JPH10205140A - 筒身部用防護ネット装置 - Google Patents

筒身部用防護ネット装置

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JPH10205140A
JPH10205140A JP895397A JP895397A JPH10205140A JP H10205140 A JPH10205140 A JP H10205140A JP 895397 A JP895397 A JP 895397A JP 895397 A JP895397 A JP 895397A JP H10205140 A JPH10205140 A JP H10205140A
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JP
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net
chimney
protective net
gondola
stack
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JP895397A
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English (en)
Inventor
Yoriyuki Hasegawa
順行 長谷川
Motoyoshi Ishii
元悦 石井
Takeji Matsumoto
竹二 松本
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高層の多脚型煙突における筒身部用防護ネッ
ト装置に関し、下地処理及び塗装作業の際に生じる粉塵
や塗料飛沫の飛散を確実に防止できるようにするととも
に、筒身部の周りに十分な作業空間が得られるようにす
る。 【解決手段】 複数の煙突筒身50を繋梁51及び補強
リング52で剛結合されてなる多脚型煙突の煙突筒身5
0の周りに装着される防護ネット11を備え、防護ネッ
ト11を、その上端部及び下端部を固縛用ベルト13,
14により煙突筒身外面に袋閉じ状に固縛する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の煙突筒身を
上下複数の繋梁及び補強リングで剛結合された高層の多
脚型煙突における筒身部用防護ネット装置に関し、特
に、煙突筒身外面の下地処理及び塗装処理等を行なう塗
装更新時やメンテナンス時等に用いて好適の、筒身部用
防護ネット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から建設されている高層の多脚型煙
突は、図5の模式的側面図に示すように、3乃至4本の
煙突筒身50を間隔をおいた高さ位置で相互に繋梁51
及び補強リング52で剛結合した鋼構造体として構成さ
れている。このような多脚型煙突60においては、定期
的に、煙突筒身50の錆落しや塗装作業等を行なう必要
がある。
【0003】しかし、この多脚型煙突60は、一般に、
その高さが100〜200m、筒身直径が5〜7m、繋
梁51及び補強リング52の高さが約2mという大型の
構造物であるため、図5に示すように、繋梁51及び補
強リング52により複数の筒身部分(以下、これを筒身
部と称する)50aに分け、これらの各筒身部50a毎
に錆落し等の下地処理,塗装作業等を行なうようにして
いる。
【0004】また、高所作業になるため、筒身部50a
の錆落し等の下地処理,塗装作業等を行なう際には、図
6に示すように、1つの筒身部50aの周りを包囲する
ように筒形の風避け防護ネット54を取り付けるように
している。この防護ネット54により、筒身部50aの
周りには、筒身部50aの軸線方向長さよりもやや長
く、その上端部及び下端部が開口されたネット壁が形成
されることになる。なお、図6中、20はガイドワイヤ
支持用突梁である。
【0005】この防護ネット54は、図6に示すよう
に、煙突筒身50の外面と距離を隔て、煙突筒身50の
頂部から下端部へ向けて張設された複数のガイドワイヤ
53によって支持されるようになっている。これらの複
数のガイドワイヤ53は、煙突筒身50の周方向に間隔
