JPH10205080A - 繊維複合雨樋、その製法及び金型 - Google Patents

繊維複合雨樋、その製法及び金型

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JPH10205080A
JPH10205080A JP9011291A JP1129197A JPH10205080A JP H10205080 A JPH10205080 A JP H10205080A JP 9011291 A JP9011291 A JP 9011291A JP 1129197 A JP1129197 A JP 1129197A JP H10205080 A JPH10205080 A JP H10205080A
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JP
Japan
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rain gutter
short fibers
fiber composite
fiber
gutter
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JP9011291A
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Hitoshi Hayashi
仁司 林
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化による変形が発生せず、樋の破損が
生じにくく、かつ、剥離・腐食の問題が生じない、雨樋
とその製造方法を提供する。 【解決手段】 この繊維複合雨樋5の壁は、熱可塑性樹
脂7aと、熱可塑性樹脂7aよりも線膨張率が小さく、
かつ、長さ/直径で定義されるアスペクト比が50以上
の短繊維7bとから構成されている。この短繊維7bの
75重量%以上が、樋5の長手方向と短繊維7bの長手
方向とのなす角度を45度以下にして熱可塑性樹脂7a
中に分散されて形成されている。この繊維複合雨樋5は
整流部135を備えた金型による溶融押出し成形により
一工程で製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、雨樋の長手方向
に短繊維の配向が高められたポリオレフィン樹脂製の繊
維複合雨樋、その製法及び金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に利用されている雨樋は、硬
質塩化ビニル樹脂の溶融相を押出し成形したものであ
る。このような雨樋は一工程で製造できるので製造工数
が少なく、廉価である。この雨樋は継ぎ手等により接続
されたりして建物に固定される。
【0003】しかしながら、この雨樋は経時変化を受け
てこの継ぎ手等の部分を中心として変形して破損すると
いう欠点がある。これは塩化ビニル樹脂の線膨張率が大
きいために、四季や昼夜の気温の変化による熱伸縮が原
因とされ、継ぎ手間が曲がって変形し、破損するためと
考えられている。
【0004】この変形を防止する雨樋1として、図9、
図10に示すように、多数の穿孔2が施された金属板3
を芯材として、その表裏に硬質塩化ビニル樹脂の層4を
被覆させた構成のものが知られている(例えば、特開昭
57−33660号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この雨
樋1では、金属板3と硬質塩化ビニル樹脂の層4との界
面では、温度変化などによる応力集中で剥離や蓄熱によ
る変形が生じ、樋の破損が生じる。また、雨樋1を切断
加工した切断面から雨水が侵入すると、内部の金属板芯
材層が腐食するという問題を有する。
【0006】そこで、この発明は、温度変化による変形
が発生せず、樋の破損が生じにくく、かつ、剥離・腐食
の問題が生じない、雨樋とその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、雨樋形状に成形された成形体で
あって、その壁部が熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂よ
りも線膨張率が小さく、かつ、長さ/直径で定義される
アスペクト比が50以上の短繊維とから構成され、該短
繊維の75重量%以上が、樋の長手方向と短繊維の長手
方向とのなす角度を45度以下に配列して分散されて形
成されたことを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、雨樋形状に成形された
成形体であって、その壁部が熱可塑性樹脂と、該熱可塑
性樹脂よりも線膨張率が小さく、かつ、長さ/直径で定
義されるアスペクト比が50以上の短繊維とから構成さ
れ、該短繊維は、樋の長手方向と短繊維の長手方向との
なす角度の平均角度を25度以下にして分散されて形成
されたことを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の発明において、前記短繊維の平均直径は、3〜30μ
mの範囲にあることを特徴とする。
【0010】請求項4の発明は、請求項1又は請求項2
の発明において、前記短繊維は、炭素繊維、ガラス繊
維、アルミナ繊維、無機ウイスカーなどの無機繊維、ア
ラミド繊維などの有機繊維から選択される少なくとも1
種以上であることを特徴とする。
【0011】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記短繊維の充填量は、熱可塑性樹脂の総量の2〜
