JP3402922B2 - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JP3402922B2
JP3402922B2 JP10994696A JP10994696A JP3402922B2 JP 3402922 B2 JP3402922 B2 JP 3402922B2 JP 10994696 A JP10994696 A JP 10994696A JP 10994696 A JP10994696 A JP 10994696A JP 3402922 B2 JP3402922 B2 JP 3402922B2
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善宣 村上
尚樹 大西
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータを用い
て負荷回路に高周波電力を供給する電源装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インバータを用いた電源装置
が知られている。たとえば、図17に示すものは、特開
平3−3675号公報に記載された電源装置であって、
バイポーラトランジスタよりなる2個のスイッチング素
子Q1 ,Q2 のコレクタ−エミッタが直列接続され、各
スイッチング素子Q1 ,Q2 のコレクタ−エミッタにそ
れぞれ逆並列にダイオードD1 ,D2 が接続される。各
スイッチング素子Q1 ,Q2 のベース−エミッタ間には
それぞれ図18に示すような矩形波状の制御信号S1
2 が入力され、両スイッチング素子Q1 ,Q2 が同時
にオンにならないように交互にオンオフされる(制御信
号S1 ,S2 がHレベルの期間にスイッチング素子
1 ,Q2 がオンになる)。2個のスイッチング素子Q
1 ,Q2 のコレクタ−エミッタの直列回路には、2個の
コンデンサC1 ,C2 の直列回路が並列に接続される。
両スイッチング素子Q1 ,Q2 の接続点と両コンデンサ
1 ,C 2 の接続点との間には負荷回路が接続される。
負荷回路は蛍光灯である放電灯FLの両フィラメントの
一端間に予熱用のコンデンサC3 を接続し、一方のフィ
ラメントの他端にインダクタL3 の一端を接続して構成
され、放電灯FLの他方のフィラメントの他端がコンデ
ンサC1 ,C2 の接続点に接続され、インダクタL 3
他端がスイッチング素子Q1 ,Q2 の接続点に接続され
ている。
【0003】上述した構成を有するインバータ1には商
用電源のような交流電源Vsを整流した脈流が電圧とし
て入力される。すなわち、上記インバータ1のダイオー
ドD 1 ,D2 の直列回路には整流用の2個のダイオード
3 ,D4 の直列回路が並列に接続され、ダイオードD
1 ,D2 の直列回路とダイオードD3 ,D4 の直列回路
とは、ダイオードD1 とダイオードD3 とのカソードが
共通に接続されるとともに、ダイオードD2 とダイオー
ドD4 のアノードが共通に接続される。交流電源Vsは
インダクタL1 ,L2 とコンデンサC4 とからなるフィ
ルタ回路3を通して、ダイオードD1 ,D2 の接続点と
ダイオードD3 ,D4 の接続点との間に入力される。つ
まり、ダイオードD1 〜D4 がダイオードブリッジを構
成して交流電源Vsを全波整流することになる。ここに
フィルタ回路3は交流電源Vsの周波数の電流を通過さ
せ、高周波電流を阻止するように構成される。
【0004】以下に説明する動作によって明らかになる
が、スイッチング素子Q1 ,Q2 、ダイオードD1 ,D
2 、コンデンサC1 ,C2 は、インバータ1を構成する
と同時に、ダイオードD3 ,D4 およびインダクタ
1 ,L2 とともに、交流電源Vsの電圧に対してコン
デンサC1 ,C2 の直列回路の両端電圧を電圧変換する
ためのチョッパ回路2も構成している。
【0005】すなわち、交流電源Vsが正の半サイクル
のときにスイッチング素子Q1 がオンになると、インダ
クタL1 ,L2 −ダイオードD3 −スイッチング素子Q
1 を通る経路でインダクタL1 ,L2 に電流が流れる。
また、コンデンサC1 からスイッチング素子Q1 を介し
て負荷回路に電流を流す経路も形成される。ここに、ダ
イオードD3 の両端の電位に応じて上記2経路の一方に
電流が流れる。トランジスタQ1 がオフになれば、イン
ダクタL3 の蓄積エネルギが放電灯FL(コンデンサC
3 )−コンデンサC2 −ダイオードD2 の経路で放出さ
れるから、インダクタL1 ,L2 の蓄積エネルギはダイ
オードD3 −コンデンサC1 ,C2 −ダイオードD2
通して放出される。つまり、コンデンサC1 ,C2 の直
列回路には、交流電源Vsの電圧にインダクタL1 ,L
2 の蓄積エネルギにより生じた逆起電圧を加算した電圧
が印加され、交流電源Vsの電圧が昇圧される。
【0006】ここで、スイッチング素子Q2 がオンにな
っているから、インダクタL3 の蓄積エネルギの放出後
には、コンデンサC2 から放電灯FL(コンデンサ
3 )−インダクタL3 −スイッチング素子Q2 の経路
で電流が流れ、同時に交流電源Vsからインダクタ
1 ,L2 −ダイオードD3 −コンデンサC1 −負荷回
路の経路を通して電流が流れる。その後、スイッチング
素子Q2 がオフになれば、インダクタL3 の蓄積エネル
ギがダイオードD1 −コンデンサC1 −放電灯FL(コ
ンデンサC3 )の経路で放出される。また、交流電源V
sからインダクタL1 ,L2 −ダイオードD3 −コンデ
ンサC1 −負荷回路という経路を通して電流が流れる。
【0007】上述のように交流電源Vsの正の半サイク
ルの期間にはインダクタL1 ,L2とスイッチング素子
1 とコンデンサC1 ,C2 とにより昇圧型のチョッパ
回路が構成される。つまり、インバータ1はハーフブリ
ッジ型であってスイッチング素子Q1 ,Q2 のオンオフ
により負荷回路に交番電流を流すことができ、スイッチ
ング素子Q1 はチョッパ回路にも兼用されることにな
る。
【0008】一方、交流電源Vsの負の半サイクルの期
間にはスイッチング素子Q2 がオンになると交流電源V
sからスイッチング素子Q2 −ダイオードD4 −インダ
