JP3697915B2 - 電子バラスト回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、力率補正回路付きAC−DCコンバータおよびAC−DC−ACコンバータ、特に、ガス放電ランプ用の電子バラスト回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バラスト回路の力率を改善するために、力率補正(PFC)回路を使用することは周知である。力率は、有効入力電力レベルを皮相電力レベルで除したものとして定義される。ここでいう皮相電力とは電圧実効値と電流実効値とを掛けたとものとして定義される。したがって、低力率定格を有するシステムは、高力率を有するシステムと比較すると、所定の有効電力に対してより大入力電流を必要とするので、作動するのに費用が嵩む。さらに、低力率定格を有するバラスト回路において、バラスト回路内の部品は、低力率のシステムに固有の大電流を取り扱うために一般的により大きな電力とより大きなサイズが必要となる。また、PFC回路はバラスト回路によってAC入力ラインに戻される高調波を減らすために用いられる。単段のバラスト回路の構成は多数存在している。これらの回路構成の大部分は、ブースト回路、チャージ・ポンプ回路またはこれら両者を組み合わせたものに区分される。
【0003】
インバータと組み合わせた単段のブースト回路は、米国特許 4,564,897、5,001,400 および 5,434,477に記載されている。これらの回路では、ブースト部分は入力電流を整形するために使用され、インバータ部分はそのDCバス電圧をAC−DC−ACコンバータへの出力としての高周波ACに変換するために使用される。すなわち、ブースト回路は入力電流を制御し、インバータは回路出力特性を制御する。一般に、ブースト回路への入力電流は不連続である。不連続電流モードでは、電流フィードバック・ループは不要で、安定性の問題は除外され、ライン電流はほぼ正弦波となる。加えて、連続電流モードにおいて起こるダイオードの逆方向回復の問題がなくなり、スイッチング電力損失も比較的低い。さらに、電流の一部がDCバスに直接供給されるために、ブースト回路の効率は比較的高い。しかしながら、電流の一部だけがインバータ内のスイッチ(例えばFET)を通して流れるために、バラスト回路内のDCバス電圧がラインのピーク電圧に接近するにつれて、全高調波ひずみ(THD)を制御することが難しくなる。
【0004】
単段のブースト回路において、インバータ部内のスイッチ部品には2つの役割がある。第1に入力電流を整形し、第2に出力を制御する。出力変調を低く保つためにはスイッチのデューティサイクルは一定でなければならない。しかしながら、これは、不連続電流モードにとどまるためには、デューティサイクルが50%であれば、スイッチ電圧がピーク入力電圧の少なくとも2倍でなければならないので、スイッチおよび他の部品への高電圧ストレスの原因となる。例えば、実効値277V(ピーク値390V)のACライン電圧については、インバータ・スイッチへの電圧ストレスは800V程度になる。
【0005】
5,459,651、5,404,082、5,410,221および5,488,269の米国特許、特開平8-186981号の日本特許、およびJinrong Qian、Fred C. Leeの論文「チャージ・ポンプ制御の高力率補正のAC−DCコンバータについての研究」に記載されているチャージ・ポンプ回路は、昇圧インダクタをキャパシタに交換することを開示している。チャージ・ポンプ回路は、ライン電流を整形してTHDを改善するために高周波の電源を使用する。チャージ・ポンプ回路においては、バラスト回路内のDCバス電圧はピーク入力電圧値に近づき、インバータ・スイッチにかかる電圧ストレスを大幅に減少させる。しかし、スイッチはチャージ・ポンプ電流を処理する必要もあるので、スイッチにかかる電流ストレスは増加する。
【0006】
ブーストおよびチャージ・ポンプの組合せ回路は、Chin S. Moo 教授により1996年のApplied Power Electronics 学会で発表された。この回路は、ブーストおよびチャージ・ポンプ回路の利点のいくつかを併せ持っている。ライン入力電圧レベルによって、回路がブーストおよびチャージ・ポンプ・モードの双方で機能するので、入力電流は連続的であるときもあれば不連続なときもある。ブースト・モード中は、入力エネルギーの一部はバラスト回路のDCバスに直接供給される。この結果、入力キャパシタのエネルギー蓄積要求量が低減され、チャージ・ポンプが処理する電力量も減少し、これにより、出力変調が減少し、スイッチにかかる電流ストレスも低下する。
【0007】
この組合せ回路はチャージ・ポンプでもあるので、そのDCバス電圧は、インバータ・スイッチへの電圧ストレスを減少させるべく入力ピーク電圧付近で作動可能である。そして、そのスイッチの不感オフ時間による制御で、ハード・スイッチングを回避して、スイッチのハード・スイッチングに固有の電力損失を低減するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなブーストおよびチャージ・ポンプの組合せ回路では、スイッチのタイミング(例えば不感オフ時間)を正確に制御しなければならないので、制御技術が比較的複雑になり、この結果、制御回路のコストひいては電子バラスト回路の全体的コストが上昇してしまう課題がある。
【0009】
