JPH10205082A - 繊維複合雨樋及びその製造方法 - Google Patents

繊維複合雨樋及びその製造方法

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JPH10205082A
JPH10205082A JP1129397A JP1129397A JPH10205082A JP H10205082 A JPH10205082 A JP H10205082A JP 1129397 A JP1129397 A JP 1129397A JP 1129397 A JP1129397 A JP 1129397A JP H10205082 A JPH10205082 A JP H10205082A
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fiber composite
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JP1129397A
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Hitoshi Hayashi
仁司 林
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面の接着性が改良され、温度変化による変
形が発生せず、樋の破損が生じにくく、かつ、剥離・腐
食の問題が生じない雨樋であり、焼却処理、リサイクル
が容易な雨樋とその製造方法を提供する。 【解決手段】 雨樋形状に成形された成形体であって、
成形体は厚さ方向にポリオレフィン樹脂からなる中心層
9と、中心層9の両表面に極性基が付与された変性ポリ
オレフィン樹脂からなる変性樹脂層10とが積層されて
いる。変性樹脂層10又は中心層9の少なくとも一層は
樹脂をマトリクスとして強化短繊維が分散された強化層
として形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面の接着性が
改良されたポリオレフィン樹脂製の繊維複合雨樋及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に利用されている雨樋は、硬
質塩化ビニル樹脂の溶融相を押出し成形したものであ
る。このような雨樋は、一工程で製造できるので製造工
数が少なく、廉価である。この雨樋は継ぎ手等により接
続されたりして建物に固定される。しかしながら、使用
時には、経時変化を受けてこの継ぎ手等の部分を中心と
して変形して破損するという欠点がある。これは塩化ビ
ニル樹脂の線膨張率が大きいために、四季や昼夜の気温
の変化による熱伸縮が原因とされ、継ぎ手間が曲がって
変形し、破損するためと考えられている。
【0003】この変形を防止する雨樋1として、図3、
図4に示すように、多数の穿孔2が施された金属板3を
芯材として、その表裏に硬質塩化ビニル樹脂の層4を被
覆させて構成したものが知られている(例えば、特開昭
57−33660号公報)。しかしながら、この雨樋1
は、金属板3と硬質塩化ビニル樹脂の層4との界面で、
温度変化などによる応力集中で剥離や蓄熱による変形が
生じるという欠点がある。また、雨樋を切断加工する
と、その切断面に雨水が侵入する。この雨水の侵入によ
り内部の金属板3が腐食するという問題を有する。
【0004】また、塩化ビニル樹脂は、耐候性はよい
が、難燃性の樹脂であり熱安定性に乏しい。したがっ
て、塩化ビニル樹脂を用いた雨樋は、燃焼処理が困難
で、リサイクル利用が困難である。
【0005】このような問題点を解決するために図5に
示すように、長手方向に配された連続強化繊維に酸変性
ポリオレフィン樹脂を融着した芯材層5と、その芯材層
5の内外両面に被覆されたポリオレフィン樹脂の被覆層
6とからなる繊維複合雨樋7が、例えば、特開平6−8
1432号公報に提案されている。
【0006】この繊維複合雨樋7は、たとえば、連続繊
維のガラスロービングに酸変性ポリオレフィン樹脂を含
浸融着させて予め芯材層5を形成させ、この芯材層5を
巻き取っている。この巻き取られた芯材層5は、賦形装
置により雨樋形状に成形される。次に、クロスヘッドダ
イから押し出された高密度ポリエチレンにより表面に被
覆層6が付与されて繊維複合雨樋7が形成されている。
【0007】この繊維複合雨樋7は、連続強化繊維が長
手方向に配されているので、雨樋7の長手方向の線膨張
率が低減されて、熱伸縮による変形が改善されている。
また、樹脂がポリオレフィン系であるので、熱安定性に
