JP2827640B2 - 光部品の製造方法 - Google Patents

光部品の製造方法

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JP2827640B2 JP3333547A JP33354791A JP2827640B2 JP 2827640 B2 JP2827640 B2 JP 2827640B2 JP 3333547 A JP3333547 A JP 3333547A JP 33354791 A JP33354791 A JP 33354791A JP 2827640 B2 JP2827640 B2 JP 2827640B2
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光の伝搬方向に光学的な
いし物理的特性変化を持った光ファイバ、光導波路及び
それらを用いた光部品の製造方法に係り、特に光部品間
の結合効率及び光部品内の光学的特性を改善したものに
関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ通信の進展と共に、光ファイ
バや光導波路、さらにはそれらを用いた光部品には高度
な性能が要求されるようになってきた。
【0003】例えば、光ファイバと半導体光素子(半導
体レーザ、発光ダイオード、受光素子など)との結合効
率を高めるために、図11に示すようにコア2とクラッ
ド3とからなる光ファイバ1の先端を球面加工して先球
加工部33を形成した先球光ファイバが開発されてい
る。
【0004】また、光導波路と光ファイバの融着接続部
の接続強度を高める方法として、図12に示すように光
導波路5の導波部31が位置する基板の端面32に光学
膜33を形成して該光学膜33と導波部端面32とを一
体化し、その光学膜33に光ファイバ3の端部を融着接
続する方法が提案されている(特開昭62−35308
号公報)。また、図13に示すように光ファイバ3と光
導波路5との接触部を覆うように、金属アルコキシドを
主成分とする溶液35を付着させ、ゲル化後、上記接触
部を加熱して上記ゲル状物質36を焼結して透明ガラス
37とする方法が提案されている(特開昭63−237
004号公報)。
【0005】そして、光導波路のコア内で行われる分波
または合波を低損失で行うために、図14に示すように
光導波路10の基板6に設けた第1クラッド8上に、高
温熱処理によって屈折率が変化する膜43を予め低温に
よって形成しておき、その後、光の伝搬方向に沿ってレ
ーザ光61を照射して、光の伝搬方向に屈折率分布を持
たせたコア7を形成する方法も提案されている(特開平
1−96604号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の光ファイバや光導波路等の光部品には次のような問題
点があった。
【0007】(1)図11の先球光ファイバは光ファイ
バと半導体光素子との結合効率が先球形状によって大幅
に変わるため、精密な形状制御を必要とする。しかし、
現状のエッチング技術やアーク放電加工、研磨加工など
のいずれの技術を用いてもその制御性は良くなく、その
ため歩留りが悪く、加工コストも高い。
【0008】(2)図12及び図13の方法では光導波
路と光ファイバ間に介在する膜がSiO2 であり、光フ
ァイバ(あるいは光導波路)の材質の軟化温度よりも高
い。そのため、たとえば炭酸ガスレーザを用いて融着接
続しようとした場合、光ファイバ及び光導波路の両端面
は溶けても両端面に介在したSiO2 膜は溶けない。し
たがって、両端面の接続部の接続強度はかえって低下す
る。また、光導波路と光ファイバ間に介在する膜は両端
面の接続面内以外の周辺にも幅広く付着しているので、
光ファイバ内を伝搬して光導波路内に入ろうとする光信
号のかなりの量がこの部分で漏洩して放射損となってし
まい、結果的に低接続損失を実現することができない。
【0009】(3)図14の方法では高温で屈折率の変
化する膜を予め形成しておき、その後、レーザ光を照射
して屈折率を変化させるようにしているため、屈折率の
変化幅に制約があり、また屈折率以外の光学的特性や物