クタL1 ,L2 の経路を通して電流が流れ、同時に、コ
ンデンサC2 から負荷回路−スイッチング素子Q2 の経
路で電流が流れる。スイッチング素子Q2 がオフになる
と、インダクタL3 の蓄積エネルギがダイオードD1
コンデンサC1 −放電灯FL(コンデンサC3 )の経路
を通して流れるから、交流電源VsからダイオードD1
−コンデンサC1 ,C2 −ダイオードD4 −インダクタ
1 ,L2 という経路でインダクタL1 ,L2 の蓄積エ
ネルギが放出される。つまり、コンデンサC1 ,C2
直列回路の両端電圧は交流電源Vsの電圧よりも昇圧さ
れる。
【0009】このとき、スイッチング素子Q1 はオンに
なっているから、インダクタL3 の蓄積エネルギの放出
後には、コンデンサC1 からスイッチング素子Q1 を通
して負荷回路に電流が流れる経路が形成され、また、交
流電源Vsから負荷回路−コンデンサC2 −ダイオード
4 −インダクタL1 ,L2 の経路を通して電流が流れ
る。その後、スイッチング素子Q1 がオフになれば、イ
ンダクタL3 の蓄積エネルギが放電灯FL(コンデンサ
3 )−コンデンサC2 −ダイオードD2 という経路で
放出され、同時に交流電源Vsから負荷回路−コンデン
サC2 −ダイオードD4 −インダクタL1 ,L2 という
経路に電流が流れる。
【0010】このように、交流電源Vsの負の半サイク
ルの期間には、スイッチング素子Q 2 がチョッパ回路に
兼用されることになる。ここで、上記回路においてスイ
ッチング素子Q1 ,Q2 をオンオフさせるスイッチング
周波数fを変化させることにより負荷回路への供給電力
を制御する周波数制御方式について検討する。上記回路
では、スイッチング周波数fに対する入力電力Win並
びに出力電力Woutの関係は図19のようになる。図
中fcはインバータ1の負荷回路の固有共振周波数であ
る。スイッチング周波数fが固有共振周波数fcよりも
高い領域では、入力電力Winおよび出力電力Wout
は、スイッチング周波数fの変化に対して単調減少にな
る。また、減少率は出力電力Woutのほうが大きくな
る。すなわち、dWout/df>dWin/dfであ
り、スイッチング周波数fの変化に対する制御範囲は出
力電力Woutのほうが広くなる。なお、図19におけ
るスイッチング周波数f1 は、入力電力Winと出力電
力Woutとが等しくなる(Win=Wout=W1
ときのスイッチング周波数fである。
【0011】一方、各スイッチング素子Q1 ,Q2 のオ
フ期間を変えずにオン期間のみを制御することによって
負荷回路への供給電力を制御するデューティ制御方式で
は、デューティ比(={オン期間/(オン期間+オフ期
間)}×100)に対する入力電力Winおよび出力電
力Woutの関係は図20のようになる。この場合に
は、入力電力Winと出力電力Woutとが等しくなる
ときのデューティ比D1を越えると、入力電力Winの
ほうが出力電力Woutよりも大きくなる。デューティ
比Dが50%の前後では、dWin/dD>dWout
/dDであり、デューティ比Dの変化に対する制御範囲
は入力電力Winのほうが大きくなる。
【0012】ところで、入力電力Winと出力電力Wo
utとに差が生じると入力電流波形に歪みが生じて力率
が低下し、また高調波成分が増加してノイズの発生につ
ながるという問題が生じる。また、入力電力Winが出
力電力Woutよりも大きいときには上記問題に加え
て、余剰電力によってコンデンサC1 ,C2 の直列回路
の両端電圧が上昇することになり、コンデンサC1 ,C
2 やスイッチング素子S 1 ,S2 に高耐圧のものが要求
され、結果的にコスト高につながるという問題が生じ
る。
【0013】いま、図17に示す電源装置において、ス
イッチング周波数fをf1 かつデューティ比DをD1
したときに負荷回路に設けた放電灯FLが全点灯である
ものとし、スイッチング周波数fをf1 よりも高いf2
に移行させたとすると出力電力Woutが低下するから
放電灯FLからの光出力も低下して調光することが可能
になる。しかしながら、スイッチング周波数fのみを制
御したのでは、周波数がf2 のときにWin>Wout
になる。上述のように入力電力Winは出力電力Wou
tと等しくするのが望ましい。そこで、上記回路ではス
イッチング周波数fの変化に対して出力電力Woutの
変化率が大きく、デューティ比Dの変化に対して入力電
力Winの変化率が大きいことを利用すれば、スイッチ
ング周波数fによる調光後に、光出力を変えないように
しながらもWin=Woutの関係を得ることが可能で
ある。このような制御例を図に示すと図21のようにな
る。
【0014】すなわち、スイッチング周波数fを変化さ
せることによって、入力電力Winが図21のイ点、出
力電力Woutがロ点になっているものとする。このと
き、Win>Woutである。ここで、まずデューティ
比Dをd1 からd3 に下げると、入力電力Winはイ点
からハ点に移行し、出力電力Woutはロ点からニ点に
移行する。つまり、デューティ比Dを制御するから入力
電力Winが主に変化し、入力電力Winが出力電力W
outに近付くことになる。ただし、出力電力Wout
の変化は少ないものの最初に設定した光出力よりは減少
する。
【0015】そこで、次にスイッチング周波数fをf1
からf3 に減少させることにより、入力電力Winをあ
まり変化させずに出力電力Woutを増加させる。つま
り、入力電力Winはハ点からホ点に移行し、出力電力
Woutはニ点からホ点に移行する。デューティ比Dお
よびスイッチング周波数fの制御量を適宜に設定すれ
ば、光出力(つまり、出力電力Wout)を最初の調光
量に保ちながらも入力電力Winを出力電力Woutに
一致させることができるのである。上述の制御例はもち
ろん一例であり、出力電力Woutを一定に保つか入力
電力Winを一定に保つかによって増減の方向は異な
り、また最初の調光量の変化時における入力電力Win
と出力電力Woutとの大小関係によっても増減の方向
は異なる。
【0016】ところで、電源装置として、図22に示す
特開平4−141992号公報に記載されたものも知ら
れている。この構成では、交流電源Vsを全波整流する
ダイオードブリッジよりなる整流回路DBの出力端間に
