JPH10210900A

JPH10210900A - 魚釣用スピニングリール

Info

Publication number: JPH10210900A
Application number: JP9018336A
Authority: JP
Inventors: Muneaki Chikuhichi; 宗彰築比地; Yukinori Miyazawa; 幸則宮澤
Original assignee: Daiwa Seiko Co Ltd
Current assignee: Globeride Inc
Priority date: 1997-01-31
Filing date: 1997-01-31
Publication date: 1998-08-11
Anticipated expiration: 2017-01-31
Also published as: US5954284A; JP3287389B2

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明はスピニングリールに関し、使用する
釣糸に制約を受けることなく糸径の面で幅広い対応が可
能であり、又、長期に亘る使用によってラインローラが
摩耗しても、別個の新品のラインローラへの交換作業を
軽減させたスピニングリールを提供することを第一の目
的とし、第二の目的は、巻取り操作時の不要な糸縒れを
防止しつつ、糸径の面で幅広い対応が可能なスピニング
リールを提供することにある。【解決手段】請求項１に係る発明は、ラインローラに
複数の釣糸案内部を形成し、支持部材へのラインローラ
の取付位置又は取付方向の変更で釣糸案内部の一つを選
択使用可能としたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は魚釣用スピニングリ
ールに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来周知のように、魚釣用スピニングリ
ールは、ロータに設けた一対の支持アームの先端に、半
環状のベールが一対の支持部材を介して釣糸巻取位置側
と釣糸放出位置側に夫々反転自在に取り付き、又、竿先
からスプール方向に釣糸を案内するラインローラが一方
の支持部材に装着されている。

【０００３】そして、ベールを釣糸巻取位置へ反転させ
てハンドル操作でロータを釣糸巻取り方向へ回転させる
と、ロータの回転に連動して前後方向へトラバース運動
するスプールにラインローラを介して釣糸が巻回され、
又、ベールを釣糸放出位置側へ反転させて仕掛けを投擲
すると、スプールに巻回された釣糸がスパイラル状に放
出されるようになっている。

【０００４】然し、従来、この種の魚釣用スピニングリ
ールは、釣糸の巻取り操作時に、ラインローラがスプー
ルの周囲を回転して釣糸を竿先からスプール方向に案内
する構造上、ロータ回転に伴い釣糸（外糸）に縒れが発
生し、又、釣竿ガイドに対するラインローラの位置の変
化やスプールに巻回される釣糸の巻径の変化、更には前
後方向へトラバース運動するスプールの位置の変化等の
影響で糸道が安定せず、そのため、スプールへの釣糸の
巻取りに伴い釣糸がラインローラの外周面上を軸方向に
転がってしまうことも、釣糸に糸縒れを発生させてしま
う大きな要因であることが知られている。

【０００５】そこで、昨今、実開平６−４６４６７号公
報や実用新案登録第３０２０７９８号公報，特開平８−
３０８４４４号公報に開示されるように、ラインローラ
の外周面上に一つの案内溝を形成したり、巻取り操作時
に釣糸が接触可能なガイド部をラインローラに設けるこ
とで、ラインローラ外周面上の釣糸の軸方向移動を規制
して不要な糸縒れの発生を防止している。

【０００６】又、特開平８−２３８２４号公報には、巻
取り操作時に釣糸の移動を規制する規制部をラインロー
ラの周縁部に設けると共に、ラインローラの外周面をテ
ーパ状に成形した魚釣用スピニングリールが開示されて
おり、斯かる魚釣用スピニングリールによれば、規制部
によって釣糸のラインローラ外周面上の軸方向移動が規
制されることで、ラインローラ上で発生する糸縒れを防
止することができると共に、テーパ形状を利用してロー
タ回転と逆の回転を道糸に与えることで、ロータ回転に
よる外糸の縒れを大幅に削減することが可能となる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、スプールに
巻回される釣糸は、対象魚の種類や大きさ，釣法等によ
り、多種の中から適当と思われる糸径の釣糸が選択され
て実際に使用される。そのため、ラインローラの外周面
上に一本の案内溝を形成して釣糸の軸方向への移動を規
制した従来例にあっては、案内溝の溝幅に応じた糸径の
釣糸しか使用することができず、使用する釣糸に制約を
受けて糸径の面で幅広い対応ができないといった課題が
残されていた。