理的特性を伝搬方向に沿って変化させることができなか
った。
【0010】(4)従来のものに共通にいえることであ
るが、光ファイバと光導波路との融着接続において、光
導波路端面の容量は光ファイバ端面の容量に比し、1ケ
タ以上も大きい。このため、CO2 レーザ光を用いて両
端面を融着接続する場合、光導波路端面側は部分的にし
か溶けず、接続強度が非常に弱くなる。だからといっ
て、この接続強度を強くするためにCO2 レーザ光の照
射光量を強くすると、今度は光ファイバの端面が溶け過
ぎて変形してしまい、光結合損失が増大するという相反
する問題があった。
【0011】(5)また、異種材料の光部品を接続する
にはモード整合を図る必要があるが、従来はモード整合
用に光学レンズを用いているため光部品が大型になると
いう欠点があった。
【0012】本発明の目的は、光の伝搬方向に光学的、
物理的特性変化をもたせた光ファイバ、光導波路及びそ
れらを用いた光部品において、前記した従来技術の欠点
を解消し、上記光部品間の光結合効率を大幅に向上でき
る光部品の製造方法を提供することにある。
【0013】また、本発明の目的は、レーザ光の照射と
同時に原料ガスを供給し、光の集光あるいは光の拡散機
能を光部品内の任意の箇所に一体的に付加させることに
よって、上記光部品間または光部品内の光学特性(たと
えば、波長特性、反射特性)を大幅に向上できる光部品
の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の光部品の製造方
法は、光ファイバ、光導波路、又はそれらを用いた光部
品の光伝搬方向に光学的、物理的特性変化を持たせよう
とする部分に、熱源としてのレーザ光を照射すると共
に、照射される部分に屈折率、軟化温度、熱膨張係数な
どの光学的、物理的特性変化を持たせるための原料ガス
を吹き付けて、原料ガスを成分とする熱生成物を形成す
るようにしたものである。光部品が光ファイバまたは光
導波路である場合、光ファイバまたは光導波路のコアの
略端面内にコア軸方向からコア軸の中心に向けてレーザ
光を照射すると共に、酸化物原料を吹き付けて熱酸化膜
を形成すると、この熱酸化膜を光ファイバまたは光導波
路間を融着接続するための介在物とすることができる。
ここでコアの略端面内とは、コアからの熱伝導によって
温度上昇するコア近傍のクラッド領域も含まれ得ること
を意味する。酸化物原料ガスとしては、金属アルコオキ
シドの蒸気、水素化物の蒸気、ハロゲン化物の蒸気を少
なくとも1種含んだガスをキャリアガスで搬送したもの
を用いることができる。また、光導波路のコア形状は任
意であるが、例えば直線路、曲線路、Y分岐路、方向性
結合器、リング共振器等が少なくとも1つ構成されるよ
うにパターン化されているものを対象にすることができ
る。
【0015】また、本発明の光部品が埋込み型の光導波
路である場合、それを製造する方法として、光導波路を
構成するガラス基板上にコアを埋め込むための凹状溝を
形成し、その凹状溝に添ってレーザ光を照射していくと
共に、ガラス基板よりも屈折率の高いコア用ガラス原料
ガスを吹き付けて、凹状溝内に少なくとも部分的に光伝
搬方向に屈折率が連続的に変化するコア用ガラス膜を形
成し、その上をコアの屈折率よりも低いクラッド材で覆
うようにしたものである。
【0016】これに対して光部品がリッジ型ないし盛上
げ型の光導波路である場合、それを製造する方法とし
て、光導波路を構成するガラス基板上に第1クラッドと
それよりも屈折率の高いコアを凸状に積層し、この凸状
の積層表面に添ってレーザ光を照射していくと共に、コ
アよりも屈折率が低い第2クラッド用ガラス原料ガスを
吹き付けて、積層表面上に少なくとも部分的に光伝搬方
向に屈折率が連続的に変化する第2のクラッドを熱形成
したものである。
【0017】光学的、物理的特性変化を持たせようとす
る部分にレーザ光を適切に照射するには、レーザ光を集
光して当該部分から外れないようにする。また、光導波
路の光伝搬方向に光学的、物理的特性変化を持たせるに
は、基板を光伝搬方向に移動させるようにしても、レー
ザ光及び原料ガスを吹き付ける吹付け部を移動させるよ
