JP2004057050A - 魚釣り用リール - Google Patents
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Abstract
【課題】魚釣り用スピニングリールにおいて、釣り糸の巻き取り時に案内ローラ上で釣り糸が案内ローラの軸芯方向へ転がり、釣り糸の縒れの原因となっている。本発明は、これを防止して糸縒れが抑制できる構成を提供するものである。
【解決手段】ロータの回転に伴って竿先側からスプールに巻き取られる釣り糸が当接して回転するように前記ロータに形成した支持部に支持された案内ローラを備えた魚釣り用リールにおいて、前記案内ローラはその外周面に前記案内ローラの回転軸芯に向かってV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝を備え、前記釣り糸はその左右側部が前記釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触した状態を保持しつつ前記案内ローラの回転を伴って竿先側から前記スプールの巻取り方向へ方向転換されることを特徴とする魚釣り用リールである。
【選択図】 図1
【解決手段】ロータの回転に伴って竿先側からスプールに巻き取られる釣り糸が当接して回転するように前記ロータに形成した支持部に支持された案内ローラを備えた魚釣り用リールにおいて、前記案内ローラはその外周面に前記案内ローラの回転軸芯に向かってV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝を備え、前記釣り糸はその左右側部が前記釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触した状態を保持しつつ前記案内ローラの回転を伴って竿先側から前記スプールの巻取り方向へ方向転換されることを特徴とする魚釣り用リールである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣り用リールに関し、特に、魚釣り用スピニングリールにおいて竿先からスプールに巻き取られる釣り糸の案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロータの回転に伴って竿先からスプールに巻き取られる釣り糸が当接して回転するように前記ロータに形成した支持部に支持された案内ローラを備えた魚釣り用スピニングリールにおいて、釣り糸の巻き取りによって発生する釣り糸の縒れの原因の一つとして、案内ローラ上で釣り糸が案内ローラの軸芯方向へ回転又は転がることが挙げられる。これを防止する発明として、特許第3057630号のように案内ローラの釣り糸案内外周面の直径を一方の側に向けて順次大径に形成したものや、特開2001−178330号のように案内ローラを軸心方向に分割された左右二つの部材間に形成される溝で釣り糸を挟んで案内するようにし、一方の部材をバネで他方の部材に向けて付勢する構成や、特許第3176593号のように案内ローラの軸心方向の両端又は一端側から案内ローラの中心部に向けて張り出した環状ガイド部を設け、このガイド部によって釣り糸の移動を規制する構成や、実用新案登録第2530821号のように案内ローラに導かれる釣り糸に当接して釣り糸に制動力を付与することによって、案内ローラ上での釣り糸の回転又は転がりを防止するもの等がある。
【0003】
これらは何れも、釣り糸が案内ローラを通過するとき、釣り糸の縒れが生じないように釣り糸の回転又は転がりを規制するものである。しかし、特許第3057630号のものは、使用する釣り糸の太さに応じて案内ローラを取り替える必要があり、使用に際して案内ローラを取り替える面倒さがある。また、特開2001−178330号のものは、案内ローラを軸心方向に分割された左右二つの部材で構成し、一方の部材をバネで付勢する手段が必要であり、構造的に複雑である。また、特許第3176593号のものは、案内ローラに釣り糸が当接する環状ガイド部を形成する複雑な構成となり、また、実用新案登録第2530821号のものは、釣り糸に制動力を付与するための摩擦部材が案内ローラの他に必要となる。この特許第3176593号又は実用新案登録第2530821号ように、釣糸に当接して釣り糸が回転しないように又は転がらないように制御する制御部方式では、制御部を設ける特別な構造が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの点に鑑みて、案内ローラの形状の簡素化を図り、かつ釣り糸の回転又は転がりが規制される簡単な構造の釣り糸案内装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の魚釣り用リールは、ロータの回転に伴って竿先側からスプールに巻き取られる釣り糸が当接して回転するように前記ロータに形成した支持部に支持された案内ローラを備えた魚釣り用リールにおいて、前記案内ローラはその外周面に前記案内ローラの回転軸芯に向かってV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝を備え、前記釣り糸案内周溝は、その左右両側面の開き角度θ1が60°±3°〜65°±3°であり、前記釣り糸の左右側部が前記釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触して支えられた状態を保持しつつ前記案内ローラの回転を伴って前記釣り糸を竿先側から前記スプールの巻取り方向へ方向転換する構成である。
【0006】
これによって、釣り糸はその左右側部が釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触して支えられた状態を保持しつつ案内ローラの回転を伴って竿先側からスプールの巻取り方向へ方向転換される。このため、釣り糸が案内ローラの回転に伴って巻き取られるとき、案内ローラ上での釣り糸の位置が安定し、案内ローラ上での釣り糸の回転又は転がりによる釣り糸の縒れを抑制でき、案内ローラ上での釣り糸の回転又は転がりによる釣り糸の縒れを減少できる。そして、スプールに巻いたときに生じる糸縒れの逆向きの縒れを形成できるため、釣り糸の縒れに起因して発生していた釣り糸の絡み等を減少させ、釣り糸の寿命を長くできる効果がある。
【0007】
また、本発明の魚釣り用リールは、ロータの回転に伴って竿先からスプールに巻き取られる釣り糸が当接して回転するように前記ロータに形成した支持部に支持された案内ローラを備えた魚釣り用リールにおいて、前記案内ローラはその外周面に前記案内ローラの回転軸芯に向かって前記釣り糸の太さの5倍以上の深さでV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝を備え、前記案内ローラの左右両側から前記釣り糸案内周溝の左右周縁部を覆って前記釣り糸案内周溝のV字状開口端部の真上又はそれに近く近接する位置へ延びた左右の部材を設け、前記釣り糸はその左右側部が前記釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触して支えられた状態を保持しつつ前記案内ローラの回転を伴って竿先側から前記スプールの巻き取り方向へ方向転換される構成である。
【0008】
これによって、釣り糸は釣り糸案内周溝に安定して導入され、且つ釣り糸案内周溝内で左右側部が挟持されて支えられた状態で安定し、釣り糸が釣り糸案内周溝から飛び出ない状態で安定した案内ができる。そして、案内ローラと左右部材との隙間に釣り糸が嵌ることも防止できる。
【0009】
また本発明の魚釣り用リールは、ロータの回転に伴って竿先からスプールに巻き取られる釣り糸が当接して回転するように前記ロータに形成した支持部に支持された案内ローラを備えた魚釣り用リールにおいて、前記案内ローラは外周面に前記案内ローラの回転軸芯に向かってV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝を備え、前記案内ローラの回転軸芯は、実質的に使用される長さの釣り糸の前記スプールへの巻き取り径の中間の径位置において、前記釣り糸の左右側部が前記釣り糸案内周溝の左右側面に均等に当接するよう前記スプール側へ向けて傾斜した構成である。
【0010】
これによって、実質的に使用される長さの釣り糸が釣り糸案内周溝の左右側面にのみ偏ることがなく、釣り糸案内周溝の左右側面に略均等に当接するようになり、釣り糸の転がりがない状態で、竿先からスプールに巻き取られる釣り糸の方向転換が良好となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、釣り糸の巻き取り時における案内ローラ上での釣り糸の位置を安定して、案内ローラ上での釣り糸の回転又は転がりを抑制し、釣り糸の回転に起因する縒れを抑制するものである。そして、釣り糸の太さに応じて案内ローラを交換することなく、釣り糸の太さに拘わらず安定した釣り糸の保持が可能であり、釣り糸の巻き取りに伴う案内ローラの回転がスムースに行える釣り糸案内装置を提供するものであり、以下に本発明の実施形態を記載する。
【0012】
図1乃至図8は本発明の魚釣り用リールの実施形態を示しており、図1は魚釣り用リールの正面図、図2は案内ローラを含む釣り糸案内部の断面図、図3は案内ローラの釣り糸案内周溝と釣り糸との接触状態を示す断面図、図4はスプールに対する案内ローラの配置関係図、図5は部分断面で示す魚釣り用リールの全体側面図、図6は竿先からスプールへ巻き取られる釣り糸の方向転換説明斜視図、図7は案内ローラの釣り糸案内周溝と釣り糸との位置関係状態を示す断面図、図8は竿先からスプールへ巻き取られる釣り糸の方向転換説明側面図である。
