JPH0661916B2 - 多層構造体 - Google Patents

多層構造体

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JPH0661916B2
JPH0661916B2 JP13451789A JP13451789A JPH0661916B2 JP H0661916 B2 JPH0661916 B2 JP H0661916B2 JP 13451789 A JP13451789 A JP 13451789A JP 13451789 A JP13451789 A JP 13451789A JP H0661916 B2 JPH0661916 B2 JP H0661916B2
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浩司 石畑
秀之 大橋
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Teijin Chemicals Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、耐衝撃性や耐熱性に優れ且つガスバリヤー性
に優れ、更に製造が容易な多層構造体に関する。
〈従来の技術〉 一般にポリカーボネート樹脂は透明性、耐衝撃性、耐熱
性に優れているが、水蒸気、酸素、二酸化炭素といった
気体に対しては比較的高い透過性を示す。この気体透過
性を改良する手段として、ポリカーボネート樹脂層に、
気体透過性の低い材料、即ちガスバリヤー性材料を積層
する方法が提案されている(特開昭61-222741号公報、
特開昭60-179255号公報)。ガスバリヤー性材料は慨し
て耐熱性に劣る。しかるに、ポリカーボネート樹脂は溶
融成形温度として約250℃以上の高温が必要であるた
め、ポリカーボネート樹脂とガスバリヤー性材料から共
押出し法によって多層構造体を製造する際に、ガスバリ
ヤー性材料が分解、発泡して所望の多層構造体が得られ
難いという問題があった。
〈発明の目的〉 本発明の目的は、ポリカーボネート樹脂を用いて耐衝撃
性、耐熱性のみならず、ガスバリヤー性に優れ、且つ容
易に製造可能な多層構造体を提供することである。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネート
樹脂に特定量のポリスチレン樹脂を配合し、更に特定の
ガスバリヤー性材料と特定の結合剤を選択使用すれば、
上記目的が達成し得ることを見出し、本発明に到達した
ものである。
〈発明の構成〉 本発明は、 (A)ポリカーボネート樹脂50〜95重量%及びポリスチレ
ン樹脂50〜5重量%よりなる混合樹脂層、 (B)エチレン−ビニルアルコール共重合体層及び (C)ポリオレフィン層 よりなり、これらの層は各層間に設けた結合層によって
接着されており且つ結合層が変性ポリオレフィンよりな
る多層構造体に係るものである。
本発明の多層構造体の(A)層を構成する一方の成分であ
るポリカーボネート樹脂は、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン[ビスフェノールA]を主とする
2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法又は溶
融法で反応させて得られるものである。カーボネート前
駆体としてはカルボニルハライド、カルボニルエステル
又はハロホルメート等があげられ、具体的にはホスゲ
ン、ジフェニルカーボネート、2価フェノールのジハロ
ホルメート等である。ポリカーボネート樹脂を製造する
に当たり、ビスフェノールAの一部を他の2価フェノー
ルで置換えることができ、また適当な分子量調節剤、反
応を促進させるための触媒、加工性改善のための分岐剤
等必要に応じて使用することができる。ポリカーボネー
ト樹脂の分子量は、通常粘度平均分子量で10,000〜100,
000、好ましくは15,000〜60,000である。
ポリカーボネート樹脂に混合するポリスチレン樹脂とし
ては、スチレンのホモポリマーのほか、少量の他のモノ
マーを共重合したもの、又は少量のゴム成分で変性した
ものを使用することができ、これらは市場から容易に入
手することができる。また、本発明の多層構造体は食品
の容器や包装体として使用することがあるので、食品関
係の規格に適合するポリスチレン樹脂を使用するのが好
ましい。
ポリスチレン樹脂の使用量は、ポリカーボネート樹脂と
の樹脂混合物の透明性、耐熱性、耐衝撃性、流動性と密
接に関連しており、ポリカーボネート樹脂50〜95重量%
にポリスチレン樹脂50〜5重量%であり、好ましい範囲
はポリカーボネート樹脂60〜90重量%にポリスチレン樹
脂40〜10重量%である。この範囲を外れると、上記性能
のバランスが崩れるようになる。特にポリスチレン樹脂
が、50重量%より多くなると透明性、耐熱性、耐衝撃性
が低下するようになり、5重量%より少なくなると多層
構造体の製造が困難になる。
ポリカーボネート樹脂とポリスチレン樹脂とを混合する
に際しては、任意の方法が採用される。例えば、両者を
タンブラー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、
混練ロール等で混練する方法、単軸又は2軸押出機で混
練押出す方法等があげられる。
(B)層を構成するエチレン−ビニルアルコール共重合体
は、エチレン(20〜50モル%)とビニルエステル(80〜
50モル%)の共重合体を加水分解して製造される。かか
るエチレン−ビニルアルコール共重合体としては、一般
に市販されているものを使用することができ、例えば日
本合成化学工業(株)より商品名ソアノールで、また
(株)クラレより商品名エバールで市販されている。
(C)層を構成するポリオレフィンは、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン等炭素
数2〜8のオレフィンモノマーから誘導されるものであ
り、ホモポリマーばかりでなく、これらの共重合体例え
ばエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブチレン
共重合体等であってもよい。また、種々の密度のポリオ
レフィン、例えば高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン等任意に使用される。
上記(A)層、(B)層及び(C)層を接着する結合層は、変性
ポリオレフィンで構成される。変性ポリオレフィンは、
ポリオレフィンをビニルエステル及び/又は不飽和カル
ボン酸(又はその無水物)で変性したものである。ここ
で使用するポリオレフィンとしては、例えばエチレン、
プロピレン等のα−オレフィンのホモポリマー、又はエ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン-1共重
合体、エチレン−ヘキセン-1共重合体、プロピレン−ブ
テン-1共重合体等の共重合体をあげることができる。こ
れらポリオレフィンに共重合させるビニルエステルとし
ては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等をあげ
ることができ、不飽和カルボン酸又はその無水物として
は、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、
無水マレイン酸等をあげることができる。
かかる結合層成分としては、一般に市販されているもの
を使用することができ、例えば三井石油化学工業(株)
より商品名アドマーシリーズとして、また日本ユニカー
(株)より商品名NVCコポリマーシリーズとして市販さ
れている。
本発明の多層構造体を構成する(A)層、(B)層及び(C)層
の積層順位は任意でよいが、外層に(A)層、中層に(B)
層、内層に(C)層を配置する態様が好ましい。また、(A)
層、(B)層及び(C)層夫々の厚さは、特に制限する必要は
なく、目的とする用途によって適宜設定すればよい。な
お、(A)層、(B)層及び(C)層のいずれか1層、2層又は
全層に、必要に応じて添加剤、例えば耐熱安定剤、耐候
安定剤、帯電防止剤、着色剤、発錆防止剤等を配合する
ことができる。
本発明の多層構造体は、ダイ中でフィードブロックを通
す同時押出しする通常行なわれている技術、又はこれら
を組合せることによって容易に製造することができる。
〈発明の効果〉 本発明の多層構造体は透明性、耐衝撃性、耐熱性に優れ
且つガスバリヤー性にも優れたものであり、しかも、本
発明の多層構造体は、容易に且つ収率よく製造すること
ができる。
〈実施例〉 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例 直径が65mmのフルフライト型スクリューを内蔵した内層
用及び外層用押出機、直径が32mmのフルフライト型スク
リューを内蔵した中間層用押出機及び直径が40mmのフル
フライト型スクリューを内蔵した接着剤層用押出機と5
層用ダイを用い、下記の材料を外層側より(A)層30μ
m、結合層10μm、(B)層50μm、結合層10μm、(C)層
100μmの順で積層して4種5層の多層ボトルを成形し
たところ、収率は95%と極めて良好であった。
材料 (A)層:ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製;パ
ンライト L-1225L)70重量部とポリスチレン樹脂(電
気化学工業(株)製;デンカスチロール OP-2)30重量
部との混合樹脂 (B)層:エチレン−ビニルアルコール共重合体((株)
クラレ製;エバール EP-F101) (C)層:ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製;住友
ノーブレン Y-101) 結合層:変性ポリオレフィン(三井石油化学工業(株)
製;アドマー AT-469D) 各材料の押出温度は(A)層を220℃、(B)層を200℃、(C)
層を170℃、結合層を170℃に設定した。
比較例 実施例で用いた押出機で下記の材料を外層側より(A)層3
0μm、結合層10μm、(B)層50μm、結合層10μm、
(C)層100μmの順で積層して4種5層の多層ボトルを成
形したところ、収率は60%にしかならなかった。
収率の低い主な原因は、(B)層(エチレン−ビニルアル
コール共重合体層)のやけ及び発泡であった。
材料 (A)層:ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製;パ
ンライト L-1225L) (B)層:エチレン−ビニルアルコール共重合体((株)
クラレ製;エバール EP-F101) (C)層:ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製;住友
ノーブレン Y-101) 結合層:変性ポリオレフィン(三井石油化学工業(株)
製;アドマー VF-600) 各材料の押出温度は(A)層を250℃、(B)層を220℃、(C)
層を170℃、結合層を170℃に設定した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリカーボネート樹脂50〜95重量%及
    びポリスチレン樹脂50〜5重量%よりなる混合樹脂層、 (B)エチレン−ビニルアルコール共重合体層及び (C)ポリオレフィン層 よりなり、これらの層は各層間に設けた結合層によって
    接着されており且つ結合層が変性ポリオレフィンよりな
    る多層構造体。
JP13451789A 1989-05-30 1989-05-30 多層構造体 Expired - Fee Related JPH0661916B2 (ja)

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MY120638A (en) 1999-10-27 2005-11-30 Denki Kagaku Kogyo Kk Resin composition, molded product thereof and electroconductive sheet

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