【０００８】又、ラインローラの外周面をテーパ状に成
形した従来例にあっても、好ましいテーパ角度は糸径で
異なる等、糸径の面で幅広い対応を考えると、糸径に応
じ案内溝の溝幅を代えたラインローラやテーパ角度の異
なるラインローラを装着したスピニングリールを複数用
意しなければならない不具合があった。更に又、長期に
亘る使用によって案内溝が摩耗した場合、新品のライン
ローラに交換しなければならず、ラインローラの交換と
いったアフター面でも非効率的であった。

【０００９】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、使用する釣糸に制約を受けることなく糸径の面で幅
広い対応が可能であり、又、長期に亘る使用によってラ
インローラが摩耗しても、別個の新品のラインローラへ
の交換作業を軽減させた魚釣用スピニングリールを提供
することを第一の目的とする。そして、本発明の第二の
目的は、巻取り操作時の不要な糸縒れを防止しつつ、糸
径の面で幅広い対応が可能な魚釣用スピニングリールを
提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項１に係る発明は、リール本体に回転可能に装
着されたロータと、リール本体にスプール軸を介して支
持され、手動ハンドルによるロータの回転で釣糸が巻回
されるスプールと、ロータに支持部材を介して取り付
き、釣糸の巻取り操作時に当該釣糸を竿先からスプール
方向に案内するラインローラを備えた魚釣用スピニング
リールに於て、上記ラインローラに複数の釣糸案内部を
形成し、支持部材へのラインローラの取付位置又は取付
方向の変更で釣糸案内部の一つを選択使用可能としたも
のである。

【００１１】そして、請求項２に係る発明は、請求項１
記載の魚釣用スピニングリールに於て、釣糸案内部が、
ラインローラの周縁部に設けられ、巻取り操作時に釣糸
の移動を規制する規制部と、ラインローラの中央部から
両規制部方向へ順次小径に成形されたテーパ角度の異な
るテーパ面とからなることを特徴とする。又、請求項３
に係る発明は、請求項１記載の魚釣用スピニングリール
に於て、釣糸案内部が、ラインローラの外周面にその周
方向へ設けた溝幅の等しい案内溝からなり、各案内溝が
ラインローラの軸方向に並列していることを特徴とし、
請求項４に係る発明は、請求項１記載の魚釣用スピニン
グリールに於て、釣糸案内部が、ラインローラの外周面
にその周方向へ設けた溝幅の異なる案内溝からなり、各
案内溝がラインローラの軸方向に並列していることを特
徴としている。

【００１２】（作用）請求項１に係る発明によれば、複
数設けた釣糸案内部相互を同一構造とした場合に、一つ
の釣糸案内部が摩耗したとき、ラインローラの取付位置
又は取付方向を変更することで他の釣糸案内部が使用可
能となる。又、複数設けた釣糸案内部を糸径に応じ異な
る構造としたときには、ラインローラの取付位置又は取
付方向を変更することで糸径に応じた釣糸案内部が使用
可能となる。

【００１３】そして、請求項２に係る発明によれば、糸
径に応じラインローラの取付位置や取付方向を変更して
釣糸案内部を選択すれば、規制部がラインローラの軸方
向への釣糸の移動を規制してラインローラ上で発生する
糸縒れを防止すると共に、テーパ面が糸径に応じ釣糸巻
取り操作時の外糸の縒れの発生を防止し、内糸にロータ
回転による縒れと逆方向の縒れを作り込むこととなる。
そして、この縒れは釣糸放出時に生ずる縒れと相殺され
て解消される。

【００１４】又、請求項３に係る発明によれば、何れか
の案内溝が長期に亘る使用によって摩耗した場合、ライ
ンローラの取付位置や取付方向を変更することで他の釣
糸案内部が使用可能となる。そして、釣糸の巻取り操作
時に、案内溝がラインローラの軸方向への釣糸の移動を
規制してラインローラ上で発生する糸縒れを防止するこ
ととなる。

【００１５】又、請求項４に係る発明によれば、糸径に
応じラインローラの取付位置や取付方向を変更して案内
溝を選択すれば、当該案内溝がラインローラの軸方向へ
の釣糸の移動を規制してラインローラ上で発生する糸縒
れを防止する。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。