をおいて取り付けられている。このようにして取り付け
られた防護ネット54の内側の空間で、順次、上位の筒
身部から下位の筒身部まで、錆落し等の下地処理,塗装
作業等を繰り返し行なうようにしている。
【0006】このため、煙突筒身50に沿ってワイヤ5
5により昇降するデッキ形ゴンドラ56を設け、このゴ
ンドラ56上に作業者57が乗り込み、回転式サンダー
等の錆落機58を使用して、古い塗膜を落とし、鋼板下
地を磨出する(この処理を下地処理という)。その後、
ゴンドラ56上に塗料缶を吊り込み、刷毛,ローラ,手
持ちスプレーガン等を使用して、作業者57の手作業に
よって塗装を行なっている。
【0007】この際、防護ネット54は、作業場所へ吹
く風を遮るとともに、錆落し,塗装作業等で生じる粉塵
と塗料の飛散を少なくするように機能するため、粉塵等
は防護ネット54内で下方向へ落下することになる。な
お、繋梁51及び補強リング52は、煙突筒身50の外
周よりも突出しており、この部分でゴンドラ56を昇降
させることはできないため、繋梁51及び補強リング5
2の錆落し,塗装作業は、別に足場を設けて行なうよう
にしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、多脚型煙突
等の屋外の鋼構造物用の塗料としては、Zinc系,ウ
レタン系,フッ素樹脂系等の耐候性,耐薬品性,耐紫外
線性に優れたものが知られるが、これらの塗料を塗布す
る際には、一般にショットブラストあるいはサンドブラ
スト等のブラスト噴射による高精度の下地処理を行なう
ことが必要とされる。また、自動吹き付け塗装等により
高精度の塗装処理を行なうことも必要とされる。
【0009】しかしながら、多脚型煙突60の建造時に
は、工場あるいは地上でブラスト噴射による下地処理と
下地塗装を行ない、現地で建付けと仕上げ塗装を行なう
ようにしているため、このような高精度の下地処理及び
塗装処理を実現することができるものの、建造後年数を
経た多脚型煙突60の塗装更新時には、このような高精
度の下地処理及び塗装処理を実施することは難しい。
【0010】つまり、建造後年数を経た多脚型煙突60
の塗装更新時には、上空高所作業であり作業用空間も十
分確保できないためブラスト作業は困難であり、一般に
は、作業者57の手作業によって錆落とし等の下地処
理,塗装作業等を行なうようにしている。このため、古
い塗膜や錆を確実に落とすことができず、十分な精度の
下地処理を行なうことは難しく、再塗装に上記のような
耐久性の高い塗料を用いるには適さず、新たに塗装した
塗料の耐久性がどうしても低下してしまうことにもな
る。
【0011】また、従来の手作業による古い塗膜や錆を
落とす作業及び塗装作業によると、作業に長時間を要す
ことにもなる。一方、高精度の下地処理や塗装作業を行
なうために、あえて上空高所作業下で、ブラスト噴射に
よる下地処理や自動吹き付け塗装を行なった場合、粉塵
や塗料飛沫が連続して大量に発生することになり、上端
側及び下端側の開口した従来の防護ネット54では、こ
れらの粉塵や塗料等の飛散を確実に防止するのは難し
い。
【0012】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、多脚型煙突の筒身部の下地処理及び塗装作業
の際に生じる粉塵や塗料飛沫の飛散、特に、上空高所作
業で高精度の下地処理及び塗装処理を行なう場合に生じ
る大量の粉塵や塗料飛沫の飛散を確実に防止できるよう
にした、筒身部用防護ネット装置、また、筒身部の周り
に十分な作業空間を得られるようにした、筒身部用防護
ネット装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の筒身部用防護ネット装置は、複数の煙突筒身
を繋梁及び補強リングで剛結合されてなる多脚型煙突の
煙突筒身の周りに装着される防護ネットを備え、該防護
ネットが、その上端部及び下端部を固縛用ベルトにより
該煙突筒身外面に袋閉じ状に固縛されることを特徴とし
ている。
【0014】このような構成により、防護ネット装置の
上端部及び下端部が袋閉じ状にベルト固縛され、筒身部
のまわりに防護ネットにより閉塞された作業用の空間が
形成される。これにより、粉塵や塗料飛沫の飛散(特
