JPH1020134A - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents

光導波路及びその製造方法

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JPH1020134A
JPH1020134A JP17915596A JP17915596A JPH1020134A JP H1020134 A JPH1020134 A JP H1020134A JP 17915596 A JP17915596 A JP 17915596A JP 17915596 A JP17915596 A JP 17915596A JP H1020134 A JPH1020134 A JP H1020134A
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JP
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layer
optical waveguide
refractive index
sio
core layer
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JP17915596A
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Inventor
Katsuyuki Imoto
克之 井本
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路が簡単な工程によって短時間且つロ
ーコストに製作することができるようにする。 【解決手段】 基板1上に、バッファ層2、Fを添加し
たSiO2 層3を順次成膜する。SiO2 層3に対し、
所定位置にレーザ光を照射してコア層4を形成する。更
に、コア層4及びSiO2 層3を覆うようにFを添加し
たSiO2 層5を成膜する。レーザ光が照射されること
により、その熱エネルギーによって照射部分のSiO2
層の屈折率が変化するので、これをコア層4として用い
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの接続
に用いるための光導波路及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】光ファイバの進展に伴い、光デバイスに
は大量生産性、高信頼性、結合の無調整化、自
動組み立て、低損失化等が要求されるようになり、こ
れらの課題を解決するために導波路の光デバイスが注目
されるようになってきた。光導波路の中で、特に、石英
系ガラス光導波路は、低損失で光ファイバとの接続損失
も非常に小さいため、将来の光導波路として有望視され
ている。
【0003】従来、石英系ガラス光導波路は、図9に示
す火炎堆積法が知られている。まず、(a)に示すよう
に、シリコン基板31上に石英ガラスからなるバッフア
用多孔質膜34a及びその膜上に屈折率制御用添加物
(Ti或いはGe等)を含んだ石英ガラスからなるコア
用多孔質膜32aを形成する。ついで、(b)に示すよ
うに、(a)の状態に対し加熱透明化によりバッファ層
34を持つ平面光導波路膜を形成する。次に、(c)及
び(d)に示すように、マスク35を用いたドライエッ
チングプロセスによるパターン化により、凸状乃至矩形
状のコア層32を有する3次元光導波路を形成する。こ
の後、3次元光導波路上に石英ガラスからなるクラッド
用多孔質膜33aを形成する。更に、(f)に示すよう
に、加熱透明化によりクラッド層33を形成する。以上
により石英系ガラス光導波路が完成する。なお、この詳
細については、『OplusE』No.78、59〜6
7頁、宮下:「光導波路技術、1.最近の光導波路技
術」に記載がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の光導波