コンデンサC5 ,C6 の直列回路を接続し、また整流回
路DBの正極にダイオードD5 を介して平滑コンデンサ
0 の正極を接続するとともに、整流回路DBの負極に
ダイオードD6 を介して平滑コンデンサC0 の負極を接
続してある。平滑コンデンサC0 の両端間にはFETよ
りなる2個のスイッチング素子Q1 ,Q2 の直列回路が
接続され、各スイッチング素子Q1 ,Q2 にはそれぞれ
ダイオードD1 ,D2 が逆並列に接続される。さらに、
平滑コンデンサC0 の両端間には2個のコンデンサ
1 ,C2 の直列回路が接続され、スイッチング素子Q
1 ,Q2 の接続点とコンデンサC1 ,C2 の接続点との
間には負荷回路が接続される。負荷回路の構成は図17
に示したものと同様である。ここに、コンデンサC1
2 は小容量のものが用いられ、インバータ1へは主と
して平滑コンデンサC0 により電力が供給される。コン
デンサC5 ,C6 の接続点とスイッチング素子Q1 ,Q
2 の接続点との間には、インダクタL4 と並列共振回路
PRとの直列回路が挿入される。並列共振回路PRはイ
ンダクタLrとコンデンサCrとの並列回路よりなる。
【0017】この構成もインバータ1を構成するスイッ
チング素子Q1 ,Q2 がチョッパ回路2のスイッチング
素子として兼用されるものであって、動作を簡単に説明
すると以下のようになる。つまり、スイッチング素子Q
1 がオンになると、整流回路DBからの電流が流れるダ
イオードD5 −スイッチング素子Q1 −並列共振回路P
R−インダクタL4 −コンデンサC6 という経路と、平
滑コンデンサC0 からの電流が流れるスイッチング素子
1 −負荷回路−コンデンサC2 という経路とが形成さ
れる。どちらの経路に電流が流れるかはダイオードD5
の両端の電位により決まる。その後、スイッチング素子
1 がオフになると、インダクタL3 の蓄積エネルギが
放電灯FL(コンデンサC3 )−コンデンサC2 −ダイ
オードD 2 という経路で放出され、同時にインダクタL
4 の蓄積エネルギがコンデンサC 6 −整流回路DB−ダ
イオードD5 −平滑コンデンサC0 −ダイオードD2
並列共振回路PRの経路で放出される。つまり、平滑コ
ンデンサC0 には整流回路DBの出力電圧にインダクタ
4 の両端の逆起電圧を加算した電圧が印加され、平滑
コンデンサC0 の両端電圧が整流回路DBの出力電圧に
対して昇圧されるのである。このように、スイッチング
素子Q1 は昇圧型のチョッパ回路のスイッチング素子と
して兼用される。
【0018】一方、スイッチング素子Q2 がオンになれ
ば、整流回路DBからの電流が流れるコンデンサC5
インダクタL4 −並列共振回路PR−スイッチング素子
2−ダイオードD6 という経路と、平滑コンデンサC
0 からの電流が流れるコンデンサC1 −負荷回路−スイ
ッチング素子Q2 という経路とが形成される。その後、
スイッチング押しQ2 がオフになれば、インダクタL3
の蓄積エネルギがダイオードD1 −コンデンサC1 −放
電灯FL(コンデンサC3 )を通して放出され、インダ
クタL4 の蓄積エネルギは並列共振回路PR−ダイオー
ドD2 −平滑コンデンサC0 −ダイオードD6 −整流回
路DB−コンデンサC5 の経路を通して放出される。つ
まり、このときにも平滑コンデンサC0 の両端電圧には
インダクタL4 の両端の逆起電圧が加算され、整流回路
DBの出力電圧に対して平滑コンデンサC0 の両端電圧
が昇圧されることになる。
【0019】ところで、図22に示した回路構成では、
軽負荷時に出力電力を低減するようにスイッチング素子
1 ,Q2 をオンオフさせるスイッチング周波数を上昇
させると、インダクタL4 のインピーダンスが増加する
から入力電力が急速に減少する。つまり、スイッチング
周波数を変化させたときの入力電力の減少率は出力電力
の減少率よりも大きいから、軽負荷時に平滑コンデンサ
0 の両端電圧が上昇することがないものである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述した前者の従来例
では、入力電力Winと出力電力Woutとを一致させ
ることが可能ではあるが、制御信号S1 ,S2 のデュー
ティ比Dおよびスイッチング周波数fを複雑に変化させ
なければならないから、制御信号S1 ,S2 を発生させ
る制御回路の構成が複雑になるという問題を有してい
る。
【0021】一方、後者の従来例では、並列共振回路P
RとインダクタL4 との直列回路による共振条件を安易
に設定すると、出力電力を小さくするようにスイッチン
グ周波数を高くしたときに、入力電力よりも出力電力が
小さくなるから、たとえば放電灯FLの光出力を広範囲
にわたって調光しようとすれば、光出力の下限付近にお
いて平滑コンデンサC0 の両端電圧が大幅に低下して放
電灯FLを点灯維持することができなくなる場合があ
る。
【0022】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、複雑な制御を行なうことなく点灯維
持電圧を確保して広範囲にわたる調光を可能にし、しか
も直流電圧が過電圧になるのを防止した電源装置を提供
することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、交流
電源を整流する整流回路と、平滑コンデンサと、スイッ
チング素子のオン時に整流回路の出力エネルギを負荷回
路を通らない経路で充電する充電回路を備え充電回路に
充電したエネルギをスイッチング素子のオフ時に平滑コ
ンデンサに放出する動作を繰り返す充電手段と、整流回
路と平滑コンデンサとの間に挿入され整流回路から高周
波的に電流を流す高調波歪改善手段と、充電手段のスイ
ッチング素子を兼ねるスイッチング素子を少なくとも1
つ備え平滑コンデンサを電源として負荷回路に高周波電
力を供給するインバータと、整流回路の出力端間であっ
て負荷回路および平滑コンデンサとの間に介装されたダ
イオードとを備え、スイッチング素子をスイッチングす
る周波数の制御範囲において整流回路から充電手段に流
れ込む電流とインバータから負荷回路に供給する電流と
の上記周波数に対する変化率をほぼ等しくしたことを特
徴とする。
【0024】この構成によれば、インバータと充電手段
