JP2004046031A - フィルム状ガラス導波路及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フレキシブルで低損失なフィルム状ガラス導波路及びその製造方法を提供する。
【解決手段】フィルム状部材12の上に形成されたガラス膜10中にガラス膜10より屈折率の高い光伝搬層としてのコア11を形成することにより、フレキシブルなフィルム状ガラス導波路を得ることができ、フェムト秒オーダの超短パルスレーザビームの集光、照射によりコア11が形成されるので、低損失化を図ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】フィルム状部材12の上に形成されたガラス膜10中にガラス膜10より屈折率の高い光伝搬層としてのコア11を形成することにより、フレキシブルなフィルム状ガラス導波路を得ることができ、フェムト秒オーダの超短パルスレーザビームの集光、照射によりコア11が形成されるので、低損失化を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム状ガラス導波路及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8はガラス導波路の従来例を示す断面図である。
【0003】
同図に示すガラス導波路は、Si、あるいは石英ガラス等の厚い(厚さ:0.4mmから1mm程度)基板1上に形成されており、略矩形断面形状のコア層2を、コア層2よりも屈折率の低いクラッド層3で埋め込む、埋め込み型構造に形成されたものである。このため、従来のガラス導波路は硬い平板状のものであり、フレキシブルに曲げることはできなかった。この種のガラス導波路は半導体プロセスを用いて成膜、フォトリソグラフィ、ドライエッチング、成膜等の工程を経て作製されていた。
【0004】
また、最近、ガラス導波路を簡単な方法で実現する方法として、図9(a)、(b)に示す方法が提案されている。
【0005】
図9(a)はガラス導波路の従来例を示す説明図であり、図9(b)は図9(a)に示したガラス導波路の厚さ方向の屈折率を示す図である。図9(b)において横軸は屈折率を示し、縦軸は厚さ方向の位置を示す。
【0006】
図9(a)に示すように、超短パルスレーザビーム4−1をレンズ5で集光し、集光したレーザビーム4−2を低屈折率のガラスブロック6内に照射することにより、照射部を図9(b)に示すような高屈折率層パターンからなる光伝搬層(「光伝播層」とも言う。)に改質する方法である。
【0007】
超短パルスレーザビーム4−1には200フェムト秒以下の狭いパルス幅のレーザビームが用いられ、200kHz程度の速い繰り返し周波数で照射され、ガラスブロックを矢印7方向に移動させることにより、所望の光伝搬層のパターンが形成される。
【0008】
図10は従来のフレキシブル導波路でボード間を接続した状態を示す図である。
【0009】
2枚のボード8−1、8−2を接続するフレキシブル導波路9は、ポリマフィルム上にポリマ材料を用いて構成したポリマ導波路フィルムである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8〜図10に示す従来の光導波路には以下のような課題があった。
(1)いずれのガラス導波路も硬い平板構造であるため、フレキシブルに曲げることはできない。
(2)ガラス導波路を小型のパッケージ内に実装することは困難であり、パッケージサイズが大きい。
(3)超短パルスレーザビーム照射によって形成されたガラス導波路もSi基板上やガラス基板上、あるいはガラスブロック内にあり、(1)、(2)のような問題点を抱えている。
(4)ポリマ導波路フィルムはフレキシブルに曲げることができるが、損失が大きいと、熱安定性が悪い。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、フレキシブルで低損失なフィルム状ガラス導波路及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、フィルム状部材上に所定の厚さのガラス膜が設けられ、ガラス膜内に超短パルスレーザビームが集光、照射されてその集光部に高屈折率層パターンからなる光伝搬層が二次元状に形成されたものである。
【0013】
請求項2の発明は、厚さが50μmから200μmまでの範囲のフィルム状部材に温度が300℃から460℃の範囲で形成されたガラス膜が設けられ、ガラス膜内に波長が700nmから900nmの範囲でパルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビームが集光、照射されてその集光部に高屈折率層パターンからなる光伝搬層が二次元状に形成されたものである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の構成に加え、フィルム状部材として、ゾルゲル法で作製したガラスフィルム、あるいはポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリマフィルムを用いるのが好ましい。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の構成に加え、ガラス膜は気相化学反応法で形成した膜、ゾルゲル法で形成した膜、スパッタリング法で形成した膜のいずれかを用いるのが好ましい。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の構成に加え、ガラス膜は多層構造を有してもよい。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の構成に加え、ガラス膜の厚さは10μmから100μmの範囲内にあるのが好ましい。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の構成に加え、光伝搬層を有するガラス膜は厚さが50μmから200μmの範囲のフィルム状部材でサンドイッチ状に挟まれていてもよい。
