JPH06278187A - ガラス繊維強化シートの製造方法 - Google Patents

ガラス繊維強化シートの製造方法

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JPH06278187A
JPH06278187A JP3337752A JP33775291A JPH06278187A JP H06278187 A JPH06278187 A JP H06278187A JP 3337752 A JP3337752 A JP 3337752A JP 33775291 A JP33775291 A JP 33775291A JP H06278187 A JPH06278187 A JP H06278187A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 きわめて優れた外観を有し、落錘衝撃強
度、かつ剛性が改良された成形品を得ることのできるガ
ラス繊維強化シートを容易に得ることを目的とする。 【構成】 コア層として下記(A)を、コア層の片側
もしくは両側を覆うスキン層として下記(B)を用い、
またスキン層の厚みが、片側で 0.5mm以上かつコア層の
厚みの20%以上 100%以下に多層押出成形することを特
徴とするガラス繊維強化シートの製造方法:(A)ガラ
ス繊維ロービングに熱可塑性樹脂を含浸させ 5mm以上30
mm以下の長さに切断したペレット、(B)繊維状強化材
を含まない熱可塑性樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた外観、落錘衝撃
強度、剛性を有する成形品を得ることのできるガラス繊
維強化シートを容易に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス長繊維補強材にポリプロピレン、
ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂を含浸さ
せた、ガラス繊維強化シート、いわゆるガラス長繊維を
用いたスタンパブルシートは、従来のガラス短繊維によ
る補強品と比べて耐衝撃性が高く、また、金属材料と比
べて軽量性に優れるうえ加工工数の削減にもなることか
ら、自動車用などの各種構造部品で金属代替が進んでい
る。
【0003】ガラス繊維強化シートは、一般に、連続繊
維のランダムマットやチョップドストランドマットなど
の補強繊維マットとシート状に押出した溶融樹脂をラミ
ネートし加熱圧着する方法、または、ガラス繊維チョッ
プドストランドと樹脂パウダーとを水中でスラリー状に
して混合したのち、紙抄きの要領で脱水、乾燥して加熱
圧着する方法により製造されている。前者はラミネート
法、後者は抄紙法と呼ばれている。このガラス繊維強化
シートの成形は、成形する製品の重量や形状に合わせた
所定の寸法に裁断し、赤外線ヒーターなどの加熱装置で
両面より樹脂の融点付近の温度に、もしくは融点以上の
温度に加熱したのち、金型によって賦形する方法で行わ
れる。
【0004】ところが、このガラス繊維強化シートおよ
びその成形品は、表面に露出した繊維のために外観が非
常に悪く、また、落錘衝撃強度がいまだ不充分で、衝撃
をうけたときぜい性破壊は起こさないものの表面にクラ
ックが入りやすいという欠点を有しており、その用途は
限定されているのが実状である。さらに、このガラス繊
維強化シートは、かさ高で反発弾性の大きいガラス長繊
維により強化されているため、成形の際、融点以上の温
度に加熱された場合には、樹脂による包囲力が弱まって
繊維がスプリングバックを起こし、シートは膨張して繊
維が表面から突出するという現象が起こる。次いで金型
に移される間に、突出した繊維とシート表面は冷えはじ
めてしまうため、賦形の際、一旦突出した繊維は再び完
全に元と同じようには樹脂で覆われることができないう
え、加圧による折れも生ずる。この樹脂で覆われ得なか
った繊維や折れた繊維の端部は、成形品外観をより一層
悪化させる原因となっている。繊維の突出は、ラミネー
ト法により製造されたガラス繊維強化シートの場合に特
に顕著である。
【0005】外観の改良された成形品を得るために、特
定深さのシボを設けた成形金型により成形するという方
法(特公平3-17653 )や、特定含有量の結晶化促進剤を
配合したポリエチレンテレフタレート系樹脂をマトリク
スとするガラス繊維強化シート(特公平3-47294 )が提
案されている。また、融点以上に加熱した際のガラス繊
維の突出を押さえるため、ガラス繊維強化シートを特定