うにしてもよい。レーザ光による熱生成物は、原料ガス
が酸化物原料ガスであれば酸化膜、コア用原料ガスであ
ればコア、そして第2クラッド用原料であれば第2クラ
ッドとなる。
【0018】
【作用】光ファイバや光導波路のコア端面に熱源として
のレーザ光を照射して高温に保持しつつ、その高温部分
に酸化物原料ガスを吹き付けると、コア端面に熱酸化反
応により酸化膜が形成される。この酸化膜はレーザ光の
パワ分布にほぼ比例して成膜されるため、コア軸方向か
らコア軸の中心に向けてレーザ光を照射すると光ファイ
バや光導波路のコア端面にレンズ機能を持った酸化物の
膜を形成することができる。クラッドなどコア端面以外
の部分にレーザ光が照射されなければ、コア端面外には
酸化膜はほとんど形成されない。
【0019】上述したコア端面に形成される酸化膜を光
部品間の接続に用いると、先球光ファイバのように端面
形状を変えるものと異なり、精密な形状制御を必要とせ
ず、また端面形状が変らないので安定した結合効率が得
られ、歩留りが向上し、加工コストも安くなる。また、
光ファイバおよび光導波路など光部品の端面の垂直性が
悪くても、酸化膜がそれを吸収するため、垂直性をよく
するための端面加工などが不要となり、両端面からの不
要な反射も生じない。
【0020】また、成膜時間に応じて酸化物原料ガスの
種類、濃度等を制御すると、厚み方向に屈折率、軟化温
度、熱膨脹係数等の光学的性質や物理的性質の異なった
膜が成膜され、それにより酸化膜に光の集光、光の拡
散、あるいは光伝搬モードの整合機能等を持たせること
ができる。したがって、本発明の酸化膜をコアの軟化温
度よりも低くした場合には、光導波路と光ファイバ間に
介在する膜がコアの軟化温度よりも高いものと異なり、
光ファイバ及び光導波路の両端面の溶解をまつことな
く、酸化膜の溶解により接続が完了するため、両端面の
溶解により接続強度が低下したり、光特性が悪化したり
するようなことはない。また、光導波路と光ファイバ間
に酸化膜を介在させて融着接続する場合、介在させる酸
化膜は両端面の接続面内以外の周辺には付着しないか、
付着しても極く狭い範囲で付着するのみであるので、光
ファイバ内を伝搬して光導波路内に入ろうとする光信号
の大半は光導波路内に入り、接続部分での漏洩は少な
く、放射損となる量は僅かであるので、低接続損失が実
現される。
【0021】また、本発明では光ファイバと光導波路と
の融着接続において、例えばCO2 レーザ光を用いて融
着接続する場合、レーザ光により酸化膜を溶融させるだ
けで融着接続が完了するので、異なる容量の光部品を接
続する場合でも、その接続強度は容量の影響を受けな
い。従って、光部品の端面同士を直接融着接続するため
に容量の影響を直接受ける従来例のように、接続強度を
強くするためにCO2 レーザ光の照射光量を強くしなけ
ればならないという不具合も生じない。
【0022】また、光導波路の基板上にコア用、あるい
はクラッド用原料ガスを吹き付けつつ基板を相対的に移
動させて、レーザ光により気相分解反応させると、光の
伝搬方向に屈折率、軟化温度、熱膨脹係数などの化学
的、物理的性質の異なったコア膜、あるいはクラッド膜
を任意に成膜することができる。これにより光の集光、
光の拡散などのレンズ機能や、光伝搬モードの整合機能
等を持たせることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0024】端面に酸化膜を形成した光ファイバの実施例(図1) 図1に本発明の実施例による光ファイバの製造方法の概
略図を示す。まず、Arガスレーザ光源装置4からのレ
ーザ光61を集光レンズ9により集光し、コア軸方向か
ら光ファイバ1のコア2内へ入射させる。そして光ファ
イバ1からのArレーザ出射光62を光パワメータ装置
5で検出し、この検出光が最大となるように光ファイバ
1のX,Y,Z方向の位置調整を行っておく。ここで、
Arガスレーザ光源装置4は、波長514.4nm、5
01.7nm、496.5nm、488.0nm、47
6.5nm、472.7nm、465.8nm、45
7.9nmのいずれかで単一波長発振してもよく、ある
いは上記全波長同時発振してもよい。そしてこのレーザ