【0019】
請求項8の発明は、厚さが50μmから200μmの範囲のフィルム状部材に300℃から460℃の温度範囲で膜を形成する成膜工程、膜内に波長が700nmから900nmの範囲でパルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビームを集光、照射しながらフィルム状部材か超短パルスレーザビームのいずれかの相対移動で膜内に二次元の高屈折率層パターンからなる光伝搬層を形成する光伝搬層形成工程からなるものである。
【0020】
請求項9の発明は、請求項8に記載の構成に加え、光伝搬層を有するガラス膜を厚さが50μmから200μmの範囲のフィルム状部材でサンドイッチ状に挟み、フィルム状部材にガラス膜を気相化学反応法、ゾルゲル法、スパッタリング法のいずれかを用いて形成するのが好ましい。
【0021】
請求項10の発明は、請求項7から9のいずれかに記載の構成に加え、ガラス膜を多層構造に形成してもよい。
【0022】
請求項1の発明によれば、フィルム状部材上に所定の厚さのガラス膜を形成し、そのガラス膜に超短パルスレーザビームを集光、照射してその集光部に屈折率の高い光伝搬層を二次元状に形成したフレキシブルなものであるため、自由に折り曲げることができ、導波路を三次元的に光実装を行うことができる。その結果、小さいパッケージ内での光実装が可能となる。
【0023】
請求項2の発明によれば、厚さが50μmから200μmの範囲のフィルム状部材に300℃から460℃の温度範囲で形成したガラス膜内に波長が700nmから900nmの範囲でパルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビームを集光、照射してその集光部に屈折率の高い光伝搬層パターンを二次元状に形成したフレキシブルなものであるため、自由に折り曲げることができ、導波路を三次元的に光実装を行うことができる。その結果、小さいパッケージ内での光実装が可能となる。
【0024】
また、高さの異なる部品や装置の間の短い三次元光配線も可能となる。しかも光信号の伝搬するコア層がフェムト秒オーダのレーザビーム照射により緻密に高度化されているので、従来のガラス導波路の高温熱処理(約1200℃での熱処理)を施したコア層と同程度の低損失特性を得ることが可能である。
【0025】
請求項3の発明によれば、フィルム状部材として、ゾルゲル法で作製したガラスフィルムあるいはポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリマフィルムを用いることにより、最小曲げ半径10mm程度で導波路を曲げることができる。この結果、上記に示したような効果を期待することができる。
【0026】
請求項4の発明によれば、300℃から460℃の温度範囲で成膜することがきるガラス成膜法として、気相化学反応法(CVD法)で形成した膜、ゾルゲル法で形成した膜、スパッタリング法で形成した膜のいずれかを用いることができるので、低損失特性を期待することができる。
【0027】
請求項5の発明によれば、ガラス膜を多層状に形成しておき、その中の略中心の膜内にレーザビームを照射して高屈折率化すれば、光信号をその高屈折率の膜内に効率よく閉じ込めて伝搬させることが可能となり、より低損失化を期待することができる。
【0028】
請求項6の発明によれば、ガラス膜の厚さを10μmから100μmの範囲にすることにより、フレキシブルなフィルム状特性を保持すると共に低損失特性を得ることが可能となる。
【0029】
請求項7の発明によれば、光伝搬層を有するガラス膜を厚さ0.2mm以下(50nm〜200nm)のフィルム状部材でサンドイッチ状に挟んで対称構造とすることにより、温度変化に対する偏光依存性の少ない導波路が得られる。
【0030】
請求項8の発明によれば、厚さが50μmから200μmの範囲のフィルム状部材に300℃から460℃の温度範囲で膜を形成する成膜工程、膜内に波長が700nmから900nmの範囲でパルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビームを集光、照射しながらフィルム状部材かレーザビームのいずれかの相対移動で膜内に二次元の高屈折率層パターンを形成するパターン形成工程を用いることにより、フレキシブルなフィルム状ガラス導波路を容易、かつ低コストで製造することができる。
【0031】
請求項9の発明によれば、フィルム状部材にガラス膜を300℃以上460℃以下の温度範囲で気相化学反応法、ゾルゲル法、スパッタリング法のいずれかを用いて形成することにより、低損失でフレキシブルなフィルム状ガラス導波路を得ることができる。
【0032】