路の製造方法によると、以下の様な問題がある。 (1)コア層32を凸状乃至矩形状にパターニングする
のにフォトリソグラフィ及びドライエッチングプロセス
を用いなければならない。これらのプロセスには、マス
ク用メタル膜形成のためのスパッタリング装置、フォト
レジスト塗布用スピンナー装置、露光用マスクアライナ
ー装置、メタル膜及びガラス膜エッチング用のドライエ
ッチング装置等、非常に高価な装置が必要になる。ま
た、パターニング用の高価なガラスマスクも必要にな
る。そのため、光導波路の低コスト化が難しい。 (2)製作時間が長くなるため、これに伴ってコストア
ップになる。 (3)コアとクラッドとの比屈折率差を制御するに際
し、その都度コアとクラッドの屈折率を精密に制御しな
がら作らなければならない。また、一度作ってしまう
と、上記比屈折率差を変更することができない。
【0005】本発明の目的は、前記した従来技術の問題
点を解消し、簡単な工程によって短時間にローコストに
製作することのできる光導波路及びその製造方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、基板と、この基板上に形成され、屈折
率制御用添加物が少なくとも1種添加された第1のSi
2 層と、この第1のSiO2 層の所定位置にレーザ光
を照射し、前記第1のSiO2 層より屈折率が高くなる
ように形成したコア層と、前記第1のSiO2 層及び前
記コア層を覆うように設けられた第2のSiO2 層とを
備えた構成にしている。
【0007】この構成によれば、コア層を形成するに際
し、フォトリソグラフィやドライエッチング技術等の高
価なパターニング技術を用いることなく、レーザ光を照
射してSiO2 層の屈折率を変化させ、これによりコア
層を形成する。この結果、光導波路を簡単な工程によ
り、短時間且つローコストに構成することができる。前
記屈折率制御用添加物は、P、B、F、Ti、Ge、Z
n又はZrを用いることができる。
【0008】この構成によれば、P、B、F、Ti、G
e、Zn又はZrのいずれか1つを添加することによ
り、SiO2 層に対する屈折率の制御がレーザ光照射に
よって行えるため、コア層を容易に形成することができ
る。前記基板は、ガラス又はシリコンを用いることがで
きる。このように基板にガラス又はシリコンを用いるこ
とにより、電子回路の構成が容易に可能である。
【0009】前記コア層は、その比屈折率が光の伝搬方
向に向けて不均一にした構成にすることができる。この
構成によれば、結合部や分岐部におけるコア層を伝搬用
のコア層に対して屈折率を異ならせることにより、光カ
プラ等の光導波路型信号処理回路を容易に製作すること
ができる。
【0010】また、上記の目的は、基板上に直接或いは
低屈折率のバッファ層を介して屈折率制御用添加物の添
加された第1のSiO2 層を形成し、この第1のSiO
2 層上に所定のビーム径のレーザ光を所定のパターンに
走査させてコア層を形成し、光を所定のパターンに走査
させてコア層を形成し、このコア層及び前記第1のSi
2 層にFを添加した第2のSiO2 層を形成する方法
によっても達成される。
【0011】この方法によれば、コア層を形成するに際
し、屈折率制御用添加物の添加されたSiO2 層にレー
ザ光を照射する工程を設けることにより、照射したレー
ザ光の熱エネルギーによって照射部分のSiO2 層の屈
折率が変化し、コア層が形成される。この結果、従来の
ように、フォトリソグラフィやドライエッチング技術等
の高価なパターニング技術を用いることなく、光導波路
を簡単な工程によって短時間且つローコストに構成する
ことができる。
【0012】前記コア層の形成は、エキシマレーザ光ま
たはYAGレーザの第4高調波光を用いて行うことがで
きる。この方法によれば、SiO2 層の屈折率を部分的
に大きくするために必要な紫外域のレーザ光が、エキシ
マレーザ光またはYAGレーザの第4高調波光によって
得られる。