優れリサイクルが容易である。さらに易燃性であるの
で、焼却もできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この繊
維複合雨樋7は、施工時に樋の継ぎ目やコーナー部等で
の他の部品との接着力が弱く、施工法によっては充分な
接着が得られない。このため、使用時には水漏れなどが
発生する場合があるという問題点が指摘されている。ま
た、芯材層5を製造する工程と雨樋に成形する工程とが
別工程のために、製造時の工数が多く、価格が高くなる
との問題点もある。
【0009】そこで、この発明は、表面の接着性が改良
され、温度変化による変形が発生せず、樋の破損が生じ
にくく、かつ、剥離・腐食の問題が生じない雨樋であ
り、焼却処理、リサイクルが容易な雨樋とその製造方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、雨樋形状に成形された成形体で
あって、該成形体は厚さ方向にポリオレフィン樹脂から
なる中心層と、該中心層の両表面に極性基が付与された
変性ポリオレフィン樹脂からなる変性樹脂層とが積層さ
れ、該変性樹脂層又は前記中心層の少なくとも一層は樹
脂をマトリクスとして強化短繊維が分散された強化層と
して形成されたことを特徴とする。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、変性樹脂層が強化層であることを特徴とする。
【0012】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において、変性樹脂層と中心層とが融着一体化されたこ
とを特徴とする。
【0013】請求項4の発明は、変性樹脂層を形成する
樹脂と中心層を形成する樹脂とが同一組成の樹脂である
ことを特徴とする。
【0014】請求項5の発明は、請求項1〜請求項4の
いずれかの発明において、強化短繊維がガラス繊維、カ
ーボン繊維、アルミナ繊維などの無機繊維、アラミド繊
維などの有機繊維から選択される少なくとも1種以上で
あることを特徴とする。
【0015】請求項6の発明は、樹脂を溶融混練するバ
レル部を備えた2台の押出し機と1個の共通押出し金型
を用い、一方の押出し機にはポリオレフィン樹脂が供給
され、該ポリオレフィン樹脂は前記バレル内で溶融混練
されて溶融相が形成され、該溶融相は前記金型へ供給さ
れると共に、他方の押出し機には極性基の付与された変
性ポリオレフィン樹脂と強化短繊維とが供給され、前記
バレル内で溶融混練されて変性ポリオレフィン樹脂中に
強化短繊維が分散された変性強化溶融相が形成され、該
変性強化溶融相は前記金型へ供給され、前記金型では、
前記ポリオレフィンの溶融相を中心層とし、その中心層
の両面に前記変性強化溶融相が変性樹脂層として積層さ
れ、前記中心層と前記変性樹脂層とは前記金型から送り
出され、雨樋の長さ方向に溶融押出し成形されることを
特徴とする。
【0016】請求項7の発明は、請求項6の発明におい
て、強化短繊維は、押出し機のバレル途中から供給され
ることを特徴とする。
【0017】
【作用】請求項1に記載の発明では、中心層がポリオレ
フィン樹脂から形成され、表層が極性基を付与された変
性ポリオレフィン樹脂から形成されているので、雨樋の
表面の接着性が改良されている。それ故、雨樋の継ぎ目
の接着や他の部品との接合のための接着に充分な強度が
得られる。
【0018】表層又は中心層が強化短繊維で強化されて
いるので、線膨張率が低減される。これにより、温度変
化による変形が小さく、樋の破損が生じにくい。また樹
脂がポリオレフィン系であるので、熱安定性に優れリサ
イクルが容易である。またポリオレフィン系は易燃性で
あるので、容易に焼却される。
【0019】また、この繊維複合雨樋は一工程で製造で
きる。したがって、製造工数が簡略化されコストの低減
が図れる。
【0020】請求項2の発明では、変性ポリオレフィン
樹脂に強化短繊維が分散されているので、強化短繊維と
マトリクス樹脂とが強固に接着されることにより線膨張
率がさらに低減される。これにより、雨樋の温度変化に
よる変形が発生せず、樋の継ぎ目での破損が生じない。
【0021】請求項3の発明では、変性樹脂層と中心層
とが融着一体化されているので、それらの層間が剥離し
にくい。
【0022】請求項4の発明では、融着一体化された変
性樹脂層と中心層とが同一組成の樹脂であるので、一体
化が確実であり、層間が剥離することがない。
【0023】請求項6の発明では、中心層と変性樹脂層