請求項10の発明によれば、ガラス膜を多層状に形成することにより、低損失で光閉じ込めが良く、折り曲げても損失の小さいフィルム状ガラス導波路を製造することができる。
【0033】
以上において、本発明によれば、フィルム状部材の上に形成されたガラス膜中にガラス膜より屈折率の高い光伝搬層を形成することにより、フレキシブルなフィルム状ガラス導波路を得ることができ、フェムト秒オーダの超短パルスレーザビームの集光、照射によりコアが形成されるので、低損失化を図ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0035】
図1は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の一実施の形態を示す外観斜視図である。
【0036】
図1に示すフィルム状ガラス導波路は、フィルム状部材12の上に、クラッドとしてのガラス膜10が設けられ、そのガラス膜10にガラス膜10より屈折率が高いコア(光伝搬層)11が形成されたものである。
【0037】
本フィルム状ガラス導波路の第1の特徴は、フレキシブルに曲げることができる点にあり、最小曲率半径10mm程度の曲率で曲げることができる。
【0038】
第2の特徴は、ガラス膜10及びコア11がSiO2あるいはSiO2にGe、P、Ti、B、F、Ta、Sn等の屈折率制御用ドーパントを少なくとも1種類添加したガラスで構成されているので、低損失であり、熱安定性にも優れている点である。また、後述するように、コア11が超短パルスレーザビーム照射で高密度化されると共に、高屈折率化されているので、長期的にも外部からOHイオンがコア11内に拡散、進入してきて損失を増大させるおそれが少ない。
【0039】
このフィルム状ガラス導波路は以下のようにして形成される。
【0040】
フィルム状部材12には厚さが0.2mm以下のゾルゲル法で作製したガラスフィルム、あるいはポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリマフィルムを用いる。
【0041】
このポリマフィルムの表面に気相化学反応法で形成した膜、ゾルゲル法で形成した膜、スパッタリング法で形成した膜のいずれかを460℃以下の温度で形成する。すなわち、フィルムの耐熱性を考慮し、膜の透過率特性及び屈折率の安定性を考慮に入れた温度として300℃から460℃の範囲が好ましい。この成膜温度で形成した膜は密度の低い膜であり、この膜の内部に波長が700nmから900nmの範囲、パルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビームを集光、照射する。
【0042】
その結果、レーザビームの集光部が高密度化されて屈折率の高い光伝搬層となり、その光伝搬層のパターンを膜内に二次元状に形成することにより、光信号の伝搬するコア層とする。
【0043】
図2は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す外観斜視図である。
【0044】
図2に示すフィルム状ガラス導波路は、フィルム状部材15上に設けられたガラス膜13内にガラス膜13より屈折率が高い複数(図では5本であるが限定されない。)のコア14−1〜14−5をアレイ状に配置したガラス導波路フィルムアレイである。このような低損失のフィルム状ガラス導波路アレイはデバイス間、装置間等を光結合するのに使用することができ、例えば、光ファイバアレイの代わりに用いることができる。
【0045】
図3は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す断面図である。
【0046】
図1に示したフィルム状ガラス導波路との相違点は、フィルム状部材18の上に設けられたガラス膜16に、ガラス膜16より屈折率が高いコア17が形成され、ガラス膜16の上に被覆膜19が設けられた点である。
【0047】
フィルム状部材18の厚さは0.2mm以下、好ましくは0.1mm前後のものを用いる。ガラス膜16はCVD法で成膜する場合、30μm以下、好ましくは10μmから20μmの範囲のものを用いる。ガラス膜16の上部に設けられた被覆膜(膜厚は2μm以上50μm以下)19はガラス膜16の屈折率よりも低い材質のガラス膜か、ポリマ膜を用いる。被覆膜19としてガラス膜(若しくはポリマ膜)を用いた場合にはガラス膜16を形成した後に連続して形成する。また、被覆膜19としてポリマ膜を用いた場合には、コア17を形成した後に塗布、吹き付け法等により形成する。
【0048】
このようなフィルム状ガラス導波路においても図1に示したフィルム状ガラス導波路と同様の効果が得られる。
【0049】
図4は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す断面図である。
【0050】
図1に示したフィルム状ガラス導波路との相違点は、内部にガラス膜20より屈折率の高いコア21を形成したガラス膜20が、複数層(図では4層であるが限定されない。)の被覆膜22−1a、22−1b、22−2a、22−2bでサンドイッチ状に挟まれ、フィルム状部材23上に設けられている点である。
【0051】
このようなフィルム状ガラス導波路においても図1に示したフィルム状ガラス導波路と同様の効果が得られる。
【0052】
図5は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す断面図である。