【0013】前記コア層の形成は、光信号処理回路に応
じたレーザ光透過部を有するマスクを用い、このマスク
を通してレーザ光を前記第1のSiO2 層上に照射する
ようにしている。この方法によれば、レーザ光の径が光
学レンズで絞れない場合でも、所望の径、例えば、10
μm以下にすることができ、幅の狭いコア層を容易に形
成することができる。
【0014】前記マスクに照射するレーザ光は、エキシ
マレーザ光、YAGレーザの第4高調波光、COレーザ
光またはCO2 レーザ光のいずれかを用いて行うことが
できる。この方法によれば、いずれのレーザ光において
も、屈折率制御用添加物を添加したSiO2 層に照射す
れば、その際の熱エネルギーが照射部分のSiO2 層に
吸収され、この吸収部分に屈折率変化を生じさせる。こ
れにより、コア層が形成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明による光導波路及び
その製造方法について説明する。図1は本発明による光
導波路の第1の実施の形態を示す断面図である。図1の
構成の前に、本発明を着想するに至った経過について説
明する。本発明者らは、図2に示すように、直径3イン
チ、厚み0.45mmのSi基板を高真空に保持された
プラズマCVD装置の下部電極上において400℃に加
熱しておき、下部電極とその上の上部電極との間にAr
ガスを導入し、且つ高周波電圧を印可することにより、
プラズマ雰囲気を作り、そのプラズマ雰囲気中にSiH
4ガスとO2 ガスとFを含んだガスを導いてCVD反応
を生じさせ、Fを含んだSiO2 膜を成膜した。この膜
はFガスの量を変えることによって成膜した2種類の屈
折率の値が違う膜(屈折率値が約1.4475のもの
と、約1.451のもの)である。そして、この成膜し
たSi基板を取り出し、夫々4分割し、N2 (=5l/
min )雰囲気中の電気炉内に入れ、熱処理温度によって
膜の屈折率がどのように変わるかを評価した。500
℃、800℃、1000℃及び1200℃で熱処理した
夫々のSi基板上の屈折率を波長0.63μmの光源を
用いた屈折率測定器(プリズムカプラ)を用いて評価し
た。
【0016】その結果、図1に示すように、Fを添加し
たSiO2 膜の屈折率は熱処理温度によって大幅に変わ
ることがわかった。また、 比屈折率差={(nB −nA )/nB }×100(%) (但し、nB は熱処理前の屈折率、nA は熱処理後の屈
折率である)の最大変化量は約8%にもなることがわか
った。そこで本発明者は、上記比屈折率差の変化量を光
導波路にうまく適用することを考えついた。つまり、F
を添加したSiO2 膜を電気炉内に入れて熱処理をする
代わりに、レーザ光照射による熱処理を試みた。
【0017】レーザ光として、紫外域或いは真空紫外域
で発振するエキシマレーザを用いた。具体的には、発振
波長が248nmのKrFエキシマレーザを用い、繰り
返し周波数400ppsのパルスをショット数を変える
ことにより、その照射パルスエネルギー密度を変化さ
せ、屈折率の変化の様子を調べた。その結果、図3に示
すように、照射パルスエネルギー密度を変えることによ
り、屈折率を図1とほぼ同様に変化させることができ
た。この現象を利用して、本発明による光導波路及びそ
の製造方法を見出した。
【0018】本発明に適用できるレーザとしては、エキ
シマレーザ(波長112nmのH2レーザ、波長126
nmのArレーザ、波長126nmのKr2 レーザ、波
長157nmのF2 レーザ、波長193nmのArFレ
ーザ、波長248nmのKrレーザ、波長308nmの
XeClレーザ等)、YAG(イットリウム・アルミニ
ウム・ガーネット)の第4高調波光(波長266nm)
を用いたレーザ等である。すなわち、Fを添加したSi
2 膜は真空紫外域及び紫外域に吸収があるため、上記
のようなレーザ光照射によって、熱エネルギーを吸収し
て屈折率変化を起こさせることができる。更には、上記
レーザ以外に波長5.3μmのCOレーザ、波長10.