【００１７】図１乃至図４は請求項１及び請求項２に係
る魚釣用スピニングリールの一実施形態を示し、図１に
於て、１はリール本体３に回転可能に装着されたロータ
で、ロータ１には一対のベール支持アーム５が一体的に
形成されている。そして、図２に示すようにベール支持
アーム５の先端に、半環状のベール７が、ラインローラ
９を装着したベールアーム（支持部材）１１とベールホ
ルダー１３を介して釣糸巻取位置側と釣糸放出位置側へ
反転自在に取り付けられている。

【００１８】又、１５はロータ１と同軸上に装着された
スプールで、当該スプール１５はリール本体３にトラバ
ース運動可能に取り付くスプール軸（図示せず）に支持
されており、従来と同様、ベール７を釣糸巻取位置側へ
反転させてハンドル１７の操作でロータ１を釣糸巻取り
回転方向へ回転させると、これに連動して前後方向へト
ラバース運動するスプール１５に釣糸１９が巻回される
ようになっている。

【００１９】而して、本実施形態に係るスピニングリー
ル２１は、上述の如き従来と同様の構成に加え、ライン
ローラ９に複数の釣糸案内部を形成し、そして、ベール
アーム１１に対するラインローラ９の取付方向を変更す
ることで釣糸案内部の一つを選択使用可能としたもので
ある。以下、これを詳述すると、図３はラインローラ９
の取付構造の断面図を示し、図中、２３はラインスライ
ダーで、ラインスライダー２３は当該ラインスライダー
２３に嵌合された金属製の支軸２５を介してベールアー
ム１１にボルト２６で固着されている。そして、支軸２
５のベールアーム１１側端部には、金属製の筒状部材２
７が冠着されており、支軸２５をベールアーム１１にボ
ルト締めすることによって、当該筒状部材２７が支軸２
５とベールアーム１１との間に挾持されている。

【００２０】そして、上記筒状部材２７の端部に内レー
ス２９ａを当接させてボールベアリング２９が支軸２５
の外周に装着され、そして、当該ボールベアリング２９
を介してラインローラ９が支軸２５に回転可能に取り付
けられており、支軸２５とベールアーム１１とのボルト
締めを解除することでラインローラ９が容易に取り外せ
ると共に、左右の方向を代えて回転可能に当該ラインロ
ーラ９を支軸２５に支持することができるようになって
いる。

【００２１】而して、ラインローラ９の左右の周縁部に
は、夫々、図３に示すようにラインローラ９の中央方向
へ先端が突出する環状の規制部３１，３３が一体成形さ
れ、ラインローラ９の外周面の中央部に、外方へ突出す
る円盤状の仕切壁３５が周方向に沿って設けられてい
る。そして、ラインローラ９の外周面上には、上記仕切
壁３５から両規制部３１，３３方向へ順次小径に成形さ
れたテーパ角度の異なるテーパ面３７，３９が夫々形成
されており、テーパ角度の大きいテーパ面３７と規制部
３１は太糸用の釣糸案内部として機能し、そして、ライ
ンローラ９をベールアーム１１から取り外して、図４の
二点鎖線で示すようにその左右の取付方向を代えること
で、テーパ角度の小さなテーパ面３９と規制部３３が細
糸用の釣糸案内部として機能するようになっている。

【００２２】又、図３に示すように、ベールアーム１１
とラインスライダー２３には、夫々、上記規制部３１，
３３を覆う環状のガイド部４１，４３がラインローラの
軸方向に突設されているが、ラインスライダー２３側の
ガイド部４３は上記仕切壁３５まで延設された構造とな
っている。その他、図３中、４５はラインローラ９と筒
状部材２７との間に装着されたフッ素系樹脂（例えばテ
フロン（登録商標））製のワッシャである。

【００２３】尚、一般にラインローラの材質としては種
々のセラミックスや銅合金に硬質メッキ処理を施した硬
質材が多く使用されるが、上記ラインローラ９もこのよ
うな硬質材で成形されている。又、テーパ面３７，３９
のテーパ角度は１°〜１０°の範囲が考えられるが、こ
れらのテーパ角度の設定はリールのサイズにより設計段
階で適宜設定されるもので、何ら斯かる数値に限定され
るものではない。

