JP2006193735A - 繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリプロピレン樹脂20〜95重量%と、重量平均繊維長が2〜100mmであり、平均繊維径が20〜30μmであるガラス繊維80〜5重量%を含有する繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物、ペレット、および、その成形体。
また、ポリプロピレン樹脂99.9〜60重量%と、変性ポリオレフィン樹脂0.1〜40重量%とを含有する樹脂混合物と、前記の樹脂混合物100重量部に対して、重量平均繊維長が2〜100mmであり、平均繊維径が20〜30μmであるガラス繊維5〜400重量部を含有する繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物、ペレット、および、その成形体。
【選択図】なし
Description
例えば、“界面制御と複合材料設計”(井出文雄著、シグマ出版(1995年発行))の第6章には、ガラス繊維を用いて、機械的強度が強化されたポリプロピレン樹脂組成物が記載されている。
すなわち、本発明は、
ポリプロピレン樹脂(成分(A))20〜95重量%と、重量平均繊維長が2〜100mmであり、平均繊維径が20〜30μmであるガラス繊維(成分(B))80〜5重量%を含有する繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物(ただし、繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物の全量を100重量%とする)に係るものである。
ポリプロピレン樹脂(成分(A))99.9〜60重量%と、変性ポリオレフィン樹脂(成分(C))0.1〜40重量%とを含有する樹脂混合物(D)と(ただし、樹脂混合物(D)の全量を100重量%とする)、前記の樹脂混合物(D)100重量部に対して、重量平均繊維長が2〜100mmであり、平均繊維径が20〜30μmであるガラス繊維(成分(B))5〜400重量部を含有する繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物に係るものである。
そして、ポリプロピレン(成分(A))の製造方法としては、例えば、“新ポリマー製造プロセス”(佐伯康治編集、工業調査会(1994年発行))、特開平4−323207号公報、特開昭61−287917号公報等に記載されている重合法が挙げられる。
平均繊維径の標準偏差は、ガラス繊維のSEM観察写真(倍率:200倍以上)を、画像解析装置で解析することにより算出する。解析をするのに必要なデータの数は300以上である。
(1)本発明で用いられる成分(A)(ポリプロピレン樹脂)とは異なるオレフィンの単独重合体、少なくと二種のオレフィンの共重合体、または、オレフィンを単独重合した後に少なくとも2種のオレフィンの共重合部をブロック的に重合して得られるブロック共重合体に、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト重合したもの、
(2)少なくとも1種のオレフィンと、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を共重合したもの
である。
不飽和カルボン酸および/またはその誘導体として、好ましくはアクリル酸のグリシジルエステル、メタクリル酸のグリシジルエステル、無水マレイン酸である。
(1)エチレンおよび/またはプロピレンに由来する単位をポリマーの主な構成単位とするポリオレフィン樹脂に、無水マレイン酸をグラフト重合することによって得られる変性ポリオレフィン樹脂、
(2)エチレンおよび/またはプロピレンを主な成分とするオレフィンと、メタクリル酸グリシジルエステルまたは無水マレイン酸とを共重合することによって得られる変性ポリオレフィン樹脂
である。
また、ガラスフレーク、マイカ、ガラス粉、ガラスビーズ、タルク、クレー、アルミナ、カーボンブラック、ウォルスナイト等の板状、粉粒状の無機化合物や、ウィスカー等を配合してもよい。
(1)樹脂のエマルジョン、サスペンジョンあるいは溶液を入れた含浸液の中に繊維束を通し、樹脂を含浸させる方法、
(2)樹脂の粉末を繊維束に吹き付けたのち、または、粉末を入れた槽の中に繊維束を通し繊維に樹脂を付着させたのち、樹脂を溶融して含浸させる方法、
(3)クロスヘッドの中に繊維束を通しながら、押出機等からクロスヘッドに樹脂を供給し含浸させる方法
等が挙げられ、好ましくは、上記(3)のクロスヘッドを用いる方法であり、より好ましくは、特開平3−272830号公報等に記載されているクロスヘッドを用いる方法である。