6μmのCO2 レーザも使用可能である。すなわち、こ
のCOレーザ光及びCO2 レーザ光も上記膜に対して吸
収される特性を有しているので、使用可能である。
【0019】レーザ光は、Fを添加したSiO2 層3の
深さ方向及び幅方向にほぼガウス分布の熱エネルギー分
布を与えるので、層の深さ方向及び幅方向に屈折率分布
もほぼ連続的に変化して屈折率が高くなる。この屈折率
の連続的変化は、従来のフォトリソグラフィやドライエ
ッチングプロセスによって加工した場合に生じていたコ
ア側面の荒れに起因する光散乱損失を大幅に低減するこ
とができる。この結果、低損失な光導波路を得ることが
できる。
【0020】また、コア内の屈折率分布を光が伝搬して
いく方向にほぼ連続的に変化させた光導波路を容易に製
作することができる。これは、光導波路内を伝搬してい
る光を収束させたり、広げたりするレンズ効果を持たせ
ることができるので、種々の機能を持った光信号処理回
路を実現できることを意味する。例えば、光信号をN
(N≧2)分岐するとき、光導波路のコアとクラッドと
の比屈折率差Δを光伝搬方向に徐々に小さくしていくこ
とにより分岐したり、2つのコアパターンを或る長さだ
け平行に配置し、その間隔を近接させて2つのコアパタ
ーン間で光結合させるときに比屈折率差Δを小さくし、
その光結合を密にさせたり、光導波路のコア端面に接続
した光ファイバとのモードフィールド整合を容易に実現
することができる。そして、光回路の光学特性をレーザ
光照射によるコアパターンの屈折率変化を利用して容易
に微調整を行うことができる。例えば、分岐比特性、波
長特性等の光学特性を光導波路の製作後に微調整して不
良品を良品に変えたり、設計変更品の製作等が容易に行
えるようになる。
【0021】次に、図1の構成について説明する。基板
1上には、バッファ層2、SiO2 層3が順次形成され
ている。基板1にはガラス(SiO2 系、多成分系)、
半導体(Si、GaAs、InP等)、磁性体(セラミ
ックス、YIG(イットリウム・鉄・ガーネット)等)
等を用いることができる。
【0022】また、バッファ層2には、SiO2 、或い
はSiO2 にP(リン)、B(ボロン)、F(フッ
素)、Ti(チタン)、Ge(ゲルマニウム)、Zn
(亜鉛)、Zr(ジルコニウム)等の屈折率制御用添加
物を含んだものが用いられ、その厚みは5μm以上が望
ましい。更に、SiO2 層3は、CVD( Chemical Va
porDeposition) 法によってバッファ層2上に成膜さ
れ、これにはF(フッ素)が添加されている。
【0023】SiO2 層3の一部には、レーザ光照射に
よって屈折率を高めたコア層4が形成(その形成方法に
ついては後記する)されている。このコア層4及びSi
2層3の表面には、SiO2 層3と同様の素材及び製
造方法によるFを添加したSiO2 層5が形成される。
このように、図1では、埋め込み型の光導波路が構成さ
れている。
【0024】SiO2 層3の屈折率は、図2及び図3に
示すように、1.4475〜1.451の範囲に選ば
れ、その厚みは少なくとも2μm以上(≦20μm)に
する。この厚みを厚くすれば、クラッド層を兼ねること
ができるので好ましい。コア層4の幅、厚み、及び屈折
率は、シングルモード用かマルチモード用かにより異な
る。シングルモード用の場合、幅及び厚みは10μm以
下、屈折率は1.470以下となる。また、マルチモー
ド用の場合、幅及び厚みは10μm以上、屈折率は1.
455〜1.470の範囲が好ましい。
【0025】図4は本発明による光導波路の第2の実施
の形態を示す断面図である。この構成は、図1の構成か
らバッファ層2を除去したところに特徴がある。この場
合、SiO2 層3を十分に厚くするか、或いは基板1に
SiO2 基板を用いることにより、十分に低損失な光導
波路を構成することができる。なお、図4の構成におい
ては、基板1にSiを用いることが望ましい。その理由
は、Si基板に電子回路を構成し易いためである。
【0026】図4の構成によれば、バッファ層2を成膜
しない分だけプロセスが簡単になり、ローコスト化を図
ることができる。次に、本発明による光導波路の製造方
法について説明する。図5は本発明にかかる埋め込み型
の光導波路の製造方法を示す工程説明図である。
【0027】まず、(a)に示すように、基板1上にバ
ッファ層2を成膜する。バッファ層2をSiO2 膜にし