したがって、複雑さを排し、よりソフトなスイッチングにスイッチング特性を改善する改良された電子バラスト回路が求められる。
【0010】
本発明の目的は、ソフト・スイッチングが可能な電子バラスト回路を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、力率補正(PFC)回路を備える構成が簡単な電子バラスト回路を提供することである。
【0012】
さらに、本発明の別の目的は、比較的単純な構造で、高力率を有し、かつ製造コストが比較的低い電子バラスト回路を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明の電子バラスト回路は、交流電圧信号を脈流の直流信号に変換する入力回路と、負荷回路と、前記脈流の直流信号を受けてこの脈流の直流信号をスイッチング制御信号の制御下でスイッチして前記負荷回路に加えられる交流信号を供給するインバータ回路と、前記脈流の直流信号を表す信号および前記負荷回路に供給される電力を表わす信号を受けて前記スイッチング制御信号を供給するものであって、前記脈流の直流信号を表わす信号を使用して入力電力を調整するために前記スイッチング制御信号の周波数を制御するとともに、前記負荷回路に供給される電力を表わす信号を使用して出力電力を調整するために前記スイッチング制御信号のデューティサイクルを制御する制御回路とを備え、前記入力回路は、交流電圧信号を受けてフィルタが施された交流電圧信号を供給する力率補正回路と、前記フィルタが施された交流電圧信号に応答するものであって、前記力率補正回路のインダクタが交流側に設けられ、前記フィルタが施された交流電圧信号を整流して脈流の直流信号を供給する整流回路と、前記整流回路と前記インバータ回路との間に直列接続されるキャパシタおよびインダクタにより構成され、前記インバータ回路に高周波電流を与えて前記インバータ回路内のスイッチング手段をソフト・スイッチングさせる共振回路とを含んでいることを特徴とする。
【0014】
なお、前記整流回路はダイオード・ブリッジ整流器により構成されるものでもよい(請求項2)。
【0015】
また、前記スイッチング手段は複数の電界効果トランジスタにより構成されるものでもよい(請求項3)。
【0016】
また、前記スイッチング手段はハーフブリッジ・スイッチング回路網として構成されるものでもよい(請求項4)。 また、前記スイッチング手段はフルブリッジ・スイッチング回路網として構成されるものでもよい(請求項5)。
【0017】
また、前記共振回路を構成するインダクタは、第1電界効果トランジスタのソースおよび第2電界効果トランジスタのドレインに接続される第1リードを有し、これら第1および第2電界効果トランジスタはハーフブリッジを形成する構成でもよい(請求項6)。
【0018】
また、前記共振回路を構成するインダクタの第2リードは、第1ダイオードのアノードおよび第2ダイオードのカソードに接続され、これら第1および第2ダイオードは回路内のスイッチング電流の流れを制御するのに使用される構成でもよい(請求項7)。
【0019】
また、前記負荷回路はランプ負荷とこれに並列の負荷キャパシタとを含み、これらランプ負荷および負荷キャパシタはともに負荷インダクタと直列になっている構成でもよい(請求項8)。
【0020】
また、前記制御回路は前記負荷回路に供給される電力を表わすこととなる前記ランプ負荷に印加される電圧を表わす信号を受ける構成でもよい(請求項9)。
【0021】
また、前記制御回路は前記負荷回路に流れる電流を表わす信号も受ける構成でもよい(請求項10)。 また、前記スイッチング制御信号は前記第1電界効果トランジスタのゲートおよび前記第2電界効果トランジスタのゲートに送られる構成でもよい(請求項11)。
【0022】
また、前記力率補正回路のインダクタは、前記交流電圧信号を受ける第1リードおよび前記共振回路を構成するキャパシタに接続される第2リードを有し、前記整流回路は、前記インダクタの第2リードにアノードが接続される第1ダイオードおよび前記インダクタの第2リードにカソードが接続される第2ダイオードを有する構成でもよい(請求項12)。
【0023】
また、前記制御回路は、前記負荷回路に流れる電流を表わす電流信号および前記負荷回路の電圧を表わす電圧信号を受ける構成でもよい(請求項13)。
【0024】
また、前記負荷回路に加えられる交流信号は低周波の矩形波信号であってもよい(請求項14)。
【0025】
また、前記負荷回路に加えられる交流信号は正弦波信号であってもよい(請求項15)。
【0026】
また、前記交流電圧信号は3相交流電圧信号であってもよい(請求項16,18)。 さらに、前記交流電圧信号は単相交流電圧信号であってもよい(請求項17,19)。
【0033】
上記構成の本発明では、例えば、ブーストおよびチャージ・ポンプの組合せ電子バラスト回路は、交流入力電圧に対して整流、力率補正およびフィルタを施して整流信号を供給する入力回路を含む。また、その電子バラスト回路は、整流電圧を受けてこの整流電圧をスイッチングして負荷回路に交流信号を供給するインバータ回路を含む。また、入力回路は、インバータ回路に高周波電流を与えてインバータ回路内のスイッチング手段をソフト・スイッチングさせる共振回路(共振タンク回路)を含む。
【0034】
入力回路では、インダクタがダイオード・ブリッジ整流器の交流側に配置される。これにより、力率補正回路のその部分をダイオード・ブリッジ整流器の交流側の入力回路内に配置すると、ブリッジ整流器が整流および電流阻止の両機能を果たすので、従来のバラスト回路部品のいくつかが不要になり、電子バラスト回路のコストが低減し、必要な部品の数が減るために信頼性が向上する利点が生じる。