被覆材にて被覆した状態で加熱し、樹脂軟化後、被覆材
を剥離除去して成形する方法が提案されている(特開平
3-104612)。さらには、非連続の強化繊維を、中心から
表面に向かって集束本数の多い繊維層から少ない繊維層
へと連続的に変化する傾斜的構造をもって分散させたガ
ラス繊維強化シートもまた提案されている(特開平3-47
740 )。しかしながら、いずれも外観の充分な改良には
至っていないばかりか、落錘衝撃強度はまったく改良さ
れないのが現状である。抄紙法により製造されたガラス
繊維強化シートの加熱圧着前のウエブにカーボンブラッ
クや熱可塑性樹脂などの粒状物質の表面層を接合する方
法もまた提案されている(特開平3-65312 )が、やはり
外観の充分な改良には至っていない。
【0006】さらに、ガラス繊維強化シートよりもガラ
ス繊維充填割合の低いスキン層用シートを当該シートに
重ねて融点以上の温度に加熱、成形する方法が提案され
ている(特開平3-115330)。また、金型内で、非強化熱
可塑性樹脂シートもしくはこれをプリフォームしたも
の、あるいは熱可塑性樹脂パウダーを、溶融したガラス
長繊維強化シートと重ね、当該シートの熱によりこれら
を一旦溶融させながら、成形固化する方法も提案されて
いる(特開平3-99812 )。また、外観や機械的強度を改
良するために特定組成物のスキン層シートを加熱接合し
たガラス繊維強化シートが提案されている(特開平3-13
8146)。
【0007】ところが、これらの方法ではいずれも、ス
キン層用シートをガラス繊維強化シートと別に製造、裁
断、もしくはさらにプリフォームしなければならず、あ
るいは樹脂パウダーを使用する場合には取扱い性が悪く
なり、工程が煩雑とならざるを得ない。しかも、コア層
としてラミネート法により製造されたガラス繊維強化シ
ートを使用し、これを融点以上に加熱した場合には、ガ
ラス繊維がスキン層を通して突出し、成形品外観が悪化
するという問題のあることが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、融点以
上に加熱成形加工してもガラス繊維の突出がなく、きわ
めて優れた外観を有し、かつ落錘衝撃強度が改良された
成形品を得ることのできるガラス繊維強化シートを容易
に製造する方法の開発が望まれていながら、いまだ充分
に満足なものが提供されていない。従って、本発明の目
的は、上述のごとく優れた特性を有するガラス繊維強化
シートを容易に製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本来、ガラス繊維ロービ
ングに熱可塑性樹脂を含浸させたのち所望の長さに切断
することにより製造されるペレット(以下、LFTPと
省略することがある)は、射出成形用として開発された
ものであり、ガラス繊維長は15mm以下が一般的であっ
た。というのは、射出成形では、溶融樹脂をきわめて高
速で流動させるため金型のコーナー部などでの衝突によ
るガラス繊維の折れが著しく、15mmを越える繊維長のL
FTPを用いても無意味だからである。本発明者らは、
このLFTPを押出成形に用いたところ、ガラス繊維の
折れが意外にも少なく、15mmを越える繊維長のものであ
っても有効に使用でき、しかも繊維同志が良くからみあ
い、良好なシートを作製できることを見出した。さらに
前述のごとく、LFTPをコア層とする多層押出成形を
行うことにより、外観や落錘衝撃強度、剛性に優れたガ
ラス繊維強化シートが容易に得られることを見出し、本
発明に到達したのである。本発明者らは鋭意研究の結
果、ガラス繊維強化ペレットをコア層に、繊維状強化材
を含まない熱可塑性樹脂をスキン層に多層押出する方法
が本発明の目的の達成に有効であることを見出し、本発
明に到達した。
【0010】すなわち本発明は、コア層として下記
(A)を、コア層の片側もしくは両側を覆うスキン層と
して下記(B)を用い、またスキン層の厚みが、片側で
0.5mm以上かつコア層の厚みの20%以上 100%以下に多
層押出成形することを特徴とするガラス繊維強化シート
の製造方法:(A)ガラス繊維ロービングに熱可塑性樹
脂を含浸させ 5mm以上30mm以下の長さに切断されたペレ
ット、(B)繊維状強化材を含まない熱可塑性樹脂であ
る。本発明における(A)のペレットとは、ガラス繊維
ロービングに熱可塑性樹脂を含浸させたのち所望の長さ
に切断することにより製造されるペレット状材料を意味
する。含浸方法については特に制限はなく、ロービング
を樹脂粉体流動床中に通してこれに樹脂粉体を付着させ
たのち、樹脂の融点以上に加熱して樹脂を含浸させる方
