JP2001255425A - 光導波路 - Google Patents

光導波路

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JP2001255425A
JP2001255425A JP2000073999A JP2000073999A JP2001255425A JP 2001255425 A JP2001255425 A JP 2001255425A JP 2000073999 A JP2000073999 A JP 2000073999A JP 2000073999 A JP2000073999 A JP 2000073999A JP 2001255425 A JP2001255425 A JP 2001255425A
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core
optical waveguide
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organic
light
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JP2000073999A
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English (en)
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Yoshitaka Terao
芳孝 寺尾
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストかつ屈折率制御が容易で,応用性の
広い光導波路を提供すること。 【解決手段】 下部クラッド69となる石英基板上に,
有機および無機ハイブリッド膜をスピンコート法と乾燥
を繰り返して塗布し,屈折率が下部クラッド69とほぼ
同様なコア層67を形成する。その後,コアとする部分
のみ光が透過するようにスペースを設け,他はCr等で
遮光されたマスク63をコア層67上に配置し,UVレ
ーザ61を照射すると,照射された部分のみ屈折率が変
化し,コア65となる。さらにコア層67上に,コア層
67と同様に有機および無機ハイブリッド膜を塗布して
上部クラッド71とし,光導波路が完成する。なお,U
Vレーザ61の照射時間,および強度を変化させると,
屈折率の変化を制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光導波路に関し,特
に,導波路の組成を有機および無機ハイブリッド膜とし
た光導波路に関する。
【0002】
【従来の技術】平面基板上に形成された光導波路の組成
は大きく分けて,無機系および有機系の2つが知られて
いる。前者は,SiO2を母体にコアとクラッドの屈折
率を制御するため,酸化ゲルマニウム,酸化ホウ素,酸
化リン等をドープさせている。作成方法としては,火炎
堆積法,CVD法などが知られている。
【0003】また後者は,スピンコート法などを用いて
容易に膜を形成できるように,有機ポリマーを用いた方
法であり,フッ素化ポリイミド等が知られている。これ
らの基本的な作成方法を以下に説明する。
【0004】無機系導波路膜では,まずSi基板上に,
光導波路の基本となる下部クラッド層(厚さ約20μ
m),コア層(厚さ5〜11μm,幅5〜11μm),
上部クラッド層(厚さ約20μm)となるSiO2膜
を,火炎堆積法もしくはCVD法により形成する。
【0005】コア層には,シングルモードでコア中に光
を伝播させるためにクラッドとの屈折率差を持たせる目
的で,GeO2をドープ(20体積%以内,屈折率差
0.2〜0.8%)させている。コアのパターニングに
は,リアクティブ・イオン・エッチング法(RIE法)
を用いる。
【0006】有機系導波路膜では,石英ガラスもしくは
Si基板上に,導波路の基本となる下部クラッド層(厚
さ約20μm),コア層(厚さ5〜11μm,幅5〜1
1μm),上部クラッド層(厚さ約20μm)となる膜
を,スピンコート法により形成する。
【0007】コアとクラッドの屈折率差は,フッ素化ポ
リイミド中のフッ素含有量を調整することで容易に行え
る。コアのパターニングには,無機系同様RIE法を用
いる。
【0008】次に,導波路上にグレーティングを作成す
る従来の方法を,説明する。これは,導波路上に周期的
な屈折率変化を起こさせることにより,その屈折率の周
期に合った波長の光を反射させ,それ以外は透過させる
特性を持ち,光通信で幅広く用いられている。