【００２４】本実施形態はこのように構成されているか
ら、図３の如き取付方向でラインローラ９をベールアー
ム１１に装着した後、ベール７を釣糸巻取位置側へ反転
させてハンドル１７の操作でロータ１を釣糸巻取り回転
方向（図３中、矢印Ａ方向）へ回転させると、これに連
動して前後方向へトラバース運動するスプール１５に釣
糸１９が巻回されるが、テーパ面３７は釣糸巻取り回転
方向へ向け順次大径となるテーパ状に形成されているた
め、巻取り操作に伴い釣糸１９はテーパ面３７を転がる
ように矢印Ｂ方向へ回転する力を受け、ロータ回転によ
る縒れと逆方向の縒れが与えられて外糸の縒れの発生が
防止されると共に、スプール１５に巻回される釣糸（内
糸）にはロータ回転による縒れと逆方向の縒れが作り込
まれて、この縒れは釣糸放出時に生ずる縒れと相殺され
て解消されることとなる。

【００２５】そして、巻取り操作に伴い、テーパ面３７
を転がるように矢印Ｂ方向へ回転する力を受けた釣糸１
９は、常時規制部３１に当接してラインローラ９の軸方
向への移動が規制され、斯様に規制部３１によって釣糸
１９のラインローラ外周面上の軸方向移動が規制される
ことで、ラインローラ９上で発生する糸縒れが防止され
ることとなる。

【００２６】又、対象魚の種類や大きさ等によって、こ
れよりも糸径の細い釣糸を使用する場合には、既述した
ようにボルト２６を外してラインローラ９をベールアー
ム１１から取り外し、そして、図４の二点鎖線で示すよ
うにその左右の取付方向を代えて、テーパ角度の小さな
テーパ面３９と規制部３３を釣糸案内部として利用すれ
ばよい。

【００２７】而して、この場合にあっても、ハンドル１
７の操作でロータ１を釣糸巻取り回転方向へ回転させる
と、これに連動して前後方向へトラバース運動するスプ
ール１５に釣糸が巻回されるが、テーパ面３９は釣糸巻
取り回転方向へ向け順次大径となるテーパ状に形成され
ているため、巻取り操作に伴い釣糸はテーパ面３９を転
がるように回転する力を受け、ロータ回転による縒れと
逆方向の縒れが与えられて外糸の縒れの発生が防止され
ると共に、スプール１５に巻回される釣糸（内糸）には
ロータ回転による縒れと逆方向の縒れが作り込まれるこ
ととなる。

【００２８】そして、巻取り操作に伴い、テーパ面３９
を転がるように回転する力を受けた釣糸が常時規制部３
３に当接してラインローラ９の軸方向への移動が規制さ
れ、斯様に規制部３３によって釣糸のラインローラ外周
面上の軸方向移動が規制されることで、ラインローラ９
上で発生する糸縒れが防止されることとなる。このよう
に、本実施形態は、一つのラインローラ９の外周面上に
テーパ角度の異なる二つのテーパ面３７，３９を設ける
と共に、ラインローラ９の左右の周縁部に、夫々、ライ
ンローラ９の中央方向へ先端が突出する環状の規制部３
１，３３を設けて、ベールアーム１１に対するその左右
の取付方向を代えることで、テーパ面３７と規制部３１
を太糸用の釣糸案内部として、又、テーパ角度の小さな
テーパ面３９と規制部３３を細糸用の釣糸案内部として
機能させるようにしたので、糸径の異なる釣糸を使用す
る場合にも、ラインローラ９の左右の取付方向の変更と
いった簡単な作業で巻取り操作時の不要な糸縒れの発生
を防止することが可能となり、又、糸径に応じテーパ角
度の異なるラインローラを装着したスピニングリールを
複数用意しなければならない煩わしさが解消でき、糸径
に応じた幅広い対応が可能となった。

【００２９】図５は請求項１及び請求項３に係る魚釣用
スピニングリールに装着されるラインローラの取付構造
の一実施形態を示し、以下、本実施形態を図面に基づき
説明するが、発明部分を除く構成については上記実施形
態と同様の構成とされているため、ここでは専ら発明部
分について説明し、同一のものには同一符号を付してそ
れらの説明は省略する。

【００３０】図５に於て、４７はラインローラで、上記
ラインローラ９と同様、当該ラインローラ４７もボール
ベアリング２９を介して支軸２５に回転可能に取り付け
られており、支軸２５とベールアーム１１とのボルト締
めを解除することでラインローラ４７が容易に取り外せ
ると共に、左右の方向を代えて回転可能に当該ラインロ
ーラ４７を支軸２５に支持することができるようになっ
ている。