に、落下飛散)が確実に防止できることになる。請求項
2記載の本発明の筒身部用防護ネット装置は、請求項1
記載の装置において、該防護ネットが、該煙突筒身に沿
い且つ該煙突筒身の周方向に間隔をおいて張設された複
数のガイドワイヤにより支持されることを特徴としてい
る。
【0015】このような構成により、防護ネットが複数
のガイドワイヤに支持されるため、下地処理及び塗装処
理を行なうための空間を形成し易くなる。請求項3記載
の本発明の筒身部用防護ネット装置は、請求項1又は2
記載の装置において、該防護ネットの下端部に外側から
重ね合わせるように不燃性シートが結合されて、該不燃
性シートの下端部が固縛用ベルトにより該煙突筒身外面
に袋閉じ状に固縛されることにより、該防護ネットの下
端部が該煙突筒身外面に固縛されることを特徴としてい
る。
【0016】このような構成により、防護ネットの下端
に不燃性シートを重ね合わせ、筒身外面にベルト固縛す
ることで、筒身部のまわりに防護ネット及び不燃性シー
トにより閉塞された作業用の空間が形成される。これに
より、粉塵や塗料飛沫の飛散(特に、落下飛散)を確実
に防止されるとともに、粉塵を確実に回収できることに
なる。
【0017】
【発明の実施形態】以下、図面により、本発明の実施の
形態について説明すると、図1〜図4は本発明の一実施
形態にかかる筒身部用防護ネット装置を説明するための
模式図である。なお、本実施形態の筒身部用防護ネット
装置は、例えば、多脚型煙突の塗装更新時の錆落し等の
下地処理及び塗装処理等の作業やその他のメンテナンス
作業を行なう際に取り付けられる。
【0018】また、本防護ネット装置にかかる多脚型煙
突は、従来技術(図5参照)で既に説明したように、3
乃至4本の煙突筒身50を、間隔をおいた高さ位置で繋
梁51及び補強リング52により相互に剛結合した鋼構
造体として構成されている。このような多脚型煙突60
では、繋梁51及び補強リング52により分割された複
数の筒身部分(以下、これを筒身部と称する)50a毎
に錆落し等の下地処理,塗装処理等の作業を行なうた
め、本筒身部用防護ネット装置は、錆落し,塗装等の作
業を行なう1つの筒身部50aの周りを包囲するように
取り付けられる。なお、各補強リング52は上側リング
52Aと下側リング52Bとからなる。
【0019】本筒身部用防護ネット装置10は、図1に
示すように、メインネット(以下、単にネットという)
11Aとその下方の接続用ネット11Bとからなるネッ
ト部(防護ネット)11と、ネット部11の下端部(接
続用ネット11Bの下端部)近傍に外側から重ね合わせ
るように取り付けた不燃性シート12と、ネット部11
の上端部を筒身50に巻締め固縛する上側固縛ベルト
(固縛ベルト)13と、不燃性シート12の下端部を上
向きに折り返した状態で、筒身50に巻締め固縛する下
側固縛ベルト(固縛ベルト)14とから構成される。
【0020】まず、ネット部11は、図1中、一本の波
線で示すように、筒身部50aの周りに取り付けられた
1重のネット11Aと接続用ネット11Bとから構成さ
れ、このネット部11により、筒身部50aの周りにネ
ットによる筒状の壁面(筒状のネット壁)が形成される
ようになっている。このネット部11は、筒身部50a
の外周面との間に、錆落としや塗装処理作業等を行なう
ための十分な作業用空間が形成されるように取り付ける
必要がある。
【0021】このため、本装置では、ネット部11のネ
ット11Aをガイドワイヤ53によって、煙突筒身50
の外周面から距離を隔てるように配設している。つま
り、予め、煙突筒身50の外周面と距離を隔て且つ煙突
筒身50の周方向に間隔をおいて複数本のガイドワイヤ
53が仮設されている。なお、各ガイドワイヤ53は、
煙突筒身50の頂部から下端部へ向けて張設されてい
る。
【0022】また、煙突筒身50に剛結された補強リン
グ52の上側リング52A及び下側リング52B上に
は、放射方向に突出するようにガイドワイヤ支持用突梁
20が設けられており、各ガイドワイヤ53はガイドワ
イヤ支持用突梁20の先端部に支持され、このガイドワ
イヤ支持用突梁20の突出長さ分だけガイドワイヤ53
が煙突筒身50の外周面から離隔している。
【0023】これらのガイドワイヤ53とガイドワイヤ
