JP2000108240A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP2000108240A
JP2000108240A JP10281225A JP28122598A JP2000108240A JP 2000108240 A JP2000108240 A JP 2000108240A JP 10281225 A JP10281225 A JP 10281225A JP 28122598 A JP28122598 A JP 28122598A JP 2000108240 A JP2000108240 A JP 2000108240A
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Hitoshi Hayashi
仁司 林
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隠蔽性の低い樹脂を被覆した場合において
も、色ムラを起こさない積層体を提供する。 【解決手段】 この発明の積層体1(5)は、可視光線
透過率が0.6よりも小さい表層3と、L***色調
表示で、明度指数L*が40よりも小さい基材層2とか
らなる積層体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表層を有し、雨
樋などに用いられる積層体であって、外観上の色ムラを
防ぐことができる積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の雨樋は、硬質塩化ビニル樹脂を押
出成形により成形されたものが一般的であるが、住宅の
高級化に伴い、経時的変形、変色の少ない雨樋の需要が
高まりつつある。
【0003】このような状況下で、ポリオレフィン系樹
脂を基材樹脂として、その基材樹脂に接着層を介してア
クリル系樹脂を被覆した積層体が提案されている(例え
ば、特開平6−344520号公報参照。)。このよう
な積層体においては、ポリオレフィン系樹脂の良好な性
質は維持されつつ、その欠点である耐候性や着色性など
が表層に用いられたアクリル系樹脂により保護される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような積層体にお
いて、表層と基材層との色調が異なり、表層を通して下
地が透けて見えると、色ムラが発生しやすい。このた
め、通常は下地が透けないように、表層としては隠蔽性
の高いものを付与している。
【0005】しかしながら、表層の隠蔽性を高めるため
には、表層を構成する樹脂中の顔料濃度を上げるか、又
は表層の厚みを増やさなければならない。顔料濃度を上
げたり、また、表層厚みを増大させると、不経済であ
り、ときとして製品物性にも悪影響をもたらす場合があ
る。
【0006】そこで、この発明は、隠蔽性の低い樹脂を
表層として被覆した場合においても、色ムラを起こさな
い積層体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、可視光線透過率が0.6よりも
小さい表層と、L***色調表示で、明度指数L*が4
0よりも小さい基材層とからなる積層体である。
【0008】請求項2の発明は、前記表層及び/又は前
記基材層は、L***色調表示で、赤色度a*が−10
より大きく10より小さい範囲にあり、黄色度b*が−
10より大きく10より小さい範囲にあることを特徴と
する請求項1に記載の積層体である。
【0009】請求項3の発明は、前記基材層は、接着層
を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
積層体である。
【0010】請求項4の発明は、前記基材層はポリオレ
フィン系樹脂を主体とし、前記表層はアクリル系樹脂を
主体としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記
載の積層体である。
【0011】請求項5の発明は、前記積層体は、雨樋形
状に成形された被覆雨樋であることを特徴とする請求項
1〜請求項4のいずれか1項に記載の積層体である。
【0012】請求項6の発明は、前記積層体は表層と基
材層とが共押し出しにより押し出し成形されていること
を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載
の積層体である。
【0013】
【作用】この発明によれば、可視光線透過率が0.6よ
りも小さい表層と、L***色調表示で、明度指数L*
が40よりも小さい基材層とからなる積層体を用いるこ