とが直接雨樋形状に溶融押出し成形されるので、各層間
が確実に融着一体化された繊維複合雨樋が一工程で製造
される。したがって、製造工数が簡略化されコストの低
減が図れる。
【0024】請求項7の発明では、供給された強化短繊
維は樹脂が溶融後にバレル内で供給されるので、樹脂と
の混練時間を少なく設定できる。したがって混練中の強
化短繊維の粉砕が少なく、製造工程において繊維長を長
く保持できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面上
は、理解し易くするため、厚さの割合を大きくしてあ
る。
【0026】図1は、この実施の形態1の繊維複合雨樋
を説明する図である。図中符号8は繊維複合雨樋であり
熱可塑性樹脂の押出し成形品である。
【0027】平坦な底壁8aの両側から外方にやや傾斜
して立ち上がり壁8b,8bが相対向して立設されてい
る。その立ち上がり壁8bの上端には、断面略矩形の中
空体よりなる一対の耳縁8c,8cが形成されている。
この繊維複合雨樋8の形状はとくに限定されるものでは
なく、いかなる形状の雨樋でもよい。たとえば、図4に
示すような樋の長さ方向と直交する方向の切断面が半円
弧状の外形形状であってもよい。また、耳縁8cの有
無、形状も自由である。
【0028】この繊維複合雨樋8を構成する壁は、ポリ
オレフィン樹脂からなる中心層9と極性基を付与された
変性ポリオレフィン樹脂とからなる変性樹脂層10とで
形成されている。この中心層9又は変性樹脂層10を形
成する樹脂をマトリクスとして、このマトリクス樹脂中
に強化短繊維が分散されている。図1においては、変性
樹脂10aに強化短繊維10bが分散された例を示して
いる。
【0029】強化短繊維10bとして用いられる繊維
は、特に限定されない。通常熱可塑性樹脂の補強に用い
られる強化短繊維が適宜必要に応じて選択される。それ
らは、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、アルミナ繊
維などの無機繊維、アラミド繊維等の有機繊維である。
これらの強化短繊維10bは、線膨張率がマトリクス樹
脂よりも小さいので、この強化短繊維10bを層9,1
0中に充填すると補強効果と共に補強体の線膨張率が低
減される。この強化短繊維10bは、単独で用いても2
種以上を混合して用いてもよい。
【0030】この強化短繊維10bの繊維長も限定され
るものではなく、目的に合致されて適宜選択すればよ
い。例えば、繊維長が短すぎると補強効果が小さく、ま
た長すぎると強化層全体に均一に分散させるのが困難と
なる。通常0.03mm〜3mm程度の範囲から選択さ
れる。
【0031】強化短繊維10bの充填量は、中心層9と
なるポリオレフィン樹脂、変性樹脂層10となる変性ポ
リオレフィン樹脂の総量の2〜30容量%が好ましい。
2容量%未満では雨樋としての熱伸縮性を低減させる効
果が少ない。また30容量%程度を越えて充填すると熱
可塑性樹脂中に分散させることが困難となる場合があ
る。
【0032】この強化短繊維10bは変性樹脂層10に
充填されるのが好ましい。これらの強化短繊維10bは
一般に非変性のポリオレフィンに比べて極性基を付与さ
れた変性ポリオレフィン樹脂に対する接着性がよい。し
たがって、変性ポリオレフィン樹脂10aをマトリクス
として、その中に強化短繊維10bを分散させると、こ
の強化短繊維10bはマトリクス樹脂10aと強固に固
着される。これにより、マトリクス樹脂10aの熱伸縮
性は著しく低減される。
【0033】中心層9及び変性樹脂層10の各厚みは特
に制限されないが、通常の雨樋としては、中心層9は1
mm〜3mm程度、変性樹脂層10としては、0.05
mm〜0.5mm程度である。変性樹脂層10に強化短
繊維10bを充填させて強化層とする場合、成形品の対
称性を考慮すると、中心層9を中心として両変性樹脂層
(強化層)10は略同一の厚みを保持しているのが好ま
しい。この強化層の厚みが実質的に同一であると、繊維
補強雨樋8は反りなどの変形が少ない。また、この中心
層9と変性樹脂層(強化層)10とは融着により一体化
されているのが好ましい。
【0034】ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィンの単独重合体、ま
たはこれらの共重合体が必要に応じて用いられる。これ
らのポリオレフィンは混合(ブレンド)されていてもよ
い。
【0035】極性基が付与された変性ポリオレフィンと
しては、カルボキシル基、エポキシなどの極性基を有す