【0009】図7は,無機系導波路グレーティングの作
成方法を示す図である。無機系導波路においては,コア
にUV光を照射することで,コアの屈折率が増加するこ
とが知られている。これは,コア中に含まれるGeO2
―SiO2構造において,UV光が作用して酸素欠陥が
生じることに起因する。このとき屈折率変化は一般的に
10―3オーダーとなる。
【0010】この無機系導波路上にグレーティングを作
成するためには,位相マスク法が用いられる。図7に示
すように,まずレーザ光源2(ラムダ・フィジクス製K
rFエキシマレーザ)から波長248nmのレーザ光5
1が出力され,アッテネータ3を通過する。
【0011】次に,ミラー5により方向を転換され,シ
リンドリカルレンズ7によりビーム径が調整されて位相
マスク9に照射される。この位相マスク9によりレーザ
光53は回折され,縞模様の回折光55が生じる。
【0012】位相マスク9の下部に,クラッド35が露
出した状態の無機系感光性導波路31を設置すると,回
折光強度の高い部分でコア部37に局所的な屈折率変化
が起こる。この導波路31の軸方向からレーザ光61を
入射させると,(式1)に示す波長の光λb63はブラ
ッグ反射により入射端39に出射される。
【0013】λb=2・neff・Λ (式1) ここで,neffはグレーティング部のコア実効屈折
率,Λは導波路の屈折率変化の周期である。
【0014】位相マスク9は,表面もしくは裏面のどち
らか一方に,回折格子13となる凹凸パターンが形成さ
れている。この周期はΛの2倍となる。以下にその作成
方法を説明する。
【0015】まず,石英ガラス基板にCr薄膜をスッパ
タリングもしくは蒸着法により形成する。次に,電子ビ
ームリソグラフィ法により,Cr薄膜をパターニングす
る。このとき,ライン(Cr部)およびスペースを等寸
法Λとしておく。2Λが回折格子列の周期となる。
【0016】その後,Crパターンをマスクとして下地
の石英を,イオンエッチング法を用いてエッチングし,
溝を形成する。Cr薄膜を酸により除去すると,石英基
板上に回折格子列13が作成される。
【0017】一方,通常,レーザビーム53の大きさは
位相マスクの長さ(最大で100mm程度)よりも小さ
いので,25〜100mm程度の長さのグレーティング
を作成する場合には,ミラー5を移動させてレーザビー
ム53を,位相マスク9の長手方向にスキャンする照射
方法となる。
【0018】有機系導波路においては,放射光(X線)
を,フッ素化ポリイミドに照射することで10―2オー
ダーの屈折率上昇が可能である。これは,フッ素の脱離
による分子容の減少に起因すると考えられている。
【0019】有機系導波路グレーティングの作成方法
は,コアとクラッドを形成したポリイミド光導波路に,
回折格子パターンを有するX線マスクを介して放射光を
照射することで行われる。放射光は直進性を示すため,
回折格子直下のコア部の屈折率が上昇することになる。
【0020】また従来の光導波路においては,コアの屈
折率は一定であった。図8は,従来の技術による曲線状
のコア部97を有する光導波路を示す図である。図8に
示すように,従来の光導波路はコア部97の屈折率が一
定であるため,接続するファイバ等の部品との結合効率
を高めるように屈折率および開口数を合わせた状態で,
曲線部の曲率を大きくするのは,クラッド部98に光が
漏れてしまい大きな損失となるので不可能であった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで,上記構成の
無機系導波路においては,低ロスの反面真空装置および
フォトリソグラフィ工程を用いるので,作成コストが高
くなる。また,膜厚は1μm程度が限界で,それ以上は
厚くできない。有機系導波路においては,真空装置は用
いないが,ロスが若干高く,コアの形成にはフォトリソ
グラフィを用いるのでやはり作成コストが高い。
【0022】また,両者とも屈折率の制御が容易には行
えないため,応用範囲は狭くなる。また,コアのパター
ニング後にグレーティングを作成することはできないの
で,それにより透過帯域の損失を抑えることはできず,
光導波路の配線の集積度を上げることも困難であるとい
う問題点があった。
【0023】本発明は,従来の光導波路が有する上記問
題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,低
コストかつ屈折率制御が容易で,応用性の広い光導波路
を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め,導波路の組成を有機および無機ハイブリッド膜と