30容量%の範囲にあることを特徴とする。
【0012】請求項6の発明は、請求項1又は請求項2
の発明において、前記熱可塑性樹脂は、塩化ビニル樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン、ABS樹脂、AES樹脂、AXS樹脂などの共重合
樹脂、ポリカーボネートやポリアミドなどのエンジニア
リングプラスチックから選択される少なくとも1種であ
ることを特徴とする。
【0013】請求項7の発明は、請求項1〜請求項6の
いずれかの発明において、前記壁部は表面に被覆層を有
することを特徴とする。
【0014】請求項8の発明は、請求項7の発明におい
て、前記被覆層は接着層を介して形成されていることを
特徴とする。
【0015】請求項9の発明は、熱可塑性樹脂と、該熱
可塑性樹脂よりも線膨張率が小さい短繊維とを押出し機
に供給し、該押出し機のバレル内で溶融混練して熱可塑
性樹脂中に短繊維が分散された強化溶融相を形成し、該
強化溶融相を押し出し金型の出口から雨樋の長さ方向に
溶融押出し成形して繊維複合雨樋を製造する方法におい
て、前記金型出口の手前の流路において、前記強化溶融
相を形成する短繊維の配列方向を整える整流部を通過さ
せた後、押し出し金型出口から雨樋の長さ方向に溶融押
出し成形することを特徴とする。
【0016】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、前記短繊維は、前記押出し機のバレル途中から供
給されることを特徴とする。
【0017】請求項11の発明は、金型入口から金型出
口までの流路にクリアランスが漸減されるダイアプロー
チ部と、該ダイアプローチ部につづきクリアランスが一
定のダイランド部とを備え、前記ダイアプローチ部から
前記ダイランド部に向けて熱可塑性樹脂中に短繊維が分
散された強化溶融相が流れるとともに、前記ダイランド
部につづく金型出口から前記強化溶融相が送り出されて
所定形状の押出し成形品が得られる溶融押し出し金型に
おいて、前記ダイランドの上流に、前記強化溶融相の流
れと直交する方向の流速分布を変化させることにより、
前記短繊維を前記強化溶融相の流れ方向に配向させる整
流部を設けたことを特徴とする。
【0018】請求項12の発明は、請求項11の発明に
おいて、前記整流部は、流路のクリアランス方向に相対
向する平行面として形成され、かつ、前記整流部入口の
流路の断面形状と該整流部の出口の流路の断面形状とが
等しいことを特徴とする。
【0019】請求項13の発明は、請求項12の発明に
おいて、前記整流部は、前記平行面に突起が突設され、
該突起は前記平行面に対して垂直な断面が略円弧状であ
り、かつ、該突起間又は該突起と前記平行面との相対関
係が、前記平行面のクリアランス方向の間隔をl、前記
突起の最大高さをh、前記突起の最大幅をw、前記突起
の幅方向の最小間隔をdとした場合、 1/3<h/l<2/3 1/1<w/l<5/1 1/3<d/w<5/1 の関係を満足させることを特徴とする。
【0020】
【作用】請求項1、請求項2の発明では、マトリクス樹
脂である熱可塑性樹脂よりも線膨張率の小さく、かつ、
繊維の直径と長さとで定義されるアスペクト比が大きな
短繊維が熱可塑性樹脂中に分散されている。この短繊維
は、雨樋の長手方向への配向が高められている。このた
め、雨樋の長手方向の熱膨張率が低減される。これによ
り、温度変化による変形が小さく、樋の破損が生じにく
い。
【0021】また、金属材料を必須としないので、腐食
や剥離の問題も生じない。
【0022】請求項3の発明では、補強効果を維持しつ
つ効率的に繊維複合雨樋の長手方向の線膨張率が低減さ
れる。
【0023】請求項7の発明では、表面に所望の被覆層
が付与される。
【0024】請求項8の発明では、接着層を付与するこ
とにより表面被覆層の接着性が高められる。
【0025】請求項9の発明では、金型の出口手前の流
路に設けられた整流部により短繊維が長さ方向に配列さ
れて溶融押出し成形される。それにより、本発明に従う
短繊維が配列された繊維複合雨樋が一工程で製造でき
る。したがって、製造工数が少なく、コストの低減が図
れる。
【0026】請求項10の発明では、供給された短繊維
は樹脂が溶融後にバレル内で供給されるので、樹脂との
混練時間が最も少なく設定される。したがって混練中の
強化繊維の粉砕が極力抑えられて高いアスペクト比を保
持される。
【0027】請求項11の発明では、短繊維の配向を高
めるための金型が提供される。
【0028】請求項12の発明では、整流部入口の流路
の断面形状と整流部の出口の流路の断面形状とが等しい
ので、整流部の不要な場合、溶融押し出し金型から整流
部を外すことが可能となる。
【0029】請求項13の発明では、この条件を満足さ
せた円弧状の突起は強化溶融相の流れと直交する方向の
溶融相の速度分布を効率的に発生させ、短繊維の配向が
揃えられる。
【0030】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の具体的な実施の
形態1について、図面を参照しつつ説明する。なお、図
面上は、理解し易くするため、厚さの割合を大きくして
ある。
【0031】図1は、この実施の形態1の繊維複合雨樋
を説明する図である。図中符号5は繊維複合雨樋であり
熱可塑性樹脂の押出し成形品である。
【0032】平坦な底壁6aの両側から外方にやや傾斜
して立ち上がり壁6b,6bが相対向して立設されてい
る。その立ち上がり壁6bの上端には、断面略矩形の中