【0013】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。図に示す本発明の魚釣り用リール1は、スピニングリールと称されるものであり、リール本体10には前後方向に延びた主軸6が設けられ、釣り糸4を巻き取るためのスプール3が主軸6の前部に取り付けられて、リール本体10の前方部にスプール3が位置する。スプール3の周りを回転するように主軸6に回転可能にロータ2が設けられている。これによって、ロータ2とスプール3とは同軸上に保たれる。ロータ2は、手動式の場合はハンドルを回すことによって軸11に回転可能に設けたドライブギア12が回転し、また電動式の場合は直流電動機によって円盤状のドライブギア12が回転し、ドライブギア12の回転によってドライブギア12に噛み合ったピ二オンギア13が回転する。ピ二オンギア13は、その延長軸部13Aがリール本体10に軸受け14を介して回転可能に取り付けられ、主軸6に対しても回転可能である。この延長軸部13Aにロータ2が固定されていてロータ2がリール本体10に対して回転可能である。これによって、ドライブギア12の回転によってピ二オンギア13が回転し、ピ二オンギア13の延長軸部13Aに取り付けたロータ2が回転する。ロータ2の回転に同期して主軸6が前後方向に往復運動する構成であり、スプール3もそれに伴って前後方向に往復運動する。
【0014】
ロータ2の回転に伴って竿先からスプール3に巻き取られる釣り糸4が当接して回転するように、ロータ2に形成した支持部5に案内ローラ60が回転可能に軸支持されている。ロータ2には、主軸6を中心として支持部5と対称位置にもう一つの支持部5Aが設けられ、両支持部5、5Aに渡ってベール7が設けられている。両支持部5、5Aはロータ2に対して軸支持されて回動可能であり、ベール7を、釣り糸4を竿先からスプール3に巻き取る状態(以下、「釣り糸巻き取り状態」という)と、竿を振って釣り糸4の先に取り付けた釣り針や錘を遠方へ投げる、所謂、投擲にて、スプール3に巻かれた釣り糸4が繰り出される状態(以下、「釣り糸繰り出し状態」という)とに回動可能である。
【0015】
釣り糸繰り出し状態では、ベール7と案内ローラ60は、スプール3から繰り出される釣り糸4の繰り出し通路外に位置して釣り糸4に接触しない状態をとる。そして、釣り人がベール7と案内ローラ60を釣り糸巻き取り状態へ回動することによって、ベール7と案内ローラ60は、スプール3から竿先へ繰り出された釣り糸4の繰り出し通路へ侵入し、それによって、釣り糸4がベール7に接触する。この状態で、釣り糸4を竿先からスプール3に巻き取るために、前記ハンドル又は電動機によってロータ2が釣り糸4の巻き取り方向へ回転することによって、釣り糸4はベール7に接触しつつベール7の湾曲形状に沿って案内ローラ60へ導かれ、釣り糸4は案内ローラ60の後述の釣り糸案内周溝20に導入される。ロータ2が釣り糸4の巻き取り方向へ回転することによってベール7と案内ローラ60も同じ方向へ回転し、ロータ2の回転に同期して主軸6が前後方向に往復運動するため、スプール3もそれに伴って前後方向に往復運動し、釣り糸4がスプール3に巻き取られる。
【0016】
案内ローラ60は、ロータ2に形成した支持部5に軸部21(軸部の総称)にて回転可能に支持されている。案内ローラ60は、円筒形状の外周面をなし、その外周面の略中央部に案内ローラ60の回転軸芯22に向かって左右両側面23、24がV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝20を備える。詳細には、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24は、案内ローラ60の回転軸芯22に垂直な断面視において直線でV字状に交差しており、釣り糸案内周溝20の向きは、左右両側面23、24が形成するV字状の二等分線Wが回転軸芯22に直角に交差する向きであるといえる。釣り糸案内周溝20は、左右両側面23、24が交差する最低部20Aが案内ローラ60の回転軸芯22から直角に延びる一定の半径上に位置する深さに形成されている。
【0017】
本発明では、潰れない理想的な円形断面の釣り糸4を二点でもって安定的に支える場合は、120°間隔の二点支持が好ましいことに着目し、釣り糸案内周溝20を、その左右両側面23、24の開き角度θ1が60°を基準角として底部20Aにおいて交差するV字状溝とした。このように、断面円形状の釣り糸4が釣り糸案内周溝20で安定する好ましい状態は、釣り糸4の中心と左右両側面23、24に接触する釣り糸4の左右側部4A、4Bとを結ぶ直線のなす内側角θ2が120°であり、この場合の左右両側面23、24に接触する釣り糸4の左右側部4A、4Bにおける左右両側面23、24の開き角度θ1は60°である。これは断面円形状の釣り糸4が潰れない状態での理想的な状態であり、釣り糸4は、その左右側部4A、4Bで左右両側面23、24によって支えられた状態となり、釣り糸4は、糸案内周溝20の左右両側面23、24の交差底部20Aから僅かに浮いた状態となる。
【0018】
しかし、釣り糸4は完全な円形断面形状ではなく、また、釣り糸4は弾力性を持っていることによって釣り糸案内周溝20内で若干潰れる。この潰れた状態においても、潰れない理想的な円形断面の釣り糸4を前記120°を基準角θ2として支える場合と同様の機能と効果が得られる接触となるように、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24の開き角度θ1を設定すればよい。実際上、釣り糸4が釣り糸案内周溝20内で潰れることによって、120°の内側角θ2は小さくなる。
【0019】
実験的には、太さ、即ち直径が0.15mm〜0.2mmの通常使用される略円形断面の釣り糸4においては、釣り糸4の弾力性によって若干潰れる状態となり、角度θ2は略115°となる。この場合、釣り糸案内周溝20の開き角度θ1を略65°に設定すれば、釣り糸4の直径よりも小さい弦(例えば、左右側部4A、4Bを結ぶ直線)に対応する左右側部4A、4Bが、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触しつつ支えられた状態となり、釣り糸4が釣り糸案内周溝20内で安定に保持された好ましい結果が得られる。
【0020】
即ち、潰れない理想的な円形断面の釣り糸4では、基準角θ2が120°のとき、釣り糸案内周溝20の開き角度θ1は60°であるが、上記のように、釣り糸4は弾力性を持っていることによって若干潰れる状態となるため、釣り糸4が若干潰れても同様の作用を得るために、角度θ2が115°となる場合には、角度θ1を65°に設定すればよい。釣り糸4の種類によって、その潰れ具合が若干異なるため、実質的に各種の釣り糸4に適応させるためには、釣り糸案内周溝20の開き角度θ1を65°±3°とすることによって本発明の目的が達成されるが、太さ、即ち、直径が0.15mm〜0.2mmの通常使用される略円形断面の釣り糸4においては、65°±1°でも十分な効果が得られる。
【0021】
したがって、使用する釣り糸4の種類に適合させるために角度θ2が変化する場合には、それに応じて角度θ1を設定した釣り糸案内周溝20を有する案内ローラ60を採用すればよい。このようにすることによって、釣り糸4がその弾力性によって釣り糸案内周溝20内で若干潰れても、潰れない理想的な円形断面で接触する釣り糸4の場合の角度(基準角)θ2が120°のとき、即ち、釣り糸案内周溝20の開き角度θ1が60°のときと同様の作用によって、釣り糸4を安定的に案内ローラ60によって誘導することができる。
【0022】
上記の構成によって本発明の目的は達成されるが、更に、使用する釣り糸4の種類に応じて角度θ2が120°〜115°の範囲を若干超える場合には、それに応じて角度θ1を60°〜65°を若干超える範囲に設定した釣り糸案内周溝20を有する案内ローラ60を採用すればよい。このため、角度θ2を120±3°〜115°±3°の範囲とし、それに応じた角度θ1を60°±3°〜65°±3°とすることによって、種類の異なる各種の釣り糸4に適応させることができる。
【0023】
このように、潰れない理想的な円形断面の釣り糸4の左右側部4A、4Bが、V字状の釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触したときに形成されるところの、この接触部相互のなす内側角θ2が120°のとき、即ち、釣り糸案内周溝20の開き角度θ1が60°のときと同様の機能が得られる接触となるように、釣り糸案内周溝の左右両側面の開き角度に形成したものである。実質的には、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24の開き角度θ1は、狭過ぎても釣り糸4が釣り糸案内周溝20に嵌り過ぎてスプール3への巻き取り抵抗が大きく問題であり、一方、あまり広過ぎても左右両側面23、24と釣り糸4との接触不良となり安定しない。このため、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24の開き角度θ1は、略60°±3°〜65°±3°の範囲、即ち、略57°〜68°の範囲に形成することによって、釣り糸4の左右側部4A、4Bが釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触しつつ、釣り糸4は若干潰れた状態でもって、釣り糸4が釣り糸案内周溝20の最低部20Aから浮いた状態で支えられ、釣り糸4が釣り糸案内周溝20内で安定保持される好ましい結果を得ることができる。
【0024】
