平滑コンデンサCeの両端電圧に
達するとダイオードDi4がオンし、充電コンデンサCin
1からダイオードDi4→充電コンデンサCin2→スイッチ
ング素子Q1→共振インダクタLrと流れ、充電コンデ
ンサCin1を放電する。
【0248】(モード2):充電コンデンサCin2が充
電され、充電コンデンサCin2とスイッチング素子Q1
の接続点電位が入力電圧の絶対値に等しくなればダイオ
ードDi1がオンし、交流電源ACよりダイオードDi1→
スイッチング素子Q1を介してインダクタ電流ILが流
れ、共振コンデンサCr・負荷LD→コンデンサCc2へ
と流れ込み、入力電流を引き出す。同様にこのモードの
間に充電コンデンサCin1の高圧側電位が平滑コンデン
サCeの両端電圧に達するとダイオードDi4がおオン
し、充電コンデンサCin1からダイオードDi4→平滑コ
ンデンサCe→交流電源AC→ダイオードDi1→スイッ
チング素子Q1→共振インダクタLrと流れ、充電コン
デンサCin1を放電し、入力電流を引き出す。
【0249】(モード3):スイッチング素子Q1がオ
フした後、スイッチング素子Q2の寄生ダイオードがオ
ンし、インダクタ電流ILは共振インダクタLrより共振
コンデンサCr・負荷LD→コンデンサCc2→スイッチ
ング素子Q2の寄生ダイオードを通じて共振インダクタ
Lrに戻る。またインダクタ電流ILは充電コンデンサC
in1を放電しながらダイオードDi4→平滑コンデンサC
e→スイッチング素子Q2の寄生ダイオードを介しても
流れる。
【0250】(モード4):インダクタ電流ILがゼロ
になり正の向きに反転すると、コンデンサCc2を電源と
してインダクタ電流ILは共振コンデンサCr・負荷LD
→共振インダクタLr→スイッチング素子Q2を介して
流れる。このモードの間にインダクタ電流ILにより共
振コンデンサCrが放電され、共振コンデンサCrの高圧
側電位が減少し、充電コンデンサCin1の高圧側電位が
入力電圧の絶対値に達するとダイオードDi3がオンし、
交流電源ACから整流素子DB、ダイオードDi3を介し
て充電コンデンサCin1を充電しながら共振インダクタ
Lr→スイッチング素子Q2を通じて電流が流れ、入力
電流を引き出す。
【0251】(モード5):スイッチング素子Q2がオ
フするとインダクタ電流ILはスイッチング素子Q1の
寄生ダイオードを介して充電コンデンサCin2を放電し
ながらコンデンサCc1→共振コンデンサCr・負荷LD
を通じて共振インダクタLrへ戻る。また同様にこのモ
ードの間に充電コンデンサCin1の高圧側電位が入力電
圧の絶対値に達するとダイオードDi3がオンし、交流電
源ACから整流素子DB、ダイオードDi3を介して充電
コンデンサCin1を充電しながら共振インダクタLr→ス
イッチング素子Q1の寄生ダイオードを介して充電コン
デンサCin2を放電し、平滑コンデンサCe通じて整流素
子DBへと電流が流れ、入力電流を引き出す。
【0252】(モード6):充電コンデンサCin2の電
荷がすべて放出され電圧がゼロになると並列接続された
ダイオードDi2がオンし、スイッチング素子Q1の寄生
ダイオードを介してダイオードDi2→コンデンサCc1→
共振コンデンサCr・負荷LDを通じて共振インダクタ
Lrへ戻る。また同様に、このモードの間に充電コンデ
ンサCin1の高圧側電位が入力電圧の絶対値に達すると
ダイオードDi3がオンし、交流電源ACから整流素子D
B、ダイオードDi3を介して充電コンデンサCin1を充
電しながら共振インダクタLr→スイッチング素子Q1
の寄生ダイオード→ダイオードDi2→平滑コンデンサC
e通じて整流素子DBへと電流が流れ、入力電流を引き
出す。
【0253】図68に示す回路の効果により上記モード
2で入力電流が引き出される上に、上記モード4、5、
6に於ける充電コンデンサCin1の充電により更に入力
電流が引き出される。
【0254】8−4−2.実施例8f 図86に実施例8fにおける電源装置の回路図を示す。
本回路は、図85に示す回路において、スイッチング素
子Q1、Q2と平滑コンデンサCe以外の回路構成をス
イッチング素子Q1とスイッチング素子Q2の接続点を
中心とし平滑コンデンサCeの高圧側とグランド側とで
対称形になるように接続を変更したものである。
【0255】8−4−3.実施例8g 図87に実施例8gにおける電源装置の回路図を示す。
本回路は、図68に示す基本回路と従来例1で述べたV
SCPの組み合わせの別の例である。すなわち、図68
に示す基本回路において、整流素子DBの低圧側出力端
と平滑コンデンサCeの低圧側端との間に直列に接続さ
れたダイオードDi3、Di4と、ダイオードDi3とダイオ
ードDi4の接続点から共振インダクタLrと共振コンデ
ンサCrの接続点の間に接続された充電コンデンサCin1
とを付加したものである。以下に本回路の動作を説明す
る;
【0256】(モード1):インダクタ電流ILが負の
向きに変わりスイッチング素子Q1がオンすると、コン
デンサCc1の直流電圧Vcc1を電源とし充電コンデンサ
Cin2を充電しながらスイッチング素子Q1→共振イン
ダクタLr→共振コンデンサCr・負荷LDとインダクタ
電流ILが流れる。このモードの間に共振コンデンサCr
が充電され共振コンデンサCrの電圧が増加し充電コン
デンサCin1とダイオードDi3、Di4との接続点の電位
がグランド電位に達すると、ダイオードDi3がオンし交
流電源ACを介して整流素子DB→ダイオードDi1→ス
イッチング素子Q1→共振インダクタLrと流れ充電コ
ンデンサCin1を放電し入力電流を引き出す。
【0257】(モード2):充電コンデンサCin2が充
電され、充電コンデンサCin2とスイッチング素子Q1
の接続点電位が入力電圧の絶対値に等しくなればダイオ
ードDi1がオンし、交流電源ACよりダイオードDi1→
スイッチング素子Q1を介してインダクタ電流ILが流
れ、共振コンデンサCr・負荷LD→コンデンサCc2へ
と流れ込み、入力電流を引き出す。同様にこのモードの
間に充電コンデンサCin1とダイオードDi3、Di4との
接続点の電位がグランド電位に達すると、ダイオードD
i3がオンし交流電源ACを介して整流素子DB→ダイオ
ードDi1→スイッチング素子Q1→共振インダクタLr
と流れ充電コンデンサCin1を放電し入力電流を引き出
す。
【0258】(モード3):スイッチング素子Q1がオ
フした後、スイッチング素子Q2の寄生ダイオードがオ
ンし、インダクタ電流ILは共振インダクタLrより共振
コンデンサCr・負荷LD→コンデンサCc2→スイッチ
ング素子Q2の寄生ダイオードを通じて共振インダクタ
に戻る。またインダクタ電流ILは充電コンデンサCin1
を放電しながらダイオードDi3から交流電源ACを介し
て整流素子DB→ダイオードDi1→充電コンデンサCin
2→平滑コンデンサCe→スイッチング素子Q2の寄生ダ
イオード→共振インダクタLrを介しても流れ、入力電
流を引き出す。
【0259】(モード4):インダクタ電流ILがゼロ
になり正の向きに反転すると、コンデンサCc2を電源と
してインダクタ電流ILは共振コンデンサCr・負荷LD
→共振インダクタLr→スイッチング素子Q2を介して
流れる。このモードの間にインダクタ電流ILにより共
振コンデンサCrが放電され共振コンデンサCrの高圧側
電位が減少し、充電コンデンサCin1の両端電圧がコン
デンサCc2の電圧Vcc2と共振コンデンサCrの電圧Vcr
の和と等しくなるとダイオードDi4がオンし、充電コン
デンサCin1を電源として共振インダクタLr→スイッチ
ング素子Q2→ダイオードDi4へと電流が流れ共振イン
ダクタLrにエネルギーを蓄積する。
【0260】(モード5):スイッチング素子Q2がオ
フするとインダクタ電流ILはスイッチング素子Q1の
寄生ダイオードを介して充電コンデンサCin2を放電し
ながらコンデンサCc1→共振コンデンサCr・負荷LD
を通じて共振インダクタLrへ戻る。また同様にこのモ