法(特公昭52-3985 )、クロスヘッドダイを用いてロー
ビングに溶融樹脂を含浸させる方法(特開昭62-60625、
特開昭63-132036 、特開昭63-264326、特開平1-20811
8)、樹脂繊維とガラス繊維ロービングとを混繊したの
ち樹脂の融点以上に加熱して樹脂を含浸させる方法(特
開昭61-118235 )など、いずれであってもかまわない。
【0011】本発明の(A)ペレットのペレット長は、
5 mm以上であり、30mm以下であることが望ましい。5 mm
未満では、落錘衝撃強度などの耐衝撃特性が低下するの
で避けるべきである。逆に30mmを越えると、押出成形機
へのフィードが困難となるため実用的でない。本発明の
(A)ペレットのマトリクスに用いられる樹脂は、熱可
塑性樹脂であり、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの
ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、PBT
などのポリエステル、6ナイロン、66ナイロンなどのポ
リアミドなどがなんら制限なく使用できる。
【0012】本発明における(B)の熱可塑性樹脂は、
上記ガラス長繊維を有する(A)ペレットからなるシー
トを覆うスキン層であるため、繊維状強化材を実質的に
含まないものである。この(B)の熱可塑性樹脂として
は、上述(A)ペレットに用いられる熱可塑樹脂が同じ
く制限なく使用可能である。またコア層、スキン層で層
剥離起こさない充分な接着強度が得られるため(B)の
熱可塑性樹脂は、(A)ペレットのマトリクス樹脂と同
一かもしくは相溶性のあるものがものが好ましい。
【0013】(A)ペレットと(B)の熱可塑樹脂によ
る多層押出成形については、2台の押出成形機と多層ダ
イスを用いた従来公知の方法がなんら制限なく用いるこ
とができる。ただし(A)ペレットの可塑化に関して
は、ガラス繊維の折れと開繊性のバランスを考えて、ス
クリュー圧縮比やスクリュー回転数などの条件を決定す
べきである。多層ダイスは二種二層のものでも二種三層
のものでもどちらでもかまわず、要求される製品性能に
より決定される。すなわち、両面で高外観や高耐衝撃性
が要求される場合には二種三層ダイスを使用することが
できる。
【0014】本発明のガラス繊維強化シートのスキン層
厚みは、 0.5mm以上でかつコア層の厚みの20%以上 100
%以下である。このとき外観ばかりでなく落錘衝撃強度
も大きく改良される。ここでいう厚みの範囲は、片側の
スキン層に関するものであり、二種三層ダイスを使用し
た場合にはそれぞれのスキン層でもこの範囲内でなけれ
ばならない。0.5mm 未満もしくはコア層の厚みの20%未
満である場合には、成形時にガラス繊維が露出して、外
観も落錘衝撃に対するクラックの入りにくさも改善され
ないため避けるべきである。逆に 100%を越える場合に
は、繊維強化の効果が薄くなり、剛性が大きく低下する
一方で落錘衝撃に対してもぜい性破壊を起こしやすくな
るため好ましくない。さらに特筆すべきは、本発明製造
方法によるガラス繊維強化シートは、同一シート厚みを
有するスキン層なしのガラス繊維強化シートと比べて
も、コア層厚みとしては若干薄いにもかかわらず落錘衝
撃に対するクラックの入りにくさが改良されているとい
うことである。
【0015】本発明により得られたガラス繊維強化シー
トの後加工は、最終成形品の投影面積とほぼ同じかそれ
以上の大きさのシートを加熱して金型により賦形する成
形、すなわちスタンピング成形、真空、圧空成形で成形
できる。この成形加工方法は、樹脂の大きな流動を伴わ
なず、最終成形品のスキン層厚みをある程度保持でき外
観や落錘衝撃強度が改良されるため好ましい成形方法で
ある。
【0016】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定され
るものではない。なお、評価方法は次のとおりである。 (1)外観 ガラス繊維強化シートとその成形品につき目視にて観察
した。ガラス繊維の露出がなく外観に優れる場合には
◎、ガラス繊維の露出がきわめて多く外観に劣る場合に
は×、◎と×の中間は、◎に近い方を○、×に近い方を
△の計4段階で判定した。
【0017】(2)落錘衝撃強度 ASTM-D-3029 F法に準拠した。成形品の平らな部分より
50mm×50mmの試験片を切り出し、一定高さ方式でスキン
層側より打撃を与え、測定を行った。打撃子は径12.7mm
のもの、試験片支持台は穴径38.1mmのものを使用し、試
験片はクランプせずフリーとした。破壊の判定について