【0053】
図1に示したフィルム状ガラス導波路との相違点は、ガラス膜24より屈折率が高いコア25が形成されたガラス膜24を両面からフィルム状部材26−1、26−2で挟んだ対称構造を有する点である。
【0054】
このような構造にすることにより、熱的に光学特性が変動するのを抑えることができ、曲げに対する安定性も向上する。
【0055】
図6は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法の一実施の形態を示す説明図である。
【0056】
同図は、厚さが0.2mm以下のフィルム状部材27の上にガラス膜28を460℃で形成する成膜工程を経た後、そのガラス膜28内に波長が700nmから900nmの範囲でパルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビーム29−1をレンズ30で集光し、集光したレーザビーム29−2をガラス膜28に照射しながらガラス膜28をレーザビーム29−1と直交する方向(矢印31方向)に所望速度で移動しつつガラス膜28の内部に二次元のコア280を形成する高屈折率層パターンからなる光伝搬層を形成する光伝搬層形成工程を示す。
【0057】
フィルム状部材27にはレーザビーム29−2がデフォーカス状態で照射されるので、フィルム状部材27の急激な温度上昇はなく、高屈折率層パターン形成工程中でも化学的変化は生じない。
【0058】
図7は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法の他の実施の形態を示す説明図である。
【0059】
図6に示した製造方法との相違点は、図2に示したような長尺状のフィルム状ガラス導波路アレイを製造するようにした点である。
【0060】
図7において、フィルム状部材27(図6参照)の上にガラス膜28(図6参照)を形成した導波路形成用フィルム32が巻き回された供給ドラム33を準備し、この供給ドラム33から巻き取りドラム34に矢印35〜37方向に所望速度で巻き取る。導波路形成用フィルム32を巻き取る際に、走行中の導波路形成用フィルム32の上に、レーザビーム38−1をレンズ39で集光したレーザビーム38−2を照射することにより、ガラス膜28(図6参照)内にX軸方向の所望パターンの光伝搬層が形成される。
【0061】
次に両ドラム33、34を逆回転させて導波路形成用フィルム32を所望速度で矢印40〜42方向に巻き戻す際にレーザビーム38−2の集光、照射位置を図示しない移動手段によりY軸方向にシフトさせて集光、照射してガラス膜28(図6参照)の内部にY軸方向の光伝搬層を所望パターンに形成する。
【0062】
以下、同様の操作を繰り返すことにより、図2に示した光伝搬層を4本有するフィルム状ガラス導波路アレイを製造することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、フレキシブルで低損失なフィルム状ガラス導波路及びその製造方法の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の一実施の形態を示す外観斜視図である。
【図2】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す外観斜視図である。
【図3】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す断面図である。
【図4】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す断面図である。
【図5】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す断面図である。
【図6】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法の一実施の形態を示す説明図である。
【図7】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法の他の実施の形態を示す説明図である。
【図8】ガラス導波路の従来例を示す断面図である。
【図9】(a)はガラス導波路の従来例を示す説明図であり、(b)は(a)に示したガラス導波路の厚さ方向の屈折率を示す図である。
【図10】従来のフレキシブル導波路でボード間を接続した状態を示す図である。
【符号の説明】
10 ガラス膜(クラッド)
11 光伝搬層(コア)
12 フィルム状部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム状ガラス導波路及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8はガラス導波路の従来例を示す断面図である。
【0003】
同図に示すガラス導波路は、Si、あるいは石英ガラス等の厚い(厚さ:0.4mmから1mm程度)基板1上に形成されており、略矩形断面形状のコア層2を、コア層2よりも屈折率の低いクラッド層3で埋め込む、埋め込み型構造に形成されたものである。このため、従来のガラス導波路は硬い平板状のものであり、フレキシブルに曲げることはできなかった。この種のガラス導波路は半導体プロセスを用いて成膜、フォトリソグラフィ、ドライエッチング、成膜等の工程を経て作製されていた。
【0004】