とで兼用されたスイッチング素子を備え、スイッチング
素子のスイッチングの周波数を制御するのであって、周
波数の制御によって負荷回路への供給電力を制御するこ
とができる。しかも、スイッチング素子をスイッチング
する周波数の制御範囲において整流回路から充電手段に
流れ込む電流とインバータから負荷回路に供給する電流
との上記周波数に対する変化率をほぼ等しくしているか
ら、負荷回路に供給する電流が減少すれば平滑コンデン
サへの充電電流も減少するのであって、周波数の制御に
よる負荷回路への供給電力の変化に伴って平滑コンデン
サへの供給電流を減少させることができる。つまり、負
荷回路への供給電流が減少しても平滑コンデンサの電圧
変動を抑制することができ、しかも、周波数の制御のみ
の簡単な制御で過電圧を防止することができる。
【0025】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、充電手段への供給電力とインバータから負荷回路へ
の供給電力との上記周波数に対する変化率をほぼ等しく
したことを特徴とする。この構成では、スイッチング素
子をスイッチングする周波数を変化させて負荷回路への
供給電力が減少したときに、充電手段に供給される電力
も減少するから、供給電力に消費されない余剰分が生じ
ないのであり、結果的に平滑コンデンサの電圧上昇によ
る過電圧を防止することができる。つまり、請求項1の
発明の作用に加えて平滑コンデンサの両端電圧の変化を
一層抑制することができる。
【0026】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、充電手段とインバータとにそれぞれ共振回路を設
け、両共振回路の振動周波数を異なる値に設定すること
により、整流回路から充電手段に流れ込む電流とインバ
ータから負荷回路に供給する電流との上記周波数に対す
る変化率をほぼ等しくしたことを特徴とする。請求項4
の発明は、請求項2の発明において、充電手段とインバ
ータとにそれぞれ共振回路を設け、両共振回路の振動周
波数を異なる値に設定することにより、充電手段への供
給電力とインバータから負荷回路への供給電力との上記
周波数に対する変化率をほぼ等しくしたことを特徴とす
る請求項2記載の電源装置。
【0027】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、負荷回路が放電灯を含み、充電手段による平滑コン
デンサへの印加電圧は放電灯の点灯維持電圧以上であっ
て、かつ定格点灯時の平滑コンデンサの両端電圧の1.
25倍以下になるように設定されていることを特徴とす
る。請求項6の発明は、請求項1の発明において、充電
手段とインバータとはスイッチング素子を除く少なくと
も一部が兼用されていることを特徴とする。
【0028】請求項7の発明は、請求項1の発明におい
て、インバータが1個のスイッチング素子を備え、この
スイッチング素子が充電手段に兼用されていることを特
徴とする。請求項8の発明は、請求項1の発明におい
て、充電手段と高調波歪改善手段とは少なくとも一部が
兼用されていることを特徴とする。
【0029】請求項9の発明は、請求項1の発明におい
て、インバータと高調波歪改善手段とは少なくとも一部
が兼用されていることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
(動作原理)以下に説明する各実施形態の基本的な動作
原理を説明する。説明を簡略にするために、図11のよ
うな回路について検討する。この回路は交流電源Vsを
整流回路DBにより全波整流し、整流回路DBの出力端
間にダイオードD11を介してインバータを接続するとと
もに、インバータの電源となる平滑コンデンサC0 を接
続してある。インバータは平滑コンデンサC0 の両端間
に接続された一対のスイッチング素子Q1 ,Q2 の直列
回路を備え、スイッチング素子Q1 ,Q2 の接続点とダ
イオードD11のカソードとの間に負荷回路が接続された
構成を有する。負荷回路はフィラメントを有する放電灯
FL、インダクタL3 、カプリング用のコンデンサC10
の直列回路であり、放電灯FLのフィラメントの非電源
側端間には予熱用のコンデンサC3 が接続されている。
さらに、ダイオードD11のアノードとスイッチング素子
1 ,Q2 の接続点の間には充電回路CHが接続されて
いる。充電回路CHはスイッチング素子Q2 を用いて機
能するものであって、スイッチング素子Q2 のオンオフ
に伴って整流回路DBの出力エネルギを充電し充電した
エネルギを平滑コンデンサC0 に放出する機能を有して
いる。また、スイッチング素子Q2 のオンオフに伴って
交流電源Vsよりも高い周波数で整流回路DBから充電
回路CHに電流が流れ込むから、整流回路DBの出力電
圧が平滑コンデンサC0 の両端電圧よりも低い期間でも
整流回路DBに入力電流を流すことが可能であって、こ
の機能によって高調波歪改善手段としても機能する。
【0031】上記回路においてスイッチング素子Q1
2 は同時にオンにならないように高周波で交互にオン
オフされる。したがって、スイッチング素子Q2 がオン
になれば、平滑コンデンサC0 から負荷回路とスイッチ
ング素子Q2 とを通る経路で電流が流れ、スイッチング
素子Q1 がオンになればコンデンサC10からインダクタ
3 −放電灯FL−スイッチング素子Q1 という経路で
電流が流れる。つまり、負荷回路にはスイッチング素子
1 ,Q2 のオンオフに伴って交番した電流が流れるの
である。
【0032】また、スイッチング素子Q2 のオン時に
は、整流回路DBから充電回路CHとスイッチング素子
2 とを通る経路で電流が流れて充電回路CHに整流回
路DBのエネルギが蓄積され、スイッチング素子Q2
オフ時には充電回路CHから充電エネルギが放出されて
平滑コンデンサC0 が充電される。ここで、充電回路C
Hのエネルギの放出経路は、図11の例では負荷回路を
通る経路になるが、以下の実施形態では、スイッチング
素子Q1 にダイオードD1 を逆並列(平滑コンデンサC
0 の正極側をカソードにする)に接続してエネルギの放
出経路を形成している。
【0033】ここにおいて、充電回路CHは平滑コンデ
ンサC0 への充電電流を蓄積し、かつ上述のように高調