るポリオレフィンが例示される。この変性ポリオレフィ
ンは例えば、ポリオレフィンの重合時に変性モノマーを
添加して共重合する方法や、ポリオレフィンに変性モノ
マーを加えて必要により触媒存在下、加熱下で混合する
などして製造される。
【0036】変性モノマーとしては、例えば、マレイン
酸、フマル酸、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸及びその無水物
が挙げられる。変性ポリオレフィン中の極性基濃度は、
とくには限定されないが、一般には0.5〜10モル%
程度含まれる。
【0037】これらのポリオレフィン、変性ポリオレフ
ィン(以下ポリオレフィン系という。)には、通常成形
材料として用いられるように、酸化防止剤、耐衝撃向上
剤、安定剤、顔料、染料などの着色剤、その他のフィラ
ー(充填材)がこの発明の効果を損なわない範囲で適宜
に選択され、添加されて成形用樹脂として利用される。
また、これらのポリオレフィン系の分子量は、得れらる
雨樋の要求性能、成形性などを考慮して適宜選択され
る。
【0038】中心層9を形成する樹脂9aと、変性樹脂
層10を形成する樹脂10aとの組合せは、互いの相溶
性、熱融着性を考慮して適宜選択される。例えば中心層
9にポリプロピレン樹脂9aを用いた場合、変性樹脂層
10に変性ポリプロピレン樹脂10aを用いたり、変性
ポリプロピレン樹脂に非変性のポリプロピレン樹脂を混
合(ブレンド)して変性樹脂層10を形成してもよい。
このように同一組成の樹脂をそれぞれの層を構成する樹
脂として選択すると、相溶性がよいので共通金型による
溶融押出し成形では融着されて一体化が確実に行える。
したがって同一組成の樹脂で製作された雨樋は使用中に
層間剥離が実質的に起こりにくく、耐久性がよい。
【0039】つぎに、この繊維複合雨樋8を製造する方
法と装置について説明する。
【0040】図2は、この発明の繊維複合雨樋8を製造
するための成形装置11の工程図である。この成形装置
11は、押出し機12、共通押出し金型(ダイ)13、
冷却サイジング装置14、引き取り装置15、切断装置
16、搬送台17が一列に配列され、押出し機18が共
通押し金型13に接続されたT字配列に構成されてい
る。押出し機12は中心層9を押し出すためのものであ
り、押出し機18は変性樹脂層10を押し出すためのも
のである。それぞれの押出し機12,18は、樹脂を供
給するホッパー12a,18aと、内部に一軸又は多軸
のスクリュウを備え外部がヒーターで覆われることによ
り樹脂を溶融混練するバレル部12b,18bとを備え
ている。押出し機18のバレル部18bの途中には、繊
維供給押込みフィーダー19が接続されている。
【0041】中心層9を形成するポリオレフィン樹脂9
aが必要な添加剤とともにホッパー12aへ供給され
る。その樹脂9aはバレル12b内で溶融混練され押出
し金型13に送り込まれる。
【0042】一方、ホッパー18aへは変性樹脂層10
を形成する変性ポリオレフィン樹脂10aが必要な添加
剤とともに供給され、繊維供給押込みフィーダー19へ
は強化短繊維材料10bが供給される。バレル18b内
においては、変性ポリオレフィン樹脂10aが溶融・混
練されて溶融相が形成され、この溶融相は、バレル18
bの途中から強化短繊維10bを受け入れてさらに溶融
混練される。これにより強化短繊維10bが均一に分散
された変性強化溶融相が形成される。この変性強化溶融
相は、側方から金型13へ送り込まれる。
【0043】金型13では、2台の押出し機12,18
から溶融相を受け入れ、中心にポリオレフィン樹脂9a
からなる溶融相、その溶融相の内外の両表面に変性強化
溶融相となるように積層される。この溶融積層は金型1
3から排出される。この排出された積層体は冷却サイジ
ング装置14において冷却されつつ引き取り装置15に
より引き取られて雨樋形状に正確に寸法が規制される。
ついで切断装置16により一定長さに切断されて搬送装
置17により繊維複合雨樋8が排出される。
【0044】
【実施例】以下に実施例により説明する。
【0045】実施例1 ポリオレフィン樹脂9aとしてポリプロピレン樹脂(三
菱化学製ポリプロEA9)、変性ポリオレフィン樹脂1
0aとして酸変性ポリプロピレン樹脂(三井石油製アド
マーQB550、無水マレイン酸変性)の50部とポリ
プロピレン(三菱化学製ポリプロEA9)の50部との
混合物、強化短繊維10bとしてガラス繊維チョップ
(日東紡製CSPE946)を用い、図2に示す成形装
置11を使用して繊維複合雨樋8を製作した。