支持用突梁20とにより、筒身部50aの外周に筒状の
枠組みが形成され、この筒状の枠組みに覆いかぶせるよ
うにして、ネット11Aが取り付けられている。そし
て、このように取り付けられたネット部11を構成する
ネット11Aの上端部は、図2に示すように、筒身部5
0aの上側の補強リング52を構成する上側リング52
Aの上部で、煙突筒身50に上側固縛ベルト13により
袋閉じ状に巻締め固縛されている。
【0024】一方、ネット部11を構成するネット11
Aの下端部には、図3,図4に示すように、接続用ネッ
ト11B及び不燃性シート12が接続され、下端部の端
末処理は、不燃性シート12の端部を、筒身部50aの
下側の補強リング52を構成する上側リング52Aのや
や上方で、煙突筒身50に下側固縛ベルト14により袋
閉じ状に巻締め固縛した構成となっている。
【0025】つまり、ネット11Aの下端部には、複数
の割孔(図示略)が形成されており、これらの割孔内に
ガイドワイヤ53を内挿させるようにして、ネット11
Aの下端部をガイドワイヤ53に取り付け、このように
して取り付けられたネット11Aの下端部に重ね合わせ
るように、上端部に複数の割孔(図示略)が形成された
接続用ネット11Bを、これらの割孔内にガイドワイヤ
53を内挿させるようにしながらガイドワイヤ53に取
り付け、ネット11Aの下端部と接続用ネット11Bと
を着脱可能に接続し、ネット部11を形成している。
【0026】このネット11Aの下端部と接続用ネット
11Bとの着脱接続部11aには、ボタン掛式、紐結び
式、マジックテープ式等の種々の接続形式とすることが
できる。このように、ネット11Aの下端部に接続用ネ
ット11Bを取り付け、ネット11Aと接続用ネット1
1Bとよりネット部11を構成するようにしているの
は、ネット部11によって、筒身部50aの外周面との
間に形成される錆落としや塗装処理作業等を行なうため
の作業用空間の下側を閉じるのに、ガイドワイヤ53に
交差するようにしてネット部11を取り付ける必要があ
るからである。
【0027】さらに、錆落としや塗装処理作業等を行な
うための作業用空間の下側では、特に、粉塵や塗料等の
落下飛散が多いため、この落下飛散を確実に防止すべ
く、図3に示すように、割孔の周りとガイドワイヤ53
とをラッパ状の覆いネット21で閉鎖するようにしてい
る。このようにしてネット11Aの下端部に接続された
接続用ネット11Bの下端部には、さらに、図4に示す
ように、不燃性シート12が重ね合わされて取り付けら
れている。
【0028】つまり、煙突筒身50に剛結された補強リ
ング52及び補強リング52上に取り付けられた手すり
15の内側に沿うように不燃性シート12が配置されて
おり、この不燃性シート12の内側に接続用ネット11
Bの下端部が重ね合わされ、不燃性シート12とネット
11Aとは着脱接続部11aにおいて着脱自在に接続さ
れている。
【0029】この場合、接続用ネット11Bの下端部自
体は固縛されていないが、この接続用ネット11Bを覆
うように接続用ネット11Bと接合された不燃性シート
12が煙突筒身50へ固縛されることで、ネット部11
の下端も固定されるようになっている。ここで、接続用
ネット11Aの下端部と不燃性シート12との着脱接続
部11aは、紐結び式、マジックテープ式等の種々の接
続形式とすることができる。
【0030】このように不燃性シート12を取り付ける
ようにしているのは、粉塵や塗料飛沫の落下飛散を確実
に防止できるようにするためである。このようにしてネ
ット部11の下端部を外側から重ね合わせるようにして
取り付けられた不燃性シート12の下端部は、図4に示
すように、上側に折り返され、その折り返し部分を下側
固縛用ベルト14により煙突筒身50に袋閉じ状に巻締
め固縛されている。
【0031】なお、ここでは、粉塵や塗料飛沫の飛散を
確実に防止すべく、不燃性シート12の下端部は上側に
折り返すようにしているが、粉塵や塗料飛沫の飛散を確
実に防止できるのであれば、下側に折り返すようにして
もよい。これにより、ネット部11の下端部が接続用ネ
ット11A及び不燃性シート12を介して煙突筒身50
に巻締め固縛されることになる。
【0032】このようにして取り付けられた防護ネット