た場合、プラズマCVD法、減圧或いは常圧のCVD
法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法等によって形
成することができるが、一貫プロセスによる簡易化及び
ローコスト化を図りたい場合には、プラズマCVD法が
適している。
【0028】プラズマCVD法を用いた場合、減圧され
た反応容器内に上部電極と下部電極を設け、基板1を上
部電極側に取り付ける。そして、上部電極側に設置した
ヒータで基板1を100℃〜450℃の範囲に加熱温度
を設定する。更に、両電極間に高周波電圧を印可し、減
圧状態にしながら排気を行う。その後、下部電極側から
SiH4 (シラン)、O2 (酸素)及びAr(アルゴ
ン)ガスを基板1に吹き付け、プラズマ雰囲気下で化学
反応を生じさせ、バッファ層2としてのSiO2膜を基
板1上に成膜する。この後、引き続いてSiH4 、O2
及びFを含むガスとArをSiO2 膜の成膜された基板
1に吹き付け、図5の(b)に示すように、Fを添加し
たSiO2 層3を連続的に成膜する。
【0029】次に、図5の(c)に示すように、Fを添
加したSiO2 層3上にエキシマレーザ光6を集光レン
ズ7を介して照射し、屈折率を局部的に高めたコア層4
を形成する。なお、シングルモード用光導波路のように
コア層4の幅が10μm以下の場合、エキシマレーザ光
6を集光レンズ7で10μm以下に絞ることは難しい。
そこで、この場合にはマスクを介してエキシマレーザ光
6を照射する。
【0030】最後に、図5の(d)に示すように、プラ
ズマCVD法を用いてコア層4の全面を覆うようにSi
2 層5を成膜する。以上により図1に示した光導波路
が完成する。エキシマレーザ光6は任意のパターン(曲
線、円形、文字形等)を高精度に照射できるため、高精
度なコア層4の形成が可能である。なお、図5の(c)
において、エキシマレーザ光6の照射によって屈折率n
fからn5 に高めたコア用パターンを描く方法として、
エキシマレーザ光6自体を移動させるか、或いは基板1
自体をX−Yステージ上に固定しておき、X−Yステー
ジをモータで移動させるようにしてもよい。
【0031】図6は本発明による埋め込み型の光導波路
の他の製造方法を示す工程説明図である。ここでは、マ
スクを用いてレーザ光照射を行っている。図6の
(a)、(b)及び(d)の各工程は図5と同じである
ので説明を省略する。レーザ光6を照射するに際し、図
5の(c)では集光レンズ7を用いたのに対し、図6の
(c)に示すように、レーザ光透過部23(コア層4を
形成すべき位置)が設けられたマスク22をSiO2
3に密着させ、レーザ光透過部23に向けてレーザ光6
を照射するようにしている。
【0032】レーザ光6に波長112nm及び126n
mのエキシマレーザ、YAGの第4高調波光を用いた場
合、マスク22はガラス材料(例えば、石英ガラス基
板)を用いて構成することができ、レーザ光透過部23
はメタル膜を形成するのみでよい。この場合、レーザ光
透過部23はメタル膜をエッチングにより取り除くこと
により形成でき、これによりレーザ光はレーザ光透過部
23を低損失で通過することができる。
【0033】レーザ光6にCOレーザまたはCO2 レー
ザを用いた場合、マスク22の材料にはZn、Se、S
i等の基板を用いることができ、レーザ光透過部23は
Cu、Al等のメタル膜で形成すればよい。図7は上記
した方法を用いて製作した光導波路型信号処理回路の第
1の構成例であり、(a)は側面図、(b)は平面図、
(c)は(a)の長さ方向の各部における比屈折率差Δ
特性を各々示している。ここで、Δは、コア層4a,4
bの屈折率をnW 、SiO2 層3,5の屈折率をnf
すれば、次式で表される。
【0034】Δ={(nW −nf )/nW }×100% この信号処理回路は図7に信号ように、基板1の一端で
はコア層4aとコア層4bが所定の間隔で平行配置され
て入力部8a,8bを形成し、同様に、基板1の他端で
はコア層4cとコア層4dが所定の間隔で平行配置され
て出力部9a,9bを形成している。そして、基板1の
中央部では所定長にわたって間隔Sで平行するように配
設され、この部分が結合部10を形成している。また、
結合部10の両側のコア層が両側に開く部分は変換部1
1a,11bを形成している。ここで、入力部8a,8
b及び出力部9a,9bは、低い比屈折率差Δの光ファ