【００３１】そして、ラインローラ４７は円筒状の外形
形状を以って形成されているが、その外周面には、周方
向へ溝幅の等しい２本の案内溝４９，５１が、夫々、ラ
インローラ４７の左右両端側から同一の距離を以って軸
方向に並列して設けられており、図示する状態にライン
ローラ４７をベールアーム１１に装着すると、一方の案
内溝５１がラインスライダー２３のガイド部４３によっ
て覆われるようになっている。

【００３２】本実施形態はこのように構成されているか
ら、図５の如き取付方向にラインローラ４７をベールア
ーム１１に装着し、ベール７を釣糸巻取位置側へ反転さ
せてハンドル操作でロータ１を釣糸巻取り回転方向（図
中、矢印Ａ方向）へ回転させると、これに連動して前後
方向へトラバース運動するスプール１５に釣糸１９が巻
回されるが、釣糸１９は常時案内溝４９内に案内されて
ラインローラ４７の軸方向への移動が規制されるため、
ラインローラ４７上で発生する糸縒れが防止されること
となる。

【００３３】又、長期に亘る使用によって案内溝４９の
開口縁部等が摩耗した場合には、ボルト２６を外してラ
インローラ４７をベールアーム１１から取り外し、そし
て、その左右の取付方向を代えて案内溝５１をベールア
ーム１１側に配置すればよい。而して、この場合にあっ
ても、巻取り操作時に案内溝５１がラインローラ４７の
軸方向への釣糸１９の移動を規制して、ラインローラ４
７上で発生する糸縒れを防止する。

【００３４】従って、本実施形態によれば、釣糸１９の
巻取り操作時の不要な糸縒れの発生を防止することがで
きると共に、ラインローラ４７に設けた案内溝４９，５
１の何れか一方が長期に亘る使用で摩耗した場合、ライ
ンローラ４７の左右の取付方向を代えることで他方の案
内溝５１，４９を利用することが可能であるから、従来
に比し新品のラインローラに交換する作業が半減して、
ラインローラの交換といったアフター面で効率的であ
る。

【００３５】図６は請求項１及び請求項４に係る魚釣用
スピニングリールに装着されるラインローラの取付構造
の第一実施形態を示す。尚、本実施形態に於ても、図１
の実施形態と同一のものは同一符号を以って表示する。
図に於て、５３はボールベアリング２９を介してベール
アーム１１に装着されたラインローラで、上述した各実
施形態と同様、支軸２５とベールアーム１１とのボルト
締めを解除することでラインローラ５３が容易に取り外
せると共に、左右の方向を代えて回転可能に当該ライン
ローラ５３を支軸２５に支持することができるようにな
っている。

【００３６】そして、ラインローラ５３は円筒状の外形
形状を以って形成されているが、その外周面には、周方
向へ溝幅の異なる２本の案内溝５５，５７がラインロー
ラ５３の軸方向に並列して設けられており、図示する状
態にラインローラ５３をベールアーム１１に装着する
と、溝幅の大きい案内溝５７がラインスライダー２３の
ガイド部４３によって覆われ、又、ラインローラ５３の
左右の取付方向を代えると、溝幅の小さな案内溝５５が
ガイド部４３によって覆われるようになっている。

【００３７】本実施形態はこのように構成されているか
ら、図５の如き取付方向でラインローラ５３をベールア
ーム１１に装着した後、ベール７を釣糸巻取位置側へ反
転させてハンドル操作でロータ１を釣糸巻取り回転方向
（図中、矢印Ａ方向）へ回転させれば、前後方向へトラ
バース運動するスプール１５に釣糸１９が巻回される
が、釣糸１９は常時案内溝５５に案内されてラインロー
ラ５３の軸方向への移動が規制されるため、ラインロー
ラ５３上で発生する糸縒れが防止されることとなる。

【００３８】又、対象魚の種類や大きさ等によって、こ
れよりも糸径の太い釣糸を使用する場合には、ラインロ
ーラ５３をベールアーム１１から取り外してその左右の
取付方向を代え、溝幅の太い案内溝５７を釣糸案内部と
して利用すればよい。而して、この場合にあっても、巻
取り操作時に案内溝５７がラインローラ５３の軸方向へ
の釣糸１９の移動を規制して、ラインローラ５３上で発
生する糸縒れを防止することとなる。