【0035】
本発明の一態様によれば、ダイオード・ブリッジ整流器の交流側にPFC回路の一部を配置することで、PFC回路は差動フィルタという追加的な機能をも有する。すなわち、PFC回路は、差動フィルタリング機能およびPFC機能を持つキャパシタおよびインダクタにより構成される。
【0036】
入力回路はキャパシタおよびインダクタにより構成される共振回路を有し、この共振回路は、インバータ回路のスイッチング手段のソフト・スイッチング(すなわち、電子的ストレスおよび電力損失の低減)用の高周波電流を供給する。重要なのは、スイッチング手段に対してよりソフトなスイッチングを行うと、不感時間(インバータ・スイッチが導通していない時間)制御がもはや必要なくなるので、スイッチング手段のオン/オフのスイッチングに複雑さを伴うことがなくなる。
【0037】
また、本発明の別態様によれば、スイッチング手段のスイッチング周波数は、入力電流を調整するように制御される一方、スイッチングのデューティサイクルが出力電力を調整するするように独立して制御される。重要なのは、スイッチング周波数およびデューティサイクルを個別に制御することにより、制御回路は、電子バラスト回路の入出力電力をバランスさせて、DCバス電圧を一定値に維持することができる。
【0038】
本発明の構成は、ランプを点灯用の電子バラスト回路に好適であるが、これに限らず、AC−DCコンバータおよびAC−DC−ACコンバータにも利用可能である。
【0039】
【発明の実施の形態】
図8は従来の電子バラスト回路20の回路図である。この電子バラスト回路20は、電源21から交流電圧(例えば120V,60Hz)を取り込んでダイオード・ブリッジ整流器22で整流して、ライン23上に脈流の直流電圧を得る。また、電子バラスト回路20は、受動平滑フィルタおよび力率補正回路を付与するインダクタ24およびキャパシタ26,28を有している。ダイオード30,32は、スイッチ(FET)34,36のスイッチング中、電流を阻止して所望の電流経路を形成する。また、電子バラスト回路20は、スイッチ34,36によって充放電が制御されるキャパシタ38(好ましくは電解キャパシタ)を有している。それらスイッチの動作は、インダクタ44、負荷46(例えば蛍光ランプ)およびキャパシタ48を含む共振回路(負荷共振回路)42に印加される交流電圧をノード40で安定させるべくスイッチング制御回路39によって制御される。
【0040】
図1は本発明に係る一実施形態の電子バラスト回路50の回路図である。この電子バラスト回路50は電源52から交流電圧を受け、この交流電圧は、インダクタ(力率補正回路のインダクタ)66、キャパシタ(共振回路のキャパシタ)68、ダイオード70,71、ダイオード(第1ダイオード)72、ダイオード(第2ダイオード)73およびインダクタ(共振回路のインダクタ)86により構成される入力回路51に入力される。また、電子バラスト回路50は、複数のスイッチ(例えばFET)78,80および直流大容量蓄積のキャパシタ88,89により構成されるインバータ60を含む。スイッチ78,80は、スイッチイング周波数およびこのスイッチイング周波数のパルス幅(すなわちデューティサイクル)を制御するスイッチング制御回路84によって制御される。このスイッチング制御回路84の機能については後述する。
【0041】
また、電子バラスト回路50は、負荷96として示されるガス放電ランプに供給される駆動電流・電圧にフィルタをかけるインダクタ92およびキャパシタ94を含む負荷回路85を有している。本電子バラスト回路50は、数百Hz(例えば200Hz)の低周波の矩形波形で高圧放電(HID)ランプを駆動可能に構成されるのが望ましい。また、電子バラスト回路50は、蛍光ランプを点灯するのに使用され、この場合、そのランプを高周波数(例えばおよそ20〜50kHzの範囲)の正弦波形で駆動する。
【0042】
ダイオード70,71およびキャパシタ88,90は、ノード98での電圧が電源52からのピーク電圧のほぼ2倍になるダブル整流器を形成する。インダクタ66、ダイオード72,73、キャパシタ68およびインダクタ86は、協同して力率補正機能を果たす。また、ダイオード70,71は、FET78,80のスイッチング中、逆電流の流れを阻止するのに用いられる。キャパシタ68およびインダクタ86は、FET78,80の制御スイッチングに応じて高周波電流を流す共振タンク回路(インダクタ86がキャパシタ68を放電させる)を形成する。
【0043】
スイッチング制御回路84は、ノード98での直流逆電圧を示す信号をライン97で受ける。また、スイッチング制御回路は、ノード100での電流および電圧を示す信号をそれぞれライン99a,99bで受ける。ライン97,99a,99b上の信号は、スイッチング周波数およびスイッチング・デューティサイクルを制御して、バラスト回路への入力電流およびバラスト回路の出力電力を調整するために使用される。なお、これに限らず、負荷抵抗が比較的一定であれば、出力電力を決定するためにライン99aおよび99b上のいずれか一方の信号を使用する構成でもよい。インダクタ66をダイオード70,71によって形成されるダイオード整流器の交流側に配置すると、インダクタ66上の瞬時励磁電圧(後述の(数3)の瞬時励磁電圧VDT参照)が、スイッチング制御回路84によるスイッチ78,80に対するスイッチング・デューティサイクルとは独立して制御される。本発明の一態様によれば、スイッチ78,80のスイッチング周波数はスイッチング制御回路84によって制御され、その周波数値は入力電流値を制御するのに用いられる。また、スイッチング・デューティサイクルは、出力電力を制御するのに用いられる。したがって、ライン97,99a,99b上の信号に応じてスイッチング周波数およびデューティサイクルを制御することによって、スイッチング制御回路84は、電子バラスト回路の入出力電力をバランスさせ、ノード98での直流バス電圧を比較的一定な値に維持する。