空体よりなる一対の耳縁6c,6cが形成されている。
この繊維複合雨樋5の形状はとくに限定されるものでは
なく、いかなる形状の雨樋でもよい。たとえば、図10
に示すような長さ方向と直交する方向の切断面が半円弧
状の外形形状であってもよい。また、耳縁6cの有無、
形状も自由である。
【0033】この繊維複合雨樋5を構成する壁は熱可塑
性樹脂7aと、熱可塑性樹脂7aよりも線膨張率が小さ
く、かつ、長さ/直径で定義されるアスペクト比が50
以上の短繊維7bとから構成されている。
【0034】この発明の繊維複合雨樋5では、成形品中
の短繊維7bの軸方向の長さ(Fl)と直径(Fd)と
の比で定義されるアスペクト比(Fl/Fd)が50以
上あることが必要である。このアスペクト比を高く設定
するすることにより熱伸縮性(線膨張率)の低減効果を
高めている。このアスペクト比が50未満では、充填さ
れる繊維量に対して熱伸縮性を低減させる効果が少な
い。より好ましいアスペクト比は70以上である。この
アスペクト比には、上限はないが通常500の範囲内で
ある。
【0035】短繊維7bとして用いられる繊維は、特に
限定されない。通常熱可塑性樹脂の補強に用いられる強
化短繊維が適宜必要に応じて選択される。それらは、例
えば、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、無機ウイ
スカー等の無機繊維、アラミド繊維等の有機繊維であ
る。これらの短繊維7bは、線膨張率がマトリクスとな
る熱可塑性樹脂7aよりも小さいので、補強効果と共に
一般に補強体の線膨張率を低減させる。これらの短繊維
は単独で用いても、混合して用いてもよい。また、接着
性を改良するなど任意の化学処理(フィニッシング)が
施されていてもよい。
【0036】短繊維7bの径は、3〜30μmの範囲に
あることが適正である。3μmよりも細いと溶融混練中
等に短繊維が折れて短くなり、充分な繊維長を得ること
が困難となる。一方、30μmを越えると繊維としての
補強効果が充分に発揮されない。従って、この範囲にあ
れば効率的に雨樋の熱伸縮性を低減させることができ
る。
【0037】この短繊維7bの繊維長はとくには限定さ
れずに、アスペクト比を考慮して適宜選択すればよい。
例えば、繊維長が短すぎると補強効果が小さく、また長
すぎると強化層全体に均一に分散させるのが困難とな
る。
【0038】短繊維7bの充填量は、熱可塑性樹脂7a
の総量の2〜30容量%が望ましい。2容量%未満では
雨樋としての熱伸縮性を低減させる効果が少ない。また
30容量%程度の量を越えて充填すると熱可塑性樹脂7
a中に分散させることが困難となる場合がある。
【0039】この短繊維7bは樋の長手方向に配向性が
高められている。樋の長手方向に対する短繊維7bの長
手方向のなす角度を配向角とすると、その角度が45°
未満では長手方向に配列されているといえるが、この発
明の繊維複合雨樋5では、その割合が75重量%以上を
占めている。この割合の好ましい範囲は、80重量%以
上であり、この割合の上限はとくにはないが、通常95
%重量以下である。
【0040】また、このときの繊維の平均の配向角度は
とくには限定されないが、好ましくは25°以下であ
り、より好ましくは20°以下である。この平均配向角
度の下限はないが、通常5°以上となる。
【0041】熱可塑性樹脂7aとしては通常の押出し成
形に用いられる熱可塑性合成樹脂から必要に応じて適宜
選択される。それらは、たとえば、塩化ビニル樹脂、ポ
リエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、AB
S樹脂、AES樹脂、AXS樹脂などの共重合樹脂、ポ
リカーボネートやポリアミド等のエンジニアリングプラ
スチック、などである。これらは、単独重合体または共
重合体であり、単独で用いても混合(ブレンド)して用
いてもよい。また、種々の変性が付与されていてもよ
い。用いられる分子量は、雨樋5の要求性能、成形性を
考慮して適宜選択される。
【0042】これらの熱可塑性樹脂7aは、通常成形材
料として用いられるように、酸化防止剤、耐衝撃向上
剤、安定剤、顔料、染料などの着色剤、その他のフィラ
ー(充填材)がこの発明の効果を損なわない範囲で適宜
に選択され、添加されて成形用樹脂として利用される。
たとえば、短繊維7bとの接着性を向上させるために
は、接着性樹脂やプライマーなどが添加される。耐候性
を向上させるには、紫外線吸収剤が添加される。耐衝撃
性を向上させるには衝撃向上剤が添加される。
【0043】つぎに、この実施の形態1の繊維複合雨樋
5を製造する方法と装置について説明する。
【0044】図2は、この発明の繊維複合雨樋を製造す
るための成形装置11の一例を説明する工程図である。
この成形装置11は概略押出し機12、押し出し金型
(ダイ)13、冷却サイジング装置14、引き取り装置
15、切断装置16、搬送台17が一列に配列されてい
る。押出し機12は、樹脂7aを供給するホッパー12
aと、内部に一軸又は多軸のスクリュウを備え外部がヒ
ーターで覆われることにより樹脂を溶融混練するバレル
部12bと、金型13への接続部に配置されて短繊維を
流れ方向に配向させる整流ブレーカ(図示を省略する)
とを備えている。このバレル12bの途中には、強化繊
維供給装置18が接続されている。
【0045】熱可塑性樹脂7aが必要な添加剤とともに
ホッパー12aへ供給される。その樹脂7aはバレル1
2b内で溶融混練される。一方、繊維供給装置18へは
短繊維7bが供給される。熱可塑性樹脂7aはバレル1