本発明において、釣り糸4は、竿先からスプール3に至る間に釣り糸案内周溝20の略四分の一周のP範囲で釣り糸案内周溝20に入り込みつつ、案内ローラ60の回転に伴って順次竿先からスプール3に巻き取られる。釣り糸案内周溝20内での釣り糸4は、図3に示すように、釣り糸4の直径よりも小さい弦に対応する左右側部4A、4Bが、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触しつつ支えられ、釣り糸4が釣り糸案内周溝20内で安定保持された状態である。
【0025】
また、本発明では、案内ローラ60の軸芯22に沿って案内ローラ60の左右両側を覆い、案内ローラ60の左右両側から釣り糸案内周溝20のV字状開口端部に近接する位置へ延びて釣り糸案内周溝20の外方の円筒状の周縁部25を覆うカバー部28、34をそれぞれ有する部材26、27を設けている。カバー部28、34は釣り糸案内周溝20の左右の円筒状の周縁部25を全周で覆う。これら部材26、27の一方の部材27には、ベール7の一端が取り付けられていて、部材27のカバー部28の外周面は、釣り糸案内周溝20の入り口であるV字状開口端部(側面24と周縁部25との交差部)に近接する位置へ向けて低く傾斜して、この部分が釣り糸誘導周面28を形成する。部材26の外周面であるカバー部34も釣り糸誘導周面28と同様の傾斜周面形状である。
【0026】
本発明は、案内ローラ60の釣り糸案内周溝20をV字状の円周溝に形成し、その開き角度を所定の範囲とすることによって、糸縒れを抑制するものであるため、ベール7に沿って誘導される釣り糸4は、カバー部28から釣り糸案内周溝20へスムースに移動するのが好ましい。このため、カバー部28の傾斜先端27Aが釣り糸案内周溝20上に被さる場合には、釣り糸繰り出し状態において釣り糸4がこの被さった部分に引っかかる恐れがあり、好ましくない。
【0027】
ベール7に沿って誘導される釣り糸4は、カバー部28から釣り糸案内周溝20へスムースに移動し、周縁部25に載ってそこで停滞しないことが望ましい。このため、カバー部28の傾斜先端27Aは、釣り糸案内周溝20の入り口であるV字状開口端部(側面24と周縁部25との交差部)の真上に位置するのがよいが、各部品の製造誤差や組立て誤差等を考慮すると、釣り糸案内周溝20の外側からカバー部28の傾斜先端27Aが、釣り糸案内周溝20のV字状開口端部(側面24と周縁部25との交差部)の真上位置に出来るだけ近接する構成が好ましい。釣り糸案内周溝20のV字状開口端部(側面24と周縁部25との交差部)の真上又はそれに近く近接する具体例として、数字的には、0mm〜0.2mmの範囲に近接していることによってそれは達成される。
【0028】
一方、部材26が釣り糸案内周溝20の外方の円筒状の周縁部25を覆うカバー部34の外周面も、釣り糸案内周溝20の入り口であるV字状開口端部(側面23と周縁部25との交差部)、即ち外周縁に向けて低く傾斜した傾斜面を形成している。部材27の釣り糸誘導周面28と同様の傾斜周面形状によって、釣り糸案内周溝20が左右対称形状となり、デザイン的な効果も向上する。カバー部34についても、カバー部28と同様に釣り糸案内周溝20の外側からカバー部34の傾斜先端26Aが、釣り糸案内周溝20の入り口(外周縁)に近接するように、釣り糸案内周溝20の入り口(外周縁)の真上位置乃至それに近く近接する位置まで近接するように構成している。その具体例として、数字的には、0mm〜0.2mmの範囲に近接していることによってそれは達成される。
【0029】
カバー部28、34と釣り糸案内周溝20の位置関係は、カバー部28、34の傾斜先端27A、26A相互間の中心に釣り糸案内周溝20の中心が位置するように構成されている。そして、案内ローラ60の左右両側から釣り糸案内周溝20の左右周縁部を覆う左右の部材26、27は、釣り糸案内周溝20のV字状開口端部に近接する位置へ延びている。このため、案内ローラ60の左右の部材26、27間に形成される釣り糸案内周溝20は、上記のようなV字状の溝のみによって形成できる簡単な構成となる。
【0030】
部材27は、案内ローラホルダーとも称し、部材27の中央部から支持部5へ向けて延びた筒部29に取り付けた転がり軸受け30によって案内ローラ60を回転可能に保持している。このため、筒部29は案内ローラ60が支持部5に回転可能に支持される軸部21となる部分である。また一方の部材26は案内ローラカバーとも称し、その中央部には部材27の筒部29へ向けて延びた筒部31が形成されている。
【0031】
一方の部材26は、支持部5に基部が覆われる状態で支持部5に組み合わされていて、支持部5側に頭部33を有する止めネジ32が、支持部5、部材26及び部材27の筒部29を貫通して部材27のネジ部に螺合することによって、筒部29、31の先端相互が当接し、この状態において、案内ローラ60は、軸部21を形成する筒部29に転がり軸受け30を介して支持部5に回転可能に支持された状態である。
【0032】
上記のように、釣り糸4の左右側部4A、4BがV字状の釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触する、所謂、左右2点支持であるため、釣り糸4による負荷は、案内ローラ60の回転軸芯22に対して直角方向の負荷となる。このため、この回転軸芯22を中心に取り付けた転がり軸受け30により、案内ローラ60に無理な力が作用せず、釣り糸4の抵抗も軽減され、釣り糸4に傷をつけることもなく、また釣り糸巻き取り力が低下することもない。
【0033】
部材26が釣り糸案内周溝20の円筒状の周縁部25を覆うカバー部34の外周面は、釣り糸案内周溝20の入り口、即ち外周縁に向けて低く傾斜した傾斜面を形成している。カバー部34の外周面が、部材27の釣り糸誘導周面28と同様の傾斜周面形状によって、釣り糸案内周溝20の外周縁部の構成が左右対称形状となり、デザイン的な効果が向上する。
【0034】
支持部5の先端部と、案内ローラ60、ベール7、部材26、部材27、転がり軸受け30及び止めネジ32によって、支持部5の先端部には釣り糸案内部40を構成する。支持部5、5Aはロータ2に対して回動可能に軸支持されており、ベール7を釣り糸4の巻き取り位置と、釣り糸4をスプール3から繰り出す繰り出し位置とに回動操作される。この回動操作に伴って、釣り糸案内部40全体が回動する。
【0035】
釣り糸4が、案内ローラ60上で回転しない又は転がらないためには、釣り糸4の左右側部4A、4Bが釣り糸案内周溝20の左右側面23、24に均等に当接した状態が保たれることが好ましい。本発明では、釣り糸案内周溝20の左右側面23、24がV字状をなすため、釣り糸4が、釣り糸案内周溝20に案内されて案内ローラ60をPの範囲で巡る間に釣り糸案内周溝20の狭い底方向へ引っ張られる。このため、釣り糸4の左右側部4A、4Bが釣り糸案内周溝20の左右側面23、24に強く当接した状態が保たれ、釣り糸4が、釣り糸案内周溝20内で若干潰れた状態を保持しつつ回転又は転がることが防止される。
【0036】
このように、本発明の魚釣り用リール1においては、案内ローラ60はその外周面に案内ローラ60の回転軸芯22に向かってV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝20を備え、釣り糸案内周溝20の左右両側には釣り糸案内周溝20の左右周縁部を覆う左右の部材26、27が設けられ、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24は、案内ローラ60の回転軸芯22に垂直な断面視において左右の部材26、27の内側端部26A、27Aに向けてV字状に開いた直線形状をなし、釣り糸4は、その左右側部の下側4A、4Bが釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触して若干潰れたそのままの状態を保持しつつ、即ち、釣り糸案内周溝20内での釣り糸4の転がりと滑りもなく、釣り糸4の巻き取りに伴う案内ローラ60の回転に伴って巻き取られる構成である。
【0037】
釣り糸4の巻き取り時には、釣り糸4は、案内ローラ60によって竿先側からスプール3の釣り糸巻き取り周面方向へ略90°方向転換される。これによって釣り糸4は、リール1の前後方向から左右方向へ方向転換されることになる。
【0038】
釣り糸4が、案内ローラ60上で回転しない又は転がらない状態で、案内ローラ60によって竿先側からスプール3の釣り糸巻き取り周面方向へ無理なく方向転換されることが好ましい。本発明では、主軸6と案内ローラ60とが重なる平面視において、案内ローラ60の回転軸芯22と主軸6の軸芯6Aとのなす角度θ3は90°が基準である。実施例では、θ3は90°である。そして、案内ローラ60の回転軸芯22は、魚釣り用リール1の正面視において、ベール7側、即ち、部材27側がスプール3へ向けて近づくように傾斜している。その傾斜角度は、90°よりも大きく180°よりも小さな角度θ5で傾斜しており、実施形態では、このθ5は略120°である。
【0039】
これによって、ベール7を釣り糸巻き取り状態に回動させて釣り糸4を巻き取るとき、ベール7に沿って誘導される釣り糸4は、釣り糸誘導周面28から釣り糸案内周溝20へスムースに移動し、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触した状態で安定する。
【0040】
釣り糸4が、案内ローラ60を巡る範囲Pの全体で釣り糸案内周溝20の左右側面23、24に均等に当接するのが理想的であるが、案内ローラ60の回転軸芯22は支持部5に固定状態であるため、その理想状態に近づけるために、この傾斜角度θ5が形成されている。これによって、竿先側から釣り糸案内周溝20に導入される釣り糸4の左右側部は、釣り糸案内周溝20の左右側面23、24に当接する。
【0041】