波歪改善手段として兼用するのであるから、電流エネル
ギの蓄積手段であり、かつ整流回路DBの出力電圧を昇
圧して平滑コンデンサC0 に充電することで電流の休止
期間を減少させることのできる手段としてインダクタを
用いるか、あるいはインダクタとコンデンサとを直列接
続した直列共振回路を用いることが考えられる。
【0034】まず、インダクタを用いる場合について考
察すると、インダクタの値によってスイッチング素子Q
2 のオンオフに伴って図12(a)〜(c)のような関
係が得られることになる。図12に示す例はスイッチン
グ素子Q2 のスイッチングの周期TH を一定としてあ
り、図12(a)はインダクタンスがもっとも小さい場
合、図12(c)はもっとも大きい場合を示す。図示の
ようにスイッチング素子Q2 のオン期間tonにインダク
タに電流が流れ込んでエネルギが蓄積され、スイッチン
グ素子Q2 のオフ期間にインダクタからエネルギが放出
される。
【0035】充電回路CHに流れ込む入力電流とスイッ
チング素子Q2 のオンオフの周波数との関係はインダク
タの大きさに応じて図13のように変化する(が最
小、が最大)。この図より明らかなように、充電回路
CHがインダクタであればインダクタンスを調節するこ
とによって周波数に対する入力電流の変化率を調節する
ことができるのである。要するに、インダクタの値は入
力電圧、出力電圧、動作周波数、出力電力などによって
決められるものであるが、図12に示したようなどの動
作を選択するかによってインダクタの値を自由に設定す
ることができるのである。
【0036】さらに詳しく考察する。図13によれば、
充電回路CHへの入力電流の周波数に対する変化率(d
L/df)は、インダクタの値が小さいほど大きくなる
ことがわかる。一方、負荷回路に供給される電流の周波
数に対する変化は図14に示す関係になる。ここで、動
作範囲(放電灯FLの全点灯から許容された最小の調光
状態の間)での周波数変化に対する負荷電流の変化率
(dI/df)は、負荷回路の共振系や放電灯FLの特
性などによって決定される。
【0037】上述のように、dL/dfとdI/dfと
は容易に調節することができるのであり、両者をほぼ等
しくすれば動作範囲において入力電力と出力電力との変
化をほぼ等しくすることができる。つまり、周波数制御
のみでデューティ制御を行なうことなく入力電力と出力
電力との変化をほぼ等しくすることができるのであっ
て、複雑な制御を行なうことことなく平滑コンデンサC
0 の過電圧を防止することができる。
【0038】一方、充電回路CHに共振回路を用いた場
合には、充電回路CHへの入力電流の周波数に対する変
化は図15のようになる。図15におけるは共振周波
数がもっとも高い場合、図15のはもっとも低い場合
を示す。共振周波数を動作範囲の周波数よりも低く設定
しておけば、共振周波数が動作範囲に近いほど動作範囲
では、周波数に対する入力電流の変化率(dI/df)
が大きくなることが図15によりわかる。
【0039】負荷電流は図14に示した通りであるか
ら、充電回路CHへの入力電流の周波数に対する変化率
と負荷電流の周波数に対する変化率とがほぼ等しくなる
ように充電回路CHの共振周波数や負荷回路の共振系を
設定すれば、動作埴におて入力電力の変化率と出力電力
の変化率とをほぼ等しくすることができる。つまり、周
波数制御を行なうだけでデューティ制御を行なうことな
く平滑コンデンサC0 の過電圧を防止することができ
る。充電回路CHは図16のような各種構成を採用しう
るものである。また、上述の説明では主として電流の周
波数変化に着目しているが、電力の周波数変化も同様で
ある。
【0040】(基本構成) 本例 においては、図1に示すように、商用電源のような
交流電源Vsをダイオードブリッジよりなる整流回路D
Bにより全波整流し、整流回路DBの出力端間にインダ
クタL11とスイッチング素子Qとの直列回路を接
続してある。スイッチング素子Qはスイッチング素
子Qと直列接続され、両スイッチング素子Q
の直列回路には平滑コンデンサCが並列接続
される。両スイッチング素子Q,QはMOSF
ETよりなり、ドレイン−ソース間に寄生ダイオードD
,Dが存在している。スイッチング素子Q
の両端間には負荷回路が接続される。負荷回路は蛍光灯
よりなる放電灯FLの両フィラメントの一端間に予熱用
のコンデンサCを接続し、一方のフィラメントの他
端にインダクタLとカプリング用のコンデンサC
10との直列回路を接続したものであり、コンデンサC
10の一端を両スイッチング素子Q,Qの接続点
に接続し、放電灯FLの他方のフィラメントの他端をス
イッチング素子Qのドレインに接続している。両ス
イッチング素子Q,Qはゲートに入力される制
御信号によって同時にオンにならないように交互にオン
オフされる。
【0041】動作を簡単に説明する。ただし、以下の説
明は起動後の動作であって平滑コンデンサC0 はすでに
充電されているものとする。スイッチング素子Q2 がオ
ンになると整流回路DBからインダクタL11およびスイ
ッチング素子Q2 を通して電流が流れる。また、同時に
平滑コンデンサC0 から負荷回路−スイッチング素子Q
2 の経路にも電流が流れる。次に、スイッチング素子Q
2 がオフになるとインダクタL11の蓄積エネルギはスイ
ッチング素子Q1 の寄生ダイオードD1 を通して平滑コ
ンデンサC0 に充電される。つまり、インダクタL11
スイッチング素子Q2 とスイッチング素子Q1 の寄生ダ
イオードD1 とにより昇圧型のチョッパ回路が構成され
る。
【0042】スイッチング素子Q1 がオンになると、コ
ンデンサC10からインダクタL3 −放電灯FL(コンデ
ンサC3 )−スイッチング素子Q1 の経路で電流が流
れ、放電灯FLにはスイッチング素子Q2 のオン時とは
逆向きの電流が流れる。つまり、スイッチング素子
1 ,Q2 のオンオフにより放電灯FLに交番電流を流
すことができるのであって、インバータが構成されるこ
とになる。その後、スイッチング素子Q1 がオフになる
と、インダクタL3 の蓄積エネルギは放電灯FL(コン
デンサC3 )−平滑コンデンサC0 −整流回路DB−イ
ンダクタL11−コンデンサC10の経路で放出される。
【0043】ところで、図1に示した回路において、ス