ードの間に充電コンデンサCin1の両端電圧がコンデン
サCc2の電圧Vcc2と共振コンデンサCrの電圧Vcrの和
と等しくなるとダイオードDi4がオンし、充電コンデン
サCin1を電源として共振インダクタLr→スイッチング
素子Q1の寄生ダイオード→充電コンデンサCin2(放
電)→平滑コンデンサCe→ダイオードDi4へと電流が
流れ共振インダクタLrにエネルギーを蓄積する。
【0261】(モード6):充電コンデンサCin2の電
荷がすべて放出され電圧がゼロになると並列接続された
ダイオードDi2がオンし、スイッチング素子Q1の寄生
ダイオードを介してダイオードDi2→コンデンサCc1→
共振コンデンサCr・負荷LDを通じて共振インダクタ
Lrへ戻る。また同様にこのモードの間に充電コンデン
サCin1の両端電圧がコンデンサCc2の電圧Vcc2と共振
コンデンサCrの電圧Vcrの和と等しくなるとダイオー
ドDi4がオンし、充電コンデンサCin1を電源として共
振インダクタLr→スイッチング素子Q1の寄生ダイオ
ード→ダイオードDi2→平滑コンデンサCe→ダイオー
ドDi4へと電流が流れ共振インダクタLrにエネルギー
を蓄積する。
【0262】このように、本回路においては、図68に
示す回路の効果により、上記モード2において入力電流
が引き出される上に、モード1、2、3に於ける充電コ
ンデンサCin1の充電により更に入力電流が引き出さ
れる。
【0263】8−4−4.実施例8h 図88に実施例8fにおける電源装置の回路図を示す。
本回路は、図87に示す回路において、スイッチング素
子Q1、Q2と平滑コンデンサCe以外の回路構成をス
イッチング素子Q1とスイッチング素子Q2の接続点を
中心とし平滑コンデンサCeの高圧側とグランド側とで
対称形になるように接続を変更したものである。
【0264】8−4−5.実施例8i 図89に実施例8iにおける電源装置の回路図を示す。
本回路方式は図68に示す回路に従来例2で述べたCS
CPを組合わせたものである。図68において、従来例
2で述べられたCSCPは、ダイオードDi3、Di4およ
び充電コンデンサCin1とからなっている。以下に動作
を説明する;
【0265】(モード1):インダクタ電流ILが負の
向きに変わりスイッチング素子Q1がオンすると、平滑
コンデンサCeを電源とし充電コンデンサCin2を充電し
ながらスイッチング素子Q1→共振インダクタLr→共
振コンデンサCr・負荷LD→コンデンサCc1へとイン
ダクタ電流ILが流れる。このインダクタ電流ILは充電
コンデンサCin1を充電し、平滑コンデンサCeへ戻る。
このモードは、充電コンデンサCin1の両端電圧と入力
電圧の絶対値の和が、平滑コンデンサCeの電圧Vceと
充電コンデンサCin2の電圧Vcin2の差と等しくなるま
で維持される。
【0266】(モード2):充電コンデンサCin1、Ci
n2が充電され、充電コンデンサCin1の両端電圧と入力
電圧の絶対値の和が、電圧Vceと電圧Vcin2との差と等
しくなるとダイオードDi1、Di3がオンし、交流電源A
CよりダイオードDi1→スイッチング素子Q1を介して
負の向きにインダクタ電流ILが流れ、共振コンデンサ
Cr・負荷LD→コンデンサCc1へと流れ込み、入力電
流を引き出す。
【0267】(モード3):スイッチング素子Q1がオ
フした後、負の向きのインダクタ電流ILは共振インダ
クタLrから共振コンデンサCr・負荷LD→コンデンサ
Cc1→ダイオードDi3→交流電源AC→ダイオードDi1
→充電コンデンサCin2(放電)→平滑コンデンサCe→
スイッチング素子Q2の寄生ダイオードとして入力電流
を引き出す。
【0268】(モード4):インダクタ電流ILがゼロ
になり正の向きに反転すると、コンデンサCc1を電源と
してインダクタ電流ILは共振コンデンサCr・負荷LD
→共振インダクタLr→スイッチング素子Q2を介し充
電コンデンサCin1を放電しながら流れる。
【0269】(モード5):充電コンデンサCin1が完
全に放電されると並列接続されたダイオードDi4がオン
し、コンデンサCc1から共振コンデンサCr・負荷LD
→共振インダクタLr→スイッチング素子Q2→ダイオ
ードDi4へと流れる。
【0270】(モード6):スイッチング素子Q2がオ
フすると、インダクタ電流ILはスイッチング素子Q1
の寄生ダイオードを介して充電コンデンサCin2を放電
し平滑コンデンサCe→ダイオードDi4→コンデンサCc
1→共振コンデンサCr・負荷LDを通じて共振インダク
タLrへ戻る。
【0271】(モード7):充電コンデンサCin2の電
荷がすべて放出され電圧がゼロになると並列接続された
ダイオードD2がオンし、インダクタ電流ILはスイッ
チング素子Qの寄生ダイオードを介してダイオードDi2
→平滑コンデンサCe→ダイオードDi4→コンデンサCc
1→共振コンデンサCr・負荷LDを通じて共振インダク
タLrへ戻る。
【0272】このように、図68に示す回路の効果によ
り、上記モード2で入力電流が引き出される上に、上記
モード3に於ける従来例2のCSCPの効果により更に
入力電流が引き出される。
【0273】また、図90に示すように、スイッチング
素子Q1、Q2と平滑コンデンサ以外の回路構成をスイ
ッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との接続点を
中心とし平滑コンデンサCeの高圧側とグランド側とで
対称となるように接続を変更しても、または、図91に
示すように、ダイオードDi3、Di4、充電コンデンサC
in1を含むCSCPを整流素子DBの高圧(正極)側に
接続を変更しても同様の効果が得れる。
【0274】8−4−6.実施例8j 図92に実施例8jにおける電源装置の回路図を示す。
本回路方式は図68に示す回路に米国特許USP5,4
88,269号で述べられているCSCPを組合わせた
ものである。図92において、米国特許USP5,48
8,269号で述べられたCSCPは、ダイオードDi
3、Di4および充電コンデンサCin1とからなっている。
以下に本回路の動作を説明する;
【0275】(モード1):インダクタ電流ILが負の
向きに変わりスイッチング素子Q1がオンすると、平滑
コンデンサCeを電源とし充電コンデンサCin2を充電し
ながらスイッチング素子Q1→共振インダクタLr→共
振コンデンサCr・負荷LD→コンデンサCc1へとイン
ダクタ電流ILが流れる。
【0276】(モード2):充電コンデンサCin2が充
電され、充電コンデンサCin2とダイオードDi1、Di2
の接続点の電位が入力電圧の絶対値と等しくなるとダイ
オードDi1、Di3、Di4がオンし、交流電源ACよりダ
イオードDi1→スイッチング素子Q1を介して負の向き
にインダクタ電流ILが流れ、共振コンデンサCr・負荷
LD→コンデンサCc1へと流れ込み、入力電流を引き出
す。
【0277】(モード3):スイッチング素子Q1がオ
フした後、負の向きのインダクタ電流ILは共振コンデ
ンサCr・負荷LD→コンデンサCc1→ダイオードDi4
→充電コンデンサCin1(放電)→共振インダクタILへ
と戻る経路で流れスイッチング素子Q2の両端電位はゆ
っくりと立ち上がる。
【0278】(モード4):充電コンデンサCin1が完
全に放電されると負の向きのインダクタ電流ILは共振
コンデンサCr・負荷LD→コンデンサCc1→スイッチ
ング素子Q2の寄生ダイオード→共振インダクタLrへ
と戻る経路で流れる。
【0279】(モード5):インダクタ電流ILがゼロ
になり正の向きに反転すると、コンデンサCc1を電源と
してインダクタ電流ILは共振コンデンサCr・負荷LD
→共振インダクタLr→スイッチング素子Q2を介して
流れる。
【0280】(モード6):スイッチング素子Q2がオ
フすると、インダクタ電流ILは充電コンデンサCin1を
放電し、充電コンデンサCi1→ダイオードDi3→交流電
源AC→整流素子DB→ダイオードDi1→充電コンデン
サCi2(放電)→平滑コンデンサCeという経路で入力