一方、釣り糸案内周溝20からスプール3側へ出る部分では、スプール3に巻き取られる釣り糸4の巻き取り径によって、釣り糸4が案内ローラ60から離れる部分において、釣り糸案内周溝20に対する釣り糸4の接触状態が変わる。図1のように、釣り糸4の巻き取り径が小さい場合は4Aの状態となって、釣り糸4は釣り糸案内周溝20の一方の側面24側へ寄り、また、釣り糸4の巻き取り径が大なる場合は4Bの状態となって、釣り糸4は釣り糸案内周溝20の他方側面23側へ寄る。このため、釣りを行う場合に実質的に使用される長さの釣り糸4がスプール3に巻き取られる糸巻き量Tの中間、例えば、糸巻き量Tの二分の一の位置50において、釣り糸4の左右側部4A、4Bが釣り糸案内周溝20の左右側面23、24に均等に当接するように設定している。この釣り糸案内周溝20の中心からスプール3に巻き取られる糸巻き量Tの中間の位置50へ延びる線51は、釣り糸4が釣り糸案内周溝20から離れる位置からスプール3に巻き取られる糸巻き量Tの中間の位置50へ延びた接線である。このために、釣り糸案内周溝20からスプール3に巻き取られる糸巻き量Tの中間の位置50へ延びる線51と案内ローラ60の回転軸芯22とのなす角度θ4は90°を基準としている。実施形態では、位置50は糸巻き量Tの半分であり、角度θ4は90°である。
【0042】
このような角度θ4、θ5の設定によって、釣り糸4は、案内ローラ60を巡る間に釣り糸案内周溝20の左右側面23、24に当接して回転又は転がりのない状態に維持される。
【0043】
一般的に、スピニングリールにおいて、釣り糸は、竿先側からスピニングリールに向かう方向から案内ローラによって略90°方向転換されてスプールへ巻き取られる。このスプールに巻かれた釣り糸が繰り出されるとき、釣り糸はスパイラル状となる。このスパイラルは、スプールに一回巻かれる毎に一回の割合で生じるが、この釣り糸を引き伸ばして見ると、釣り糸自体にはスパイラルの方向とは逆向きの縒れが生じている。
【0044】
本発明は、このような糸縒れとは逆の縒れを与えて釣り糸全体の縒れを抑制するものである。次に、釣り糸4が案内ローラ60によって案内されるときの釣り糸4の保持状態と、釣り糸4の巻き取り状態を図6乃至図8に基づき説明する。この実施形態は、リール1の正面視においてロータ2が右回りに回転するタイプを採用している。釣り糸4は、巻き取り時には竿先から案内ローラ60へ向かって矢印Q方向へ巻き取られる。このとき、図7はリール1の正面視、即ち、竿先側から見た案内ローラ60の縦断面であり、図示のように釣り糸4の左右側部A、Dと上下部B、Cは、案内ローラ60によって図6のようにリール1の正面視で横方向へ転換されてスプール3に巻き取られることにより、A部はスプール3上では上部となり、B部はスプール3上では後横部となり、C部はスプール3上では前横部となり、D部はスプール3上では下部となる。
【0045】
このような方向転換が行われる状態において、ロ−タ2がスプール3の周りを1回転するとき、即ち、案内ローラ60がスプール3の周りを1回転することによって、釣り糸4は右方向への自転が与えられる。この自転は、案内ローラ60がスプール3の周りを1回転する、所謂、1回の公転で1回の自転が生じる。この自転は釣り糸4への縒れである。この釣り糸4の縒れは、前記スパイラル状の糸縒れに対して逆向きの縒れが与えられたことになる。
【0046】
本発明では、上記のように、竿先から案内ローラ60を通ってスプール3へ移動する釣り糸4は、その左右側部の下側4A、4Bが釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触して若干潰れたそのままの状態を保持しつつ、即ち、釣り糸案内周溝20内での釣り糸4の転がり(又は回転)と滑りもなく、前後方向(竿先方向)から横方向(スプール3への巻き取り方向)へ方向転換されつつスプール23に巻き取られる。それによって、前記スパイラル状の糸縒れに対して逆向きの縒れが与えられ、ベール7を釣り糸繰り出し状態に回動させてスプール3から釣り糸4を繰り出したとき、案内ローラ60を通ることによる逆縒れが前記スパイラル状の糸縒れを相殺し、繰り出された釣り糸4の糸縒れがない状態、または糸縒れが少ない状態にすることができる。
【0047】
本発明の実施例として、太さ、即ち直径が0.15mm〜0.2mmの釣り糸4の使用において、好ましい案内が達成できた案内ローラ60の一つの形状は、転がり軸受け30及び止めネジ32を設けることを考慮して、案内ローラ60釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24の開き角度θ1を65°に設定し、案内ローラ60の直径を10.8mm、回転軸芯22方向の厚さが4.5mm、釣り糸案内周溝20の深さが1.4mmである。これによって、竿先からスプール3へ巻き取られる釣り糸4は、案内ローラ60によって竿先方向からスプール3方向へ略90°向きを変えることがスムースに行えると共に、釣り糸案内部40を小型化できる。
【0048】
この実施例のように、案内ローラ60は、円筒状の外周面にV字状の釣り糸案内周溝20が形成され、その円筒状の外径に対して左右の厚さが二分の一以下であり、V字状の釣り糸案内周溝20の深さは1.4mm±0.3mmである。この釣り糸案内周溝20の深さは、釣り糸4の太さ又は直径の5倍以上である。これによって、釣り糸4は釣り糸案内周溝20に安定して導入され、且つ釣り糸案内周溝20内で左右側部が挟持されて安定し、釣り糸4が釣り糸案内周溝20から飛び出ない状態で安定した案内ができる。そして、案内ローラ60と左右部材26、27との隙間に釣り糸4が嵌ることも防止できる。釣り糸案内周溝20の深さは、適用される釣り糸4の太さにもよるが、適用される最も小さい太さの釣り糸4に対しても15倍以下であれば広く適用できるため、釣り糸案内周溝20の深さは、最も小さい太さの釣り糸4の太さ又は直径の5倍以上15倍以下であれば、実用として好ましいものとなる。
【0049】
本発明では、上記のように、案内ローラ60の左右両側から釣り糸案内周溝20の左右周縁部を覆う左右の部材26、27が、釣り糸案内周溝20のV字状開口端部に近接する位置へ延び、案内ローラ60の左右の部材26、27間に形成される釣り糸案内周溝20が、上記のようなV字状の溝を形成することによって構成が簡単にして効果大なるものとなり、種々の発明でなされているような複雑な形状の釣り糸案内周溝や構成とする必要もなくなる。また、部材26の部分を支持部5に一体形成することにより、部品数を低減することもできる。
【0050】
上記実施形態のリール1は、リール1の正面視においてロータ2が右回りに回転するタイプであるが、リール1の正面視においてロータ2が左周りに回転するタイプのリールを採用する場合には、上記実施形態の構成とは対称形に構成することによって同様の機能と効果が達成できるリールとすることができる。
【0051】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない部分における種種の実施形態を包含するものである。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、釣り糸はその左右側部が釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触して支えられた状態を保持しつつ案内ローラの回転を伴って竿先側からスプールの巻取り方向へ方向転換される。このため、釣り糸が案内ローラの回転に伴って巻き取られるとき、案内ローラ上での釣り糸の位置が安定し、案内ローラ上での釣り糸の回転又は転がりによる釣り糸の縒れを抑制できる。そして、従来スプールに巻いたときに生じた糸縒れの逆向きの縒れを形成できるため、釣り糸の縒れに起因して発生していた釣り糸の絡み等を減少させ、釣り糸の寿命を長くできる効果がある。このように、釣り糸案内周溝をシンプル形状とした案内ローラによって優れた効果を奏することができる。
【0053】
また、釣り糸の左右側部が釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触したときに形成されるこの接触部相互のなす内側角を120°を基準角としたときと同様の機能が得られる接触となるように、釣り糸案内周溝の左右両側面の開き角度にした構成によって、断面略円形状の釣り糸の左右側部が釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触して支えられつつ、若干潰れた状態でも釣り糸案内周溝内で安定保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の魚釣り用リールの正面図である。
【図2】本発明の案内ローラを含む釣り糸案内部の断面図
【図3】本発明の案内ローラの釣り糸案内周溝と釣り糸との接触状態を示す断面図である。
【図4】本発明のスプールに対する案内ローラの配置関係図である。
【図5】本発明の部分断面で示す魚釣り用リールの全体側面図である。
【図6】本発明の魚釣り用リールにおける竿先からスプールへ巻き取られる釣り糸の方向転換説明斜視図である。
【図7】本発明の案内ローラの釣り糸案内周溝と釣り糸との位置関係状態を示す断面図である。
【図8】本発明の魚釣り用リールにおける竿先からスプールへ巻き取られる釣り糸の方向転換説明側面図である。
【符号の説明】
1……魚釣り用リール
2……ロータ
3……スプール
4……釣り糸
6……主軸
7……ベール
10……リール本体
20……釣り糸案内周溝
21……軸部
22……回転軸芯
23、24……釣り糸案内周溝の左右側面
25……円筒状の周縁部
26、27……案内ローラの両側部材
28、34……カバー部
30……転がり軸受け
29、31……筒部
32……止めネジ