装置10の内側の十分な空間で、順次、上位の筒身部か
ら下位の筒身部まで、錆落とし等の下地処理,塗装作業
等を繰り返し行なうことができる。なお、錆落とし等の
下地処理,塗装作業等に際して、図1に示すように、防
護ネット装置10内の空間で、ゴンドラ用ワイヤ17に
吊るされて昇降するゴンドラ16上に、ブラスト噴射用
のロボット18A又は吹き付け塗装用のロボット18B
を搭載し、錆落とし等の作業をブラスト噴射用のロボッ
ト18Aにより行ない、塗装作業等を吹き付け塗装用の
ロボット18Bにより行なうようにすることができる。
【0033】ここで、ゴンドラ用ワイヤ17は、図2に
示すように、その上端が、上側補強リング52を構成す
る上側リング52Aの上側内隅部で筒身50に巻回し固
定された上側大廻しロープ19に取り付けられ、その下
端が、下側補強リング52を構成する上側リング52A
の下側内隅部で筒身50に巻回し固定された下側大廻し
ロープ19に取り付けられ、それぞれのロープを支点と
して筒身50に平行に複数本張設されている。
【0034】そして、このゴンドラ用ワイヤ17が、ゴ
ンドラ16上の図示しない駆動ドラムと係合して、ゴン
ドラ16がクライミング昇降するようになっている。ま
た、ブラスト噴射用のロボット18A又は吹き付け塗装
用のロボット18Bとしては、ゴンドラ16上を筒身外
周面と平行に周方向へ往復移動し、ウィービング式に首
降りしながらブラスト噴射又は吹き付け塗装する機構の
装置を使用している。
【0035】なお、ブラスト噴射用のロボット18A又
は吹き付け塗装用のロボット18Bは、共に、ゴンドラ
16上に固定的に設けるようにしてもよい。これらのブ
ラスト噴射用のロボット18A又は吹き付け塗装用のロ
ボット18Bは、遠隔操作による自動作業を行なえるも
のとしている。なお、ゴンドラ16上に、作業者が乗り
込んでブラスティング作業又は吹き付け塗装作業を行な
うこともできる。
【0036】本発明の一実施形態の筒身用防護ネット装
置は、上述のように構成されるため、以下のようにして
錆落とし等の下地処理及び塗装処理作業を行なうことが
できる。つまり、多脚型煙突60の筒身部50aの塗装
更新に際しては、最初に煙突頂端と下端間に複数本のガ
イドワイヤ53を張設する。
【0037】次いで、最上位の筒身部50aの3〜4本
の筒身50間に、ガイドワイヤ53よりも内側に複数の
ゴンドラ用ワイヤ17及びゴンドラ16を筒身50に対
向するように装着する。このゴンドラ16上には、ブラ
スト噴射用のロボット18Aを搭載する。次いで、全ガ
イドワイヤ53の外側に、これらのガイドワイヤ53に
支持されるように、最上位の筒身部50a(図5参照)
として3〜4本備えられる各筒身50周りにいずれも防
護ネット装置10を装着する。
【0038】そして、ゴンドラ16をワイヤ17の最上
位高さまで移動して、ブラスティング作業を開始し、ブ
ラスト噴射用のロボット18Aを円周方向へ移動させな
がら筒身50の壁面をブラスティングし、さらに、ゴン
ドラ16を一定速度で下降させながらブラスト噴射用の
ロボット18Aの円周方向移動によるブラスティング作
業を続け、筒身部50aの下端部までの筒身外面を連続
的にブラスティング処理する。
【0039】この際、ブラスティング作業によって噴射
したブラスト材、筒身壁から削られた塗膜粉及び錆等の
金属粉は、防護ネット装置10のネット部11に遮られ
て下部の不燃性シート12上に落下して溜まり、噴射空
気のみがネット部11を通って外部へ排出され、粉塵の
飛散が防止される。この防護ネット装置10内の不燃性
シート12上に溜まった粉塵は、バキュームホース等に
より吸引して除去し、ブラスト材は分離回収し再使用す
る。
【0040】このようにして防護ネット装置10内の粉
塵を除去した後、防護ネット装置10を部分的に開い
て、ゴンドラ16上のブラスト噴射用のロボット18A
を外し、吹き付け塗装用のロボット18Bに付替える。
そして、ゴンドラ16を再びワイヤ17の最上位高さに
移動して吹き付け塗装作業を開始し、吹き付け塗装用の
ロボット18Bを円周方向へ移送して筒身50壁面を吹
き付け塗装し、さらに、ゴンドラ16を一定速度で下降
させながら吹き付け塗装用のロボット18Bの円周方向