【0046】得られた繊維複合雨樋8の繊維量は体積比
で8%、ポリプロピレン樹脂層の厚みは0.6mm、内
外層に被覆された変性ポリオレフィン樹脂層の厚みはそ
れぞれ0.6mmであり、成形品の総厚みは1.8mm
であった。
【0047】実施例2 強化短繊維10bとしてガラス繊維チョップに代えてカ
ーボン繊維チョップ(東邦レーヨン製ベスファイトHT
A−C6−SR)を用いた以外は実施例1と同様にして
繊維複合雨樋8を製作した。
【0048】実施例3 変性ポリオレフィン樹脂10aとして酸変性プロピレン
樹脂に代えてエポキシ変性ポリプロピレン樹脂(日本油
脂製ブレンマーCP−15)を用いた以外は実施例1と
同様にして繊維複合雨樋8を製作した。
【0049】実施例4 変性ポリオレフィン樹脂10aとして酸変性プロピレン
樹脂に代えてエポキシ変性ポリプロピレン樹脂(日本油
脂製ブレンマーCP−15)を用いた以外は実施例2と
同様にして繊維複合雨樋8を製作した。
【0050】比較例1 変性樹脂層10に用いる樹脂としてポリプロピレン樹脂
(三菱化学製ポリプロEA9)を単独使用した以外は実
施例1と同様にして繊維複合雨樋8を製作した。
【0051】比較例2 変性樹脂層10に用いる樹脂としてポリプロピレン樹脂
(三菱化学製ポリプロEA9)を単独使用した以外は実
施例2と同様にして繊維複合雨樋8を製作した。
【0052】実施例1〜4、比較例1,2により得られ
た繊維複合雨樋8から、底部壁8aの一部を切り出し、
雨樋8の長手方向の線膨張率をTMAを用いて測定し
た。結果をまとめて表1に示した。
【0053】
【表1】 ポリオレフィンの線膨張率はガラス繊維などの強化短繊
維で強化されることにより一般に低下されるが、実施例
と比較例との対比で明らかなとおり、変性ポリオレフィ
ン樹脂をマトリクスとして強化短繊維が分散されて強化
されることにより繊維複合雨樋8の線膨張率はさらに低
減される。
【0054】以上、この発明の実施の形態を詳述してき
たが、具体的な構成はこの実施の形態に限らず、この発
明の要旨を逸脱しない範囲の変更等があってもこの発明
に含まれる。
【0055】例えば、繊維複合雨樋8は、必要に応じて
変性樹脂層10の外表面に別の樹脂層を製造工程中また
は工程後に付与することができる。そられは、例えば、
アクリル樹脂などの耐候性樹脂の被覆である。この場
合、外表面が変性ポリオレフィンからなるので、この耐
候性樹脂の被覆は容易に融着により一体化させることが
できる。ポリオレフィン層を外表面として構成される雨
樋では、これらの耐候性樹脂の付与に際しては特別な接
着剤やプライマー層を付与したり、コロナ放電などの酸
化処理が一般には必要とされているが、この発明の繊維
複合雨樋8ではこれらの操作は不要である。
【0056】また、実施の形態では、強化短繊維を変性
オレフィン中に分散させるのに、予め変性ポリオレフィ
ン樹脂を押出し機などで溶融混練しつつ、強化短繊維を
バレル途中で投入していたが、強化短繊維と変性オレフ
ィン粉末をドライブレンドした後、二軸押出し機などで
溶融・混練して押出し金型に連結してもよい。また予め
繊維を分散した状態でペレット化された樹脂をホッパー
12aに投入することもできる。
【0057】
【発明の効果】以上説明してきたことから、請求項1の
発明によれば、表層が極性基を付与された変性ポリオレ
フィンから形成されているので、雨樋の表面の接着性が
改良されている。それ故、雨樋の継ぎ目の接着や他の部
品との接合のための接着に充分な強度が得られる。
【0058】変性樹脂層又は中心層が強化短繊維で強化
されているので、線膨張率が低減される。これにより、
温度変化による変形が小さく、樋の破損が生じにくい。
また樹脂がポリオレフィン系であるので、熱安定性に優
れリサイクルが容易である。また、ポリオレフィン系は
易燃性であるので、焼却も容易で熱によるリサイクルも
できる。
【0059】またこの繊維複合雨樋は一工程で製造でき
る。したがって、製造工数が簡略化されコストの低減が
図れる。
【0060】請求項2の発明によれば、変性ポリオレフ
ィン層に強化短繊維が分散されているので、強化短繊維
とマトリクス樹脂とが強固に接着されることにより線膨
張率がさらに低減される。これにより、雨樋の温度変化
による変形が発生せず、樋の継ぎ目での破損が生じな
い。
【0061】請求項3の発明によれば、変性樹脂層と中
心層とが融着一体化されているのでそれらの層間が剥離
しにくく強固となる。
【0062】請求項4の発明によれば、融着一体化され
た変性樹脂層と中心層とが同一組成の樹脂であるので、