60……案内ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣り用リールに関し、特に、魚釣り用スピニングリールにおいて竿先からスプールに巻き取られる釣り糸の案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロータの回転に伴って竿先からスプールに巻き取られる釣り糸が当接して回転するように前記ロータに形成した支持部に支持された案内ローラを備えた魚釣り用スピニングリールにおいて、釣り糸の巻き取りによって発生する釣り糸の縒れの原因の一つとして、案内ローラ上で釣り糸が案内ローラの軸芯方向へ回転又は転がることが挙げられる。これを防止する発明として、特許第3057630号のように案内ローラの釣り糸案内外周面の直径を一方の側に向けて順次大径に形成したものや、特開2001−178330号のように案内ローラを軸心方向に分割された左右二つの部材間に形成される溝で釣り糸を挟んで案内するようにし、一方の部材をバネで他方の部材に向けて付勢する構成や、特許第3176593号のように案内ローラの軸心方向の両端又は一端側から案内ローラの中心部に向けて張り出した環状ガイド部を設け、このガイド部によって釣り糸の移動を規制する構成や、実用新案登録第2530821号のように案内ローラに導かれる釣り糸に当接して釣り糸に制動力を付与することによって、案内ローラ上での釣り糸の回転又は転がりを防止するもの等がある。
【0003】
これらは何れも、釣り糸が案内ローラを通過するとき、釣り糸の縒れが生じないように釣り糸の回転又は転がりを規制するものである。しかし、特許第3057630号のものは、使用する釣り糸の太さに応じて案内ローラを取り替える必要があり、使用に際して案内ローラを取り替える面倒さがある。また、特開2001−178330号のものは、案内ローラを軸心方向に分割された左右二つの部材で構成し、一方の部材をバネで付勢する手段が必要であり、構造的に複雑である。また、特許第3176593号のものは、案内ローラに釣り糸が当接する環状ガイド部を形成する複雑な構成となり、また、実用新案登録第2530821号のものは、釣り糸に制動力を付与するための摩擦部材が案内ローラの他に必要となる。この特許第3176593号又は実用新案登録第2530821号ように、釣糸に当接して釣り糸が回転しないように又は転がらないように制御する制御部方式では、制御部を設ける特別な構造が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの点に鑑みて、案内ローラの形状の簡素化を図り、かつ釣り糸の回転又は転がりが規制される簡単な構造の釣り糸案内装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の魚釣り用リールは、ロータの回転に伴って竿先側からスプールに巻き取られる釣り糸が当接して回転するように前記ロータに形成した支持部に支持された案内ローラを備えた魚釣り用リールにおいて、前記案内ローラはその外周面に前記案内ローラの回転軸芯に向かってV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝を備え、前記釣り糸案内周溝は、その左右両側面の開き角度θ1が60°±3°〜65°±3°であり、前記釣り糸の左右側部が前記釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触して支えられた状態を保持しつつ前記案内ローラの回転を伴って前記釣り糸を竿先側から前記スプールの巻取り方向へ方向転換する構成である。
【0006】
これによって、釣り糸はその左右側部が釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触して支えられた状態を保持しつつ案内ローラの回転を伴って竿先側からスプールの巻取り方向へ方向転換される。このため、釣り糸が案内ローラの回転に伴って巻き取られるとき、案内ローラ上での釣り糸の位置が安定し、案内ローラ上での釣り糸の回転又は転がりによる釣り糸の縒れを抑制でき、案内ローラ上での釣り糸の回転又は転がりによる釣り糸の縒れを減少できる。そして、スプールに巻いたときに生じる糸縒れの逆向きの縒れを形成できるため、釣り糸の縒れに起因して発生していた釣り糸の絡み等を減少させ、釣り糸の寿命を長くできる効果がある。
【0007】
また、本発明の魚釣り用リールは、ロータの回転に伴って竿先からスプールに巻き取られる釣り糸が当接して回転するように前記ロータに形成した支持部に支持された案内ローラを備えた魚釣り用リールにおいて、前記案内ローラはその外周面に前記案内ローラの回転軸芯に向かって前記釣り糸の太さの5倍以上の深さでV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝を備え、前記案内ローラの左右両側から前記釣り糸案内周溝の左右周縁部を覆って前記釣り糸案内周溝のV字状開口端部の真上又はそれに近く近接する位置へ延びた左右の部材を設け、前記釣り糸はその左右側部が前記釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触して支えられた状態を保持しつつ前記案内ローラの回転を伴って竿先側から前記スプールの巻き取り方向へ方向転換される構成である。
【0008】
これによって、釣り糸は釣り糸案内周溝に安定して導入され、且つ釣り糸案内周溝内で左右側部が挟持されて支えられた状態で安定し、釣り糸が釣り糸案内周溝から飛び出ない状態で安定した案内ができる。そして、案内ローラと左右部材との隙間に釣り糸が嵌ることも防止できる。
【0009】
また本発明の魚釣り用リールは、ロータの回転に伴って竿先からスプールに巻き取られる釣り糸が当接して回転するように前記ロータに形成した支持部に支持された案内ローラを備えた魚釣り用リールにおいて、前記案内ローラは外周面に前記案内ローラの回転軸芯に向かってV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝を備え、前記案内ローラの回転軸芯は、実質的に使用される長さの釣り糸の前記スプールへの巻き取り径の中間の径位置において、前記釣り糸の左右側部が前記釣り糸案内周溝の左右側面に均等に当接するよう前記スプール側へ向けて傾斜した構成である。
【0010】
これによって、実質的に使用される長さの釣り糸が釣り糸案内周溝の左右側面にのみ偏ることがなく、釣り糸案内周溝の左右側面に略均等に当接するようになり、釣り糸の転がりがない状態で、竿先からスプールに巻き取られる釣り糸の方向転換が良好となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、釣り糸の巻き取り時における案内ローラ上での釣り糸の位置を安定して、案内ローラ上での釣り糸の回転又は転がりを抑制し、釣り糸の回転に起因する縒れを抑制するものである。そして、釣り糸の太さに応じて案内ローラを交換することなく、釣り糸の太さに拘わらず安定した釣り糸の保持が可能であり、釣り糸の巻き取りに伴う案内ローラの回転がスムースに行える釣り糸案内装置を提供するものであり、以下に本発明の実施形態を記載する。
【0012】
図1乃至図8は本発明の魚釣り用リールの実施形態を示しており、図1は魚釣り用リールの正面図、図2は案内ローラを含む釣り糸案内部の断面図、図3は案内ローラの釣り糸案内周溝と釣り糸との接触状態を示す断面図、図4はスプールに対する案内ローラの配置関係図、図5は部分断面で示す魚釣り用リールの全体側面図、図6は竿先からスプールへ巻き取られる釣り糸の方向転換説明斜視図、図7は案内ローラの釣り糸案内周溝と釣り糸との位置関係状態を示す断面図、図8は竿先からスプールへ巻き取られる釣り糸の方向転換説明側面図である。
【0013】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。図に示す本発明の魚釣り用リール1は、スピニングリールと称されるものであり、リール本体10には前後方向に延びた主軸6が設けられ、釣り糸4を巻き取るためのスプール3が主軸6の前部に取り付けられて、リール本体10の前方部にスプール3が位置する。スプール3の周りを回転するように主軸6に回転可能にロータ2が設けられている。これによって、ロータ2とスプール3とは同軸上に保たれる。ロータ2は、手動式の場合はハンドルを回すことによって軸11に回転可能に設けたドライブギア12が回転し、また電動式の場合は直流電動機によって円盤状のドライブギア12が回転し、ドライブギア12の回転によってドライブギア12に噛み合ったピ二オンギア13が回転する。ピ二オンギア13は、その延長軸部13Aがリール本体10に軸受け14を介して回転可能に取り付けられ、主軸6に対しても回転可能である。この延長軸部13Aにロータ2が固定されていてロータ2がリール本体10に対して回転可能である。これによって、ドライブギア12の回転によってピ二オンギア13が回転し、ピ二オンギア13の延長軸部13Aに取り付けたロータ2が回転する。ロータ2の回転に同期して主軸6が前後方向に往復運動する構成であり、スプール3もそれに伴って前後方向に往復運動する。
【0014】
ロータ2の回転に伴って竿先からスプール3に巻き取られる釣り糸4が当接して回転するように、ロータ2に形成した支持部5に案内ローラ60が回転可能に軸支持されている。ロータ2には、主軸6を中心として支持部5と対称位置にもう一つの支持部5Aが設けられ、両支持部5、5Aに渡ってベール7が設けられている。両支持部5、5Aはロータ2に対して軸支持されて回動可能であり、ベール7を、釣り糸4を竿先からスプール3に巻き取る状態(以下、「釣り糸巻き取り状態」という)と、竿を振って釣り糸4の先に取り付けた釣り針や錘を遠方へ投げる、所謂、投擲にて、スプール3に巻かれた釣り糸4が繰り出される状態(以下、「釣り糸繰り出し状態」という)とに回動可能である。
【0015】