2bの途中から短繊維7bを受け入れて溶融混練され
る。これにより短繊維7bが均一に分散された溶融樹脂
(強化溶融相)が整流ブレーカにより繊維軸を配向させ
て金型13に送り込まれる。
【0046】この金型13の詳細は、図3に示すよう
に、連続された材料流路(ダイアプローチ)131を有
する13a〜13gまでの7ブロックの分割要素から構
成されている。ブロック13aは流路131の入口13
2にてバレル11bに接続され溶融樹脂(強化溶融相)
を受け入れている。ブロック13bでは流路131が狭
められることにより水平方向に対称に立ち上がった流路
131a,131aが形成されている。
【0047】この立ち上がり流路131a,131aは
それぞれ繊維複合雨樋5の立ち上がり壁6b,6bを形
成する。また、この流路131a,131aは底部(不
図示)において接続されて繊維複合雨樋5の底壁6aを
形成する。また、この流路131a,131aのそれぞ
れの上端(不図示)は耳縁6c,6cを形成する。
【0048】ブロック13d,13fでは、流路131
aの断面積を徐々に減少させるために傾斜が設けられて
ダイアプローチが形成されている。ブロック13gに
は、ダイの出口開口部(ダイリップ)133に平行な流
線を形成するダイランド134が設けられている。
【0049】ブロック13dとブロック13fとの間に
短繊維7bを配向させる整流部135を備えたブロック
13eが設けられている。このブロック13eの流路1
31aの入口と流路131aの出口との断面形状は同一
である。したがって、ブロック13eがない状態で、ブ
ロック13dとブロック13fとは接続可能である。整
流部135は、流路131のクリアランス方向の相対向
する面に、平行面135a,135aが形成されてお
り、この平行面135a,135aには流速を変化させ
る突起135bが形成されている。この突起135b
は、図4(a),(b)に示すように、平行面135a
の幅方向(矢印a方向)全面に配列されている。この突
起135bは、材料が流路に停滞しないように、設計さ
れている。また、この突起135bの上下の平行面13
5a,135a間の相互配列はとくには限定されない
が、この例では、対向する平行面135aの突起を想像
線で示すように、例えば互いに千鳥に配列されている。
【0050】このような構成の整流部135では、強化
溶融相の流れ方向に直交する方向、すなわち、金型13
の厚み方向(クリアランス方向)及び幅方向(矢印a方
向)に流路135aに沿った樹脂(強化溶融相)の流速
分布が発生する。これにより、例えば、強化溶融相の幅
方向または厚み方向に配向されて流れている短繊維は、
その長手方向に異なった流速を受けることになる。速い
流速を受けた部分は速く流れ、遅い流速を受けた部分は
遅く流れることによりその短繊維は流れの方向に配向さ
れる。一方、樹脂の流れ方向に配向されている短繊維は
この影響を受けないので、流れ方向に配向されたまま
で、流路135aを流れる。このようにして、短繊維7
bが強化溶融相の流れ方向に並べられる。
【0051】この突起135bの横方向及び縦方向の断
面は略円弧形状が好ましい。またその突起135bの高
さhとクリアランスlとの比(h/l)は1/3〜2/
3であることが好ましい。この比(h/l)が1/3未
満であると、短繊維7bの配向を揃える効果が低く、2
/3を越えると樹脂(強化溶融相)の流動性が悪くな
り、成形時の樹脂背圧が高くなる。
【0052】また、突起幅wとクリアランスlとの比
(w/l)は、1/1〜5/1であることが好ましい。
この比(w/l)が1/1未満であると短繊維7bの配
向を揃える効果が低く、また5/1を越えると樹脂(強
化溶融相)の流動性が悪くなり樹脂背圧が高くなる。
【0053】突起の設置間隔dと突起幅wとの比(d/
w)は1/3〜5/1の範囲にあるのがよい。1/3未
満であると、樹脂(強化溶融相)9の流動性が悪くなる
ため、樹脂背圧が高くなり、5/1を越えると短繊維7
bの配向を揃える効果が低い。 この突起135bは平
行面135aの幅方向に対して全面に設けられるが、異
形断面のコーナー部近傍など、特に繊維の配向が乱れ易
い部分にのみ設置してもよい。以上の説明では、従来の
金型にブロック13eを設けて金型13を製作している
が、これに限定されない。たとえば、流路が漸減される
ダイアプローチそのものに突起135を設けることによ
り整流部とすることもできる。また、この突起135b
の長さは平行面135a内に収まることが好ましいが、
平行面135aを越えて隣接されるブロック13dに跨
って形成されていてもよい。
【0054】押出し機11から送り込まれた強化溶融相
は、金型13のブロック13a〜ブロック13gで雨樋
形状に形つけられる。この過程において、強化溶融相9
は、ブロック13eの整流部135において短繊維7b
が配向される。この配向された状態を保ちつつダイラン
ド134を経て金型13のリップ133から雨樋形状に
形状が整えられて送り出される。ついで、冷却サイジン
グ装置14において冷却されつつ引き取り装置15によ
り引き取られて雨樋形状に正確に寸法が規制される。切
断装置16により一定長さに切断されて搬送装置17に
より図1に示す繊維複合雨樋5が排出される。
【0055】実施例1 熱可塑性樹脂7aとして塩化ビニル(徳山積水製TS8
00E)に安定剤などを添加して用い、短繊維7bとし
てガラス繊維チョップ(日東紡製CSPE946:平均
繊維直径23μm、平均繊維長4mm)を用い、図2に
示す成形装置11を使用して繊維複合雨樋5を製作し