イバとのモードフィールド整合をとるため、その長さ方
向に比屈折率差Δが分布を持つように構成されている。
同様に、変換部11a,11bも結合部10での光の干
渉を効率良く行われるように、比屈折率差Δに分布を持
たせている。これらの比屈折率差Δの分布は、図3に示
したように、レーザ光の照射パルスエネルギー密度を変
えることによって得ることができる。
【0035】図7の構成においては、コア層4aに入射
した入力光12は結合部10で2分配され、一方はコア
層4cから出力光13aとして出射し、他方はコア層4
dから出力光13bとして出射する。つまり、光分岐回
路として動作している。図8は光導波路型信号処理回路
の第2の構成例であり、(a)は平面図、(b)は
(a)の長さ方向の各部における比屈折率差Δ特性を示
している。
【0036】図8に示す光導波路型信号処理回路は、1
×4型の光スターカプラ14として構成したものであ
る。光スターカプラ14は片側の中央部にコア層15a
が設けられて入力部16を形成しており、途中の分岐部
17aでコア層15b,15cに分岐している。更に、
コア層15bは途中の分岐部17bでコア層15d,1
5eの2手に分かれ、コア層15cは途中の分岐部17
cでコア層15e,15fの2手に分かれ、これらによ
り出力部18が形成される。入力部16には光ファイバ
19が接続され、出力部18のコア層15d〜15gの
各々には光ファイバ20a〜20dが接続されている。
【0037】また、図8においては、(b)に示すよう
に、入力部16と4つの出力部18とのモードフィール
ド整合がとれるように、比屈折率差Δに分布がつけられ
ている。また、分岐部17a〜17cも光信号を等分配
し易いように、比屈折率差Δに分布がつけられている。
このように比屈折率差Δに分布がつけることにより、低
接続損失で光信号を結合させることができる。また、モ
ード不整合による分配部での放射損失を低減することが
できる。つまり、低損失な光スターカプラを実現するの
に効果的な回路構成を備えている。
【0038】図8の構成においては、光ファイバ19を
通して入力光21がコア層15aに入射されると、この
光は分岐部17aにおいてコア層15b,15cに分波
される。更に、コア層15bを伝搬した光は、分岐部1
7bでコア層15d,15eに分配され、光ファイバ2
0a,20bに出射される。また、コア層15cを伝搬
した光は、分岐部17cでコア層15f,15gに分配
され、光ファイバ20c,20dに出射される。このよ
うに、1つのコア層15aに入射した入力光は、4つの
コア層15d〜15gに分配される。
【0039】なお、図1、図4では埋め込み型の光導波
路を例示したが、本発明は埋め込み型に限定されるもの
ではなく、例えば、Fを添加したSiO2 層5の厚みを
極めて薄くした所謂リッジ型光導波路にも適用可能であ
る。また、図7、図8では本発明による光導波路を光分
岐回路と光スターカプラに適用した場合について示した
が、この他、光合分波回路、光フィルタ、光タップ回
路、光遅延回路等に適用することも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の光導波路に
よれば、屈折率制御用添加物が添加されたSiO2 層の
所定位置にレーザ光を照射し、非照射部分に対して屈折
率を高め、この高屈折率部分をコア層にしたので、フォ
トリソグラフィやドライエッチング技術等の高価なパタ
ーニング技術を用いることなく、簡単な構成及び手段に
よってコア層を形成することができる。この結果、光導
波路を簡単かつ短時間に、ローコストに製作することが
できる。
【0041】また、基板上に直接或いは低屈折率のバッ
ファ層を介して屈折率制御用添加物の添加された第1の
SiO2 層を形成し、この第1のSiO2 層上に所定の
ビーム径のレーザ光を所定のパターンに走査させてコア
層を形成するようにしたので、従来のように、フォトリ
ソグラフィやドライエッチング技術等の高価なパターニ
ング技術を用いることなく、簡単な工程によって短時間
且つローコストに光導波路を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光導波路の第1の実施の形態を示
す断面図である。
【図2】熱処理温度とFを添加したSiO2 膜の屈折率
変化の関係を示す特性図である。
【図3】レーザ光照射エネルギーとFを添加したSiO