【００３９】従って、本実施形態によっても、釣糸１９
の巻取り操作時の不要な糸縒れの発生を防止することが
可能である。そして、ベールアーム１１に対するライン
ローラ５３の左右の取付方向を代えることで、案内溝５
５を細糸用の釣糸案内部として、又、これよりも溝幅の
大きな案内溝５７を太糸用の釣糸案内部とすることがで
きるので、糸径の異なる釣糸を使用する場合にも、ライ
ンローラ５３の左右の取付方向の変更といった簡単な作
業で糸径に応じた幅広い対応が可能となり、因って、本
実施形態によれば、糸径に応じ溝幅の異なる案内溝が形
成されたラインローラを装着したスピニングリールを複
数用意しなければならない煩わしさが解消できることと
なった。

【００４０】図７は請求項１及び請求項４の第二実施形
態に係る魚釣用スピニングリールに装着されるラインロ
ーラの取付構造を示す。図に於て、５９はボールベアリ
ング２９-1を介して支軸２５-1に取り付けられたライン
ローラで、円筒状の外形形状を以って形成されたその外
周面には、周方向へ３本の案内溝６１，６３，６５がラ
インローラ５９の軸方向に並列して設けられており、こ
れらの溝幅は案内溝６１から案内溝６３，６５へと順次
大きく形成されている。

【００４１】而して、上述したようにラインローラ５９
はボールベアリング２９-1を介して支軸２５-1に取り付
けられているが、ボールベアリング２９-1の内レース２
９ａ-1は、支軸２５-1の外周に装着した取付部材６７の
係合凹部６９に係合し、又、ボールベアリング２９-1の
外レース２９ａ-2は、ラインローラ５９の内周に設けた
係合凹部７１に係合されている。

【００４２】そして、支軸２５-1の外周には、取付部材
６７に設けたピン挿通孔７３を挿通する係止ピン７５が
係止可能な３つの係止孔７７，７９，８１がラインロー
ラ５９の軸方向に設けられており、図示するように係止
ピン７５が係止孔７９に係止されると、ガイド部４１-
1，４３間に案内溝６３が配置されるようになってい
る。そして、支軸２５-1とベールアーム１１-1とのボル
ト締めを解除した後、取付部材６７を矢印方向へスライ
ドさせて係止ピン７５を係止孔７７に係止させると、ガ
イド部４１-1，４３間に案内溝６５が位置し、又、取付
部材６７を矢印方向へスライドさせて係止ピン７５を係
止孔８１に係止させると、ガイド部４１-1，４３間に案
内溝６１が位置するようになっている。

【００４３】尚、本実施形態に於けるガイド部４１-1
は、上述したガイド部４１に比しラインスライダー２３
側のガイド部４３方向へ延設されており、両ガイド部４
１-1，４３間に案内溝６１，６３，６５の何れか一つが
位置するようになっている。本実施形態はこのように構
成されているから、図７の如き取付位置にラインローラ
５９を固定した後、ベール７を釣糸巻取位置側へ反転さ
せてハンドル操作でロータ１を釣糸巻取り回転方向へ回
転させれば、これに連動して前後方向へトラバース運動
するスプール１５に釣糸１９が巻回されるが、釣糸１９
は案内溝６３によりラインローラ５９の軸方向への移動
が規制されるため、ラインローラ５９上で発生する糸縒
れが防止されることとなる。

【００４４】又、対象魚の種類や大きさ等によって、こ
れよりも糸径の太い釣糸を使用する場合には、取付部材
６７と共にラインローラ５９を矢印方向へスライドさせ
て係止ピン７５を係止孔７７に係止させれば、案内溝６
３より溝幅の大きい案内溝６５がガイド部４１-1，４３
間に位置し、一方、糸径の細い釣糸を使用する場合に
は、ラインローラ５９を矢印方向へスライドさせて係止
ピン７５を係止孔８１に係止させれば、最も溝幅の小さ
な案内溝６１がガイド部４１-1，４３間に位置すること
となる。

【００４５】そして、これらの場合にあっても、巻取り
操作時に各案内溝６１，６５がラインローラ５９の軸方
向への釣糸１９の移動を規制して、ラインローラ５９上
で発生する糸縒れを防止する。従って、本実施形態によ
っても、釣糸１９の巻取り操作時の不要な糸縒れの発生
を防止することが可能であると共に、ラインローラ５９
を軸方向へスライドさせてその取付位置を代えることで
糸径に応じた幅広い対応が可能となり、因って、本実施
形態によっても、糸径に応じ溝幅の異なる案内溝が形成
されたラインローラを装着したスピニングリールを複数
用意しなければならない煩わしさが解消できることとな
った。