電流として流れ、コンデンサcc1→共振コンデンサCr
・負荷LDを通じて共振インダクタLrへ戻る。
【0281】(モード7):充電コンデンサCin1が充
電され、充電コンデンサCin1の両端電圧が電圧Vceと
電圧Vci2との電圧差と等しくなると、インダクタ電流
ILはスイッチング素子Q1の寄生ダイオードを介して
充電コンデンサCi2を放電し、コンデンサCc1→共振コ
ンデンサCr・負荷LDを通じて共振インダクタLrへ戻
る。
【0282】(モード8):充電コンデンサCin2の電
荷がすべて放出され電圧がゼロになると並列接続された
ダイオードD2がオンし、インダクタ電流ILはスイッ
チング素子Q1の寄生ダイオードを介してダイオードD
i2→平滑コンデンサCe→コンデンサCc1→共振コンデ
ンサCr・負荷LDを通じて共振インダクタLrへ戻る。
【0283】このように、本実施例の回路においては、
図68に示す回路に比べるとインダクタ電流ILの1サ
イクル中の入力電流の導通期間が拡がる。各モードの共
振回路の組み合わせの作用により共振コンデンサCrの
容量を小さく抑えながら出力に表れる低周波リップルを
低減できる。
【0284】また、図93に示すように、スイッチング
素子Q1、Q2と平滑コンデンサ以外の回路構成をスイ
ッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との接続点を
中心とし平滑コンデンサCeの高圧側とグランド側とで
対称となるように接続を変更しても、または、図94に
示すように、ダイオードDi3、Di4、充電コンデンサC
in1を含むCSCPを整流素子DBの高圧(正極)側に
接続を変更しても同様の効果が得れる。
【0285】8−5.効果 本実施の形態によれば、CPPFCの効果によりインバ
ータ回路の共振電流を入力電流として引き出し簡易な構
成で入力力率を向上しつつ、スイッチングオフ時のスイ
ッチング素子への印加電圧が常に入力電圧の絶対値と等
しくなるので、ターンオフ時のスイッチングロスを改善
することができる。これによりスイッチング素子のスイ
ッチングロスによる発熱を抑えることができるので、ス
イッチング素子及び放熱機構部品を小型化できコストを
削減できる。
【0286】さらに、図68で示された様な回路におい
ても、これを基本としながら従来例1で述べられたVS
CPや従来例2や米国特許USP5,488,269号
で述べられたCSCPを組合わせることにより、1スイ
ッチングサイクル中に交流電源から入力電流を吸い込む
期間が広く取れるので、スイッチング素子やインダク
タ、コンデンサ等の構成部品の電流耐量を低減でき、さ
らに安価で小形なPFC機能のある電源装置を提供でき
る。また図68に示す回路で達成できるスイッチング素
子Q1及びスイッチング素子Q2のオフ時のスイッチン
グ改善も損なわれない。
【0287】本発明は特定の実施の形態に関して述べら
れてきたが、当業者にとって、他の多くの変形例や改変
や利用は明らかであり、それ故、本発明は、ここでの特
定の開示により制限されるものではなく、添付の請求項
によりのみ制限される。
【0288】
【発明の効果】本発明に係る電源装置によれば、電力変
換回路が、スイッチング素子の開閉により回路内に発生
する高周波電流ループの1つを用いて交流電源から入力
電流を取り込む電流源型入力電流取り込み手段と、スイ
ッチング素子の開閉により回路内に発生する高周波電圧
ノードの1つを用いて交流電源から入力電流を取り込む
電圧源型入力電流取り込み手段とをさらに備える。これ
ら2つの入力電流取り込み手段により交流電源から電流
を取り込む際に、2つの入力電流取り込み手段の電流入
力期間の位相差を利用して電流入力期間を拡大できる。
このため、電流ピーク値が抑さえられるため、部品耐量
を低減することができる。これにより力率補正機能を有
した電源装置において、装置の小型化、低価格化を実現
できる。
【0289】また、上記第2の電源装置において、電圧
源型入力電流取り込み手段のかわりに第2の電流源型入
力電流取り込み手段を備え、2つの電流源型入力電流取
り込み手段により交流電源から電流を取り込むように構
成しても、上記の電源装置と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電源装置の第1の基本構成を示
す回路図。
【図2】 本は発明に係る電源装置の第2の基本構成を
示す回路図。
【図3】 実施例1aの電源装置の回路図(全体回路
図)。
【図4】 図3に示す電源装置の出力波形を示した図。
【図5】 図3に示す電源装置の回路図を簡略化した
図。
【図6】 図3に示す電源装置の回路図をさらに簡略化
した図。
【図7】 実施例1aの電源装置のモード1における電
流経路を説明した図。
【図8】 実施例1aの電源装置のモード2における電
流経路を説明した図。
【図9】 実施例1aの電源装置のモード3における電
流経路を説明した図。
【図10】 実施例1aの電源装置のモード4における
電流経路を説明した図。
【図11】 実施例1aの電源装置のモード5における
電流経路を説明した図。
【図12】 実施例1aの電源装置のモード6における
電流経路を説明した図。
【図13】 実施例1aの電源装置のモード7における
電流経路を説明した図。
【図14】 実施例1aの電源装置のモード8における
電流経路を説明した図。
【図15】 実施例1aの電源装置の各部の電流、電圧
波形を示した図。
【図16】 実施例1aの電源装置の各部の電流、電圧
波形を示した図。
【図17】 実施例1bの電源装置の回路図。
【図18】 実施例1cの電源装置の回路図。
【図19】 実施例1dの電源装置の回路図。
【図20】 実施例1eの電源装置の回路図。
【図21】 実施例1fの電源装置の回路図。
【図22】 実施例1gの電源装置の回路図。
【図23】 実施例1gの電源装置を蛍光灯点灯装置に
応用した図。
【図24】 実施例1hの電源装置の回路図。
【図25】 実施例1iの電源装置の回路図。
【図26】 2段共振回路方式の電源装置の回路図。
【図27】 実施例2aの電源装置の回路図。
【図28】 実施例2bの電源装置の回路図。
【図29】 実施例2cの電源装置の回路図。
【図30】 実施例2dの電源装置の回路図。
【図31】 実施例3の電源装置の基本構成を示す回路
図。
【図32】 実施例3aの電源装置の回路図。
【図33】 実施例3bの電源装置の回路図。
【図34】 実施例3cの電源装置の回路図。
【図35】 米国特許USP5,488,269号に開
示されたCSCP方式の電源装置の回路図。
【図36】 図35に示す電源装置における入力電流と
共振電流の関係を示した図。
【図37】 実施例4aの電源装置の回路図。
【図38】 実施例4a〜4hの電源装置における入力
電流と共振電流の関係を示した図。
【図39】 実施例4bの電源装置の回路図。
【図40】 実施例4cの電源装置の回路図。
【図41】 実施例4dの電源装置の回路図。
【図42】 実施例4eの電源装置の回路図。
【図43】 実施例4fの電源装置の回路図。
【図44】 実施例4gの電源装置の回路図。
【図45】 実施例4hの電源装置の回路図。
【図46】 1石式電圧共振インバータの一例の回路
図。
【図47】 実施例5aの電源装置の回路図。
【図48】 実施例5bの電源装置の回路図。
【図49】 Lプッシュプル型インバータの一例の回路
図。
【図50】 実施例6aの電源装置の回路図。
【図51】 実施例6bの電源装置の回路図。
【図52】 実施例6cの電源装置の回路図。
【図53】 フルブリッジ型インバータの一例の回路
図。
【図54】 実施例6dの電源装置の回路図。
【図55】 実施例6eの電源装置の回路図。
【図56】 実施例6fの電源装置の回路図。
【図57】 特開平2−75200号公報に開示された
CSCP方式の電源装置の回路図。
【図58】 特開平2−75200号公報に開示された
CSCP方式の電源装置における入力電流と共振電流の
関係を示した図。