釣り糸繰り出し状態では、ベール7と案内ローラ60は、スプール3から繰り出される釣り糸4の繰り出し通路外に位置して釣り糸4に接触しない状態をとる。そして、釣り人がベール7と案内ローラ60を釣り糸巻き取り状態へ回動することによって、ベール7と案内ローラ60は、スプール3から竿先へ繰り出された釣り糸4の繰り出し通路へ侵入し、それによって、釣り糸4がベール7に接触する。この状態で、釣り糸4を竿先からスプール3に巻き取るために、前記ハンドル又は電動機によってロータ2が釣り糸4の巻き取り方向へ回転することによって、釣り糸4はベール7に接触しつつベール7の湾曲形状に沿って案内ローラ60へ導かれ、釣り糸4は案内ローラ60の後述の釣り糸案内周溝20に導入される。ロータ2が釣り糸4の巻き取り方向へ回転することによってベール7と案内ローラ60も同じ方向へ回転し、ロータ2の回転に同期して主軸6が前後方向に往復運動するため、スプール3もそれに伴って前後方向に往復運動し、釣り糸4がスプール3に巻き取られる。
【0016】
案内ローラ60は、ロータ2に形成した支持部5に軸部21(軸部の総称)にて回転可能に支持されている。案内ローラ60は、円筒形状の外周面をなし、その外周面の略中央部に案内ローラ60の回転軸芯22に向かって左右両側面23、24がV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝20を備える。詳細には、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24は、案内ローラ60の回転軸芯22に垂直な断面視において直線でV字状に交差しており、釣り糸案内周溝20の向きは、左右両側面23、24が形成するV字状の二等分線Wが回転軸芯22に直角に交差する向きであるといえる。釣り糸案内周溝20は、左右両側面23、24が交差する最低部20Aが案内ローラ60の回転軸芯22から直角に延びる一定の半径上に位置する深さに形成されている。
【0017】
本発明では、潰れない理想的な円形断面の釣り糸4を二点でもって安定的に支える場合は、120°間隔の二点支持が好ましいことに着目し、釣り糸案内周溝20を、その左右両側面23、24の開き角度θ1が60°を基準角として底部20Aにおいて交差するV字状溝とした。このように、断面円形状の釣り糸4が釣り糸案内周溝20で安定する好ましい状態は、釣り糸4の中心と左右両側面23、24に接触する釣り糸4の左右側部4A、4Bとを結ぶ直線のなす内側角θ2が120°であり、この場合の左右両側面23、24に接触する釣り糸4の左右側部4A、4Bにおける左右両側面23、24の開き角度θ1は60°である。これは断面円形状の釣り糸4が潰れない状態での理想的な状態であり、釣り糸4は、その左右側部4A、4Bで左右両側面23、24によって支えられた状態となり、釣り糸4は、糸案内周溝20の左右両側面23、24の交差底部20Aから僅かに浮いた状態となる。
【0018】
しかし、釣り糸4は完全な円形断面形状ではなく、また、釣り糸4は弾力性を持っていることによって釣り糸案内周溝20内で若干潰れる。この潰れた状態においても、潰れない理想的な円形断面の釣り糸4を前記120°を基準角θ2として支える場合と同様の機能と効果が得られる接触となるように、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24の開き角度θ1を設定すればよい。実際上、釣り糸4が釣り糸案内周溝20内で潰れることによって、120°の内側角θ2は小さくなる。
【0019】
実験的には、太さ、即ち直径が0.15mm〜0.2mmの通常使用される略円形断面の釣り糸4においては、釣り糸4の弾力性によって若干潰れる状態となり、角度θ2は略115°となる。この場合、釣り糸案内周溝20の開き角度θ1を略65°に設定すれば、釣り糸4の直径よりも小さい弦(例えば、左右側部4A、4Bを結ぶ直線)に対応する左右側部4A、4Bが、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触しつつ支えられた状態となり、釣り糸4が釣り糸案内周溝20内で安定に保持された好ましい結果が得られる。
【0020】
即ち、潰れない理想的な円形断面の釣り糸4では、基準角θ2が120°のとき、釣り糸案内周溝20の開き角度θ1は60°であるが、上記のように、釣り糸4は弾力性を持っていることによって若干潰れる状態となるため、釣り糸4が若干潰れても同様の作用を得るために、角度θ2が115°となる場合には、角度θ1を65°に設定すればよい。釣り糸4の種類によって、その潰れ具合が若干異なるため、実質的に各種の釣り糸4に適応させるためには、釣り糸案内周溝20の開き角度θ1を65°±3°とすることによって本発明の目的が達成されるが、太さ、即ち、直径が0.15mm〜0.2mmの通常使用される略円形断面の釣り糸4においては、65°±1°でも十分な効果が得られる。
【0021】
したがって、使用する釣り糸4の種類に適合させるために角度θ2が変化する場合には、それに応じて角度θ1を設定した釣り糸案内周溝20を有する案内ローラ60を採用すればよい。このようにすることによって、釣り糸4がその弾力性によって釣り糸案内周溝20内で若干潰れても、潰れない理想的な円形断面で接触する釣り糸4の場合の角度(基準角)θ2が120°のとき、即ち、釣り糸案内周溝20の開き角度θ1が60°のときと同様の作用によって、釣り糸4を安定的に案内ローラ60によって誘導することができる。
【0022】
上記の構成によって本発明の目的は達成されるが、更に、使用する釣り糸4の種類に応じて角度θ2が120°〜115°の範囲を若干超える場合には、それに応じて角度θ1を60°〜65°を若干超える範囲に設定した釣り糸案内周溝20を有する案内ローラ60を採用すればよい。このため、角度θ2を120±3°〜115°±3°の範囲とし、それに応じた角度θ1を60°±3°〜65°±3°とすることによって、種類の異なる各種の釣り糸4に適応させることができる。
【0023】
このように、潰れない理想的な円形断面の釣り糸4の左右側部4A、4Bが、V字状の釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触したときに形成されるところの、この接触部相互のなす内側角θ2が120°のとき、即ち、釣り糸案内周溝20の開き角度θ1が60°のときと同様の機能が得られる接触となるように、釣り糸案内周溝の左右両側面の開き角度に形成したものである。実質的には、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24の開き角度θ1は、狭過ぎても釣り糸4が釣り糸案内周溝20に嵌り過ぎてスプール3への巻き取り抵抗が大きく問題であり、一方、あまり広過ぎても左右両側面23、24と釣り糸4との接触不良となり安定しない。このため、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24の開き角度θ1は、略60°±3°〜65°±3°の範囲、即ち、略57°〜68°の範囲に形成することによって、釣り糸4の左右側部4A、4Bが釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触しつつ、釣り糸4は若干潰れた状態でもって、釣り糸4が釣り糸案内周溝20の最低部20Aから浮いた状態で支えられ、釣り糸4が釣り糸案内周溝20内で安定保持される好ましい結果を得ることができる。
【0024】
本発明において、釣り糸4は、竿先からスプール3に至る間に釣り糸案内周溝20の略四分の一周のP範囲で釣り糸案内周溝20に入り込みつつ、案内ローラ60の回転に伴って順次竿先からスプール3に巻き取られる。釣り糸案内周溝20内での釣り糸4は、図3に示すように、釣り糸4の直径よりも小さい弦に対応する左右側部4A、4Bが、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触しつつ支えられ、釣り糸4が釣り糸案内周溝20内で安定保持された状態である。
【0025】
また、本発明では、案内ローラ60の軸芯22に沿って案内ローラ60の左右両側を覆い、案内ローラ60の左右両側から釣り糸案内周溝20のV字状開口端部に近接する位置へ延びて釣り糸案内周溝20の外方の円筒状の周縁部25を覆うカバー部28、34をそれぞれ有する部材26、27を設けている。カバー部28、34は釣り糸案内周溝20の左右の円筒状の周縁部25を全周で覆う。これら部材26、27の一方の部材27には、ベール7の一端が取り付けられていて、部材27のカバー部28の外周面は、釣り糸案内周溝20の入り口であるV字状開口端部(側面24と周縁部25との交差部)に近接する位置へ向けて低く傾斜して、この部分が釣り糸誘導周面28を形成する。部材26の外周面であるカバー部34も釣り糸誘導周面28と同様の傾斜周面形状である。
【0026】
本発明は、案内ローラ60の釣り糸案内周溝20をV字状の円周溝に形成し、その開き角度を所定の範囲とすることによって、糸縒れを抑制するものであるため、ベール7に沿って誘導される釣り糸4は、カバー部28から釣り糸案内周溝20へスムースに移動するのが好ましい。このため、カバー部28の傾斜先端27Aが釣り糸案内周溝20上に被さる場合には、釣り糸繰り出し状態において釣り糸4がこの被さった部分に引っかかる恐れがあり、好ましくない。
【0027】
ベール7に沿って誘導される釣り糸4は、カバー部28から釣り糸案内周溝20へスムースに移動し、周縁部25に載ってそこで停滞しないことが望ましい。このため、カバー部28の傾斜先端27Aは、釣り糸案内周溝20の入り口であるV字状開口端部(側面24と周縁部25との交差部)の真上に位置するのがよいが、各部品の製造誤差や組立て誤差等を考慮すると、釣り糸案内周溝20の外側からカバー部28の傾斜先端27Aが、釣り糸案内周溝20のV字状開口端部(側面24と周縁部25との交差部)の真上位置に出来るだけ近接する構成が好ましい。釣り糸案内周溝20のV字状開口端部(側面24と周縁部25との交差部)の真上又はそれに近く近接する具体例として、数字的には、0mm〜0.2mmの範囲に近接していることによってそれは達成される。