2 膜の屈折率変化の関係を示す特性図である。
【図4】本発明による光導波路の第2の実施の形態を示
す断面図である。
【図5】本発明にかかる埋め込み型の光導波路の製造方
法を示す工程説明図である。
【図6】本発明にかかる埋め込み型の光導波路の他の製
造方法を示す工程説明図である。
【図7】上記した方法を用いて製作した光導波路型信号
処理回路の第1の構成例であり、(a)は側面図、
(b)は平面図、(c)は(a)の長さ方向の各部にお
ける比屈折率差Δ特性を各々示している。
【図8】光導波路型信号処理回路の第2の構成例であ
り、(a)は平面図、(b)は(a)の長さ方向の各部
における比屈折率差Δ特性を示している。
【図9】従来の石英系ガラス光導波路の製造方法(火炎
堆積法)を示す工程説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 バッファ層 3,5 SiO2 層 4,4a,4b,4c,4d コア層 6 エキシマレーザ光 7 集光レンズ 10 結合部 15a,15b,15c,15d,15e,15f,1
5g コア層 17a,17b,17c 分岐部 22 マスク 23 レーザ光透過部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 前記基板上に形成され、屈折率制御用添加物が少なくと
    も1種添加された第1のSiO2 層と、 前記第1のSiO2 層の所定位置にレーザ光を照射し、
    前記第1のSiO2 層より屈折率が高くなるように形成
    したコア層と、 前記第1のSiO2 層及び前記コア層を覆うように設け
    られた第2のSiO2層とを具備することを特徴とする
    光導波路。
  2. 【請求項2】 前記屈折率制御用添加物は、P、B、
    F、Ti、Ge、Zn又はZrであることを特徴とする
    請求項1記載の光導波路。
  3. 【請求項3】 前記基板は、ガラス又はシリコンである
    ことを特徴とする請求項1記載の光導波路。
  4. 【請求項4】 前記コア層は、その比屈折率が光の伝搬
    方向に向けて不均一であることを特徴とする請求項1記
    載の光導波路。
  5. 【請求項5】 基板上に直接或いは低屈折率のバッファ
    層を介して屈折率制御用添加物の添加された第1のSi
    2 層を形成し、 前記第1のSiO2 層上に所定のビーム径のレーザ光を
    所定のパターンに走査させてコア層を形成し、 前記コア層及び前記第1のSiO2 層に屈折率制御用添
    加物を添加した第2のSiO2 層を形成することを特徴
    とする光導波路の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記屈折率制御用添加物の添加は、P、
    B、F、Ti、Ge、Zn又はZrを添加することを特
    徴とする請求項5記載の光導波路の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記コア層の形成は、エキシマレーザ光
    またはYAGレーザの第4高調波光を用いて行うことを
    特徴とする請求項5記載の光導波路の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記コア層の形成は、光信号処理回路に
    応じたレーザ光透過部を有するマスクを用い、このマス
    クを通してレーザ光を前記第1のSiO2 層上に照射す
    ることを特徴とする請求項5記載の光導波路の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記マスクへのレーザ光の照射は、エキ
    シマレーザ光、YAGレーザの第4高調波光、COレー
    ザ光またはCO2 レーザ光のいずれかを用いて行うこと
    を特徴とする請求項8記載の光導波路の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021039241A (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 古河電気工業株式会社 光導波路回路、光源モジュールおよび光導波路回路の製造方法

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