【図59】 実施例7aの電源装置の回路図。
【図60】 実施例7aの電源装置における入力電流と
共振電流の関係を示した図。
【図61】 実施例7bの電源装置の回路図。
【図62】 実施例7cの電源装置の回路図。
【図63】 実施例7dの電源装置の回路図。
【図64】 実施例7eの電源装置の回路図。
【図65】 実施例7fの電源装置の回路図。
【図66】 実施例7gの電源装置の回路図。
【図67】 実施例7hの電源装置の回路図。
【図68】 実施例8のスイッチングロスを改善したC
SCP方式の電源装置の回路図。
【図69】 図68に示す電源装置における入力電流と
共振電流との関係を示した図。
【図70】 図68に示す電源装置のモード1における
電流経路を説明した図。
【図71】 図68に示す電源装置のモード2における
電流経路を説明した図。
【図72】 図68に示す電源装置のモード3における
電流経路を説明した図。
【図73】 図68に示す電源装置のモード4における
電流経路を説明した図。
【図74】 図68に示す電源装置のモード5における
電流経路を説明した図。
【図75】 図68に示す電源装置のモード6における
電流経路を説明した図。
【図76】 実施例8aの電源装置の回路図である。
【図77】 実施例8bの電源装置の回路図である。
【図78】 実施例8bの電源装置におけるスイッチン
グ素子の印加電圧とスイッチ電流の包絡線概略図。
【図79】 図68に示すCSCP方式をフルブリッジ
インバータ回路へ適応した第1の例の回路図。
【図80】 図68に示すCSCP方式をフルブリッジ
インバータ回路へ適応した第2の例の回路図。
【図81】 図68に示すCSCP方式を利用し低周波
交流出力を得る回路の(a)第1の例の回路図及び
(b)スイッチング素子の動作タイミングを示した図。
【図82】 実施例8cの電源装置の(a)回路図及び
(b)スイッチング素子の動作タイミングを示した図。
【図83】 図68に示すCSCP方式を利用し低周波
交流出力を得る回路の(a)第2の例の回路図及び
(b)スイッチング素子の動作タイミングを示した図。
【図84】 実施例8dの電源装置の(a)回路図及び
(b)スイッチング素子の動作タイミングを示した図。
【図85】 実施例8eの電源装置の回路図。
【図86】 実施例8fの電源装置の回路図。
【図87】 実施例8gの電源装置の回路図。
【図88】 実施例8hの電源装置の回路図。
【図89】 実施例8iの電源装置の回路図。
【図90】 実施例8iの電源装置において回路構成を
上下対称にして構成された回路の回路図。
【図91】 図68に示す回路に従来例2のCSCP方
式を組み合わせた回路の回路図。
【図92】 実施例8jの電源装置の回路図。
【図93】 実施例8jの電源装置において回路構成を
上下対称にして構成された回路の回路図。
【図94】 図68に示す回路に米国特許USP5,4
88,269号のCSCP方式を組み合わせた回路の回
路図。
【図95】 従来例1の電源装置の回路図。
【図96】 従来例1の電源装置におけるPFC機能部
を取り出した回路の等価回路図。
【図97】 従来例1の電源装置の(a)〜(d)各モ
ードにおける等価回路図及び(e)電源装置の各部の電
圧波形および電流波形を示す図。
【図98】 従来例2の電源装置の回路図。
【図99】 従来例2の電源装置におけるPFC機能部
を取り出した回路の等価回路図。
【図100】 従来例1および従来例2の電源装置にお
ける入力電流と共振電流の関係を示した図。
【図101】 従来例1の電源装置において、出力部に
トランスを用いた回路の回路図。
【図102】 従来例2の電源装置において、出力部に
トランスを用いた回路の回路図。
【図103】 従来例3の電源装置の回路図。
【図104】 従来例3の電源装置におけるPFC機能
部を取り出した回路の等価回路図。
【図105】 従来例4の電源装置の回路図。
【図106】 従来例4の電源装置におけるPFC機能
部を取り出した回路の等価回路図。
【図107】 従来例5の電源装置の回路図。
【図108】 従来例6の電源装置の回路図。
【図109】 従来例7の電源装置の回路図。
【図110】 従来例7の別の電源装置の回路図。
【符号の説明】
3…電圧源型チャージポンプ(VSCP)、 5,5'
…電流源型チャージポンプ(CSCP)、 11…力率
改善機能部、 13…出力制御部、 15…極性反転
部、 17…イグナイタ回路、 AC…交流電源、 C
c…結合コンデンサ、 Ce…平滑コンデンサ、 Ci,
Ci1,Ci2,Ci2-1,Ci2-2…充電コンデンサ、 C
r,Cr1,Cr2…共振コンデンサ、 CS,CS'…電流
源、 Di,D1,D2,Di1,Di2,Dx1,Dx2,Di
2-1,Di2-2…整流ダイオード、 DB,D0…整流素
子、 HID…高輝度放電灯、 L,L1,L2,Lr…共
振インダクタ、 LD…負荷回路、 Q1,Q2…スイ
ッチング素子、 T,Tr…トランス、 VS…電圧
源。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05B 41/29 H05B 41/29 C

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源からの入力を整流する整流素子
    と、該整流素子の出力を直流平滑する平滑コンデンサ
    と、該平滑コンデンサの電圧を受けて高周波電圧および
    高周波電流を発生するスイッチング手段とを含む電力変
    換回路、および、該電力変換回路の出力を受ける負荷回
    路で構成される電源装置において、前記電力変換回路
    は、 前記スイッチング手段の開閉により回路内に発生する高
    周波電流ループの1つにおける電流振動を用いて、前記
    交流電源から入力電流を取り込む電流源型入力電流取り
    込み手段と、 前記スイッチング手段の開閉により回路内に発生する高
    周波電圧ノードの1つにおける電圧振動を用いて、前記
    交流電源から入力電流を取り込む電圧源型入力電流取り
    込み手段とを備えたことを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電源装置において、前
    記電流源型入力電流取り込み手段および前記電圧源型入
    力電流取り込み手段はそれぞれ前記整流素子の異なる極
    性側に接続されたことを特徴とする電源装置。
  3. 【請求項3】 交流電源からの入力を整流する整流素子
    と、該整流素子の出力を直流平滑する平滑コンデンサ
    と、該平滑コンデンサの電圧を受けて高速に開閉する直
    列接続された一対のスイッチング素子からなるスイッチ
    ング手段と、直列接続された共振用インダクタ素子と共
    振用コンデンサからなる共振回路とを含み、前記平滑コ
    ンデンサと前記スイッチング手段が並列接続され、前記
    スイッチング素子間の接続点に前記共振回路の共振用イ
    ンダクタ素子側端が接続され、前記共振回路の共振用コ
    ンデンサ側端が前記整流素子の出力の一方に接続された
    電力変換回路、および、前記共振回路中の共振用コンデ
    ンサと並列に接続された負荷回路からなり、前記電力変
    換回路は、 前記整流素子の出力端の他方と前記平滑コンデンサの一
    端との間に順方向に接続された第1の整流ダイオード
    と、前記共振用インダクタ素子と前記共振用コンデンサ
    との接続点から前記整流素子と前記第1の整流ダイオー
    ドとの接続点の間に接続された第1の充電コンデンサと
    を有する電圧源型入力電流取り込み手段と、 前記整流素子の一方と前記平滑コンデンサの他端との間
    に順方向に接続された第2の整流ダイオードと、該第2
    の整流ダイオードと並列に接続された第2の充電コンデ
    ンサとを有する電流源型入力電流取り込み手段とを備え