移動による吹き付け塗装作業を続け、筒身部50aの下
端部までの筒身外面を連続的に吹き付け塗装する。
【0041】この際、吹き付け塗装作業によって吹き付
けられた塗料飛沫の飛散は、防護ネット装置10によっ
て確実に防止される。特に、不燃性シート12により下
部への落下飛散を効果的に防止される。このようにして
最上位の筒身部50aのブラスティング処理及び吹き付
け塗装を終了した後、防護ネット装置10及びゴンドラ
16等を下位の筒身部50aへ移設し、同様の作業を繰
り返す。
【0042】したがって、本実施形態の筒身用防護ネッ
ト装置によれば、多脚型煙突60の筒身部50aの塗装
更新にあたり、上空の筒身50まわりの作業場所に通気
性のある遮蔽された作業空間が形成され、この遮蔽空間
内で下地処理及び塗装作業等が行なわれるため、下地処
理及び塗装作業の際に生じる粉塵や塗料飛沫の飛散を確
実に防止すること、特に、塗装更新時の下地処理を周囲
に影響を与えないようにして行なうことができるという
利点がある。
【0043】特に、上空高所作業として行なわれる場合
であっても、防護ネット装置10、特に、下端部に取り
付けられている不燃性シート12により、防護ネット装
置10の下端側からの粉塵や塗料飛沫の飛散をより確実
に防止することができるため、連続的に、かつ大量に粉
塵や塗料飛沫が飛散するブラスト噴射による下地処理及
び自動吹き付け塗装を実施することができることにな
る。
【0044】このため、上空高所作業下でも、防護ネッ
ト装置10を装着した筒身部50a内で、連続作業でブ
ラスティング処理(ブラスト処理)や吹き付け塗装を行
なうことができ、ブラスト材の噴射による筒身50外面
の高精度の下地処理と、高精度の吹き付け塗装作業を行
なうことができることになる。これにより、例えばブラ
スト処理により下地処理を十分に行なっても環境上支障
がないようになり、耐久性の高い塗料を用いるのにも適
した下地処理を行なうことで、再塗装した場合にも十分
な塗装耐久性が得られるようになる。
【0045】また、不燃性シート12により回収したブ
ラスト材は再使用できるため、ブラスト材の有効利用に
つながる。また、ガイドワイヤ53により防護ネット装
置10が煙突筒身50の外周面から離隔した位置に配置
されているので、下地処理や塗装処理作業を行なうため
の十分な空間を、容易に、且つ確実に確保することがで
きることになり、上述の各作業を容易に行なうことが可
能になる。
【0046】このため、この空間内で、従来困難であっ
たブラスト処理等の下地処理を行なうことも可能とな
り、塗装の耐久性向上に大きく寄与する。なお、本実施
形態の筒身部用防護ネット装置では、一体的に形成され
たネット部11及び一体的に形成された不燃性シート1
2を用いるようにしているが、ネット部11及び不燃性
シート12は、縦方向(筒身50の軸心腺方向)に沿っ
て、複数個の帯状片に分割して構成し、相互にボタン掛
式,紐結び式,マジックテープ式等の接続部11aを構
成して組立式とすることが可能である。
【0047】なお、本実施形態の筒身部用防護ネット装
置では、ネット部11は1重のネットにより構成してい
るが、1mm目程度のネットを二重に重ねて構成しても
よい。このようにネット部11は目の細かい2重ネット
を用いた場合、風雨を避けながらブラスト材、ブラステ
ィングにより落とされた塗膜粉,金属粉,吹き付け時の
塗料飛沫の通過飛散を有効に防止することができる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の筒身用防護ネット装置によれば、多脚型煙突の筒
身部の塗装更新にあたり、下地処理及び塗装作業の際に
生じる粉塵や塗料飛沫の飛散を確実に防止すること、特
に、塗装更新時の下地処理を周囲に影響を与えないよう
にして行なうことができるという利点がある。
【0049】特に、防護ネットの上側及び下側が固縛ベ
ルトにより袋閉じ状に固縛されているため、上空高所作
業を行なう場合であっても、高精度の下地処理及び塗装
処理を行なうことにより生じる大量の粉塵や塗料飛沫の
飛散を確実に防止することができる。これにより、例え
ばブラスト処理により下地処理を十分に行なっても環境
上支障がないようになり、耐久性の高い塗料を用いるの