し,無機成分を,テトラエトキシシラン,テトラエトキ
シシランの縮重合体,テトラメトキシシラン,およびテ
トラメトキシシランの縮重合体より構成されたグループ
から選択されたいずれか一つの物質,または,前記グル
ープから選択された複数の物質の混合物とし,有機成分
を,アクリル樹脂とし,UV光を照射することにより,
有機および無機ハイブリッド膜の屈折率を上昇させるこ
とを特徴とする光導波路が提供される。屈折率が上昇し
た部分をコアとすることを特徴とする光導波路でもよ
い。
【0025】かかる構成によれば,低コストかつ屈折率
制御が容易な応用性の広い光導波路を提供できる。
【0026】また,コア上に,屈折率が周期的に変化し
た領域を設けることを特徴とする光導波路としてもよ
い。かかる構成によれば,低コストかつ透過光の損失を
低減したグレーティングを有する光導波路が提供され
る。
【0027】また,コアの屈折率あるいはコア幅を連続
的に変化させる,あるいはその両者を共に連続的に変化
させる光導波路としてもよい。かかる構成によれば,フ
ァイバと半導体レーザのように,異なるコア幅の光導波
路との方が結合効率を高くできるような場合に,コア幅
が狭い部分ではコアとクラッドの屈折率差を大きく,広
い部分では小さくし,2つの部品の接合に用いることが
できるなど,応用性の広い光導波路が提供される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照しながら,
本発明にかかる光導波路の好適な実施の形態について詳
細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質
的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一
の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0029】(第1の実施の形態)まず,UV照射によ
り屈折率を変化させることができる有機および無機ハイ
ブリッド膜の製法を説明する。図1は,本実施の形態に
かかる有機および無機ハイブリッド膜の組成を示す図で
ある。
【0030】図1に示すように,無機材料Aとしてテト
ラエトキシシラン(TEOS)またはテトラメトキシシ
ラン(TMOS)の縮重合体のアルコール溶液を用い
る。有機材料Bとしては,アクリル樹脂を主鎖としてジ
メチルシラン構造体を側鎖に持つ樹脂を,アルコール中
に混合させた溶液を用いる。
【0031】上記の無機材料A,および有機材料Bを所
望の粘度に調整後,スピンコート法によりSiもしくは
SiO2基板に塗布し,100℃15分の乾燥により,
有機および無機ハイブリッド膜が完成する。
【0032】ただし,有機と無機材料の混合比には最適
値が存在する。図2は,有機および無機ハイブリッド膜
の膜厚と屈折率のアクリルシリコン樹脂含有量依存性を
示したものである。
【0033】図2に示すように,有機材料の含有量が6
%以下であるP領域,6%〜60%であるQ領域,60
%以上であるR領域に分けるとする。P領域では,膜に
ひび割れが生じ,R領域では膜にしわが発生し,共に表
面の平滑性が失われてしまう。よって,光導波路に使用
できるのは,Q領域,すなわち有機材料の含有量が6%
〜60%の範囲である。
【0034】また,膜厚は有機材料の含有量が増えるに
つれて増加し,1度の塗布で約7μm程度まで形成する
ことができる。光導波路に使用できるのは,有機材料の
含有量の最適範囲であるQ領域における膜厚,すなわち
約2μmから7μmである。このとき屈折率は約1.4
4〜1.47の範囲であり,石英とほぼ同じ値である。
【0035】次に,上記のように調整した膜を用いて光
導波路を作成する方法を説明する。図3は,本実施の形
態にかかる光導波路Sの作成方法を示す図である。本実
施の形態では,下部クラッド層69に石英基板(屈折率
1.45)を用い,コア層67にほぼ同じ屈折率の有機
および無機ハイブリッド膜(有機成分含有量20%,屈
折率1.45)を形成する。コアの膜厚は例えば6μm
程度になるように,スピンコートと乾燥を2回繰り返
す。
【0036】次に作成したいコア65のパターン幅(例
えば6μm)と同一のスペースの空いたマスク63(U
V光を照射したくないエリアはCr等で遮光されてい
る)をコア層67上に配置する。
【0037】マスク63のスペースパターンに沿って,
UVレーザ61を照射する。もちいたUVレーザ61
は,Ar−CWレーザ(コヒーレント製300Fre
d,波長244nm)である。UVレーザ61は照射エ
リアが小さい(例えば0.5mm×2mm)ので,描画