    たことを特徴とする電源装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電源装置において、前
    記第2の充電コンデンサは、前記第1の整流ダイオード
    と前記平滑コンデンサとの接続点と、前記整流素子と前
    記第2の整流ダイオードとの接続点との間に接続される
    ことを特徴とする電源装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載の電源装
    置において、前記共振用コンデンサは複数の直列接続さ
    れたコンデンサからなり、前記負荷回路は、少なくとも
    1つ以上の前記共振用コンデンサを構成する前記コンデ
    ンサと並列に接続されたことを特徴とする電源装置。
  6. 【請求項6】 請求項3または請求項4に記載の電源装
    置において、前記共振用コンデンサは複数の直列接続さ
    れたコンデンサからなり、前記第1の充電コンデンサは
    一端を、前記共振用コンデンサを構成する複数のコンデ
    ンサ間の接続点のうちのいずれか1つに接続されたこと
    を特徴とする電源装置。
  7. 【請求項7】 請求項3または請求項4に記載の電源装
    置において、前記共振用コンデンサと並列に変成器の1
    次側を接続し、変成器の2次側に前記負荷回路を接続し
    たことを特徴とする電源装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の電源装置において、前
    記電力変換回路は、前記スイッチング手段からの出力を
    受けて共振電流を発生させる共振手段を複数含むことを
    特徴とする電源装置。
  9. 【請求項9】 交流電源からの入力を整流する整流素子
    と、該整流素子の出力を直流平滑する平滑コンデンサ
    と、該平滑コンデンサの電圧を受けて高速に開閉する直
    列接続された一対のスイッチング素子からなるスイッチ
    ング手段と、直列接続された第1の共振用インダクタ素
    子と第1の共振用コンデンサからなる第1の共振回路
    と、直列接続された第2の共振用インダクタ素子と第2
    の共振用コンデンサからなる第2の共振回路とを含み、
    前記平滑コンデンサと前記スイッチング手段は並列に接
    続され、前記スイッチング素子のいずれか1つと並列に
    前記第1の共振回路が接続され、前記第1の共振用イン
    ダクタ素子と前記第1の共振用コンデンサとの接続点と
    前記整流素子の出力の一方との間に前記第2の共振回路
    が接続された電力変換回路、および、前記第2の共振用
    コンデンサと並列に接続された負荷回路からなり、前記
    電力変換回路は、 前記整流素子の出力の他方と前記平滑コンデンサの一端
    との間に順方向に接続された第1の整流ダイオードと、
    前記第1の共振用インダクタ素子と前記第1の共振用コ
    ンデンサとの接続点から前記整流素子の出力の他方との
    間に接続された第1の充電コンデンサとを有する電圧源
    型入力電流取り込み手段と、 前記整流素子の出力の一方と前記平滑コンデンサの他端
    との間に順方向に接続された第2の整流ダイオードと、
    該第2の整流ダイオードと並列に接続された第2の充電
    コンデンサとを有する電流源型入力電流取り込み手段と
    を備えたことを特徴とする電源装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の電源装置において、
    前記第1の共振回路は、前記スイッチング素子間の接続
    点と前記整流素子の出力の一方との間に接続されたこと
    を特徴とする電源装置。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の電源装置において、
    前記第1の共振回路は、前記スイッチング素子間の接続
    点と前記整流素子の出力の一方との間に接続され、前記
    第2の共振回路は、前記第1の共振用インダクタ素子と
    前記第1の共振用コンデンサとの接続点と前記平滑コン
    デンサの前記他端との間に接続されたことを特徴とする
    電源装置。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の電源装置において、
    前記電流源型入力電流取り込み手段と前記電圧源型入力
    電流取り込み手段はそれぞれ前記整流素子の同一の極性
    側に接続されたことを特徴とする電源装置。
  13. 【請求項13】 交流電源からの入力を整流する整流素
    子と、該整流素子の出力を直流平滑する平滑コンデンサ
    と、該平滑コンデンサの電圧を受けて高速に開閉する直
    列接続された一対のスイッチング素子からなるスイッチ
    ング手段と、直列接続された共振用インダクタ素子と共
    振用コンデンサからなる共振回路とを含み、前記平滑コ
    ンデンサと前記スイッチング手段が並列に接続され、前
    記スイッチング素子間の接続点に前記共振回路の共振用
    インダクタ素子側端が接続された電力変換回路、およ
    び、前記共振用コンデンサと並列に接続された負荷回路
    からなり、前記電力変換回路は、 前記整流素子の出力端の一方と前記平滑コンデンサの一
    端との間に順方向に直列接続された一対の第1および第
    2整流ダイオードと、該第1および第2整流ダイオード
    間の接続点から前記共振用インダクタ素子と前記共振用
    コンデンサとの接続点との間に接続された第1の充電コ
    ンデンサとを有する電圧源型入力電流取り込み手段と、 前記整流素子の出力端の一方と前記平滑コンデンサの一
    端との間に順方向に直列接続された一対の第3および第
    4整流ダイオードと、第3および第4整流ダイオードの
    うち前記平滑コンデンサに接続されたダイオードと並列
    に接続された第2の充電コンデンサとを有し、前記第3
    および第4整流ダイオード間の接続点が前記共振コンデ
    ンサの非共振インダクタ素子側端に接続された電流源型
    入力電流取り込み手段とを備えたことを特徴とする電源
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項3または請求項13に記載の電
    源装置において、前記共振用インダクタ素子と前記共振
    用コンデンサとの接続点につながっている前記第1の充
    電コンデンサと直列に接続されたインピーダンス素子を
    備えたことを特徴とする電源装置。
  15. 【請求項15】 交流電源からの入力を整流する整流素
    子と、該整流素子の出力を直流平滑する平滑コンデンサ
    と、該平滑コンデンサの電圧を受けて高速に開閉する直
    列接続された一対のスイッチング素子からなるスイッチ
    ング手段と、直列接続された共振用インダクタ素子と共
    振用コンデンサからなる共振回路とを含み、前記平滑コ
    ンデンサと前記スイッチング手段が並列に接続され、前
    記一対のスイッチング素子間の接続点と前記共振回路の
    共振用インダクタ素子側端が接続された電力変換回路、
    および、前記共振用コンデンサと並列に接続された負荷
    回路からなり、前記電力変換回路は、 前記整流素子の出力の他方と前記平滑コンデンサの他端
    との間に直列接続された一対の第1および第2の整流ダ
    イオードと、該第1および第2の整流ダイオード間の接
    続点から前記スイッチング素子間の接続点との間に接続
    された第1の充電コンデンサとを有する電流源型入力電
    流取り込み手段と、 前記スイッチング手段の開閉により前記電力変換回路内
    に発生する高周波電圧ノードの1つにおける電圧振動を
    用いて、前記交流電源から入力電流を取り込む電圧源型
    入力電流取り込み手段とを備えたことを特徴とする電源