【００４６】尚、釣糸案内部の構造や組合せは上述した
各実施形態に限定されるものではなく、例えば一つのラ
インローラの外周面上にテーパ面と案内溝とからなる釣
糸案内部を設けることも可能であり、これらの実施形態
によっても上記各実施形態と同様、所期の目的を達成す
ることが可能である。又、上述した各実施形態の如くベ
ールを装着したこの種のスピニングリールにあってはベ
ール支持アームにベールアームが装着されるが、従来、
ベールを装着しないスピニングリールも多く存在する。

【００４７】そして、このようなスピニングリールで
は、上記ベールアームに相当する支持部材がロータに取
り付けられてラインローラが装着されるが、本発明はこ
のような構造のスピニングリールにも適用できるもので
ある。

【００４８】

【発明の効果】以上述べたように、請求項１に係る魚釣
用スピニングリールによれば、一つのラインローラに複
数の釣糸案内部を設けたため、斯かる釣糸案内部を同一
構造とした場合には、ラインローラの取付位置や取付方
向の変更といった簡単な作業で釣糸案内部を選択使用で
きるので、従来の如く複数種のラインローラを装着した
スピニングリールを複数用意しなければならない煩わし
さが解消されることとなった。

【００４９】そして、複数設けた釣糸案内部を異なる構
造とした場合には、ラインローラの取付位置や取付方向
の変更といった簡単な作業で糸径に応じた幅広い対応が
可能となった。又、請求項２乃至請求項４に係る魚釣用
スピニングリールによれば、上述した効果に加え、釣糸
巻取り操作時に、糸径に応じた糸縒れの発生を防止する
ことが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１及び請求項２の一実施形態に係るスピ
ニングリールの側面図である。

【図２】図１に示すスピニングリールの一部切欠き正面
図である。

【図３】図１に示すスピニングリールに装着されたライ
ンローラの取付構造の要部拡大断面図である。

【図４】図１に示すスピニングリールに装着されたライ
ンローラの取付構造の要部拡大断面図である。

【図５】請求項１及び請求項３の一実施形態に係るスピ
ニングリールに装着されたラインローラの取付構造の要
部拡大断面図である。

【図６】請求項１及び請求項４の第一実施形態に係るス
ピニングリールに装着されたラインローラの取付構造の
要部拡大断面図である。

【図７】請求項１及び請求項４の第二実施形態に係るス
ピニングリールに装着されたラインローラの取付構造の
要部拡大断面図である。

【符号の説明】

１ロータ３リール本体７ベール９，４７，５３，５９ラインローラ１１ベールアーム１５スプール１９釣糸２１スピニングリール２３ラインスライダー３１，３３規制部３７，３９テーパ面４１，４３ガイド部４９，５１，５５，５７，６１，６３，６５案内溝６７取付部材７３ピン挿通孔７７，７９，８１係止孔

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】リール本体に回転可能に装着されたロー
タと、リール本体にスプール軸を介して支持され、手動
ハンドルによるロータの回転で釣糸が巻回されるスプー
ルと、ロータに支持部材を介して取り付き、釣糸の巻取
り操作時に当該釣糸を竿先からスプール方向に案内する
ラインローラを備えた魚釣用スピニングリールに於て、上記ラインローラに複数の釣糸案内部を形成し、支持部
材へのラインローラの取付位置又は取付方向の変更で釣
糸案内部の一つを選択使用可能としたことを特徴とする
魚釣用スピニングリール。
【請求項２】釣糸案内部は、ラインローラの周縁部に
設けられ、巻取り操作時に釣糸の移動を規制する規制部
と、ラインローラの中央部から両規制部方向へ順次小径
に成形されたテーパ角度の異なるテーパ面とからなるこ
とを特徴とする請求項１記載の魚釣用スピニングリー
ル。
【請求項３】釣糸案内部は、ラインローラの外周面に
その周方向へ設けた溝幅の等しい案内溝からなり、各案
内溝はラインローラの軸方向に並列していることを特徴
とする請求項１記載の魚釣用スピニングリール。
【請求項４】釣糸案内部は、ラインローラの外周面に
その周方向へ設けた溝幅の異なる案内溝からなり、各案
内溝はラインローラの軸方向に並列していることを特徴
とする請求項１記載の魚釣用スピニングリール。