は、試験片の打撃側表面にクラックが生じた時点を破壊
とみなした。 (3)剛性 JIS K-7203に準拠した。成形品の平らな部分より10mm×
100mm の試験片を切り出して測定した。
【0018】(実施例1)ポリプロピレン樹脂とテック
ス番手2200g/km、平均繊維径23μのガラス繊維ロービン
グとにより、クロスヘッドダイを有する単軸押出機を用
いて引抜成形された、繊維含有量40wt%、長13mmのペレ
ットをコア層とし、また、非強化のポリプロピレン樹脂
をスキン層として二種二層の多層押出成形を行った。コ
ア層、スキン層の厚みはそれぞれ3mm、1mm(従ってシ
ート厚みは4mm)となるよう調整した。得られたガラス
繊維強化シートは、ガラス繊維で強化されたコア層がス
キン層で均一に覆われ、外観の非常に良好なものであっ
た。
【0019】このガラス繊維強化シートは、320mm×320
mmに裁断して赤外線ヒーターにより表面温度 220℃に加
熱軟化させ、60℃に保たれた300mm×300mm×高さ30mmの
金型2(図1)に載置して成形品3(図2)を成形し
た。加熱の際はガラス繊維の突出もなく、良好な外観を
有する成形品を得ることができた。成形品の平らな部分
からは試験片を切り出し、落錘衝撃強度を測定したが、
良好であった。以上の結果を表1に示した。
【0020】(比較例1)平均繊維径23μのガラス繊維
ケーキをマット状にしてニードルパンチングしたガラス
マットと溶融ポリプロピレン樹脂とをラミネートし、加
熱加圧によりガラスマットにポリプロピレン樹脂を含浸
させて、厚さ4mm、繊維含有量40wt%のラミネート法シ
ートを調製した。得られたラミネート法シートは、表面
にガラス繊維が露出し、外観は不良であった。以下、実
施例1と同様にして成形と評価を行ったが、成形品外観
は不良で、落錘衝撃に対して表面クラックの非常に入り
やすいものであった。
【0021】(比較例2)平均繊維径23μ、チョップ長
さ20mmのガラス繊維チョップドストランドとポリプロピ
レン樹脂パウダーとを水中で攪はん混合し、紙抄きの要
領で脱水、乾燥したウエブを数枚重ねて加熱圧着し、厚
さ4mm、繊維含有量40wt%の抄紙法シートを調製した。
得られた抄紙法シートは、表面にガラス繊維が露出し、
外観は不良であった。以下、実施例1と同様にして成形
と評価を行ったが、成形品外観は不良で、落錘衝撃に対
して表面クラックの非常に入りやすいものであった。
【0022】(比較例3)スキン層用として、非強化の
ポリプロピレン樹脂を押出成形して作製したシートを、
コア層用としては、シート厚みを3mmにするほかは比較
例1と同様な方法で調製したラミネート法シートをそれ
ぞれ用意した。これらを再加熱して融着させ、スキン層
1mm、コア層3mm(従ってシート厚みは4mm)の多層ラ
ミネート法シートを製造した。この製造方法は、スキン
層用シートとラミネート法シートを別々に作製せねばな
らず、これらを融着させる必要があり、工程が非常に煩
雑であった。また、実施例1と同様にして成形と評価を
行ったが、シートの外観は非常に良好であったにもかか
わらず、加熱の際にガラス繊維がスキン層を貫通して突
出し、成形品の外観や落錘衝撃強度は劣るものであっ
た。
【0023】(実施例2)二種三層のダイスを使用しス
キン層、コア層、スキン層の厚みはそれぞれ1mm、3m
m、1mm(従ってシート厚みは5mm)となるよう調整し
た以外は実施例1に準じシートを作成した。得られたガ
ラス繊維強化シートは、両面がスキン層で覆われ外観の
非常に良好なものであった。以下実施例1に準じて、成
形と評価を行ったが、加熱の際はガラス繊維の突出もな
く、良好な外観を有する成形品を得ることができた。
【0024】(実施例3〜6、比較例4〜9)ガラス繊
維長、すなわちLFTPのペレット長、およびスキン層
とコア層の厚みを、表2および表3に記載の条件に調整
するほかは、実施例1と同様にしてガラス繊維強化シー
トの作製、成形を実施した。表3に記載の実施例、比較
例においては、スキン層とコア層のトータルの厚みがい
ずれも4mmとなるよう調整した。成形品の平らな部分か
らは試験片を切り出し、落錘衝撃強度と剛性を評価し
た。実施例3〜6より、本発明によるガラス繊維強化シ
ートは、いずれも加熱によるガラス繊維の突出もなく、
その成形品は外観や落錘衝撃強度が大きく改良され、し
かも剛性にも優れるものであった。
【0025】一方、比較例4は、ガラス繊維が短すぎた
場合であるが、満足な落錘強度が得られていない。比較
例5は、ガラス繊維が長すぎた場合、すなわちペレット