    装置。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の電源装置におい
    て、前記電圧源型入力電流取り込み手段は、前記整流素
    子の出力の一方と前記平滑コンデンサの一端との間に順
    方向に直列接続された一対の第3および第4の整流ダイ
    オードと、該第3および第4の整流ダイオード間の接続
    点と前記共振用インダクタ素子と前記共振用コンデンサ
    の間の接続点との間に接続された第2の充電コンデンサ
    とを有することを特徴とする電源装置。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載の電源装置において、
    前記電力変換回路は1石式インバータであることを特徴
    とする電源装置。
  18. 【請求項18】 交流電源からの入力を整流する整流素
    子と、該整流素子の出力を直流平滑する平滑コンデンサ
    と、該平滑コンデンサの電圧を受けて高速に開閉するス
    イッチング素子と、直列接続された共振用インダクタ素
    子と共振用コンデンサからなる共振回路とを含み、前記
    平滑コンデンサと並列に接続される第1のインダクタ素
    子と前記スイッチング素子からなる第1の直列回路と、
    前記スイッチング素子と等価的に並列接続された共振用
    コンデンサと、前記第1のインダクタ素子と前記スイッ
    チング素子との接続点に接続される、第2のインダクタ
    素子と別の共振コンデンサを含む負荷回路とが直列に接
    続された第2の直列回路とを有する電力変換回路からな
    り、前記電力変換回路は、 前記整流素子の出力の一方から平滑コンデンサの一端に
    接続される第1整流ダイオードと、該第1整流ダイオー
    ドと前記整流素子との接続点から前記負荷回路と第2の
    インダクタ素子との接続点に接続される第1の充電コン
    デンサとを有する電圧源型入力電流取り込み手段と、 前記整流素子の出力の他方から平滑コンデンサの他端に
    接続される第2の整流ダイオードと、該第2の整流ダイ
    オードと並列に接続される第2の充電コンデンサとを有
    し、前記整流素子と前記第2の整流ダイオードとの接続
    点と前記負荷回路の非第2のインダクタ素子側端とを接
    続した電流源型入力電流取り込み手段とを備えたことを
    特徴とする電源装置。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の電源装置において、
    前記電力変換回路は定電流プッシュプル型インバータか
    らなることを特徴とする電源装置。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載の電源装置において、
    前記電力変換回路はフルブリッジ型インバータからなる
    ことを特徴とする電源装置。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の電源装置におい
    て、前記電力変換回路は、前記第1の電流源型入力電流
    取り込み手段と前記電圧源型入力電流取り込み手段の組
    み合わせを二組含み、一方の組が前記整流素子の出力の
    一端に接続され、他方の一組が前記整流素子の出力の他
    端に接続されたことを特徴とする電源装置。
  22. 【請求項22】 交流電源からの入力を整流する整流素
    子と、高速に開閉する直列に接続された一対のスイッチ
    ング素子からなるスイッチング手段と、直列接続された
    共振用インダクタ素子と共振用コンデンサからなる共振
    回路とを含み、前記一対のスイッチング素子間の接続点
    に前記共振回路の共振用インダクタ素子側端が接続され
    た電力変換回路、および、前記共振用コンデンサに並列
    に接続された負荷回路からなり、前記電力変換回路は、 前記直列接続された一対のスイッチング素子と並列に接
    続された、平滑コンデンサと第1の充電コンデンサとが
    直列に接続された回路と、前記整流素子の出力の一方と
    前記スイッチング素子の一端との間に接続された第1の
    整流ダイオードとを備え、前記一対のスイッチング素子
    間の接続点と前記平滑コンデンサと前記充電コンデンサ
    との接続点との間に前記共振回路が接続された電流源型
    入力電流取り込み手段と、 前記スイッチング手段の開閉により前記電力変換回路内
    に発生する高周波電圧ノードの1つにおける電圧振動を
    用いて、前記交流電源から入力電流を取り込む電圧源型
    入力電流取り込み手段とを備えたことを特徴とする電源
    装置。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の電源装置におい
    て、前記電圧源型入力電流取り込み手段は、前記整流素
    子と前記第1の整流ダイオードとの間に順方向に接続さ
    れた第2の整流ダイオードと、前記第1および第2の整
    流ダイオード間の接続点から前記共振用インダクタ素
    子、前記共振用コンデンサおよび前記負荷回路の接続点
    の間に接続された第2の充電コンデンサとを備えたこと
    を特徴とする電源装置。
  24. 【請求項24】 請求項22に記載の電源装置におい
    て、前記第1の整流ダイオ−ドの非整流素子側端を前記
    平滑コンデンサの非充電コンデンサ接続側端に接続した
    ことを特徴とする電源装置。
  25. 【請求項25】 請求項22に記載の電源装置におい
    て、前記第1の整流ダイオ−ドの非整流素子接続側端を
    前記充電コンデンサの非平滑コンデンサ接続側端に接続
    したことを特徴とする電源装置。
  26. 【請求項26】 交流電源からの入力を整流する整流素
    子と、該整流素子の出力を直流平滑する平滑コンデンサ
    と、該平滑コンデンサの電圧を受けて高速に開閉する直
    列に接続された一対のスイッチング素子からなるスイッ
    チング手段と、直列接続された共振用インダクタ素子と
    共振用コンデンサからなる共振回路とを含み、前記一対
    のスイッチング素子間の接続点に前記共振回路の共振イ
    ンダクタ素子側端が接続された電力変換回路、および、
    前記共振用コンデンサと並列に接続された負荷回路から
    なり、前記電力変換回路は、 前記整流素子の出力の一方から前記平滑コンデンサの一
    端との間に直列に接続された一対の第1及び第2の整流
    ダイオードと、前記一対の整流ダイオードのうちの前記
    平滑コンデンサに接続された側の整流ダイオードと並列
    に接続された第1の充電コンデンサとを備え、前記第1
    および第2のダイオードの接続点が前記スイッチング手
    段の一端に接続された第1の電流源型入力電流取り込み
    手段と、 前記スイッチング手段の開閉により回路内に発生する高
    周波電圧ノードの1つにおける電圧振動を用いて、前記
    交流電源から入力電流を取り込む電圧源型入力電流取り
    込み手段とを備えたことを特徴とする電源装置。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載の電源装置におい
    て、前記電圧源型入力電流取り込み手段は、前記整流素
    子の出力の少なくとも一方と前記平滑コンデンサの一端
    との間に直列に接続された一対の第3および第4の整流
    ダイオードと、該一対の整流ダイオード間の接続点から
    前記共振用インダクタ素子、前記共振用コンデンサおよ
    び前記負荷回路の接続点に接続された第2の充電コンデ
    ンサとを備えたことを特徴とする電源装置。
  28. 【請求項28】 交流電源からの入力を整流する整流素