一体化が確実であり、層間が剥離することがない。
【0063】請求項5の発明によれば、強化短繊維とし
て広い範囲の強化短繊維を用いることができる。従っ
て、例えば補強効果の高い廉価な強化短繊維を選択すれ
ば廉価に雨樋が製造できる。
【0064】請求項6の発明によれば、中心層と変性樹
脂層とが直接雨樋形状に溶融押出し成形されるので、各
層間が確実に融着一体化された繊維複合雨樋が一工程で
製造できる。したがって、製造工数が簡略化されコスト
の低減が図れる。
【0065】請求項7の発明によれば、供給された強化
短繊維は樹脂の溶融混練中の粉砕が少なく、得られる繊
維複合雨樋中の繊維長が保てる、という実用上有益な効
果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の繊維複合雨樋を説明する
斜視断面図である。
【図2】実施の形態の繊維複合雨樋を製造するための成
形装置を説明するための工程図である。
【図3】従来の雨樋を説明する一部切欠斜視図である。
【図4】図3の雨樋の断面図である。
【図5】従来の繊維複合雨樋を説明する斜視断面図であ
る。
【符号の説明】
8 繊維複合雨樋 9 中心層 10 変性樹脂層(強化層) 12,18 押出し機 13 金型 14 冷却サイジング装置 15 引き取り装置 16 切断装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雨樋形状に成形された成形体であって、
    該成形体は厚さ方向にポリオレフィン樹脂からなる中心
    層と、該中心層の両面に極性基が付与された変性ポリオ
    レフィン樹脂からなる変性樹脂層とが積層され、該変性
    樹脂層又は前記中心層の少なくとも一方は樹脂をマトリ
    クスとして強化短繊維が分散された強化層として形成さ
    れたことを特徴とする繊維複合雨樋。
  2. 【請求項2】 前記変性樹脂層が前記強化層であること
    を特徴とする請求項1に記載の繊維複合雨樋。
  3. 【請求項3】 前記変性樹脂層と前記中心層とが融着一
    体化されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載の繊維複合雨樋。
  4. 【請求項4】 前記変性樹脂層を形成する樹脂と前記中
    心層を形成する樹脂とが同一組成の樹脂であることを特
    徴とする請求項3に記載の繊維複合雨樋。
  5. 【請求項5】 前記強化短繊維がガラス繊維、カーボン
    繊維、アルミナ繊維などの無機繊維、アラミド繊維など
    の有機繊維から選択される少なくとも1種以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    繊維複合雨樋。
  6. 【請求項6】 樹脂を溶融混練するバレル部を備えた2
    台の押出し機と1個の共通押出し金型を用い、 一方の押出し機にはポリオレフィン樹脂が供給され、該
    ポリオレフィン樹脂は前記バレル内で溶融混練されて溶
    融相が形成され、該溶融相は前記金型へ供給されると共
    に、 他方の押出し機には極性基の付与された変性ポリオレフ
    ィン樹脂と強化短繊維とが供給され、前記バレル内で溶
    融混練されて変性ポリオレフィン樹脂中に強化短繊維が
    分散された変性強化溶融相が形成され、該変性強化溶融
    相は前記金型へ供給され、 前記金型では、前記ポリオレフィンの溶融相を中心層と
    し、その中心層の両面に前記変性強化溶融相が変性樹脂
    層として積層され、前記中心層と前記変性樹脂層とは前
    記金型から送り出され、雨樋の長さ方向に溶融押出し成
    形されることを特徴とする繊維複合雨樋の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記強化短繊維は、前記他方の押出し機
    のバレル途中から供給されることを特徴とする請求項6
    に記載の繊維複合雨樋の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005073291A1 (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Idemitsu Kosan Co., Ltd. ポリオレフィン系炭素繊維強化樹脂組成物及びそれからなる成形品

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