た。このときの引き落し比は3%であり、繊維量は体積
比で10%になるように調整した。得られた成形品の厚
みは1.8mmであった。
【0056】実施例2 熱可塑性樹脂7aとして塩化ビニル樹脂に代えてABS
樹脂(住友化学製クララスチックSR)を用いた以外は
実施例1と同様にして繊維複合雨樋5を製作した。
【0057】実施例3 熱可塑性樹脂7aとして塩化ビニル樹脂に代えてポリプ
ロピレン樹脂(三菱化学製三菱ポリプロEA9)を用い
た以外は実施例1と同様にして繊維複合雨樋5を製作し
た。
【0058】実施例4 短繊維7bとしてガラス繊維チョップに代えて炭素繊維
チョップ(東邦レーヨン製ベスファイトHTA−C6−
SR:平均繊維直径7μm、平均繊維長6mm)を用い
た以外は実施例1と同様にして繊維複合雨樋5を製作し
た。
【0059】実施例5 熱可塑性樹脂7aとして塩化ビニル樹脂に代えてABS
樹脂(住友化学製クララスチックSR)を用いた以外は
実施例4と同様にして繊維複合雨樋5を製作した。
【0060】実施例6 熱可塑性樹脂7aとして塩化ビニル樹脂に代えてポリプ
ロピレン樹脂(三菱化学製三菱ポリプロEA9)を用い
た以外は実施例4と同様にして繊維複合雨樋5を製作し
た。
【0061】比較例1〜6 図2に示す金型13の整流部(ブロック13e)のない
金型を用いた以外は実施例1〜6と同様にしてそれぞれ
比較例1〜6の繊維複合雨樋5を製作した。
【0062】実施例1〜6、比較例1〜6により得られ
た繊維複合雨樋5から、底部壁6aの一部を切り出し試
料片として、その試料片の雨樋の長手方向の線膨張率、
樋の長手方向と短繊維の長手方向とのなす角度(配向角
度)の平均値(平均配向角度)、配向角度が45°以下
の繊維比率(重量%)、繊維の長さと直径の比で定義さ
れるアスペクト比を求めて結果を表1にまとめた。
【0063】なお、線膨張率はTMAを用いて測定し
た。また、平均配向角度、繊維比率は、試料片の断面に
現れた繊維の扁平率を画像処理装置を用いて測定し、配
向角度を求め、計算により算出した。
【0064】アスペクト比は試料片を450°Cに設定
したマッフル炉中で焼却し、光学顕微鏡による画像を画
像処理することにより平均繊維長を求め、配合された繊
維の平均繊維径で除すことにより算出した。
【0065】
【表1】 実施例と比較例との対比で明らかなとおり、実施例1〜
6の繊維複合雨樋5では整流部により短繊維の雨樋の長
手方向の配向傾向が高まる。また、雨樋の長手方向の線
膨張率も低減される。この傾向は樹脂を代えても、また
短繊維の種類を代えても認められる。
【0066】
【発明の実施の形態2】以下、本発明の具体的な実施の
形態2について、図面を参照しつつ説明する。なお、実
施の形態1と同一乃至均等な部分については、同一符号
を付して説明し詳細な説明を省略する。
【0067】図5は、この実施の形態2の繊維複合雨樋
を説明する図である。図中符号8は繊維複合雨樋であ
る。底壁6a、立ち上がり壁6b、耳縁6cの外側には
表面被覆層7cが施されている。
【0068】この表面被覆層7cを構成する樹脂は、た
とえば、耐候性樹脂、着色樹脂、接着性樹脂などのその
目的に則した熱可塑性樹脂である。このような表面被覆
層7cを設けることにより機能が一層向上する。この表
面被覆層7cには短繊維7bは通常混入されていない
が、混入されていてもよい。
【0069】つぎに、この実施の形態2の繊維複合雨樋
8を製造する方法と装置について説明する。
【0070】図6は、この発明の繊維複合雨樋8を製造
するための成形装置21の一例を説明する工程図であ
る。この成形装置21は、押し出し金型13に代えてク
ロスヘッドダイ(マルチマニーホールドダイ)からなる
押し出し金型23が用いられ、アクリル押出し用のサブ
押出し機22が押し出し金型23にクロスに接続されて
いることを除いては実施の形態1で用いた成形装置11
と概略同一である。
【0071】サブ押出し機22は表面被覆用の樹脂を受
け入れるホッパー22aと、内部にスクリュウを備え外
部がヒーターで覆われることにより樹脂を溶融混練する
バレル部22bとを備えている。また、金型23は押出
し機13とメインの流路が接続されると共に、クロスに
サブ押出し機22と接続されている。金型23は、金型
13と同様な整流部を有している。その整流部の下流に
は、表面被覆層7cを形成する樹脂を合流させる流路
が、クロスに形成されている。
【0072】ホッパー22aへは表面被覆層7cを形成
する樹脂7cが必要な添加剤とともに供給され、溶融混
練されて表面溶融相が形成される。
【0073】押出し機12から送り込まれた強化溶融相
は、金型23で雨樋形状に形つけられる。この過程にお
いて、整流部において短繊維7bが配向される。整流部
を通過後、押出し機22から送り込まれた表面溶融相が
強化溶融相の外面に合流される。ついで、金型23から
雨樋形状に形が整えられて送り出される。
【0074】その他は実施の形態1と同様にして繊維複
合雨樋8が搬送装置17から排出される。
【0075】実施例7 熱可塑性樹脂7aとして塩化ビニル(徳山積水製TS8
00E)に安定剤などを添加して用い、短繊維7bとし
てガラス繊維チョップ(日東紡製CSPE946)を用
い、表面被覆層7c用の樹脂としてアクリル樹脂(三菱
レイヨン製アクリルペットVH)を用い、図6に示す成
形装置21を使用して繊維複合雨樋8を製作した。繊維
量は体積比で10%になるように調整した。得られたア
クリル被覆層(表面被覆層)の厚みは0.2mmで成形
品の総厚みは2mmであった。