【0044】
キャパシタ68およびインダクタ86によって形成される共振タンク回路は、スイッチ78,80をソフト・スイッチングさせるようにインバータ60に高周波電流を与える。これにより、比較的低い電圧定格の回路部品を電子バラスト回路50に使用することが可能になり、より安価な電子部品の使用が可能となる。また、この回路構成では、スイッチ78,80のスイッチング・デューティサイクルは、後述するランプ電流のような他の回路パラメータを制御して本電子バラスト回路の出力電力を調整するために使用可能である。
【0045】
動作上、電子バラスト回路50のスイッチング・プロセス全体は、2つのモード、すなわち共振入力モードおよびブースト入力モードに分けることができる。ライン電圧が低いと(すなわち、キャパシタ68の電圧が大容量蓄積のキャパシタ88,90の両端電圧の合計より低いと)、電子バラスト回路50は共振入力モードで作動する。作動時の共振入力モードに関連するスイッチング・モードは6つある。以下、説明を簡潔にすべく、電源52からの交流入力電圧の正期間についてのみ分析する。
【0046】
第1のモードでは、スイッチ80がオンになり、そして、インダクタ86の電流がインダクタ(差動チョーク)66の電流より大きいと、ダイオード73がオンする(すなわち、順バイアスされる)。この結果、キャパシタ68がインダクタ66を通して電源52により充電され、キャパシタ68の両端電圧が上昇する(しかし、この電圧は、作動の共振回路モードの設定により、大容量蓄積のキャパシタ88,90の両端電圧の合計より低いままである)。
【0047】
第2のモードでは、スイッチ80がスイッチング制御回路84によってオフされ、そして、スイッチ78が、好ましく0ボルトのスイッチング(ZVS)状態でオンされる。次いで、インダクタ86に蓄積されたエネルギーが直流大容量のキャパシタ88,90に放出されて、やがてインダクタ86に流れる電流がゼロに減少し、この結果、ダイオード73がオフになる(すなわち、ダイオード73が逆バイアスされる)。
【0048】
共振回路の作動の第3のモードでは、キャパシタ68の電圧によって、キャパシタ68がダイオード70およびスイッチ78を通してインダクタ86と共振する。そして、キャパシタ68に蓄積されたエネルギーがインダクタ86に移動して、インダクタ66に蓄積されたエネルギーがダイオード70を通じて大容量蓄積のキャパシタ88に放出される。
【0049】
第4のモードでは、キャパシタ68の電圧が負になるにつれて、ダイオード72がオンになり、キャパシタ68の両端電圧がゼロにクランプされる。循環電流はダイオード72、インダクタ86およびスイッチ78を通過し、インダクタ66に蓄積されたエネルギーはダイオード70を通して大容量蓄積のキャパシタ88に放出される。
【0050】
第5のモードでは、スイッチング制御回路が、好ましくZVS状態で、スイッチ78をオフにしてスイッチ80をオンにする。次いで、インダクタ86に蓄積されたエネルギーが、ダイオード72およびスイッチ80を通して、大容量蓄積のキャパシタ88,90に放出される。インダクタ86のエネルギーが放出されるにつれ、インダクタ86の電流はゼロに減少してダイオード72をオフさせ、インダクタ66に蓄積されたエネルギーはダイオード70を通して大容量蓄積のキャパシタ88に放出される。
【0051】
第6のモードでは、スイッチ80がオン指令を受けている間、キャパシタ68はインダクタ86と共振し、インダクタ86の電流が増大する。インダクタ86の電流がインダクタ66を通過する電流より大きくなると、ダイオード70がオフになり、スイッチング・プロセスが第1のモードに戻り、再びこのサイクルを繰り返す。
【0052】
電源52からの瞬時入力ライン電圧が高いと(すなわち、キャパシタ68の両端電圧が大容量蓄積のキャパシタ88,90の両端電圧の合計に達すると)、電子バラスト回路はブースト入力モードで動作し始める。この動作モードには7つのスイッチング・モードがある。
【0053】
そのブースト・モードの第1のスイッチング・モードは、スイッチ80がスイッチング制御回路84によってにオン指令を受けた時点で開始され、入力キャパシタ68がインダクタ66を通して電源52により充電される。キャパシタ68の電圧は、大容量蓄積のキャパシタ88,90の両端電圧の合計と等しい値に達するまで増加する。
【0054】
第2のスイッチング・モードでは、一旦キャパシタ68の両端電圧が大容量蓄積のキャパシタ88,90の両端電圧の合計より高くなれば、ダイオード70がオンになり、インダクタ66に蓄積されたエネルギーが大容量蓄積のキャパシタ88に放出される。また、ダイオード73、インダクタ86およびスイッチ80を通過する循環電流が生じる。
【0055】