【0028】
一方、部材26が釣り糸案内周溝20の外方の円筒状の周縁部25を覆うカバー部34の外周面も、釣り糸案内周溝20の入り口であるV字状開口端部(側面23と周縁部25との交差部)、即ち外周縁に向けて低く傾斜した傾斜面を形成している。部材27の釣り糸誘導周面28と同様の傾斜周面形状によって、釣り糸案内周溝20が左右対称形状となり、デザイン的な効果も向上する。カバー部34についても、カバー部28と同様に釣り糸案内周溝20の外側からカバー部34の傾斜先端26Aが、釣り糸案内周溝20の入り口(外周縁)に近接するように、釣り糸案内周溝20の入り口(外周縁)の真上位置乃至それに近く近接する位置まで近接するように構成している。その具体例として、数字的には、0mm〜0.2mmの範囲に近接していることによってそれは達成される。
【0029】
カバー部28、34と釣り糸案内周溝20の位置関係は、カバー部28、34の傾斜先端27A、26A相互間の中心に釣り糸案内周溝20の中心が位置するように構成されている。そして、案内ローラ60の左右両側から釣り糸案内周溝20の左右周縁部を覆う左右の部材26、27は、釣り糸案内周溝20のV字状開口端部に近接する位置へ延びている。このため、案内ローラ60の左右の部材26、27間に形成される釣り糸案内周溝20は、上記のようなV字状の溝のみによって形成できる簡単な構成となる。
【0030】
部材27は、案内ローラホルダーとも称し、部材27の中央部から支持部5へ向けて延びた筒部29に取り付けた転がり軸受け30によって案内ローラ60を回転可能に保持している。このため、筒部29は案内ローラ60が支持部5に回転可能に支持される軸部21となる部分である。また一方の部材26は案内ローラカバーとも称し、その中央部には部材27の筒部29へ向けて延びた筒部31が形成されている。
【0031】
一方の部材26は、支持部5に基部が覆われる状態で支持部5に組み合わされていて、支持部5側に頭部33を有する止めネジ32が、支持部5、部材26及び部材27の筒部29を貫通して部材27のネジ部に螺合することによって、筒部29、31の先端相互が当接し、この状態において、案内ローラ60は、軸部21を形成する筒部29に転がり軸受け30を介して支持部5に回転可能に支持された状態である。
【0032】
上記のように、釣り糸4の左右側部4A、4BがV字状の釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触する、所謂、左右2点支持であるため、釣り糸4による負荷は、案内ローラ60の回転軸芯22に対して直角方向の負荷となる。このため、この回転軸芯22を中心に取り付けた転がり軸受け30により、案内ローラ60に無理な力が作用せず、釣り糸4の抵抗も軽減され、釣り糸4に傷をつけることもなく、また釣り糸巻き取り力が低下することもない。
【0033】
部材26が釣り糸案内周溝20の円筒状の周縁部25を覆うカバー部34の外周面は、釣り糸案内周溝20の入り口、即ち外周縁に向けて低く傾斜した傾斜面を形成している。カバー部34の外周面が、部材27の釣り糸誘導周面28と同様の傾斜周面形状によって、釣り糸案内周溝20の外周縁部の構成が左右対称形状となり、デザイン的な効果が向上する。
【0034】
支持部5の先端部と、案内ローラ60、ベール7、部材26、部材27、転がり軸受け30及び止めネジ32によって、支持部5の先端部には釣り糸案内部40を構成する。支持部5、5Aはロータ2に対して回動可能に軸支持されており、ベール7を釣り糸4の巻き取り位置と、釣り糸4をスプール3から繰り出す繰り出し位置とに回動操作される。この回動操作に伴って、釣り糸案内部40全体が回動する。
【0035】
釣り糸4が、案内ローラ60上で回転しない又は転がらないためには、釣り糸4の左右側部4A、4Bが釣り糸案内周溝20の左右側面23、24に均等に当接した状態が保たれることが好ましい。本発明では、釣り糸案内周溝20の左右側面23、24がV字状をなすため、釣り糸4が、釣り糸案内周溝20に案内されて案内ローラ60をPの範囲で巡る間に釣り糸案内周溝20の狭い底方向へ引っ張られる。このため、釣り糸4の左右側部4A、4Bが釣り糸案内周溝20の左右側面23、24に強く当接した状態が保たれ、釣り糸4が、釣り糸案内周溝20内で若干潰れた状態を保持しつつ回転又は転がることが防止される。
【0036】
このように、本発明の魚釣り用リール1においては、案内ローラ60はその外周面に案内ローラ60の回転軸芯22に向かってV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝20を備え、釣り糸案内周溝20の左右両側には釣り糸案内周溝20の左右周縁部を覆う左右の部材26、27が設けられ、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24は、案内ローラ60の回転軸芯22に垂直な断面視において左右の部材26、27の内側端部26A、27Aに向けてV字状に開いた直線形状をなし、釣り糸4は、その左右側部の下側4A、4Bが釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触して若干潰れたそのままの状態を保持しつつ、即ち、釣り糸案内周溝20内での釣り糸4の転がりと滑りもなく、釣り糸4の巻き取りに伴う案内ローラ60の回転に伴って巻き取られる構成である。
【0037】
釣り糸4の巻き取り時には、釣り糸4は、案内ローラ60によって竿先側からスプール3の釣り糸巻き取り周面方向へ略90°方向転換される。これによって釣り糸4は、リール1の前後方向から左右方向へ方向転換されることになる。
【0038】
釣り糸4が、案内ローラ60上で回転しない又は転がらない状態で、案内ローラ60によって竿先側からスプール3の釣り糸巻き取り周面方向へ無理なく方向転換されることが好ましい。本発明では、主軸6と案内ローラ60とが重なる平面視において、案内ローラ60の回転軸芯22と主軸6の軸芯6Aとのなす角度θ3は90°が基準である。実施例では、θ3は90°である。そして、案内ローラ60の回転軸芯22は、魚釣り用リール1の正面視において、ベール7側、即ち、部材27側がスプール3へ向けて近づくように傾斜している。その傾斜角度は、90°よりも大きく180°よりも小さな角度θ5で傾斜しており、実施形態では、このθ5は略120°である。
【0039】
これによって、ベール7を釣り糸巻き取り状態に回動させて釣り糸4を巻き取るとき、ベール7に沿って誘導される釣り糸4は、釣り糸誘導周面28から釣り糸案内周溝20へスムースに移動し、釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触した状態で安定する。
【0040】
釣り糸4が、案内ローラ60を巡る範囲Pの全体で釣り糸案内周溝20の左右側面23、24に均等に当接するのが理想的であるが、案内ローラ60の回転軸芯22は支持部5に固定状態であるため、その理想状態に近づけるために、この傾斜角度θ5が形成されている。これによって、竿先側から釣り糸案内周溝20に導入される釣り糸4の左右側部は、釣り糸案内周溝20の左右側面23、24に当接する。
【0041】
一方、釣り糸案内周溝20からスプール3側へ出る部分では、スプール3に巻き取られる釣り糸4の巻き取り径によって、釣り糸4が案内ローラ60から離れる部分において、釣り糸案内周溝20に対する釣り糸4の接触状態が変わる。図1のように、釣り糸4の巻き取り径が小さい場合は4Aの状態となって、釣り糸4は釣り糸案内周溝20の一方の側面24側へ寄り、また、釣り糸4の巻き取り径が大なる場合は4Bの状態となって、釣り糸4は釣り糸案内周溝20の他方側面23側へ寄る。このため、釣りを行う場合に実質的に使用される長さの釣り糸4がスプール3に巻き取られる糸巻き量Tの中間、例えば、糸巻き量Tの二分の一の位置50において、釣り糸4の左右側部4A、4Bが釣り糸案内周溝20の左右側面23、24に均等に当接するように設定している。この釣り糸案内周溝20の中心からスプール3に巻き取られる糸巻き量Tの中間の位置50へ延びる線51は、釣り糸4が釣り糸案内周溝20から離れる位置からスプール3に巻き取られる糸巻き量Tの中間の位置50へ延びた接線である。このために、釣り糸案内周溝20からスプール3に巻き取られる糸巻き量Tの中間の位置50へ延びる線51と案内ローラ60の回転軸芯22とのなす角度θ4は90°を基準としている。実施形態では、位置50は糸巻き量Tの半分であり、角度θ4は90°である。
【0042】
このような角度θ4、θ5の設定によって、釣り糸4は、案内ローラ60を巡る間に釣り糸案内周溝20の左右側面23、24に当接して回転又は転がりのない状態に維持される。
【0043】
一般的に、スピニングリールにおいて、釣り糸は、竿先側からスピニングリールに向かう方向から案内ローラによって略90°方向転換されてスプールへ巻き取られる。このスプールに巻かれた釣り糸が繰り出されるとき、釣り糸はスパイラル状となる。このスパイラルは、スプールに一回巻かれる毎に一回の割合で生じるが、この釣り糸を引き伸ばして見ると、釣り糸自体にはスパイラルの方向とは逆向きの縒れが生じている。
【0044】