また、最近、ガラス導波路を簡単な方法で実現する方法として、図9(a)、(b)に示す方法が提案されている。
【0005】
図9(a)はガラス導波路の従来例を示す説明図であり、図9(b)は図9(a)に示したガラス導波路の厚さ方向の屈折率を示す図である。図9(b)において横軸は屈折率を示し、縦軸は厚さ方向の位置を示す。
【0006】
図9(a)に示すように、超短パルスレーザビーム4−1をレンズ5で集光し、集光したレーザビーム4−2を低屈折率のガラスブロック6内に照射することにより、照射部を図9(b)に示すような高屈折率層パターンからなる光伝搬層(「光伝播層」とも言う。)に改質する方法である。
【0007】
超短パルスレーザビーム4−1には200フェムト秒以下の狭いパルス幅のレーザビームが用いられ、200kHz程度の速い繰り返し周波数で照射され、ガラスブロックを矢印7方向に移動させることにより、所望の光伝搬層のパターンが形成される。
【0008】
図10は従来のフレキシブル導波路でボード間を接続した状態を示す図である。
【0009】
2枚のボード8−1、8−2を接続するフレキシブル導波路9は、ポリマフィルム上にポリマ材料を用いて構成したポリマ導波路フィルムである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8〜図10に示す従来の光導波路には以下のような課題があった。
(1)いずれのガラス導波路も硬い平板構造であるため、フレキシブルに曲げることはできない。
(2)ガラス導波路を小型のパッケージ内に実装することは困難であり、パッケージサイズが大きい。
(3)超短パルスレーザビーム照射によって形成されたガラス導波路もSi基板上やガラス基板上、あるいはガラスブロック内にあり、(1)、(2)のような問題点を抱えている。
(4)ポリマ導波路フィルムはフレキシブルに曲げることができるが、損失が大きいと、熱安定性が悪い。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、フレキシブルで低損失なフィルム状ガラス導波路及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、フィルム状部材上に所定の厚さのガラス膜が設けられ、ガラス膜内に超短パルスレーザビームが集光、照射されてその集光部に高屈折率層パターンからなる光伝搬層が二次元状に形成されたものである。
【0013】
請求項2の発明は、厚さが50μmから200μmまでの範囲のフィルム状部材に温度が300℃から460℃の範囲で形成されたガラス膜が設けられ、ガラス膜内に波長が700nmから900nmの範囲でパルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビームが集光、照射されてその集光部に高屈折率層パターンからなる光伝搬層が二次元状に形成されたものである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の構成に加え、フィルム状部材として、ゾルゲル法で作製したガラスフィルム、あるいはポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリマフィルムを用いるのが好ましい。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の構成に加え、ガラス膜は気相化学反応法で形成した膜、ゾルゲル法で形成した膜、スパッタリング法で形成した膜のいずれかを用いるのが好ましい。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の構成に加え、ガラス膜は多層構造を有してもよい。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の構成に加え、ガラス膜の厚さは10μmから100μmの範囲内にあるのが好ましい。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の構成に加え、光伝搬層を有するガラス膜は厚さが50μmから200μmの範囲のフィルム状部材でサンドイッチ状に挟まれていてもよい。
【0019】
請求項8の発明は、厚さが50μmから200μmの範囲のフィルム状部材に300℃から460℃の温度範囲で膜を形成する成膜工程、膜内に波長が700nmから900nmの範囲でパルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビームを集光、照射しながらフィルム状部材か超短パルスレーザビームのいずれかの相対移動で膜内に二次元の高屈折率層パターンからなる光伝搬層を形成する光伝搬層形成工程からなるものである。
【0020】
請求項9の発明は、請求項8に記載の構成に加え、光伝搬層を有するガラス膜を厚さが50μmから200μmの範囲のフィルム状部材でサンドイッチ状に挟み、フィルム状部材にガラス膜を気相化学反応法、ゾルゲル法、スパッタリング法のいずれかを用いて形成するのが好ましい。
【0021】
請求項10の発明は、請求項7から9のいずれかに記載の構成に加え、ガラス膜を多層構造に形成してもよい。
【0022】
請求項1の発明によれば、フィルム状部材上に所定の厚さのガラス膜を形成し、そのガラス膜に超短パルスレーザビームを集光、照射してその集光部に屈折率の高い光伝搬層を二次元状に形成したフレキシブルなものであるため、自由に折り曲げることができ、導波路を三次元的に光実装を行うことができる。その結果、小さいパッケージ内での光実装が可能となる。