ブースト・モードの第3のスイッチング・モードでは、スイッチング制御回路84はスイッチ80をオフにしてスイッチ78をオンにする。次いで、インダクタ86に蓄積されたエネルギーが直流大容量のキャパシタ88,90に放出されて、インダクタ86の電流がゼロに減少する。これに応じて、ダイオード73がオフになる一方、インダクタ66は依然として蓄積されたエネルギーをダイオード70を通して大容量蓄積のキャパシタ88に放出し続ける。
【0056】
ブースト・モードの第4のスイッチング・モードでは、キャパシタ68の電圧により、キャパシタ68はダイオード70およびスイッチ78を通してインダクタ86と共振する。キャパシタ68に蓄積されたエネルギーはインダクタ86に移動し、インダクタ66に蓄積されたエネルギーはダイオード70を通して大容量蓄積のキャパシタ88に引き続き移動する。
【0057】
第5のスイッチング・モードでは、キャパシタ68の両端電圧がゼロ未満になるので、ダイオード72がオンになる。この結果、キャパシタ68の電圧がゼロにクランプされ、循環電流がダイオード72、インダクタ86およびスイッチ78を通過する。インダクタ66に蓄積されたエネルギーは、ダイオード70を通して大容量蓄積のキャパシタ88に引き続き放出される。
【0058】
ブースト入力モードの第6のスイッチング・モードでは、スイッチング制御回路84は、スイッチ78をオフにしてスイッチ80をオンにする。次いで、インダクタ86に蓄積されたエネルギーは、ダイオード72およびスイッチ80を通して大容量蓄積のキャパシタ88,90に放出される。一旦インダクタ86を通る電流がゼロに減少すると、ダイオード72はオフになる。次いで、インダクタ66に蓄積されたエネルギーは、ダイオード70を通して大容量蓄積のキャパシタ88に引き続き放出される。
【0059】
第7のスイッチング・モードでは、制御回路はスイッチ80をオンにする。次いで、キャパシタ68はインダクタ86と共振して、インダクタ86の電流が増大する。一度インダクタ86の電流がインダクタ66の電流より高くなると、ダイオード70はオフになり、スイッチング・プロセスはブースト回路作動の第1のスイッチング・モードに戻り、このサイクルが繰り返される。
【0060】
上記回路の動作原理から、スイッチング期間中、仮に電子バラスト回路への入力電圧が一定であっても、インダクタ66の電圧が変化するのが分かる。インダクタ66の電圧は、キャパシタ68の電圧が入力電圧にキャパシタ88(または90)の両端電圧Vdc1 (またはVdc2 )を加算したものと等しいので、ゼロに減少可能である。入力回路によって得られるPFC機能のため、電子バラスト回路の入力インピーダンスは抵抗とみなすことができ、したがって、入力電流は入力電圧に対してリニアになる(すなわち、入力電流は入力電圧に従う)。入力キャパシタ68の固定値に対して、入力電圧が高いほど、キャパシタ68の両端電圧がより速く上昇し、インダクタ66の励磁時間がより短くなる。
【0061】
共振入力モードおよびブースト・モードのいずれの第1のモードでも、キャパシタ68はインダクタ66を通した瞬時入力電圧によって充電される。したがって、入力インダクタ66を励磁する電圧VLa(t)は次の(数1)で表される。ただし、Vin(t)は電源52の電圧、Vca(t)はキャパシタ68の両端電圧、そしてtは時間である。
【0062】
【数1】
【0063】
キャパシタ68の両端電圧は次の(数2)で表される。ただし、Requ は入力回路51の等価入力抵抗、Vca(0)はキャパシタ68両端の初期電圧(すなわちt=0での電圧)、Caはキャパシタ68の容量である。
【0064】
【数2】
【0065】
インダクタ66の瞬時励磁電圧VDTは、時間tを変数とする関数で表わすと、次の(数3)となる。
【0066】
【数3】
【0067】
この関数から、瞬時励磁電圧VDTは瞬時入力電圧Vin(t)に伴って変化するのが分かる。すなわち、瞬時入力電圧が低いと瞬時励磁電圧VDTは高く、瞬時入力電圧が高いと瞬時励磁電圧VDTは低い。
【0068】
また、等価デューティサイクルDequ は(数4)で表される。ただし、Fs はスイッチング周波数である。
【0069】
【数4】
【0070】
この等価デューティサイクルの式から、等価デューティサイクルDequ は、入力ライン電圧Vin(t)の関数に従って変化するのが分かる。
【0071】
(数4)を参照すれば、瞬時励磁電圧VDTの計算において、スイッチング・デューティサイクルは要因でないため、そのデューティサイクルは瞬時励磁電圧制御の要因ではない。スイッチのオン/オフ制御によって、高周波の電流源が得られ、入力キャパシタ68に蓄積されたエネルギーが放電し、このエネルギーが大容量蓄積のキャパシタ88,90に移動する。 図2は本発明に係る別の実施形態のランプ駆動用電子バラスト回路として構成される単相ハーフブリッジAC−DC−AC型のコンバータ110を示す回路図である。このコンバータ110は、フィルタリング・キャパシタ112,114(いずれも10nf程度)の追加および全波整流器116の使用を除き、図1の電子バラスト回路50と実質同様である。特に、コンバータ110は、電源52からの入力電圧に対して、整流、フィルタおよび力率補正を施す入力回路128を有している。
【0072】
図1に示される回路と同様、スイッチング制御回路84は、ノード120での電圧を表す信号をライン118で、ノード100での電圧を表す信号をライン99aで、そしてノード100での電流を表す信号をライン99bで受ける。スイッチング制御回路は、これらフィードバック信号を、スイッチング周波数およびデューティサイクルを調整するのに使用する。特に、スイッチング周波数は電源52からコンバータ110への入力電流を制御するのに使用される一方、スイッチング・デューティサイクルは出力電力を調整するのに使用される。また、インダクタ86によって得られる電流源は、スイッチ78,80のソフト・スイッチングを助長する(に寄与する)。