長さがこれよりも大きい場合には基板またはレーザを移
動させる手段が必要である。
【0038】本実施の形態ではUVレーザ61の照射量
を200J/cmとした。その結果,UVレーザ61
が照射された部分であるコア65は,照射されていない
ところに比べて屈折率が1.4%増加した。これは,コ
アとクラッドとに必要な屈折率差0.2%〜0.8%を
十分満たす値である。また,屈折率変化の調整は,UV
レーザ61の照射量を変えることで可能となる。
【0039】コア層67でUVレーザ61の照射されて
いない部分は下部クラッド層69と同じ屈折率であるか
ら,構造上,側部クラッドとなる。この膜上に,コア層
67と同じ組成の有機および無機ハイブリッド膜を10
μmから15μm塗布し,乾燥することで上部クラッド
71が形成され,光導波路Sが完成する。
【0040】このように本実施の形態によれば,真空装
置およびフォトリソグラフィ工程をまったく用いない
で,光導波路のコアとクラッド層とを作成することがで
き,また,屈折率の制御が容易なので,低コストで応用
性の広い光導波路が作成可能である。
【0041】(第2の実施の形態)本実施の形態は,第
1の実施の形態で作成した光導波路にグレーティングを
作成するものである。まず,第1の実施の形態と同様,
図1に示す材料のアルコール溶液を用い,図3に示す手
順で有機および無機ハイブリッド膜を作成する。すなわ
ち,スピンコート法で塗布された有機および無機ハイブ
リッド膜のコア層において,マスクを用いて限定された
エリアにUV光を照射して屈折率を変化させ,コアを作
成する。さらに上部クラッドとして同一材料を塗布して
光導波路を完成させる。ここでは,UV光の照射量は1
00J/cmとした。
【0042】次に,図4を参照しながらグレーティング
の作成方法を説明する。図4は,本実施の形態にかかる
グレーティングの作成方法を示す図である。グレーティ
ングを作成するためには,位相マスク法が用いられる。
【0043】図4に示すように,まずレーザ光源1(コ
ヒーレント製Ar−CWレーザ)から波長244nmの
レーザ光41が出力され,アッテネータ3を通過する。
【0044】次に,ミラー5により方向を転換され,シ
リンドリカルレンズ7によりビーム径が調整されて位相
マスク9に照射される。この位相マスク9によりレーザ
光43は回折され,縞模様の回折光45が生じる。
【0045】位相マスク9の下部に,クラッド15が露
出した状態の有機および無機ハイブリッド膜による光導
波路11を設置すると,回折光強度の高い部分でコア部
17に局所的な屈折率変化が起こる。この導波路11の
軸方向からレーザ光61を入射させると,(式1)に示
す波長の光λb63はブラッグ反射により入射端19に
出射される。
【0046】 λb=2・neff・Λ (式1) ここで,neffはグレーティング部のコア実効屈折
率,Λは導波路の屈折率変化の周期である。
【0047】位相マスク9は,表面もしくは裏面のどち
らか一方に,回折格子13となる凹凸パターンが形成さ
れている。この周期はΛの2倍となる。以下にその作成
方法を説明する。
【0048】まず,石英ガラス基板にCr薄膜をスッパ
タリングもしくは蒸着法により形成する。次に,電子ビ
ームリソグラフィ法により,Cr薄膜をパターニングす
る。このとき,ライン(Cr部)およびスペースを等寸
法Λとしておく。2Λが回折格子列の周期となる。
【0049】その後,Crパターンをマスクとして下地
の石英を,イオンエッチング法を用いてエッチングし,
溝を形成する。Cr薄膜を酸により除去すると,石英基
板上に回折格子列13が作成される。
【0050】一方,通常,レーザ光43の大きさは位相
マスク9の長さ(最大で100mm程度)よりも小さい
ので,25mm〜100mm程度の長さのグレーティン
グを作成する場合には,ミラー5を移動させてレーザ光
43を,位相マスク9の長手方向にスキャンする照射方
法となる。
【0051】位相マスク9と光導波路11との位置あわ
せは,予め位相マスク9と,導波路層もしくは石英基板
上に形成しておいたマーカー等(図示せず)により行
う。通常,位相マスク9に形成されている回折格子13
の幅は,コア17の幅と比較して非常に広く(例えば約
5mm〜1cm)なっている。
【0052】このため,コアの側面の側部クラッド層に
もグレーティングが作成されることになる。これにより
グレーティングにおける反射帯域の短波長側の光がクラ
ッドへ漏れるのを押さえられるので,透過帯域の損失を
押さえる効果がある。
【0053】また,レーザ光の照射量を100J/cm
とすることで,グレーティングの屈折率変化はコアよ