とにより、基材層での可視光反射が抑制され、隠蔽性の
低い樹脂を表層に用いても、色ムラを起こすことがな
い。
【0014】この表層又は基材層の少なくとも一方は、
彩度を低くして、それらの色調をグレーから黒系に制限
することにより、色ムラは一層抑制される。このとき、
表層及び基材層の双方の彩度を低くするのが好ましい。
【0015】また、接着層を含む基材層を用いれば、表
層に接着性の低い樹脂を選択しても、基材層と表層との
接着性の向上が図れる。
【0016】この発明の積層体において、基体層に用い
られる樹脂としてポリオレフィン系樹脂を選択し、表層
に用いられる樹脂としてアクリル系樹脂を選択すると、
ポリオレフィン系樹脂の良好な性質を維持しつつ、その
欠点である耐候性や着色性などが改良される。このよう
な積層体は耐候性が要求される雨樋などの建築用成形体
としての利用が期待される。
【0017】以上の積層体は、表層と基材層とが共押し
出しにより押し出し成形により一工程で製造できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について、図面を参照しつつ説明する。
【0019】図1は、この実施の形態の積層体としての
一例を示す雨樋を説明する図である。この図において、
符号1は雨樋であり、この雨樋1は基材層としての基体
層2と、表層3とから構成されている。
【0020】その基体層2は、L***色調表示で、
明度指数L*が40よりも小さいものから選択される。
ここで、L***色調表示(CIE1976L***
知覚色空間)は、色度計で測定され、L***表色系
の色座標(例えば、JISZ8729)で表される。
【0021】基体層2の明度指数L*を40より低くし
て、可視光線反射率を低く抑えることにより、表層3を
透過した可視光が基体層の表面で反射して再び表層3を
透過することにより発生する外観上の色ムラを抑えるこ
とができる。
【0022】このとき、基体層2の知覚色度指数a*
*は特には限定されないが、赤色度a*が−10より大
きく10より小さい範囲にあり、黄色度b*が−10よ
り大きく10より小さい範囲にあることが好ましい。色
ムラを抑制するには、基体の彩度が低く、グレーから黒
系のときに色ムラ抑制効果が大きい。基体層2の一層好
ましい色調は、赤色度a*が−5より大きく5より小さ
い範囲であり、黄色度b*が−5より大きく5より小さ
い範囲である。
【0023】基体層2に使用される樹脂(以下基体樹脂
ということがある。)は、色調条件を満足すれば限定さ
れない。塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン、AES、A
BSなどのスチレン系共重合樹脂、PET、PCなどの
ポリエステル樹脂など、押し出し成形可能なものが好ま
れる。
【0024】また、この基体樹脂には、強化繊維、充填
材、難燃材、酸化防止剤、改質剤、耐衝撃向上剤、安定
剤などを添加することができる。
【0025】強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維
などの無機繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維などの有
機繊維、金属繊維などが例示される。また、充填材とし
ては、マイカ、タルク、炭酸カルシウムなどの無機充填
材の他、木紛等の有機充填材が例示される。
【0026】また、難燃材としては、種々のハロゲン
系、ノンハロゲン系、無機系の難燃材が挙げられる。酸
化防止剤としては、ヒンダードアミンなどが挙げられ
る。また、改質剤としては、酸変性ポリオレフィンなど
が例示される。
【0027】基体層2の色調は、基体樹脂に顔料などの
適宜の着色剤を添加・配合して用いることにより、所望
の値とすることができる。この場合、一般的な着色剤に
限らず、配合される材料の色調を利用することもでき
る。例えば、炭素繊維などの黒色の着色補強材を用いて
もよい。これらの着色補強材、着色剤などは、単独で用
いてもよいし、併用して用いてもよい。
【0028】表層3としては、可視光線透過率が0.6
よりも小さいことが必要である。表層の光線透過率は表
層の厚みにより変化するが、表層の最も光線透過率の高
い部分−通常は最も樹脂厚みの薄い部分−の可視光透過
率が0.6以下であることが必要である。ここで、可視
光透過率とは透光度とも呼ばれるものであり、試料物質
を透過した直後の光の強さを試料物質に入射する直前の
光の強さで除した値である。
【0029】可視光線透過率が0.6(60%)以上で