【0073】
好ましい実施形態では、コンバータ110の各部品は次の値に設定される。すなわち、インダクタ66のインダクタンス値は1.2mH、キャパシタ112,114の各容量は10nf、インダクタ86のインダクタンス値は200mH、インダクタ92のインダクタンス値は1.5mH、キャパシタ94の容量は2.1nf、そしてキャパシタ88,90の各容量は10mfに設定される。
【0074】
図3は本発明に係る別の実施形態の電子バラスト回路として作動するように構成される単相フルブリッジ単段AC−DC−AC型のコンバータ130を示す回路図である。このコンバータ130は、4つのスイッチ(FET)137〜140により構成されるフルブリッジ・インバータを除き、図2の電子バラスト回路110と実質同様である。そして、フルブリッジの採用に伴って、スイッチ137,138の接続点とスイッチ139,140の接続点との間に負荷96、インダクタ92およびキャパシタ94にそれぞれ対応する負荷143、インダクタ145およびキャパシタ147が接続され、キャパシタ88,90に代えてキャパシタ149がスイッチ137,138およびスイッチ139,140に並列接続されている。
【0075】
スイッチ137,138は比較的高い可変スイッチング周波数(例えば40〜50kHz)および可変デューティサイクルで作動し、スイッチ139、140は比較的低い一定のスイッチング周波数(例えば200Hz)および固定デューティサイクル(例えば50%)で作動し、ランプに低周波の矩形波形を与える。コンバータ130は、(ノード120からグランドまで計って)フル直流逆電圧がランプに印加されるので、HIDランプ(図3では負荷143で表示)を駆動するような低交流入力電圧に適している。
【0076】
入力回路128は、電源52からの入力電圧に対して、整流、フィルタおよび力率補正を施す。スイッチング制御回路84は、ノード120での電圧を示す信号をライン118で、ノード146での電圧を表す信号をライン144aで、そしてノード146での電流を表す信号をライン144bで受ける。スイッチング制御回路84は、これらフィードバック信号を使用してスイッチ137,138のスイッチング周波数およびデューティサイクルを調整する。スイッチング周波数は入力電流を制御するのに用いられる一方で、スイッチング・デューティサイクルはコンバータ130の出力電力を調整するのに用いられる。また、インダクタ86によって得られる電流源は、スイッチ137,138のソフト・スイッチングを助長する。
【0077】
図4は本発明に係る別の実施形態のランプ駆動用電子バラスト回路としての用途に適している3相ハーフブリッジ単段AC−DC−AC型のコンバータ150を示す回路図である。このコンバータ150は、3相電源用に構成されているほかは、図1の電子バラスト回路50と実質同じである。すなわち、3相電源155に対応すべく、6つの整流ダイオードにより構成される整流器151が設けられているほか、各相ごとに図1のインダクタ66およびキャパシタ68に対応するインダクタ(La,Lb,Lc)およびキャパシタ(Ca,Cb,Cc)が設けられている。また、これらインダクタおよびキャパシタの各接続点と接続する整流器151の2つのダイオードは、図1のダイオード70,71に対応している。
【0078】
3相の各電流はノード152で合算される。このコンバータ150は、3相電源155からの入力電圧に対して、整流、フィルタおよび力率補正を施す入力回路154を有している。スイッチング制御回路156は、ノード160での電圧を表わす信号をライン158で、ノード100での電圧を表す信号をライン99aで、そしてノード100での電流を表す信号をライン99bで受ける。スイッチング制御回路156は、これらフィードバック信号を使用してスイッチ78,80に加えられる制御信号のスイッチング周波数およびデューティサイクルを調整する。具体的には、スイッチング周波数は3相電源155からコンバータ150への入力電流を制御するのに用いられる一方、スイッチング・デューティサイクルは出力電力を調整するのに用いられる。また、インダクタ86によって得られる電流源は、スイッチ78,80のソフト・スイッチングを助長する。
【0079】
図5は本発明に係る別の実施形態の電子バラスト回路としての三相フルブリッジ単段AC−DC−AC型のコンバータ170を示す回路図である。このコンバータは、図4のコンバータのように、図3のコンバータを3相電源155用に構成したもので、制御原理は図3に示す回路と同じである。ただし、図5では、スイッチング制御回路182からスイッチ137〜140の各ゲートに至るラインは図示省略されている。
【0080】