【0076】実施例8 熱可塑性樹脂7aとして塩化ビニル樹脂に代えてABS
樹脂(住友化学製クララスチックSR)を用いた以外は
実施例7と同様にして繊維複合雨樋8を製作した。
【0077】実施例9 短繊維7bとしてガラス繊維チョップに代えて炭素繊維
チョップ(東邦レーヨン製ベスファイトHTA−C6−
SR)を用いた以外は実施例7と同様にして繊維複合雨
樋8を製作した。
【0078】実施例10 短繊維7bとしてガラス繊維チョップに代えて炭素繊維
チョップ(東邦レーヨン製ベスファイトHTA−C6−
SR)を用いた以外は実施例8と同様にして繊維複合雨
樋8を製作した。
【0079】実施の形態1と同様にして、底部壁6aの
一部を切り出し試料片として、試料片の雨樋の長手方向
の線膨張率、繊維の長手方向に対する平均配向角度、配
向角度が45°以下の繊維比率、アスペクト比を求めて
結果を表2にまとめた。
【0080】
【表2】 表2と表1の比較例1,2,4,5との対比から明らか
なとおり、表面被覆層7cを有する実施例7〜10の繊
維複合雨樋8では、雨樋の長手方向への短繊維の配向傾
向が高められている。また、雨樋の長手方向の線膨張率
も低減されている。
【0081】これらの例から、実施の形態1の繊維複合
雨樋5に所望の表面被覆層を付与することにより、実施
の形態1の効果を備えたまま、表面被覆層7cに基づく
付加価値の高められた繊維複合雨樋8が得られることが
明かとなる。
【0082】
【発明の実施の形態3】以下、本発明の具体的な実施の
形態3について、図面を参照しつつ説明する。なお、実
施の形態1、実施の形態2と同一乃至均等な部分につい
ては、同一符号を付して説明し詳細な説明を省略する。
【0083】図7は、この実施の形態3の繊維複合雨樋
を説明する図である。図中符号9は繊維複合雨樋であり
熱可塑性樹脂を押出し成形により形成されている。底壁
6a、立ち上がり壁6b、耳縁6cの外側には接着層7
dを介して表面被覆層7cが施されている。
【0084】この接着層7dを構成する樹脂は、表面被
覆層7cと壁部本体を構成する樹脂7aとの接着性や接
合性を向上させる樹脂であり、樹脂7aと表面被覆層7
cを構成する樹脂との組合せにより適宜選択される。こ
の例では、酸変性ポリオレフィン樹脂が選択されてい
る。この例のように、例えば、樹脂7aを変性した樹脂
であったり、またその樹脂7aと組成を共通にする共重
合体などが好んで用いられる。このような接着層7dを
設けることにより表面被覆層7cの付与が容易となる。
この接着層7dには短繊維7bは混入されていても、ま
たいなくてもよい。
【0085】つぎに、この実施の形態3の繊維複合雨樋
9を製造する方法と装置について説明する。
【0086】図8は、この発明の繊維複合雨樋9を製造
するための成形装置31の一例を説明する工程図であ
る。この成形装置31は、押し出し金型23に代えてク
ロスヘッドダイからなる押し出し金型33が用いられ、
接着剤押出し用のサブ押出し機32を備えている。金型
33は押出し機13とメインの流路が接続されると共
に、クロスにサブ押出し機32、サブ押出し機22が順
次接続されている。
【0087】サブ押出し機32は接着剤用の樹脂を受け
入れるホッパー32aと、樹脂を溶融混練するバレル部
32bとを備えている。また、金型33では、金型23
と同様な整流部を有し、その整流部の下流にクロスに接
着層7d、表面被覆層7cを形成する樹脂を合流させる
流路が形成されている。その他の構成は実施の形態2で
用いた成形装置21と概略同一である。
【0088】ホッパー32aへは接着層7dを形成する
樹脂が必要な添加剤とともに供給され、溶融混練されて
接着溶融相が形成される。
【0089】押出し機11から送り込まれた強化溶融相
は、金型33で雨樋形状に形つけられる。この過程にお
いて、整流部において短繊維7bが配向される。整流部
を通過後、サブ押出し機32から送り込まれた接着溶融
相が強化溶融相の外面に合流される。ついで、その外面
に押出し機22から送り込まれた表面溶融相が積層され
る。金型33のリップから雨樋形状に形が整えられて送
り出される。
【0090】その他は実施の形態2と同様にして繊維複
合雨樋9が搬送装置17から排出される。
【0091】実施例11 熱可塑性樹脂7aとしてポリプロピレン樹脂(三菱化学
製三菱ポリプロEA9)を用い、短繊維7bとしてガラ
ス繊維チョップ(日東紡製CSPE946)を用い、表
面被覆層7c用の樹脂としてアクリル樹脂(三菱レイヨ
ン製アクリルペットVH)を用い、接着剤用の樹脂とし
て酸変性オレフィン樹脂(三井石油製アドマーQB55
0)を用い、図8に示す成形装置31を使用して繊維複
合雨樋9を製作した。繊維量は体積比で10%になるよ
うに調整した。得られた接着層7dの厚みは0.1m
m、アクリル被覆層(表面被覆層)7cの厚みは0.2
mmで成形品の総厚みは2mmであった。
【0092】実施例12 短繊維7bとしてガラス繊維チョップに代えて炭素繊維
チョップ(東邦レーヨン製ベスファイトHTA−C6−
SR)を用いた以外は実施例11と同様にして繊維複合
雨樋8を製作した。
【0093】実施の形態1と同様にして、雨樋の長手方
向の線膨張率、繊維の長手方向に対する平均配向角度、
配向角度が45°以下の繊維比率、アスペクト比を求め
て結果を併せて表2にまとめた。
【0094】表2と表1の比較例3,6との対比から明
らかなとおり、実施例11,12の繊維複合雨樋9では
短繊維の雨樋の長手方向の配向傾向が高まる。また、雨
樋の長手方向の線膨張率も低減される。
【0095】ポリプロピレンなどのポリオレフィン系の