イッチング素子Q1 ,Q2 をオンオフさせる周波数(ス
イッチング周波数)を高くすると、インダクタL3 のイ
ンピーダンスが大きくなって放電灯FLのランプ電流が
減少する。また、インダクタL11に蓄積されるエネルギ
(電流エネルギ)も周波数が高くなると減少する。した
がって、放電灯FLのランプ電流およびインダクタL11
の充電電流の周波数に対する変化は図2のようになる。
ここに、図2の実線はランプ電流、破線は充電電流を示
し、faは放電灯FLを全点灯にする周波数、fbは放
電灯FLの光出力を調光したときの下限の周波数を示
す。
【0044】上述の回路構成では、図2に示すように、
放電灯FLの調光範囲における周波数の変化域におい
て、ランプ電流と充電電流との変化率をほぼ一定にする
ことができるから、調光量に応じて入力電流(インダク
タL11の蓄積エネルギ)を減少させることができ、結果
的に、軽負荷時における平滑コンデンサC0 の電圧上昇
を防止することができる。つまり、スイッチング素子Q
1 ,Q2 を制御する制御信号S1 ,S2 の周波数のみを
変化させデューティ比を制御する必要がなく簡単な制御
ながらも平滑コンデンサC0 の過電圧を防止することが
できる。しかも、ランプ電流と充電電流とはスイッチン
グ周波数の変化に対する減少率はほぼ一定であるから、
光出力を小さくしても平滑コンデンサC0 の両端電圧が
極端に低下することがなく、広範囲にわたる調光が可能
になる。図1に示す構成では、インダクタL3 ,L11
適宜に選択すれば、図3に示すように、調光範囲の周波
数の変化域において放電灯FLのランプ電力(=ランプ
電流×ランプ電圧)と交流電源Vsからの入力電力(平
滑コンデンサC0 に蓄積されるエネルギ)とをほぼ一致
させることが可能であり、この場合には光出力を小さく
すれば入力電力も減少する。この構成によって平滑コン
デンサC0 の両端電圧の変動を抑制することができ、ス
イッチング素子Q1 ,Q2 を制御する制御信号S1 ,S
2 のデューティ比を制御することなく平滑コンデンサC
0 の両端電圧をほぼ一定に保つことができる。ここで、
平滑コンデンサC0 への印加電圧は放電灯FLの点灯維
持電圧以上であって、かつ定格点灯時の平滑コンデンサ
0の両端電圧の1.25倍以下になるように設定され
ている。
【0045】(実施形態1) 本実施形態は、図4に示すように、基本構成における整
流回路DBの正極の出力端と平滑コンデンサCの正
極に接続されている放電灯FLの一端との間に整流回路
DBにアノードを接続する形でダイオードD11を挿入
している。また、インダクタL11とスイッチング素子
のドレインとの間にコンデンサC11を挿入して
ある。インダクタL11とコンデンサC11とは直列共
振回路を形成し、スイッチング素子Qのオン時に
は、整流回路DB−インダクタL11−コンデンサC
11−スイッチング素子Qの経路を通して電流が流
れた後に、インダクタL11とコンデンサC11との共
振回路による共振電流が、コンデンサC11−インダク
タL11−ダイオードD11−平滑コンデンサC
スイッチング素子Qの寄生ダイオードDという
経路で流れて平滑コンデンサCを充電し、またコン
デンサC11−インダクタL11−ダイオードD11
スイッチング素子Qという経路でも共振電流が流れ
る。
【0046】つまり、整流回路DBの出力電圧が平滑コ
ンデンサCの両端電圧よりも高い期間にはダイオー
ドD11がオンになるから、整流回路DBからダイオー
ドD11を通して平滑コンデンサCが充電され、ま
たスイッチング素子Qがオンになったときに、整流
回路DBからダイオードD11−放電灯FL−インダク
タL−コンデンサC10−スイッチング素子Q
という経路で放電灯FLに電流が流れる。スイッチング
素子Qがオフになれば、インダクタLの蓄積エネ
ルギはコンデンサC10−スイッチング素子Qの寄
生ダイオードD−放電灯FLを通して放出される。
また、スイッチング素子Qがオンである期間には、
整流回路DBからインダクタL11−コンデンサC11
−スイッチング素子Qの経路でも電流が流れ、上述
のようにインダクタL11−コンデンサC11の共振電
流が生じる。
【0047】次に、スイッチング素子Q1 がオンになれ
ば、コンデンサC10−インダクタL 3 −放電灯FL−ス
イッチング素子Q1 の経路で電流が流れ、スイッチング
素子Q1 がオフになれば、インダクタL3 の蓄積エネル
ギが放電灯FL−平滑コンデンサC0 −スイッチング素
子Q2 の寄生ダイオードD2 −コンデンサC10を通して
放出される。
【0048】整流回路DBの出力電圧が平滑コンデンサ
0 の両端電圧よりも低い期間にはダイオードD11がオ
フであり、スイッチング素子Q2 のオン期間に、整流回
路DBからはインダクタL11−コンデンサC11−スイッ
チング素子Q2 にのみ電流が流れ、平滑コンデンサC0
から放電灯FL−インダクタL3 −コンデンサC10−ス
イッチング素子Q2 という経路で放電灯FLに電流が流
れる。以後の動作は整流回路DBの出力電圧が平滑コン
デンサC0 の両端電圧よりも高い期間と同様になる。
【0049】このようにして、スイッチング素子Q1
2 のオンオフにより放電灯FLには交番した電流を流
すことができ、しかも整流回路DBの出力電圧の低い期
間(つまり、交流電源Vsのゼロクロス近傍の期間)に
おいても、インダクタL11とコンデンサC11とを通して
電流が流れる期間が生じるから、入力電流に休止期間が
生じないのである。
【0050】以上の説明から明らかなように、交流電源
Vsからの入力電流の大きさはインダクタL11とコン
デンサC11とによる直列共振回路のインピーダンスに
より決まる。放電灯FLを点灯させる周波数範囲は、イ
ンダクタL11とコンデンサC11との直列共振回路の
共振周波数よりも高い周波数領域に設定されており、交
流電源Vsからの入力電流は図5に破線で示すような関
係になる。つまり、ランプ電流は図5に実線で示すよう
に周波数が高くなると減少するのであり、放電灯FLの
調光範囲では入力電流も周波数の上昇とともに減少する
から、入力電流とランプ電流との減少率をほぼ一致させ
ることができ、基本構成と同様にランプ電流の減少に伴
って入力電流を減少させることで平滑コンデンサC
の両端電圧の変動を抑制することができる。また、ラン