あると、基体層2の可視光反射率を抑制しても色ムラを
減少させることは困難となる。また、可視光線透過率に
下限はなく、隠蔽がほぼ完全である場合、この可視光線
透過率はほぼ0であり、積層体の色ムラは基材の色の影
響を受けなくなる。この発明においては、この可視光線
透過率が0.3又は0.4以上と比較的高くても色ムラ
が減少されることに特長を有し、一方、好ましい可視光
線透過率の上限は0.5未満である。
【0030】また、この表層3は、L***色調表示
で、赤色度a*が−10より大きく10より小さい範囲
にあり、黄色度b*が−10より大きく10より小さい
範囲にあるものが好ましい。色ムラの防止には、表層の
色調に関して彩度が低く、グレーから黒系のときに色ム
ラ抑制効果が大きい。表層の好ましい色調は、赤色度a
*が−5より大きく5より小さい範囲であり、黄色度b*
が−5より大きく5より小さい範囲である。
【0031】この表層3は、積層体1の全面になくても
よく、例えば、基体層2の一部が露出されていてもよ
い。オレフィン系樹脂を基体層2とした雨樋において表
層3は耐候性や着色性の為に付与されるので、その耐候
性、着色性を必要とする部分のみに表層3が施されてい
ればよい。この場合、雨樋全体を単色とするためには、
基体層2と表層3との色調を同一とするのがよい。
【0032】表層3に用いられる樹脂(以下表層樹脂と
いうことがある。)としては、耐候性に優れるアクリル
樹脂やAES樹脂、AAS樹脂などの共重合樹脂が好適
に用いられるが、PETやPBT、PCなどのポリエス
テル樹脂、ポリアミド樹脂、及びこれらの組み合わせな
ど、被覆成形可能な熱可塑性樹脂が例示される。これら
の中で、基体樹脂との共押し出しが可能な樹脂が好まれ
る。
【0033】アクリル系樹脂としては、アクリル酸及び
その誘導体を単独又は共重合したアクリル酸を含む熱可
塑性樹脂である。例えば、メタアクリル酸エステルの単
独重合体、アクリル酸メチル、メタクリル酸−n−ブチ
ル、メタクリル酸ラウリルなどのメタアクリル酸エステ
ルと共重合可能なモノマーとの共重合体を包含する。ま
た、共重合可能な他のモノマーとしては、エチレン/ア
クリル酸エチル共重合体であるEEA樹脂など、アクリ
ル酸及びその誘導体以外の他のモノマーとの共重合体で
あってもよい。これらは、単独でもブレンドされていて
もよい。
【0034】本発明における基材層は、複数の層が積層
されていてもよい。例えば、基材層は、図2に示すよう
に、基体層2と接着層4との積層であってもよい。この
図で、接着層4は、基体層2と表層3との接着性を向上
させるための中間層として用いられ、この雨樋5は、基
体層2、接着層(中間層)4、表層3からなる三層構造
である。この接着層4(中間層4)は、着色されていて
も、また透明でもよいが、この中間層4を含めた基材層
表面での明度指数L*が40未満であることが必要であ
り、赤色度a*が−10より大きく10より小さい範囲
にあり、黄色度b*が−10より大きく10より小さい
範囲にあることが好ましい。
【0035】このような接着層4としての使用樹脂は限
定されず、表層3と基体層2との組合せにより適宜決定
される。表層3がアクリル系であり、基体層2がオレフ
ィン系である場合には、特開平6−344520号公報
に記載されるようになゴム状樹脂を接着剤として用いる
ことができる。
【0036】図3は、この発明の雨樋1を製造するため
の成形装置11の一例である。この成形装置11は、メ
インの二軸方向回転押出機12、押出金型(ダイ)1
3、冷却サイジング装置14、引き取り装置15、切断
装置16、搬送台17が一列に配列されている。押出機
12は、ポリオレフィン樹脂を供給するホッパー12a
と、内部に二軸同方向回転スクリュウを備え外部がヒー
ターで覆われることにより樹脂を溶融混練するバレル部
12bと、このバレル部12bの途中にT字配列に接続
された繊維供給用押し込みフィーダ18を備えている。
また、押出金型13には、表層3を押し出す表層押出機
19がクロス接合されている。
【0037】基体樹脂は必要な添加剤とともにホッパー
12aへ供給される。その基体樹脂はバレル部12b内
で混練されつつ、フィーダ18付近で強化繊維の供給を
受け、強化繊維が分散された溶融相が形成される。
【0038】次いで、得られた混合溶融相は、金型13
へ送り出され、金型13では、基体層2は表層3と積層
されて、金型リップより雨樋形状に成形品を押し出す。
この押し出された成形品は冷却サイジング装置14にお
いて冷却されつつ引き取り装置15により引き取られて
雨樋形状に正確に寸法が規制される。次いで切断装置1