樹脂は接着性が低いので、表面被覆層を直接付与するこ
とは困難な場合があるが、これらの例から明らかなよう
に、実施の形態1の繊維複合雨樋5に接着層7dを介し
て所望の表面被覆層を付与することにより、実施の形態
1の効果を備えたまま、表面被覆層7cに基づく付加価
値の高められた繊維複合雨樋8が得られることができ
る。
【0096】また、この繊維複合雨樋9では接着層7d
を介して溶融押出しされているので、表層が一体化され
て剥離することがない。
【0097】以上、この発明の実施の形態を詳述してき
たが、具体的な構成はこの実施の形態に限らず、この発
明の要旨を逸脱しない範囲の変更等があってもこの発明
に含まれる。
【0098】例えば、実施の形態では、短繊維を変性オ
レフィン中に分散させるのに、予め変性ポリオレフィン
樹脂を押出し機などで溶融混練しつつ、短繊維をバレル
途中で投入していたが、短繊維と変性オレフィン粉末を
ドライブレンドした後、二軸押出し機などで溶融・混練
して押し出し金型に連結してもよい。また予め短繊維を
分散した状態でペレット化された樹脂をホッパー12a
に投入することもできる。
【0099】また、繊維複合雨樋8,9はクロスヘッド
ダイを用いて製造されているが、表面被覆層7c、接着
層7dには、短繊維を通常含まず、配向の必要がないの
で、マルチスロットダイにより被覆層7c、接着層7d
を付与することもできる。また、得られた維複合雨樋
は、必要に応じて外表面に塗装したり、別の部品を製造
後に付与することができる。
【0100】
【発明の効果】以上説明してきたことから、請求項1、
請求項2の発明によれば、アスペクト比の大きな短繊維
により長手方向の配向が高められている。このため、雨
樋の長手方向の熱伸縮量が低減され、温度変化による変
形が小さく、樋の破損が生じにくい。また、金属材料を
必須としないので、腐食や剥離の問題も生じない。
【0101】請求項3の発明では、補強効果を維持しつ
つ効率的に繊維複合雨樋の長手方向の線膨張率が低減さ
れる。
【0102】請求項4の発明では、短繊維として広い範
囲の短繊維を用いることができる。従って、例えば、補
強効果のある廉価な強化短繊維を選択して雨樋を製造で
きる。
【0103】請求項5の発明では、短繊維の好ましい充
填量が選択され、この範囲では熱伸縮性の低減効果効果
が大きく、従って温度による変形も少ない。
【0104】請求項6の発明では、熱可塑性樹脂として
広い範囲の樹脂を用いることができる。従って、例え
ば、強度のある廉価な樹脂を選択して雨樋を製造でき
る。
【0105】請求項7の発明では、表面に所望の被覆層
が付与され、付加価値が高まる。
【0106】請求項8の発明では、接着層を付与するこ
とにより表面被覆層が剥離しない。
【0107】請求項9の発明によれば、溶融押出し成形
法により一工程で繊維複合雨樋が製造できる。したがっ
て、製造工数が少なく、コストの低減が図れる。
【0108】請求項10の発明では、繊維の破断が極力
抑えられて高いアスペクト比を保持する繊維複合雨樋が
製造できる。
【0109】請求項11の発明によれば、短繊維の配向
を高めるための金型が提供される。
【0110】請求項12の発明によれば、整流部の不要
な場合、溶融押し出し金型から整流部を外すことが可能
となる。
【0111】請求項13の発明では、特定条件を満足さ
せる円弧状の突起により、短繊維の配向が揃えられる、
という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の繊維複合雨樋5を説明
する斜視断面図である。
【図2】図1の繊維複合雨樋5を製造するための成形装
置11を説明するための側面工程図である。
【図3】図2の金型13の詳細を説明する一部切欠平面
模式図である。
【図4】図3の整流部135の突起135bの配列状況
を説明するための図であり、図4(a)は、図3のA−
A線で切断した部分側面図、図4(b)は、図3のB−
B線で切断した部分側面図である。
【図5】本発明の実施の形態2の繊維複合雨樋8を説明
する斜視断面図である。
【図6】図5の繊維複合雨樋8を製造するための成形装
置21を説明するための平面工程図である。
【図7】本発明の実施の形態3の繊維複合雨樋9を説明
する部分断面図である。
【図8】図7の繊維複合雨樋9を製造するための成形装
置31を説明するための平面工程図である。
【図9】従来の雨樋1を説明する一部切欠斜視図であ
る。
【図10】図9の雨樋1の断面図である。
【符号の説明】
5,8,9 繊維複合雨樋 7a 熱可塑性樹脂 7b 短繊維 11 押出し機 13 金型 14 冷却サイジング装置 15 引き取り装置 16 切断装置 18 繊維供給装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 31:10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雨樋形状に成形された成形体であって、 その壁部が熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂よりも線膨
    張率が小さく、かつ、長さ/直径で定義されるアスペク
    ト比が50以上の短繊維とから構成され、 該短繊維の75重量%以上が、樋の長手方向と短繊維の
    長手方向とのなす角度を45度以下にして前記熱可塑性
    樹脂中に分散されて形成されたことを特徴とする繊維複
    合雨樋。
  2. 【請求項2】 雨樋形状に成形された成形体であって、