にも適した下地処理を行なうことで、再塗装した場合に
も十分な塗装耐久性が得られるようになる。
【0050】請求項2記載の本発明の筒身用防護ネット
装置によれば、下地処理や塗装処理作業を行なうための
十分な空間を容易に形成することができ、従来困難であ
ったブラスト処理等の下地処理も可能となり、塗装の耐
久性向上に大きく寄与するという利点がある。請求項3
記載の本発明の筒身用防護ネット装置によれば、防護ネ
ットの上側及び下側が固縛ベルトにより袋閉じ状に固縛
されているため、粉塵や塗料飛沫の飛散をより確実に防
止することができるという利点がある。特に、防護ネッ
トの下端部に不燃性シートが備えられ、その下端部が固
縛ベルトにより袋閉じ状に固縛されているため、上空高
所作業を行なう場合であっても、高精度の下地処理及び
塗装処理を行なうことにより生じる大量の粉塵や塗料飛
沫の飛散をより確実に防止することができるという利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる筒身用防護ネット
装置を模式的に示す図であり、一部破断しているが破断
状態については特に示していない。
【図2】本発明の一実施形態にかかる筒身用防護ネット
装置の上端部を拡大して示す模式図であり、図1のa部
拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる筒身用防護ネット
装置におけるガイドワイヤとの接続状態を拡大して示す
模式図であり、図1のb部拡大図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる筒身用防護ネット
装置の下端部を拡大して示す模式図であり、図1のc部
拡大図である。
【図5】一般的な多脚型煙突を模式的に示す側面図であ
る。
【図6】従来の筒身用防護ネット装置を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
10 筒身用防護ネット装置 11 ネット部(防護ネット) 11A ネット 11B 接続ネット 11a 着脱接続部 12 不燃性シート 13 上側固縛用ベルト(固縛用ベルト) 14 下側固縛用ベルト(固縛用ベルト) 15 手すり 16 ゴンドラ 17 ゴンドラ用ワイヤ 18A ブラスト噴射用のロボット 18B 吹き付け塗装用のロボット 19 大廻しロープ 20 ガイドワイヤ支持用突梁 21 ラッパ状の覆いネット 50 筒身 50a 筒身部 51 繋梁 52 補強リング 52A 上側リング 52B 下側リング 53 ガイドワイヤ 60 多脚型煙突

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の煙突筒身を繋梁及び補強リングで
    剛結合されてなる多脚型煙突の煙突筒身の周りに装着さ
    れる防護ネットを備え、 該防護ネットが、その上端部及び下端部を固縛用ベルト
    により該煙突筒身外面に袋閉じ状に固縛されることを特
    徴とする、筒身部用防護ネット装置。
  2. 【請求項2】 該防護ネットが、該煙突筒身に沿い且つ
    該煙突筒身の周方向に間隔をおいて張設された複数のガ
    イドワイヤにより支持されることを特徴とする、請求項
    1記載の筒身部用防護ネット装置。
  3. 【請求項3】 該防護ネットの下端部に外側から重ね合
    わせるように不燃性シートが結合されて、 該不燃性シートの下端部が固縛用ベルトにより該煙突筒
    身外面に袋閉じ状に固縛されることにより、該防護ネッ
    トの下端部が該煙突筒身外面に固縛されることを特徴と
    する、請求項1又は2記載の筒身部用防護ネット装置。
JP895397A 1997-01-21 1997-01-21 筒身部用防護ネット装置 Withdrawn JPH10205140A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014224393A (ja) * 2013-05-16 2014-12-04 日立造船株式会社 塔状物構造、ユニット構造体及び塔状物の施工方法

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