6により一定長さに切断されて搬送装置17により図1
に示す被覆雨樋1が排出される。
【0039】また、図4は、この発明の雨樋5を製造す
るための成形装置101の一例である。この成形装置1
01では、成形装置11の構成において、押出金型13
には、表層3を押し出す表層押出機19に加え、接着層
4などの中間層を押し出す中間層押出機20がクロス接
合されている。
【0040】金型13では、基体樹脂、接着層樹脂、表
層樹脂の各溶融相が積層されて、金型リップより押し出
され、搬送装置17により排出された押し出し成形品
は、図2に示す3層構造の被覆雨樋5となる。
【0041】
【実施例】以下に実施例に基づき、この発明を具体的に
説明する。 実施例1 図3に示される装置を用い、基体樹脂には着色ポリプロ
ピレン樹脂(三菱化学製ポリプロEA9)を用い、強化
繊維としてガラスチョップ(日東紡製CS3PE95
6)(着色PPと略す。)を5容量%投入した。
【0042】また、表層樹脂には、三井石油化学製無水
マレイン酸変性ポリオレフィン(商品名アドマーQB5
50)を30容量%添加した三菱レイヨン製着色アクリ
ル樹脂(商品名アクリペットVH)(アクリルアロイと
略す。)を用いた。
【0043】得られた雨樋1は、図1に示す形状であ
り、幅約10cm、高さ約4cmである。また、このと
きの基体層2の厚みは約1.5mm、表層3の厚みは約
0.1mmであった。 実施例2 表層樹脂には、三井石油化学製無水マレイン酸変性ポリ
オレフィン(商品名アドマーQB550)を30容量%
添加した住友ダウ製着色AES樹脂(商品名ユニブライ
トUB−400)(AESアロイと略す。)を用い、表
層3の厚みを厚くした以外は、実施例1と同様にして図
1に示す雨樋1を作成した。このときの基体層2の厚み
は約1.5mm、表層3の厚みは約0.15mmであっ
た。 実施例3 基体樹脂には無着色ポリプロピレン樹脂(三菱化学製ポ
リプロEA9)を用い、強化繊維として炭素繊維チョッ
プ(東邦レーヨン製ベスファイトHTA−C6−SR)
(CF/PPと略す。)を用いた以外は実施例1と同様
にして雨樋1を作成した。 実施例4 表層樹脂には、実施例2と同じAESアロイを用いた以
外は、実施例3と同様にして図1に示す雨樋1を作成し
た。 実施例5 図5に示される装置を用い、基体樹脂には無着色ポリプ
ロピレン樹脂(三菱化学製ポリプロEA9)を用い、強
化繊維としてガラスチョップ(日東紡製CS3PE95
6)(無着色PPと略す。)を5容量%投入した。
【0044】接着剤には、着色SEBS(着色したスチ
レン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合樹脂、三菱
化学製ラバロンSE5400)を用いた。
【0045】また、表層樹脂には、三菱レイヨン製着色
アクリル樹脂(商品名アクリペットVH)(単にアクリ
ルと略す。)を用いた。
【0046】得られた雨樋5は、図2に示す形状であ
り、幅約10cm、高さ約4cmである。また、このと
きの基体層2の厚みは約1.5mm、接着層4の厚みは
約0.05mm、表層3の厚みは約0.1mmであっ
た。 実施例6 表層樹脂には、着色AES樹脂(商品名ユニブライトU
B−400)(AESと略す。)を単独で用いた以外
は、実施例5と同様にして図2に示す雨樋5を作成し
た。 比較例1 基体樹脂には着色されたポリプロピレン樹脂に替えて無
着色のポリプロピレン樹脂(三菱化学製ポリプロEA
9)(無着色PPと略す。)を用いた以外は実施例1と
同様にして、雨樋1を製作した。 比較例2 基体樹脂には無着色PPを用いた以外は実施例2と同様
にして、雨樋1を製作した。 比較例2 表層樹脂には、AESアロイを用い、表層3の厚みを厚
くした以外は、比較例1と同様にして図1に示す雨樋1
を作成した。このときの基体層2の厚みは約1.5m
m、表層3の厚みは約0.15mmであった。
【0047】実施例及び比較例のそれぞれに用いた材料
から基材及び表層を別途に作成した場合の色調を測定
し、結果を表1に示した。なお、このときの表層の厚み
はいずれも0.13〜0.15mmの範囲内であり、可
視光透過率(表層透過率)は、この表層樹脂の透過係数
から表層の厚みを考慮して算出した。
【0048】
【表1】 また、得られた積層体から部位を変えて計5点の色調を
測定し、その平均値を平均L*、平均a*、平均b*とし
て表2に示した。また、測定された5点間での相互の色
差(ΔE)を求め、それらの最大値を最大色差(最大Δ
E)として表2に併せて示した。この最大色差が小さい
ほど色ムラが少ないことが示される。