りも7×10―3大きくなり,石英系導波路グレーティ
ングや,ファイバブラッググレーティングの屈折率変化
である10―3を十分上回っている。
【0054】以上のように,本実施の形態によれば,有
機および無機ハイブリッド膜にコアを形成した後,さら
にグレーティングを作成することが可能であり,光導波
路部品への適用範囲が広くなる。また,コアの側面の側
部クラッド層にもグレーティングが作成できるので,グ
レーティングにおける反射帯域の短波長側の光がクラッ
ドへ漏れるのを押さえられ,透過帯域の損失を低減する
効果がある。
【0055】(第3の実施の形態)本実施の形態では,
コアの屈折率を連続的に変化させて,コア径の異なる光
部品同士の接合に用いることができる,光導波路の作成
方法を示す。
【0056】有機および無機ハイブリッド膜を作成する
方法は,第1および第2の実施の形態と同様である。す
なわち,図1に示した材料のアルコール溶液を用い,ス
ピンコート法により塗布する。
【0057】本実施の形態では,下部クラッド層に石英
基板を用い,コア層にほぼ同じ屈折率の有機および無機
ハイブリッド膜(有機成分含有量20%,屈折率1.4
5)を形成する。コアの膜厚は6μm程度になるよう
に,スピンコートと乾燥を2回繰り返す。
【0058】次に,連続的に屈折率が変化するコアを作
成する。一般に光をコア中にシングルモード伝播させる
には,(式2)を満たす必要がある。また,(式3)は
開口数NAを表している。 V=Ka(ncore−nclad1/2<2.405 (式2) NA=a(ncore−nclad1/2 (式3) ただし,V:規格化周波数,K:真空中の波数,a:コ
ア径,ncore:コアの屈折率,nclad:クラッ
ドの屈折率
【0059】つまり,コア径を大きくするとコアとクラ
ッドとの屈折率差は小さくてよく,反対にコア径を小さ
くする場合には,コアとクラッドの屈折率差は大きくし
なければならない。
【0060】図5は,本実施の形態にかかる光導波路T
を示す図である。光導波路Tは,コア幅および屈折率を
連続的に変化させた光導波路である。通常,半導体レー
ザとファイバーを接続する場合,半導体レーザから出射
する光は広がるため,ファイバとレーザとの距離を短く
しても,結合効率は10%程度しか得られない。
【0061】図5に示すように,有機および無機ハイブ
リッド膜光導波路Tは,半導体レーザ(LD)81とフ
ァイバ87を結合させるため,コア幅,および屈折率が
連続的に変化するコア83を有する。
【0062】LD81に結合させる側のコア83は,コ
ア幅を大きくして広がる光を受光しやすくし,屈折率差
は小さくする。ファイバー87に結合させる側のコア8
3は,細いファイバーの開口部に合うように幅を狭く
し,屈折率差は大きくする。こうすれば,LDとファイ
バのように異なるコア幅のものとの結合効率を向上させ
ることができるようになる。
【0063】次に,有機および無機ハイブリッド膜光導
波路Tの作成方法を示す。まず,図1に示した材料のア
ルコール溶液を用い,スピンコート法により,膜厚が約
6μmになるように有機および無機ハイブリッド膜を塗
布し,コア層を形成する。
【0064】次に,コアのパターニングのため,例えば
片側で6μm,もう一方の端で8μmに徐々に変化させ
たスペースを有するマスクをコア層上に配置する。この
スペースパターンに沿って,UV光を照射する。用いた
UV光は,Ar−CWレーザ(コヒーレント製300F
red,波長244nm)である。UV光は照射エリア
が小さい(例えば0.5mm×2mm)ので,描画長さ
がこれよりも大きい場合には基板またはレーザを移動さ
せる手段が必要である。
【0065】本実施の形態では,照射量を6μm部分で
は100J/cm,8μm部分では56J/cm
し,その間は徐々に変化するようにした。照射量は以下
のように考えることができる。
【0066】レーザの照射エリアは,約長さ2mm×幅
0.5mmである。レーザの出力は,50mWであるか
ら,単位面積あたりの照射量は5W/cmとなる。レ
ーザの照射エリアよりも導波路が長い場合(例えば1c
mの長さ)に,レーザ照射エリアの長手方向にスキャン
するとしたとき,導波路上のある部分での照射量は,ス
キャン速度に依存する。
【0067】つまり, 照射量(J/cm)=単位面積あたりの照射量(W/
cm)×レーザの長手方向の照射エリア(2mm)/
スキャン速度(mm/sec) となる。
【0068】照射量を変化させるためには,大きく分け
て2つの手段がある。1つは,アッテネータを介してレ
ーザ光を照射させ,単位面積あたりの照射量を徐々に変
化させるように調整する方法である。他の一つは,レー