長が長すぎた場合の例であるが、押出成形機へのフィー
ドが困難となりシートの製造ができなかった。比較例6
は、スキン層を設けなかった場合の例であるが、外観も
落錘衝撃強度も改良されていない。比較例7は、スキン
層は設けたものの厚みが薄すぎた例であるが、成形時に
一部のガラス繊維が表面に露出し、成形品の外観と落錘
衝撃強度が不満足なものとなった。これら比較例6、7
とも、実施例5、6と比べればコア層厚みは厚いにもか
かわらず、落錘衝撃に対するクラックの非常に入りやす
いものであった。比較例8は、スキン層の厚みが厚すぎ
た場合の例であるが、外観については良好であるものの
落錘衝撃に対してはぜい性破壊を起こし、また剛性が大
きく低下している。比較例9はスキン層のみ、すなわち
非強化樹脂シートによる成形品の例であるが、繊維強化
されていないために落錘衝撃強度と剛性はまったく劣っ
ているものであった。
【0026】(実施例7、比較例10〜11)ガラス繊維
長、およびスキン層、コア層の厚みを表4に記載の条件
に調整するほかは実施例1と同様にしてガラス繊維強化
シートを作製した。スキン層、コア層のトータルの厚み
はいずれも 1.3mmとなるよう調整した。得られたシート
は、外観を評価するとともに、320mm×320mmに裁断して
赤外線ヒーターにより 160℃に加熱軟化させ、60℃に保
たれた300mm×300mmの金型2(図1)に載置して成形し
た。成形品については、実施例1と同様にして評価を行
った。結果は表4に示した。
【0027】実施例7は、本発明によるガラス繊維強化
シートの例であるが、外観、落錘衝撃強度、剛性ともに
優れるものであった。比較例10は、スキン層厚みが薄す
ぎる場合であるが、外観も落錘衝撃強度も改良されてい
ない。比較例11は、スキン層厚みが厚すぎる場合である
が、落錘衝撃強度や剛性が低下している。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【発明の効果】従来のガラスマットと溶融樹脂とをラミ
ネートしたシート、抄紙法によるシートの製造方法と異
なり、本発明の製造方法は、ガラス繊維強化ペレットを
コア層とし、繊維強化していない熱可塑性樹脂をスキン
層と多層押出成形するので、簡素な工程で容易に製造す
ることできる。本発明のガラス繊維強化シートをスタン
ピング成形などにより成形した成形品は、特定のペレッ
トをコア層とし、このペレットの長さ、スキン層の厚
み、およびスキン層とコア層の厚みの比を特定したの
で、きわめて良好な外観を有し、落錘などのような衝撃
に対してクラックが入りにくく、かつ剛性にも優れてい
た。本発明のガラス繊維強化シートは、従来のガラスマ
ットをラミネートしたものと異なって、あらかじめガラ
ス繊維間に樹脂が含浸された状態のペレットをコア層に
多層押出成形したものであるため、ガラス繊維に残留す
る応力が小さく、樹脂融点以上にスタンピング成形して
もガラス繊維の突出がほとんどみられない。従って、本
発明の製造方法によれば、ガラス繊維強化シート生産性
の向上がはかれるほか、得られたガラス繊維強化シート
は、スタンピング成形、真空、圧空成形して、あるいは
そのままで、各種構造部品として幅広く使用することが
可能となった。ことに良好な外観や落錘衝撃強度をいか
し、表面を構成する部品として好適に使用することがで
きる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】スタンピング成形の1工程であって、ガラス繊
維強化シート加熱ブランクを金型に載置した状態を表す
概略断面図である。
【図2】得られる成形品の形状をあらわす概略側面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・ ガラス繊維強化シート加熱ブランク、2・・・ 金
型、3・・・ 成形品。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア層として下記(A)を、コア層の
    片側もしくは両側を覆うスキン層として下記(B)を用
    い、またスキン層の厚みが、片側で 0.5mm以上かつコア
    層の厚みの20%以上 100%以下に多層押出成形すること
    を特徴とするガラス繊維強化シートの製造方法: (A)ガラス繊維ロービングに熱可塑性樹脂を含浸させ
    5mm以上30mm以下の長さに切断したペレット、(B)繊
    維状強化材を含まない熱可塑性樹脂。
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