【0023】
請求項2の発明によれば、厚さが50μmから200μmの範囲のフィルム状部材に300℃から460℃の温度範囲で形成したガラス膜内に波長が700nmから900nmの範囲でパルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビームを集光、照射してその集光部に屈折率の高い光伝搬層パターンを二次元状に形成したフレキシブルなものであるため、自由に折り曲げることができ、導波路を三次元的に光実装を行うことができる。その結果、小さいパッケージ内での光実装が可能となる。
【0024】
また、高さの異なる部品や装置の間の短い三次元光配線も可能となる。しかも光信号の伝搬するコア層がフェムト秒オーダのレーザビーム照射により緻密に高度化されているので、従来のガラス導波路の高温熱処理(約1200℃での熱処理)を施したコア層と同程度の低損失特性を得ることが可能である。
【0025】
請求項3の発明によれば、フィルム状部材として、ゾルゲル法で作製したガラスフィルムあるいはポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリマフィルムを用いることにより、最小曲げ半径10mm程度で導波路を曲げることができる。この結果、上記に示したような効果を期待することができる。
【0026】
請求項4の発明によれば、300℃から460℃の温度範囲で成膜することがきるガラス成膜法として、気相化学反応法(CVD法)で形成した膜、ゾルゲル法で形成した膜、スパッタリング法で形成した膜のいずれかを用いることができるので、低損失特性を期待することができる。
【0027】
請求項5の発明によれば、ガラス膜を多層状に形成しておき、その中の略中心の膜内にレーザビームを照射して高屈折率化すれば、光信号をその高屈折率の膜内に効率よく閉じ込めて伝搬させることが可能となり、より低損失化を期待することができる。
【0028】
請求項6の発明によれば、ガラス膜の厚さを10μmから100μmの範囲にすることにより、フレキシブルなフィルム状特性を保持すると共に低損失特性を得ることが可能となる。
【0029】
請求項7の発明によれば、光伝搬層を有するガラス膜を厚さ0.2mm以下(50nm〜200nm)のフィルム状部材でサンドイッチ状に挟んで対称構造とすることにより、温度変化に対する偏光依存性の少ない導波路が得られる。
【0030】
請求項8の発明によれば、厚さが50μmから200μmの範囲のフィルム状部材に300℃から460℃の温度範囲で膜を形成する成膜工程、膜内に波長が700nmから900nmの範囲でパルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビームを集光、照射しながらフィルム状部材かレーザビームのいずれかの相対移動で膜内に二次元の高屈折率層パターンを形成するパターン形成工程を用いることにより、フレキシブルなフィルム状ガラス導波路を容易、かつ低コストで製造することができる。
【0031】
請求項9の発明によれば、フィルム状部材にガラス膜を300℃以上460℃以下の温度範囲で気相化学反応法、ゾルゲル法、スパッタリング法のいずれかを用いて形成することにより、低損失でフレキシブルなフィルム状ガラス導波路を得ることができる。
【0032】
請求項10の発明によれば、ガラス膜を多層状に形成することにより、低損失で光閉じ込めが良く、折り曲げても損失の小さいフィルム状ガラス導波路を製造することができる。
【0033】
以上において、本発明によれば、フィルム状部材の上に形成されたガラス膜中にガラス膜より屈折率の高い光伝搬層を形成することにより、フレキシブルなフィルム状ガラス導波路を得ることができ、フェムト秒オーダの超短パルスレーザビームの集光、照射によりコアが形成されるので、低損失化を図ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0035】
図1は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の一実施の形態を示す外観斜視図である。
【0036】
図1に示すフィルム状ガラス導波路は、フィルム状部材12の上に、クラッドとしてのガラス膜10が設けられ、そのガラス膜10にガラス膜10より屈折率が高いコア(光伝搬層)11が形成されたものである。
【0037】
本フィルム状ガラス導波路の第1の特徴は、フレキシブルに曲げることができる点にあり、最小曲率半径10mm程度の曲率で曲げることができる。
【0038】
第2の特徴は、ガラス膜10及びコア11がSiO2あるいはSiO2にGe、P、Ti、B、F、Ta、Sn等の屈折率制御用ドーパントを少なくとも1種類添加したガラスで構成されているので、低損失であり、熱安定性にも優れている点である。また、後述するように、コア11が超短パルスレーザビーム照射で高密度化されると共に、高屈折率化されているので、長期的にも外部からOHイオンがコア11内に拡散、進入してきて損失を増大させるおそれが少ない。
【0039】
このフィルム状ガラス導波路は以下のようにして形成される。
【0040】