プ電力と入力電力とについてもほぼ一致させれば、平滑
コンデンサCの両端電圧をほぼ一定に保つことがで
きる。
【0051】(実施形態2) 本実施形態では、図6に示すように、図4に示した実施
形態1の構成のダイオードD11にコンデンサC12
並列接続したものである。この構成では、コンデンサC
11,C12とインダクタL11とダイオードD11
により形成される共振回路には、スイッチング素子Q
,Qのオンオフに伴って振動電流が流れる。整
流回路DBの出力電圧と平滑コンデンサCの両端電
圧との差はコンデンサC12に印加されるが、上述した
振動電流が流れるから、コンデンサC12の両端電圧
が、整流回路DBと平滑コンデンサCとの電圧差よ
りも大きくなったときには、インダクタL11の電流の
連続性によって交流電源Vsから整流回路DBを通して
インダクタL11に電流が引き込まれる。
【0052】この構成でも実施形態1と同様に、スイッ
チング周波数に対するランプ電流と入力電流との傾きを
ほぼ一致させるようにコンデンサC11,C12とイン
ダクタL11との共振系を設定すれば、平滑コンデンサ
の両端電圧の変動を抑制することができ、またラ
ンプ電力と入力電力とをほぼ一致させれば、平滑コンデ
ンサCの両端電圧をほぼ一定に保つことができる。
【0053】(実施形態3) 本実施形態は、図7に示すように、実施形態2の構成に
おいて、インダクタL11とコンデンサC11との直列
共振回路を、整流回路DBとスイッチング素子Q
の接続点との間に接続するのではなく、整流回路
DBと放電灯FLの一端との間に接続している。つま
り、放電灯FLとインダクタLとの接続点にインダ
クタL11の一端を接続し、このインダクタL11に直
列接続さえたコンデンサC11の一端を整流回路DBの
正極の出力端に接続している。
【0054】この構成では、コンデンサC10はカプリ
ングコンデンサであるから他のコンデンサC11,C
12よりも十分に大きく共振回路としては寄与しないの
であって、インダクタL,L11とコンデンサC
11,C12とにより共振回路が構成される。他の構成
および動作は実施形態2と同様である。(実施形態4) 本実施形態は、図8に示すように、一方のスイッチング
素子QをインダクタL12とダイオードD
(スイッチング素子Qの寄生ダイオードDに相当
する)との並列回路に置き換え、スイッチング素子Q
のドレイン−ソース間にコンデンサC13を並列接
続した構成を有する。つまり、インダクタL12とコン
デンサC13との直列共振回路によりスイッチング素子
と同様の機能を持たせようとするものである。
【0055】簡単に動作を説明する。整流回路DBの出
力電圧が平滑コンデンサCの両端電圧よりも低くダ
イオードD11がオフである期間には、スイッチング素
子Qがオンになると、コンデンサC11−インダク
タL11−スイッチング素子Q12の経路で電流が流れ
る。このときコンデンサC13の両端は短絡され放電灯
FLとインダクタLとコンデンサC10との直列回
路およびインダクタL12には平滑コンデンサC
ら電流が流れる。スイッチング素子Qがオフになれ
ば、インダクタL11,L12の蓄積エネルギがダイオ
ードD′を通して放出された後、平滑コンデンサC
からインダクタL12を通してコンデンサC13
充電電流が流れるとともに、コンデンサC10からイン
ダクタL−放電灯FL−インダクタL12という経
路で電流が流れる。つまり、放電灯FLには交番した電
流が流れる。このように図8の構成でもインバータとし
て動作するから、実施形態1と同様にして平滑コンデン
サCの両端電圧の変動および上昇を抑制することが
できる。
【0056】(実施形態5) 本実施形態は、図9に示すように、図4に示した実施形
態1の構成において、整流回路DBとダイオードD11
との間にインダクタL13を挿入したものであり、イン
ダクタL11,L13とコンデンサC11とによって共
振回路が形成される点を除いて実施形態1と同様に動作
する。
【0057】(参考例) 本例で は、図10に示すように、図1に示した構成にお
いて、インダクタLとコンデンサC10との間にトラ
ンスTを介在させ、かつ整流回路DBに一端が接続
されているインダクタL11の他端を、トランスT
の一方の巻線とインダクタLとの接続点に接続して
いる。トランスTの各巻線の一端は平滑コンデンサ
の正極に共通に接続されている。この構成の動作
図1に示した構成と同様である。すなわち、図1に示
した構成と同様に、インダクタL11の調整によりラン
プ電流と入力電流との変化率をほぼ一致させ、また入力
電力とランプ電力との変化もほぼ一致させることがで
き、結果的に平滑コンデンサCの電圧変動および電
圧上昇を抑制することができる。
【0058】
【発明の効果】本発明は上述のように、交流電源を整流
する整流回路と、平滑コンデンサと、スイッチング素子
のオン時に整流回路の出力エネルギを負荷回路を通らな
い経路で充電する充電回路を備え充電回路に充電したエ
ネルギをスイッチング素子のオフ時に平滑コンデンサに
放出する動作を繰り返す充電手段と、整流回路と平滑コ
ンデンサとの間に挿入され整流回路から高周波的に電流
を流す高調波歪改善手段と、充電手段のスイッチング素
子を兼ねるスイッチング素子を少なくとも1つ備え平滑
コンデンサを電源として負荷回路に高周波電力を供給す
るインバータと、整流回路の出力端間であって負荷回路
および平滑コンデンサとの間に介装されたダイオードと
を備え、スイッチング素子をスイッチングする周波数の
制御範囲において整流回路から充電手段に流れ込む電流
とインバータから負荷回路に供給する電流との上記周波
数に対する変化率をほぼ等しくしたものであり、インバ
ータと充電手段とで兼用されたスイッチング素子を備
え、スイッチング素子のスイッチングの周波数を制御す
るので、周波数の制御によって負荷回路への供給電力を
制御することができる。しかも、スイッチング素子をス
イッチングする周波数の制御範囲において整流回路から
充電手段に流れ込む電流とインバータから負荷回路に供
給する電流との上記周波数に対する変化率をほぼ等しく
しているから、負荷回路に供給する電流が減少すれば平
滑コンデンサへの充電電流も減少するのであって、周波
数の制御による負荷回路への供給電力の変化に伴って平