ザ照射量を一定にして,導波路基板もしくはレーザ光の
スキャンスピードを徐々に変化するようにする方法であ
る。
【0069】このようにして作成したコア上に,コア層
と同じ組成の有機および無機ハイブリッド膜を10μm
〜15μm塗布し,乾燥することで上部クラッド層が形
成され,連続的にコアの屈折率および幅が変化した光導
波路膜が完成する。
【0070】本実施の形態では,有機および無機ハイブ
リッド膜に,コア幅を連続的に変化させたマスクを用
い,UV光の照射量を連続的に変化させることにより,
コアの屈折率と幅を連続的に変化させることができるの
で,異なるコア径を持つ光部品同士の接合に用いること
が可能な光導波路を提供できる。
【0071】(第4の実施の形態)本実施の形態では,
有機および無機ハイブリッド膜を用いて,導波路基板上
に光配線のように光導波路を配線する手段について説明
する。光導波路基板上にコアを効率よく配置するために
は,曲線部のコアの曲率を大きくする必要がある。しか
しながら,光の,コアへの閉じ込め効果の小さい(つま
りシングルモードファイバのようにコアとクラッドとの
屈折率差の小さい)光導波路の曲率を大きくすると,ク
ラッドに光が漏れてしまい,大きな損失となる。
【0072】本実施の形態では,光導波路基盤上に光導
波路を効率よく集積するため,コアの曲げ部分の曲率を
大きくできるように,曲げ部分の光の閉じ込め効果の大
きい(クラッドとコアとの屈折率差が大きい)導波路の
形成方法を説明する。
【0073】まず,他の実施の形態と同様,図1に示し
た材料のアルコール溶液を,石英基板上に塗布し,コア
層を形成する。次に,曲げ部分を最大屈折率差にして,
直線部分から徐々に屈折率が変化するコアを作成する。
【0074】通常のファイバでは,モードフィールド径
(コア径に比例する)が8μm程度(コアとクラッドの
屈折率差が約0.3%)であるから,最大曲げ率は4c
m程度となる。このモードフィールド径が小さくなれ
ば,曲げ半径をさらに小さくすることができる。
【0075】ただし,ここでもシングルモード伝播が条
件なので,(式2)を満たす必要がある。よって,コア
とクラッドとの屈折率差を,最大で1.4%とした場
合,コア径は最小約3.7ミクロンとすることができ
る。このときの最大曲げ半径はほぼ2.5mmとなり,
従来の16倍の曲率が得られる。
【0076】図6は本実施の形態にかかる光導波路Yを
示す図である。光導波路Yは,コア幅,およびコア部9
1とクラッド部93との屈折率差を連続的に変化させ,
曲線部は屈折率差を大きして,コア幅を小さく,曲率を
大きくしたものである。
【0077】以下に,光導波路Yの作成方法を示す。ま
ず,他の実施の形態と同様の方法で有機および無機ハイ
ブリッド膜を作成する。すなわち,図1に示した材料の
アルコール溶液を用い,スピンコート法により,膜厚が
約6μmになるように有機および無機ハイブリッド膜を
光導波路基板95に塗布し,コア層を形成する。
【0078】次に,コア部91のパターン幅を変えるた
め,例えば直線部分で8μm,曲線部分で3.7μmに
徐々にスペースを変化させたマスク(UV光を照射した
くない部分は,Cr等で遮光されている)を光導波路上
に配置する。
【0079】次にこのスペースパターンに沿って,UV
光を照射する。用いたUV光は,Ar−CWレーザ(コ
ヒーレント製300Fred,波長244nm)であ
る。UV光は照射エリアが小さい(例えば0.5mm×
2mm)ので,描画長さがこれよりも大きい場合には基
板またはレーザを移動させる手段が必要である。
【0080】本実施の形態では,照射量を8μm部分で
は56J/cm,3.7μm部分では200J/cm
とし,その間は徐々に変化するようにした。
【0081】照射量を変化させるためには,大きく分け
て2つの手段がある。1つは,アッテネータを介してレ
ーザ光を照射させ,単位面積あたりの照射量を徐々に変
化させるように調整する方法である。他の一つは,レー
ザ照射量を一定にして,導波路基板もしくはレーザ光の
スキャンスピードを徐々に変化するようにする方法であ
る。
【0082】このようにして作成したコア上に,コア層
と同じ組成の有機および無機ハイブリッド膜を10μm
〜15μm塗布し,乾燥することで上部クラッド層が形
成され,光導波路の曲げ部分を小さくすることができ
る,高集積化が可能な,連続的にコアの屈折率および幅
が変化した光導波路膜が完成する。
【0083】以上のように,本実施の形態によれば,光
導波路の曲げ部分のクラッドとコアとの屈折率差を大き
くし,かつコアの幅を小さくすることができるので,曲
げ半径を通常のシングルモードファイバの1/16にす