    子と、該整流素子の出力を直流平滑する平滑コンデンサ
    と、該平滑コンデンサの電圧を受けて高周波電圧および
    高周波電流を発生するスイッチング手段とを含む電力変
    換回路、および、該電力変換回路の出力を受ける負荷回
    路で構成される電源装置において、前記電力変換回路
    は、 前記スイッチング手段の開閉により回路内に発生する第
    1の高周波電流ループにおける電流振動を用いて、前記
    交流電源から入力電流を取り込む第1の電流源型入力電
    流取り込み手段と、 前記スイッチング手段の開閉により回路内に発生する第
    2の高周波電流ループにおける電流振動を用いて、前記
    交流電源から入力電流を取り込む第2の電流源型入力電
    流取り込み手段とを備えたことを特徴とする電源装置。
  29. 【請求項29】 交流電源からの入力を整流する整流素
    子と、該整流素子の出力を直流平滑する平滑コンデンサ
    と、該平滑コンデンサの電圧を受けて高速に開閉する直
    列接続された一対のスイッチング素子からなるスイッチ
    ング手段と、直列接続された共振用インダクタ素子と共
    振用コンデンサからなる共振回路とを含み、前記平滑コ
    ンデンサと前記スイッチング手段が並列に接続され、前
    記一対のスイッチング素子間の接続点と前記共振回路の
    共振用インダクタ素子側端が接続された電力変換回路、
    および、前記共振用コンデンサと並列に接続された負荷
    回路からなり、前記電力変換回路は、 前記整流素子の出力の他方と前記平滑コンデンサの他端
    との間に直列接続された一対の第1および第2の整流ダ
    イオードと、該第1および第2の整流ダイオード間の接
    続点から前記スイッチング素子間の接続点との間に接続
    された第1の充電コンデンサとを有する第1の電流源型
    入力電流取り込み手段と、 前記スイッチング手段の開閉により前記電力変換回路内
    に発生する高周波電流ループの1つにおける電流振動を
    用いて、前記交流電源から入力電流を取り込む第2の電
    流源型入力電流取り込み手段とを備えたことを特徴とす
    る電源装置。
  30. 【請求項30】 交流電源からの入力を整流する整流素
    子と、該整流素子の出力を直流平滑する平滑コンデンサ
    と、該平滑コンデンサの電圧を受けて高速に開閉する直
    列接続された一対のスイッチング素子からなるスイッチ
    ング手段と、直列接続された共振用インダクタ素子と共
    振用コンデンサからなる共振回路とを含み、前記平滑コ
    ンデンサと前記スイッチング手段が並列に接続され、前
    記スイッチング素子間の接続点に前記共振回路の共振用
    インダクタ素子側端が接続された電力変換回路、およ
    び、前記共振用コンデンサと並列に接続された前記負荷
    回路からなり、前記電力変換回路は、 前記整流素子の出力の一方と前記平滑コンデンサの一端
    との間に順方向に直列接続された一対の第1および第2
    の整流ダイオードと、該第1および第2の整流ダイオー
    ド間の接続点と前記一対のスイッチング素子間の接続点
    との間に接続された第1の充電コンデンサとを有する第
    1の電流源型入力電流取り込み手段と、 前記整流素子の出力のいずれか一つと前記平滑コンデン
    サのいずれかの端との間に接続された一対の第3および
    第4整流ダイオードと、該一対の第3および第4の整流
    ダイオードのうちの前記平滑コンデンサに接続された側
    のダイオードに並列に接続された第2の充電コンデンサ
    とを有し、前記第3および第4の整流ダイオード間の接
    続点と前記共振用コンデンサの非共振用インダクタ素子
    接続側端との間が接続された第2の電流源型入力電流取
    り込み手段とを備えたことを特徴とする電源装置。
  31. 【請求項31】 請求項30に記載の電源装置におい
    て、前記第1の電流源型入力電流取り込み手段は、前記
    第2の電流源型入力電流取り込み手段が接続された極性
    と異なる極性側の前記整流素子の出力と、前記異なる極
    性側の前記平滑コンデンサの端との間に順方向に直列接
    続された一対の第1および第2の整流ダイオードと、該
    第1および第2の整流ダイオード間の接続点から前記ス
    イッチング素子間の接続点との間に接続された第1の充
    電コンデンサとを有することを特徴とする電源装置。
  32. 【請求項32】 交流電源からの入力を整流する整流素
    子と、該整流素子の出力を直流平滑する平滑コンデンサ
    と、該平滑コンデンサの電圧を受けて高速に開閉する直
    列に接続された一対のスイッチング素子からなるスイッ
    チング手段と、直列接続された共振用インダクタ素子と
    共振用コンデンサからなる共振回路とを含み、前記一対
    のスイッチング素子間の接続点に前記共振回路の共振用
    インダクタ素子側端が接続された電力変換回路、およ
    び、前記共振用コンデンサと並列に接続された負荷回路
    からなり、前記電力変換回路は、 前記直列接続された一対のスイッチング素子と並列に接
    続された、前記平滑コンデンサと該平滑コンデンサに直
    列接続された第1の充電コンデンサの直列回路と、前記
    整流素子の出力の一方と前記スイッチング素子の一端と
    の間に接続された第1の整流ダイオードとを備え、該直
    列接続された前記平滑コンデンサと前記充電コンデンサ
    との接続点に前記共振用コンデンサおよび負荷回路の非
    インダクタ素子接続側端を接続した第1の電流源型入力
    電流取り込み手段と、 前記スイッチング手段の開閉により回路内に発生する高
    周波電流ループにおける電流振動を用いて、前記交流電
    源から入力電流を取り込む第2の電流源型入力電流取り
    込み手段とを備えたことを特徴とする電源装置。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の電源装置におい
    て、前記第2の電流源型入力電流取り込み手段は、前記
    整流素子と前記第1の整流ダイオードとの間に順方向に
    接続された第2の整流ダイオードと、前記第1および第
    2の整流ダイオード間の接続点から前記スイッチング素
    子間の接続点の間に接続された第2の充電コンデンサと
    を備えたことを特徴とする電源装置。
  34. 【請求項34】 交流電源からの入力を整流する整流素
    子と、該整流素子の出力を直流平滑する平滑コンデンサ
    と、該平滑コンデンサの電圧を受けて高速に開閉する直
    列に接続された一対のスイッチング素子からなるスイッ
    チング手段と、直列接続された共振用インダクタ素子と
    共振用コンデンサからなる共振回路とを含み、前記一対
    のスイッチング素子間の接続点に前記共振回路の共振用
    インダクタ素子側端が接続された電力変換回路、およ
    び、前記共振用コンデンサと並列に接続された負荷回路
    からなり、前記電力変換回路は、 前記整流素子の出力の一方から前記平滑コンデンサの一
    端との間に直列に接続された一対の第1および第2の整
    流ダイオードと、前記一対の整流ダイオードのうちの前
    記平滑コンデンサに接続された側の整流ダイオードと並
    列に接続された第1の充電コンデンサとを備え、前記第
    1および第2のダイオードの接続点が前記スイッチング
    手段の一端に接続された前記第1の電流源型電流取り込
    み手段と、 前記スイッチング手段の開閉により回路内に発生する高
    周波電流ループにおける電流振動を用いて、前記交流電
    源から入力電流を取り込む第2の電流源型入力電流取り
    込み手段とを備えたことを特徴とする電源装置。