(1)ガラス繊維強化ペレットの製造方法
特開平3−121146号公報に記載されている方法によって、ガラス繊維強化ペレットを製造した。なお、含浸温度は270℃、引取速度は13m/分で行った。
下記の日本製鋼所製成形機を用いて、下記の条件で、上記(1)で得られたガラス繊維強化ペレットを射出成形して、評価用サンプルを製造した。
なお、白斑指数測定用サンプルとしては、150mm×150mm、3mm厚の平板を成形し、評価した。なお、原料配合時に、ガラス繊維強化ペレット100重量部に対して、顔料マスターバッチ(カーボンブラック濃度14重量%)を1重量部添加し、黒色に着色した。
日本製鋼所製成形機
型締力 :150t
スクリュー :長繊維深溝スクリュー
スクリュー径 :46mm
スクリューL/D:20.3
成形条件
シリンダー温度:250℃
金型温度 :50℃
背圧 :0MPa
(1)曲げ弾性率(単位:MPa)
A.S.T.M D790に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル厚み:3.2mm
スパン :50mm
引張速度 :2mm/分
A.S.T.M D790に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル厚み:3.2mm
スパン :50mm
引張速度 :2mm/分
A.S.T.M D256に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル厚み:3.2mm[Vノッチあり]
EPSON社製スキャナーGT−9600を用い、階調256段階、解像度50dpi,露出20、ガンマ50、ハイライト61、シャドウ60、しきい値110の条件で、上記(2)で得られた平板10枚の画像をコンピューターに取り込んだ(解析面積2186cm2)。取り込んだ画像を旭エンジニアリング社製高精細画像解析ソフト(IP−1000PC)の粒子解析機能を用い、白斑点の面積を算出した。白斑指数は、比較例1の白斑点の面積を100としたときの各サンプルの面積の割合を指数化した。
特開2002−5924号公報に記載されている方法によって、白斑指数測定用に成形した平板を用い、重量平均繊維長を測定した。
SEMによりガラス繊維の写真(倍率:200倍)を撮影した。得られた写真を、画像処理装置(ニレコ社製「ルーゼックスAP」)を用いて解析し、平均繊維径およびその標準偏差を算出した。なお、解析のn数は、300であった。
特開平3−121146号公報に記載されている方法によって、表1に記載した組成で、ガラス繊維の含有量が40重量%であり、ペレット長が9mmのガラス繊維強化ペレットを作成した。用いたポリプロピレン樹脂は、プロピレン単独重合体(MFR=80g/10分)であり、用いたガラス繊維は、平均繊維径16μm、平均繊維径の標準偏差1.5μm、番手2235g/km、集束本数2000本であり、用いた変性ポリオレフィン樹脂は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(MFR=60g/10分、無水マレイン酸グラフト量=0.6重量%)であった。さらに得られたガラス繊維強化ペレットを射出成形した。得られたサンプルの曲げ弾性率、曲げ強度、IZOD衝撃強度、白斑指数、残存重量平均繊維長を表1に示した。なお、用いた無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂は、特開2002−308947公報に記載された方法によって作成した。
比較例1において用いたガラス繊維を、平均繊維径19μm、平均繊維径の標準偏差1.7μm、番手3100g/km、集束本数4000本に変更した以外は、比較例1と同様にして評価した。なお、用いたガラス繊維の収束剤は、変更しなかった。
比較例1において用いたガラス繊維を、平均繊維径19μm、平均繊維径の標準偏差1.5μm、番手1550g/km、集束本数2000本に変更した以外は、比較例1と同様にして評価した。なお、用いたガラス繊維の収束剤は、変更しなかった。
比較例1において用いたガラス繊維を、平均繊維径23μm、平均繊維径の標準偏差1.9μm、番手2060g/km,集束本数2000本に変更した以外は、比較例1と同様にして評価した。なお、用いたガラス繊維の収束剤は、変更しなかった。