    その壁部が熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂よりも線膨
    張率が小さく、かつ、長さ/直径で定義されるアスペク
    ト比が50以上の短繊維とから構成され、 該短繊維は、樋の長手方向と短繊維の長手方向とのなす
    角度の平均角度を25度以下にして分散されて形成され
    たことを特徴とする繊維複合雨樋。
  3. 【請求項3】 前記短繊維の平均直径は、3〜30μm
    の範囲にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の繊維複合雨樋。
  4. 【請求項4】 前記短繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、
    アルミナ繊維、無機ウイスカーなどの無機繊維、アラミ
    ド繊維などの有機繊維から選択される少なくとも1種以
    上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の繊維複合雨樋。
  5. 【請求項5】 前記短繊維の充填量は、熱可塑性樹脂の
    総量の2〜30容量%の範囲にあることを特徴とする請
    求項4に記載の繊維複合雨樋。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂は、塩化ビニル樹脂、
    ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、
    ABS樹脂、AES樹脂、AXS樹脂などの共重合樹
    脂、ポリカーボネートやポリアミドなどのエンジニアリ
    ングプラスチックから選択される少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の繊維複
    合雨樋。
  7. 【請求項7】 前記壁部は、表面に被覆層を有すること
    を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の繊
    維複合雨樋。
  8. 【請求項8】 前記被覆層は接着層を介して形成されて
    いることを特徴とする請求項7に記載の繊維複合雨樋。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂よりも
    線膨張率が小さい短繊維とを押出し機に供給し、該押出
    し機のバレル内で溶融混練して熱可塑性樹脂中に短繊維
    が分散された強化溶融相を形成し、該強化溶融相を押し
    出し金型の出口から雨樋の長さ方向に溶融押出し成形し
    て繊維複合雨樋を製造する方法において、 前記金型出口の手前の流路において、前記強化溶融相を
    形成する短繊維の配列方向を整える整流部を通過させた
    後、押し出し金型出口から雨樋の長さ方向に溶融押出し
    成形することを特徴とする繊維複合雨樋の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記短繊維は、前記押出し機のバレル
    途中から供給されることを特徴とする請求項9に記載の
    繊維複合雨樋の製造方法。
  11. 【請求項11】 金型入口から金型出口までの流路にク
    リアランスが漸減されるダイアプローチ部と、該ダイア
    プローチ部につづきクリアランスが一定のダイランド部
    とを備え、前記ダイアプローチ部から前記ダイランド部
    に向けて熱可塑性樹脂中に短繊維が分散された強化溶融
    相が流れるとともに、前記ダイランド部につづく金型出
    口から前記強化溶融相が送り出されて所定形状の押出し
    成形品が得られる溶融押し出し金型において、 前記ダイランドの上流に、前記強化溶融相の流れと直交
    する方向の流速分布を変化させることにより、前記短繊
    維を前記強化溶融相の流れ方向に配向させる整流部を設
    けたことを特徴とする溶融押し出し用金型。
  12. 【請求項12】 前記整流部は、流路のクリアランス方
    向に相対向する平行面として形成され、かつ、前記整流
    部入口の流路の断面形状と該整流部の出口の流路の断面
    形状とが等しいことを特徴とする請求項11に記載の溶
    融押し出し金型。
  13. 【請求項13】 前記整流部は、前記平行面に突起が突
    設され、該突起は前記平行面に対して垂直な断面が略円
    弧状であり、かつ、該突起間又は該突起と前記平行面と
    の相対関係が、前記平行面のクリアランス方向の間隔を
    l、前記突起の高さをh、前記突起の幅をw、前記突起
    の幅方向の間隔をdとした場合、 1/3<h/l<2/3 1/1<w/l<5/1 1/3<d/w<5/1 の関係を満足させることを特徴とする請求項12に記載
    の溶融押し出し金型。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008173903A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Matsushita Electric Works Ltd ポリ乳酸樹脂成形材及びその成形方法
JP2018192685A (ja) * 2017-05-17 2018-12-06 株式会社日本製鋼所 繊維強化熱可塑性樹脂押出物の製造方法および製造装置

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