スイッチ137,138は比較的高い可変スイッチング周波数(例えば40〜50kHz)で動作し、スイッチ139,140は比較的低い一定のスイッチング周波数(例えば200Hz)および固定デューティサイクル(例えば50%)で動作し、ランプに低周波の矩形波形を与える。コンバータ170は、HIDランプ(図5では負荷143で表示)を駆動するような低交流入力電圧に適している。コンバータ170は、3相電源155からの入力電圧に対して、整流、フィルタおよび力率補正を施す入力回路154を有している。スイッチング制御回路182は、ノード160での電圧を表わす信号をライン158で、ノード146での電圧を表わす信号をライン144aで、そしてノード146での電流を表わす信号をライン144bで受ける。スイッチング制御回路182は、これらフィードバック信号を利用して、スイッチ137,138のスイッチング周波数およびデューティサイクルを調整する。スイッチング周波数は入力電流を制御するのに用られる一方、スイッチング・デューティサイクルはコンバータ170の出力電力を調整するのに用いられる。また、インダクタ86によって得られる電流源は、スイッチ137,138のソフト・スイッチングを助長する。このコンバータ170は、フル直流逆電圧がランプに印加されるので低入力交流電圧に適している。
【0081】
図6は、本発明に係る別の実施形態の電子バラスト回路であって、電源52から入力電圧を受ける単相フルブリッジ単段AC−DC−DC型のコンバータ190を示す回路図である。このコンバータ190は、スイッチ137,130の接続点とスイッチ139,140の接続点との間に接続される1次巻線を有するとともに2次巻線を有するトランスTと、このトランスTの2次巻線に接続されるダイオードD1〜D4、インダクタLf,キャパシタCfおよび負荷189とを備えているほかは、図3のコンバータと同様に構成されている。
【0082】
このコンバータ190では、スイッチ137〜140は比較的高いスイッチング周波数(例えば100〜200kHz)で駆動される。負荷189での出力電圧は、スイッチ137,138によって形成されるフルブリッジのラッグ脚(遅相側)とスイッチ139,140を含むそのブリッジのリード脚(進相側)との間の相対位相シフトによって制御される。電流源のインダクタ86によって供給される高周波電流のために、リード脚およびラッグ脚の双方でのスイッチ137〜140はソフト・スイッチング状態で作動する。
【0083】
スイッチ137〜140の各々のデューティサイクルは50%で一定のままである。スイッチング制御回路196は、フル・ブリッジのリード脚およびラッグ脚に送られるスイッチング信号間に相対位相シフトを施すためにスイッチング信号を制御する。また、スイッチング制御回路は、ノード120での電圧を表す信号をライン118で受ける。また、スイッチング制御回路は、回路の出力電力を決定するために、ノード200に流れる電流を表わす信号をライン199で、そしてノード204での電圧を表す信号をライン202で受ける。スイッチング制御回路は、ライン118上の信号を利用して、スイッチ137〜140の各々に送られるスイッチング信号の周波数を制御し、入力電流を調整する。この入力電流を増大させるためには、スイッチング制御回路はその周波数を低くする。スイッチング制御回路196は、ライン199,202上の信号を使用して、リード脚およびラッグ脚に送られる信号間の相対位相シフトを調節し、出力電力を制御する。この出力電力を増大させるためには、その位相シフトは抑制される。同様に、出力電力を減少させるためには、スイッチング制御回路はリード脚およびラッグ脚間の相対位相シフトを拡大させる。
【0084】
図7は、本発明に係る別の実施形態の電子バラスト回路であって、3相フルブリッジ型で単段AC−DC−DC型のコンバータ240を示す回路図である。このコンバータ240は、図5のコンバータのように、図6のコンバータを3相電源155用に構成したものである。
【0085】
コンバータ240は、すでに開示の他の実施形態と同様に、3相電源155からの入力電圧に対して、整流、フィルタおよび力率補正を施す入力回路154を有している。コンバータ240の動作は、3相入力を受ける以外は図6の回路と実質的に同じである。スイッチ137〜140は、比較的高いスイッチング周波数(例えば100〜200kHz)で動作する。負荷189に印加される出力電圧は、ブリッジのラッグ脚(スイッチ137,138)およびリード脚(スイッチ139,140)間の相対位相シフトによって制御される。
【0086】
スイッチング制御回路262は、フル・ブリッジのリード脚およびラッグ脚に送られるスイッチング信号間の相対位相シフトを調節する。ただし、図7では、スイッチング制御回路262からスイッチ137〜140への各ラインの図示は省略されている。スイッチング制御回路262はノード160での電圧を表わす信号をライン158で受ける。また、スイッチング制御回路は、回路の出力電力を決定するために、ノード200を流れる電流を表わす信号をライン199で、そしてノード204での電圧を表す信号をライン202で受ける。スイッチング制御回路は、ライン158上の信号を用いてスイッチの各々に送られる信号の周波数を制御し、入力電流を調整する。この入力電流を増大させるためには、スイッチング制御回路262はスイッチング周波数を低くする。スイッチング制御回路262は、ライン199,202上の信号を使用して、リード脚およびラッグ脚に送られる信号間の相対位相シフトを調節し、出力電力を制御する。この出力電力を減少させるには、スイッチング制御回路は相対位相シフトを拡大する。同様に、出力電力を増大させるには、スイッチング制御回路はリード脚およびラッグ脚間の相対位相シフトを抑制する。
【0087】
なお、負荷抵抗が比較的一定であれば、電圧および出力電流の双方を検出しなくてもそれらのいずれか一方を検出すれば、出力電力の決定が可能になることは言うまでもない。