フィルム状部材12には厚さが0.2mm以下のゾルゲル法で作製したガラスフィルム、あるいはポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリマフィルムを用いる。
【0041】
このポリマフィルムの表面に気相化学反応法で形成した膜、ゾルゲル法で形成した膜、スパッタリング法で形成した膜のいずれかを460℃以下の温度で形成する。すなわち、フィルムの耐熱性を考慮し、膜の透過率特性及び屈折率の安定性を考慮に入れた温度として300℃から460℃の範囲が好ましい。この成膜温度で形成した膜は密度の低い膜であり、この膜の内部に波長が700nmから900nmの範囲、パルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビームを集光、照射する。
【0042】
その結果、レーザビームの集光部が高密度化されて屈折率の高い光伝搬層となり、その光伝搬層のパターンを膜内に二次元状に形成することにより、光信号の伝搬するコア層とする。
【0043】
図2は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す外観斜視図である。
【0044】
図2に示すフィルム状ガラス導波路は、フィルム状部材15上に設けられたガラス膜13内にガラス膜13より屈折率が高い複数(図では5本であるが限定されない。)のコア14−1〜14−5をアレイ状に配置したガラス導波路フィルムアレイである。このような低損失のフィルム状ガラス導波路アレイはデバイス間、装置間等を光結合するのに使用することができ、例えば、光ファイバアレイの代わりに用いることができる。
【0045】
図3は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す断面図である。
【0046】
図1に示したフィルム状ガラス導波路との相違点は、フィルム状部材18の上に設けられたガラス膜16に、ガラス膜16より屈折率が高いコア17が形成され、ガラス膜16の上に被覆膜19が設けられた点である。
【0047】
フィルム状部材18の厚さは0.2mm以下、好ましくは0.1mm前後のものを用いる。ガラス膜16はCVD法で成膜する場合、30μm以下、好ましくは10μmから20μmの範囲のものを用いる。ガラス膜16の上部に設けられた被覆膜(膜厚は2μm以上50μm以下)19はガラス膜16の屈折率よりも低い材質のガラス膜か、ポリマ膜を用いる。被覆膜19としてガラス膜(若しくはポリマ膜)を用いた場合にはガラス膜16を形成した後に連続して形成する。また、被覆膜19としてポリマ膜を用いた場合には、コア17を形成した後に塗布、吹き付け法等により形成する。
【0048】
このようなフィルム状ガラス導波路においても図1に示したフィルム状ガラス導波路と同様の効果が得られる。
【0049】
図4は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す断面図である。
【0050】
図1に示したフィルム状ガラス導波路との相違点は、内部にガラス膜20より屈折率の高いコア21を形成したガラス膜20が、複数層(図では4層であるが限定されない。)の被覆膜22−1a、22−1b、22−2a、22−2bでサンドイッチ状に挟まれ、フィルム状部材23上に設けられている点である。
【0051】
このようなフィルム状ガラス導波路においても図1に示したフィルム状ガラス導波路と同様の効果が得られる。
【0052】
図5は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す断面図である。
【0053】
図1に示したフィルム状ガラス導波路との相違点は、ガラス膜24より屈折率が高いコア25が形成されたガラス膜24を両面からフィルム状部材26−1、26−2で挟んだ対称構造を有する点である。
【0054】
このような構造にすることにより、熱的に光学特性が変動するのを抑えることができ、曲げに対する安定性も向上する。
【0055】
図6は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法の一実施の形態を示す説明図である。
【0056】
同図は、厚さが0.2mm以下のフィルム状部材27の上にガラス膜28を460℃で形成する成膜工程を経た後、そのガラス膜28内に波長が700nmから900nmの範囲でパルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビーム29−1をレンズ30で集光し、集光したレーザビーム29−2をガラス膜28に照射しながらガラス膜28をレーザビーム29−1と直交する方向(矢印31方向)に所望速度で移動しつつガラス膜28の内部に二次元のコア280を形成する高屈折率層パターンからなる光伝搬層を形成する光伝搬層形成工程を示す。
【0057】
フィルム状部材27にはレーザビーム29−2がデフォーカス状態で照射されるので、フィルム状部材27の急激な温度上昇はなく、高屈折率層パターン形成工程中でも化学的変化は生じない。
【0058】
図7は本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法の他の実施の形態を示す説明図である。
【0059】
図6に示した製造方法との相違点は、図2に示したような長尺状のフィルム状ガラス導波路アレイを製造するようにした点である。
【0060】