光61の発振出力は数百mWから数Wの範囲内に設定さ
れ、光ファイバ1のコア2端面の温度を酸化物原料ガス
8の気相分解温度かそれよりも高い温度になるように保
たれる。
【0025】次にこの状態で、上記光ファイバ1のコア
2の端面に向けてガス供給ノズル7からの酸化物原料ガ
ス8を吹付けて気相分解により、コア2の端面内に酸化
膜3を成膜させる。この酸化膜3の成膜速度はArガス
レーザ光61の光パワ、コア端面内の上記光パワ分布、
成膜時間、酸化物原料ガス8の濃度及び供給量などに依
存する。すなわち、光パワが大きいほど、また成膜時間
が長いほど、さらには酸化物原料ガスの濃度及び供給量
が多いほど、成膜速度は早い。
【0026】上記レーザ光61をコア2内のみに集光さ
せるようにしておけば、酸化膜3はコア2の端面内にの
み成膜される。ただし、熱伝導によって温度上昇を伴う
ので、クラッド側にも若干付着する。コア2内での上記
レーザ光61の光パワ分布はコア2内の中心部が最大で
周辺部に行くに従って低下するガウス分布に近いので、
酸化膜3の膜厚分布もそれに比例して、レンズ作用(つ
まり光集光作用)をもった形状となる。すなわち、酸化
膜3の膜厚分布はコア2内へ入射する上記レーザ光61
のパワ分布に依存し、自ずと球面状になる。
【0027】ここで、熱源としてのレーザ光にはArガ
スレーザの他に、N2 レーザ、エキシマレーザ、He−
Cdレーザなどを用いることができる。また、酸化物原
料ガス8としては、金属アルコキシド(例えば、Si
(OC2 5 4 ,Si(OCH3 4 ,Ge(OC2
5 4 ,Ti(OC2 5 4 ,Al(OC2 5
3 ,PO(OC2 5 3 ,PO(OCH3 3 ,B
(OC2 5 3 ,B(OCH3 3 等を少なくとも1
種含んだもの)の蒸気、水素化物(例えば、SiH4
PH3 ,B2 6 ,等を少なくとも1種含んだもの)の
蒸気、ハロゲン化物(例えば、SiCl4 ,POC
3 ,GeCl4 ,BCl3 等を少なくとも1種含んだ
もの)の蒸気、等を少なくとも1種含んだものを、
2 ,N2 ,Ar等のキャリヤガスで搬送したものを用
いる。
【0028】光ファイバ1にはシングルモード用、ある
いはマルチモード用のいずれを用いてもよい。なお、酸
化膜3の軟化温度は光ファイバ1のコア2の軟化温度と
略等しいかそれよりも低いほうが好ましい。また酸化膜
3の屈折率は任意の値のもので構成することができる。
更に酸化膜3の厚み方向に屈折率を変化させて成膜する
こともできる。これは、成膜中に酸化物原料ガス8の屈
折率制御用添加物(例えば、B,F,P,Ge,Ti,
Al,Ta,Zn,Sn,K,Naなどを少なくとも1
種含んだもの)の添加量を変えるか、添加物の種類を変
えることによって上記屈折率変化を持たせることができ
る。更に酸化膜3の厚み方向の形状も任意に変えること
ができる。これは、成膜中の原料ガスの濃度や供給量を
変えることによって実現することができる。
【0029】端面に酸化膜を形成した光導波路の実施例(図2) 図2は本発明の光導波路の製造方法の実施例を示したも
のである。これは、図1の光ファイバ1の代りに、光導
波路10を用い、この光導波路10のコア11の端面内
に酸化膜3を形成する方法である。光導波路10のコア
11内を伝搬したArガスレーザ光は光ファイバ12を
介して光パワメータ装置5で検出される構成になってい
る。
【0030】図1及び図2は1つの光ファイバ、光導波
路のコア端面に酸化膜を成膜する方法であるが、光ファ
イバ(あるいは光導波路)をアレイ状に平行に多数並べ
ておき、それぞれの光ファイバ(あるいは光導波路)の
コア内にArガスレーザ光を入力させつつ、酸化物原料
ガスを吹付けるようにすれば、一度に多数の光ファイバ
(あるいは光導波路)のコア端面に酸化膜を形成するこ
とができ、量産ならびにコスト低減を期待できる。この
ように、コア端面に酸化膜を形成するので、端面が多少
非垂直性、荒れ、かけ等を有していても、この酸化膜を
介して融着接続した光部品は光結合損失の増大を抑制す
ることができる。
【0031】コアの屈折率を変化させた埋込み型光導波
路の実施例(図3〜図7) 図3は本発明方法により得られた埋込み型光導波路の実