【0088】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明によれば、ソフト・スイッチングが可能になる。また、力率補正(PFC)回路を備える構成が簡単な電子バラスト回路を得ることが可能となる。さらに、比較的単純な構造で、高力率を有し、かつ製造コストが比較的低い電子バラスト回路を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の電子バラスト回路の詳細な回路図である。
【図2】本発明に係る別の実施形態の電子バラスト回路の詳細な回路図である。
【図3】本発明に係る別の実施形態の電子バラスト回路の詳細な回路図である。
【図4】本発明に係る別の実施形態の電子バラスト回路の詳細な回路図である。
【図5】本発明に係る別の実施形態の電子バラスト回路の詳細な回路図である。
【図6】本発明に係る別の実施形態の電子バラスト回路の詳細な回路図である。
【図7】本発明に係る別の実施形態の電子バラスト回路の詳細な回路図である。
【図8】ブースト回路およびチャージ・ポンプ回路を組み合わせて単段高力率AC−DC−AC型のコンバータにした従来の電子バラスト回路を示す回路図である。
【符号の説明】
50 電子バラスト回路
51 入力回路
84 スイッチング制御回路
85 負荷回路
96 負荷
Claims (19)
- 交流電圧信号を脈流の直流信号に変換する入力回路と、負荷回路と、前記脈流の直流信号を受けてこの脈流の直流信号をスイッチング制御信号の制御下でスイッチして前記負荷回路に加えられる交流信号を供給するインバータ回路と、前記脈流の直流信号を表す信号および前記負荷回路に供給される電力を表わす信号を受けて前記スイッチング制御信号を供給するものであって、前記脈流の直流信号を表わす信号を使用して入力電力を調整するために前記スイッチング制御信号の周波数を制御するとともに、前記負荷回路に供給される電力を表わす信号を使用して出力電力を調整するために前記スイッチング制御信号のデューティサイクルを制御する制御回路とを備え、前記入力回路は、交流電圧信号を受けてフィルタが施された交流電圧信号を供給する力率補正回路と、前記フィルタが施された交流電圧信号に応答するものであって、前記力率補正回路のインダクタが交流側に設けられ、前記フィルタが施された交流電圧信号を整流して脈流の直流信号を供給する整流回路と、前記整流回路と前記インバータ回路との間に直列接続されるキャパシタおよびインダクタにより構成され、前記インバータ回路に高周波電流を与えて前記インバータ回路内のスイッチング手段をソフト・スイッチングさせる共振回路とを含んでいることを特徴とする電子バラスト回路。
- 前記整流回路はダイオード・ブリッジ整流器により構成される請求項1記載の電子バラスト回路。
- 前記スイッチング手段は複数の電界効果トランジスタにより構成される請求項1記載の電子バラスト回路。
- 前記スイッチング手段はハーフブリッジ・スイッチング回路網として構成される請求項3記載の電子バラスト回路。
- 前記スイッチング手段はフルブリッジ・スイッチング回路網として構成される請求項3記載の電子バラスト回路。
- 前記共振回路を構成するインダクタは、第1電界効果トランジスタのソースおよび第2電界効果トランジスタのドレインに接続される第1リードを有し、これら第1および第2電界効果トランジスタはハーフブリッジを形成する請求項3記載の電子バラスト回路。
- 前記共振回路を構成するインダクタの第2リードは、第1ダイオードのアノードおよび第2ダイオードのカソードに接続され、これら第1および第2ダイオードは回路内のスイッチング電流の流れを制御するのに使用される請求項4記載の電子バラスト回路。
- 前記負荷回路はランプ負荷とこれに並列の負荷キャパシタとを含み、これらランプ負荷および負荷キャパシタはともに負荷インダクタと直列になっている請求項1記載の電子バラスト回路。
- 前記制御回路は前記負荷回路に供給される電力を表わすこととなる前記ランプ負荷に印加される電圧を表わす信号を受ける請求項8記載の電子バラスト回路。
- 前記制御回路は前記負荷回路に流れる電流を表わす信号も受ける請求項9記載の電子バラスト回路。
- 前記スイッチング制御信号は前記第1電界効果トランジスタのゲートおよび前記第2電界効果トランジスタのゲートに送られる請求項6記載の電子バラスト回路。
- 前記力率補正回路のインダクタは、前記交流電圧信号を受ける第1リードおよび前記共振回路を構成するキャパシタに接続される第2リードを有し、前記整流回路は、前記インダクタの第2リードにアノードが接続される第1ダイオードおよび前記インダクタの第2リードにカソードが接続される第2ダイオードを有する請求項1記載の電子バラスト回路。
- 前記制御回路は、前記負荷回路に流れる電流を表わす電流信号および前記負荷回路の電圧を表わす電圧信号を受ける請求項1記載の電子バラスト回路。
- 前記負荷回路に加えられる交流信号は低周波の矩形波信号である請求項1記載の電子バラスト回路。
- 前記負荷回路に加えられる交流信号は正弦波信号である請求項1記載の電子バラスト回路。
- 前記交流電圧信号は3相交流電圧信号である請求項4記載の電子バラスト回路。
- 前記交流電圧信号は単相交流電圧信号である請求項4記載の電子バラスト回路。
- 前記交流電圧信号は3相交流電圧信号である請求項5記載の電子バラスト回路。
- 前記交流電圧信号は単相交流電圧信号である請求項5記載の電子バラスト回路。
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