図7において、フィルム状部材27(図6参照)の上にガラス膜28(図6参照)を形成した導波路形成用フィルム32が巻き回された供給ドラム33を準備し、この供給ドラム33から巻き取りドラム34に矢印35〜37方向に所望速度で巻き取る。導波路形成用フィルム32を巻き取る際に、走行中の導波路形成用フィルム32の上に、レーザビーム38−1をレンズ39で集光したレーザビーム38−2を照射することにより、ガラス膜28(図6参照)内にX軸方向の所望パターンの光伝搬層が形成される。
【0061】
次に両ドラム33、34を逆回転させて導波路形成用フィルム32を所望速度で矢印40〜42方向に巻き戻す際にレーザビーム38−2の集光、照射位置を図示しない移動手段によりY軸方向にシフトさせて集光、照射してガラス膜28(図6参照)の内部にY軸方向の光伝搬層を所望パターンに形成する。
【0062】
以下、同様の操作を繰り返すことにより、図2に示した光伝搬層を4本有するフィルム状ガラス導波路アレイを製造することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、フレキシブルで低損失なフィルム状ガラス導波路及びその製造方法の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の一実施の形態を示す外観斜視図である。
【図2】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す外観斜視図である。
【図3】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す断面図である。
【図4】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す断面図である。
【図5】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法を適用したフィルム状ガラス導波路の他の実施の形態を示す断面図である。
【図6】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法の一実施の形態を示す説明図である。
【図7】本発明のフィルム状ガラス導波路の製造方法の他の実施の形態を示す説明図である。
【図8】ガラス導波路の従来例を示す断面図である。
【図9】(a)はガラス導波路の従来例を示す説明図であり、(b)は(a)に示したガラス導波路の厚さ方向の屈折率を示す図である。
【図10】従来のフレキシブル導波路でボード間を接続した状態を示す図である。
【符号の説明】
10 ガラス膜(クラッド)
11 光伝搬層(コア)
12 フィルム状部材
Claims (10)
- フィルム状部材上に所定の厚さのガラス膜が設けられ、該ガラス膜内に超短パルスレーザビームが集光、照射されてその集光部に高屈折率層パターンからなる光伝搬層が二次元状に形成されたことを特徴とするフィルム状ガラス導波路。
- 厚さが50μmから200μmまでの範囲のフィルム状部材に温度が300℃から460℃の範囲で形成されたガラス膜が設けられ、該ガラス膜内に波長が700nmから900nmの範囲でパルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビームが集光、照射されてその集光部に高屈折率層パターンからなる光伝搬層が二次元状に形成されたことを特徴とするフィルム状ガラス導波路。
- 上記フィルム状部材として、ゾルゲル法で作製したガラスフィルム、あるいはポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリマフィルムを用いた請求項1または2に記載のフィルム状ガラス導波路。
- 上記ガラス膜は気相化学反応法で形成した膜、ゾルゲル法で形成した膜、スパッタリング法で形成した膜のいずれかを用いた請求項1から3のいずれかに記載のフィルム状ガラス導波路。
- 上記ガラス膜は多層構造を有する請求項1から4のいずれかに記載のフィルム状ガラス導波路。
- 上記ガラス膜の厚さは10μmから100μmの範囲内にある請求項1から5のいずれかに記載のフィルム状ガラス導波路。
- 光伝搬層を有するガラス膜は厚さが50μmから200μmの範囲のフィルム状部材でサンドイッチ状に挟まれている請求項1から6のいずれかに記載のフィルム状ガラス導波路。
- 厚さが50μmから200μmの範囲のフィルム状部材に300℃から460℃の温度範囲で膜を形成する成膜工程、該膜内に波長が700nmから900nmの範囲でパルス幅が10フェムト秒以上1000フェムト秒以下、その繰り返し周波数が1kHz以上400kHz以下の超短パルスレーザビームを集光、照射しながら上記フィルム状部材か上記超短パルスレーザビームのいずれかの相対移動で上記膜内に二次元の高屈折率層パターンからなる光伝搬層を形成する光伝搬層形成工程からなることを特徴とするフィルム状ガラス導波路の製造方法。
- 光伝搬層を有するガラス膜を厚さが50μmから200μmの範囲のフィルム状部材でサンドイッチ状に挟み、上記フィルム状部材にガラス膜を気相化学反応法、ゾルゲル法、スパッタリング法のいずれかを用いて形成する請求項8に記載のフィルム状ガラス導波路の製造方法。
- 上記ガラス膜を多層構造に形成する請求項7から9のいずれかに記載のフィルム状ガラス導波路の製造方法。
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