施例を示したものである。これは他の光部品と結合され
る入力端または出力端での損失を低減するために、光導
波路10のコア11の屈折率を入力端または出力端付近
で連続的に変化させた構造のものである。同図(A)は
光導波路10の平面図、(B)は左側面図、(C)は右
側面図、そして(D)は光導波路10のコア11及びク
ラッド13の光伝搬方向における屈折率分布を示したも
のである。光導波路10は基板14上に形成されたクラ
ッド13内にコア11が埋め込まれている。この光導波
路10のコア11内における光伝搬方向の屈折率分布を
部分的に、連続的に変化させる方法を図4及び図5に示
す。
【0032】まず図4は凹状溝付きの石英基板22の凹
状溝24内にArガスレーザ光を照射し、その照射した
凹状溝内にガス供給ノズル7からのコア用原料ガス23
を吹付けて気相分解反応によりコア膜11を堆積させ
る。そして溝付き石英基板22を溝24の延長上の矢印
19で示した光導波路移動方向に沿って移動させること
により、凹状溝24内にコア膜11を埋め込んで行く。
この場合にも、気相分解反応は溝内で生じるため溝外に
はコア膜は生成されなか、されても溝の極く近傍の僅か
な領域である。その後、コア11の上面を覆うようにク
ラッド膜を堆積することによって図3に示した光導波路
を実現する方法である。図5は基板14(例えばSi,
SiO2 ,GaAs等)上に溝24付きのクラッド13
を形成しておき、この溝24内に図4と同じような方法
でコア11を堆積させ、その後、そのコア11の上面を
覆うようにクラッド膜(図13のクラッド13)を形成
することによって光導波路を実現する方法である。な
お、図4及び図5において、コア11内の光伝搬方向へ
の屈折率分布を変化させつつコア11を堆積させる方法
は、コア用原料ガス23の屈折率制御用添加物の種類、
濃度などを時間と共に変えるか、またはArガスレーザ
光の光パワ強度を変えるかすることによって実現するこ
とができる。
【0033】図6も埋込み型光導波路の他の実施例を示
したものである。入出力端における結合損失を低減する
ために、コアの屈折率を光導波路10の入、出力端付近
で連続的に変化させた構造のものである。この光導波路
も図4または図5の方法によって実現することができ
る。
【0034】図7は本発明の埋込み型光導波路のさらに
別な実施例を示したものである。これは光信号を2分岐
する機能を持ったY分岐光導波路16のコア11内の屈
折率分布を光伝搬方向に沿って変化させたものである。
すなわち、Y分岐部17の電界分布の拡がりによる散乱
損失を低減するために、Y分岐部17のコア内の屈折率
値を連続的に下げ、再び上げるように構成されている。
このコア11内の屈折率分布を変える方法は、図4ある
いは図5の方法を応用することによって実現することが
できる。
【0035】第2クラッドの屈折率を変えたリッジ型光
導波路の実施例(図8) 図8は本発明方法により得られるリッジ型光導波路の実
施例を示したものである。これは光の伝搬方向に沿って
第2クラッド21の屈折率を入、出力端近傍で連続的に
変化させた構造である。この様な光導波路15を用いる
と、屈折率差の大きい光ファイバとこの光導波路とを低
損失で接続することができる。同図(A)は光導波路1
5の平面図、(B)はその左側面図、(C)はその右側
面図、そして(D)は光導波路15の伝搬方向における
コア11と第1クラッド20と第2クラッド21の屈折
率分布を示したものである。光導波路15の構造は基板
14上に凸状をした第1クラッド20を形成し、その上
にコア11を同形状に形成した後、第2クラッド21で
上記第1クラッド20及びコア11の表面を覆った、い
わゆるリッジ型構造のものである。この光導波路15は
図9に示す方法により製造することができる。まず基板
14の表面全面に第1クラッド20の層を堆積させる。
その上にコア11の層を堆積させる。次にフォトリソグ
ラフィ、ドライエッチングプロセスにより、上記第1ク
ラッド層とコア層をストライプ状に加工する。次に上記
加工した表面にArガスレーザ光源装置4からのArレ
ーザ光を集光レンズ9を介して照射しつつ、ガス供給ノ