滑コンデンサへの供給電流を減少させることができる。
つまり、負荷回路への供給電流が減少しても平滑コンデ
ンサの電圧変動を抑制することができ、しかも、周波数
の制御のみの簡単な制御で過電圧を防止することができ
るという効果を奏する。さらに、整流回路の出力電圧が
平滑コンデンサの両端電圧よりも高い期間にはダイオー
ドがオンになるから、整流回路からダイオードを通して
平滑コンデンサが充電され、また充電回路とインバータ
とで兼用されているスイッチング素子がオンになったと
きに整流回路からダイオードを介して負荷回路にも電源
が供給される。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本構成を示す回路図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】実施形態1を示す回路図である。
【図5】実施形態1の動作説明図である。
【図6】実施形態2を示す回路図である。
【図7】実施形態3を示す回路図である。
【図8】実施形態4を示す回路図である。
【図9】実施形態5を示す回路図である。
【図10】参考例を示す回路図である。
【図11】原理説明用の基本構成の回路図である。
【図12】基本構成の動作説明図である。
【図13】基本構成の動作説明図である。
【図14】基本構成の動作説明図である。
【図15】基本構成の動作説明図である。
【図16】基本構成における充電回路の回路例を示す図
である。
【図17】従来例を示す回路図である。
【図18】従来例の動作説明図である。
【図19】従来例の動作説明図である。
【図20】従来例の動作説明図である。
【図21】従来例の動作説明図である。
【図22】他の従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 インバータ C 平滑コンデンサ C10 コンデンサ CH 充電回路 D ダイオード D ダイオード DB 整流回路 FL 放電灯 L インダクタ L11 インダクタ Q スイッチング素子 Q スイッチング素子 Vs 交流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−255180(JP,A) 特開 平4−222469(JP,A) 特開 平4−141992(JP,A) 特開 平3−3675(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/48 H02M 7/5387 H05B 41/24

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源を整流する整流回路と、平滑コ
    ンデンサと、スイッチング素子のオン時に整流回路の出
    力エネルギを負荷回路を通らない経路で充電する充電回
    路を備え充電回路に充電したエネルギをスイッチング素
    子のオフ時に平滑コンデンサに放出する動作を繰り返す
    充電手段と、整流回路と平滑コンデンサとの間に挿入さ
    れ整流回路から高周波的に電流を流す高調波歪改善手段
    と、充電手段のスイッチング素子を兼ねるスイッチング
    素子を少なくとも1つ備え平滑コンデンサを電源として
    負荷回路に高周波電力を供給するインバータと、整流回
    路の出力端間であって負荷回路および平滑コンデンサと
    の間に介装されたダイオードとを備え、スイッチング素
    子をスイッチングする周波数の制御範囲において整流回
    路から充電手段に流れ込む電流とインバータから負荷回
    路に供給する電流との上記周波数に対する変化率をほぼ
    等しくしたことを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】 上記充電手段への供給電力と上記インバ
    ータから上記負荷回路への供給電力との上記周波数に対
    する変化率をほぼ等しくしたことを特徴とする請求項1
    記載の電源装置。
  3. 【請求項3】 上記充電手段と上記インバータとにそれ
    ぞれ共振回路を設け、両共振回路の振動周波数を異なる
    値に設定することにより、上記整流回路から上記充電手
    段に流れ込む電流と上記インバータから上記負荷回路に
    供給する電流との上記周波数に対する変化率をほぼ等し
    くしたことを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  4. 【請求項4】 上記充電手段と上記インバータとにそれ
    ぞれ共振回路を設け、両共振回路の振動周波数を異なる
    値に設定することにより、上記充電手段への供給電力と
    上記インバータから上記負荷回路への供給電力との上記
    周波数に対する変化率をほぼ等しくしたことを特徴とす
    る請求項2記載の電源装置。
  5. 【請求項5】 上記負荷回路は放電灯を含み、上記充電
    手段による平滑コンデンサへの印加電圧は放電灯の点灯
    維持電圧以上であって、かつ定格点灯時の平滑コンデン
    サの両端電圧の1.25倍以下になるように設定されて
    いることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  6. 【請求項6】 上記充電手段と上記インバータとはスイ
    ッチング素子を除く少なくとも一部が兼用されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  7. 【請求項7】 上記インバータは1個のスイッチング素
    子を備え、このスイッチング素子が充電手段に兼用され
    ていることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  8. 【請求項8】 上記充電手段と上記高調波歪改善手段と
    は少なくとも一部が兼用されていることを特徴とする請
    求項1記載の電源装置。
  9. 【請求項9】 上記インバータと上記高調波歪改善手段
    とは少なくとも一部が兼用されていることを特徴とする
    請求項1記載の電源装置。
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