【0049】
【表2】 実施例及び比較例の積層体の表層はいずれも0.4〜
0.5と比較的大きな透過率を有して隠蔽性が低いにも
かかわらず、実施例に従う積層体の最大色差はいずれも
小さく、色ムラが殆ど認められない。
【0050】実施例1と比較例1との対比から、基材樹
脂として着色されてL*の小さいものを用いると、最大
色差が小さくなり、色ムラが減少されることが理解され
る。
【0051】実施例1、2及び比較例1、2との対比か
ら、表層樹脂材料を変化させても、同様な効果が得られ
ることが理解される。
【0052】また、実施例3、4に示されるとおり、こ
の基材は、着色剤に代えて、カーボン繊維などの着色さ
れた補強材を用いても、そのL*が本発明の範囲内にな
れば、同様の効果が期待されることが理解される。
【0053】また、実施例5、6に示されるとおり、基
体樹脂が着色されていなくても、接着剤などの中間層を
間に介在させて、その中間層を含めて基材のL*が本発
明の範囲内にあれば、同様に色ムラが減少されることが
理解される。
【0054】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、基材層の明度
を下げて可視光反射を抑制することにより、隠蔽性の低
い樹脂を表層に用いても、色ムラを起こすことがない。
【0055】請求項2の発明によれば、この基材樹脂や
表層樹脂の彩度を抑えて、色調をグレーから黒系に制限
することにより、色ムラは一層抑制される。
【0056】請求項3の発明によれば、接着層を含む基
材層を用いるので、表層に接着性の低い樹脂を選択して
も、基材層と表層との接着性の向上が図れる。
【0057】請求項4の発明によれば、ポリオレフィン
系樹脂を主体とした基材層と、アクリル系樹脂を主体と
した表層とから構成されるので、ポリオレフィン系樹脂
の良好な性質を維持しつつ、その欠点である耐候性や着
色性などがアクリル系樹脂からなる表層により改良され
る。
【0058】請求項5の発明によれば、請求項1〜請求
項4に記載の積層体は、雨樋として利用され、表層樹脂
に完全な隠蔽性が無くても、外観上の色ムラを防ぐこと
ができる。
【0059】請求項6の発明によれば、積層体は表層と
基材層とが共押し出しにより押し出し成形されているの
で、製造工程が一工程で製造できる、という実用上有益
な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の積層体としての雨樋を説明する断
面図である。
【図2】実施の形態の積層体としての雨樋を説明する断
面図である。
【図3】実施の形態の積層体を製造するための成形装置
を説明するための工程図である。
【図4】実施の形態の積層体を製造するための成形装置
を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1、5 雨樋(積層体) 2 基体層(基材層) 3 表層 4 接着層(中間層)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光線透過率が0.6よりも小さい表
    層と、 L***色調表示で、明度指数L*が40よりも小さい
    基材層とからなる積層体。
  2. 【請求項2】 前記表層及び/又は前記基材層は、L*
    **色調表示で、赤色度a*が−10より大きく10
    より小さい範囲にあり、黄色度b*が−10より大きく
    10より小さい範囲にあることを特徴とする請求項1に
    記載の積層体。
  3. 【請求項3】 前記基材層は、接着層を含むことを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の積層体。
  4. 【請求項4】 前記基材層は、ポリオレフィン系樹脂を
    主体とし、前記表層は、アクリル系樹脂を主体としたこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層体。
  5. 【請求項5】 前記積層体は、雨樋形状に成形された被
    覆雨樋であることを特徴とする請求項1〜請求項4のい
    ずれか1項に記載の積層体。
  6. 【請求項6】 前記積層体は表層と基材層とが共押し出
    しにより押し出し成形されていることを特徴とする請求
    項1〜請求項5のいずれか1項に記載の積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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