  35. 【請求項35】 請求項34に記載の電源装置におい
    て、前記第2の電流源型入力電流取り込み手段は、前記
    整流素子の出力の一方と前記平滑コンデンサの一端との
    間に直列に接続された一対の第3および第4の整流ダイ
    オードと、前記共振用コンデンサおよび前記負荷回路の
    非共振用インダクタ素子接続側端と前記平滑コンデンサ
    の少なくとも片端との間に接続された第2の充電用コン
    デンサとを備え、該一対の整流ダイオード間の接続点に
    前記共振用コンデンサおよび前記負荷回路の非共振用イ
    ンダクタ素子接続側端が接続されたことを特徴とする電
    源装置。
  36. 【請求項36】 請求項34に記載の電源装置におい
    て、前記第2の電流源型入力電流取り込み手段は、前記
    整流素子の出力端の一方と前記平滑コンデンサの一端と
    の間に直列に接続された一対の第3および第4の整流ダ
    イオードと、該第3および第4の整流ダイオード間の接
    続点から前記一対のスイッチング素子間の接続点に接続
    された第2の充電用コンデンサとを備えたことを特徴と
    する電源装置。
  37. 【請求項37】 請求項34に記載の電源装置におい
    て、前記第2の電流源型入力電流取り込み手段は、前記
    整流素子の出力の他方から前記平滑コンデンサの他端と
    の間に直列に接続された一対の第3および第4の整流ダ
    イオードと、該一対の整流ダイオードのうちの前記平滑
    コンデンサに接続された整流ダイオードと並列に接続さ
    れた第2の充電コンデンサとを備え、前記第3および第
    4の整流ダイオードの接続点は前記一対のスイッチング
    手段の他端に接続されたことを特徴とする電源装置。
  38. 【請求項38】 請求項34に記載の電源装置におい
    て、前記第2の電流源型電流取り込み手段は、前記整流
    素子の出力の一方と前記平滑コンデンサの一端との間に
    直列に接続された一対の第3および第4の整流ダイオー
    ドと、該第3および第4の整流ダイオードの接続点に一
    端が接続された第2の充電コンデンサと、該第2の充電
    コンデンサの他端と前記スイッチング素子の中点との間
    に接続された第2の共振用インダクタとを備えたことを
    特徴とする電源装置。
  39. 【請求項39】 請求項38に記載の電源装置におい
    て、前記第2の充電コンデンサと前記第2の共振用イン
    ダクタ素子とにより生ずる共振電流の共振周波数が、前
    記一対のスイッチング素子の交互に高速開閉するときの
    動作周波数以上であることを特徴とする電源装置。
  40. 【請求項40】 交流電源からの入力を整流する整流素
    子と、該整流素子の出力を直流平滑する平滑コンデンサ
    と、直列に接続された高圧側に接続される第1のスイッ
    チング素子と低圧側に接続される第2のスイッチング素
    子とからなる第1スイッチング手段と、直列に接続され
    た高圧側に接続される第3のスイッチング素子と低圧側
    に接続される第4のスイッチング素子からなる第2のス
    イッチング手段と、直列に接続されたインダクタ素子と
    コンデンサとからなる直列回路とを有し、前記第1およ
    び第2のスイッチング手段のうち少なくとも1つは前記
    平滑コンデンサと並列に接続され、前記第1のスイッチ
    ング素子と第2スイッチング素子との接続点から前記第
    3スイッチング素子と第4スイッチング素子との接続点
    の間に前記直列回路が接続された電力変換回路、およ
    び、前記コンデンサと並列接続された負荷回路からな
    り、前記電力変換回路は、 前記整流素子の出力端の一方と平滑コンデンサの一端と
    の間に直列接続された一対の第1および第2の整流ダイ
    オードと、該一対の整流ダイオードのうちの平滑コンデ
    ンサに接続された整流ダイオードと並列に接続された第
    1充電コンデンサとを有する第1の電流源型入力電流取
    り込み手段と、 前記整流素子の出力端の他方と平滑コンデンサの他端と
    の間に直列接続された一対の第3および第4の整流ダイ
    オードと、該第3および第4の整流ダイオードのうちの
    平滑コンデンサに接続された整流ダイオードと並列に接
    続された第2充電コンデンサとを有する第2の電流源型
    入力電流取り込み手段とを備え、少なくとも1つのスイ
    ッチング手段が第1および第2の整流ダイオードの接続
    点と第3および第4の整流ダイオードの接続点との間に
    接続されたことを特徴とする電源装置。
  41. 【請求項41】 請求項40に記載の電源装置におい
    て、前記第1スイッチング素子と第2スイッチング素子
    とは交互に開閉し、前記第3スイッチング素子と第4ス
    イッチング素子とは交互に開閉し、前記第1スイッチン
    グ素子と第3スイッチング素子とは交互に開閉すること
    を特徴とした電源装置。
  42. 【請求項42】 請求項40に記載の電源装置におい
    て、第1および第4スイッチング素子が高速で同時に開
    閉するとともに、第2および第3スイッチング素子が開
    を維持する期間と第2および第3スイッチング素子が高
    速で同時に開閉し、第1および第4スイッチング素子が
    開を維持する期間を低周波で交互に切り換えることを特
    徴とした電源装置。
  43. 【請求項43】 請求項40に記載の電源装置におい
    て、並列に接続された二組のスイッチング手段の高圧側
    端子および低圧側端子それぞれの端子間に少なくとも一
    つのスイッチング素子を設けたことを特徴とする電源装
    置。
  44. 【請求項44】 請求項43に記載の電源装置におい
    て、 前記二組のスイッチング手段の高圧側端子間に第5スイ
    ッチング素子を、低圧側端子間に第6スイッチング素子
    を設け、 前記第1スイッチング素子と前記第4スイッチング素子
    と前記第5スイッチング素子とが同時にオンし、前記第
    2スイッチング素子と前記第3スイッチング素子と第6
    スイッチング素子とが同時にオンする構成であって、 第4スイッチング素子および第5スイッチング素子は高
    速に同時に開閉し第1スイッチング素子はオンを保持す
    る状態と、第3スイッチング素子および第6スイッチン
    グ素子は高速に同時に開閉し第2スイッチング素子はオ
    ンを保持する状態とを低周波で繰り返すことを特徴とす
    る電源装置。
  45. 【請求項45】 請求項1、請求項3、請求項9、請求
    項13、請求項15、請求項18、請求項22、請求項
    28、請求項29、請求項30、請求項32、請求項3
    4または請求項40に記載の電源装置において、前記負
    荷回路は、整流素子と該整流素子の出力端に接続される
    別の平滑コンデンサによって直流出力を得ることを特徴
    とする電源装置。
  46. 【請求項46】 請求項45に記載の電源装置におい
    て、前記別の平滑コンデンサ両端の直流電圧を受けて、
    低周波の矩形波を出力する極性反転回路をさらに備える
    ことを特徴とする電源装置。
  47. 【請求項47】 請求項1、請求項3、請求項9、請求
    項13、請求項15、請求項18、請求項22、請求項
    28、請求項29、請求項30、請求項32、請求項3
    4、請求項40、請求項45または請求項46に記載の
    電源装置において、前記負荷回路が、放電灯、もしく
    は、放電灯と、該放電灯を起動する高パルス電圧を発生
    する始動装置とを含むことを特徴とする電源装置。
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