ズル7を通して第2クラッド用原料ガス18を上記照射
部分に吹付ける。そして基板14を矢印19に示した光
伝搬方向に沿って移動させつつ、上記クラッド用原料ガ
ス18の中の屈折率制御用添加物の種類、あるいはその
濃度、さらには照射パワー等を変えることによって第2
クラッド21(図8)の屈折率を光伝搬方向に沿って変
えるようにしたものである。
【0036】その他の変形例(図10) なお、本発明の光部品の製造方法は以上に述べた実施例
に限定されない。例えば、光導波路にあっては図10の
ようにガス供給ノズルを71と72のように複数本配置
し、それらのノズル内に供給するクラッド用原料ガス1
81と182の中の屈折率制御用添加物の種類、濃度、
ガス流量等を異ならせることによってコア11及び第1
クラッド20の表面上に複数層の第2クラッド層を形成
してもよい。上記ガス供給ノズルを複数本配置する方法
は、図1,図2,図4及び図5の方法にも適用できる。
光導波路内のコアパターンは上記直線パターン、Y分岐
パターン以外に、よく知られた曲線パターン、方向性結
合器パターン、リング共振器パターン等を少なくとも1
種含んだものを用いることができる。また光導波路の基
板14にはガラス、サファイヤ、磁性体、強誘電体(例
えば、LiNbO3 ,LiTaO5 等)、半導体(例えば、S
i,GaAs,InP等)等を用いることができる。な
お、図1の光ファイバの酸化膜3と図2の光導波路の酸
化膜3とを突合わせて光結合効率を最良に保った状態
で、その突合わせ部分に数W以上の出力のArガスレー
ザを照射するか、炭酸ガスレーザ光を照射するか、ある
いはアーク放電さらには酸水素バーナ炎によって溶接す
れば高強度、低損失の接続を実現することができる。
【0037】
【発明の効果】以上、本発明によれば次の効果を発揮す
る。
【0038】(1)請求項1に記載の方法によれば、レ
ーザ照射と原料ガスの吹き付けという簡易な方法によっ
て、光部品間の光結合効率または光部品内の光特性を大
幅に向上でき、光部品の低コスト化が図れる。
【0039】(2)請求項2または3に記載の方法によ
れば、光ファイバまたは光導波路の端面に酸化膜を形成
するので、光ファイバ、光導波路端面の垂直性が悪くて
も、光結合効率の低下を抑えることができる。
【0040】(3)請求項4ないし5に記載の方法によ
れば、光導波路において光の集光、あるいは光の拡散機
能や波長特性、反射特性等の任意の光学的、物理的特性
を光部品内の任意の箇所に一体的に付加することができ
るので、不要な散乱損失等を低減することができ、低損
失光部品を実現することができる。
【0041】(4)請求項6に記載の方法によれば、コ
ア端面への供給が容易で、熱酸化膜を容易に形成でき
る。
【0042】(5)請求項7に記載の方法によれば、パ
ターン化されたいずれの光導波路にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による光ファイバの製造方法を
実施する装置の概略図。
【図2】本発明の実施例による光導波路の製造方法を実
施する装置の概略図。
【図3】本発明の実施例による埋込み型光導波路の概略
図。
【図4】本発明の実施例による埋込み型光導波路の製造
方法を実施する装置の概略図。
【図5】本発明の実施例による他の埋込み型光導波路の
製造方法を実施する装置の概略図。
【図6】本発明の実施例による他の埋込み型光導波路の
概略図。
【図7】本発明の実施例によるY分岐光導波路導波路の
概略図。
【図8】本発明の実施例によるリッジ型光導波路の概略
図。
【図9】本発明の実施例によるリッジ型光導波路の製造
方法を実施する装置の概略図。
【図10】本発明の実施例による他のリッジ型光導波路
の製造方法を実施する装置の概略図。
【図11】従来例による先球光ファイバの概略図。
【図12】従来例による光導波路と光ファイバを光学膜
により接続する方法の概略図。
【図13】従来例による光導波路と光ファイバを溶液固
化により接続する方法の概略図。
【図14】従来例による光導波路のコアの光伝搬方向に
屈折率分布をもたせる方法を示す概略図。
【符号の説明】