本発明は、このような糸縒れとは逆の縒れを与えて釣り糸全体の縒れを抑制するものである。次に、釣り糸4が案内ローラ60によって案内されるときの釣り糸4の保持状態と、釣り糸4の巻き取り状態を図6乃至図8に基づき説明する。この実施形態は、リール1の正面視においてロータ2が右回りに回転するタイプを採用している。釣り糸4は、巻き取り時には竿先から案内ローラ60へ向かって矢印Q方向へ巻き取られる。このとき、図7はリール1の正面視、即ち、竿先側から見た案内ローラ60の縦断面であり、図示のように釣り糸4の左右側部A、Dと上下部B、Cは、案内ローラ60によって図6のようにリール1の正面視で横方向へ転換されてスプール3に巻き取られることにより、A部はスプール3上では上部となり、B部はスプール3上では後横部となり、C部はスプール3上では前横部となり、D部はスプール3上では下部となる。
【0045】
このような方向転換が行われる状態において、ロ−タ2がスプール3の周りを1回転するとき、即ち、案内ローラ60がスプール3の周りを1回転することによって、釣り糸4は右方向への自転が与えられる。この自転は、案内ローラ60がスプール3の周りを1回転する、所謂、1回の公転で1回の自転が生じる。この自転は釣り糸4への縒れである。この釣り糸4の縒れは、前記スパイラル状の糸縒れに対して逆向きの縒れが与えられたことになる。
【0046】
本発明では、上記のように、竿先から案内ローラ60を通ってスプール3へ移動する釣り糸4は、その左右側部の下側4A、4Bが釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24に同時接触して若干潰れたそのままの状態を保持しつつ、即ち、釣り糸案内周溝20内での釣り糸4の転がり(又は回転)と滑りもなく、前後方向(竿先方向)から横方向(スプール3への巻き取り方向)へ方向転換されつつスプール23に巻き取られる。それによって、前記スパイラル状の糸縒れに対して逆向きの縒れが与えられ、ベール7を釣り糸繰り出し状態に回動させてスプール3から釣り糸4を繰り出したとき、案内ローラ60を通ることによる逆縒れが前記スパイラル状の糸縒れを相殺し、繰り出された釣り糸4の糸縒れがない状態、または糸縒れが少ない状態にすることができる。
【0047】
本発明の実施例として、太さ、即ち直径が0.15mm〜0.2mmの釣り糸4の使用において、好ましい案内が達成できた案内ローラ60の一つの形状は、転がり軸受け30及び止めネジ32を設けることを考慮して、案内ローラ60釣り糸案内周溝20の左右両側面23、24の開き角度θ1を65°に設定し、案内ローラ60の直径を10.8mm、回転軸芯22方向の厚さが4.5mm、釣り糸案内周溝20の深さが1.4mmである。これによって、竿先からスプール3へ巻き取られる釣り糸4は、案内ローラ60によって竿先方向からスプール3方向へ略90°向きを変えることがスムースに行えると共に、釣り糸案内部40を小型化できる。
【0048】
この実施例のように、案内ローラ60は、円筒状の外周面にV字状の釣り糸案内周溝20が形成され、その円筒状の外径に対して左右の厚さが二分の一以下であり、V字状の釣り糸案内周溝20の深さは1.4mm±0.3mmである。この釣り糸案内周溝20の深さは、釣り糸4の太さ又は直径の5倍以上である。これによって、釣り糸4は釣り糸案内周溝20に安定して導入され、且つ釣り糸案内周溝20内で左右側部が挟持されて安定し、釣り糸4が釣り糸案内周溝20から飛び出ない状態で安定した案内ができる。そして、案内ローラ60と左右部材26、27との隙間に釣り糸4が嵌ることも防止できる。釣り糸案内周溝20の深さは、適用される釣り糸4の太さにもよるが、適用される最も小さい太さの釣り糸4に対しても15倍以下であれば広く適用できるため、釣り糸案内周溝20の深さは、最も小さい太さの釣り糸4の太さ又は直径の5倍以上15倍以下であれば、実用として好ましいものとなる。
【0049】
本発明では、上記のように、案内ローラ60の左右両側から釣り糸案内周溝20の左右周縁部を覆う左右の部材26、27が、釣り糸案内周溝20のV字状開口端部に近接する位置へ延び、案内ローラ60の左右の部材26、27間に形成される釣り糸案内周溝20が、上記のようなV字状の溝を形成することによって構成が簡単にして効果大なるものとなり、種々の発明でなされているような複雑な形状の釣り糸案内周溝や構成とする必要もなくなる。また、部材26の部分を支持部5に一体形成することにより、部品数を低減することもできる。
【0050】
上記実施形態のリール1は、リール1の正面視においてロータ2が右回りに回転するタイプであるが、リール1の正面視においてロータ2が左周りに回転するタイプのリールを採用する場合には、上記実施形態の構成とは対称形に構成することによって同様の機能と効果が達成できるリールとすることができる。
【0051】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない部分における種種の実施形態を包含するものである。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、釣り糸はその左右側部が釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触して支えられた状態を保持しつつ案内ローラの回転を伴って竿先側からスプールの巻取り方向へ方向転換される。このため、釣り糸が案内ローラの回転に伴って巻き取られるとき、案内ローラ上での釣り糸の位置が安定し、案内ローラ上での釣り糸の回転又は転がりによる釣り糸の縒れを抑制できる。そして、従来スプールに巻いたときに生じた糸縒れの逆向きの縒れを形成できるため、釣り糸の縒れに起因して発生していた釣り糸の絡み等を減少させ、釣り糸の寿命を長くできる効果がある。このように、釣り糸案内周溝をシンプル形状とした案内ローラによって優れた効果を奏することができる。
【0053】
また、釣り糸の左右側部が釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触したときに形成されるこの接触部相互のなす内側角を120°を基準角としたときと同様の機能が得られる接触となるように、釣り糸案内周溝の左右両側面の開き角度にした構成によって、断面略円形状の釣り糸の左右側部が釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触して支えられつつ、若干潰れた状態でも釣り糸案内周溝内で安定保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の魚釣り用リールの正面図である。
【図2】本発明の案内ローラを含む釣り糸案内部の断面図
【図3】本発明の案内ローラの釣り糸案内周溝と釣り糸との接触状態を示す断面図である。
【図4】本発明のスプールに対する案内ローラの配置関係図である。
【図5】本発明の部分断面で示す魚釣り用リールの全体側面図である。
【図6】本発明の魚釣り用リールにおける竿先からスプールへ巻き取られる釣り糸の方向転換説明斜視図である。
【図7】本発明の案内ローラの釣り糸案内周溝と釣り糸との位置関係状態を示す断面図である。
【図8】本発明の魚釣り用リールにおける竿先からスプールへ巻き取られる釣り糸の方向転換説明側面図である。
【符号の説明】
1……魚釣り用リール
2……ロータ
3……スプール
4……釣り糸
6……主軸
7……ベール
10……リール本体
20……釣り糸案内周溝
21……軸部
22……回転軸芯
23、24……釣り糸案内周溝の左右側面
25……円筒状の周縁部
26、27……案内ローラの両側部材
28、34……カバー部
30……転がり軸受け
29、31……筒部
32……止めネジ
60……案内ローラ
Claims (3)
- ロータの回転に伴って竿先側からスプールに巻き取られる釣り糸が当接して回転するように前記ロータに形成した支持部に支持された案内ローラを備えた魚釣り用リールにおいて、前記案内ローラはその外周面に前記案内ローラの回転軸芯に向かってV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝を備え、前記釣り糸案内周溝は、その左右両側面の開き角度θ1が60°±3°〜65°±3°の範囲であり、前記釣り糸の左右側部が前記釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触して支えられた状態を保持しつつ前記案内ローラの回転を伴って前記釣り糸を竿先側から前記スプールの巻取り方向へ方向転換することを特徴とする魚釣り用リール。
- ロータの回転に伴って竿先からスプールに巻き取られる釣り糸が当接して回転するように前記ロータに形成した支持部に支持された案内ローラを備えた魚釣り用リールにおいて、前記案内ローラはその外周面に前記案内ローラの回転軸芯に向かって前記釣り糸の太さの5倍以上の深さでV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝を備え、前記案内ローラの左右両側から前記釣り糸案内周溝の左右周縁部を覆って前記釣り糸案内周溝のV字状開口端部の真上又はそれに近く近接する位置へ延びた左右の部材を設け、前記釣り糸はその左右側部が前記釣り糸案内周溝の左右両側面に同時接触して支えられた状態を保持しつつ前記案内ローラの回転を伴って竿先側から前記スプールの巻き取り方向へ方向転換されることを特徴とする魚釣り用リール。
- ロータの回転に伴って竿先からスプールに巻き取られる釣り糸が当接して回転するように前記ロータに形成した支持部に支持された案内ローラを備えた魚釣り用リールにおいて、前記案内ローラは外周面に前記案内ローラの回転軸芯に向かってV字状に入り込んだ釣り糸案内周溝を備え、前記案内ローラの回転軸芯は、実質的に使用される長さの釣り糸の前記スプールへの巻き取り径の中間の径位置において、前記釣り糸の左右側部が前記釣り糸案内周溝の左右側面に均等に当接するよう前記スプール側へ向けて傾斜していることを特徴とする魚釣り用リール。
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