特開平3−121146号公報に記載されている方法によって、表1に記載した組成で、ガラス繊維の含有量が40重量%であり、ペレット長が9mmのガラス繊維強化ペレットを作成した。用いたポリプロピレン樹脂は、プロピレン単独重合体(MFR=80g/10分)であり、用いたガラス繊維は、平均繊維径17μm、平均繊維径の標準偏差2.1μm、番手2310g/km、集束本数4000本であり、用いた変性ポリオレフィン樹脂は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(MFR=60g/10分、無水マレイン酸グラフト量=0.6重量%)であった。さらに得られたガラス繊維強化ペレットを射出成形した。得られたサンプルの曲げ弾性率、曲げ強度、IZOD衝撃強度、白斑指数、残存重量平均繊維長を表1に示した。なお、用いた無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂は、特開2002−308947公報に記載された方法によって作成した。
比較例4で用いられたペレット長が9mmのガラス繊維強化ペレットを、さらに二軸押出機で溶融混練してペレット化した、得られたペレットを射出成形し、比較例3と同様にして評価した。なお、溶融混練に用いた二軸押出機は、(株)テクノベル社製二軸押出機(型式:KZW15−45MG、同方向回転型、15mmφ、L/D=45)であり、混練温度は220℃であった。
比較例4において用いたガラス繊維を、平均繊維径23μm、平均繊維径の標準偏差2.5μm、番手2310g/km、集束本数2000本に変更した以外は、比較例3と同様にして評価した。なお、用いたガラス繊維の収束剤は、変更しなかった。
B−1:ガラス繊維
(平均繊維径22μm、平均繊維径の標準偏差1.9μm、番手2060g/km)
収束剤は、B−3と同じ。
B−2:ガラス繊維
(平均繊維径23μm、平均繊維径の標準偏差2.5μm、番手2310g/km)
収束剤は、B−6と同じ。
B−3:ガラス繊維
(平均繊維径16μm、平均繊維径の標準偏差1.5μm、番手2235g/km)
B−4:ガラス繊維
(平均繊維径19μm、平均繊維径の標準偏差1.7μm、番手3100g/km)
収束剤は、B−3と同じ。
B−5:ガラス繊維
(平均繊維径19μm、平均繊維径の標準偏差1.5μm、番手1550g/km)
収束剤は、B−3と同じ。
B−6:ガラス繊維
(平均繊維径17μm、平均繊維径の標準偏差2.2μm、番手2330g/km)
C−1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂
(MFR=60g/10分、マレイン酸グラフト量=0.6重量%)
これに対して、本発明の要件であるガラス繊維(成分(B))の平均繊維径を満足しない比較例1、2、3および4は、成形体の外観が不充分なものであることが分かる。また、本発明の要件であるガラス繊維(成分(B))の重量平均繊維繊維長を満足しない比較例5は、機械的強度が不充分であることが分かる。
Claims (5)
- ポリプロピレン樹脂(成分(A))20〜95重量%と、重量平均繊維長が2〜100mmであり、平均繊維径が20〜30μmであるガラス繊維(成分(B))80〜5重量%を含有する繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物(ただし、繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物の全量を100重量%とする)。
- ポリプロピレン樹脂(成分(A))99.9〜60重量%と、変性ポリオレフィン樹脂(成分(C))0.1〜40重量%とを含有する樹脂混合物(D)と(ただし、樹脂混合物(D)の全量を100重量%とする)、前記の樹脂混合物(D)100重量部に対して、重量平均繊維長が2〜100mmであり、平均繊維径が20〜30μmであるガラス繊維(成分(B))5〜400重量部を含有する繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物。
- ポリプロピレン樹脂(成分(A))が、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリプロピレン樹脂である請求項1または2に記載の繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物からなるペレットであって、前記のペレット中において、ガラス繊維(成分(B))が互いに平行な状態で配列している繊維強化ポリプロピレン樹脂樹脂組成物ペレット。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物または請求項4記載の繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物ペレットからなる成形体であって、前記の成形体中において、ガラス繊維(成分(B))の重量平均繊維長が1〜50mmである成形体。
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