ることができる。よって,光導波路基板上に集積できる
光導波路の量を増やすことができ,低コスト化が図られ
る。
【0084】以上,添付図面を参照しながら本発明にか
かる光導波路の好適な実施形態について説明したが,本
発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許
請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各
種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであ
り,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属す
るものと了解される。
【0085】例えば,有機および無機ハイブリッド膜に
用いられる有機材料はTEOSおよびTMOS,および
それらの縮重合体の混合されたものでもよい。材料およ
びその混合比を変えることで,有機および無機ハイブリ
ッド膜の屈折率を変えることが可能である。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
低コストかつ屈折率制御が容易な応用性の広い光導波路
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる有機および無機ハイブリッド膜
の組成を示す図である。
【図2】本発明にかかる有機および無機ハイブリッド膜
の膜厚と屈折率のアクリルシリコン樹脂含有量依存性を
示したものである。
【図3】第1の実施の形態にかかる光導波路Sの作成方
法を示す図である。
【図4】第2の実施の形態にかかるグレーティングの作
成方法を示す図である。
【図5】第3の実施の形態にかかる光導波路Tを示す図
である。
【図6】第4の実施の形態にかかる光導波路Yを示す図
である。
【図7】無機系導波路グレーティングの作成方法を示す
図である。
【図8】従来の技術による曲線状のコア部97を有する
光導波路を示す図である。
【符号の説明】
61 UVレーザ 63 マスク 65 コア 67 コア層 69 下部クラッド 71 上部クラッド S 光導波路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導波路の組成を有機および無機ハイブリ
    ッド膜とし,前記無機成分を,テトラエトキシシラン,
    テトラエトキシシランの縮重合体,テトラメトキシシラ
    ン,およびテトラメトキシシランの縮重合体より構成さ
    れたグループから選択されたいずれか一つの物質,また
    は,前記グループから選択された複数の物質の混合物と
    し,前記有機成分を,アクリル樹脂とし,UV光を照射
    することにより,前記有機および無機ハイブリッド膜の
    屈折率を上昇させることを特徴とする光導波路。
  2. 【請求項2】 前記屈折率が上昇した部分をコアとする
    ことを特徴とする請求項1に記載の光導波路。
  3. 【請求項3】 前記アクリル樹脂を,アクリルおよびシ
    リコン変性樹脂とすることを特徴とする請求項1に記載
    の光導波路。
  4. 【請求項4】 前記アクリル樹脂を,アクリル樹脂に含
    まれるカルボキシル基に,アルキル基,またはアルキル
    基を介在して,トリアルコキシシラン基,またはアルコ
    ール基,またはジシラン基を結合させた,アクリルおよ
    びシリコン変性樹脂とすることを特徴とする請求項1に
    記載の光導波路。
  5. 【請求項5】 前記有機および無機ハイブリッド膜中の
    有機成分の比率を6%〜60%としたことを特徴とする
    請求項1に記載の光導波路。
  6. 【請求項6】 前記UVレーザ光の波長を193nm〜
    400nmとすることを特徴とする請求項1に記載の光
    導波路。
  7. 【請求項7】 前記コア上に,屈折率が周期的に変化し
    た領域を設けることを特徴とする請求項2に記載の光導
    波路。
  8. 【請求項8】 前記コアの屈折率変化を連続的変化とす
    ることを特徴とする請求項2に記載の光導波路。
  9. 【請求項9】 前記コアの幅を連続的に変化させたこと
    を特徴とする請求項2に記載の光導波路。
  10. 【請求項10】 前記コアの屈折率変化を連続的変化と
    し,かつ,前記コアの幅を連続的に変化させたことを特
    徴とする請求項2に記載の光導波路。
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