1 光ファイバ 2 コア 3 酸化膜 4 Arガスレーザ光源装置 5 光パワメータ装置 61 レーザ光 62 レーザ光 7 ガス供給ノズル 71 ガス供給ノズル 72 ガス供給ノズル 8 酸化物原料ガス 9 集光レンズ 10 光導波路 11 コア 111 コア 112 コア 12 光ファイバ 13 クラッド 14 基板 15 光導波路 16 Y分岐光導波路 17 Y分岐部 18 原料ガス 182 クラッド用原料ガス 181 クラッド用原料ガス 19 光導波路移動方向 20 第1クラッド 21 第2クラッド 22 溝付き石英基板 23 コア用原料ガス 24 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 6/13 - 6/138 G02B 6/10 G02B 6/26 G02B 6/30 G02B 6/32

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバ、光導波路、又はそれらを用い
    た光部品の光伝搬方向に光学的、物理的特性変化を持た
    せようとする部分に、熱源となるレーザ光を照射すると
    共に、照射される部分に屈折率、軟化温度、熱膨張係数
    などの光学的、物理的特性変化を持たせるための原料ガ
    スを吹き付けて、この原料ガス成分による熱生成物を形
    成したことを特徴とする光部品の製造方法。
  2. 【請求項2】光ファイバのコア端面に、熱源となるレー
    ザ光を照射すると共に、照射されるコア端面に屈折率、
    軟化温度、熱膨張係数などの光学的、物理的特性変化を
    もたせるための酸化物原料ガスを吹き付けて、この酸化
    物原料ガス成分による酸化膜を上記コアの略端面内に形
    成したことを特徴とする光部品の製造方法。
  3. 【請求項3】光導波路のコア端面に、熱源となるレーザ
    光を照射すると共に、照射されるコア端面に屈折率、軟
    化温度、熱膨張係数などの光学的、物理的特性変化をも
    たせるための酸化物原料ガスを吹き付けて、この酸化物
    原料ガス成分による酸化膜を上記コアの略端面内に形成
    したことを特徴とする光部品の製造方法。
  4. 【請求項4】光導波路を構成するガラス基板上にコアを
    埋め込むための凹状溝を形成し、この凹状溝に添って熱
    源となるレーザ光を照射していくと共に、ガラス基板よ
    りも屈折率の高いコア用ガラス原料ガスを吹き付けて、
    上記凹状溝内に少なくとも部分的に光伝搬方向に屈折率
    が連続的に変化するコア用ガラス膜を形成し、その上に
    該コアの屈折率よりも低いクラッド材を形成したことを
    特徴とする光部品の製造方法。
  5. 【請求項5】光導波路を構成するガラス基板上に第1ク
    ラッドとそれよりも屈折率の高いコアを凸状に積層し、
    この凸状の積層表面に添って熱源となるレーザ光を照射
    していくと共に、上記コアよりも屈折率が低い第2クラ
    ッド用ガラス原料ガスを吹き付けて、上記積層表面上に
    少なくとも部分的に光伝搬方向に屈折率が連続的に変化
    する第2のクラッドを形成したことを特徴とする光部品
    の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項2ないし3のいずれかに記載の光部
    品において、酸化物原料ガスとして、金属アルコオキシ
    ドの蒸気、水素化物の蒸気、ハロゲン化物の蒸気を少な
    くとも1種含んだガスをキャリアガスで搬送したものを
    用いたことを特徴とする光部品の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項3ないし6のいずれかに記載の光部
    品の製造方法において、上記光導波路のコアは直線路、
    曲線路、Y分岐路、方向性結合器、リング共振器等を少
    なくとも1つ構成するようにパターン化されていること
    を特徴とする光部品の製造方法。
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